JP2008076461A - トナー搬送装置、現像装置、画像形成装置、および、プロセスカートリッジ - Google Patents

トナー搬送装置、現像装置、画像形成装置、および、プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】トナー供給部材から搬送部材に供給されたトナーが、搬送部材によってホッピングしながら搬送される過程で、トナー帯電量変化を抑制して、トナー帯電量を適切な範囲に維持することのできるトナー搬送装置、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
【解決手段】トナー搬送部材として、摩擦帯電列の関係においてトナー供給部材と近接した位置関係にある部材を用いた。これにより、トナー搬送部材に供給されたトナー供給部材によって適切な帯電量に帯電したトナーがトナー搬送部材上をホッピングしなが搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦帯電によるトナーの帯電量の変動が抑制され、トナー搬送部材のトナー帯電量を適切な範囲に維持することのできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナー搬送装置、現像装置、画像形成装置、および、プロセスカートリッジ
に関するものである。
従来、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置として、特許文献1〜3に記載のものが知られている。これら画像形成装置の現像装置は、EH現像方式で潜像担持体の潜像を現像するものである。EH現像方式の現像装置は、次のようなトナー搬送装置を備えている。すなわち、所定のピッチで並ぶ複数の電極を有するトナー搬送部材と、このトナー搬送部材における互いに隣り合う電極に対して、互いに位相ずれした繰り返しパルス電圧を印加するパルス電圧印加手段とを有している。そして、その位相ずれした繰り返しパルス電圧の印加により、トナー搬送部材上に進行電界を形成する。トナー供給部材から供給された(例えば、負極性)に帯電したトナーを進行電界によってホッピングしながら潜像担持体との対向位置である現像領域に向けて搬送するトナー搬送装置である。そして、トナー搬送装置によって現像領域に搬送されたトナーは、現像領域に到達すると、潜像担持体の潜像に付着してトナー像を形成する。
このEH現像方式では、十分な画像濃度とムラのない高品位な画像を得るためには、トナーを均一に搬送することが非常に重要になってくる。
特開2002−341656号公報 特開昭59−181375号公報 特許第3177853号公報
しかしながら、上述の画像形成装置においては、トナー搬送部材上にトナーが付着して、搬送性にムラが生じ、均一な搬送性が得られないという問題があった。さらに、付着したトナーの上流側から搬送されてくるトナーが、付着したトナーに塞き止められて、トナー搬送部材全体にトナーが付着して搬送性が極端に低下し、さらには、搬送できなくなるという問題も生じるおそれがある。
このように、トナーがトナー搬送部材に付着すると、搬送ムラ、搬送量低下が発生し、画像濃度ムラ、画像濃度不足という画像品質の欠陥が発生する。
そこで、本発明者らは、トナーがトナー搬送部材に付着する現象について、研究したところ、次の知見を得た。すなわち、トナーがトナー搬送部材に付着する要因が、鏡像力、ファンデルワールス力、液架橋力などのトナーのトナー搬送部材へ付着する力が、進行電界による力を上回るという知見である。
トナー搬送部材へのトナーの付着力が、進行電界による進行力を上回ってしまうのは、主として次のような理由であることが判明した。すなわち、トナーがトナー搬送部材上をホッピングしながら搬送するときに、トナーがトナー搬送部材と摩擦帯電して、トナーの電荷量が変化するからである。
具体的に説明すると、トナーとトナー搬送部材とを摩擦帯電させたときのトナー帯電量が、トナー供給部材と摩擦帯電して供給されるトナー帯電量よりも非常に小さいときについては、次のような現象がおこる。すなわち、供給部材によって適切に帯電したトナーがトナー搬送部材によって搬送される間に、トナー搬送部材との摩擦帯電によって徐徐に電荷が失われていき、トナー搬送の途中で、搬送電界による力よりもトナーのトナー搬送部材への非静電的な付着力が上回ってしまう。その結果、トナーがトナー搬送部材に付着してしまうのである。
また、逆に、トナーとトナー搬送部材とを摩擦帯電させたときのトナー帯電量が、トナー供給部材と摩擦帯電して供給されるトナー帯電量よりも非常に大きい場合は、次のような現象がおこる。すなわち、供給部材によって適切に帯電したトナーがトナー搬送部材を移動する間に、徐徐に帯電量が増えてしまう。このように、トナーの帯電量が増えてしまうと、鏡像力によるトナーのトナー搬送部材への付着力が搬送電界による力を上回ってしまいトナーがトナー搬送部材に付着してしまう。
このように、トナー搬送部材上のトナーの帯電量が小さくなっても、大きくなってもトナーがトナー搬送部材に付着してしまう。よって、トナー搬送部材搬送中のトナーは、適切な範囲内の帯電量に維持させる必要がある。
なお、上述のトナーが静電的に搬送される過程で、トナーの帯電量が変化して、搬送部材に付着するという問題は、フレア方式のトナー搬送装置においても同様な問題が発生する。
フレア方式は、移動するトナー搬送部材が、絶縁部を介して2相の電極パターンが設けられており、ある電極を起点にした奇数番目の電極の集合体(以下、奇数番電極群)と偶数番目の電極の集合体(以下、偶数番電極群)との間に時間周期的な電位差が形成される。トナー搬送部材表層は回転ローラ形状であり、回転軸の一方に奇数番電極が接続され、回転軸のもう一方に偶数番電極が接続されている。このような構成により、トナー供給部材からトナー搬送部材に供給されたトナーは、時間周期的に変化する電界に従ってホッピング運動を行う。このような運動をフレアと称し、このフレア状態のトナーをトナー搬送部材自体の回転駆動により、トナーを搬送する方式である。
このようなフレア方式のトナー搬送装置においても、トナーがホッピングしながら搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦によりトナー帯電量が変化すると、上述同様、電界によるトナーをホッピングさせる力よりも、トナー搬送部材へ付着する付着力の方が上回り、トナー搬送部材にトナーが付着するという問題が生じる。