JP2008079225A - 測色精度判定装置、測色精度判定方法および測色精度判定補正システム - Google Patents

測色精度判定装置、測色精度判定方法および測色精度判定補正システム Download PDF

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Abstract

【課題】測色機の測色精度の判定を行うには大掛かりなシステムと煩雑な手間を要していた。
【解決手段】測色精度判定装置は、少なくとも確認用パッチと当該確認用パッチの色彩値を表現するID値に対応してテーブル14bに規定された色によって表されたID化パッチとが印刷されたチャートを、自らが備える測色機26aによって測色するとともに、ID化パッチの測色値をテーブル14bを参照して復元した確認用パッチの色彩値(復元値)と、確認用パッチの測色値(現測色値)とを比較し、この比較結果に応じて測色機26aの測色精度が正常であるか否か判定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、測色機の測色精度を判定する測色精度判定装置、測色精度判定方法および測色精度判定補正システムに関する。
従来より、管理サーバとネットワークを介して接続された測定器にて、色見本の色彩や濃度を測定し、この測定結果を測定器の固有情報とともに上記ネットワークを介して管理サーバに送信し、管理サーバ側では、送信された測定結果と基準値との誤差を算出して、その結果を固有情報とともにWeb上の所定のサイトで表示するシステムが知られている(特許文献1参照。)。
特開2003‐345570号公報
上記のような従来技術においては次のような課題があった。
まず、測定器から管理サーバに対しネットワークを介して色見本の測定結果を送信しなければ、測定が正常であったか否か判断できない。そのため、当該判断に要する手間が多くかつ当該判断のために大掛かりな設備が必要であった。
また、各測定器での測定対象となる色見本については様々な種類が存在する場合がある。この場合、管理サーバの側でも基準値を色見本の種類毎に持つことになり、各測定器では、測定対象とした色見本を特定するための情報を管理サーバに与える必要があった。しかし現状においては、このような色見本を特定するための情報は測定器のユーザが別途手入力等で入力するため、非常に煩雑であるとともに入力間違いも起こりやすく、結果として、正確な測定誤差の算出や出力を困難なものにしていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、測色機による測色精度が正常であるか否かを簡易かつ確実に判定でき、また、かかる判定結果に基づいて測色機の補正を適確に行うことが可能な測色精度判定装置、測色精度判定方法および測色精度判定補正システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる測色精度判定装置では、測色手段が、所定色による第1パッチと当該第1パッチの色彩値に対応付けられた特定の色によって表された第2パッチとが印刷された測色精度判定用チャート(以下、単にチャートと言う。)の各パッチの色彩値を測色する。そして、精度判定手段が、第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する。
第2パッチの測色結果から復元した第1パッチの色彩値と、第1パッチの測色結果とは同じ値となるのが理想である。しかし、測色手段になんらかの不具合や経時的変化が生じている場合にはその測色精度に誤差が生じ、両値の対比の結果からは差異が検出される。よって、この差異の大きさによって測色精度の正常異常が判断できる。
このように本発明によれば、測色精度判定装置は、測色手段によるチャートの測色結果に基づいて測色精度の正常異常を容易に判断できる。
また、所定色による第1パッチを記録した測色精度判定用チャートを印刷する第1印刷手段と、上記測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色手段と、上記測色手段の測色結果に対応付けられた第2パッチを上記測色精度判定用チャートにさらに印刷する第2印刷手段と、第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する精度判定手段とを備える構成としてもよい。この場合、測色手段は、第1パッチと第2パッチが印刷された状態の測色精度判定用チャートを測色し、この測色結果を用いて精度判定手段が上記判定を行う。当該構成によれば、測色精度判定装置は、チャートの印刷、測色、精度判定の全てを自己で完結して行うことが可能である。
ここで、測色精度判定用チャートでは、第2パッチは、色彩値を示す際に用いられうる各ID値と色とを予め対応付けたID値規定データを参照して選択された、第1パッチの色彩値を表現するID値に対応する色によって印刷されている。そして、精度判定手段は、第2パッチの測色結果としての色に基づいて、対応するID値を上記ID値規定データから選択するとともに、この選択したID値によって第1パッチの色彩値を復元する。一例として第1パッチの色彩値が“100”という値である場合、この“100”を構成する数字(ID値)と対応する色によって第2パッチを印刷する。よって精度判定手段は、第2パッチの測色値とID値規定データとに基づいて、第2パッチが意味している第1パッチの色彩値を復元できる。このように、本発明によれば第2パッチの測色結果から第1パッチの色彩値を容易に復元できる。
なお、第2パッチを測色したときの測色手段はいくらかの測定誤差を持っていることが考えられるため、第2パッチの測色結果としての色がID値規定データに規定されているいずれかの色と一致するとは限らない。そこで精度判定手段は、第2パッチの測色結果としての色と所定の色差範囲内の色をID値規定テーブルから選び、この選んだ色に対応するID値をもって第1パッチの色彩値を復元する。
チャートは、第1パッチおよび第2パッチ以外にも、それぞれ所定の性格を持つ種々のパッチを含むとしてもよい。
