以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係る遊技機の代表例としてパチンコ機PMを図1に示し、この図面を参照してパチンコ機PMの全体構成について説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図である。
パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠を成す外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠を成す前枠2が互いの左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3a,3bにより横開き開閉及び着脱が可能に取り付けられ、常に右側縁部に設けられた施錠機構4を利用して外枠1に閉鎖施錠された状態で保持される。
前枠2の各部には、パチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5及び球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉及び着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤10の正面の遊技領域PAを臨ませている。
なお、遊技盤10は、板厚19mm程度の積層合板を図示する所定形状に切断及びルーター加工して、その表面に所定意匠のセルを貼り付けた化粧板(ベニヤ板とも称される)11を基板として構成される。また、前枠2には、帯状の案内レール12が円弧状に固設され、この案内レール12で囲まれた内側に上述の遊技領域PAが区画される。
遊技領域PAには、多数本の遊技釘とともにランプ風車や一般風車等の風車21、一般入賞具や始動具並びに大入賞口を備えたアタッカー等の入賞具22、及び遊技の進行状況に応じて所定の画像を表示させる画像表示装置23が取り付けられ、遊技領域PAの下端には入賞具22に入賞せずに落下した遊技球(「アウト球」という)を遊技盤10の裏面に排出させるアウト口24が設けられている。各入賞具22に落入した遊技球(「セーフ球」という)は、これらの入賞具22に設けられた入賞口スイッチ又は始動口スイッチにより検出され、化粧板11を貫通するセーフ球通路を通って遊技盤10の裏面に排出される。また、アウト口24に集められたアウト球は化粧板11を貫通するアウト球通路孔を通って遊技盤10の裏面側に排出される。
以上のように構成されたパチンコ機PMは、前枠2、ガラス扉5及び球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置(図示せず)により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
遊技盤10の裏面側には、パチンコ機PM全体の制御を行う主制御基板31(図4参照)が収容された主基板アッセンブリ30や、画像表示装置23に表示される画像の制御を行う画像制御基板(図示せず)
が収容された画像制御基板アッセンブリ40が取り付けられている。それでは、図2及び図3を参照して、遊技盤10の裏面側に取り付けられた主基板アッセンブリ30及び画像制御基板アッセンブリ40について説明する。ここで、図2は遊技盤10の背面図であり、図3は遊技盤10を後方から見た斜視図である。なお、以降の説明においては、図2及び図3の状態を基準にして前後左右、及び上下を定義する(図3参照)。
遊技盤10の中央部には、画像表示装置23を取り付けるための図示しない開口部が形成されており、この開口部を後方から覆うように画像制御基板アッセンブリ40が配設されている。画像制御基板アッセンブリ40の左右両側部の上下には合計4個の取付突起部40a,40bが形成されており、この取付突起部40a,40bがネジ締結等で遊技盤10に取り付けられて画像制御基板アッセンブリ40が遊技盤10に固定される。
また、遊技盤10の下部における裏面側の左右縁部には、主基板取付部材13a,13bが配設されており、この主基板取付部材13a,13bに主基板アッセンブリ30が取り付けられている。主基板取付部材13a,13bは、遊技盤10の後方に突出するように形成されており、主基板アッセンブリ30の上部が、後面視において、画像制御基板アッセンブリ40の下部を後方から覆うように遊技盤10に取り付けられている。このように、主基板アッセンブリ30が画像制御基板アッセンブリ40の一部を覆う(後面視において一部が重なる)ように配置することにより、画像制御基板アッセンブリ40の大型化に対して遊技盤10の上下方向寸法を大きくすることなく、これらのアッセンブリ30,40をこの遊技盤10の裏面側に配設することができる。
