JP2008080950A - クローラ式走行装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドラ保持部の寸法精度を正確に維持でき、しかも、剛性の高いアイドラ保持部をできるだけシンプルな部材構成で構成し得るようにする。
【解決手段】走行フレームの両側部にサイドフレームが具備され、このサイドフレームの前後方向の一端部に、アイドラを左右方向の支軸廻りに回転自在に保持するアイドラ保持部が設けられ、アイドラ保持部は、内側壁と外側壁と内外側壁の上端部を連結する上壁とを備え、アイドラ保持部の上壁に、アイドラが上下方向及び前後方向外方に突出する切欠溝が形成されたクローラ式走行装置において、
アイドラ保持部の上壁が鋳造により形成され、内側壁及び外側壁の上端に溶接等により固着されている。
【選択図】図12

Description

本発明は、例えばバックホー等の建設機械等の車両の走行部に採用されるクローラ式走行装置に関するものである。
バックホーに採用されるクローラ式走行装置にあっては、上部旋回体を上下方向の軸心廻りに旋回自在に支持する走行フレームを有し、この走行フレームは、上部旋回体を載せる中央部のセンターフレームと、このセンターフレームの左右両側に固定されたサイドフレームとから主構成され、左右各サイドフレームの前後方向一端部に配置される駆動輪と、他端部に配置されるアイドラとが設けられ、これら駆動輪とアイドラとに亘ってクローラベルトが巻き掛けられて、クローラベルトでサイドフレームを外囲いし、駆動輪を油圧モータによって回転駆動させてクローラベルトを循環回走させることで、前後進するように構成されている(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
この種のクローラ式走行装置には、図17に示すように、サイドフレーム101の前後方向の一端部に、アイドラを左右方向の支軸廻りに回転自在に保持するアイドラ保持部102が設けられ、アイドラ保持部102は、内側壁105と外側壁106と内外側壁105,106の上端部を連結する上壁107とを備え、アイドラ保持部102の上壁107に、アイドラが上方及び前後方向外方に突出する切欠溝109が形成されたものがあり、この種の従来のクローラ式走行装置では、アイドラ保持部102の上壁107が内側壁105及び外側壁106とと共に板金により構成されていた。そして、内側壁105及び外側壁106の上端部に、左右一対の上係止板111が水平方向内方に突設され、内側壁105及び外側壁106の下端部に、左右一対の下係止板112が水平方向内方に突設され、上係止板111と下係止板112との間に、前後方向の係合溝113が左右一対形成され、この一対の係合溝113にヨークが前後摺動自在に支持され、このヨークにアイドラが左右方向の支軸廻りに回転自在に取り付けられて、アイドラは切欠溝109から上下方向及び前後方向外方に突出した状態に前後摺動自在に支持されていた(例えば、特許文献1)。
特開2005−313836号公報 特開2003−48577号公報
従って、従来の場合、走行フレームの一部を構成するサイドフレーム101の一端部に、上下方向及び前後方向外方に大きく開口した構造のアイドラ保持部102を、複数の板金部材を溶接にて接合し、アイドラ保持部102の摺動寸法、摺動高さV、摺動幅H等を厳しく管理し、かつ剛性を確保しながら製作しているが、アイドラ保持部102は、奥行きの深いトンネル状の構造のため、複数の板金部材を接合して寸法精度よく製作することが困難であった。また、作業時等における掘削反力や旋回抵抗等の負荷が作用する部分で十分な剛性を確保するために、上係止板111等を補強すべく複雑な部材構成を採るため、製造工程を余分に必要とした。
本発明は、前記問題点に鑑みて、アイドラ保持部の寸法精度を正確に維持でき、しかも、剛性の高いアイドラ保持部をできるだけシンプルな部材構成で構成し得るようにしたものである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、走行フレームの両側部にサイドフレームが具備され、このサイドフレームの前後方向の一端部に、アイドラを左右方向の支軸廻りに回転自在に保持するアイドラ保持部が設けられ、アイドラ保持部は、内側壁と外側壁と内外側壁の上端部を連結する上壁とを備え、アイドラ保持部の上壁に、アイドラが上下方向及び前後方向外方に突出する切欠溝が形成されたクローラ式走行装置において、
