以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る遊技機の代表例としてパチンコ機PMを図1に示し、この図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図である。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、常には右側縁部に設けられた施錠機構4を利用して外枠1に閉鎖施錠された状態で保持される。
前枠2の各部には、パチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤10の正面の遊技領域PAを臨ませている。
なお、遊技盤10は、板厚19mm程度の積層合板を図示する所定形状に切断およびルーター加工して、その表面に所定意匠のセルを貼り付けた化粧板(ベニヤ板とも称される)11を基板として構成される。また、前枠2には、帯状の案内レール12が円弧状に固設され、この案内レール12で囲まれた内側に上述の遊技領域PAが区画される。
遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともにランプ風車や一般風車等の風車21、一般入賞具や始動具並びに大入賞口を備えたアタッカー等の入賞具22、および、遊技の進行状況に応じて所定の画像を表示させる画像表示装置23が取り付けられ、遊技領域PAの下端には入賞具22に入賞せずに落下した遊技球(「アウト球」という)を遊技盤10の裏面に排出させるアウト口24が設けられている。各入賞具22に落入した遊技球(「セーフ球」という)は、これらの入賞具22に設けられた入賞口スイッチ又は始動口スイッチにより検出され、化粧板11を貫通するセーフ球通路を通って遊技盤10の裏面に排出される。また、アウト口24に集められたアウト球は化粧板11を貫通するアウト球通路孔を通って遊技盤10の裏面側に排出される。
以上のように構成されたパチンコ機PMは、前枠2、ガラス扉5および球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
遊技盤10の裏面側には、パチンコ機PM全体の制御を行う主制御基板が収容された主基板アッセンブリ30や、画像表示装置23に表示される画像の制御を行う画像制御基板が収容された画像制御基板アッセンブリ40が取り付けられている。それでは、図2および図3を参照して、遊技盤10に取り付けられた主基板アッセンブリ30および画像制御基板アッセンブリ40について説明する。ここで、図2は遊技盤10の背面図であり、図3は遊技盤10を後方から見た斜視図である。なお、以降の説明においては、図2および図3の状態を基準にして前後左右、および、上下を定義する(図3参照)。
遊技盤10の中央部には画像表示装置23を取り付けるための開口部13が形成されており、この開口部13を挟むように遊技盤10の裏面側の左右縁部に画像アッセンブリ取付部14a,14bが配設されている。画像制御基板アッセンブリ40の左右両側部の上下には合計4個の取付突起部40a,40bが形成されており、この取付突起部40a,40bがネジ締結等で画像アッセンブリ取付部14a,14bに取り付けられて画像制御基板アッセンブリ40が遊技盤10に固定される。
また、遊技盤10の下部における裏面側の左右縁部には、主基板取付部15a,15bが配設されており、この主基板取付部15a,15bに主基板アッセンブリ30が取り付けられている。なお、主基板取付部15a,15bは、画像アッセンブリ取付部14a,14bよりも後方に突出するように形成されており、主基板アッセンブリ30の上部が、後面視において、画像制御基板アッセンブリ40の下部を後方から覆うように遊技盤10に取り付けられる。このように、主基板アッセンブリ30が画像制御基板アッセンブリ40の一部を覆う(後面視において一部が重なる)ように配置することにより、画像制御基板アッセンブリ40の大型化に対して遊技盤10の上下方向寸法を大きくすることなく、これらのアッセンブリ30,40をこの遊技盤10の裏面側に配設することができる。
次に主基板アッセンブリ30について図4〜図11を用いて説明する。ここで、図4は主基板アッセンブリ30の分解斜視図であり、図5は主基板アッセンブリ30の平面図であり、図6は主基板ケース100を構成するケース本体部材50を示す図であり、図7はケース本体部材50の要部を拡大した図であり、図8は主基板ケース100を構成するケース蓋部材60を示す図であり、図9はケース蓋部材60の要部を拡大した図であり、図10および図11は主基板ケース100のケース本体部材50に対するケース蓋部材60の取り付け方法を示す説明図である。
