JP2008079608A - マイクロニードル搭載型バイオプローブ、およびマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法 - Google Patents

マイクロニードル搭載型バイオプローブ、およびマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロニードル搭載型バイオプローブ、およびその作製方法に関し、特に、生体分子や細胞の機能解明を行うための高機能なツールとしてのバイオプローブ、およびその作製方法を提供する。
【解決手段】支持部に支持された片持ちばり状の弾性的なカンチレバー部と、このカンチレバー部の略先端部において前記カンチレバー部と一体形成された中空状のニードル部とを備え、前記中空状ニードル部と連通する中空状の流路を前記カンチレバー部および前記支持部が有しており、かつ前記カンチレバー部の長手方向と前記ニードル部の長手方向が平行でないことを特徴とする、マイクロニードル搭載型バイオプローブ、およびその作製方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロニードル搭載型バイオプローブ、およびその作製方法に関し、特に、生体分子や細胞の機能解明を行うための高機能なツールとしてのバイオプローブ、およびその作製方法に関するものである。
ゲノム科学を基盤とした今後の研究成果は、個々人のDNA情報をもとに診断、投薬、治療を行うテーラメイド医療や、遺伝子治療および再生医療などの高度先端医療技術、さらには、ゲノム情報に基づいた医薬品の開発(ゲノム創薬)などのバイオテクノロジー分野の発展に重要な役割を果たすものと期待されている。このため、DNAやタンパク質などの生体分子の構造・機能解析、さらには、生体組織の構築・機能発現のもっとも基本的な単位となる細胞の機能を解明することが、将来のナノ医療、ナノバイオ、ゲノム創薬の発展には必要不可欠となる。特に、細胞の機能解明においては、細胞レベルでの高精度な手術的操作(細胞サージェリーという呼ぶ)が行える基盤技術の確立が重要となっている。
原子間力顕微鏡(Atomic force microscope、AFM)は、非接触・実空間で原子・分子像を直接観察できる精度を有し、かつ摩擦力、粘弾性、硬さなどの機械的特性や、電気的、磁気的、熱的特性をナノメータレベルの空間分解能で評価できる強力なツールである。しかも、押込みやスクラッチングなどの機械的加工や、探針−試料間に電圧を印加することによってリソグラフィ、電界加工、化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD)、蒸着などの超微細加工・薄膜形成にも応用が可能となる。このため、ナノテクノロジー分野の研究開発において、AFMは重要な役割を果たしている。
最近では、大気中のみならず液中での評価も可能であることから、AFMのもつ可視化機能をバイオテクノロジー分野に応用しようという研究が盛んに行われている。すなわち、AFMは単一分子レベルの空間分解能で生体分子(DNAやたんぱく質など)や細胞の3次元構造を生きたままの状態で、かつ低侵襲に計測できることから、様々な生体物質の構造を解明するための強力なツールとなっている(非特許文献1参照)。さらに、AFMの微小力測定機能(0.1pNオーダー)を応用することで、生体物質(生体分子や細胞など)の力学的特性の評価や、探針表面に生体物質を修飾することで、他の生体物質との間に働く2分子間の相互作用力の解析も可能となっている(非特許文献2参照)。
一方、細胞操作技術の代表例としては、遺伝子導入技術(マイクロインジェクション技術という)があげられる。この技術は、一般に、ガラス製のマイクロキャピラリー(外径10μm以下程度)を使って顕微鏡下で行われており、高度な熟練を必要とする。このため、導入部位の位置決め精度や細胞操作の良否はオペレータの能力に大きく依存する。また、この方法では遺伝子導入効率やタンパク質の発現レベルが低いことから、遺伝子治療などに応用するためには解決すべき問題がある(例えば、非特許文献3参照)。さらに、キャピラリーの直径や形状を再現性よく作製することが難しく、また、外径が大きいために細胞へのダメージも無視できない。
最近になってAFMを利用した細胞操作の研究も試みられている。例えば、従来のAFMのプローブの探針部分(ピラミッド形状を有する)を細胞に挿入し、物理的な吸着を利用して伝令RNA(mRNA)を探針部分に付着させて採取する方法(非特許文献4参照)が提案されている。また、集束イオンビーム法(Focused ion beam、FIB)によって、市販のAFMプローブの探針部分を直径200〜800nm、長さ6〜8μmの形状に加工して、細胞に穿刺する試みもなされている(非特許文献5参照)。この例では、加工した探針部分の表面を化学修飾することで、プラスミドDNAを吸着させて細胞内への遺伝子導入を行っている。しかしながら、前記いずれの方法ともに、探針部分は本発明で提案している中空構造を有しておらず、探針部分の表面への物理的あるいは化学的吸着現象を利用した方法となっている。このため、細胞への任意の生体分子(各種のDNAやRNA、タンパク質、酵素、など)や化学物質(薬剤、細胞内外を行き来するCaやNaなどの各種イオン、生体マーカーとしての量子ドット、なども含む)の導入・採取には原理的に制限がある。