チャートの印刷後長い月日が経過していると、当該チャート自体に変色などの劣化が生じている場合がある。そのため、古いチャートを測色した結果に基づく測色精度の判定は、測色手段の精度だけを正確に反映しているとは言えなかった。そこで、測色精度判定用チャートには、当該チャートの測色有効期限を示す情報に対応付けられた特定の色によって表された第3パッチも印刷されているとしてもよい。第3パッチも測色手段によって測色されるので、精度判定手段は、第3パッチの測色結果に基づいて当該チャートの測色有効期限を取得し、測色手段による当該チャートの測色時期が測色有効期限を越えているか否か判断する。そして、越えていない場合に測色精度の判定を行う。つまり本発明によれば、測色有効期限が過ぎている古いチャートの測色結果に基づく精度判定が防止され、常に信用性の高い精度判定を行うことができる。ここで、第3パッチの測色結果に基づいてチャートの有効期限が過ぎていないことを確認した上で測色精度の判定を行い、測色手段の測色精度が正常であることが確認できた場合、測色精度判定装置が上記のように自機で測色精度判定用チャートの印刷を実行できるタイプのものであれば、あらためて測色精度判定用チャートを印刷するとしてもよい。そうすれば、精度判定に用いて適切な、かつ有効期限もそれまで使用していた測色精度判定用チャートよりも先であるチャートを得ることができ、より長期間に渡って精度判定を行うことができる。
測色精度判定装置は、測色精度が異常である場合には測色手段を補正するための補正データを外部より受け取り、この補正データによって測色手段を補正する。このとき、第1パッチの測色結果とともにどの様なチャートを測色したのかという情報を外部に伝えなければ適切な補正データを受取ることができない。そこで、測色精度判定用チャートは、チャート毎に付与されたユニークな情報に対応付けられた特定の色によって表された第4パッチも印刷されているとしてもよい。そして、精度判定手段は、測色精度の判定の結果、精度が異常であると判断した場合には、通信可能な外部コンピュータに対し第4パッチの測色結果に基づいて取得したチャートのユニークな情報と第1パッチの測色結果とを送信する。本発明によれば、第4パッチを含むチャートを測色することで当該チャートを特定するためのユニークな情報(シリアルナンバー等)が自動的に得られ、この情報を外部に自動的に出力できる。そのため、従来のようにユーザがかかる情報を手入力で外部に通知する必要も無くなり、入力間違いによる不都合も無くなる。
このような構成は、測色精度判定装置と外部コンピュータとからなるシステムの中に組み込むことができる。つまり、所定色による第1パッチと、当該第1パッチの色彩値に対応付けられた特定の色によって表された第2パッチと、チャート毎に付与されたユニークな情報に対応付けられた特定の色によって表された第4パッチとが印刷されたチャートの各パッチの色彩値を測色する測色手段と、第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する精度判定手段と、外部から送信された所定の測色手段補正データを受信するとともに、この補正データに基づいて上記測色手段における測色精度を補正する補正手段とを備える測色精度判定装置と、上記測色精度判定装置と双方向通信可能であり、測色精度判定装置からの要求に従って測色手段補正データを送信する外部コンピュータとからなり、かつ、上記精度判定手段は、上記測色精度の判定結果において精度が異常であると判断した場合には、上記第4パッチの測色結果に基づいて取得したチャートのユニークな情報と第1パッチの測色結果とを外部コンピュータに送信し、外部コンピュータは、受信した上記ユニークな情報および第1パッチの測色結果に応じて、送信すべき測色手段補正データを生成することを特徴とする測色精度判定補正システムの発明を把握できる。当該システムによれば、測色精度の異常が検出された測色手段を補正するために間違いの無い補正データが、外部コンピュータから測色精度判定装置に自動的に送信され、測色手段の精度が補正される。
むろん、上述した各測色精度判定装置やシステムが備える各手段に対応した工程を備える方法の発明や、各手段に対応した機能をコンピュータに実行させるプログラムの発明をも把握することが可能である。
下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)測色精度判定装置の概略構成
(2)測色精度判定用チャートの印刷
(3)測色精度判定用チャートの測色および精度判定
(4)他の実施形態
(5)まとめ
(1)測色精度判定装置の概略構成
図1は、本発明にかかる測色精度判定装置を構成するコンピュータ10およびプリンタ20を示している。
コンピュータ10では、演算処理の中枢をなすCPU11がシステムバス10aを介してコンピュータ10全体を制御する。バス10aには、ROM12、RAM13、各種インターフェイス(I/F)17a〜17cが接続され、ハードディスクドライブ(HDDRV)15を介してハードディスク(HD)14が接続されている。HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、これらはCPU11によって適宜RAM13に転送され実行される。HD14は、後述する測色精度判定用チャートの印刷や測色処理をプリンタ20に実行させかつ測色精度の判定処理を実行する測色精度判定プログラム14aを記憶し、さらに、第2パッチの色と各色に割り振った意味(ID値)との対応関係を規定したID値規定テーブル14b(ID値規定データ)や、第1パッチを表現した画像データである確認用パッチ画像データ14c等を記憶するための記憶領域である。
I/F17aには所定の画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、I/F17bにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17cには例えばシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ20が接続されている。
