JP2008081382A - 光学ガラスの製造方法、精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法 - Google Patents

光学ガラスの製造方法、精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
フッ素含有ガラス、特にフツリン酸ガラスからなる光学ガラスを熔融法で作製する場合に、ガラス中への白金または白金合金異物の混入量を低減し、ガラス中における白金または白金合金異物の析出量を低減させた光学ガラスを製造する方法を提供する。
【解決手段】
フッ素含有ガラスからなる光学ガラスの製造方法であって、ガラス原料を、炭素または炭化物製の容器で熔解した後、白金または白金合金製の容器中で熔融することを特徴とする光学ガラスの製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学ガラスの製造方法、精密プレス成形用プリフォームの製造方法および光学素子の製造方法に関する。
フツリン酸ガラスなどのフッ素含有ガラスは、低分散のガラスとして非常に有用であり、例えば、銅イオン等を導入したフッ素含有ガラスが、近赤外線吸収ガラスとして広く用いられている。
上記フッ素含有ガラスからなる光学ガラスの製造方法としては、原料を加熱、熔解して得たガラスを熔融状態で清澄、均質化する方法が知られている(以下、熔融法という)。
上記熔融法において、ガラス原料の熔解およびガラスの清澄、均質化処理は、超高温状態にある熔融ガラスに不純物が熔け込まないように通常耐侵食性を有する白金または白金合金製の坩堝内で行われる。
しかしながら、フッ素含有ガラス、特にフツリン酸ガラスは極めて強い侵食性を有することから、白金または白金合金製の坩堝を用いても、坩堝を侵食して、その構成成分をガラス中に取り込んでしまう。ガラス中に混入した白金または白金合金は、異物として析出し、光の散乱源となって光学ガラスとしての品質を低下させてしまう(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−128528号公報(第2頁右欄下から4行〜第3頁左欄上から2行)
本発明は、このような事情のもとで、フッ素含有ガラスからなる光学ガラスを熔融法で作製する場合に、ガラス中への白金または白金合金異物の混入を低減することができる光学ガラスの製造方法、該方法により作製された光学ガラスから精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子をそれぞれ製造する方法を提供することを目的とするものである。
ガラス中への白金または白金合金異物の混入を低減させるために、本発明者は検討を重ねた結果、以下の知見を得た。
(a)フツリン酸ガラス等のフッ素含有ガラスは、元々フッ素を含有しないガラスに比べてガラス中の白金量が著しく少ないにも拘わらず、坩堝から取り込まれ異物として析出する白金または白金合金量が極めて多いことから白金または白金合金の溶解能力が非常に小さい。
(b)上記ガラス中の白金または白金合金の大部分は、原料がガラス化する際に坩堝から取り込まれる。
これらの知見を基に、本発明者はさらに検討した結果、原料をガラス化する際に白金または白金合金以外の材料である炭素または炭化物製の容器を用いれば、ガラス中への白金または白金合金の混入を低減することができ、その異物としての析出量を低減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)フッ素含有ガラスからなる光学ガラスの製造方法であって、
ガラス原料を、炭素または炭化物製の容器で熔解した後、白金または白金合金製の容器で熔融することを特徴とする光学ガラスの製造方法、
(2)フッ素含有ガラスが、フツリン酸ガラス、フツホウ酸ガラス、フツケイ酸ガラス、フツホウケイ酸ガラスおよびフツホウリン酸ガラスから選ばれる1種以上である上記(1)に記載の光学ガラスの製造方法、
(3)炭素または炭化物製の容器が、グラファイト、炭化ケイ素、ガラス化カーボンから選ばれる1種以上からなる容器である上記(1)または(2)に記載の光学ガラスの製造方法。
(4)白金または白金合金製の容器が、白金または白金とジルコニア、金、イリジウム、ロジウムから選ばれる少なくとも1種の金属との合金からなる容器である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で得られた光学ガラスを熔融状態で成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法、
(6)上記(5)に記載の方法で得られた精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法、および