主基板アッセンブリ30は、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板31と、主制御基板31を内部に収容する主基板ケース100とから構成される。さらに、主基板ケース100は、遊技盤10の裏面側に着脱されるケース本体部材50と、このケース本体部材50に着脱自在に取り付けられるケース蓋部材60とから構成される。この主基板アッセンブリ30は、主制御基板31がケース蓋部材60の内面側に取り付けられた状態で、このケース蓋部材60をケース本体部材50に装着可能に構成される。
主制御基板31は、図4に示すように、中央部に配置されたCPU32や左右に配設された接続コネクタ33等の電子部品を有して構成される。この主制御基板31の四隅には、基板取付孔34が形成されており、基板取付ネジ35をこの基板取付孔34に挿入し、図8に示すケース蓋部材60の基板取付部67に対して螺挿してネジ締結するように構成されている。
ケース本体部材50は、主基板ケース100が遊技盤10に取り付けられた状態で後面側に開口を有する矩形箱状の形状を有しており、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。このケース本体部材50の内面側底部51には、図6に示すように、補強リブ51aが縦横に格子状に形成されており、ケース本体部材50の強度を向上させている。
ケース本体部材50の側壁部(図4においては、底部51の上下の縁部から後方に延びる側壁部)53,53のそれぞれには、複数の蓋部材取付溝54が形成されている。図7(a)を用いて詳細に説明すると、側壁部53は、底部51から後方に延びる第1壁部53aと、この第1壁部53aより外側に広がり、この第1壁部53aの後端部からL字状に折曲して後方に延びる第2壁部53bとからなり、ケース本体部材50の内面側が階段状に形成されている。そして、蓋部材取付溝54は、第2壁部53bに形成されており、後方およびケース本体部材50の内面側が開口するように形成されている。なお、この蓋部材取付溝54は、図7(a)および図10(a),(b)に示すように、後方および内面側に開口する挿入溝部54aと、左方に延びて内面側に開口する係止溝部54bとから構成されている。なお、この係止溝部54bの後方側は、第2壁部53bから延びる係止壁部54cが形成されており、この蓋部材取付溝54は、図3の状態で下方若しくは上方から見たときに側壁部53に対してL字状の溝として形成されている。
なお、この蓋部材取付溝54を形成する外側の側壁部54dは、図7(b)に示すように、第2壁部53bより外方に突出するように形成されている。また、図7(b),(c)に示すように、この側壁部54dの下部には、この側壁部54dと第1壁部53aの外側面とを繋ぐように、図3の状態で前方に延びる複数のリブ54eが形成されている。また、第1壁部53aの内側の壁面と平行に、蓋部材取付溝54のそれぞれと対向するように、蓋部材押圧壁52が底部51から後方に板状に延びて形成されている。この蓋部材押圧壁52の左右方向幅は、蓋部材取付溝54の左右方向幅と略同一大きさに形成されており、図3の状態において上方若しくは下方から見たときに、蓋部材押圧壁52と蓋部材取付溝54とは重なるように配置されている。
ケース蓋部材60は、ケース本体部材50の開口を覆う矩形箱状の形状を有しており、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。図8に示すように、このケース蓋部材60の上下方向縁部から前方に延びる側壁部69には、外方(図4においては上下方向)に突出する係止突起部62が複数形成されている。この係止突起部62は、上述の蓋部材取付溝54と同じ数だけ形成されており、その配置間隔も蓋部材取付溝54と対応している。また、この側壁部69の内側面には、各々の係止突起部62と対応して、内方に突出する押圧突起部61が形成されている。この押圧突起部61は、係止突起部62に対して、ケース本体部材50にケース蓋部材60を取り付けるときにスライド移動させる方向と反対方向にずれて形成されている。そして、図9に示すように、この押圧突起部61のスライド方向側の面はテーパ状に形成された面取り部61aを有している。