一方、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて、細胞へ与えるダメージを極力小さくするために、直径が100μm程度から最小2nmという極細のマイクロ/ナノニードルを作製する方法が提案されている(非特許文献6参照)。この方法は、Si/GeSiなどの積層膜を犠牲層を介して基板上に形成した後、犠牲層のみを選択的にエッチングし、積層膜自身がもつ内部応力によって膜がカールする現象を利用して、中空のニードル構造を形成するものである。しかし、この方法で形成されるニードルの長手方向は、基板面に対して平行にならざるを得ないため、本発明の特徴であるAFMとしての機能を付与した構造を実現することができない。すなわち、細胞へのダメージは低減されるが、機能的には従来のガラス製のマイクロキャピラリーと同等である液体状物質の注入・採取にのみに限られる。
D. J. Muller and K. Anderson,Trends Biotechnol., 20, S45 (2002) D. P. Allison他、 Curr. Opin.Biotechnol., 13, 47 (2002) H. Matsuoka他、 J. Biotechnol.,116, 185 (2005) H. Uehara他、 Ultramicroscopy,100, 197 (2004) S. Han他、 Biochem. Biophys.Res. Commun., 332, 633 (2005) A. V. Prinz他、 Microelectron. Eng.,67-68, 782 (2003)
以上に述べたように、AFMは単一分子レベルの空間分解能をもつ優れた可視化機能や、微小力測定機能を応用することで、生体分子(DNAやタンパク質など)の構造・機能解析および細胞の機能解明のための必要不可欠なツールとなっている。一方、従来のガラス製キャピラリーを用いたマイクロインジェクション技術の問題点を解決する一つの方法として、MEMS技術によって極細のマイクロ/ナノニードルも実現されている。しかしながら、両者の機能を同時に具備したものは実現されていない。
このため、対象とする生体物質(生体分子や細胞など)を分子レベルの空間分解能で可視化し、当該生体物質の特定部位を認知した上で、任意の生体分子(各種のDNAやRNA、タンパク質、酵素、など)あるいは化学物質(薬剤、細胞内外を行き来するCaやNaなどの各種イオン、生体マーカーとしての量子ドット、なども含む)を導入することや、生体物質自身が発現する物質を所望の特定部位から位置選択的に採取することができない。したがって、本発明は微量な物質の導入あるいは採取が可能で、かつAFMの機能を同時に具備したマイクロニードル搭載型バイオプローブを実現することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブは、支持部に支持された片持ちばり状の弾性的なカンチレバー部と、このカンチレバー部の略先端部において前記カンチレバー部と一体形成された中空状のニードル部とを備え、前記中空状ニードル部と連通する中空状の流路を前記カンチレバー部および前記支持部が有しており、かつ前記カンチレバー部の長手方向と前記ニードル部の長手方向が平行でないことを特徴とするものである。
上記マイクロニードル搭載型バイオプローブは、前記中空状ニードル部の先端から液体状、気体状、固体状いずれか一種類の物質または二種類以上の混合物質を外部へ導入したり、逆に、前記中空状ニードル部を使って、液体状、気体状、固体状いずれか一種類の物質または二種類以上の混合物質を外部から採取したりすることが可能な構造を有している。
さらに上記構成によれば、本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブは、前記カンチレバー部が弾性的な変形をすると同時に、前記中空状ニードル部が微細な探針としての役割を果たすことで、原子間力顕微鏡(AFM)としての機能を同時に有する。
また、本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブは、 好ましくは、前記ニードル部の外径あるいは外寸が10μm以下で、かつ長さが10μm以上であることが望ましい。
マイクロニードル搭載型バイオプローブの第2の発明は、二つの単結晶シリコン層の間にシリコン酸化膜を挿入した構造をもつSOI基板のいずれか一方のシリコン層に、前記カンチレバー部の前記中空状流路を形成することを特徴としている。
マイクロニードル搭載型バイオプローブの第3の発明は、中空状流路を備える前記カンチレバー部の略先端部に複数の前記中空状ニードル部が一体形成されていることを特徴としている。
マイクロニードル搭載型バイオプローブの第4の発明は、前記中空状ニードル部と一体成形された中空状流路を備える前期カンチレバー部が、前記支持部に複数個一体形成されていることを特徴としている。
