JP2008079889A - 無線認識icタグ封入ストロー - Google Patents
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Abstract
【課題】
封入した無線認識ICタグが容易に取り出せない無線認識ICタグ封入ストローを提供する。
【解決手段】
試料管理用ストロー11の内の液体によって凝固するパウダー14の中に、無線認識ICタグ13を配置する。この無線認識ICタグ13とパウダー14とは、固定材である綿糸12、15によってストロー11内に固定されている。ストロー11内に試料液体を吸い込むと、パウダー14と無線認識ICタグ13がストロー11内に固着される。この時、無線認識ICタグ13と液体により凝固するパウダー14とストロー11内壁が強固に接着するため、容易に無線認識ICタグ13が取り出せないストロー構造を得ることができ、セキュリティ性を向上できる。
【選択図】図1
封入した無線認識ICタグが容易に取り出せない無線認識ICタグ封入ストローを提供する。
【解決手段】
試料管理用ストロー11の内の液体によって凝固するパウダー14の中に、無線認識ICタグ13を配置する。この無線認識ICタグ13とパウダー14とは、固定材である綿糸12、15によってストロー11内に固定されている。ストロー11内に試料液体を吸い込むと、パウダー14と無線認識ICタグ13がストロー11内に固着される。この時、無線認識ICタグ13と液体により凝固するパウダー14とストロー11内壁が強固に接着するため、容易に無線認識ICタグ13が取り出せないストロー構造を得ることができ、セキュリティ性を向上できる。
【選択図】図1
Description
本発明は無線により認識を行う無線認識ICタグを用いたストロー技術に関する。
バイオ関係や、高価な牛の人工授精などでは細いストローを試料容器とし、保管および流通媒体として使用している。この試料管理用ストローには、中に入れた試料の固有番号を管理するための数値またはバーコードが印刷されていて、目視認識やコンピュータ認識などに利用されている。
一方、偽造、変造困難性などのセキュリティの観点から、無線認識ICタグは従来のバーコードよりすぐれた機能をもっている。こうした流れを踏まえ、試料管理用ストローの中に、試料識別番号を記録したICタグを内蔵したものもある(特許文献1)。この従来技術においては、精液をストロー中に封入した後、ICチップをストローの端部に挿入する。
従来の構成では、あらかじめ挿入しようとする試料に対応するICチップの識別番号を印字の上、試料を挿入後に当該ICチップをストロー中に挿入するため、工程の最終段階でICチップをストロー端部に挿入していると考えられる。しかし、この方法では、ストローの先端部にICタグが挿入されるので、離脱によるICチップの情報漏洩への配慮が十分と言えない。
本発明の課題は、ICチップの情報漏洩を防止できる無線認識ICタグ封入ストローを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明においては、液状試料を管理する無線認識ICタグ封入ストローであって、ストロー内部に配置された凝固用パウダーと、この凝固用パウダーの中に配置された無線認識ICタグと、ストローの内部で、凝固用パウダーとその中に配置された無線認識ICタグとを固定するため、これら両者を挟んだ位置に配置した吸水性、通気性のある固定材とからなる無線認識ICタグ封入ストローを提供する。
本発明のストロー構造により、液体試料挿入後、液体により凝固するパウダーと無線認識ICタグとストロー内壁が強固に接着するため、容易に無線認識ICタグが取り出せない構造を得ることができる。その結果、無線認識ICタグの流用等を防ぐことができるストローとして、セキュリティ性を増すことができる。
以下、本発明の具体的実施例を図面を用いて説明する。
まず、図4は第一の実施例に用いる無線認識ICタグの回路構成を示している。同図において、図示されていないリーダから送出された電波エネルギーはアンテナ41から入力される。入力されたこの電波エネルギからクロック回路42によって、クロックが抽出され、制御カウンタ43に入力される。さらに、Xアドレスカウンタ44aとYアドレスカウンタ44bが直列に接続されていて、それぞれ、Xアドレスデコーダ45aとYアドレスデコーダ45bに接続されており、読み出すメモリセル49のアドレスを指定する。Xアドレスカウンタ44aとYアドレスカウンタ44bは制御カウンタ43からのクロック信号に従って、逐次カウントアップ若しくはカウントダウンしてメモリアドレスを指定する。Xアドレスデコーダ45aとYアドレスデコーダ45bはメモリセル49を1個指定するためにメモリのワードラインとビットラインを選択するためのものである。
制御カウンタ43からの出力はメモリ制御回路48にも入力されて、メモリセル49の駆動と読み出しを制御する。メモリセル49に格納されている識別番号データの出力は、メモリ制御回路48経由でインピーダンス制御回路46に入力され、アンテナ41を介して1ビットずつ出力される。この一連の動作を通じてICタグの識別番号が読み取られる。全体の回路の電源電圧は電源回路47によって生成される。