次に、主基板アッセンブリ30について図4〜図6を用いて説明する。ここで、図4は主基板アッセンブリ30の分解斜視図であり、図5は主基板ケース100を構成するケース蓋部材60を示す図であり、図6は主基板アッセンブリ30の平面図である。
主基板アッセンブリ30は、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する主制御基板31と、主制御基板31を内部に収容する主基板ケース100と、主基板ケース100に取り付けられるコネクタカバー80とから構成される。さらに、主基板ケース100は、遊技盤10の裏面側に着脱されるケース本体部材50と、このケース本体部材50に着脱自在に取り付けられるケース蓋部材60とから構成される。この主基板アッセンブリ30は、主制御基板31がケース蓋部材60の内面側に取り付けられた状態で、このケース蓋部材60をケース本体部材50に装着可能に構成される。
主制御基板31は、図4に示すように、短形板状の形状を有しており、中央部に配設されたROMやRAMを内臓のCPU等の電子デバイス32や左右縁部に配設された複数の接続コネクタ33(接続コネクタ33a,33b,33c,33d)等の電子部品を備えて構成される。この主制御基板31の四隅には、基板取付孔34が形成されており、基盤取付ネジ35をこの基板取付孔34に挿入し、図5に示すケース蓋部材60の基板取付部67に対して螺挿してネジ締結するように構成されている。
ケース本体部材50は、主基板ケース100が遊技盤10に取り付けられた状態で後面側に開口を有する短形箱状の形状を有しており、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。このケース本体部材50の内面側底部51には、図4に示すように、補強リブ51aが縦横に格子状に形成されており、ケース本体部材50の強度を向上させている。
ケース本体部材50の本体部材側壁部(底部51の上下の縁部から後方に延びる側壁部)53,53のそれぞれには、複数の蓋部材取付溝54が形成されている。この蓋部材取付溝54は、後方及びケース本体部材50の内面側に開口する挿入溝部と左側に延びてケース本体部材50の内面側に開口する係止溝部とから構成され、図3の状態において下方もしくは上方から見たときに本体部材側壁部53に対してL字状の溝として形成されている。また、本体部材側壁部53の内面側の壁面と平行に、蓋部材取付溝54のそれぞれと対向するように、蓋部材押圧壁52が底部51から後方に板状に延びて形成されている。この蓋部材押圧壁52の左右方向幅は、蓋部材取付溝54の左右方向幅と略同一の大きさに形成されており、図3の状態において上方もしくは下方から見たときに、蓋部材押圧壁52と蓋部材取付溝54とは重なるように配置されている。
ケース本体部材50の左側部には、主基板アッセンブリ30を主基板取付部材13aに固定するための左側固定部57が、ナイラッチ(登録商標)37を挿入するためのナイラッチ取付孔を有して、外方(図3の状態において左方向)に延びて形成されている。
ケース蓋部材60は、ケース本体部材50の開口を覆う短形箱状の形状を有しており、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。図5に示すように、このケース蓋部材60の上下の縁部から前方に延びる側壁部(蓋部材側壁部)66,66のそれぞれには、外方(図3の状態において上下方向)に突出する係止突起部62が複数形成されている。この係止突起部62は、上述の蓋部材取付溝54と同じ数だけ形成されており、その配置間隔も蓋部材取付溝54と対応している。また、この蓋部材側壁部66の内側面には、各々の係止突起部62と対応して内方に突出する押圧突起部61が形成されている。この押圧突起部61は、係止突起部62に対してケース本体部材50にケース蓋部材60を取り付けるときにスライド移動させる方向と反対方向にずれて形成されている。