そのため、図10(c)に示すように、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60を取り付けるときは、図3の状態で、後方から、蓋部材取付溝54の挿入溝部54aに係止突起部62を挿入し、その後、ケース蓋部材60を左右方向(この実施例においては左方向)にスライド移動させて係止突起部62を係止溝部54bに挿入させることで、係止突起部62と蓋部材取付溝54とを嵌合させる。なお、挿入溝部54aに係止突起部62を挿入すると、ケース蓋部材60の側壁部69の前面は、第1壁部53aの後端面(側壁部53の段部)に支持される。
このとき、図11(a)に示すように、係止突起部62を挿入溝部54aに挿入した状態では、押圧突起部61は、蓋部材押圧壁52の右方に位置するが、この状態から、ケース蓋部材60をケース本体部材50に対して左方にスライド移動させると、係止突起部62が係止溝部54bに挿入されるにしたがって、まず、押圧突起部61の面取り部61aが蓋部材押圧壁52の右端部に当接し、ケース蓋部材60のスライド移動に伴って、この面取り部61aに沿って側壁部69が外方に押し出される。そして、図11(b)に示すように、係止突起部62が係止溝部54bに完全に挿入された状態では、側壁部69の外側面と第2壁部53bの内側面とが密接し、押圧突起部61は第2壁部53bと蓋部材押圧壁52とに挟持される。そのため、係止突起部62を挿入溝部54aに挿入するときは、第2壁部53bと壁部材押圧壁52との間隔は、側壁部69の厚さに比べて十分に広いので、ケース本体部材50の開口部とケース蓋部材60の開口部とをスムーズに合わせることができるが、ケース蓋部材60をケース本体部材50に対してスライド移動させて係止突起部62と蓋部材取付溝54とを係合させたときは、側壁部69と第2壁部53bとは密接してこれらの間のクリアランスを小さくする(ほとんどなくす)ことができる。
ケース本体部材50とケース蓋部材60とを以上のように構成すると、このケース本体部材50にケース蓋部材60を取り付けたときに、係止突起部62が蓋部材取付溝54と嵌合するため、ケース蓋部材60はケース本体部材50に対して後方への移動(ケース本体部材50からケース蓋部材60を外すための移動)が規制される。また、ケース蓋部材60の側壁部69は、押圧突起部61と蓋部材押圧壁52とによりケース本体部材50の第2壁部53bの内側面に押しつけられて密接しているため、側壁部69を内側に押し込むことができず、係止突起部62を蓋部材取付溝54から外すことができない。また、側壁部69と第2壁部53bとの間のクリアランスがほとんどないため、ドライバ等を挿入して内部の主制御基板31を操作することや、係止突起部62または蓋部材取付溝54を削ることもできない。さらに、上述のように、ケース本体部材50の側壁部53の外側面には、蓋部材取付溝54の側壁部54dと補強用のリブ54eとが形成されているため、この側壁部53を外側に押し広げることができず、係止突起部62を蓋部材取付溝54から外すことや、上記クリアランスを大きくしてドライバ等を挿入することもできない。
ここで、ケース本体部材50の左端側には本体側仮止部55が形成されており、ケース蓋部材60の左端側には蓋側仮止部63が形成されている。ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたとき、すなわち、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60が左方向にスライド移動して取り付けられたときに、これらの本体側仮止部55と蓋側仮止部63との位置は一致して係合し、ケース蓋部材60がケース本体部材50に対して右方向にスライド移動するのを規制する。なお、ケース本体部材50およびケース蓋部材60は、上述のように、樹脂材料で形成されており、これらの本体側仮止部55および蓋側仮止部63は薄く形成されているため、容易に撓めることができる。そのため、蓋側仮止部63の左端側を本体側仮止部55から離すように撓めることにより本体側仮止部55と蓋側仮止部63との係合は解除され、ケース本体部材50に対して、ケース蓋部材60を右方にスライド移動して、このケース蓋部材60をケース本体部材50から取り外すことができる。