図5は第一の実施例の無線認識ICタグのアンテナとチップの関係を示す平面図である。図5の(A)は片面電極チップを小型アンテナに接続したものである。通常、人工授精に用いられるストロー(ストロー管)は合成樹脂材などで形成され、その内径は1.63mmから2.53mm位のものであるので、このストローに入れるためにはチップサイズは0.5mm角以下、アンテナは3mmx4mm以下が望ましい。アンテナパターン52は基板シート51の上にある。片面電極53aと片面電極53bは片面電極チップ54の片面にあって、アンテナパターン52と接続されている。片面電極チップ54では、チップの主面側に2個の電極が隣り合わせて存在する。裏面側には電極は存在しない。片面電極53a、53bは図4のアンテナ端子、グランド端子となっている。
図5の(B)は両面電極チップを小型アンテナに接続したものである。上述の通りストローに入れるためにはチップサイズは、0.5mm角以下、アンテナは3mmx4mm以下が望ましい。基板シート55の上にある下部アンテナパターンシート56aと上部アンテナパターンシート56bの間に両面電極チップ57がある。両面電極チップ57はその両面に形成される両面電極対58により、アンテナ56a,56bと接続されている。両面電極チップ57では、チップの主面側と裏面側に1個づつの電極が存在し、それぞれの電極は図4のアンテナ端子、グランド端子となっている。下部アンテナパターンシート56aと上部アンテナパターンシート56bはコンタクト59によって接続されている。このようなサイズのチップおよびアンテナであれば、後で説明するように、湾曲することによって、ストロー内部の凝固用パウダーと混在して入れ込むことが可能となる。
次に、図1は、第一の実施例における無線認識ICタグ封入ストローの一例を示す図である。ストロー11の内部の一部には、上側の綿糸(綿栓)12と下側の綿糸(綿栓)15によって挟まれた無線認識ICタグ13と凝固用パウダー14がある。ここで凝固用パウダー14は、例えばポリビニールアルコールであって、ストロー使用時に注入される液状試料との反応によって固化するものであれば他の材料でも採用可能である。綿糸はストロー内のパウダーがこぼれないように両サイドから固定するために挿入される固定材である。この固定材としては、綿糸に限らず、吸水性があって通気性のよいものを採用することができる。
本実施例のストロー構造によれば、予めICチップと凝固用パウダーとを一の工程においてストロー内に挿入できるため、精液封入後にICタグを入れる従来の精液封入装置と比較し、その構成を簡易にし、且つ試料封入工程を容易化することが可能である。
図1に示した第一の実施例の構造のストローを用いた液状試料封入工程においては、綿糸および凝固用パウダーの存在のために、ストロー11の上からの負圧力により、ストロー11の下の開口から液状試料を吸入する。この液状試料は下側の綿糸15に至り、さらに凝固用パウダー14に至る。この凝固用パウダー14の中には無線認識ICタグ13が入っているため、液状試料は凝固用パウダー14を化学反応させて、凝固すると同時に、無線認識ICタグ13を凝固用パウダー14内に固着させる。さらにストロー11内の壁面との接着が行われ、結果的に容易にストロー11と無線認識ICタグ14が分離できない形態が形成される。
先に述べたように、無線認識ICタグの大きさはストロー内に入るサイズであることが好ましいが、たとえ無線認識ICタグのチップサイズがストローの径以上の大きさを有する場合であっても、この無線認識ICタグを湾曲したり、筒状にしたりして、ストローの内径に即したサイズにすることは特段の技術を使用せずとも可能である。尚、パウダーが固化しても、電磁波の伝達に影響はなく、無線認識ICタグのチップおよびアンテナの電気的動作が変化することはない。
以上詳述した第一の実施例のストローの使用にあたっては、各無線ICタグ内の固有番号と試料とを対応づけて管理しておく。例えば人口受精の際には、ストローをリーダに近づけて無線ICタグの固有番号を読み取ることで、試料を特定することが可能となる。又、固着されてしまった無線ICタグはストローを破壊しなければ取得することが困難である。よって、本構成によれば、無線ICタグの固有番号を解析して他の試料を挿入したストローに模造無線ICタグを挿入するといういった模倣行為に対する対策が可能となる。
図2は図1に示した第一の実施例の無線認識ICタグ封入ストローの製造工程の一実施例を示す図面である。図2の(A)は、最初のストロー11の状態を示している。図2の(B)は、図2の(A)に示したストロー11に、下側の綿糸15を入れた状態の図を示している。図2の(C)は、図2の(B)に続く工程で、ストロー11の中に無線認識ICタグ13と凝固用パウダー14が同時に封入されている状態を示している。図2の(D)の図面は、図2の(C)に続く工程で、上側の綿糸12をストローに入れた状態を示している。ストローに綿糸および凝固用パウダーを配置する構造はすでに既存技術として利用されているが、本実施例においては、無線認識ICタグ13の配置場所を凝固用パウダー14の設置場所とすることにより、ストロー11への封入容易性を図った。すなわち、無線認識ICタグ13はアンテナ部を小型化すると同時に、パウダー14の中に入れるために、形状はストロー11に入るように変形するのみ、具体的には湾曲または筒状にするのみでよい。そのため、厳密な形状規定を必要としない。また、液状の試料により、パウダーが化学反応してストロー内に固定され、セキュリティ管理上、流用されにくい特性をもたせることができる。