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の方法で得られた光学ガラスからなるガラス成形体を研削、研磨する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法
を提供するものである。
本発明によれば、フッ素含有ガラスからなる光学ガラスを熔融法で作製する場合に、炭素または炭化物製の容器を用いて原料をガラス化することによって、ガラス中への異物の混入を低減することができる光学ガラスの製造方法を提供することができ、該方法により作製された光学ガラスから精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子を製造する方法を提供することができる。
〔光学ガラスの製造方法〕
先ず、本発明の光学ガラスの製造方法について説明する。
本発明の光学ガラスの製造方法は、フッ素含有ガラスからなる光学ガラスの製造方法であって、ガラス原料を、炭素または炭化物製の容器で熔解した後、白金または白金合金製容器中で熔融することを特徴とする。
本発明の方法において、最も特徴的な点は光学ガラスの製造工程であることから、以下、先ずこの点について説明した後、ガラス原料および得られるガラスについて説明するものとする。
ガラス原料を熔解する炭素または炭化物製の容器としては、グラファイト、炭化ケイ素、ガラス化カーボンから選ばれる1種以上からなる容器好ましい。容器形状は、特に制限されないが、円柱形状とすることが好ましい。
ガラス原料は、上記容器中で熔解され、ガラス化される(以下、この熔解処理を適宜ラフメルトと呼ぶ)。ラフメルト時の加熱温度は700〜1100℃が好ましく、800〜900℃がより好ましい。加熱時間は、30〜240分が好ましく、60〜180分がより好ましい。また、ラフメルト時の雰囲気は非酸化性雰囲気であることが好ましく、非酸化性雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン等の希ガス雰囲気、真空雰囲気等を挙げることができる。熔解時の雰囲気を非酸化性雰囲気とすることにより、容器が燃焼することを防止することができ、また、ガラス中のフッ素と酸素が置換することを防止することができる。
ガラス原料の熔解は、原料がガラス化するまで行う。さらに加熱を続けてガラスの均質化処理を行ってもよいが、後述する白金または白金合金製の容器での清澄作用を促進する上からは、原料がガラス化した時点で加熱処理を終了することが好ましい。
熔融法によりガラス原料を熔解する場合、通常、白金または白金合金製の容器以外に、SiOを主構成成分とする容器が用いられているが、本発明者が検討したところ、SiOを主構成成分とする容器はフツリン酸ガラスなどのフッ素含有ガラスにより激しく侵食されることから、使用できないことが判明した。これに対し、炭素または炭化物製の容器を用いてガラス原料を熔解した場合には、容器がガラスに侵食されることを防止しつつ、ガラス中に白金または白金合金が混入することを防止できることを見出して、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の方法においては、炭素または炭化物製の容器で原料をラフメルトして得たガラスを、白金または白金合金製の容器で熔融して、ガラスの清澄化処理を行う。
容器を構成する白金合金としては、白金・ジルコニア合金、白金・金合金、白
金・イリジウム合金、白金・ロジウム合金等を挙げることができる。
熔融時の温度は800〜1200℃が好ましく、800〜1100℃がより好ましい。高温のガラスは雰囲気中の水分と反応しやすく、この反応によりガラスの品質が低下するので、熔融時の雰囲気は乾燥雰囲気とすることが好ましい。乾燥雰囲気中の水分量は露点−30℃以下相当が望ましく、ガスの種類は窒素、アルゴンなどの不活性ガスを挙げることができる。
また、熔融処理とともに攪拌処理を行って、ガラスを均質化することが好ましい。
上記熔融操作においては、炭素または炭化物製の容器と白金または白金合金製の容器とをパイプで接続することによって、炭素または炭化物製の容器で作製したガラスを白金または白金合金製の容器内にそのまま流出させて、熔融してもよく、炭素または炭化物製の容器で作製したガラスを一旦冷却、固化して得られたガラス体を白金または白金合金製の容器内で再度加熱することによって、熔融してもよい。
本発明の方法においては、上記炭素または炭化物製の容器でラフメルトを行い、白金または白金合金製の容器でその後のガラスの熔融処理(清澄化処理)を行う。炭素または炭化物製の容器で引き続きガラスの熔融処理(清澄化処理)を行うことが理想的ではあるが、炭素または炭化物は白金または白金合金に比べて加工性および耐久性が低いため、複雑な形状の熔解炉を形成するのは不向きである。このため、本発明の方法においては、炭素または炭化物製の容器は単純な形状しか必要とせず、容器の交換も容易なラフメルト工程にのみ使用し、その後の熔融処理(清澄化処理)を白金または白金合金製の容器で行うことによって、白金または白金合金のガラス中への混入が最小限となるようにしている。