アイドラ保持部の上壁が鋳造により形成され、内側壁及び外側壁の上端に溶接等により固着されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、アイドラ保持部の内側壁と外側壁との下部側に、左右方向内方に突出した前後方向の係止凸部が設けられ、上壁の前記切欠溝の左右方向両側と係止凸部との間に、前後方向の係合溝が左右一対形成され、この一対の係合溝にヨークが前後摺動自在に支持され、ヨークにアイドラが左右方向の支軸廻りに回転自在に取り付けられて、アイドラは切欠溝から上下方向及び前後方向外方に突出した状態に支持されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、アイドラ保持部の上壁の左右両端部に一対の係合溝が形成され、これら係合溝に内外側壁の上端部がそれぞれ係合されて溶接等により固着されている点にある。
なお、アイドラ保持部の上壁は、左右方向両端から左右方向中央に向けて徐々に高くなるように山形に傾斜され、上壁の左右方向の中央部に前記切欠溝が前後方向外方に向けて開口するように平面視U字状に形成され、切欠溝の開口縁部に添って上方突出した平面視U字形の補強突部が上壁に一体に設けられてもよい。
また、走行フレームは、旋回体を載せる中央部のセンターフレームと、センターフレームの左右両側に固定された左右一対のサイドフレームとを備え、一対のサイドフレームは、連結脚によりセンターフレームに連結された前後方向に長いメインフレームをそれぞれ備え、メインフレームの一端に連結板が固着され、この連結板に、アイドラ保持部の内側壁及び外側壁が溶接等により固着されると共に、上壁が溶接等により固着されて、メインフレームに連結板を介してアイドラ保持部が前後方向に突設されてもよい。
本発明によれば、アイドラ保持部の上壁が鋳造により形成され、内側壁及び外側壁の上端に溶接等により固着されているので、溶接困難な部分を鋳造品で一体化することで溶接等の固着による歪みを低減し、高い剛性も確保できる。アイドラ保持部の寸法精度を正確に維持できて、開口部の摺動寸法が管理しやすくなり、しかも、剛性の高いアイドラ保持部をできるだけシンプルな部材構成で構成にすることができ、部品点数削減と製作の容易さを実現することができて、製造工程の短縮にもつながる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、1は旋回作業機として例示するバックホーであり、該バックホー1は上部の旋回体2(機体)と、下部の走行装置3とから主構成されている。
なお、バックホー1の走行方向(図1の左右方向)を前後方向といい、この前後方向に直交する横方向(図1の紙面貫通方向)を左右方向という。
旋回体2は、走行装置3上に上下方向の旋回軸心X回りに旋回自在に支持された旋回台6と、旋回台6の前部に設けられた作業装置(掘削装置)7と、旋回台6に設けられた運転席8と、エンジン、燃料タンク、油圧ポンプ、作動油タンク,コントロールバルブ、ラジエータ、オイルクーラ、リザーブタンク、バッテリー等の旋回台6に搭載された各種機器等とを備えて構成されている。
旋回台6は、走行装置3上に旋回ベアリング11を介して旋回軸心X廻りに旋回自在に支持された旋回基板12を備えると共にこの旋回基板12上に補強部材や、各種機器等を取付固定するための取付部材等を固定してなる旋回フレームと、この旋回フレームの後部に取付固定されていて旋回台6前部の作業装置7等に対する重量バランスを図ると共に旋回台6の後部を構成するカウンタウエイト13とから主構成されている。
旋回基板12の前部には、旋回台6から前方突出状した支持ブラケット16が設けられ、この支持ブラケット16に、揺動ブラケット17が上下軸廻りに左右揺動自在に支持されている。
揺動ブラケット17に横軸廻りに揺動自在に支持されたブーム18と、このブーム18の先端側に横軸廻りに揺動自在に支持されたアーム19と、このアーム19の先端側にスクイ・ダンプ動作可能に取り付けられたバケット20とから前記作業装置7が主構成されており、これらブーム18、アーム19、バケット20は、それぞれ油圧シリンダからなるブームシリンダ21、アームシリンダ22、バケットシリンダ23によって作動可能とされている。
