JP2008079861A - ドラム式洗濯乾燥機とそれに用いられる空気調和機、空調・送風ユニット - Google Patents

ドラム式洗濯乾燥機とそれに用いられる空気調和機、空調・送風ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】循環送風経路の最低位部とされる除湿手段まわりでの万一のオーバーフロー水が他に影響するのを防止できるようにする。
【解決手段】洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラム2が水槽3内に設けられ、洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施すると共に、送風手段により水槽3内の空気を、除湿手段31、加熱手段32を収容した熱交換部39を備えた循環送風経路5を通して循環させ洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機にて、熱交換部39は循環送風経路5の最低位部に位置し、その器体38内に空気の流れによる負圧領域71を有し、負圧領域71に面する器体44の周壁38bに万一の場合の所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴72を設け、この排水穴72に負圧領域71からの吸引によって閉じる逆止弁73を設けたことにより、上記の目的を達成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、水槽内に水平方向もしくは水平方向から傾斜した方向に回転自在に支持された回転ドラム内で洗濯、すすぎ、脱水、乾燥の各工程を行うドラム式洗濯乾燥機とそれに用いられる空気調和機、空調・送風ユニットに関するものである。
このようなドラム式洗濯乾燥機は、図1に示す本発明の実施の形態のドラム式洗濯乾燥機1を参照して説明すると、多数の透孔8が形成され洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラム2が水槽3内に設けられ、一般に、この水槽3内の給水、排水及び前記回転ドラム2の回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施すると共に、送風手段である送風ファン15により水槽3内の空気を、蒸発器、凝縮器を備えた循環送風経路5を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、蒸発器、凝縮器は一例として圧縮機と冷媒回路で接続した空気調和機、例えば特許文献1がいうような蒸発器と凝縮器とを可逆に運転できるヒートポンプ機構をなすもので、送風手段により水槽内の空気を循環送風経路に導入して蒸発器及び凝縮器を順次に通すことで除湿後に加熱した渇いた高温空気とし、これを水槽内に送風して回転ドラム内の洗濯物に曝すことを繰り返し効率よく乾燥させられるようにしている。また、特許文献1に見られるように蒸発器及び凝縮器を収容して循環空気との熱交換を図る熱交換ダクト、とりわけ蒸発器収容部は、循環送風経路の最低位部とされる。これによって、蒸発器で結露して空気から分離される結露水が下に落ちるのを限られた範囲の貯留部に貯留しながら排水ポンプなどで排水するものの、貯留中の水が他へ流れないようにすることができる。また、このような排水は、例えば、水位センサが検出する水位に応じて過不足なく行われる。さらに上限水位を超える異常水位に対しては乾燥工程を停止する制御も行える。
特開2006−187449号公報
しかし、貯留部での何らかの排水異常によって結露水が貯留部での上限水位を超えて乾燥工程が停止されるにしてもまだ高温を維持する凝縮器まわりで蒸気を発生させたりするなど他に影響することがある。また、洗濯工程での給水や排水での何らかの異常で、水槽に接続している循環送風経路内に水槽内の水が万一にもオーバーフローすると、送風手段の回転軸部まわりにまで影響するなど、結露水以上の影響を他に及ぼすことが考えられる。特に、送風手段を除湿手段と同レベルに配置するなど低く設置したいような場合に問題となりやすい。
本発明者はこのような従来考えられていなかった万一もの事態に簡易に対応できるドラム式洗濯乾燥機の開発に成功した。
本発明の目的は、そのような新たな開発に基づき、循環送風経路の最低位部とされる除湿手段まわりでの万一のオーバーフロー水が他に影響するのを防止できるドラム式洗濯乾燥機とそれに用いられる空気調和機、空調・送風ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、多数の透孔が形成され洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、この水槽内の給水、排水及び前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施すると共に、送風手段により水槽内の空気を、除湿手段、加熱手段を収容した熱交換部を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、熱交換部は循環送風経路の最低位部に位置し、その器体内に前記空気の流れによってできる負圧領域を有すると共に、この負圧領域に面する器体の周壁に所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴を設け、この排水穴には負圧領域からの吸引によって閉じる逆止弁を設けたことを特徴とする。