マイクロニードル搭載型バイオプローブの第5の発明は、該バイオプローブの表面に、導電性薄膜および絶縁性薄膜を位置選択的に被覆形成することで、前記中空状ニードルの略先端部が電気的な計測点となり得ることを特徴としている。
本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法は、前記中空状ニードル部を形成するシリコン基板と、中空状流路を備える前記カンチレバー部を形成するSOI基板とを、前記カンチレバー部に形成した中空状流路と前記中空状ニードル部の中空部とが一致するように位置決めして接合することで、一体形成を行うことを特徴としている。
本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法の第2の発明は、前記中空状ニードル部を形成する際に、単結晶シリコンの微小孔の鋳型をプラズマを利用したドライエッチング技術によって形成し、当該微小孔の内壁にシリコン酸化膜を形成することで前記中空状ニードルを作製する工程において、前記ドライエッチングによる微小孔の形成と前記シリコン酸化膜形成の一連の工程を、少なくとも2回以上繰り返すことで、前記中空状ニードル先端部の直径の減少と尖鋭化を同時に行うことを特徴としている。
マイクロニードル搭載型バイオプローブの第6の発明は、前述したドライエッチングによる微小孔の形成とシリコン酸化膜形成の一連の工程を、少なくとも2回以上繰り返すことで、先端部の直径の減少と尖鋭化を同時に行った中空状ニードルを備えていることを特徴としている。
本発明によれば、生体物質(生体分子や細胞など)をAFMの基本原理を適用して分子レベルの空間分解能で可視化した上で、中空のマイクロニードルによって、任意の生体分子(各種のDNAやRNA、タンパク質、酵素、など)あるいは化学物質(薬剤、細胞内外を行き来するCaやNaなどの各種イオン、生体マーカーとしての量子ドット、なども含む)を当該生体物質の特定部位へ導入あるいは注入することや、逆に、生体物質が発現する物質を特定部位から選択的に採取することも可能となる。
また、本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブは生体物質(生体分子や細胞など)の特定部位へ機械的な刺激を付与することも行えるため、このような機械的な外的要因に対する応答の一つとして当該生体物質から発現される物質を採取し、解析する、といった新たな機能解析手法の実現も可能となる。さらに、バイオプローブに金属薄膜などをコーティングすることで導電性をもたせれば、電気的な刺激に対する応答(前記と同様に当該生体物質からの発現される物質を採取し解析する)や、特定部位への生体分子あるいは化学物質の導入による生体物質(生体分子や細胞など)の応答を電気信号として検出し、解析する、といった方法も実現可能となる。
特に、細胞操作という観点で本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブの特徴を要約すると次のようになる。(1)直径が極めて小さなマイクロニードルを挿入するため細胞へ与えるダメージが小さく、生きたままの状態で単一の細胞を操作(細胞サージェリー)することが可能である。また、前述したように、(2)細胞への高精度な生体分子・化学物質の注入や細胞内の微量物質の採取が可能であることから、細胞機能解明に必要不可欠な細胞内での生体分子間の相互作用の解析や外部からの化学的刺激(薬剤などの)に対する細胞の機能発現解析を実現するための強力なツールとなる。さらに、カンチレバー上にマイクロニードルを一体として形成しているため、本来のAFMのもつ機能も同時に付与することができる。具体的には、(3)AFMと同じ原理を適用することで、細胞の形状計測や、(4)細胞の硬さ、粘弾性などの機械的性質の評価やその空間的なマッピングが可能となる。さらに、(5)マイクロニードル先端を使って細胞膜への機械的振動刺激を与えることで、その刺激によって細胞内で発現する遺伝子やタンパク質などの生体分子の解析や、(6)細胞膜上に存在する特定のレセプター(細胞外の物理的・化学的シグナルを選択的に受容する物質で特定の構造をもつタンパク質からなる)への機械的振動刺激の影響やマイクロニードルから供給する化学物質に対する感受性などの評価も可能となる。また、(7)マイクロニードルに導電性の金属薄膜をコーティングすることで、細胞への電気的刺激の付与や、外部刺激(物理的・化学的)に対する細胞内の電位変化(膜電位の電気的な計測)の解析機能をもたせることもできる。さらに、(8)バイオプローブをマルチ化することで、複数種類の生体分子・化学物質の注入と細胞内で合成された生体分子・化学物質の採取を同時に行うことや、複数の細胞を独立した条件下で並列に処理することも可能となる。このように、本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブを用いることで、高精度・高機能な細胞サージェリーをオンチップで実現できる。