図2〜図7において、走行装置3は、走行フレーム27を備え、走行フレーム27の左右両側に、後部に配置された駆動輪30、前部に配置されたアイドラ31(遊転輪)、これら駆動輪30とアイドラ31との間に配置された複数個の転輪(下部転輪)32及びキャリアローラ(上部転輪)33を回転自在に支持すると共に、これら駆動輪30、アイドラ31、キャリアローラ33及び転輪32にゴム製又は鉄製の無端ベルト状のクローラベルト34を巻き掛け、駆動輪30を油圧モータM等で駆動してクローラベルト34を循環回走させるように構成した左右一対のクローラ走行体36が設けられている。走行装置3の前部にはドーザ35が備えられている。
前記走行フレーム27は、図2〜図6に示すように、大別して、センタフレーム37と、このセンタフレーム37の左右両側に配置されたサイドフレーム38とを備えて構成されている。
センタフレーム37は、上板39と、底板40とを有し、これら上板39と底板40との対向内面間に立設されていて、その上下端縁が上板39及び底板40に固着された左右の側縦壁42と、後縦壁と、前縦壁44とを有する。これら上板39、底板40、縦壁42,44は鉄板又は鋼板等で形成されている。すなわち、センタフレーム37の主要部は、上板39と底板40とを縦壁42,44等によって連結した立体構造物を構成している。
センタフレーム37は、その主要部の中央部が平面視略矩形状に形成されていて、その上面に旋回ベアリング11を介して旋回体3を回転自在に支持するとともに、その前部にドーザ35を支持している。
具体的には、センタフレーム37の中央部における上板39には、上下方向に貫通する円形の開口46が形成されるとともに、この開口46の周りに、旋回ベアリング11を取り付けるためのボルト孔が多数形成されている。
また、センタフレーム37の中央部の前部には、左右方向中央部に支持ブラケット53が左右一対設けられていると共に、この支持ブラケット53の左右両側にも支持ブラケット54が左右一対ずつ設けられている。
中央部の支持ブラケット53には、ドーザ35を昇降するドーザシリンダ55の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支され、左右の支持ブラケット54には、ドーザ35の揺動フレームを構成する左右の支持アーム57の後端側が左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支される。
前記センタフレーム37の左右両側部の前後には、左右方向外方へ突出して左右のサイドフレーム38に連結される左右一対の前連結脚51と左右一対の後連結脚52とが設けられている。
センタフレーム37はサイドフレーム38よりも高い位置に配置されており、前記一対の前連結脚51と左右一対の後連結脚52とは、鋳造品により構成されより具体的には鋳鋼製とされ、左右方向外方に向かうにしたがって下方に移行する傾斜状に形成されている。
左右のサイドフレーム38は、センタフレーム37の側方に配置されて前連結脚51及び後連結脚52によりセンターフレーム37に連結された前後方向に長いメインフレーム59を備える。メインフレーム59の後端側に連結板60を介してモータケース61が後方突設され、メインフレーム59の前部側に連結板63を介してアイドラ保持部64が後方突設されている。サイドフレーム38の前後に、駆動輪30とアイドラ31とが支持され、これら駆動輪30とアイドラ31とに亘ってクローラベルト34が巻き掛けられている。
サイドフレーム38(メインフレーム59)は、上壁72と、この上壁72の左右方向内端側から下方に延びる内側壁73と、上壁72の左右方向外端側から下方に延びる外側壁74とを備える断面門型に形成され、下端側が開口されている。
上壁72は、左右方向内端から左右方向中央部に亘って水平状とされ、左右方向中央部から左右方向外端に亘って左右方向外方に向かうに従って下方に移行するように外方下がりに傾斜されている。前連結脚51の左右方向外端側はメインフレーム59の前部の上壁72と内側壁73とに亘って溶接され、後連結脚52の左右方向外端側はメインフレーム59の後部の上壁72と内側壁73とに亘って溶接されている。