プリンタ20は、コンピュータ10によって制御される印刷装置である。本実施形態においては、プリンタ20は印刷用紙への印刷機能だけでなく、印刷物を測色する測色機能をも備える。つまりプリンタ20は測色機付きプリンタである。プリンタ20は、CPU21、ROM22、RAM23、通信I/O24、プリンタコントロールIC25、測色コントロールIC26等がバス32を介して接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。プリンタコントロールIC25は、印刷機能を実現するためのICであり、印刷ヘッド25a、ヘッド駆動部25b、キャリッジ機構25c、紙送り機構25dの各部と接続して各部を制御する。
印刷ヘッド25aは、複数のインク種類(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)に夫々対応する複数のインクカートリッジと、各インク種類に対応して設けられた複数のノズル列とからなり、インクカートリッジが充填したインクをノズル列からインク滴として吐出することで印刷用紙に画像を形成する。通信I/O24はプリンタI/F17cと接続され、プリンタ20は通信I/O24を介してコンピュータ10から送信されるインク種類別のラスタデータを受信する。プリンタコントロールIC25は、CPU21と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部25bに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。ヘッド駆動部25bは印加電圧データから印刷ヘッド25aの各ノズル列に内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターン(駆動波形)を生成して出力し、印刷ヘッド25aにインク種類毎のインク滴を吐出させる。
キャリッジ機構25cは、プリンタコントロールIC25に制御されてプリンタ20が備える図示しないガイドレールに沿って不図示のキャリッジを往復動させる駆動装置である。キャリッジには印刷ヘッド25aが搭載され、その結果印刷ヘッド25aがガイドレールに沿って往復動する。紙送り機構25dは、プリンタコントロールIC25によって制御されることにより、不図示の紙送りローラによって印刷用紙をキャリッジの往復動方向(主走査方向)と略直交する方向(搬送方向)に所定の速度で搬送する。
測色コントロールIC26は、測色機能を実現するためのICであり、測色機26a、測色機移動機構26b、押さえ板駆動機構26c、乾燥機26dの各部と接続して各部を制御する。
図2は、プリンタ20の外観の一例を斜視図により示している。プリンタ20においては、画像(パッチP)が印刷された印刷用紙Aが紙送り機構によって搬送される方向にエプロン27が延伸しており、エプロン27の所定位置にレール26a1および測色機26aが取り付けられている。レール26a1は主走査方向と平行に設置されている。測色機26aは、測色対象に検出部を向けることにより、国際照明委員会(CIE)で規定されたL***表色系(以下、「*」は省略)に基づく複数の色成分L,a,bからなる色彩値を測色値として取得可能であり、測色コントロールIC26は、測色機26aが取得した測色値をコンピュータ10に出力する。Lab色空間はデバイスに依存しない均等色空間である。むろん、測色する色空間は、CIE規定のL***色空間、CIE規定のXYZ色空間、RGB色空間等であってもよい。
測色機移動機構26bは、測色コントロールIC26に制御されて、レール26a1に沿って測色機26aを往復動させる駆動装置である。押さえ板駆動機構26cおよび乾燥機26dは図示を省略しているが、いずれもレール26a1近傍に設置される。押さえ板駆動機構26cは、測色コントロールIC26の制御に基づいて印刷用紙を不図視の用紙押さえ板によって押さえさせるための駆動装置であり、測色機26aと相対した位置に停止した印刷用紙が測色作業中に動かないようにする。乾燥機26dは、画像を印刷した印刷用紙を強制的に乾燥させるためのヒータであり、測色コントロールIC26の制御に基づき、測色前の印刷用紙に温風を当てて乾燥させる。つまりプリンタ20によれば、印刷用紙への画像の印刷、乾燥、測色といった一連の処理を一台で行うことが可能となる。
(2)測色精度判定用チャートの印刷
次に、測色精度判定用チャート(チャート)の印刷処理について説明する。チャートはプリンタ20によって印刷したものであっても、外部から提供されたものであってもよい。外部から提供されたチャートとは、市販された各プリンタ20における測色精度誤差を管理および補正するための事業者等(以下、管理者と言う。)が印刷して配布したチャートが想定される。以下では、チャートの印刷手順を、プリンタ20を用いる場合(プリンタ20のユーザ自身でチャートを印刷する場合)を例に説明する。
図3は、測色精度判定装置が実行するチャート印刷処理の内容をフローチャートにより示している。本実施形態では、チャートは少なくとも複数の確認用パッチ(第1パッチ)と各確認用パッチの色彩値を特定の色によって表したID化パッチ(第2パッチ)とを記録した印刷物として定義される。
ステップS(以下、ステップの記載は省略。)100では、コンピュータ10は、確認用パッチ画像データ14cに基づいて、プリンタ20に異なる色による複数の確認用パッチを印刷用紙に印刷させる処理を行う。確認用パッチ画像データ14cは、画素毎に各種インクの記録量を階調表現した画像データであって、異なる色による複数のパッチを表現している。コンピュータ10は、予めHD14に記憶した確認用パッチ画像データ14cを読み出すとともに、確認用パッチ画像データ14cに対して所定のハーフトーン処理やラスタライズ処理を行い、生成したラスタデータを印刷コマンドに変換してプリンタ20に出力する。プリンタ20は、印刷コマンドを受信して確認用パッチ画像データ14cに対応した確認用パッチを印刷する。S100を実現するために測色精度判定装置が備える上記各構成は、第1印刷手段に該当する。