以上に述べたように、本発明は、生体分子(DNAやタンパク質など)の構造・機能解析、さらには、生体組織の構築・機能発現のもっとも基本的な単位となる細胞の機能解明、をより高度に実施するために必要不可欠なツールとなり得るものである。さらに、高精度な遺伝子導入による高度な診断や治療、再生医療における培養細胞の品質保証のバリデーション技術、医薬品開発における細胞を使ったスクリーニング技術、量子ドット(生体分子マーカー)で標識化したウイルス、タンパク質、薬物などの細胞内での分子動態解析など、その応用は多岐に渡る。本発明は、今後のバイオテクノロジー分野の発展に重要な役割を果たすものである。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1は本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブの一実施の形態を断面図として示している。本発明のバイオプローブは、AFMのプローブ構造を基本としているが、最大の特徴は、支持部11に支持されたカンチレバー部12の略先端部に、従来の探針(先端が鋭利な針状の構造で中空構造をもたないもの)のかわりに、中空のニードル部13が形成されていることである。さらに、カンチレバー部12および支持部11の内部に流路14が形成されていることである。導入・採取口15にチューブなどを介して吐出あるいは吸引のためのポンプを接続することで、ニードル部13の先端から物質を外部へ導入したり、外部から物質を採取したりすることが可能な構造となっている。
図2は本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製工程の一実施例を示している。作製工程を大別すると、マイクロニードル61を作製するための工程(図2(a)〜(c))とカンチレバー62および支持部63に微小流路64を形成する工程(図2(d)〜(h))、さらに、両者の基板を接合して最終的なプローブ形状を作製する工程(図2(i)〜(j))からなっている。ここでプローブとは、マイクロニードル61、カンチレバー62、および支持部63から構成されるものを示す。
マイクロニードルの作製は、先ず、単結晶シリコン基板21(厚さ100μm程度)の両面に低圧CVD法(LPCVD法)によってシリコン窒化膜22(厚さ350nm)を成膜し、さらに、LPCVD法によってシリコン酸化膜23(厚さ460nm)を成膜する。その後、フォトリソグラフィによって形成したフォトレジスト24のパターンをマスクとして、上面のシリコン酸化膜23、シリコン窒化膜22を反応性イオンエッチング(Reactive ion etching、RIE)によって直径1〜5μm程度の大きさに順次パターニングする(図2(a)参照)。シリコン酸化膜23およびシリコン窒化膜22のエッチングには、それぞれトリフロロメタン(CHF)ガス、テトラフロロメタン(CF)ガスを使用した。
さらに、フォトレジスト24/シリコン酸化膜23/シリコン窒化膜22の3層構造をマスクとして、単結晶シリコン基板21の深堀エッチング(Deep reactive ion etching、DRIE)を行い、図2(b)のような基板面に垂直でアスペクト比(深さと幅の比)の高い微小孔26(深さは単結晶シリコン基板21の厚さと同じ100μm程度)を形成する。このDRIEの工程では、マスク材料のエッチング耐性が通常は大きな問題となるが、フォトレジスト24/シリコン酸化膜23/シリコン窒化膜22の3層構造をマスクとして使用すれば単結晶シリコン基板21の深堀りが可能となることがわかった。
次に、単結晶シリコン基板21の上面に形成したフォトレジスト24/シリコン酸化膜23を除去する。この際、単結晶シリコン基板21の上面に形成したシリコン窒化膜22については除去せずに残しておく。さらに、単結晶シリコン基板21の下面側に形成したシリコン酸化膜23/シリコン窒化膜22についても完全に除去した後、基板の熱酸化(ウェット酸化、1040℃、4h)を行う。その結果、図2(c)に示すように、上面に残っているシリコン窒化膜22のない単結晶シリコン基板21の表面、すなわち、DRIEによって単結晶シリコン基板21に形成した貫通孔の側壁と単結晶シリコン基板21の下面にのみシリコン酸化膜25が形成される。このシリコン酸化膜25(厚さ0.5〜1.5μm)が最終的なマイクロニードルの構造となる。
ここで重要となるのは、上面のシリコン窒化膜22の存在であり、これによってマイクロニードル先端の形状が高精度に制御できることになる。しかし、シリコン窒化膜22単体ではDRIEでのエッチング速度が大きくマスクとして利用できないため、エッチング耐性の高いシリコン酸化膜23およびフォトレジスト24との多層構造としていることも作製工程の特徴となっている。さらに、マイクロニードルを作製するための工程では、1枚のフォトマスクのみでマイクロニードルアレイの作製が可能となるように工夫されているため、精度低下の要因となるアライメント作業が不要となっている。