ケース蓋部材60の左右縁部には、主制御基板31上に配設された各接続コネクタ33のコネクタ接続部36(図6において、コネクタ接続部36a,36b,36c,36d)を外方(図3の状態において後方)に露出するためのコネクタ挿抜孔68(図5において、コネクタ挿抜孔68a,68b,68c,68d)が複数形成されている。この各コネクタ挿抜孔68は、上述の各接続コネクタ33の位置と対応した位置かつ同じ数だけ形成されており、各コネクタ挿抜孔68を介して後方に露出される各コネクタ接続部36に図示しないハーネス(ケーブル)側コネクタが接続され、この各ハーネス側コネクタから延びるハーネス(ケーブル)を介して図示しない他の基板(例えば、払出制御基板、画像制御基板等)と主制御基板31とが電気的に接続される。
また、ケース蓋部材60の外面側底部の右側上部(図5において、コネクタ挿抜孔68aの左側)には、後述するコネクタカバー80を取り付けるためのカバー取付ネジ100aが螺挿されるカバー係合突出部65aが後方に突出して形成されており、ケース蓋部材60の右側部(図5において、コネクタ挿抜孔68aの右側)には外方(図3の状態において右方向)に突出するカバー係止突起部65bが形成されている。さらに、ケース蓋部材60の右側部(カバー係止突起部65bよりも下方部)には、主基板アッセンブリ30を主基板取付部材13bに固定するための右側固定部69が、後述するカバー取付ネジ91bを挿入するためのカバー取付孔69aを有して、外方(図3の状態において右方向)に延びて形成されている。
ケース本体部材50に対してケース蓋部材60を取り付けるときは、図3の状態において後方から蓋部材取付溝54の挿入溝部に係止突起部62を挿入し、その後、ケース蓋部材60を左右方向(この実施形態においては左方向)にスライド移動させて係止突起部62を蓋部材取付溝54の係止溝部に挿入させることで、係止突起部62と蓋部材取付溝54とを嵌合させる。
このとき、係止突起部62を蓋部材取付溝54の挿入溝部に挿入した状態では、押圧突起部61は、蓋部材押圧壁52の右方に位置するが、この状態からケース蓋部材60をケース本体部材50に対して左方向にスライド移動させ、係止突起部62が蓋部材取付溝54の係止溝部に挿入させた状態では、蓋部材側壁部66の外側面と本体部材側壁部53の内側面とが密接し、押圧突起部61は本体部材側壁部53と蓋部材押圧壁52とに狭持される。
ケース本体部材50とケース蓋部材60とを以上のように構成すると、このケース本体部材50にケース蓋部材60を取り付けたときに、係止突起部62が蓋部材取付溝54と嵌合するため、ケース蓋部材60はケース本体部材50に対して後方への移動(ケース本体部材50からケース蓋部材60を外すための移動)が規制される。また、蓋部材側壁部66は、押圧突起部61と蓋部材押圧壁52とによりケース本体部材50の内側面に押しつけられて密接しているため、蓋部材側壁部66を内側に押し込むことができず、係止突起部62を蓋部材取付溝54から外すことができない。
ケース本体部材50の左縁部には本体側仮止部55が形成されており、ケース蓋部材60の左側部には蓋側仮止部63が形成されている。ケース本体部材50にケース蓋部材60が取り付けられたとき、すなわち、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60が左方向にスライド移動して取り付けられたときに、これらの本体側仮止部55と蓋側仮止部63との位置は一致して係合し、ケース蓋部材60がケース本体部材50に対して右方向にスライド移動するのを規制する。なお、ケース本体部材50及びケース蓋部材60は、上述のように、樹脂材料で薄く形成されており容易に撓めることができる。そのため、蓋側仮止部63の左端側を本体側仮止部55から離すように撓めることにより本体側仮止部55と蓋側仮止部63との係合は解除され、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60を右方にスライド移動して、このケース蓋部材60をケース本体部材50から取り外すことができる。
このように、主制御基板31が収容される主基板ケース100を、互いに分離できるケース本体部材50とケース蓋部材60とに分けて構成することにより、主制御基板31をケース蓋部材60に取り付けるときは、このケース蓋部材60の開口部を上方に向けて作業机等に載置した状態で行うことができるので、取り付け作業が容易になり組み立ての作業効率が向上する。また、ケース蓋部材60をケース本体部材50に取り付けるときも、スライド移動だけで取り付けることができるので、この作業も容易である。さらに、このようにケース本体部材50にケース蓋部材60をスライド移動して取り付ける構成にすると、ケース本体部材50側に蓋部材取付溝54を形成し、ケース蓋部材60に係止突起部62を形成することで取り付け構造ができるため、主基板ケース100の構造を簡単にすることができる。