S110では、プリンタ20は確認用パッチの印刷後、インクの乾燥の為の所定期間が経過したか否か判断し、経過したと判断した場合には、S120の処理に進む。一方、所定期間が経過していない場合は当該期間が経過するまで待機する。印刷画像の乾燥は自然乾燥であっても乾燥機26dを用いた強制乾燥であってもよく、ユーザが設定可能である。強制乾燥の設定がなされている場合は、プリンタ20は、印刷用紙を乾燥機26dの設置位置まで搬送し乾燥機26dによって印刷画像を所定期間乾燥させる。
図4は、確認用パッチの印刷結果を示している。同図では、確認用パッチP1、スタートバーSB、エンドバーEBが印刷用紙Aに印刷されている。例として、確認用パッチP1を10個印刷した場合を示しており、各パッチP1は、白、黒、赤、緑、茶、シアン、マゼンダ、イエロー、紫、グレーといった異なる色によって印刷されている。確認用パッチP1は主走査方向において一定の間隔を空けた状態で印刷される。スタートバーSBは、搬送方向前方を見たときの一番左側の確認用パッチP1の左側に所定の間隔を空けて印刷された所定色による印であり、エンドバーEBは、搬送方向前方を見たときの一番右側の確認用パッチP1の右側に所定の間隔を空けて印刷された所定色による印である。本実施形態ではスタートバーSB、エンドバーEBも、確認用パッチP1と一緒に印刷する。
S120では、コンピュータ10はプリンタ20に確認用パッチの測色をさせる。
図5は、S120の処理の詳細をフローチャートにより示している。
S200では、プリンタ20は確認用パッチが測色機26aの検出部と相対する測色位置に来るように、確認用パッチを印刷した印刷用紙を搬送する。確認用パッチを印刷した印刷ヘッド25aと測色機26aとの搬送方向における距離は予め決まっているため、紙送り機構25dがプリンタコントロールIC25の制御に応じて、上記予め決められた距離だけ印刷用紙を紙送りすることで、確認用パッチが正しい測色位置に搬送される。
S210では、プリンタ20は、測色機移動機構26bによって測色機26aをレール26a1に沿って移動させる。測色開始前においては、測色機26aはレール26a1における初期位置に待機している。本実施形態では、搬送方向前方を見たときのレール26a1の左端を初期位置とする。上記移動中においては、プリンタ20は測色機26aによる印刷用紙の測色および測色値の出力を継続的に行う。
S220では、コンピュータ10は、測色機26aが出力する測色値を監視し、スタートバーSBが存在するか否かを判断する。例えば、監視する測色値が用紙の色を表す既知の値からスタートバーSBの色に対応する既知の値に変化し、かつスタートバーSBの色が所定距離続いたときに、コンピュータ10はスタートバーSBの存在を認識する。
S230では、プリンタ20は確認用パッチの測色を行う。スタートバーSBの存在を認識したコンピュータ10はプリンタ20に対してパッチの測色を指示し、プリンタ20は当該指示に応じて、スタートバーSBと最も左の確認用パッチまでの距離に対応する既知の距離を測色機26aに移動させ、この移動先にて測色機26aによる測色を行う。
S240では、コンピュータ10は、測色機26aから出力された確認用パッチの測色値を入力し、HD14などの所定の記憶領域に保存する。
S250では、プリンタ20はさらに測色機26aを移動させる。この移動中においては、コンピュータ10は測色機26aから出力される測色値を監視し、エンドバーEBが存在するか否かを判断する。例えば、監視する測色値がエンドバーEBの色に対応する既知の値に変化しかつエンドバーEBの色が所定距離続いたときにコンピュータ10はエンドバーEBの存在を認識する。エンドバーEBが出現しない限り、プリンタ20は測色機26aの移動および確認用パッチの測色を継続し、コンピュータ10は測色機26aから出力される各確認用パッチの測色値の保存を行う。この結果、コンピュータ10は図4のようにスタートバーSBとエンドバーEBの間に印刷されたすべての確認用パッチP1の測色値を取得する。
なおS120の測色処理を行う場合の測色機26aは、その測色精度が正常な状態に保たれたものであるとする。
S130では、コンピュータ10は確認用パッチの測色値に基づいて、ID化パッチを印刷するための画像データ(ID化パッチ画像データ)を生成するとともに、プリンタ20にID化パッチを含むチャートを印刷させる。
図6は、S130の処理の詳細をフローチャートにより示している。
S300では、コンピュータ10は上記保存した確認用パッチの測色値(色彩値)の中から1つのパッチの測色値を読み出すとともに、読み出した測色値の各色成分Labを1つの文字単位で分解し、分解して得られた文字の中から1つの文字をID値への被変換値として選択する。図4の確認用パッチを例に説明すると、これらは左から順番に白、黒、赤…という順番に測色されるため、S300の選択においても、最初は白パッチのL値の先頭の文字を選択する。例えば、白パッチの測色値がL,a,b=(+95.1,+00.8,+01.2)であった場合、L値の先頭文字である“+”を選択する。
S310では、コンピュータ10はID値規定テーブル14bから情報を読み出す際のカウンタ値を0に設定する。
S320では、コンピュータ10はカウンタ値を1だけ増加させる。
S330では、コンピュータ10はHD14に記憶されたID値規定テーブル(以下、単にテーブルと言う。)14bに規定されたID値の中から上記カウンタ値に対応する値を読み出す。
図7は、テーブル14bの一例を示している。テーブル14bはID値と色(Lab値、RGB値)との対応関係を規定したテーブルである。ID値とは、0〜9の数字や“+”、“−”、小数点“.”など色彩値を示す際に用いられうる各文字を始めとする、各種情報を言う。テーブル14bから情報を読み出す際には、テーブル14bの最上段に規定された色をカウンタ値“1”に対応させ、以降下段に向けて順番に読み出す。
S340では、コンピュータ10は、テーブル14bから読み出したID値と被変換値とが一致するか否か判断し、一致しない場合はS320に戻る。