図3は第二の実施例の無線認識ICタグの断面構造を示す図である。同図は、ストローの中の凝固用パウダー14の中の無線認識ICタグ30の断面構造を示しているが、特にストローの向きと無線認識ICタグ30の向きに制限はない。無線認識ICタグ30のICタグチップ33の上側のアンテナ31には上側フィン32が取り付けられていて、またICタグチップ33の下側のアンテナ34には下側フィン35が取り付けられている。なお、この上側フィン32、下側フィン35の取り付け個数は、図示のように二個に限らず、一個以上何個であっても良いし、上下片側のみに取り付けても良い。
ICタグチップ33の上側と下側にはメタル層があってチップ内の回路との導通を行い、このメタル層を介してそれぞれ上側のアンテナ31と下側のアンテナ34に接続されている。無線認識ICタグ30はストローの中に、凝固用パウダー14により、封入されている。
このとき、フィン32、35がアンテナ31、34に取り付けられていることによって、凝固用パウダー14との一体化が促進される。これにより、ストローの中の無線認識ICタグ30を取り出して、他のサンプル作成に流用しようとしても、アンテナ31、34とパウダーが凝固した凝固剤が固着しているために、アンテナとICタグチップの分離が成され易くなる。このことによって、容易に無線認識ICタグ30の機能性を失うことが可能となる。
すなわち、本実施例の構造によれば、無線認識ICタグのアンテナにあるフィンによって、試料液体により凝固するパウダーと無線認識ICタグをより強固に一体化できるので、分解による摘出をしようとする場合、アンテナとチップが分離して無機能化し、無線認識ICタグの脆性を増すことができることとなる。
なお、このフィン32、35は、例えば、アルミなどのアンテナ材料と同じ材料とする。又、アンテナ材料の一部を切り取り、主アンテナ面から0度より大きく、180度より小さな角度を形成するように曲げることで形成することができる。更に、フィンを別途生成してアンテナに接着することで形成することも可能である。
11…ストロー、12…上側の綿糸、13…無線認識ICタグ、14…凝固用パウダー、15…下側の綿糸、30…無線認識ICタグ、31…上側のアンテナ、32…上側のフィン、33…ICタグチップ、34…下側のアンテナ、35…下側のフィン、41…アンテナ、42…クロック回路、43…制御カウンタ、44a…Xアドレスカウンタ、44b…Yアドレスカウンタ, 45a…Xアドレスデコーダ、45b…Yアドレスデコーダ、46…インピーダンス制御回路、47…電源回路、48…メモリ制御回路、49…メモリセル、51…基板シート、52…アンテナパターン、53a、53b…片面電極、54…片面電極チップ、55…基板シート、56a…下部アンテナパターンシート、56b…上部アンテナパターンシート、57…両面電極チップ、58…両面電極、59…コンタクト。
Claims (7)
- 液状試料を管理する無線認識ICタグ封入ストローであって、
前記ストローの内部に配置された凝固用パウダーと、
前記凝固用パウダーの中に配置された無線認識ICタグと、
前記ストローの内部で、前記凝固用パウダーと前記無線認識ICタグを挟む位置に配置された吸水性、通気性のある固定材とからなる
無線認識ICタグ封入ストロー。 - 請求項1記載の無線認識ICタグ封入ストローであって、
前記無線認識ICタグは、湾曲又は筒状にされて前記ストロー内に挿入されている
無線認識ICタグ封入ストロー。 - 請求項1記載の無線認識ICタグ封入ストローであって、
前記無線認識ICタグは、ICタグチップと前記ICタグチップに接続されたアンテナとからなり、前記アンテナには少なくとも一個のフィンが形成されており、前記フィンと前記アンテナとは零度より大きな角度をなしている
無線認識ICタグ封入ストロー。 - 請求項1記載の無線認識ICタグ封入ストローであって、
前記固定材は綿糸である
無線認識ICタグ封入ストロー。 - 液状試料を管理する無線認識ICタグ封入試料容器であって、
ストローと、
前記ストローの内部に配置された凝固用パウダーと、
前記凝固用パウダーの中に配置された無線認識ICタグと、
前記凝固用パウダーと前記無線認識ICタグを、前記ストローの長手方向の両側から挟む位置に配置された吸水性ある固定材とからなる
無線認識ICタグ封入試料容器。 - 請求項5記載の無線認識ICタグ封入試料容器であって、
前記固定材は綿糸である
無線認識ICタグ封入試料容器。 - 請求項5記載の無線認識ICタグ封入試料容器であって、
前記凝固用パウダーは、前記液状試料が注入される際、その凝固により前記無線認識ICタグを固着する
無線認識ICタグ封入試料容器。
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