以上のように、主制御基板31は、主基板ケース100(ケース本体部材50及びケース蓋部材60)内に格納されているため、主制御基板31に対する不正行為を防止することができる。しかしながら、ケース本体部材50に対してケース蓋部材60が取り付けられた状態にあるときは、本体側仮止部55と蓋側仮止部63とが係合しているだけであり、ケース本体部材50からケース蓋部材60を取り外すことは容易である。そこで、閉止状態にあるケース蓋部材60をケース本体部材50に対してスライド移動できなくして、主制御基板31に対する不正行為を防止するために、主基板アッセンブリ30の主基板ケース100には不正開放防止機構70が設けられている。
不正開放防止機構70は、ケース本体部材50の左縁部に連結して一体に形成された4つの本体側係合部56と、ケース蓋部材60の左側部に切断可能な連結部64aを介し連結して形成された4つの蓋側係合部64(蓋側係合部64は、ケース蓋部材60から分離可能に形成されている)と、蓋側係合部64に挿入されて、ケース本体部材50にケース蓋部材60を固定保持する4つのストッパ部材71とから構成される。
ケース蓋部材60をケース本体部材50に対してスライド移動させて蓋側係合部64が本体側係合部56と対向して重なる状態にすると、蓋側係合部64に挿入されたストッパ部材71に設けられた係合爪と本体側係合部56に設けられた係合凹部とが係合して、本体側係合部56と蓋側係合部64とが係止保持され、ケース本体部材50に対するケース蓋部材60の右方向へのスライド移動が規制される。そのため、ケース本体部材50にケース蓋部材60が装着された状態、すなわち、係止状態が保持される。これにより、本体側係合部56と蓋側係合部64とをストッパ部材71を介して容易に結合させることができ、ケース本体部材50とケース蓋部材60とを閉止状態で容易に結合保持することができる。
このような不正開放防止機構70によりケース本体部材50とケース蓋部材60とが閉止状態で結合保持されれば、本体側係合部56と係合したストッパ部材71との係合を解除するのは非常に困難であり、主基板ケース100(主基板アッセンブリ30)を開くためには、連結部64aを切断して蓋側係合部64をケース蓋部材60から切り離す必要がある。そのため、主基板ケース100の開放後は、連結部64aの切断痕跡が明確に残るため、不正な開放を早期に発見できるとともに、不正行為を効果的に抑止できる。
以上のように、主制御基板31は、主基板ケース100(ケース本体部材50及びケース蓋部材60)内に格納され、不正開放防止機構70により閉止状態で結合保持されるので、主制御基板31に対する不正行為を防止することができる。しかしながら、ケース蓋部材60の左右縁部に形成された各コネクタ挿抜孔68からは、主制御基板31上に配設された各接続コネクタ33のコネクタ接続部36が主基板ケース100の外方に露出している。この各コネクタ接続部36には、図示しない他の基板(例えば、払出制御基板、画像制御基板等)と主制御基板31とを電気的に接続する図示しないハーネス(ケーブル)に設けられたハーネス側コネクタがそれぞれ接続されており、ハーネス側コネクタをコネクタ接続部36から容易に着脱することができる。そこで、コネクタ接続部36からハーネス側コネクタを不正に着脱する操作を防止するために、主基板アッセンブリ30の主基板ケース100にはコネクタカバー80が設けられている。
コネクタカバー80は、ケース蓋部材60に取り付けられた状態で前面側に開口を有する箱状の形状を有しており、ABS樹脂やポリカーボネート(PC)等の透明な樹脂材料を用いて射出成形等の成形手段により一体的に成形される。そして、コネクタカバー80は、主制御基板31上に配設された各接続コネクタ33のコネクタ接続部36(本実施形態では、主制御基板31の右側上部に配設された接続コネクタ33a,33bのコネクタ接続部36a,36b)を、図3の状態において後方から覆ってケース蓋部材60に取り付けられる。
図7に示すように、コネクタカバー80の底面部81eの各縁部には、図3の状態において、上方に開口部81aと、それぞれ前方に延びる側壁部(カバー側壁部81b,81c,81d)とが形成されている。カバー側壁部81cの上部には、外方(図3の状態において左方向)に突出するカバー側係合部82が形成されている。このカバー側係合部82には、上述のケース蓋部材60の外面側底部に後方に突出して形成されたカバー係合突出部65aが係合される係合孔82aが形成されている。さらに、係合孔82aの底部には、後述するカバー取付ネジ91aを挿入するためのカバー取付孔82bが形成されている。