このように、主制御基板31が収容される主基板ケース100を、互いに分離できるケース本体部材50とケース蓋部材60とに分けて構成することにより、主制御基板31をケース蓋部材60に取り付けるときは、このケース蓋部材60の開口部を上方に向けて作業机等に載置した状態で行うことができるので、取り付け作業が容易になり組み立ての作業効率が向上する。また、ケース蓋部材60をケース本体部材50に取り付けるときも、スライド移動だけで取り付けることができるので、この作業も容易である。また、このようにケース本体部材50にケース蓋部材60をスライドして取り付ける構成にすると、ケース本体部材50側に蓋部材取付溝54を形成し、ケース蓋部材60に係止突起部62を形成することで取り付け構造ができるため、主基板ケース100の構造を簡単にすることができる。
以上のように、主制御基板31は、主基板ケース100(ケース本体部材50およびケース蓋部材60)内に格納されているため、主制御基板31に対する不正行為を防止することができる。しかしながら、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60が取り付けられた状態にあるときは、本体側仮止部55と蓋側仮止部63とが係合しているだけであり、ケース本体部材50からケース蓋部材60を取り外すことは容易である。そこで、閉止状態にあるケース蓋部材60をケース本体部材50に対してスライド移動できなくして不正操作を防止するために、主基板アッセンブリ30の主基板ケース100には不正開放防止機構70が設けられている。そこで、図12〜図19を追加参照して主基板アッセンブリ30に設けられた不正開放防止機構70について以下に詳しく説明する。
ここで、図12は本体側係合部56を示す図であり、図13は蓋側係合部64を示す図であり、図14はストッパ部材71の斜視図あり、図15はストッパ部材71を用いてケース本体部材50にケース蓋部材60を係止保持する場合を示す要部拡大図であり、図16はストッパ部材71でケース本体部材50にケース蓋部材60を係止保持しない場合を示す要部拡大図であり、図17は図5のXVII−XVII断面図であり、図18は図5のXVIII−XVIII断面図であり、図19は主基板ケース100の要部拡大図である。
不正開放防止機構70は、図4等に示すように、ケース本体部材50の左端側に連結して一体に形成された4つの本体側係合部56と、ケース蓋部材60の左端側に連結して形成された4つの蓋側係合部64と、蓋側係合部64に挿入されて、ケース本体部材50にケース蓋部材60を固定保持する4つのストッパ部材71とから構成される。
本体側係合部56は、図6および図12(a)に示すように、ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたときに蓋側係合部64の各々に覆われる係合底部56aと、この係合底部56aの上下方向縁部および左方向縁部から前方に延び、ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたときに蓋側係合部64の開口部の周りを外側から覆う係合壁部56bとから構成され、係合底部56aの略中央部には凹状の第1係合凹部56cと凹状の第1爪待避凹部56fが左右方向に並んで形成されている。また、第1係合凹部56cおよび第2爪待避凹部56fを挟むように、2つの第2係合凹部56d,56dおよび第2爪待避凹部56h,56hの組がそれぞれ左右方向に延びて形成されている。さらに、係合壁部56bの右方先端部には、右方に開口し、ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたときに蓋側係合部64を抑える係合保持部56eが形成されている。
一方、蓋側係合部64は、前方側(図3に示す状態で、ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたときに、本体側係合部56と対向する側)が開口した矩形箱状に形成され、内部にストッパ挿入空間64aが形成されている。なお、図8および図13に示すように、ケース蓋部材60において主制御基板31を収納する領域を形成する左側の側壁部65と蓋側係合部64との間は、2本の蓋側連結部66で連結されている。この蓋側連結部66は切断可能に構成されており、ケース蓋部材60から蓋側係合部64を分離可能である。また、上下方向両側部には外方に突出して上述の係合保持部56eと嵌合する係合突起部64bが左右方向に延びて形成されている。この係合突起部64bの右端には、後方に折曲して延びるカバー部64eが形成されている。さらに、左側側面と上下の側面から外方にフランジ状に突出するフランジ部64dが形成されている。このフランジ部64dは薄い板状に形成されている。