一方、一致した場合にはS350に進み、この一致したID値に対応するRGB値をテーブル14bから読み出し、1つのID化パッチを印刷するための画像データとして所定の記憶領域に一時的に記録する。被変換値が“+”である場合、ID値“+”に対応するRGB=(80,80,255)がID化パッチの画像データとして特定される。
S360では、コンピュータ10は、各確認用パッチの測色値を示す文字の全てについて被変換値として選択し、それぞれにRGB値の特定を終えたか否か判断し、被変換値として未選択の文字が存在する場合にはS300に戻って新たな被変換値を選択する。一方、全ての被変換値を選択した場合にはS370に進む。
S370では、コンピュータ10は、各被変換値に対応するRGB値に基づいて、各被変換値に一対一で対応する色によるパッチ(ID化パッチ)を表現したID化パッチ画像データを生成する。ID化パッチ画像データは画素毎にRGBの階調値を表現した画像データである。
S380では、コンピュータ10は、確認用パッチ画像データ14cとID化パッチ画像データとに基づいて、確認用パッチとID化パッチとを含むチャートを印刷するためのラスタデータを生成する。このときコンピュータ10は、ID化パッチ画像データについては、各画素のRGB値をプリンタ20が使用するインク種類毎のインク記録量へ変換する処理(色変換処理)を行い、かかる色変換後のIDパッチ画像データと確認用パッチ画像データ14cとを所定のレイアウトに従って合成してチャートを表す1つの画像とする。コンピュータ10は、生成したラスタデータを印刷コマンドに変換してプリンタ20に送出する。
S390では、プリンタ20が印刷コマンドを受信し、印刷コマンドに基づいてチャートを印刷する。S300〜S390を実現するために測色精度判定装置が備える上記各構成は第2印刷手段に該当する。
図8は、チャートの一例を示している。同図においては、図4と同じように複数の確認用パッチP1、スタートバーSB、エンドバーEBが印刷用紙Aに印刷され、かつ、各確認用パッチP1の下方に各確認用パッチP1の測色値をその色にて表現した複数のID化パッチP2が列を形成して印刷されている。図では、確認用パッチP1は10個であるため、確認用パッチP1に対応するID化パッチP2も10列となっている。本実施形態では、確認用パッチP1の各成分L,a,bにそれぞれ5つのID化パッチを割り当て、ID化パッチによって各成分L,a,bを正負の符号と小数点下1桁までの数値により表現する。つまり1つの確認用パッチP1に対して15個のID化パッチP2を印刷している。例えば、赤の確認用パッチP1の測色結果がL,a,b=(+48.2,+70.5,+19.2)である場合、赤の確認用パッチP1に対応する15個のID化パッチP2は、上から順に、L値を表す+、4、8、.(小数点)、1、a値を表す+、7、0、.、5…という各ID値に対応してテーブル14bに規定されている色にて印刷されている。同図では理解容易のため各ID化パッチP2上にID値を記載し、各ID化パッチP2が実際にどのID値に対応する色で印刷されているかを示している。
さらに、チャートのID化パッチP2の下方には、チャートの測色有効期限を示す情報に対応した特定の色による測色期限パッチP3(第3パッチ)が印刷されている。測色期限パッチP3もチャートの印刷時に上記パッチP1,P2などと一緒に印刷可能である。
具体的には、ユーザがキーボード18bなどを操作してコンピュータ10に対しチャートの測色有効期限(例えば、印刷日から1年6ヵ月後の日)を入力する。あるいは、コンピュータ10が印刷時の日付から有効期限を自動的に算出する。コンピュータ10は入力された、あるいは算出した有効期限を構成する各文字(数字)について、一致するID値をそれぞれテーブル14bから選択し、選択した各ID値に対応するRGB値を上記テーブル14bから読み出す。この結果、有効期限を構成する各文字に一対一で対応する各RGB値が得られ、コンピュータ10はかかるRGB値に基づいて、測色期限パッチP3を表現する測色期限パッチ画像データを生成する。測色期限パッチ画像データも画素毎にRGBの階調値を表現した画像データである。
測色期限パッチ画像データの生成は、S380の処理以前の適当なタイミングで実行する。S380では、コンピュータ10は、確認用パッチ画像データ14cとID化パッチ画像データと測色期限パッチ画像データとに基づいて、確認用パッチとID化パッチと測色期限パッチとを含むチャートを印刷するためのラスタデータを生成する。図8では、理解容易のため各測色期限パッチP3上に測色有効期限(例として、2007年10月11日)を表すID値を記載し、各パッチP3が実際にどのID値に対応する色で印刷されているかを示している。
さらに、チャートは、チャートのシリアルナンバー(チャート毎に付与されたユニークな情報の一種)に対応した特定の色によるシリアルナンバー(SN)パッチP4(第4パッチ)を含む場合がある。ただし、SNパッチP4は基本的には上記管理者が印刷して提供するチャートに印刷されているものであり、後述するように管理者による各プリンタ20の測色精度の補正の際に使用される。
(3)測色精度判定用チャートの測色および精度判定
次に、上記のようなプリンタ20で印刷した、或いは管理者から提供されたチャートについてこれを測色し、測色結果に基づいて測色機の測色精度を判定する処理について説明する。
図9は、測色精度判定装置が実行するチャート測定および精度判定処理をフローチャートにより示している。当該処理は、チャートの印刷後において定期的に実行する。
S400では、コンピュータ10は、プリンタ20にチャートの確認用パッチを測色させる。確認用パッチの測色処理は図5で示した内容と基本的に同じであるためここでは説明を省略する。各確認用パッチの測色値(以下、現測色値という。)は、コンピュータ10に出力され、コンピュータ10はこれを所定の記憶領域に保存する。
S405では、コンピュータ10は、プリンタ20にチャートにおける確認用パッチ以外のパッチ(以下、ID化パッチ等)の測色をさせる。
図10は、S405の処理の詳細をフローチャートにより示している。