カンチレバー部分へのマイクロチャネルの形成は、SOI(Silicon−on−insulator)基板31を出発点として、LPCVD法によって基板の両面にシリコン窒化膜35(厚さ350nm)とシリコン酸化膜36(厚さ460nm)を成膜する(図2(d)参照)。使用するSOI基板31は、好ましくは、上側のシリコン活性層32の厚さを10〜20μm、下側のシリコン支持層34の厚さを300μm程度、シリコン同士の界面の埋込酸化層33(Buried oxide、BOX)の厚さを1μm程度とする。先ず、下面のシリコン酸化膜36/シリコン窒化膜35をフォトレジスト37をマスクとしてRIEでパターニングした後、DRIEによって下側のシリコン支持層34を埋込酸化層33までエッチングし微小孔40を形成する(図2(e)参照)。
次に、緩衝フッ酸(BHF)を用いたウェットエッチングあるいはCHFガスを用いたRIEによって下面のシリコン酸化膜36と微小孔40底部の埋込酸化層33をエッチング除去し、二フッ化キセノン(XeF)ガスを用いてシリコン活性層32およびシリコン支持層34を等方的にエッチングし、微小孔40を拡大する(図2(f)参照)。ここで、XeFガスは、シリコン以外の物質をほとんどエッチングしないという特徴をもっている。
さらに、上面に形成したフォトレジスト38をマスクとしてRIEによって基板上面のシリコン酸化膜36/シリコン窒化膜35をパターニングした後、DRIEによって矩形溝41(矩形断面をもつ溝)をシリコン活性層32内に形成する(図2(g)参照)。この工程で、矩形溝41と微小孔40が互いにつながった径路(後述する微小流路64に対応)が形成される。また、このとき同時に、所望の幅と長さをもつカンチレバー部の外形もパターニングされる。
上面のフォトレジスト38を除去した後、熱酸化によってシリコン活性層32に形成した矩形溝41と下側のシリコン支持層34に形成した微小孔40の内壁にシリコン酸化膜39を形成する。次に、シリコン活性層32の矩形溝41底部に形成されたシリコン酸化膜39のみを上面からRIEによって選択的に除去する。ここで、矩形溝41の側壁に形成されたシリコン酸化膜39がエッチングされずに残るのは、イオンが垂直に照射される溝底部の方がエッチング速度が大きいためである。このときLPCVD法によって先に形成されていた上面のシリコン酸化膜36も同時に除去される。その後、XeFガスによる等方性エチングを行うことで、図2(h)に示すように、シリコン活性層32内に形成した矩形溝41が円形断面(直径5〜10μm程度)をもった微小流路64となる。さらに、基板を再び熱酸化することで、シリコン活性層32内の微小流路64の内壁にシリコン酸化膜42を形成する。これによって、すべての流路の表面が親水性を示すシリコン酸化膜で覆われることになり、水溶液(生体分子や化学物質を含む)の導入・排出が容易に行えるようになる。このように、カンチレバー62および支持部63に微小流路64を形成するために必要なフォトマスクはわずか2種類であり、アライメント作業による精度低下が起こらないように作製工程が工夫されている。
次に、下面のシリコン窒化膜35をパターニングした後、作製したマイクロニードルの基板(図2(c))と直接接合と呼ばれる方法で接合する(図2(i)参照)。次に、下側のシリコン支持層34を水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を用いた異方性エッチングによって図2(j)のような形状に加工する。この際、TMAHはシリコン酸化膜とほとんど反応を起こさないため、シリコン支持層34のエッチングは自動的に埋込酸化層33で停止する。さらに、上面のシリコン窒化膜22を除去した後、XeFガスを用いて単結晶シリコン基板21をエッチングすることで、シリコン酸化膜製のマイクロニードル61を図2(j)のように形成し、マイクロニードル搭載型バイオプローブを完成させる。また、必要に応じて、AFM計測時のレーザ光の反射率を向上させるために、白金(Pt)、金(Au)などの金属薄膜をカンチレバー62表面上に成膜し、反射膜66を形成する。
一般に、半導体技術をベースにしたMEMS技術では、横方向(基板面に平行な方向)の寸法精度はフォトリソグラフィ技術によって比較的容易に達成できる。しかし、エッチング速度とエッチング時間の関係によって制御せざるを得ない深さや高さ方向の寸法精度を再現性よく制御することは非常に難しい。このため、本発明の作製工程では、マイクロニードル61の高さは、使用する単結晶シリコン基板21の厚さによって正確に決定することがでるようになっている。また、AFM計測や細胞穿刺を行う際の性能を直接に左右するカンチレバー62の厚さ(ばね定数を決定する主要因)は、使用するSOI基板31のシリコン活性層32の厚さによって高精度に制御できるようになっている。このように、本発明の作製工程は複雑ではあるが、高精度、かつ再現性のよい作製プロセスとなっている。
ここで、マイクロニードル61の直径は外径あるいは外寸が10μm以下で、かつ長さが10μm以上であることが好ましい。また、シリコン製のカンチレバー62の具体的な寸法としては、長さ300〜500μm、幅30〜50μm、厚さ10〜20μm程度とし、細胞への穿刺が可能となるように、カンチレバーのばね定数を50〜200N/m程度の値として設計することが好ましい。
