JP2008078189A - 均一化成長治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】成長治具へのデポから生じるエピタキシャルウェハへの影響をなくす均一化成長治具を提供する。
【解決手段】治具本体2に収容穴3を形成し、その収容穴3に基板4を収容して保持し、記基板4上に結晶をエピタキシャル成長させて堆積させるための成長用治具1において、治具本体2の収容穴3を除く成長側の面2dに、結晶の堆積を防止するカバー10を取り付けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板に結晶をエピタキシャル成長させて半導体製品を作製するための成長治具(ジグ)(成長用治具)に関する。
MOVPE(有機金属気相エピタキシャル成長)装置などの半導体製造装置を用いて、基板上に結晶をエピタキシャル成長させるには、図3(a)および図3(b)に示すような成長治具(サセプタ)31を用いる。成長治具31には収容穴32が複数個形成され、その収容穴32に基板33が収容され、成長治具31に保持される。
半導体装置内に基板33を保持した成長治具31をセットし、基板33上に結晶をエピタキシャル成長させて堆積させ、エピタキシャルウェハ(エピウェハ)を作製する。このとき、図4(a)および図4(b)に示すように、基板33上だけではなく、成長治具31の成長側の面31dに堆積物(デポ)dが堆積する。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平9−129556号公報
しかしながら、従来の成長治具31では、1)成長治具31に必要のないデポdが生じてしまい、そのデポdにより、基板33上に成長するエピタキシャル層に悪影響を及ぼしている。特に、基板33の外周周辺部において、基板33の表面とデポdの表面間に段差が形成されることで、エピタキシャル層の特性の面内バラツキが問題となっている。
2)成長治具31自体を、基板33上にエピタキシャル層を成長させた後ごとに交換できればよいのだが、交換した成長治具31に付着した水分などの不純物が、エピ成長中に昇温脱離してエピ層中に取り込まれ、エピタキシャルウェハ特性を悪くする可能性もある。
3)成長治具31を交換することにより、交換した成長治具31に付着した水分などの不純物を取り除くために焼出し処理をその都度実施しなければならなくなり、生産のスループットが悪くなる。
また、4)成長治具31は、メンテナンスごとに交換を実施するが、メンテナンスとメンテナンスの間は、1セットの成長治具を繰り返し使用しなければならない。
5)そのため、基板33上にエピタキシャル層の成長を繰り返すごとに、基板33をセットする部分を除く成長治具31の面31d全面に不必要なデポdがかさんでしまい、そのデポdの影響で、基板33に成長するエピタキシャル層のウェハ面内分布に悪影響を及ぼしてしまい、不均一な結晶が成長する。
また、特許文献1のような方法では、基板ウェハサセプタを平行移動させてデポの影響を防いでいるが、基板ウェハサセプタ1枚毎に調整(普通、ウェハは複数枚の同時成長)が必要であり、手間がかかる。しかも、基板ウェハ支持部移動後に、基板とサセプタが平行になるように調整する必要があり、困難である(ウェハが傾いてセットされるとウェハ面内特性がばらつく)。
そこで、本発明の目的は、成長治具へのデポから生じるエピタキシャルウェハへの影響をなくす均一化成長治具を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、治具本体に収容穴を形成し、その収容穴に基板を収容して保持し、上記基板上に結晶をエピタキシャル成長させて堆積させるための成長用治具において、上記治具本体の上記収容穴を除く成長側の面に、上記結晶の堆積を防止するカバーを取り付けた均一化成長治具である。
請求項2の発明は、上記カバーは、成長側の面が上記治具本体の成長側の面とほぼ同じ面積である請求項1記載の均一化成長治具である。
請求項3の発明は、上記カバーは、上記治具本体に着脱可能に設けられる請求項1または2記載の均一化成長治具である。
請求項4の発明は、上記カバーは、上記治具本体と同じ材質である請求項1〜3いずれかに記載の均一化成長治具である。
請求項5の発明は、上記カバーは、成長側の面の厚さが50〜300μmである請求項1〜4いずれかに記載の均一化成長治具である。
本発明によれば、成長治具へのデポから生じるエピタキシャルウェハへの影響をなくすことができる。
本発明者は、成長治具について鋭意研究した結果、