S500では、プリンタ20は確認用パッチの下方において複数行に渡って印刷されているID化パッチ等の各行のうち最上段のID化パッチの行が測色機26aと相対する測色位置に来るように印刷用紙を搬送する。この場合プリンタ20は、確認用パッチと最上段のID化パッチとの搬送方向における既知の距離分、印刷用紙を搬送する。
S510〜560の処理は、図5のS210〜260と同様であるため説明は省略する。S570では、プリンタ20はID化パッチ等の全行を測色したか否か判断し、全行を測色した場合には図9の処理に戻る。一方、未測定の行が有る場合には、プリンタ20は次の行を測色すべく印刷用紙を所定距離(1パッチの搬送方向における長さ)搬送し(S580)、かつ、測色機26aを初期位置に移動させる(S590)。ID化パッチ等の測色値もコンピュータ10に出力され、コンピュータ10はこれを所定の記憶領域に保存する。
S410では、コンピュータ10は、テーブル14bを参照することにより、ID化パッチ等の測色値をID値へ変換する。
図11は、S410の処理の詳細をフローチャートにより示している。
S600では、コンピュータ10は、ID値への変換対象とするパッチの測色値を1つ選択する。
S610では、コンピュータ10はテーブル14bから情報を読み出す際のカウンタ値を0に設定する。
S620では、コンピュータ10はカウンタ値を1だけ増加させる。
S630では、コンピュータ10はHD14に記憶されたテーブル14bに規定されたLab値の中から上記カウンタ値に対応する値を読み出す。
S640では、コンピュータ10はS600で選択した測色値と、S630で読み出したLab値との色差ΔEを算出する。
S650では、コンピュータ10は上記算出した色差ΔEと予め設定したしきい値Th1とを比較し、色差ΔEがしきい値Th1以下であるか否か判断する。
色差ΔEがしきい値Th1以下でない場合は、コンピュータ10はテーブル14bに規定された全てのLab値との比較を終えたか否か判断し(S660)、終えていない場合にはS620に戻ってS650までの処理を繰り返す。色差ΔEがしきい値Th1以下となるLab値が発見された場合にはS680に進み、コンピュータ10は、当該Lab値に対応してテーブル14bに規定されているID値を読み出し、このID値をS600で選択したパッチの測色値についての変換値とする。
図12は、色差ΔEとしきい値Th1との比較手法の1つを示している。同図においては、Lab色空間のab平面上に、あるID化パッチの測色値(L1,a1,b1)を中心とした半径Th1の円Cを描いている。コンピュータ10は、テーブル14bに規定された何れかのLab値がab平面上においてこの円Cの範囲内に属する場合には、この属するLab値(複数のLab値が属する場合には、最もa1,b1に近い値)を上記ID化パッチの測色値とみなす。
そもそもID化パッチ等は、テーブル14bに規定された何れかの色で印刷されているため、理想的にはその測色値はテーブル14bに規定されているLab値の何れかと一致する筈である。しかし、チャートや測色機26aの多少の経時的変化等により完全に一致しないことも多い。そこで、上記のように色差ΔEがしきい値Th1内に収まる関係が成立すれば、そのID化パッチ等はテーブル14bに規定されている1つの色であると認定し、その測色値をID値に変換する。一方、テーブル14bの全てのLab値との比較を行っても色差ΔEがしきい値Th1以下となるLab値が発見されない場合には、コンピュータ10は、ID化パッチ等の測色時に異常があったと判断し(S670)、当該異常を知らせる表示をディスプレイ18aに行うなどしてユーザに警告する。ここで言う測色時の異常とは、印刷用紙上のパッチの破れ、剥がれ、こすり傷、にじみ等、測色に耐えられない程の破損がパッチに生じていた場合が想定される。この警告がなされた場合は、測色精度の判定そのものが不能なため、ユーザは別のチャートを用いるなど、適宜必要な対応を取る。
図9の説明に戻る。S415では、コンピュータ10は、全てのID化パッチ等について測色値をID値に変換したか否か判断し、未変換の測色値がある場合には当該未変換の測色値に関してS410の処理を繰り返す。
S420では、コンピュータ10は、測色期限パッチの測色値から変換したID値に基づいてチャートの測色有効期限を復元する。つまり、各測色期限パッチの測色値から変換したID値を並べることで、図8のチャートの例であれば、20071011(2007年10月11日)という期限日が得られる。
S425では、コンピュータ10は、図9の処理を実行中の本日の日付が上記復元した測色有効期限を経過しているか否か判断し、経過している場合にはS435において、有効期限を経過している旨の表示をディスプレイ18aに行うなどしてユーザに警告する。この警告がなされた場合には、現在使用しているチャートは印刷後相当の期間を経過しており測色機26aの測定精度を正確に判定するためのチャートとして不適切であることをユーザは認識できる。つまり、パッチの色が劣化してしまっているような古いチャートに基づいて測色機26aの測色精度判定をしてしまうことを防いでいる。
一方、測色有効期限を経過していない場合は、S430において、コンピュータ10は、各ID化パッチの測色値から変換したID値に基づいて各確認用パッチの測色値を復元する。例えば、図8の赤の確認用パッチP1の例で説明すると、このパッチP1に対応する15個のID化パッチP2の測色値から変換された各ID値を並べることで{+48.2,+70.5,+19.2}という測色値が得られる。
S440では、コンピュータ10は復元した確認用パッチの測色値(以下、復元値と言う。)と、S400において取得した確認用パッチの現測色値との色差ΔEを、確認用パッチ毎に算出する
S445では、コンピュータ10は各確認用パッチについてS440で算出した色差ΔEが、それぞれ所定のしきい値Th2以下であるか否か判断する。そして、全ての確認用パッチについて、復元値と現測色値との色差ΔEがしきい値Th2以内であれば、S450において、コンピュータ10は、測色機26aによる測色精度は正常である旨の表示をディスプレイ18aに行うなどしてユーザに知らせる。一方、何れかの確認用パッチにおいて、復元値と現測色値との色差ΔEがしきい値Th2を越える場合には、S455において、コンピュータ10は、測色機26aによる測色精度は異常である旨の表示をディスプレイ18aに行うなどしてユーザに警告する。