ストッパ部材71は、樹脂等からなり矩形箱状に形成されており、図14に示すように、矩形箱状の外側部材80と矩形箱状の内側部材90とが組み合わされて構成されている。外側部材80は、一方の面が開口した箱状に形成されている。そして、この開口部と対向する底面81には、第1係合爪部83が形成されている。この第1係合爪部83は、底面81から外方に突出するように形成されており、この第1係合爪部83を挟むように、底面81を貫通する切れ込み部82,82が形成されている。第1係合爪部83は、切れ込み部82に沿って、底面81から外側になだらかに傾斜する傾斜面83aを有し、先端側は、底面81に対して略垂直な係合面83bを有している。また、この底面82には、第1係合爪部83を挟むように外方に突出し、第1係合爪部83aと同様の形状を有した第2係合爪部84,84が形成されている。なお、第2係合爪部84の幅方向大きさは、第1係合爪部83の幅方向大きさより小さく形成されている。一方、内側部材90は、一方の面が開口した箱状に形成されており、側面91には、外方に突出する係止突起部92が形成されている。以上のように構成された外側部材80の開口部に対して、内側部材90を、開口部側から挿入して組み立てると、第1および第2係合爪部83,84,84および係止突起部92が外方に突出する。
ストッパ部材71は、図15および図16に示すように、蓋側係合部64のストッパ挿入空間64a内に挿入されて用いられる。まず、ケース本体部材50に取り付けられたケース蓋部材60の右方向へのスライド移動を規制するため(これを「係止状態」と呼ぶ)には、図15に示すように、ストッパ部材71の第1係合爪部83および第2係合爪部84,84(図14,図15においては、第1係合爪部83のみを示す)が下方に向き、かつ、この第1係合爪部83(および第2係合爪部84,84)の傾斜面83aが左方(ケース蓋部材60をケース本体部材50に取り付けるときにスライド移動させる方向)に位置するように蓋側係合部64に挿入する(このストッパ部材71の状態を「ロック状態」と呼ぶ)。なお、ストッパ部材71が蓋側係合部64に挿入されると、ストッパ部材71の係止突起部92が蓋側係合部64のストッパ挿入空間64aを形成する内側の壁に押しつけられて弾性で付勢するため、この蓋側係合部64の開口部が下方を向けられても、ストッパ部材71は容易に脱落しない。
このような状態で、ケース蓋部材60の係止突起部62をケース本体部材50の蓋部材取付溝54に挿入すると、ストッパ部材71の第1係合爪部83は、第1爪待避凹部56fに位置し、第2係合爪部84,84は第2爪待避凹部56h,56hに位置するため、これらの第1係合爪部83および第2係合爪部84,84が上方に押し上げられることがなく、その結果として、蓋側係合部64も押し上げられず、蓋側係合部64の前端面(開口部)と本体側係合部56の係合底部56aとは当接している。そして、ケース蓋部材60をケース本体部材50に対して左方にスライド移動すると、ストッパ部材71の第1係合爪部83が、傾斜面83aに沿って第1爪待避凹部56fの左端側に形成された傾斜面56kにより押し上げられながら第1係止爪部83が左方に移動する。同様に、第2係合爪部84,84も第2爪待避凹部56hの左端側に形成された傾斜面56mにより上方に押し上げられながら左方に移動する。このとき、図17および図18に示すように、第1および第2係合爪部83,84,84が押し上げられる前に、蓋側係合部64に形成された係合突起部64bが、その左端部から本体側係合部56に形成された係合保持部56eに挿入されるため、第1および第2係止爪部83,84,84が押し上げられても係合保持部56eおよび係合突起部64bにより上方への移動が規制され、蓋側係合部64が押し上げられることはない。