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー供給部材から搬送部材に供給されたトナーが、搬送部材によってホッピングしながら搬送される過程で、トナー帯電量変化を抑制して、トナー帯電量を適切な範囲に維持することのできるトナー搬送装置、現像装置、画像形成装置およびプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、所定方向に並ぶ複数の電極を有するトナー搬送部材と、トナーを摩擦帯電させてトナー搬送部材の表面に供給するトナー供給部材と、トナー搬送部材の複数の電極に印加するための電圧を出力する電圧出力手段とを備え、それら電極にそれぞれ該電圧を印加することで、該トナー搬送部材の表面上のトナーをホッピングさせて該電極の並び方向に搬送するトナー搬送装置において、トナー供給部材とトナー搬送部材との摩擦帯電列の関係が、近接した位置関係にあることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のトナー搬送装置において、トナーが前記トナー供給部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、トナーが前記トナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値が、10[μC/g]未満であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のトナー搬送装置において、前記複数の電極は、並び順が連続するn(3以上整数)の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設されたものであり、前記電圧出力手段は、電極群における個々の電極に対し、互いにタイミングの異なるn相の電圧を印加するものであり、電圧が印加される各電極上に形成された進行電界によってトナー搬送部材上でトナーをホッピングさせながら搬送することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2のトナー搬送装置において、前記トナー搬送部材は、回転駆動するローラ部材であり、前記複数の電極は、並び順が連続する2個の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設されたものであり、電圧出力手段は、電極間に時間周期的な電位差が形成されるような電圧を、電極群における個々の電極に対し印加するものであり、時間周期的に変化する電界によってトナー搬送部材上のトナーをホッピングさせながら搬送することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかのトナー搬送装置を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の現像装置を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、複数の現像装置を備え、現像装置には、それぞれ互いに異なる色のトナーが収容されており、前記互いに異なる色のトナーを像担持体上で重ねることを行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像担持体、帯電手段、クリーニング手段、現像装置を備え、画像形成装置に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、前記現像装置として、請求項5の現像装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とするものである。
本発明者らは、トナーとトナー搬送部材とを摩擦帯電したときのトナー帯電量が、トナー供給部材からトナー搬送部材へ供給されたときのトナー帯電量とほぼ同じであれば、トナーがトナー搬送部材によって搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦帯電によって、トナーの帯電量の変化が抑制されることを見出した。
そこで、請求項1乃至9の発明では、トナー搬送部材として、摩擦帯電列の関係においてトナー供給部材と近接した位置関係にある部材を用いることとした。これにより、トナーをトナー搬送部材と摩擦帯電させたときのトナー帯電量を、トナーをトナー供給部材と摩擦帯電させたときのトナー帯電量とほぼ同じにすることができる。これにより、トナー搬送部材に供給されたトナー供給部材によって所定の帯電量に帯電したトナーがトナー搬送部材上をホッピングしなが搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦帯電によるトナーの帯電量の変動が抑制される。従って、トナー搬送部材のトナー帯電量を適切な範囲に維持することのでき、トナー帯電量の増加による鏡像力の増加によって生じるトナー搬送部材にトナーが付着することが抑制される。また、トナー帯電量の減少による電界によるトナーを搬送する力がファンデルワールス力などの非静電的な力を下回ることによって生じるトナー搬送部材にトナーが付着することが抑制される。このような、トナーのトナー搬送部材への付着が抑制されるので、均一なトナー搬送性を確保することができるとともに、搬送量の低下を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置であるレーザープリンタ(以下、単にプリンタ510という)に適用した実施形態について説明する。
図1は、実施形態1に係る画像形成装置としてのプリンタ510の概略構成図である。
図1に示すプリンタ510では、負帯電の有機感光体をベルト形状に構成した感光体ベルト561を備え、この感光体ベルト561は、感光体駆動ローラ562、感光体従動ローラ563a、563b及び一括転写対向ローラ564間に架け渡され、図示しない回転駆動機構によって図中矢印E方向に周回移動される。
この感光体ベルト561には、感光体ベルト561を帯電させる帯電装置としての帯電チャージャ565K、565M、565C、565Yと、感光体ベルト561上の静電潜像を現像する現像装置566K、566M、566C、566Yとが、それぞれ各色ごとに対向している。そして、感光体ベルト561の移動にしたがって順次トナー像を感光体ベルト561上に重ねていくように構成されている。なお、現像装置566の詳細については後述する。
また、現像装置566K、566M、566C、566Yのトナー搬送部材2に感光体ベルト561を挟んで対向する位置に現像対向ローラ567K、567M、567C、567Yを配置している。さらに、一括転写対向ローラ564に感光体ベルト561を挟んで対向する位置に一括転写ローラ568を配置している。
帯電手段としての帯電チャージャ565は感光体ベルト561の表面を一様帯電させるためのものであり、図1に示すプリンタ510ではコロナ帯電方式を採用している。コロナ帯電のように非接触の帯電手段を用いれば、上流側の現像装置566によって形成されたトナー像を乱すことなく感光体ベルト561を帯電させることができる。
画像形成時には、帯電チャージャ565によって感光体ベルト561表面が一様に帯電させられる。すでに感光体ベルト561上にトナー像が形成されている場合でも、トナー像を含め感光体ベルト561の表面が一様帯電させられる。次いで、図示しない光書込み装置から画像情報に応じた光ビームLが照射される。光ビームLは帯電チャージャ565と現像装置566の間を通過するため、すでに一様帯電させられた感光体ベルト561に対して光ビームが照射されることとなり、負帯電性の感光体である感光体ベルト561の表面では画像部に対応する領域が除電されて潜像が形成される。
現像装置566は感光体ベルト561上に形成された潜像の画像部にトナー粒子を付着させ、潜像をトナー像として可視化する。以上の帯電、光ビーム照射、現像の工程が前述のように各現像装置との対向部において繰り返され、感光体ベルト561上に4色のトナー像が重ねられたフルカラー画像が形成される。