つまり、図11のS650や図9のS425の判断を経た後においては、復元値はチャートを印刷したときに得た確認用パッチの測色値を正確に表現していると言える。一方、現測色値は、測色機26aに経時的な測色能力の変化が発生している場合にはこれに起因して、チャートを印刷したときに測色された確認用パッチの測色値と必ずしも一致しない。従って、本発明のように、現測色値と復元値とがどの程度ずれているかを検証することで、測色機26aによる測色の正確性すなわち測色精度を適切に判断することが可能となる。なお、上記色差ΔEの算出には、CIE1976、CIE1994、CIE2000の各色差式などいずれを用いるとしてもよい。
(4)他の実施形態
上記のようにコンピュータ10が測色精度の正常異常をユーザに知らせることで、ユーザは測色機26aの測色特性を補正するための適切な処置をすることができるが、さらに、測色精度が異常である測色機26aを自動的に補正する測色精度判定補正システムを構築することも可能である。当該システムは上記管理者を含むことで実現できる。
具体的には、管理者は上述したチャートの印刷手順と同様に、自己のコンピュータ(外部コンピュータ)およびプリンタ(測色機付き)を用いてチャートを印刷しユーザに供給する。管理者が供給するチャートは上記SNパッチを含むものとする。つまり、各チャートを印刷する際に、管理者はチャート毎にユニークな番号であるシリアルナンバーを設定し、外部コンピュータはこのシリアルナンバーを構成する各文字(数字)と一致するID値をそれぞれテーブル14b(外部コンピュータもテーブル14bを持つ。)から選択し、選択した各ID値に対応するRGB値をテーブル14bから読み出す。この結果、シリアルナンバーを構成する各文字に一対一で対応するRGB値が得られ、外部コンピュータはかかるRGB値に基づいて、プリンタにSNパッチを印刷させることが可能となる。
外部コンピュータは、各ユーザのプリンタ20の測色精度を管理・補正するためのサーバであり各ユーザのコンピュータ10と双方向通信可能なネットワークにて接続されている。外部コンピュータは管理者が供給する各チャートについて、シリアルナンバーと確認用パッチの基準となる測色値(基準色彩値)とをデータとして保存している。
このような環境において、コンピュータ10は、上記図9のS445において“No”の判断を行った場合には上記S455の処理を行うとともに、外部コンピュータに対しS400で測色した確認用パッチの現測色値およびSNパッチの測色値から復元したチャートのシリアルナンバーを送信する。チャートにSNパッチが含まれている場合には、上記S415までの処理によってSNパッチの測色値もID値へ変換されているため、かかるSNパッチから変換したID値に基づいてシリアルナンバーを復元可能である。
外部コンピュータの側では、ネットワークに接続した1つのコンピュータ10から、上記現測色値およびシリアルナンバーの送信を伴う補正データの要求を受信したら、受信したシリアルナンバーに対応して保存している1つのチャートにかかる確認用パッチの基準色彩値を読み出す。次に外部コンピュータは、基準色彩値と現測色値との差に基づいて、測色機26aによる測色値を補正するための補正データを生成する。そして外部コンピュータは生成した補正データを、上記現測色値およびシリアルナンバーを送信したコンピュータ10に対して送信する。その結果、コンピュータ10の側では接続するプリンタ20の測色機26aによる測色特性を上記補正データにより補正することができ、測色機26aの測色精度を正常な状態に戻すことが可能となる。
ここで、管理者が供給するチャートは様々な種類が存在し、各チャートによって確認用パッチの色も異なり、基準色彩値も異なる。そのため、コンピュータ10からの現測色値の送信に応じて補正データを生成する際には、外部コンピュータはその現測色値がいずれのチャートを測色した結果であるか特定する必要があり、チャートを特定できなければ正しい補正データも生成できない。上述した実施形態によれば、コンピュータ10は、管理者から供給されたチャートに印刷されているSNパッチの測色結果に基づいて当該チャートのシリアルナンバーを復元し、これを自動的に外部コンピュータに対して通知する。そのため、コンピュータ10のユーザは自らの操作によってチャートのシリアルナンバーを外部コンピュータに対して通知する必要がなくなり、シリアルナンバーの誤入力も無くなる。この結果、測色機26aの補正を容易かつ確実に行うことが可能となる。
(5)まとめ
このように本発明にかかる測色精度判定装置によれば、少なくとも確認用パッチと当該確認用パッチの色彩値を表現するID値に対応してテーブル14bに規定された色によって表されたID化パッチとが印刷されたチャートを、自らが備える測色機26aによって測色するとともに、ID化パッチの測色値をテーブル14bを参照して復元した確認用パッチの色彩値(復元値)と、確認用パッチの測色値(現測色値)とを比較し、この比較結果に応じて測色機26aの測色精度が正常であるか否か判定する。すなわち測色精度判定装置は、外部の管理サーバとネットワークを介したシステムを構築することなく、自機だけで測色機の測色精度を判定することができる。また、チャートに、当該チャートの測色有効期限を表現するID値に対応してテーブル14bに規定された色によって表された測色期限パッチを含ませることで、チャートの測色による上記判定時に、当該チャートの有効期限を自動的に判別でき、測色有効期限を過ぎた古いチャートに基づいて上記判定をしてしまうことを防止できる。