図15に示すように、メインフレーム59の、内外側壁73,74間の下部に、前記転輪32が前後に間隔をおいて配置されていて、左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。キャリアローラ33は、メインフレーム59の上壁72に左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。
モータケース61は、鋳造品又は板金により構成されて、左右方向内方側が開口した箱形に形成されている。油圧モータMはモータケース61に図8に示す取付用開口部68を介して内外突出状に支持されている。モータケース61は、メインフレーム59よりも左右方向内方寄りに配置され、メインフレーム59の後端に、溶接、締結具その他の固定手段によって固定されている。モータケース61には駆動輪30を駆動する油圧モータMが左右方向外方に突出状に保持され、この突出部分に駆動輪30が取付固定されており、クローラベルト34は、サイドフレーム38を外囲いするように、駆動輪30,アイドラ31、転輪32及びキャリアローラ33に巻回されている。
駆動輪30は、油圧モータMによって正逆転自在に回転駆動され、図1において、駆動輪30の反時計回りの回転によりクローラベルト34が反時計回りに循環回走してバックホー1が前進し、駆動輪30の時計回りの回転によりクローラベルト34が時計回りに循環回走してバックホー1が後進する。
図15にも示すように、サイドフレーム38の前後方向中途部に支持腕77が上方突設されている。支持腕77の下部はサイドフレーム35の内側壁73の内面に溶接等により固着され(支持腕77の下部側がサイドフレーム38内で該サイドフレーム38に固着され)、支持腕77の上下方向中途部がサイドフレーム38の上壁72を該上壁72の挿通孔78を介して上下に挿通され、支持腕77の上部に、キャリアローラ33がサイドフレーム38の上方で左右方向の支軸79廻りに回転自在に支持されている。キャリアローラ33はクローラベルト34の中途部を上方に押圧している。支持腕77の上部に支軸79が左右方向外方に突設され、支軸79にキャリアローラ33が支軸79廻りに回転自在に支持され、支持腕77の上部に、左右方向に貫通した取付孔81が設けられると共に、支持腕77の取付孔81上方を前後に分割するように取付孔81から上方に向けてスリット82が設けられ、取付孔81に支軸79を挿通して、支持腕77の取付孔81上方を締付具で前後に締め付けることにより、支持腕77の上部に支軸79が左右方向外方に突設されている。
サイドフレーム38の上壁72に、キャリアローラ33の下方に対応して排出孔84が設けられている。挿通孔78は上壁の左右方向内端側に設けられ、排出孔84は上壁72の左右方向中央部であって挿通孔78の左右方向外方側に設けられ、上壁72の挿通孔78と排出孔84とは左右に連続するように形成されている。上壁72の排出孔84が前記挿通孔78の左右方向外方に配置され、排出孔84が挿通孔78対して前後方向両側に突出するように、排出孔84は挿通孔78よりも前後幅が大に形成されている。上壁72の挿通孔78及び排出孔84の開口縁部上面に、コの字状の補強板85が溶接等により固着されている。
図2〜図14に示すように、アイドラ保持部64は、内側壁86と外側壁87と内外側壁86,87の上端部を連結する上壁88とを備え、アイドラ保持部64の内側壁86と外側壁87とは板金により構成され、アイドラ保持部64の上壁88は鋳造品により構成されより具体的には鋳鋼製とされている。上壁88は内側壁86及び外側壁87の上端に溶接等により固着されている。
アイドラ保持部64の上壁88は、左右方向両端から左右方向中央に向けて徐々に高くなるように山形に傾斜され、上壁88の左右方向の中央部に切欠溝90が前後方向外方に向けて開口するように平面視U字状に形成されている。切欠溝90の開口縁部に添って上方突出した平面視U字形の補強突部89が上壁88に一体に設けられている。
メインフレーム59の前端(一端)に連結板63が固着され、この連結板63に、アイドラ保持部64の内側壁86及び外側壁87が溶接等により固着されると共に、上壁88が溶接等により固着されて、メインフレーム59に連結板63を介してアイドラ保持部64が前後方向に突設されている。