一方、図示しない給紙装置から送られた転写材Pが感光体ベルト561と一括転写ローラ568との接触部へと搬送され、この接触部において感光体ベルト561上に形成されたフルカラー画像が一括転写ローラ568に印加された電圧によって転写材P上に転写される。その後、転写材Pは図示しない定着装置に到達すると、転写材P上のトナー像は加熱ローラ及び加圧ローラに挟まれつつ加熱されることで転写材P上に定着させられ、転写材P上にフルカラーの可視像が形成される。
現像装置566は、粉体であるトナー粒子を静電的に搬送するトナー搬送装置を備えている。トナー搬送装置は、少なくとも、複数の電極を有するローラ状のトナー搬送部材2と、トナー搬送部材2を静電的に搬送するための電源と、トナー搬送部材へトナーを供給するトナー供給部材たる供給ローラ3と、供給ローラ3上のトナーを薄層化するとともに、トナーを供給ローラによって帯電させる層厚規制部材7とで構成されている。トナー搬送部材2は、画像形成時には、感光体561に対して50〜1000[μm]、好ましくは150〜400[μm]の間隙をあけて非接触に対向している。さらに、トナー搬送部材2に対向し、トナー搬送部材2に対してトナーを供給するトナー供給部材である供給ローラ3に供給するトナーを収容するトナー収容部14とを備えている。
トナー収容部14にはスポンジローラ4と、攪拌パドル15A、15Bとを備えている。トナー収容部14に収容されているトナーが撹拌パドル15A,15Bにより、スポンジローラ4に供給され、スポンジローラ4に担持されたトナーはトナー供給ローラ3に塗布される。供給ローラ3に塗布されたトナーは、層厚規制部材7によって薄層化されると同時に摩擦帯電される。そして、供給ローラ3の回転に伴ってトナー搬送部材2と対向する領域に搬送される。
本実施形態の画像形成装置においては、負極性トナーを現像に使用する。また、供給ローラ3でトナーを所定の帯電量Q/M(−15〜−35μC/g)に帯電させる必要がある。これは、トナーが供給ローラ3によってほとんど帯電しなかった場合は、トナー飛散が発生する。また、トナー搬送部材2にトナーが供給されたときに電界の力よりもファンデルワールス力などの非静電的な力の方が強くなって、トナーがトナー搬送部材2に付着してしまう。逆に、供給ローラ3によるトナーの摩擦帯電量が多い場合は、トナー搬送部材2にトナーが供給されたときに、トナーの鏡像力が電界による力を上回ってトナーがトナー搬送部材2に付着してしまう。また、付着しない場合でも、トナー搬送部材2の摩擦帯電列の関係とかけ離れた位置関係にある材料を供給ローラ3として選択すると、トナー搬送部材2に供給されたトナーの帯電量がホッピング中に急激に変化し、搬送が不安定となる。このため、トナー供給ローラ3としては、摩擦帯電系列において、トナーに対してプラス側で、かつ、トナーの帯電量Q/Mが適切になるような位置にある材料を選択するのが好ましい。
具体的には、ナイロン、メラミン樹脂、アクリル樹脂、PVA、ウレタン、シリコーン等の有機材料、第四級アンモニウム塩やニグロシン系染料を単独あるいは混合して使用する。また、Ti、Sn、Fe、Cu、Cr、Ni、Zn、Mg、Al等の金属材料、TiO、SnO、Fe、Fe、CuO、Cr、NiO、ZnO、MgO、Al等の無機材料は、トナーの摩擦帯電極性が正の場合でも負の場合でも単独あるいは混合して使用することができる。もちろん、有機材料、金属材料、無機材料等は、トナーの摩擦帯電極性に適するようにそれぞれ組み合わせて使用しても構わない。
また、供給ローラ3は導電性を有しても良く、スポンジローラ4と同電位に配設することも可能であり、あるいは電位差を設けることも可能である。なお、正帯電トナーを使用する場合は、上述の関係を逆にするだけで適用可能なことは言うまでもない。
供給ローラ3には、供給バイアス印加手段としての供給電源11によって供給バイアスが印加されている。また、トナー搬送部材2には、電圧出力手段としての電源によって後述する電極に電圧が印加されている。
これにより、供給ローラ3とトナー搬送部材2とが対向する領域においては、供給電源及び電源によってトナー搬送部材2と供給ローラ3との間に電界が生じている。その電界からの静電気力を受け、トナーは供給ローラ3表面から解離し、トナー搬送部材2表面に移動する。そして、トナー搬送部材2表面に達したトナーは、電源12が印加する電圧によって形成される電界によって、トナー搬送部材2表面上をホッピングしながら搬送される。
そして、感光体561と対向する領域まで電界によって搬送されたトナーは、トナー搬送部材2と感光体561上の画像部との間の現像電界によって、感光体561上に移動して感光体561上の潜像を可視像化(現像)する。
なお、画像形成装置としては、図2に示すような構成の画像形成装置でもよい。この画像形成装置は、潜像担持体としての感光体561K、561M、561C、561Y、帯電手段、現像手段としての現像装置及び潜像像担持体のクリーニング手段を備えた作像ユニット501K、501M、501C、501Yとし、作像ユニット501K、501M、501C、501Yを記録体搬送部材である転写材搬送ベルト503の張架面の側方に垂直に並んで配置した画像形成装置である。これら作像ユニット501は、図3に示すように、プロセスカートリッジとしてプリンタ510本体に対して着脱可能な構成となっている。
なお、図1、図2に示すトナー搬送部材2は、ローラ状であるが、図4に示すようなベルト状であっても良いし、後述するEH現像方式の場合は、図5に示すような板状であってもよい。
次に、トナー搬送装置について説明する。トナー搬送装置は、EH現像方式、フレア現像方式の現像装置に用いることができる。
EH現像方式とは、EH現象を用いた現像方式である。EH(Electro transfer and Hopping)現象とは、トナーが移相電界のエネルギーを与えられ、そのエネルギーが機械的なエネルギーに変換されて、トナー自身が動的に変動する現象をいう。このEH現象は、静電気力によるトナーの水平方向の移動(搬送)と垂直方向の移動(ホッピング)を含む現象であり、トナー搬送部材の表面を、移相電界によってトナーが進行方向の成分を持って飛び跳ねる現象である。このEH現象を利用した現像をEH現像方式と称する。
フレア(Flare)現像方式は、移動するトナー搬送部材の表層が、絶縁部を介して2相の電極パターンが設けられており、ある電極を起点にした奇数番目の電極の集合体(以下、奇数番電極群)と偶数番目の電極の集合体(以下、偶数番電極群)との間に時間周期的な電位差が形成される。トナー搬送部材表層は回転ローラ形状であり、回転軸の一方に奇数番電極が接続され、回転軸のもう一方に偶数番電極が接続されている。このような構成により、トナー供給部材(供給ローラ)からトナー担持体(トナー搬送部材)に供給されたトナーは、時間周期的に変化する電界に従ってホッピング運動を行う。このような運動をフレアと称し、このフレア状態のトナーをトナー搬送部材自体の回転駆動により、現像領域へ搬送して現像を行う方式をフレア現像方式と称する。
[実施形態1]
以下に、トナー搬送装置をEH現像方式に用いた実施形態1について説明する。