測色精度判定装置の概略的ブロック図。 プリンタの外観を示した斜視図。 測色精度判定用チャートの印刷処理を示したフローチャート。 印刷用紙に印刷した確認用パッチの一例を示した図 確認用パッチの測色処理を示したフローチャート。 測色精度判定用チャートの印刷処理の詳細を示したフローチャート。 ID値規定テーブルの一例を示した図。 測色精度判定用チャートの一例を示した図。 測色精度判定用チャートの測色および精度判定処理を示したフローチャート。 ID化パッチ等の測色処理を示したフローチャート。 ID化パッチ等のID値への変換処理を示したフローチャート。 色差としきい値との比較手法を例示した図。
符号の説明
10…コンピュータ、14a…測色精度判定プログラム、14b…ID値規定テーブル、14c…確認用パッチ画像データ、20…プリンタ、25…プリンタコントロールIC、26…測色コントロールIC、26a…測色機

Claims (8)

  1. 所定色による第1パッチと当該第1パッチの色彩値に対応付けられた特定の色によって表された第2パッチとが印刷された測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色手段と、
    第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する精度判定手段とを備えることを特徴とする測色精度判定装置。
  2. 所定色による第1パッチを記録した測色精度判定用チャートを印刷する第1印刷手段と、
    上記測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色手段と、
    上記測色手段の測色結果に対応付けられた第2パッチを、上記測色精度判定用チャートにさらに印刷する第2印刷手段と、
    第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する精度判定手段とを備えることを特徴とする測色精度判定装置。
  3. 上記測色精度判定用チャートは、上記第2パッチは、色彩値を示す際に用いられうる各ID値と色とを予め対応付けたID値規定データを参照して選択された、第1パッチの色彩値を表現するID値に対応する色によって印刷されており、上記精度判定手段は、第2パッチの測色結果としての色に基づいて、対応するID値を上記ID値規定データから選択するとともに、この選択したID値によって第1パッチの色彩値を復元することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の測色精度判定装置。
  4. 上記測色精度判定用チャートは、当該チャートの測色有効期限を示す情報に対応付けられた特定の色によって表された第3パッチも印刷されており、上記精度判定手段は、第3パッチの測色結果に基づいて当該チャートの測色有効期限を取得するとともに、上記測色手段による当該チャートの測色時期が測色有効期限を越えているか否か判断し、越えていない場合に測色精度の判定を行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の測色精度判定装置。
  5. 上記測色精度判定用チャートは、チャート毎に付与されたユニークな情報に対応付けられた特定の色によって表された第4パッチも印刷されており、上記精度判定手段は、上記測色精度の判定結果において精度が異常であると判断した場合には、通信可能な外部コンピュータに対し、第4パッチの測色結果に基づいて取得した測色精度判定用チャートのユニークな情報と第1パッチの測色結果とを送信することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の測色精度判定装置。
  6. 所定色による第1パッチと、当該第1パッチの色彩値に対応付けられた特定の色によって表された第2パッチと、チャート毎に付与されたユニークな情報に対応付けられた特定の色によって表された第4パッチとが印刷された測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色手段と、第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色手段による測色精度を判定する精度判定手段と、外部から送信された所定の測色手段補正データを受信するとともに、この補正データに基づいて上記測色手段における測色精度を補正する補正手段とを備える測色精度判定装置と、
    上記測色精度判定装置と双方向通信可能であり、測色精度判定装置からの要求に従って測色手段補正データを送信する外部コンピュータとからなり、
    かつ、上記精度判定手段は、上記測色精度の判定結果において精度が異常であると判断した場合には、上記第4パッチの測色結果に基づいて取得した測色精度判定用チャートのユニークな情報と第1パッチの測色結果とを外部コンピュータに送信し、外部コンピュータは、受信した上記ユニークな情報および第1パッチの測色結果に応じて、送信すべき測色手段補正データを生成することを特徴とする、測色精度判定補正システム。
  7. 所定色による第1パッチと、第1パッチの色彩値に対応付けられた特定の色によって表された第2パッチとが印刷された測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色工程と、
    第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色工程における測色精度を判定する精度判定工程とを備えることを特徴とする測色精度判定方法。
  8. 所定色による第1パッチを記録した測色精度判定用チャートを印刷する第1印刷工程と、
    上記測色精度判定用チャートの各パッチの色彩値を測色する測色工程と、
    上記測色工程の測色結果に対応付けられた第2パッチを、上記測色精度判定用チャートにさらに印刷する第2印刷工程と、
    第2パッチの測色結果に基づいて第1パッチの色彩値を復元するとともに、この復元した色彩値と第1パッチの測色結果とを対比することにより上記測色工程における測色精度を判定する精度判定工程とを備えることを特徴とする測色精度判定方法。
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