次に、用いられるガラス原料および得られる光学ガラスについて説明する。
フッ素含有ガラスの原料としては、Ba(PO、AlF、MgF、CaF、SrF等の、各ガラス成分に相当するリン酸塩、フッ化物等を挙げることができる。
得られるフッ素含有ガラスからなる光学ガラスとしては、フツリン酸ガラス、フツホウ酸ガラス、フツケイ酸ガラス、フツホウケイ酸ガラスおよびフツホウリン酸ガラス等から選ばれる1種以上からなるものを挙げることができ、本発明の方法は、特にフツリン酸ガラスからなる光学ガラスを製造する場合に好適に用いることができる。
フツリン酸ガラスからなる光学ガラスの好ましい態様としては、カチオン%表示で、P5+ 5〜50%、Al3+ 0.1〜40%、Mg2+ 0〜20%、Ca2+ 0〜25%、Sr2+ 0〜30%、Ba2+ 0〜30%、Li 0〜30%、Na 0〜10%、K 0〜10%、Y3+ 0〜10%、La3+ 0〜5%、Gd3+ 0〜5%を含有する光学ガラスを挙げることができる。
上記光学ガラスにおいて、アニオン成分FとO2−の配分は、FとO2−の合計量に対するFの含有量のモル比F/(F+O2−)が0.25〜0.95の範囲であることが好ましい。アニオン成分の量を上記のように設定することにより、ガラスに低分散特性を付与することができる。
上記光学ガラスによれば、屈折率の値ndが1.40000〜1.60000、アッベ数(νd)が67以上の光学特性を実現することができる。なお、アッベ数(νd)の上限については特に限定されないが、100以下を目安にすることがガラスを安定に製造する面から好ましい。
上記光学ガラスにおいて、2価カチオン成分(R2+)としてCa2+、Sr2+およびBa2+のうちの2種以上を含むものが好ましい。
また、上記光学ガラスは、2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量が1カチオン%以上であるものが好ましく、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の含有量がそれぞれ1カチオン%以上であるのがより好ましい。
以下、上記光学ガラスの組成について詳説するが、各カチオン成分の割合をモル比をベースにしたカチオン%で表示するとともに、各アニオン成分の割合もモル比をベースにしたアニオン%で表示するものとする。
5+はガラスのネットワークフォーマーとして重要なカチオン成分であり、5%未満ではガラスの安定性が低下し、50%超ではP5+は酸化物原料で導入する必要があるため酸素比率が大きくなり目標とする光学特性を満たさない。したがって、その量を5%〜50%とし、より好ましくは5%〜40%とし、特に好ましくは5%〜35%とする。なお、P5+の導入にあたっては、PClを使用することは、白金を侵食しまた揮発も激しいため安定な製造の妨げになるため適当でなく、リン酸塩として導入することが好ましい。
Al3+はフツリン酸塩ガラスの安定性を向上させる成分であり、0.1%未満では安定性が低下し、また40%超ではガラス転移温度(Tg)及び液相温度(LT)が大きく上昇するため、成形温度が上昇し成形時の表面揮発による脈理が強く生じ、均質なガラス成形体、特にプレス成形用プリフォームを得ることができなくなる。したがって、その量を0.1%〜40%とし、より好ましくは5%〜40%とし、特に好ましくは10%〜35%とする。
2価カチオン成分(R2+)であるMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+の導入はガラスの安定性の向上に寄与する。ただし、過剰の導入により、ガラスとしての安定性が低下するので、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+を次の範囲にすることが好ましい。
まず、Mg2+の好ましい含有量は0〜20%、より好ましくは1〜20%、さらに好ましくは5〜15%、特に好ましくは5〜10%とする。Ca2+の好ましい含有量は0
〜25%、より好ましくは1〜25%、さらに好ましくは5〜20%、特に好ましくは5〜16%とする。Sr2+の好ましい含有量は0〜30%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは5〜25%、特に好ましくは10〜20%とする。Ba2+の好ましい含有量は0〜30%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜25%、より一層好ましくは5〜25%、特に好ましくは8〜25%とする。
Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+を、それぞれを単独で導入するよりも2種以上を導入することが好ましく、Ca2+、Sr2+およびBa2+のうちの2種以上導入することがより好ましい。2価カチオン成分(R2+)の導入効果をより高める上から、Mg2+、Ca2+、Sr2+およびBa2+の合計含有量を1カチオン%以上とすることが好ましい。またそれぞれの上限値を超えて導入すると安定性は急激に低下する。Ca2+、Sr2+は比較的多量に導入できるがMg2+、Ba2+は多量の導入は特に安定性を低下させる。しかしBa2+は低分散を保ちつつ高屈折率を実現できる成分であるため安定性を損なわない範囲で多く導入するのが好ましい。
Liは安定性を損なわずにガラス転移温度(Tg)を下げる成分であるが、しかし、30%超ではガラスの耐久性を損ない同時に加工性も低下する。したがって、その量を0〜30%とする。好ましい範囲は0〜25%、より好ましい範囲は0〜20%である。
ただし、精密プレス成形用途など、特にガラス転移温度をより低下させたい場合は、Liの量を2〜30%にすることが好ましく、5〜25%にすることがより好ましく、5〜20%にすることがさらに好ましい。
Na、KはそれぞれLiと同様にガラス転移温度(Tg)を低下させる効果があるが同時に熱膨張率をLiに比べてより大きくする傾向がある。またNaF、KFは水に対する溶解度がLiFに比べて非常に大きいことから耐水性の悪化ももたらすため、Na、Kの量をそれぞれ0〜10%とする。Na、Kともに好ましい範囲は0〜5%であり、導入しないのがより好ましい。
3+、La3+、Gd3+はガラスの安定性、耐久性を向上させ、屈折率を上昇させる効果があるが、5%超では安定性が逆に悪化し、ガラス転移温度(Tg)も大きく上昇するため、その量を0〜5%とする。好ましい範囲は0〜3%である。
なお、高品質な光学ガラスを安定して製造する上から、P5+、Al3+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、LiおよびY3+、La3+、Gd3+の合計量をカチオン%で95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
上記光学ガラスは、上記したカチオン成分以外にTi、Zr、Znなどのランタノイドなどをカチオン成分や、Bなどのカチオン成分を本発明の目的を損なわない範囲で含有することができる。
アニオン成分の割合は、所望の光学特性を実現しつつ、優れた安定性を有する光学ガラスを得るために、FとO2−の合計量に対するFの含有量のモル比F/(F+O2−)を0.25〜0.95とする。
フツホウ酸ガラスからなる光学ガラス、フツケイ酸ガラスからなる光学ガラス、フツホウケイ酸ガラスからなる光学ガラス、フツホウリン酸ガラスからなる光学ガラスとしては、従来公知のものを適宜選択して使用することができる。
なお、上記各光学ガラスは、精密プレス成形によって光学素子を作るためのガラスとしても、研削、研磨により光学素子を作るためのガラスとしても、優れたガラスである。
〔精密プレス成形用プリフォームの製造方法〕
次に、精密プレス成形用プリフォームの製造方法について説明する。
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法は、本発明の光学ガラスの製造方法で得られた光学ガラスを熔融状態で成形することを特徴とする。
ここで精密プレス成形用プリフォームとは、プレス成形品の重量と等しい重量のガラスを、精密プレス成形に適した形状に予め成形したものを意味する。
フツリン酸ガラス等のフッ素含有ガラスは、他の一般的な光学ガラスと比較し、磨耗度が大きく、熱膨張係数も大きいという性質を有する。このような性質は、研磨加工にとって好ましくない。磨耗度が大きいと、加工精度が低下したり、研磨時の傷がガラス表面に残留しやすい。また、研磨は切削液をガラスにかけながら行うが、研磨によって温度上昇したガラスに切削液をかけたり、超音波洗浄時に温度上昇した洗浄液中に研磨傷を有するガラスを投入すると、ガラスが大きな温度変化に晒され、熱膨張係数が大きいフツリン酸ガラスでは熱衝撃によってガラスが破損するという問題がおきやすい。したがって、精密プレス成形用プリフォームは、研磨によらない方法で製造することが望ましい。このような観点から、本発明の方法においては、光学ガラスを熔融状態で成形して精密プレス成形用プリフォームを製造する。この場合、プリフォームの全表面を熔融状態のガラスを固化して形成される面とすることにより、プリフォームを洗浄したり、精密プレス成形に先立って加熱する際のプリフォームの破損を防止、低減することができる。
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法において、好ましい第1の態様(以下、プリフォームの製法Iという)は、パイプから熔融ガラスを流出させて、熔融ガラス塊を分離し、ガラスが冷却する過程でプリフォームに成形するものである。