なお、以下の説明では、図5に示した板状のトナー搬送部材2を備えたトナー搬送装置100に基づいて説明する。また、以下の説明において、トナー搬送部材上のトナーの振る舞いを区別して表現する場合、トナー搬送部材水平方向への移動については、「搬送」、「搬送速度」、「搬送方向」、「搬送距離」という表現を使用し、トナー搬送部材垂直方向への飛翔(移動)については、「ホッピング」、「ホッピング速度」、「ホッピング方向」、「ホッピング高さ(距離)」という表現を使用する。なお、トナー搬送装置、トナー搬送部材という用語に含まれる「搬送」は「移動」と同義である。なお、「進行方向」とはトナー搬送部材に沿ってトナーが移動する方向の意味である。
図4は、トナー搬送装置100を、画像形成装置の感光体561とともに示す構成図である。
図6は、トナー搬送部材2の概略断面説明図、図7に平面説明図を示す。
トナー搬送部材2は、ベース基板101上に複数の電極102を3本1セットの電極群として、トナー移動方向(矢印c方向)に沿って所要の間隔で配置する。この電極102上の表面を覆う無機又は有機の絶縁性材料で形成した表面保護層103を形成している。この表面保護層の表面103aがトナーの搬送面となる。
トナー搬送部材2の複数の電極102の幅(電極幅)L及び電極間隔Rはトナーの搬送効率、ホッピング効率に大きく影響する。すなわち、電極と電極の間にあるトナーはほぼ水平方向の電界により、部材表面を隣接する電極まで移動する。これに対して、電極上に乗っているトナーは、少なくとも垂直方向の成分も持った初速が与えられることから、多くは基板面から離れて飛翔する。特に、電極端面付近にあるトナーは、隣接電極を飛び越えて移動するため、電極幅Lが広い場合には、その電極上に乗っているトナーの数が多くなり、移動距離の大きいトナーが増えて搬送効率が上がる。ただし、電極幅Lが広すぎると、電極中央付近の電界強度が低下するためにトナーが電極に付着し、搬送効率が低下することになる。電極幅Lについては、電極幅Lをトナー径(粉体径)の1倍としたときは、最低1個のトナーを乗せて搬送、ホピングするための幅寸法であり、これより狭いとトナーに作用する電界が少なくなり、搬送力、飛翔力が低下して実用上は十分でない。
また、電極幅Lが広くなるに従って、特に、電極上面中央付近で、電気力線が進行方向(水平方向)に傾斜し、垂直方向の電界の弱い領域が発生し、ホッピングの発生力が小さくなる。電極幅Lがあまり広くなると、極端な場合、トナーの帯電電荷に応じた鏡像力、ファンデルワールス力、水分等による付着力(液架橋力)が勝り、トナーの堆積が発生することがある。
そして、搬送及びホッピングの効率から、電極の上にトナー20個程度が乗る幅であれば付着が発生しにくく、100V程度の低電圧の駆動波形で効率良く搬送、ホッピングの動作が可能である。それ以上広いと部分的に付着が発生する領域が生じる。例えば、トナ
ーの平均粒径を5μmとすると、5μm〜100μmまでの範囲に相当する。
電極幅Lのより好ましい範囲は、駆動波形による印加電圧を100V以下の低電圧でより効率的に駆動するため、粉体の平均粒径の2倍以上〜10倍以下である。電極幅Lをこの範囲内とすることで、電極表面中央付近の電界強度の低下が1/3以下に抑えられ、ホッピングの効率低下は10%以下となって、効率の大幅な低下をきたすことがなくなる。これは、例えば、トナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜50μmの範囲に相当する。
さらに、より好ましくは、電極幅Lは、粉体の平均粒径の2倍以上〜6倍以下の範囲である。これは、例えば、トナーの平均粒径を5μmとすると、10μm〜30μmに相当する範囲である。この範囲とすることによって非常に効率が良くなる
また、電極間隔Rは、距離と印加電圧の関係から電極間の電界強度を決定し、間隔Rが狭い程電界強度は当然強く、搬送、ホッピングの初速が得られやすい。しかし、電極から電極へ移動するようなトナーについては、一回の移動距離が短くなり、駆動周波数を高くしないと移動効率が上がらないことになる。電極間隔Rについては、間隔が広くなるほど搬送方向の電界強度は低下するため、トナーの平均粒径の1倍以上〜20倍以下、好ましくは2倍以上〜10倍以下、さらにより好ましくは2倍以上〜6倍以下である。
このように、電極の粉体進行方向における幅Lを粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下で、かつ、電極の粉体進行方向の間隔Rを粉体の平均粒径の1倍以上20倍以下とすることによって、電極上又は電極間にある帯電した粉体に対し、その鏡像力、ファンデルワールス力、その他、付着力にうち勝って、粉体を搬送、ホッピングさせるのに十分な静電力を作用させることができ、粉体の滞留が防止されて、低電圧で安定して効率的に搬送及びホッピングをさせることができる。
表面保護層103の誘電率εは空気より高い値であり、通常ε=2以上である。この表面保護層の膜厚(電極表面からの厚さ)が厚すぎると、表面のトナーに作用する電界強度が低下する。そこで、搬送効率、耐温湿度環境等を考慮すると、搬送動作に対して効率低下を問題にしないで実用可能な表面保護層厚さは、30%効率が低下する10μm以下、より好ましくは効率低下が数%に押さえられる5μm以下である。このように、この表面保護層の厚さを10μm以下とすることで、特に粉体に対して垂直方向成分の電界をより強く作用させることができ、ホッピングの効率を上げることができる。
それぞれの電極102に対しては、図5に示すように、基板上に進行電界を形成するためのn相(例えば3相)の繰り返しパルス電圧が電源104によって印加される。具体的には、複数の電極102のうち、感光体561との対向領域で且つ感光体561に比較的近い領域である現像領域dに位置する電極202a、202b、202cに対しては、3相のパルス電圧V21〜V23が印加される。また、それ以外の電極102a、102b、102cに対しては、3相の繰り返しパルス電圧V11〜V13が印加される。なお、現像領域dよりもトナー搬送方向上流側の基板領域は、トナー搬送部材2上のトナーを現像領域dに向けて搬送するための搬送領域となっている。また、現像領域dよりもトナー搬送方向下流側の基板領域は、感光体561の表面に過剰に付着したトナーをトナー搬送部材2に回収する回収領域となっている。
トナー搬送部材2上のトナーは、各電極102に繰り返しパルス電圧が印加されることによって基板上に形成される進行電界により、部材上でホッピングしながら図中上側から下側へと搬送されていく。これにより、搬送領域内に存在するトナーが搬送領域内から現像領域dに向けて搬送され、現像領域d内に進入する。現像領域dでは、トナー搬送部材2の左方に、図示しない駆動手段によって回転駆動されるドラム状の感光体561がトナー搬送部材2と所定の間隙を介して対向するように配設されている。そして、ホッピングによって感光体561にある程度近づいたトナーに対し、周知の電子写真プロセスによって感光体561の表面に形成された静電潜像による電界が作用して、トナーが静電潜像に付着する。このとき、感光体561の非画像部(地肌部)上にはトナーを静電反発させる電界が形成されているため、殆どのトナーは非画像部に付着せずに、静電潜像だけに選択的に付着する。このような選択的なトナーの付着により、感光体561上の静電潜像がトナー像に現像される。