本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブは、その作製工程からわかるように、フォトマスクのデザインを変えることで、(1)カンチレバー62の略先端部に複数のマイクロニードル61を一体形成することも可能である。また、(2)マイクロニードル61を備えたカンチレバー62を一つの支持部63に複数一体形成することも可能である。前者の場合には、複数種類の生体分子・化学物質の注入と細胞内で合成された生体分子・化学物質の採取を同時に行うことができることを意味する。後者の場合には、プローブのマルチ化によって、複数の細胞を独立した条件下で並列に処理することが可能になることを意味する。
本発明のマイクロニードル搭載型バイオプローブは、さらに必要に応じて、マイクロニードル61表面上に金属薄膜(Pt、Auなど)を成膜し、マイクロニードル61の先端部分のみを残して絶縁膜(シリコン酸化膜、シリコン窒化膜など)で被覆することで、ニードル先端部を計測点とした電気的な計測(例えば、細胞の膜電位計測など)も可能となる。もちろん、マイクロニードル先端の計測部の電気信号を外部に取り出すためには、カンチレバー62表面上に絶縁膜で被覆された配線パターンを形成する必要がある。
図3は本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードル部の第1の実施形態を示した写真である。図3(a)は全体写真、(b)はマイクロニードル先端の拡大写真である。先ず、DRIEによって深さ100μm程度(エッチング時間:60min)の微小孔を形成し、その後、熱酸化(ウェット酸化、1040℃、4h)を行い内壁にシリコン酸化膜を形成した。さらに、XeFエッチングを40min行うことで、シリコン酸化膜製のマイクロニードルアレイを作製した。図3は断面形状が円形のマイクロニードルの一例を示している。内径3.5μm、外径6.0μm、厚さ1.2μm、長さ約40μmの中空構造をもつシリコン酸化膜製マイクロニードルがピッチ13μmでアレイ状に均一に形成させていることがわかる。このように、比較的アスペクト比(外径を基準とするとアスペクト比7)が高く、肉厚が薄いシリコン酸化膜構造体であっても自立した形状を維持している。
図4は断面形状が正方形となるように作製した矩形ニードルの一例である。内寸8.6μm、外寸11.0μm、厚さ1.2μm、長さ約40μmである。このように、フォトマスクのデザインを変えることで、ニードルの寸法や形状を任意に制御できる。また、FIB加工法を用いることで、マイクロニードル先端の尖鋭化も可能である。一方、電子ビーム露光を用いてパターニングを行うことでも、ニードルの外径あるいは外寸を300nm〜1μm程度まで微小にすることができる。
図5はマイクロニードル部の作製工程の第2の実施例を示したものである。図5(a)〜(b)は、作製工程の第1の実施例である図2(a)〜(b)と同様である。図5(c)に示すように、上面のフォトレジスト24/シリコン酸化膜23、下面のシリコン酸化膜23/シリコン窒化膜22を除去し、熱酸化によってシリコン酸化膜25を形成した後、フォトレジスト71をパターニングする。次に、フォトレジスト71をマスクとしてシリコン窒化膜22をパターニングする(図5(d)参照)。フォトレジスト71を除去した後に、パターニングしたシリコン窒化膜22をマスクとして、XeFガスを用いて単結晶シリコン21を適当な深さまでエッチングする(図5(e)参照)。さらに、シリコン窒化膜22を除去した後、再び、XeFガスを用いて単結晶シリコン21を下面のシリコン酸化膜25に到達するまでエッチング除去する(図5(f)参照)。このとき、工程(e)でエッチングした単結晶シリコン21の深さに相当する厚さをもつシリコンの補強部72をマイクロニードル61の根元周囲に残すことができる。この作製工程によれば、マイクロニードル61根元部分の機械的強度を大きくすることができる。また、補強部72の横方向の大きさをカンチレバーの長さに対して小さくすることで、ばね定数の変化に及ぼす影響も小さくすることができる。バイオプローブの利用方法として、マイクロニードル61に大きな力が加わるような場合には、工程数は増加するが、この作製方法をとることが好ましい。
図6はDRIEによってシリコン基板をエッチングしたときの断面を示したものである。パッシベーションのためのCガスとエッチングのためのSFガスをそれぞれ7.0s(流量:85sccm、圧力:2.7Pa、RF電力:600W、バイアス電位:0V)、7.5s(流量:127sccm、圧力:4.9Pa、RF電力:600W、バイアス電位:−130V)の時間で交互に導入するサイクルを繰り返してエッチングを行った。エッチング時間は80minで、開口幅は3〜21μmの範囲である。RIE−lagと呼ばれる現象によって、マスク開口幅が小さいほどエッチング深さが小さくなっている。また、シリコン基板を貫通させない場合(シリコン基板の途中でエッチングを停止した場合)には、エッチング孔の底の部分では形状が先細りになっていることがわかる。しかしながら、図2および図5示した作製工程の実施例では、下面のシリコン酸化膜23に達するまで単結晶シリコン基板21を十分な時間エッチングするため、マイクロニードルの根元部分に対応する幅がサイドエッチによって広がり、このような問題は避けられる。