このような構成によれば、除湿手段は加熱手段と共に循環空気との熱交換部をなして循環送風経路の最低位部に位置し、回転ドラム、水槽から導入されてくる循環空気を除湿した後に加熱して乾燥した高温空気とし、水槽、回転ドラム内に送風することを繰り返し、洗濯物の乾燥工程が実施されるが、このときの空気の流れで熱交換部の負圧領域に生じる負圧はそこに臨む排水穴の逆止弁を閉じ外気を吸引するのを防止する。一方、乾燥工程で何らかの理由による結露水の排水異常があって上限水位を超えたような場合、乾燥工程が停止されるような制御、少なくとも送風手段の停止を条件に熱交換部の負圧領域に生じていた負圧が解消されるので、逆止弁が閉じ力から解放されて所定以上のオーバーフロー水を排水穴から即時に排出させられる。また、洗濯、すすぎ工程においては逆止弁に閉じ力は働いていないので、何らかの理由で給水異常、排水異常があって万一にも循環送風経路にオーバーフローし、熱交換部の水位が上限水位を超えた場合所定以上のオーバーフロー水は即時に排水穴から排出される。
前記排水穴を設ける負圧領域は、熱交換部内の最も高い負圧度域である、さらなる構成によれば、
熱交換部内の最も高い負圧度域に排水穴が位置していると、熱交換部内の循環空気の流れを利用した負圧による逆止弁の閉じ力を最も高められる。
負圧領域が、前記熱交換部内の加熱手段から排気口への空気の流れによって吸引を受ける領域である、さらなる構成によれば、
熱交換部の送風手段の最も近い最下流となる加熱手段と排気口との間に働く最も強い循環空気の流れを利用して最も高い負圧度の負圧領域を形成しやすい。
負圧領域は、排気口の軸線と直角な向きに並んだ除湿手段および加熱手段の両端を保持する保持端板のうち排気口側の保持端板と、器体の排気口を持った端部壁の排気口を外れた部分との間で、除湿手段、加熱手段をその並び方向に順に通過して排気口に至る空気の流れによって吸引を受ける隙間領域である、さらなる構成によれば、
このように並んだ除湿手段及び加熱手段はそれらの両端部を保持端板にて保持することでユニットとして取り扱える部品となり、しかも、一方の保持端板が排気口のある器体の端部壁と対向するのを利用して双方を少し離すだけで、加熱手段から排気口に向う前記のように強い循環空気の流れから外れた奥行きのあるスペースが得られて、熱交換部の最も負圧度の高い負圧領域とすることができる。
排水穴へのオーバーフローレベルは、送風手段の回転軸よりも下である、さらなる構成によれば、
オーバーフロー水で送風手段の回転軸が冠水するのを回避することができる。
排水穴は、器体の底部のオーバーフローレベルよりも低い補助凹部に面して形成され、この補助凹部への器体の底部からのオーバーフロー通路に補助凹部へのオーバーフローレベルを設定する堰き部を設けてある、さらなる構成によれば、
補助凹部、堰き部共に器体の底部形状によって得られ、オーバーフロー水が堰き部を超えて初めて補助凹部内に流れ込んで排水穴から排出されるが、補助凹部は特にオーバーフロー水が水槽からのものであるなどで短時間に水位を上げるような場合に補助凹部へ容量一杯まで一挙に流入させることで熱交換部、それを有した循環送風経路内で所定のオーバーフローレベル以上に水位が上がるのを避けられる。
熱交換部は除湿手段としての凝縮器と、加熱手段としての蒸発器と、それらと冷媒配管によって接続された圧縮機と、を収容した空気調和機であり、送風手段と直結された空調・送風ユニットをなし、排水穴は、空気調和機の器体における送風手段と対向する部分に設けられ、逆止弁は、弾性を有した板部材よりなり排水穴の外面に当てがい外周一部を空気調和機の器体に止着した、さらなる構成によれば、
熱交換部が凝縮器、蒸発器、圧縮機を収容した1つの空気調和機として取り扱えるし、圧縮機は密閉型のものにてオーバーフロー水の影響を受けずに位置させてしかもその重量による設置の安定が図れ、凝縮器、蒸発器を保持する保持端板と器体の排気口を持った端部壁とによる負圧領域の構成に好適であり、器体の排気口側に送風手段をその吸気口側で直接接続するコンパクトな構成として、オーバフロー水による回転軸部への影響のないものとすることができる。
熱交換部の除湿手段の下には結露水を貯留する貯留部を排水手段に接続して設けられ、熱交換部での所定以上の水位にて現動作モードを停止するようにしている、さらなる構成によれば、
洗濯、すすぎ工程や乾燥工程での熱交換部の異常水位に好適に対応できる。