次に、トナー搬送部材2におけるトナーの静電搬送のメカニズムについて図8、図9に基づき説明する。トナー搬送部材2の複数の電極102に対してn相の駆動波形を印加することにより、複数の電極102によって移相電界(進行波電界)が発生させる。この電界によりトナー搬送部材2上の帯電したトナーは反発力及び/又は吸引力を受けて移送方向にホッピングと搬送を含んで移動する。例えば、トナー搬送部材2の複数の電極102に対して図8に示すようにグランドGと正の電圧+との間で変化する3相のパルス状駆動波形A(A相)、B(B相)、C(C相)を、タイミングをずらして印加する。このとき、図9に示すように、トナー搬送部材2上に負帯電トナーTがあり、搬送部材2の連続した複数の電極102に同図にAで示すようにそれぞれ「G」、「G」、「+」、「G」、「G」が印加されたとすると、負帯電トナーTは「+」の電極102上に位置する。次のタイミングで複数の電極102にはBに示すようにそれぞれ「+」、「G」、「G」、「+」、「G」が印加され、負帯電トナーTには同図で左側の「G」の電極102との間で反発力が、右側の「+」の電極102との間で吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは「+」の電極102側に移動する。さらに、次のタイミングで複数の電極102にはCに示すようにそれぞれ「G」、「+」、「G」、「G」、「+」が印加され、負帯電トナーTには同様に反発力と吸引力がそれぞれ作用するので、負帯電トナーTは更に「+」の電極102側に移動する。
なお、駆動波形としては、矩形波(パルス状)駆動波形に限らず、時定数を持った三角波等の駆動波形であっても搬送、ホッピングの動作は可能であり、また、同様の時定数に相当する正弦波を駆動波形として用いても、実用上の搬送、ホッピングの動作は可能である。
次に、トナー搬送部材2の具体的な例について説明する。トナー搬送部材2を画像形成装置に用いる場合、搬送、ホッピング用のトナー搬送部材2としては、少なくともA4縦幅21cm、または横幅30cm以上の長尺、大面積にファインパタンの実用が必要になってくる。そのためには、ベースとなる基材(支持基板101)上に、薄層の電極、薄層の保護膜(表面保護層)を順次積層して形成することが好ましい。
先ず、フレキシブルなファインピッチ薄層電極を有するトナー搬送部材2の一例としては、ポリイミドのベースフィルム(厚さ20〜100μm)を基材(ベース基板101)として、その上に蒸着法によって0.1〜0.3μmのCu、Al、Ni−Cr等を成膜する。幅30〜60cmであれば、ロール・トゥ・ロールの装置で製造可能であり、量産性が非常に高まる。共通バスラインは同時に幅1〜5mm程度の電極を形成する。
この蒸着法の具体的手段としては、スパッタ法、イオンプレーティング法、CVD法、イオンビーム法、等の方法が可能である。例えば、スパッタ法で電極を形成する場合において、ポリイミドとの密着性を向上させるため、Cr膜を介在させても良いし、プラズマ処理やプライマー処理によっても密着性を向上させることができる。
また、蒸着法以外の工法としては、電着法によっても薄層電極を形成することができる。この場合は、前記ポリイミドの基材上に、まず、無電解メッキによって電極102を形成する。塩化Sn、塩化Pd、塩化Niに順次浸漬して下地電極を形成した後、Ni電解液中で電解メッキを行ってNi膜1〜3μmをロール・トゥ・ロールで製造することが可能である。
そして、これらの薄膜電極にレジスト塗布、パタンニング、エッチングで電極102を形成する。この場合、0.1〜3μm厚さの薄層電極であれば、フォトリソ、エッチング処理によって5μm〜数10μm幅、又は間隔のファインパタン電極を精度良く形成することができる。
次いで、表面保護層103としてSiO、BaTiO、TiO 等を厚さ0.5〜2μmをスパッタ等により形成する。或いは、表面保護層103としてPI(ポリイミド)を厚さ2〜5μmにロールコータ、その他コーティング装置により塗布し、ベークして仕上げる。PIのままで支障を生じるときには、更に最表面にSiO、その他無機膜を0.1〜0.5μmの厚みにスパッタ等で形成すればよい。また、SiO等の上にポリカなどの有機材料をコートしても良い。ジルコニア、あるいは二成分現像剤のキャリアのコート材料として一般的に使われる材料、例えばシリコーン系樹脂を選択することもできる。
このようなフレキシブル搬送部材を構成することによって、円筒形状のドラムに貼り付けて、図1に示すように搬送部材をローラ状にすることや、図4に示すようなベルト状することが容易に行えるようになる。
また、別の例としては、ポリイミドのベースフィルム(厚さ20〜100μm)を基材(ベース基板101)として、その上に電極材料として、厚さ10〜20μmのCu、SUS等を使用することも可能である。この場合は、逆に金属材の上にポリイミドをロールコータにて20〜100μm塗布してベークする。その後、金属材をフォトリソ、エッチング処理によって電極102の形状にパターン化し、その電極102面上に保護層103としてポリイミドをコーティング、金属材電極の厚さ10〜20μmに応じた凹凸がある場合は平坦化して完成する。
例えば、粘度50〜10,000cps、より好ましくは100〜300cpsのポリイミド系材料、ポリウレタン系材料をスピンコートして放置することによって、材料の表面張力によって基板の凹凸がスムージングされ、トナー搬送部材最表面が平坦化される。
さらに、フレキシブルトナー搬送部材の強度を上げた更に他の例としては、基材として厚さ20〜30μmのSUS、Al材等を用いて、その表面に絶縁層(電極と基材との間の絶縁)として5μm程度の希釈したポリイミド材をロールコータによりコーティングする。そして、このポリイミドを例えば150℃−30分のプリベーク、350℃−60分のポストベークして薄層ポリイミド膜を形成してベース基板101とする。
その後、密着性向上のプラズマ処理やプライマー処理を施した後、薄層電極層としてNi−Crを0.1〜0.2μmの厚みに蒸着し、フォトリソ、エッチングによって前記数10μmのファインパタンの電極102を形成する。さらに、表面に前記SiO、BaTiO、TiO等の表面保護層103を0.5〜1μm程度の厚みにスパッタにより形成することで、フレキシブルトナー搬送部材を得ることができる。また、SiO等の上にポリカなどの有機材料をコートしても良い。ジルコニア、あるいは二成分現像剤のキャリアのコート材料として一般的に使われる材料、例えばシリコーン系樹脂を選択することもできる。
この例では、図1示すようなローラ状のトナー搬送部材2とするために、円筒状ドラムにトナー搬送部材2を巻き付ける場合、トナー搬送部材2の基材となる金属材料として、円筒状ドラムの材質と同じもの、或いは円筒状ドラムと線膨張係数が略一致するものを使用することによって、トナー搬送部材2と円筒状ドラムとの線膨張の差によって生じる温度による伸縮の問題が発生することを防止できる。また、トナー搬送部材2を画像形成装置の現像装置に使用する場合、基材のSUS、Al材を感光体561との間のバイアス電極として使用することも可能である。