熔融ガラスを所定温度に加熱した白金製あるいは白金合金製のパイプから一定流量で連続して流出する。流出した熔融ガラスからプリフォーム1個分の重量の熔融ガラス塊を分離する。熔融ガラス塊の分離にあたっては、切断痕が残らないように、切断刃の使用を避けることが望ましく、例えば、パイプの流出口から熔融ガラスを滴下させたり、流出する熔融ガラス流先端を支持体により支持し、目的重量の熔融ガラス塊が分離できるタイミングで支持体を急降下して熔融ガラスの表面張力を利用して熔融ガラス流先端から熔融ガラス塊を分離する方法を用いることが好ましい。
分離した熔融ガラス塊はプリフォーム成形型の凹部上においてガラスが冷却する過程で所望形状に成形する。その際、プリフォーム表面にシワができたり、カン割れと呼ばれるガラスの冷却過程における破損を防止するため、凹部上でガラス塊に上向きの風圧を加え浮上させた状態で成形することが好ましい。その際、ガラス塊表面にガスを吹き付けて上記表面の冷却を促進することは、脈理の発生を低減、防止する上から好ましい。
プリフォームに外力を加えても変形しない温度域にまでガラスの温度が低下してから、プリフォームをプリフォーム成形型から取り出して、徐冷する。
なお、ガラス表面からのガラス成分の揮発を低減するため、ガラス流出およびプリフォーム成形を、乾燥雰囲気中(乾燥窒素雰囲気、乾燥空気雰囲気、窒素と酸素の乾燥混合ガス雰囲気など)で行うことが好ましい。
本発明のプレス成形用プリフォームの製造方法において、好ましい第2の態様(プリフ
ォームの製法IIという)は、熔融ガラスを成形してガラス成形体を作製し、該ガラス成形体を機械加工して光学ガラスからなるプリフォームを作製するものである。
プリフォームの製法IIの好ましい態様としては、まず、熔融ガラスを連続してパイプから流出し、パイプ下方に配置した鋳型に流し込む。鋳型には、平坦な底部と底部を三方から囲む側壁を備え、一方の側面が開口したものを使用する。開口側面および底部を両側から挟む側壁部は互いに平行に対向し、底面の中央がパイプの鉛直下方に位置するように、また底面が水平になるように鋳型を配置、固定して鋳型内に流し込まれる熔融ガラスを側壁で囲まれた領域内に均一な厚みになるように広げ、冷却後に鋳型側面の開口部から一定の速度で水平方向にガラスを引き出す。引き出したガラス成形体はアニール炉内へと送られ、アニールされる。このようにして一定の幅と厚みを有し、表面の脈理を低減、抑制した板状ガラス成形体を得る。
次に、板状ガラス成形体を切断あるいは割断してカットピースと呼ばれる複数のガラス片に分割し、これらガラス片を研削、研磨して目的重量のプレス成形用プリフォームに仕上げる。
また別の方法としては、円柱状の貫通孔を有する鋳型を貫通孔の中心軸が鉛直方向を向くようにパイプの鉛直下方に配置、固定する。このとき、貫通孔の中心軸がパイプの鉛直下方に位置するよう鋳型を配置することが好ましい。そして、パイプから鋳型貫通孔内に熔融ガラスを一定流量で流し込んで貫通孔内にガラスを充填し、固化したガラスを貫通孔の下端開口部から一定速度で鉛直下方に引き出し、徐冷して、円柱棒状のガラス成形体を得る。このようにして得られたガラス成形体をアニールした後、円柱棒状の中心軸に対して垂直な方向から切断あるいは割断して複数のガラス片を得る。次にガラス片を研削、研磨して所望重量のプレス成形用プリフォームに仕上げる。これらの方法においても、熔融ガラスの流出、成形を前述同様、乾燥雰囲気中で行うことが好ましい。さらにこれらの方法においても、ガスを成形中のガラス表面に吹き付けて冷却を促進することが脈理の低減、防止を行う上で効果的である。
プリフォームの製法I、IIとも高品質かつ重量精度の高いプリフォームを作製することができ、精密プレス成形用のプリフォームの製造方法として好適である。
〔光学素子の製造方法〕
次に、本発明の光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法の第1の態様(以下、光学素子の製法Iという)は、本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法で得られたプリフォームを精密プレス成形することを特徴とする。
上記精密プレス成形はモールドオプティクス成形とも呼ばれ、当該技術分野において周知の方法である。精密プレス成形によればプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形によって光学機能面を形成することができ、光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
したがって、本発明の光学素子の製法Iは、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高い生産性のもとに製造する方法として適している。