上記の構成は、除湿手段としての凝縮器と、加熱手段としての蒸発器と、それらと冷媒配管によって接続された圧縮機と、を凝縮器に対応する部分に排水手段に接続される結露水の貯留部を持った1つの器体に収容し、導入する空気が凝縮器及び蒸発器を順次経て排気口に向う空気の流れによってできる負圧領域を有すると共に、この負圧領域に面する器体の周壁に万一の場合の所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴を設け、この排水穴には負圧領域からの吸引によって閉じる逆止弁を設けたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機に用いる空気調和機を提供している。
また、このような構成の空気調和機の排気口に送風手段を直結し、排水穴へのオーバーフローレベルを送風手段の回転軸よりも低くしたことを特徴とする回転ドラム式洗濯乾燥機に用いる空調・送風ユニットをも提供している。
本発明によれば、乾燥工程時の空気の流れで熱交換部の負圧領域に生じる負圧で排水穴の逆止弁を閉じ外気を吸引することがないので、外気を吸引して折角の高温空気が冷やされるといった乾燥工程への支障がなく、乾燥工程での異常水位には少なくとも送風手段の停止制御を条件に、洗濯、すすぎ工程での異常水位にはそのままで、所定以上のオーバーフロー水を排水穴から排出される。
ここで、異常水位時の現動作の停止は水位異常原因が解消されないままの継続使用を阻止することができるし、異常を使用者に告知することができる。
本発明の実施の形態に係る図1に示すドラム式洗濯乾燥機1は、洗濯乾燥機本体44内に図示しないサスペンション構造によって水槽3が宙吊り状態に配設され、水槽3内に有底円筒形に形成された回転ドラム2がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。水槽3の正面側には回転ドラム2の開口端に通じる衣類出入口11が形成され、洗濯乾燥機本体44の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉9を開くことにより、前記衣類出入口11を通じて回転ドラム2内に対して洗濯物を出し入れすることができる。扉9が上向き傾斜面に設けられているため、洗濯物を出し入れする作業を腰を屈めることなく実施でき、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れするドラム式洗濯機の作業性の悪さが改善されている。
回転ドラム2には、その周面に水槽3内に通じる多数の透孔8が形成され、内周面の複数位置に攪拌突起(図示せず)が設けられている。この回転ドラム2は水槽3の背面側に取り付けられたモータ7によって正転及び逆転方向に回転駆動される。また、水槽3には、注水管路12及び排水管路13が配管接続され、図示しない注水弁及び排水弁の制御によって水槽3内への注水及び排水がなされる。
扉9を開いて回転ドラム2内に洗濯物及び洗剤を投入してドラム式洗濯乾燥機1の例えば前面上部に設けられた図1に示す操作パネル66での操作で、その内側などにも受けられた制御基板67などによる制御を通じて運転を開始させると、水槽3内には注水管路12から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム2が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム2の回転により、回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の内周壁に設けられた攪拌突起によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する攪拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。所要の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路13から排出され、回転ドラム2を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、水槽3内に注水管路12から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても回転ドラム2内に収容された洗濯物は回転ドラム2の回転により攪拌突起により持ち上げられて落下する攪拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実施される。