また、カバー側壁部81dの上部には、外方(図3の状態において右方向)に突出し、かつカバー側壁部81dに沿うように前方に延びるカバー側係止部83が形成されている。このカバー側係止部83は、図3の状態における右方からの側面視においてコの字状の形状(図7の(D)参照)を有して形成されている。さらに、カバー側壁部81dの下部には、外方(図3の状態において右方向)に突出し、かつカバー側壁部81bより下方に延びるカバー側固定部84が形成されている。このカバー側固定部84は、図3の状態における後方からの平面視においてL字状の形状を有しており、カバー側固定部84の下端部には、後方面が開口した円筒形状を有し、後述するカシメ部材90が内部に挿着されるカシメ挿入部84aが前方に突出して形成されている。カシメ挿入部84aの底部には、後述するカバー取付ネジ91bを挿入するためのカバー取付孔84bが形成されている。
次に、図8を参照して、コネクタカバー80を、ケース蓋部材60及び主基板取付部材13bに固定する方法を説明する。
上述したように、主制御基板31が主基板ケース100(ケース本体部材50及びケース蓋部材60)内に格納され、不正開放防止機構70によって閉止状態で結合保持されて、他の基板と主制御基板31とを電気的に接続する図示しないハーネスに設けられたハーネス側コネクタが、各コネクタ挿抜孔68から露出した各接続コネクタ33のコネクタ接続部36に接続された状態において、コネクタカバー80はケース蓋部材60(主基板ケース100)に取り付けられる。また、コネクタカバー80は、各接続部36に対向するように、かつ各接続部36に接続されているハーネス側コネクタから延びるハーネスを、コネクタカバー80の内部に無理なく配置できる程度に近接して取り付けられている。さらに、コネクタカバー80は、上方に開口部81aを有しているので、ハーネスを無理なく開口部81aから外部に延ばすことができるように構成されている。なお、本実施形態では、コネクタカバー80は、接続コネクタ33a,33bのコネクタ接続部36a,36bに接続される各ハーネス側コネクタに対して設けられている。
コネクタカバー80のケース蓋部材60への取り付けは、まず、カバー側壁部81cから左方に突出するカバー側係合部82に形成された係合孔82aに、ケース蓋部材60の外面側底部に形成されたカバー係合突出部65aを挿入するように係合させるとともに、カバー側壁部81dの上部に形成されたカバー側係止部83が、ケース蓋部材60の右側部に右方に突出して形成されたカバー係止突起部65bを後方から囲むように、カバー側係止部83とカバー係止突起部65bとが係止される。そして、係合孔82aとカバー係合突出部65aとが係合された状態において、カバー取付ネジ91aを係合孔82aのカバー取付孔82b(図7参照)に挿入し、ケース蓋部材60のカバー係合突出部65aに対して螺挿してネジ締結される。
このように、コネクタカバー80がケース蓋部材60に係合されると、カバー側壁部81dの下部に形成されたカバー側固定部84のカシメ挿入部84aの底部が、ケース蓋部材60の右側部に右方に延びて形成された右側固定部69(図6参照)の後方側面と近接し、カシメ挿入部84aのカバー取付孔84bと右側固定部69のカバー取付孔69a(図6参照)が対向するように構成されている。
コネクタカバー80(主基板ケース100)の主基板取付部材13bへの取り付けは、まず、ケース本体部材50の左側部に左方に延びて形成された左側固定部57(図4参照)に取り付けられたナイラッチ(登録商標)と称される締結具37(図2参照)を用いて、主基板ケース100を主基板取付部材13aに取り付けるとともに、上述したように、コネクタカバー80をケース蓋部材60に固定させた状態において、カバー取付ネジ91bを、カシメ挿入部84aのカバー取付孔84b及び右側固定部69のカバー取付孔69aに挿入し、主基板取付部材13bに対して螺挿してネジ締結される。
そして、コネクタカバー80及び主基板ケース100が、カバー取付ネジ91bを用いて主基板取付部材13bにネジ締結された状態において、カバー側固定部84のカシメ挿入部84aにカシメ部材90が挿入される。カシメ部材90は、前方面が開口した円筒形状に形成されている。また、カシメ部材90の外周側面には、図示しない係合爪が形成されており、カシメ挿入部84aにカシメ部材90が挿入されると、カシメ挿入部84aの内側面に形成された図示しない係合凹部とカシメ部材90の係合爪とが係合される。