そして、蓋側係合部64と本体側係合部56とが重なった位置になると、第1係合爪部83と第1係合凹部56cとの位置が一致し、また、第2係合爪部84,84と第2係合凹部56d,56dとの位置が一致して押し上げられていた第1係合爪部83および第2係合爪部84,84が弾性で第1係合凹部56cおよび第2係合凹部56d,56dに入り込み、第1および第2係合凹部56c,56d,56dと第1および第2係合爪部83,84,84とが係合し、さらに、係合突起部64bと係合保持部56eとが嵌合して、本体側係合部56と蓋側係合部64とが係合する。この状態になると、ケース蓋部材60を右方にスライド移動させようとしても、第1係合爪部83の係合面83bが第1係合凹部56cと係合しており(第2係合爪部84,84も同様)、この係合面83bは第1係合凹部56の壁に沿って延びているため(第2係合爪部84,84も同様)、第1および第2係合爪部83,84,84が上方に押し上げられることはなく、また、係合突起部64bと係合保持部56eとが嵌合されているため蓋側係合部64を本体側係合部56から引き離すことができず、第1および第2係合凹部56c,56d,56dから第1および第2係合爪部83,84,84が外れることはない。そのため、本体側係合部56と蓋側係合部64とは固定され、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60を固定保持する(係止状態にする)ことができる。
一方、図16に示すように、蓋側係合部64に対して、第1係合爪部83(第2係合爪部84,84も同様)がこの蓋側係合部64内に位置するように挿入された場合(第1および第2係合爪部83,84,84が上方を向いた状態に挿入された場合であって、この状態を「アンロック状態」と呼ぶ)には、本体側係合部56と蓋側係合部64とは係合せず、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60は右方にスライド移動可能となる(この状態を「解除状態」と呼ぶ)。
このようにして、ケース蓋部材60をケース本体部材50に対してスライド移動させて蓋側係合部64が本体側係合部56と対向して重なる状態にすると、第1および第2係合爪部83,84,84と第1および第2係合凹部56c,56d,56dとが係合して本体側係合部56と蓋側係合部64とが係止保持され、ケース本体部材50に対するケース蓋部材60の右方向へのスライド移動が規制される。そのため、ケース本体部材50にケース蓋部材60が装着された状態、すなわち、係止状態が保持される。これにより、本体側係合部56と蓋側係合部64とをストッパ部材71を介して容易に連結させることができ、ケース本体部材50とケース蓋部材60とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
以上のように、本実施例に係る不正開放防止機構70は、ストッパ部材71に3個の係合爪部(第1および第2係合爪部83,84,84)を設けており、それぞれを、係合凹部(第1および第2係合凹部56c,56d,56d)と係合させているため、ケース本体部材50とケース蓋部材60とを確実に係合保持することができる。なお、図12(a)に示すように、第2爪待避凹部56hの左端側に形成された傾斜面56mは、第1爪待機凹部56fの左端側に形成された傾斜面56kより、やや右方に位置している。また、図14に示すように、第2係合爪部84,84の高さは、第1係合爪部83の高さより低くなるように形成されている。そのため、ケース本体部材50にケース蓋部材60をスライド移動して取り付けるときは、先に第2係合爪部84,84が、第1係合爪部83が第1係合凹部56cと係合するより先に、第2係合凹部56d,56dと嵌合するため、これらの係合爪部83,84,84の係合タイミングがずれるので、係合時に荷重を分散させることができ、スムーズにケース本体部材50にケース蓋部材60を取り付けることができる。
そして、このような不正開放防止機構70によりケース本体部材50とケース蓋部材60とが閉止状態で結合保持されれば、本体側係合部56と係合したストッパ部材71との係合を解除するのは非常に困難であり、主基板ケース100(主基板アッセンブリ30)を開くためには、蓋側連結部66を切断して蓋側係合部64をケース蓋部材60から切り離す必要がある。そのため、主基板ケース100の開放後は、蓋側連結部66の切断痕跡が明確に残るため、不正な開放を早期に発見することができるとともに、不正行為を効果的に抑止できる。また、不正開放防止機構70を解除状態から係止状態にするには、蓋側係合部64に対してストッパ部材71の第1および第2係合爪部83,84,84の向きを変える(アンロック状態で蓋側係合部64に挿入されているストッパ部材71を取り出してロック状態に入れ替える)だけで良いため、作業も非常に容易である。