このドラム式洗濯乾燥機1には、回転ドラム2内に収容した洗濯物を乾燥する機能が設けられ、図1、図2に示すような水槽3内の空気を排気して除湿し、加熱した乾燥した空気を再び水槽3内に送風する既述した循環送風経路5が形成されている。この循環送風経路5の途中には図3に示すように蒸発器31などの除湿手段、凝縮器32などの加熱手段及び送風手段である送風ファン15が設けられるのが既述したように一般的であり、この送風ファン15を回転駆動することにより、循環送風経路5に空気の流れが発生して洗濯物を収容した回転ドラム2内の空気は透孔8を通じて水槽3から送風ファン15側への循環空気導入管路16に排気され、送風ファン15の上流に位置する蒸発器31に水分を結露させて除湿することと、凝縮器32との熱交換により加熱することとで常に乾燥した高温の空気とされる。この乾燥した高温の空気は送風ファン15から水槽3への送風管路33に送り出されて水槽3内に送風される。水槽3内に送風された高温の乾燥空気は透孔8を通じて回転ドラム2内に入って衣類などの洗濯物に曝されながら水槽3へと抜け、再度循環空気導入管路16へと導入され、以上の循環送風経路5での空気の循環の繰り返しにより乾燥工程が実施される。
また、この循環送風経路5を利用した乾燥工程では、循環送風経路5を循環される空気中に主として衣類などの洗濯物から発生する糸くずなどの異物が混じって循環し、蒸発器31や凝縮器32の目詰まり、送風ファン15の回転部への噛み込み、送風ファン15の内面への堆積といった乾燥工程を実施するのに支障を来しやすく、面倒なメンテナンスを頻繁に行う必要があることから、循環送風経路5の途中に、具体的には蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15の上流側、従って、図1、図2に示すような循環空気導入管路16の途中に、循環空気中の異物を除去するフィルタ35を収容したフィルタ室36を設けることが一般的になっている。これによって、洗濯物を乾燥させた後の空気に異物が混入して蒸発器31側の循環空気導入管路16側に導入されてきても、フィルタ室36を通る際にフィルタ35によって捕集され、下流側への循環空気に混入することはない。従って、蒸発器31、凝縮器32、送風ファン15の機能が長期に保全される。しかし一方では、フィルタ室36内のフィルタ35には捕集された異物が堆積していき、循環空気の通過抵抗が徐々に増していき、乾燥機能を低下させる問題があるので、フィルタ35は一般の場合と同様に着脱できるように設けられる。
ここで、結露水が生じる蒸発器31は凝縮器32と共に熱交換部39をなし、その器体38おける底部38aの蒸発器31に対応する範囲にフィルタ62で覆った結露水の貯留部63が設けられて、排水ポンプ64を持った排水管路65が接続され、図示しない水位センサによる水位の検出の基に過不足ない排水が行われる。しかし、何らかの排水異常で水位が異常上昇すると貯留している結露水が循環送風経路5の他部分へ及びかねない。これらのことがあって、蒸発器31は特許文献1で知られるように循環送風経路5の最低位部に位置するように設けている。
しかし、既述したように、貯留部63では何らかの理由による乾燥工程での貯留水の排水異常や、洗濯、すすぎ工程での水槽からのオーバーフロー水の流入により、異常水位が万一にも生じると問題となる。
そこで、本実施の形態では、特に、熱交換部39はその器体38内に循環空気の流れによってできる負圧領域71を有すると共に、この負圧領域に面する器体の周壁に万一の場合の所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴72を設け、この排水穴72には負圧領域71からの吸引によって閉じる逆止弁73を設けている。このようにすると、蒸発器31は凝縮器32と共に循環空気との熱交換部39をなして循環送風経路5の最低位部に位置し、送風ファン15の駆動により回転ドラム2、水槽3から図1に示す循環空気導入管路16を通じ導入されてくる循環空気を除湿した後に加熱して乾燥した高温空気とし、図1に示す送風管路33を通じ水槽3、回転ドラム2内に送風することを繰り返し、洗濯物の乾燥工程が実施されるが、このときの空気の流れで熱交換部39の負圧領域71に生じる負圧はそこに臨む排水穴72の逆止弁73を閉じ外気を吸引するのを防止する。従って、乾燥工程時に排水穴72を通じた外気の吸引により折角の高温空気が冷やされたり、外部からほこりやごみ等の異物が入り込むといった乾燥工程への支障がなくなる。
一方、乾燥工程で何らかの理由による結露水の排水異常があって上限水位を超えたような場合、制御基板67からの制御による現工程である乾燥工程が停止されるような制御、少なくとも送風ファン15の停止を条件に熱交換部39の負圧領域71に生じていた負圧が解消されて、逆止弁73が閉じ力から解放されるので所定以上のオーバーフロー水を排水穴72から即時に排出させられる。
また、洗濯、すすぎ工程においては逆止弁73に閉じ力は働いていないので、何らかの理由で給水異常、排水異常があって万一にも循環送風経路5にオーバーフローし、熱交換部39が上限水位を超えた場合所定以上のオーバーフロー水は即時に排水穴72から排出される。この場合も現工程である洗濯、すすぎ工程を制御基板67からの制御によって停止させるのが好適である。