アイドラ保持部64の内側壁86と外側壁87との下部側に、左右方向内方に突出した前後方向の係止凸部91が設けられ、上壁88の前記切欠溝90の左右方向両側と係止凸部91との間に、前後方向の係合溝92が左右一対形成されている。この一対の係合溝92にヨーク94が前後摺動自在に支持されている。ヨーク94にアイドラ31が左右方向の支軸93廻りに回転自在に取り付けられて、アイドラ31は切欠溝90から上下方向及び前後方向外方に突出した状態に支持されている。
図13に示すように、左右各メインフレーム59の前部には、クローラベルト34にテンションを与えるため及びそのテンションを調整するために、テンション装置95が収納されている。
上記実施の形態によれば、アイドラ保持部64の上壁88が鋳造により形成(鋳鋼製と)され、内側壁86及び外側壁87の上端に溶接等により固着されているので、溶接困難な部分を鋳造品で一体化することで溶接等の固着による歪みを低減し、高い剛性も確保できる。また、アイドラ保持部64の寸法精度を正確に維持できて、アイドラ保持部64の開口部等の摺動寸法が管理しやすくなり、しかも、剛性の高いアイドラ保持部64をできるだけシンプルな部材構成で構成にすることができ、部品点数削減と製作の容易さを実現することができて、製造工程の短縮にもつながる。
また、アイドラ保持部64の内側壁86と外側壁87との下部側に、左右方向内方に突出した前後方向の係止凸部91が設けられ、上壁88の前記切欠溝90の左右方向両側と係止凸部91との間に、前後方向の係合溝92が左右一対形成されるので、アイドラ保持部64の上壁88と側壁86,87との間に設けた係止凸部91との間で、ヨーク94を介してアイドラ31を前後摺動自在に保持することができ、この点からも、従来のように作業時等における掘削反力や旋回抵抗等の負荷が作用する部分で十分な剛性を確保するために、複雑な部材構成を採る必要がなくなり、製造工程が極力簡単になる。
また、支持腕77の下部側がサイドフレーム38に固着され、支持腕77の上下方向中途部がサイドフレーム38の上壁72を該上壁72の挿通孔78を介して上下に挿通され、サイドフレーム38の上壁72にキャリアローラ33の下方に対応して排出孔84が設けられ、上壁72の挿通孔78と排出孔84とは左右に連続するように形成されているので、キャリアローラ33から落下した泥等によって、サイドフレーム38の上壁72における排出孔84と支持腕77との間に泥等の溜まりが発生するのを防止でき、キャリアローラ33のダストシール部に最も近い面からの泥等の侵入が避けられ、キャリアローラ33の耐久性を向上させることができる。また、支持腕77をサイドフレーム38内部から立上げることができるようになるため、支持腕77とサイドフレーム38との溶接等による固着はサイドフレーム38内で十分に確保することができ、強度面での低下も防ぐことが可能となる。従って、サイドフレーム38乃至走行フレーム27の強度を確保しつつ泥掃け性をよくしてキャリアローラ33の耐久性を向上させることができる。
また、支持腕77の下部がサイドフレーム35の内側壁73に溶接等により固着され、支持腕77の上部に支軸79が左右方向外方に突設され、支軸79にキャリアローラ33が支軸79廻りに回転自在に支持され、前記上壁72の排出孔84が前記挿通孔78の左右方向外方に配置され、排出孔84が挿通孔78対して前後方向両側に突出するように、排出孔84は挿通孔78よりも前後幅が大に形成されているので、排出孔84によって、上壁72における支持腕77の左右方向外方側に泥等が溜まるのを確実に防止することができ、サイドフレーム38乃至走行フレーム27の強度を確保しつつキャリアローラ33の耐久性の向上をより確実なものになし得る。
図16は他の実施形態を示し、アイドラ保持部64の上壁88の左右両端部に一対の係合溝98を形成し、これら係合溝98に内外側壁86,87の上端部をそれぞれ係合して溶接等により固着するようにしたものである。その他の点は前記実施の形態の場合と同様の構成である。