本発明の光学素子の製法Iによれば、プリフォームを構成するガラスの転移温度(Tg)がいずれも低いために、プレス成形温度を低くすることができ、プレス成形型の成形面へのダメージが軽減され、成形型の寿命を延ばすことができる。またプリフォームを構成
するガラスが高い安定性を有するので、再加熱、プレス工程においてもガラスの失透を効果的に防止することができる。さらに、ガラス熔解から最終製品を得る一連の工程を高い生産性のもとに行うことができる。
精密プレス成形に使用するプレス成形型としては公知のもの、例えば炭化珪素、ジルコニア、アルミナなどの耐熱性セラミックスの型材の成形面に離型膜を設けたものを使用することができるが、中でも炭化珪素製のプレス成形型が好ましく、離型膜としては炭素含有膜などを使用することができる。耐久性、コストの面から特にカーボン膜が好ましい。
精密プレス成形では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。
本発明の光学素子の製法Iにおける好ましい態様として、以下に示す光学素子の製法I−aとI−bの2つの態様を示すことができる。
(光学素子の製法I−a)
光学素子の製法I−aは、プレス成形型にプリフォームを導入し、一緒に加熱し、精密プレス成形するものである。
この光学素子の製法I−aにおいては、前記プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが、好ましくは1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(光学素子の製法I−b)
光学素子の製法I−bは、予熱したプレス成形型に、別途加熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形するものである。
この光学素子の製法I−bによれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度を有する光学素子を製造することができる。
なおプレス成形型の予熱温度は、プリフォームの予熱温度よりも低く設定することが好ましい。このようにプレス成形型の予熱温度を低くすることにより、プレス成形型の消耗を低減することができる。
光学素子の製法I−bにおいて、前記プリフォームを構成するガラスが10dPa・s以下、より好ましくは10dPa・s程度の粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜10dPa・sの粘度を示す温度に予熱することがより好ましく、105.5dPa・s以上10dPa・s未満の粘度を示す温度に予
熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時又はプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なお、プレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温するが、前記ガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
本発明の光学素子の製造方法の第2の態様(以下、光学素子の製法IIという)は、本発明の光学ガラスの製造方法により得られた光学ガラスからなるガラス成形体を研削、研磨する工程を含むことを特徴とするものである。
光学素子の製法IIの具体的態様としては、例えば、熔融ガラスを流出してガラス成形体を成形し、アニールした後に切断、研削、研磨等の機械加工を施して光学素子を製造する方法が挙げられる。例えば、上述した円柱棒状のガラス成形体を円柱軸に対して垂直方向からスライス加工し、得られた円柱状のガラスに研削、研磨加工を施して各種レンズなどの光学素子を作製することができる。
これら光学素子の表面には適宜、反射防止膜を形成したり、近赤外光反射膜をコートしてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1(光学ガラスの製造例)
ガラスの原料として、各ガラス成分に相当するリン酸塩、フッ化物などを使用し、表1〜表3に示すNo.1〜14の組成を有するガラスとなるように前記原料を秤量し、十分混合した。
上記調合原料をカーボン(グラファイト)製坩堝に入れて、850℃で攪拌しながら1時間熔解を行った後急冷、粉砕してラフメルトカレットを得た。この熔解工程ではカーボン製坩堝内に窒素ガスを連続して供給し、雰囲気を非酸化性雰囲気に保った。
次にこのラフメルトカレット10kgを蓋で密閉された白金製坩堝に投入して900℃に加熱し、攪拌して熔融した。次いで、白金製坩堝中に十分な乾燥ガスを導入して乾燥雰囲気を保ちつつ1100℃、2時間かけて熔融ガラスを清澄した。乾燥ガスの種類としては、窒素などの不活性ガス、不活性ガスと酸素の混合ガス、酸素などを例示することができる。
清澄後、ガラスの温度を清澄時の温度よりも低い850℃まで下げた後、坩堝底部に接続したパイプから熔融ガラスを流出させ、鋳型に鋳込んで板状ガラスに成形した。