なお、本実施例においては、不正開放防止機構70は、本体側係合部56、蓋側係合部64、および、ストッパ部材71の組を4組有しており、主基板ケース100をこの不正開放防止機構70で結合保持するためには、いずれか一つのストッパ部材71をロック状態、すなわち、第1および第2係合爪部83,84,84が蓋側係合部64に対して図3の状態で前方に突出するようにして挿入されていれば良い。そのため、例えば、主制御基板31を検査するために、閉止状態(係止状態)の主基板ケース100が開放されても、別の不正開放防止機構70の組を用いて閉止状態(係止状態)にすることができる。また、切り取られた蓋側係合部64の数により主基板ケース100が何回開放されたかを確認することができる。
また、ストッパ部材71を構成する外側部材80および内側部材90を、それぞれ異なる色の樹脂で形成しておくことにより(例えば、外側部材80を白色、内側部材90を赤色)、ケース蓋部材60は透明の樹脂で成形されているため、ストッパ部材71の挿入状態がロック状態(内側部材90が上側にあり赤色が蓋側係合部64を透して見える状態)であるか、上方を向いたアンロック状態(外側部材80が上側にあり白色が蓋側係合部64を透して見える状態)であるか、を容易に識別することができる。あるいは、内側部材90の面93に「ロック」等の文字を表示しておくことにより、ロック状態のときは透明な蓋側係合部64を通してこの文字を確認することができ、ロック状態を識別することができる。このとき、4組の不正開放防止機構70のうち、何番目を使用しているか(若しくは、何番目のものが切断されているか)を目視により確認可能なように、本体側係合部56の右端側に本体側番号表示部56gが形成されている。同様に、本体側係合部56の本体側番号表示部56gに対応する番号が表示された蓋側番号表示部64cが、ケース蓋部材60の蓋側係合部64の背面側の係合突起部64bの近傍に形成されている。これにより、どのストッパ部材71をロック状態にするのかを容易に判断することができる。
また、前述したように、主基板ケース100(ケース本体部材50およびケース蓋部材60)の材料として透明な樹脂材料を使用しているが、その中でもABS樹脂を使用することが好ましい。これにより、上記のような部材に対して切断操作を行うと、ABS樹脂の成分であるブタジエンがゴム性を有して伸び、部材が割れずに白色化しやすいため、その切断痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。また、主基板ケース100を無理にこじ開けようとしても、同様に部材が白色化して(こじ開けた)痕跡が明確に残りやすいという効果が得られる。このとき、図19に示すように、蓋側係合部64の開口部周辺は本体側係合部56の係合壁部56bに覆われており、さらに、蓋側係合部64の側面に形成されたフランジ部64dが係合壁部56bの後端部を覆うように当接する。また同様に、蓋側係合部64に形成された係合突起部64bの右端部からL字状に折曲して形成されたカバー部64eが係合壁部56bの右端面と当接するように構成されている。そのため、本体側係合部56と蓋側係合部64との隙間からドライバ等を挿入して、ストッパ部材71を操作するのは困難である。また、ストッパ部材71の第1係合爪部83は第2係合爪部84,84で挟まれているため、係止状態をこじ開けようとするときに第1係合爪部83を操作することが困難である。いずれの場合も、無理に操作しようとすると、フランジ部64d、係合突起部64b、または、蓋側連結部66等が白色化するため、不正操作を容易に発見することができる。
また、ケース本体部材50の本体側係合部56の裏面側(図3の状態において、前方側の面)には、図12(b)に示すように格子状にリブ56jが形成されている。そのため、不正開放防止機構70のロック状態を解除するために、例えば、このケース本体部材50の裏側を削って、外部から第1および第2係合凹部56c,56d,56dに連通する穴を開け、そこから、第1および第2係合爪部83,84,84を押し上げるというような操作を行うことは困難である。なお、上述のように、蓋側係合部64は透明な材料で形成されているため、ストッパ部材71も透明な材料で形成することにより、本体側係合部56の底面56aに穴が開けられた場合に発見し易くなる。