これらのフレキシブルなトナー搬送部材2とすることで、円筒ドラムに巻き付けたり、一部分を湾曲して使用したりする等の自由度が増すと同時に、製造においてロール・トゥ・ロールによる量産が可能であり、高精度なファインピッチ電極を有するトナー搬送部材を低コストで製造することが容易となる。
なお、上記のいずれの例においても、進行電界を使用するため各電極102と共通電極のコンタクトが必要であるが、2相については両者の電極を同時に形成できるが、例えば3相電界の場合は1相については間に絶縁層を介してブリッジパターンを形成すればよい。
またトナー搬送部材2の表面は、トナーの粒径と比べて非常に小さい凹凸を設けることが好ましい。十点平均粗さ(Rz)が0.2〜2.0μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.8μmである。トナーの粒径と比べて非常に小さい凹凸を設けることで、トナー搬送部材へトナーが付着しにくくなる。なお、Rzの測定には、表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder SE−30H)を用いた。このような表面にすることで、トナーとトナー搬送部材の保護層との接触面積を小さくできるため、トナーの搬送部材への付着力を低く抑えることができ、搬送、ホッピングの効率向上を図ることができる。
また、本発明者らの研究するところによると、トナー帯電量Q/Mが−15〜−35μC/gであるときに、特に、搬送及びホッピングを効率的に行うことができた。
次に、本実施形態の特徴点について、実施例および比較例に基づき説明する。
[実施例1]
1.トナー供給部材(供給ローラ3)
供給ローラとしては、十点平均粗さRzが1.2μmのウレタン樹脂コートのゴムローラを用い、層厚規制部材7としてステンレス製金属ブレードを用いた。
2.トナー搬送部材
トナー搬送部材2は、軸が固定された非回転の円筒状のものを用い、SiOを表面保護層103として設けた。
3.トナー
トナーは、体積平均粒径Dvが6.8μmのポリエステル系の樹脂からなる重合トナーを用いた。重合トナーは、簡便な製造方法で製造できる点と、粉砕トナーに比して表面の均一性に優れ、粒径分布がシャープである点から好ましい。この重合トナーのトナー母粒子100重量部に対して、1次粒子径が10[nm]の疎水化処理されたシリカを2部添加した。
4.トナー供給条件、トナー静電搬送条件
供給ローラ3とトナー搬送部材2とのギャップGpを、0.25[mm]に設定した。また、供給ローラ3に印加する供給バイアスは、直流成分に交流成分が重畳された矩形波のバイアスを印加した。なお、直流成分Vdcを−300V、交流成分を周波数f3kHz、振幅Vpp1500Vとした。
また、トナー搬送部材2には、3相のものを用いて、周波数8kHz、±150Vの電圧を電極に印加し、搬送電界を発生させた。
上記の構成で、トナーを供給・静電搬送させたところ、供給部直下のトナー付着や、搬送途中でのトナー付着が発生せず、長時間に渡り良好な搬送を続けることができた。このトナー搬送装置を用いて画像形成を行ったところ、濃度ムラのない画像を得ることができた。また、トナー搬送部材2の表面材料をポリカにして実験を行ったところ、同様に良好なトナー搬送を行うことができた。
このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときのトナーの帯電量Q/Mは、−19[μC/g]であった。なお、両者を摩擦帯電させたときのトナーの帯電量は、供給ローラ3からトナーを吸引してエレクトロメータで測定した値である。また、トナーとトナー搬送部材2とを摩擦帯電させたときのトナーの帯電量Q/Mは、−22[μC/g]であった。なお、トナー搬送部材2と摩擦帯電したときのトナー帯電量も、上記同様に、トナー搬送部材2からトナー吸引してエレクトロメータで測定した値である。
このように、実施例1においては、供給ローラ3と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、トナー搬送部材2と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値が、3[μC/g]であり、10[μC/g]未満であった。これは、供給ローラ3とトナー搬送部材2との帯電列が、近接した位置にあるからである。
なお、摩擦帯電列とは、摩擦が行われたときにマイナスに帯電しやすいものから順に並べたものを言い、帯電列上で近い位置にあるもの同士で摩擦した場合は比較的帯電量が少なく、遠くなると帯電量も大きくなる。
そして、このように供給ローラ3とトナー搬送部材2との帯電列が、近接した位置にあるときは、供給部直下のトナー付着や、搬送途中でのトナー付着が発生せず、長時間に渡り良好な搬送を続けることができることがわかった。また、供給ローラ3とトナー搬送部材2との帯電列が、近接した位置にあるときは、濃度ムラのない画像を得ることができることがわかった。
[比較例1]
比較例1は、トナー搬送部材2の表面保護層を形成する材料として、BaTiOを用いた以外は、実施例1と同じとした。
上記の構成で、トナーを供給・静電搬送させたところ、供給ローラ3から供給されたトナーは、トナー搬送部材上で搬送されている途中でトナー搬送が止まってしまった。このときのトナー搬送部材上に付着したトナーの帯電量Q/Mを調べたところ、−90[μC/g]もあった。このように、トナーの帯電量が−90[μC/g]と帯電量が多いため、トナーの鏡像力が搬送電界による搬送力より上回り、トナーが搬送途中でトナー搬送部材に付着したと考えられる。
なお、このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−19[μC/g]であり、トナーとトナー搬送部材2とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−83[μC/g]であり、供給ローラ3と、トナー搬送部材2との帯電列が離れた位置にあることがわかる。
比較例1では、トナー搬送部材2の表面保護層として、供給ローラ3からの帯電列が離れた位置にある材料を用いたので、供給ローラ3によって搬送に良好な帯電量に摩擦帯電したトナーが、トナー搬送部材上で搬送する過程でトナー搬送部材2との摩擦帯電によって、帯電量が大幅に増加して、付着したと考えられる。
[比較例2]
比較例2は、トナーとして、実施例1のトナー母粒子に、1次粒子径が100[nm]の疎水化されたシリカを2部、1次粒子径が10[nm]の疎水化されたシリカを1部添加したものを用いた以外は、比較例1と同じ構成とした。
上記の構成で、トナーを供給・静電搬送させたところ、トナーと供給ローラ3との摩擦帯電が十分行われず、トナー飛散が発生した。また、飛散したトナーがトナー搬送部材に付着して正常な搬送を行うことができなかった。
なお、このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−9[μC/g]であり、トナーとトナー搬送部材2とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−40[μC/g]であった。また、トナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電分布を調べたところ、プラスの帯電したトナーも多く含まれていることがわかった。