(1)成長治具へのデポは、避けられない問題であるため、そのデポを成長の都度取り除けるような構造にする。
(2)成長治具の純度が変わらないようにする。
(3)生産のスループットを向上させるために、取り外しが容易にできるようにする。
の3点を考慮して、本発明の均一化成長治具を発明するに至った。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
図1(a)は本発明の好適な実施形態を示す均一化成長治具の底面図、図1(b)はその1B−1B線断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、本実施形態に係る均一化成長治具1は、治具本体2と、カバー10とで主に構成される。
治具本体2は、図3の従来の成長治具31とほぼ同じ構成である。すなわち、治具本体(サセプタ)2は、全体がほぼ円板状に形成され、収納穴3が複数個形成される。治具本体2に形成した収納穴3には基板4が収納され、治具本体2に設けた図示しない固定用爪やクランク状の腕部で収容された基板4が保持される。治具本体2は、この基板4上に結晶をエピタキシャル成長させて堆積させるためのものである。治具本体2の中央部には、挿通穴5が形成される。
基板4を収納した保持した治具本体2は、MOVPE装置などの半導体装置内に、例えば、フェイスダウン方式でセットされる。治具本体2は、耐熱性、原料ガスに対する不活性さ、耐腐食性などが高い材質、例えば、グラファイト、SiC、Mo、耐熱性セラミックスなどで形成される。
治具本体2の収納穴3を除く成長側の面2dには、結晶の堆積を防止するデポ防止用のカバー(アダプタ)10が取り付けられる。
図2(a)および図2(b)に示すように、カバー10は、全体がほぼ円板状に形成され、連通穴11が複数個形成されたものである。カバー10の内面形状は、治具本体2の外面形状と同形状になるように形成される。各連通穴11は、図1の治具本体2に形成した複数個の収納穴3にそれぞれ連通される。カバー10の中央部には、治具本体2に形成した挿通穴5に嵌合する突起部12が形成される。カバー10は、治具本体2と同じ材質で形成される。
カバー10は、成長側の面10dが治具本体2の成長側の面2dとほぼ同じ面積である。
このカバー10の成長側の面10dとは反対側の面10uには、治具本体2にカバー10を取り付けて固定するための固定用バネ機構部13が複数個(図1(a)では4個)設けられる。
固定バネ機構部13としては、例えば、カバー10の反対側の面10uに形成したネジ穴と、そのネジ穴に螺合するネジと、そのネジを挿通するバネ座金とからなるものがある。また、固定バネ機構部13としては、ネジ穴と、ネジと、一端部がカバー10に着脱可能に連結されると共に、他端部が治具本体2に連結され、ネジを挿通するバネとからなるものでもよい。
この固定バネ機構部13により、カバー10は治具本体2に着脱可能に設けられ、かつ治具本体2の成長側の面2dとカバー10の内面が密着する。
このカバー10は、成長側の面10dの厚さhが50〜300μmである。厚さhを300μm以下にしたのは、厚さhが300μmを超えると、基板4の外周周辺部において、基板4の表面と、カバー10の成長側の面に堆積したデポの表面間に段差が形成され、エピタキシャル層の特性が面内でばらつくからである。また、厚さhを50μm以上としたのは、50μm未満であるとカバー10が強度不足となり、治具本体2へのカバー10の取り付けが困難となるからである。
本実施形態の作用を説明する。
治具本体2へのカバー10の取り付けは、治具本体2の挿通穴5にカバー10の突起部12を嵌合し、治具本体2にカバー10を固定バネ機構部13で固定して行う。カバー10の取り外しは、これとは逆の作業で行い、例えば、基板4上にエピタキシャル層を形成した後、新たな基板4を用いる際に行う。つまり、カバー10は、基板4上にエピタキシャル層を成長させた後ごとに交換する。
従来は、基板の部分を除く成長治具全面に、デポがついてしまう。基板上にエピタキシャル層の成長を繰り返し実施することで、上記部分のデポ厚がどんどん厚くなり、擬似的ではあるが、基板の成長面が成長治具の成長側の面に対して引っ込んだ形となってしまう。そのため、基板の成長面と成長治具の成長側の面との間に段差が生じ、その影響で(例えば、エピタキシャル層成長用の原料ガスの流れが乱されることで)基板周辺の特性に悪影響を及ぼしてしまう。