ここに、異常水位時の現動作の停止は水位異常原因が解消されないままの継続使用を阻止することができるし、異常を使用者に告知することができる。
排水穴72を設ける負圧領域71は、熱交換部39内の最も高い負圧度域とすることにより、熱交換部39内の最も高い負圧度域に排水穴72が位置して、熱交換部39内の循環空気の流れを利用した負圧による逆止弁73の閉じ力を最も高められ、乾燥工程のより安定が図れる。それには、負圧領域71が、熱交換部39内の凝縮器32から排気口41への空気の流れによって吸引を受ける領域とするのが好適で、熱交換部39の送風ファン15の最も近い最下流となる凝縮器32と排気口41との間に働く最も強い循環空気の流れを利用して最も高い負圧度の負圧領域71を形成しやすい利点がある。
このような負圧領域71は、具体的には、図3に示すように排気口41の軸線と直角な向きに並んだ蒸発器31及び凝縮器32の両端を保持する保持端板74のうち、図3〜図5に示すように排気口41側の保持端板74と、器体38の排気口41を持った端部壁38bの排気口41を外れた部分との間で、蒸発器31、凝縮器32をその並び方向に順に通過して排気口41に至る図3、図4に矢印75で示すような空気の流れによって吸引を受ける隙間領域としてある。このように並んだ蒸発器31及び凝縮器32はそれらの両端部を保持端板74にて保持することでユニットとして取り扱える部品となり、しかも、一方の保持端板74が排気口41のある器体38の端部壁38bと対向するのを利用して双方を少し離すだけで、凝縮器32から排気口41に向う前記のように強い循環空気の流れから外れた奥行きのあるスペースが得られて、熱交換部39での最も負圧度の高い負圧領域71とすることが簡単にできる。
ここで、排水穴72へのオーバーフローレベルは、送風ファン15の図1〜図3に示す回転軸15a、従って排気口41の中心部よりも下に設定してある。これにより、オーバーフロー水が送風ファン15の回転軸15aまわりが冠水するのを回避することができ、送風ファン15の回転軸15aまわりの寿命が冠水によって低下するようなことが回避できる。
さらに詳述すると、排水穴72は、図5に示すように器体38の底部のオーバーフローレベルOFLよりも低い補助凹部76に面して形成され、この補助凹部76への器体38の底部38aからのオーバーフロー通路77に補助凹部76へのオーバーフローレベルOFLを設定する稜線状の堰き部78を設けてある。このような補助凹部76、オーバーフロー通路77、堰き部78は器体38の底部形状によって貯留部63と共に得られ、オーバーフロー水が堰き部78を超えて初めて補助凹部76内に流れ込んで排水穴72から排出されるが、補助凹部76は特にオーバーフロー水が水槽からのものであるなどで短時間に水位を上げるような場合に補助凹部76へ容量一杯まで一挙に流入させることで熱交換部39、それを有した循環送風経路5内で所定のオーバーフローレベルOFL以上に水位が上がるのを避けられる。従って、オーバーフロー水が問題となる箇所に一時的にも及ぶのを避けやすくなる。
また、熱交換部39は蒸発器31及び凝縮器32と、それらと冷媒配管によって接続された圧縮機37と、を1つの器体38に収容した空気調和機としてあり、送風ファン15と直結された空調・送風ユニット81をなし、排水穴72は、器体38における送風ファン15と対向する部分に設けられ、逆止弁73は、弾性を有した板部材、具体的にはゴム板よりなり、排水穴72の外面に当てがい外周一部の図4、図5を合わせて示す矩形なフック部73aを器体38の端部壁38bの取り付け穴82に弾性的に嵌め入れて止着している。これにより、熱交換部39が蒸発器31、凝縮器32、圧縮機37を収容した1つの空気調和機として取り扱えるし、図1、図2に示すように洗濯乾燥機本体44の底部44aへの安定な設置などにおいて、圧縮機37は密閉型のものにてオーバーフロー水の影響を受けずに位置させてしかもその重量による設置の安定が図れ、蒸発器31、凝縮器32を保持する保持端板74と器体38の排気口41を持った端部壁38bとによる負圧領域71の構成に好適であり、器体38の排気口41側に送風ファン15をその吸気口42側で直接接続するコンパクトな構成として、オーバフロー水による回転軸15a部への影響のないものとすることができる。なお、排水穴72の内周の複数箇所には逆止弁73を内側からバックアップする半円形の支持片72aを設けてあり、排水穴72の開口面積を小さくしないで逆止弁73が吸引により器体38内に引き込まれるのを防止できるようにしている。
本発明は、ドラム式洗濯乾燥機における洗濯物乾燥のための循環送風系の除湿手段配置部に実用されてそこでの万一での異常水位に対応する技術であり、そのような異常水位の影響を回避するのに貢献する。
本発明の実施の形態に係るドラム式洗濯乾燥機の要部構成を示す断面図。 空気調和機及び送風ファンが一体化した空調・送風ユニットを含む循環送風経路と水槽の背部との位置関係を示す同上ドラム式洗濯乾燥機の内部背面図。 図2の空調・送風ユニットの空気調和機内部を見た平面図。 図3の空調・送風ユニットの空気調和機の排気口、逆止弁側から排気口を通じ内部を見た一部の斜視図。 図4の空気調和機の排気口側の内部を示す一部斜視図。