そのため、一旦、カシメ部材90をカシメ挿入部84aに挿入し、コネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bに固定されると、コネクタカバー80の固定状態を壊さなければ、コネクタカバー80を主基板ケース100から取り外す操作、もしくは主基板ケース100を主基板取付部材13bから取り外す操作を行うことができないように構成されている。
以上のように、主制御基板31上に配設された接続コネクタ33a,33bのコネクタ接続部36a,36bに図示しない各ハーネス側コネクタが接続された状態において、図9に示すように、コネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bに固定すると、各ハーネス側コネクタは、コネクタカバー80の底面部81e及びカバー側壁部81b,81c,81dによって囲まれている。このため、各ハーネス側コネクタをコネクタ接続部36a,36bから抜脱しようとすると、各ハーネス側コネクタが、コネクタカバー80の底面部81eやカバー側壁部81b,81c,81dのいずれかに当接して、各ハーネス側コネクタの抜脱が規制される。また、同様に、コネクタ接続部36a,36bへの各ハーネス側コネクタの挿着が規制される。
つまり、一旦、コネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bに固定すると、カシメ部材90がカシメ挿入部84aに挿入されているので、外側からカバー取付ネジ91bを操作することができず、コネクタカバー80の固定状態を壊さなければ、コネクタ接続部36a,36bに接続された各ハーネス側コネクタを抜脱する、もしくはコネクタ接続部36a,36bに各ハーネス側コネクタを挿着することができない。このため、高い抑止力を有して、コネクタ接続部36a,36bに接続された各ハーネス側コネクタから延びる図示しないハーネスの不正交換を防止することができる。さらに、コネクタカバー80とともに主基板ケース100も、カシメ部材90を用いて、主基板取付部材13bに固定されているので、主基板ケース100内に格納された主制御基板31に対する不正行為も効果的に防止することができる。
また、万一、主制御基板31が故障等により、コネクタ接続部36a,36bに接続された各ハーネス側コネクタを抜脱する際は、カシメ挿入部84aに挿入されたカシメ部材90の底面部を破壊し、カバー取付ネジ91bを操作することによって、コネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bから取り外すことができる。そして、新たにコネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bに取り付けるときには、破損したカシメ部材90に換えて、新たなカシメ部材を用いれば良く、コネクタカバー80及び主基板ケース100を破損することを防ぐことができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本実施形態では、コネクタカバー80は、ケース蓋部材60に係合されているが、ケース本体部材50に係合されるように構成されても良く、コネクタカバー80が主基板ケース100に係合される構成が好ましい。また、コネクタカバー80は、主制御基板31上に配設された接続コネクタ33a,33bに対して設けたが、他の接続コネクタ(例えば、接続コネクタ33c、33d)においても、同様にコネクタカバー80を設けることが望ましい。
さらに、本実施形態では、カシメ部材90を用いて、コネクタカバー80及び主基板ケース100を主基板取付部材13bに固定したが、例えば、カシメ挿入孔84aの外周側面に形成された係合爪と、主基板取付部材13に形成されたカシメ挿入孔84aの挿入部及びその内側面に係合凹部とによって、一旦固定されると取り外しできないように構成されれば良い。また、本実施形態では、主制御基板31を格納した主基板ケース100を例に説明したが、他の基板ケース(例えば、払出制御基板、画像制御基板等を格納する基板ケース)においても、主基板アッセンブリ30と同様にコネクタカバー80を有した構成にすることで、これらの基板と接続しているハーネスの不正交換を、高い抑止力を有して防止することができる。