一方、エッチング孔の底の部分が先細り形状となる現象を利用することでマイクロニードルの尖鋭化が行える。すなわち、先細りの形状をニードルの先端部とすることで、より細胞へ与えるダメージが少ない尖鋭ニードルの作製が可能となる。図7は長さ約90μmの円形ニードル(内径:6.8μm、外径:9.2μm)を作製した結果の一例である。シリコン酸化膜製のマイクロニードルの根元部分(図中の矢印)が鋭く尖っていることがわかる。
図8はマイクロニードル部の作製工程の第3の実施例を示したものである。これは、前述の先細り現象を利用して先鋭化したマイクロニードル部の作製工程である。先ず、単結晶シリコン基板21の両面に熱酸化によってシリコン酸化膜23(厚さ600nm)を成膜する。その後、フォトリソグラフィによって形成したフォトレジスト24のパターンをマスクとして、上面のシリコン酸化膜23をRIEによってパターニングする(図8(a)参照)。さらに、フォトレジスト24/シリコン酸化膜23の2層構造をマスクとして、単結晶シリコン基板21のDRIEを行い微小孔26を形成する(図8(b)参照)。この際、単結晶シリコン基板21の途中でエッチングを終了することで微小孔26の底部を先細り形状とする。次に、熱酸化によってシリコン酸化膜25を形成した後、下面のシリコン酸化膜23を除去し、XeFガスによって単結晶シリコン21を適当な深さまエッチングすることで、ニードル先端部81を露出させる(図8(c)参照)。その後、BHFエッチングあるいはRIEによって、ニードル先端部81を除去し、ニードル微小開口82を形成する(図8(d)参照)。最後に、再び、XeFガスを用いて単結晶シリコン21をシリコン酸化膜23に到達するまでエッチング除去する(図8(e)参照)。この作製工程では、図2および図5示した作製工程に比べてマイクロニードル61の長さの制御性や再現性は劣るものの、FIB加工や電子ビーム露光のような高価、かつ時間を要する工程を経ずに、簡便に尖鋭化されたマイクロニードルを作製することが可能である。また、図5に示した実施例と類似の方法をとることで、マイクロニードル根元部分の補強も可能である。
図9はマイクロニードル部の作製工程の第4の実施例を示したものである。これは、図8の作製工程を改良したもので、マイクロニードルのさらなる尖鋭化を行うための方法である(多段階エッチングプロセスと呼ぶ)。図8の方法と同様に、先ず、DRIEによって単結晶シリコン基板21に形成した微小孔に熱酸化を行い、第1段ニードル構造102を作製する(図9(a)参照)。次に、第1段ニードル先端部103のシリコン酸化膜のみをRIEによって選択的に除去し、第1段ニードル微小開口104を形成し、単結晶シリコンを露出させる(図9(b)参照)。ここで、ニードル先端部のシリコン酸化膜が選択的に除去できるのは、照射されるイオンの数が多くなる微小孔底部でのエッチング速度が大きいためである。その後、第1段ニードル微小開口104をマスクとして、再びDRIEによって微小孔を形成し、熱酸化を行うことで、第2段ニードル構造106を形成する(図9(c)参照)。ここで、2段目のエッチングマスクとなるシリコン酸化膜の開口部の直径は1段目のニードルの内径よりも必然的に小さくなる。このため、この工程を繰り返すことで、ニードル直径の減少と尖鋭化が同時に行える(図9は2段階のみのエッチング例を示している)。さらに、ニードルの根元部分ほど複数回の熱酸化工程を経るため、シリコン酸化膜の膜厚が大きくなり、機械的強度も確保できるという利点がある.すなわち、シリコン酸化膜(第2段)105を形成すると、第1段ニードル構造102のシリコン酸化膜(第1段)101の膜厚は2回の熱酸化工程を経るため厚くなる。
実際の作製工程では、図9(b)の第1段ニードル微小開口104の形成は、DRIE装置を用いてパッシベーションガス(C4F8)を使わずにエッチングガス(SF6ガス)のみを導入することで実施可能であることを確認した。したがって、図9(c)の第2段目のDRIEは同じ装置内で連続的に行うことができ、生産性の高いプロセスとなっている。以上の手順にしたがって、目的に応じた適切な回数のエッチングと熱酸化を繰り返してニードル直径の減少と尖鋭化を行った後、図8の工程と同様に、ニードル微小開口107を形成し(図9(d)参照)、XeF2ガスを用いて単結晶シリコン21をエッチング除去し、マイクロニードル108を形成する(図9(e)参照)。また、ニードル先端部の微小開口の形成は、シリコン酸化膜(第2段)105を形成した後、DRIE装置を用いてニードル先端部のシリコン酸化膜のみを選択的に除去する方法によっても代替できる。以上のように、本発明で提案する多段階エッチングプロセスは、FIB加工や電子ビーム露光のような高価、かつ時間を要する工程を経ずに、細胞への低侵襲な穿刺が可能で、かつAFM探針としても適用可能な極微小径の尖鋭化マイクロニードルを一括生産可能な作製方法である。