符号の説明
1 ドラム式洗濯乾燥機
2 回転ドラム
3 水槽
5 循環送風経路
7 モータ
8 透孔
1 5送風ファン(送風手段)
31 蒸発器
32 凝縮器
33 送風管路
35 フィルタ
36 フィルタ室
37 圧縮機
38 器体
38a 底部
38b 端部壁
39 熱交換部
41 排気口
42 吸気口
44 洗濯乾燥機本体
66 操作パネル
67 制御基板
71 負圧領域
72 排水穴
73 逆止弁
74 保持端板
76 補助凹部
77 オーバーフロー通路
78 堰き部
81 空調・送風ユニット

Claims (10)

  1. 多数の透孔が形成され洗濯物を収容して回転駆動される回転ドラムが水槽内に設けられ、この水槽内の給水、排水及び前記回転ドラムの回転の制御により洗濯、すすぎ、脱水の各工程を実施すると共に、送風手段により水槽内の空気を、除湿手段、加熱手段を収容した熱交換部を備えた循環送風経路を通して循環させることにより洗濯物の乾燥工程を実施するドラム式洗濯乾燥機において、
    熱交換部は循環送風経路の最低位部に位置し、その器体内に前記空気の流れによってできる負圧領域を有すると共に、この負圧領域に面する器体の周壁に所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴を設け、この排水穴には負圧領域からの吸引によって閉じる逆止弁を設けたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機。
  2. 前記排水穴を設ける負圧領域は、熱交換部内の最も高い負圧度域である請求項1に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  3. 負圧領域は、前記熱交換部内の加熱手段から排気口への空気の流れによって吸引を受ける領域である請求項1又は2に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  4. 負圧領域は、排気口の軸線と直角な向きに並んだ除湿手段および加熱手段の両端を保持する保持端板のうち排気口側の保持端板と、器体の排気口を持った端部壁の排気口を外れた部分との間で、除湿手段、加熱手段をその並び方向に順に通過して排気口に至る空気の流れによって吸引を受ける隙間領域である請求項1〜3のいずれか1項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  5. 排水穴へのオーバーフローレベルは、送風手段の回転軸よりも下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  6. 排水穴は、器体の底部のオーバーフローレベルよりも低い補助凹部に面して形成され、この補助凹部への器体の底部からのオーバーフロー通路に補助凹部へのオーバーフローレベルを設定する堰き部を設けてある請求項5に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  7. 熱交換部は除湿手段としての蒸発器と、加熱手段としての凝縮器と、それらと冷媒配管によって接続された圧縮機と、を収容した空気調和機であり、送風手段と直結された空調・送風ユニットをなし、排水穴は、空気調和機の器体における送風手段と対向する部分に設けられ、逆止弁は、弾性を有した板部材よりなり排水穴の外面に当てがい外周一部を空気調和機の器体に止着した請求項1〜6のいずれか1項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  8. 熱交換部の除湿手段の下には結露水を貯留する貯留部を排水手段に接続して設けられ、熱交換部での所定以上の水位にて現動作モードを停止するようにしている請求項1〜7のいずれか1項に記載のドラム式洗濯乾燥機。
  9. 除湿手段としての蒸発器と、加熱手段としての凝縮器と、それらと冷媒配管によって接続された圧縮機と、を蒸発器に対応する部分に排水手段に接続される結露水の貯留部を持った1つの器体に収容し、導入する空気が蒸発器及び凝縮器を順次経て排気口に向う空気の流れによってできる負圧領域を有すると共に、この負圧領域に面する器体の周壁に所定以上のオーバーフロー水を排出する排水穴を設け、この排水穴には負圧領域からの吸引によって閉じる逆止弁を設けたことを特徴とするドラム式洗濯乾燥機に用いる空気調和機。
  10. 請求項9に記載の空気調和機の排気口に送風手段を直結し、排水穴へのオーバーフローレベルを送風手段の回転軸よりも低くしたことを特徴とする回転ドラム式洗濯乾燥機に用いる空調・送風ユニット。
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