最後に、主基板アッセンブリ30と画像制御基板アッセンブリ40の遊技盤10に対する取り付けおよび取り外し方法について図20を合わせて用いて説明する。ここで、図20は、遊技盤10に対して主基板アッセンブリ30を揺動させて傾けた場合の斜視図である。
遊技盤10の裏面に取り付けられた主基板取付部15a,15bには、後方に突出し、上方が開口したU字状の軸受部16a,16bがそれぞれ設けられている。また、主基板ケース100のケース本体部材50には、左右の両側部の下部から左右方向に突出して同軸上に延びる取付軸57a,57bが設けられている。遊技盤10に主基板アッセンブリ30を取り付けるときは、図20に示すように、主基板取付部15a,15bに対して主基板アッセンブリ30を斜めにして、取付軸57a,57bを上方から軸受部16a,16bの開口に挿入した後、取付軸57a,57bを中心に主基板アッセンブリ30を前方に揺動させる。
なお、主基板取付部15a,15bに対する主基板アッセンブリ30の固定は、ケース本体部材50の左側部から外方に延びた左側固定部58に取り付けられた左ナイラッチ36と、ケース蓋部材60の右側部から外方に延びた右側固定部68に取り付けられた右ナイラッチ37とが用いられる。左右ナイラッチ36,37は、例えば図15に示すように、左ナイラッチ36の上部に位置する操作部36aを下方に押し下げると、下部に位置する張出部36bが外周方向に張り出してその径が大きくなり、操作部36aを上方に引き上げると、張出部36bが内周方向に格納されてその径が小さくなるように構成された係止部材である(右ナイラッチ37も同じ構造である)。
左右ナイラッチ36,37の操作部(36a)が引き上げられた状態で、上述のように、主基板アッセンブリ30が取付軸57a,57bを中心に上方に揺動されると、主基板取付部15a,15bの左右ナイラッチ36,37に対向する位置に嵌合孔17a,17bが形成されており、この嵌合孔17a,17bに左右ナイラッチ36,37の張出部(36b)が挿入される。この状態で左右ナイラッチ36,37の操作部(36a)を押し下げると張出部(36b)が張り出して主基板アッセンブリ30が主基板取付部15a,15bに固定される。
このとき、主基板取付部15a、15bには、後方に突出する支持突起部18a,18bが形成されており、この支持突起部18a,18bが、ケース本体部材50の裏面側に形成されたリブ59により作られる格子に嵌合するため、主基板アッセンブリ30の荷重は、取付軸57a,57bと左右ナイラッチ36,37に加えてこの支持突起部18a,18bで支えられるように構成されている。
このように、軸受部16a,16bに対して取付軸57a,57bを中心に揺動させることにより、主基板アッセンブリ30を後方に揺動させると、画像制御基板アッセンブリ40の後方側に作業空間を形成することができる。そのため、画像制御基板アッセンブリ40を後方から覆うように主基板アッセンブリ30が取り付けられていても、この作業空間を利用して、画像制御基板アッセンブリ40を遊技盤10に対して着脱することができ、作業が容易になる。特に、画像制御基板アッセンブリ40や画像表示装置23は交換・保守作業が必要となる場合があるため、このように主制御基板アッセンブリ30を容易に揺動可能にすることにより、これらの作業の効率化を図ることができる。
以上説明した本発明の実施形態において、達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
第1に、この不正開放防止機構70は、第1および第2係合爪部83,84,84からなる3個の係合爪部でケース本体部材50とケース蓋部材60とを固定保持するため、この主基板ケース100の閉止状態を確実に保持することができる。
第2に、ストッパ部材71に形成された係合爪部は、第1係合爪部83を第2係合爪部84,84で挟むように配置されているため、主基板ケース100が閉止状態にあるときに、外部から第1係合爪部83を操作することが困難であり、この主基板ケース100の不正開放を確実に防止することができる。
第3に、第2係合爪部84,84の突出量を第1係合爪部83の突出量より小さくすることにより、ストッパ部材71と本体側係合部56とが係合するときに、先に第2係合爪部84,84が第2係合凹部56d,56dと係合し、その後に第1係合爪部83が第1係合凹部56cと係合するため、係合時の荷重を分散し、ケース本体部材50に対するケース蓋部材60の取り付けを容易にすることができる。