本実施形態に係る均一化成長治具1は、治具本体2の収容穴3を除く成長側の面2dに、カバー10を取り付けており、不要なデポが発生する部分である治具本体2の成長側の面2dを覆っているため、デポはカバー10の成長側の面10dに堆積し、治具本体2の成長側の面2dには堆積しない。
カバー10に付着したデポは、カバー10を新たなカバー10に交換することで簡単に除去でき、常にデポのないカバー10をつけた状態で基板4上にエピタキシャル層を成長させることができる。基板4を入れ替えると共に、新たなカバー10に交換することで、基板4上にエピタキシャル層を何回成長させても、治具本体2の成長側の面2dにはデポが堆積しない。つまり、治具本体2の成長側の面2dに堆積するデポを常になくすことができる。
これにより、均一化成長治具1は、基板4の外周周辺部においても、基板4の成長面と治具本体2の成長側の面2dとの間に段差が生じることはなく、エピタキシャル層の特性の面内バラツキがない。
したがって、均一化成長治具1によれば、治具本体2へのデポから生じるエピタキシャルウェハへの影響をなくすことができる。
また、均一化成長治具1により、基板4上にエピタキシャル層を何回繰り返し成長させても、基板4上に成長させるエピタキシャル層の結晶を均一にすることができ、エピタキシャルウェハの面内の特性を均一にすることができる(特にウェハ周辺部の特性変化なくすことができる)。つまり、均一化成長治具1は、エピウェハ特性面内を均一化する成長治具である。
ウェハ面内の特性を均一にすることにより、最終的なデバイス構造での歩留向上も図れる。
均一化成長治具1は、固定バネ機構部13により、治具本体2からカバー10を簡単に取り外すことができるため、半導体製品の生産のスループット向上が図れる。また、均一化成長治具1は、固定バネ機構部13により、治具本体2にカバー10を密着させているので、基板4への熱伝導もよい。
これに対し、一般に治具本体2は、半導体製造装置内に複数個設けられ、半導体製造装置から治具本体2を取り外すには手間や時間がかかる。
カバー10は、成長側の面10dが治具本体2の成長側の面2dとほぼ同じ面積なので、この点でもエピタキシャル層成長用の原料ガスの流れが乱されるのを防止でき、エピタキシャル層の特性の面内バラツキを防止できる。
カバー10は、治具本体2と同じ材質なので、この点でも基板4への熱伝導を均一にでき、基板4への熱伝導がよい。
さらに、カバー10は、成長側の面10dの厚さが0.30mm以下なので、基板4の外周周辺部において、基板4の表面と、カバー10の成長側の面10dに堆積したデポの表面間に段差が形成されることはなく、エピタキシャル層の特性が変化しない。
このように、均一化成長治具1は、成長治具自体(治具本体2)は交換せずにデポを容易にとることができる構造であり、治具本体2の純度を低下させず、エピタキシャル層の特性に影響を及ぼさないようにした成長治具である。
上記実施の形態では、フェイスダウン方式で基板4上にエピタキシャル層を成長させる例で説明したが、フェイスアップ方式でもよい。また、原料ガスのフロー方向については特に説明しなかったが、横型ガスフローでも縦型ガスフローでもよい。
図1(a)は本発明の好適な実施形態を示す均一化成長治具の底面図、図1(b)はその1B−1B線断面図である。 図2(a)は図1に示した均一化成長治具に取り付けるカバーの底面図、図2(b)はその2B−2B線断面図である。 図3(a)は従来の成長治具の底面図、図3(b)はその3B−3B線断面図である。 図3に示した従来の成長治具におけるデポの付き方を示す底面図、その4B−4B線断面図である。
符号の説明
1 均一化成長治具
2 治具本体
2d 治具本体の成長側の面
3 収容穴
4 基板
10 カバー
10d カバーの成長側の面

Claims (5)

  1. 治具本体に収容穴を形成し、その収容穴に基板を収容して保持し、上記基板上に結晶をエピタキシャル成長させて堆積させるための成長用治具において、上記治具本体の上記収容穴を除く成長側の面に、上記結晶の堆積を防止するカバーを取り付けたことを特徴とする均一化成長治具。
  2. 上記カバーは、成長側の面が上記治具本体の成長側の面とほぼ同じ面積である請求項1記載の均一化成長治具。
  3. 上記カバーは、上記治具本体に着脱可能に設けられる請求項1または2記載の均一化成長治具。
  4. 上記カバーは、上記治具本体と同じ材質である請求項1〜3いずれかに記載の均一化成長治具。
  5. 上記カバーは、成長側の面の厚さが50〜300μmである請求項1〜4いずれかに記載の均一化成長治具。
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