このように、供給ローラとして、トナーと摩擦帯電したとき、少なくとも−15[μC/g]以上トナーを摩擦帯電させる部材を用いないと、トナー飛散が発生してしまう。また、トナー搬送部材2に供給されたトナーが十分なホッピングをするのに帯電量不足である。また、トナー飛散したトナーは、帯電量が少ないので、トナー搬送部材に付着するファンデルワールス力などの非静電的な力の方が、電界による搬送力を上回るため、トナー搬送部材に付着すると考えられる。
[比較例3]
トナー搬送部材の表面保護層を形成する材料を、フッ素樹脂であるサイトップ(旭硝子製)とした以外は、実施例1と同じ構成とした。
上記の構成で、トナーを供給・静電搬送させたところ、供給ローラ3から供給されたトナーは、搬送途中でトナー搬送部材2に付着してしまい、搬送が止まってしまった。このときのトナー搬送部材上に付着したトナーの帯電量Q/Mを調べたところ、−2.6[μC/g]しかなかった。このように、トナーの帯電量が−2.6[μC/g]と帯電量が少ないため、ファンデルワールス力などのトナーの非静電的な付着力が搬送電界による搬送力より上回り、トナーが搬送途中でトナー搬送部材2に付着したと考えられる。
なお、このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−19[μC/g]であり、トナーとトナー搬送部材2とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−2[μC/g]であり、供給ローラ3とトナー搬送部材2との帯電列が離れた位置にあることがわかる。
比較例3では、トナー搬送部材の表面保護層として、供給ローラ3からの帯電列が離れた位置にある材料を用いたので、供給ローラ3によって搬送に良好な帯電量に摩擦帯電されたトナーが、トナー搬送部材上で搬送する過程でトナー搬送部材2との摩擦帯電によって、帯電量が大幅に減少して付着したと考えられる。
このように、EH現像方式に用いられるトナー搬送装置においては、トナー搬送部材2の表面保護層を、供給ローラ3の帯電列と近接した位置にある材料を用いて、トナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、供給ローラ3と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値を、10[μC/g]未満にすることで、搬送途中でトナーが搬送部材に付着するのを抑制することができる。これにより、トナーの搬送を均一にすることができ、濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
[実施形態2]
次に、トナー静電搬送装置をフレア現像方式に用いた実施形態2について説明する。
図10は、フレア現像方式に用いるトナー静電搬送装置のトナー搬送部材200を示す図である。
このトナー搬送部材200は、回転駆動することで表面が移動するローラ形状のもので、トナー搬送部材200の一方の軸端から延びる複数の第1電極201aと、他端から延びる複数の第2電極201bを有している。第1電極201aと、第2電極201bとは、所定のピッチで交互に配列されている。トナー搬送部材200の一方のローラ軸203A(図中手前側のローラ軸)に複数の第1電極201aに電圧を入力するための電圧入力端子202aが設けられており、トナー搬送部材200の他方のローラ軸203B(図中手前側のローラ軸)に複数の第2電極201bに電圧を入力するための電圧入力端子202bが設けられている。
ローラ軸端部203Aには、図示しない電極ブラシ等によって図示しない交流電源から図11に示すような周期的に極性が反転するような矩形派の交流電圧Vaが印加され、ローラ軸端部75Bは、図示しない電極ブラシによってアースされている。これにより、トナー搬送部材200の表面に担持されたトナーは、このように周期的に反転するホッピング電界の作用を受けて、第1電極201aと第2電極201bとの間をホッピングして往復移動するような運動を行う。このような運動をフレアと称し、このフレア状態のトナーを現像領域へ搬送して現像を行う方式をフレア現像方式と称する。トナー搬送部材200の表面とフレア状態になったトナーとの付着力は非常に小さくなるので、非常に高効率な現像が実現可能となる。
図12は、実施形態2におけるトナー搬送部材200の断面図である。図に示すようにトナー搬送部材200は、ガラス基材205上にアルミ蒸着によって第1、第2電極パターン201a、201bを形成し、その上に保護層204としての樹脂コートが施されている。
ホッピングによりトナーと搬送部材表面とが無数回衝突してトナーが摩擦帯電するため、表面保護層204を形成する材料としては、トナー搬送部材の表面材料はトナーの電荷を奪ってしまうものではなく、トナーに正規の電荷を与えられる材質である事が好ましい。これは材料の帯電列に倣うものであり、トナー搬送部材の表面保護層を形成する材料としては、例えばSiO等のガラス系のものや、二成分現像剤のキャリアコートに使用されている材料を用いる事が好ましい。
次に、トナー搬送部材200の製作方法の一例について説明する。
図13(a)乃至(e)は、トナー搬送部材200に電極パターンを形成する工程の説明図である。なお、図13(a)乃至(e)は、トナー搬送部材200の回転軸に沿って切断したときの断面図である。
電極パターン形成前のトナー搬送部材200aに対し、まず、図13(a)に示すように、そのローラ表面を外周旋削によって平滑に仕上げる。次に、図13(b)に示すように、溝のピッチが100[μm]、溝幅が50[μm]となるように、溝200cの切削を行う。そして、図13(c)に示すように、溝切削を行ったローラに無電解ニッケル210のメッキを施し、図13(d)に示すように、無電解ニッケル210のメッキを施したローラの外周を旋削して不要な導体膜を取り除く。この時点で電極201a、201bが溝200cの部分に互いに絶縁された状態で形成される。その後、このローラにシリコーン系樹脂をコーティングすることでローラ表面を平滑にし、同時に表面保護層(厚み3〜5[μm]、体積抵抗率約1010[Ω・cm])71dを形成する。なお、この表面保護層71dは、体積抵抗率が10〜1012[Ω・cm]の範囲内であるのが好ましい。
このような製作工程を経て、図10に示すような電極パターンがトナー搬送部材200のローラ表面に沿って形成される。
次に、トナー搬送部材表面の電気的特性の影響を調べるために、表層の体積抵抗率を何点か変えて、同様のフレア活性度を確認した。表層に用いた材料はシリコーン系樹脂であり、そこに分散されるカーボン微粒子の量を変更する事により、10〜1014Ω・cmの体積抵抗率の保護層(厚みは約5μm)を形成した。その結果、体積抵抗率が10〜1012Ω・cmの範囲にある事が適正である事が確認できた。これは、体積抵抗率が非常に高い表層を用いると、飛翔を繰り返すトナーとの摩擦によってトナー搬送部材200の表面が帯電したままになってしまい、また逆にあまりに導電性が高いと、電極群間で電荷のリーク(ショート)が発生してしまうために、効率的なバイアス効果が得られなくなるからである。トナー搬送部材の表面に蓄積した電荷が電極群にうまく逃げられるように、適当な抵抗率(体積抵抗率で10〜1012Ω・cm)となっている必要がある。