なお、前記実施の形態では、支持腕77の下部がサイドフレーム35の内側壁73の内面に溶接等により固着されているが、これに代え、支持腕77の下部を、サイドフレーム35の上壁72の挿通孔78の開口縁部の前後等に溶接又はボルトナットの締結具により固着するようにしてもよいし、また、支持腕77の下部を外側壁74の内面に溶接又はボルトナットの締結具等により固着するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、アイドラ保持部64の上壁88が鋳鋼製とされ、内側壁86及び外側壁87の上端に溶接等により固着されているいるが、アイドラ保持部64の上壁88を鋳鋼以外の銑鉄、アルミ合金その他の鋳造により形成するようにしてもよいし、また、上壁88を内側壁86及び外側壁87の上端に溶接以外にボルトナットの締結具により固着するようにしてもよい。
本発明は、バックホー等の建設機械等の車両の走行部に採用されるクローラ式走行装置に利用することができる。
本発明の一実施の形態を示すバックホーの側面図である。 同走行フレームの平面図である。 同走行フレームの側面図である。 同走行フレームの斜視図である。 同走行フレームの駆動輪及びアイドラ等を外した状態の平面図である。 同走行フレームの駆動輪及びアイドラ等を外した状態の底面図である。 同走行フレームの駆動輪及びアイドラ等を外した状態の正面図である。 同走行フレームの駆動輪及びアイドラ等を外した状態の側面図である。 同走行フレームの駆動輪及びアイドラ等を外した状態の斜視図である。 同アイドラ保持部の分解斜視図である。 同サイドフレームの前側部分の斜視図である。 同サイドフレーム部分の斜視図である。 同サイドフレームの前側部分の平面断面図である。 同アイドラ保持部の正面図である。 同キャリアローラ部分の正面断面図である。 他の実施形態を示すアイドラ保持部の正面図である。 従来例を示すアイドラ保持部の斜視図である。
符号の説明
1 バックホー
2 旋回体
27 走行フレーム
31 アイドラ
33 キャリアローラ
34 クローラベルト
37 センタフレーム
38 サイドフレーム
51 前連結脚
52 後連結脚
59 メインフレーム
63 連結板
64 アイドラ保持部
72 上壁
73 内側壁
74 外側壁
77 支持腕
78 挿通孔
79 支軸
84 排出孔
86 内側壁
87 外側壁
88 上壁
89 補強突部
90 切欠溝
91 係止凸部
92 係合溝
93 支軸
94 ヨーク

Claims (3)

  1. 走行フレーム(27)の両側部にサイドフレーム(38)が具備され、このサイドフレーム(38)の前後方向の一端部に、アイドラ(31)を左右方向の支軸(93)廻りに回転自在に保持するアイドラ保持部(64)が設けられ、アイドラ保持部(64)は、内側壁(86)と外側壁(87)と内外側壁(86,87)の上端部を連結する上壁(88)とを備え、アイドラ保持部(64)の上壁(88)に、アイドラ(31)が上下方向及び前後方向外方に突出する切欠溝(90)が形成されたクローラ式走行装置において、
    アイドラ保持部(64)の上壁(88)が鋳造により形成され、内側壁(86)及び外側壁(87)の上端に溶接等により固着されていることを特徴とするクローラ式走行装置。
  2. アイドラ保持部(64)の内側壁(86)と外側壁(87)との下部側に、左右方向内方に突出した前後方向の係止凸部(91)が設けられ、上壁(88)の左右方向両側と係止凸部(91)との間に、前後方向の係合溝(92)が左右一対形成され、この一対の係合溝(92)にヨーク(94)が前後摺動自在に支持され、ヨーク(94)にアイドラ(31)が左右方向の支軸(93)廻りに回転自在に取り付けられて、アイドラ(31)は切欠溝(90)から上下方向及び前後方向外方に突出した状態に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
  3. アイドラ保持部(64)の上壁(88)の左右両端部に一対の係合溝(98)が形成され、これら係合溝(98)に内外側壁(86,87)の上端部がそれぞれ係合されて溶接等により固着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のクローラ式走行装置。
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