なお、カーボン製坩堝、白金製坩堝に導入したガスはフィルターを通して清浄化したのち、外部に排出した。
得られた各光学ガラスに光線を入射させ、ガラス中の前記光線の光路を横から観察したところ、白金異物による光散乱は認められなかった。また、ガラス内部を光学顕微鏡で拡大観察したところ、白金異物は認められなかった。
また、得られた光学ガラスNo.1〜14について、屈折率(nd)、アッべ数(νd)およびガラス転移温度(Tg)を、以下のようにして測定した。測定結果を表1〜3に示す。
(1)屈折率(nd)およびアッべ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度(Tg)は理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4℃/分にして測定した。
比較例1(光学ガラスの製造比較例)
表1〜表3に示すNo.1〜14の組成を有するガラスとなるように各成分に対応する
原料を秤量し、十分混合した。
上記各調合原料を蓋で密閉された白金製坩堝に投入し、攪拌しながら1200℃で1時間加熱して、原料を熔解した。次いで、白金製坩堝中に十分な乾燥ガスを導入して乾燥雰囲気を保ちつつ、攪拌しながら900℃で1時間かけて熔融ガラスの清澄化を行った。
清澄後、ガラスの温度を清澄時の温度よりも低い850℃まで下げた後、坩堝底部に接続したパイプから熔融ガラスを流出させ、鋳型に鋳込んでガラスブロックに成形した。
なお、白金製坩堝に導入したガスはフィルターを通して清浄化したのち、外部に排出した。
得られた各光学ガラスに光線を入射させ、ガラス中の前記光線の光路を横から観察したところ、白金異物による光散乱で光路が明瞭に観察され、ガラスブロック中に多数の白金異物が混入していることが確認された。
実施例2 (プリフォームの製造例)
実施例1で得た光学ガラスNo.1〜14のガラスからなる各熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定の流量で流出させ、滴下又は支持体を用いて熔融ガラス流先端を支持した後、支持体を急降下してガラス塊を分離する方法にて目的とするプリフォームの重量の熔融ガラス塊を分離した。次いで、得られた各熔融ガラス塊をガス噴出口を底部に有する受け型に受け、ガス噴出口からガスを噴出してガラス塊を浮上しながら成形し、光学ガラスNo.1〜14からなる精密プレス成形用プリフォームを作製した。プリフォームの形状は、熔融ガラスの分離間隔を調整、設定することにより、球状や扁平球状とした。得られた各プリフォームの重量は設定値に精密に一致しており、いずれも全表面が滑らかで、熔融状態のガラスが固化して形成された面となっていた。
次いでプリフォームの内部を観察したところ、いずれも白金異物の混入は認められず、また、いずれも脈理が認められなかった。得られた複数のプリフォームから任意に1つ選択して、撮影した写真を図2に示す。
また、別途、熔融ガラスを鋳型に鋳込んでガラス表面に乾燥ガスを吹き付けて冷却を促進しながら板状ガラスや円柱棒状に成形し、アニールした後、これを切断して得たガラス片の表面を研削、研磨して、全表面が滑らかなプリフォームを得た。この場合も、雰囲気置換を行って得た熔融ガラスを鋳込んで成形した板状ガラスや円柱棒状の表面には脈理は見られなかった。
比較例2 (プリフォームの製造例)
比較例1で得た光学ガラスを用いた以外は、実施例2と同様にして各プリフォームを作製した。
次いでプリフォームの内部を観察したところ、いずれも内部に白金異物の混入が認められた。得られた複数のプリフォームから任意に1つ選択して、撮影した写真を図3に示す(図3に示される円形のプリフォームの内部(中央部)に白い点で示されているものが白金異物である)。
実施例3 (光学素子の製造例)
実施例2で得られた、光学ガラスNo.1〜14からなる各プリフォームを、図1に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。具体的にはプリフォーム4を、上型1、下型2および胴型3からなるプレス成形型の下型2と上型1の間に設置した後、石英管11内を窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を加熱した。プレス成形型内部の温度を、成形されるガラスが10〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を押して成形型内にセットされたプリフォームをプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は3
0秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、プレス成形されたガラス成形品を下型2及び上型1と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し、光学ガラスNo.1〜14からなる非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、いずれも極めて高い面精度を有するものであった。
なお、図1において、参照数字9は支持棒、参照数字10は下型、胴型ホルダー、参照数字14は熱電対である。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには、必要に応じて反射防止膜を設けた。
実施例4 (光学素子の製造例)
実地例2で得られた、光学ガラスNo.1〜14からなる各プリフォームを実施例3とは別の方法で精密プレス成形した。この方法では、先ず、プリフォームを浮上しながら、プリフォームを構成するガラスの粘度が10dPa・sになる温度にプリフォームを予熱した。一方で上型、下型、胴型を備えるプレス成形型を加熱して、前記プリフォームを構成するガラスが10〜1012dPa・sの粘度を示す温度にし、上記予熱したプリフォームをプレス成形型のキャビティ内に導入して、10MPaで精密プレス成形した。プレス開始とともにガラスとプレス成形型の冷却を開始し、成形されたガラスの粘度が1012dPa・s以上となるまで冷却した後、成形品を離型して、光学ガラスNo.1〜14からなる非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、いずれも極めて高い面精度を有するものであった。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けた。このようにして、内部品質の高いガラス製光学素子を生産性よく、しかも高精度に得ることができた。
実施例5 (光学素子の製造例)
実地例1で得られた、光学ガラスNo.1〜14からなる各熔融ガラスをパイプから連続して鋳型に流し込み、乾燥窒素雰囲気中で板状ガラスに成形し、徐冷した。次いでガラス内部を観察したところ、脈理は認められなかった。
この板状ガラスを切断、研削、研磨して球面レンズを作製した。
次に上記板状ガラスを切断、研削、研磨してプレス成形用素材とし、この素材を加熱、軟化、プレス成形して光学素子ブランクを作製した。これらのブランクを徐冷してから研削、研磨して、光学ガラスNo.1〜14からなる球面レンズを得た。
これらの球面レンズの表面には適宜、反射防止膜を形成したり、近赤外光反射膜をコートしてもよい。
本発明によれば、フッ素含有ガラスからなる光学ガラスを熔融法で作製する場合に、ガラス中への異物の混入を低減することができる光学ガラスの製造方法、該方法により作製された光学ガラスから精密プレス成形用プリフォームおよび光学素子をそれぞれ製造する方法を提供することができる。
本発明の実施例で用いた精密プレス成形装置の概略図である。 本発明の実施例で得られた精密プレス成形用プリフォームの拡大写真である。 本発明の比較例で得られた精密プレス成形用プリフォームの拡大写真である。
符号の説明
1・・・上型
2・・・下型
3・・・胴型
4・・・プリフォーム
9・・・支持棒
10・・・下型、胴型ホルダー
11・・・石英管
12・・・ヒーター
13・・・押し棒
14・・・熱電対

Claims (7)

  1. フッ素含有ガラスからなる光学ガラスの製造方法であって、
    ガラス原料を、炭素または炭化物製の容器で熔解した後、白金または白金合金製の容器で熔融することを特徴とする光学ガラスの製造方法。
  2. フッ素含有ガラスが、フツリン酸ガラス、フツホウ酸ガラス、フツケイ酸ガラス、フツホウケイ酸ガラスおよびフツホウリン酸ガラスから選ばれる1種以上である請求項1に記載の光学ガラスの製造方法。
  3. 炭素または炭化物製の容器が、グラファイト、炭化ケイ素、ガラス化カーボンから選ばれる1種以上からなる容器である請求項1または請求項2に記載の光学ガラスの製造方法。
  4. 白金または白金合金製の容器が、白金または白金とジルコニア、金、イリジウムおよびロジウムから選ばれる少なくとも1種の金属との合金からなる容器である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で得られた光学ガラスを熔融状態で成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  6. 請求項5に記載の方法で得られた精密プレス成形用プリフォームを精密プレス成形することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の方法で得られた光学ガラスからなるガラス成形体を研削、研磨する工程を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。


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