本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブの一実施形態の構成を示す概略図である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブの作製工程を示す図である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードルの第1の実施形態を示した写真である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードルの第2の実施形態を示した写真である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードル作製工程の第2の実施例を示したものである。 DRIEによってシリコン基板をエッチングしたときの断面形状を示した写真である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードルの第3の実施例を示した写真である。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードル作製工程の第3の実施例を示したものである。 本発明によるマイクロニードル搭載型バイオプローブにおけるマイクロニードル作製工程の第4の実施例を示したものである。
符号の説明
11 支持部
12 カンチレバー部
13 ニードル部
14 流路
15 導入・採取口
21 単結晶シリコン基板
22 シリコン窒化膜
23 シリコン酸化膜
24 フォトレジスト
25 シリコン酸化膜
26 微小孔
31 SOI基板
32 シリコン活性層
33 埋込酸化層
34 シリコン支持層
35 シリコン窒化膜
36 シリコン酸化膜
37 フォトレジスト
38 フォトレジスト
39 シリコン酸化膜
40 微小孔
41 矩形溝
42 シリコン酸化膜
61 マイクロニードル
62 カンチレバー
63 支持部
64 微小流路
65 導入・採取口
66 反射膜
71 フォトレジスト
72 補強部
81 ニードル先端部
82 ニードル微小開口
101 シリコン酸化膜(第1段)
102 第1段ニードル構造
103 第1段ニードル先端部
104 第1段ニードル微小開口
105 シリコン酸化膜(第2段)
106 第2段ニードル構造
107 第2段ニードル微小開口
108 マイクロニードル

Claims (8)

  1. 支持部に支持された片持ちばり状の弾性的なカンチレバー部と、このカンチレバー部の略先端部において前記カンチレバー部と一体形成された中空状のニードル部とを備え、前記中空状ニードル部と連通する中空状の流路を前記カンチレバー部および前記支持部が有しており、かつ前記カンチレバー部の長手方向と前記ニードル部の長手方向が平行でないことを特徴とする、マイクロニードル搭載型バイオプローブ。
  2. 二つの単結晶シリコン層の間にシリコン酸化膜を挿入した構造をもつSOI(Silicon−on−insulator)基板のいずれか一方のシリコン層に、前記カンチレバー部の前記中空状流路を形成することを特徴とする、請求項1に記載のマイクロニードル搭載型バイオプローブ。
  3. 中空状流路を備える前記カンチレバー部の略先端部に複数の前記中空状ニードル部が一体形成されていることを特徴とする、請求項1〜2いずれか1項に記載のマイクロニードル搭載型バイオプローブ。
  4. 前記中空状ニードル部と一体成形された中空状流路を備える前期カンチレバー部が、支持部に複数個一体形成されていることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載のマイクロニードル搭載型バイオプローブ。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のマイクロニードル搭載型バイオプローブの表面に、導電性薄膜および絶縁性薄膜を位置選択的に被覆形成することで、前記中空状ニードルの略先端部が電気的な計測点となり得ることを特徴とする、マイクロニードル搭載型バイオプローブ。
  6. 前記中空状ニードル部を形成するシリコン基板と、中空状流路を備える前記カンチレバー部を形成する前記SOI基板とを、前記カンチレバー部に形成した中空状流路と前記中空状ニードル部の中空部とが一致するように位置決めして接合することで、一体形成を行うことを特徴とする、マイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法。
  7. 前記中空状ニードル部を形成する際に、単結晶シリコンの微小孔の鋳型をプラズマを利用したドライエッチング技術によって形成し、当該微小孔の内壁にシリコン酸化膜を形成することで前記中空状ニードルを作製する工程において、前記ドライエッチングによる微小孔の形成と前記シリコン酸化膜形成の一連の工程を、少なくとも2回以上繰り返すことで、前記中空状ニードル先端部の直径の減少と尖鋭化を同時に行うことを特徴とする、マイクロニードル搭載型バイオプローブの作製方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって作製した中空状ニードルを備えたことを特徴とする、請求項1〜5いずれか1項に記載のマイクロニードル搭載型バイオプローブ。

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