上述したフレア現像方式に用いるトナー搬送装置について、実施例および比較例に基づき説明する。
[実施例2]
1.トナー供給部材(供給ローラ)
供給ローラは、実施例1と同じものを用いた。
2.トナー搬送部材
トナー搬送部材は、図10乃至13で説明したトナー搬送部材を用い、トナー搬送部材の保護層としてシリコーン系樹脂を用いた。なお、体積抵抗率は、1011〜1012Ω・cmとした。
3.トナー
トナーは、実施例1と同じトナーを用いた。
4.トナー供給条件、トナー静電搬送条件
トナー搬送部材の複数の第1電極201aに、周波数f1kHz、±200Vの電圧を印加して時間周期的に変化する電界を形成した。なお、トナー供給条件は、実施例1と同じとした。
トナー搬送部材表面に時間周期的に変化する電界を形成して、トナーホッピング状態を観察したところ、長時間ホッピングを繰り返した。また、観察後にトナーの帯電量を調べたところ、トナーの帯電量Q/Mは、−15[μC/g]であった。また、このトナー搬送装置を用いて画像形成を行ったところ、濃度ムラのない画像を得ることができた。
このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−19[μC/g]であり、トナーとトナー搬送部材2とを摩擦帯電させたときのトナーの帯電量Q/Mは、−25[μC/g]であった。
このように、実施例2においては、供給ローラ3と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、トナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値が、6[μC/g]であり、10[μC/g]未満であった。すなわち、これは供給ローラと、トナー搬送部材との帯電列が、近接した位置である。
そして、このように供給ローラとトナー搬送部材との帯電列が、近接した位置にあるときは、トナー付着が発生せず、長時間に渡り良好なホッピングを続けることができることがわかった。また、供給ローラとトナー搬送部材との帯電列が、近接した位置にあるときは、濃度ムラのない画像を得ることができることがわかった。また、供給ローラ3によって摩擦帯電したときの帯電量Q/Mが−33[μC/g]となるトナーに換えて実施したところ、長時間ホッピングを繰り返した。
[比較例4]
比較例4は、トナー搬送部材の表面保護層を形成する材料をフッ素系樹脂した以外は、実施例2と同じ構成とした。
トナー搬送部材表面に時間周期的に変化する電界を形成して、トナーホッピング状態を観察したところ、直ぐにトナーがトナー搬送部材表面に付着してホッピングしなくなった。また、観察後にトナーの帯電量を調べたところ、トナーの電荷がほとんどなくなっていた。
このときのトナーと供給ローラ3とを摩擦帯電させたときの、トナーの帯電量Q/Mは、−19[μC/g]であり、トナーとトナー搬送部材とを摩擦帯電させたときのトナーの帯電量Q/Mは、+3[μC/g]であった。
比較例4では、トナー搬送部材の表面保護層として、供給ローラからの帯電列が離れた位置にある材料を用いたので、供給ローラとの摩擦帯電によってホッピングに良好な帯電量となったトナーが、トナー搬送部材上でホッピングする過程でトナー搬送部材との摩擦帯電によって、帯電量が大幅に減少して付着したと考えられる。
実施例2、比較例4からわかるように、フレア現像方式に用いられるトナー搬送装置においても、トナー搬送部材の表面保護層を、トナー供給部材の帯電列と近接した位置にある材料を用いて、トナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、供給ローラ3と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値を、10[μC/g]未満にすることで、ホッピング中にトナーがトナー搬送部材に付着するのを抑制することができる。これにより、トナーの搬送を均一にすることができ、濃度ムラのない良好な画像を得ることができる。
以上、本実施形態のトナー搬送装置によれば、トナー搬送部材として、摩擦帯電列の関係においてトナー供給部材たる供給ローラ3と近接した位置関係にある部材を用いた。これにより、トナー搬送部材に供給された供給ローラによって適切な帯電量Q/M(−15〜35μC/g)に帯電したトナーがトナー搬送部材上をホッピングしなが搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦帯電によるトナーの帯電量の変動が抑制される。従って、トナー搬送部材のトナー帯電量を適切な範囲Q/M(−15〜35μC/g)に維持することのでき、トナーがトナー搬送部材上を移動中に鏡像力やファンデルワールス力などのトナーのトナー搬送部材への付着力が、電界による力よりも上回ることが抑制され、トナー搬送部材へのトナー付着を抑制することができる。従って、トナーのトナー搬送部材への付着が抑制されるので、均一なトナー搬送性を確保することができるとともに、搬送量の低下を抑制することができるという効果がある。
また、トナーが供給ローラと摩擦帯電したときのトナー帯電量と、トナーがトナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値が、10[μC/g]未満となるようにする。これにより、トナー搬送部材に供給されたトナー供給部材によって適切な帯電量に帯電したトナーがトナー搬送部材上をホッピングしなが搬送される過程で、トナー搬送部材との摩擦帯電によるトナーの帯電量の変動が抑制される。
また、並び順が連続するn(3以上整数)の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設され、電極群における個々の電極に対し、互いにタイミングの異なるn相の電圧を印加して、電圧が印加される各電極上に形成された進行電界によってトナー搬送部材上でトナーをホッピングさせながら搬送する所謂EH現象を用いたトナー搬送装置において、トナーを均一に搬送することができるとともに、トナー搬送量の低下を抑制することができる。
また、トナー搬送部材を回転駆動するローラ部材とし、並び順が連続する2個の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設し、電極間に時間周期的な電位差が形成されるような電圧を、電極群における個々の電極に対し印加して、時間周期的に変化する電界によってトナー搬送部材上のトナーをホッピングさせながら搬送する所謂フレア現象を用いたトナー搬送装置において、トナーを均一に搬送することができるとともに、トナー搬送量の低下を抑制することができる。
また、上述のトナー搬送装置を現像装置に用いることで、良好な現像を行うことができる。
さらに、上述の現像装置を画像形成装置に用いることで、濃度ムラや、濃度低下のない高品位な画像を長期に亘って得ることができる。また、潜像担持体と非接触現像が可能となり、接触現像に比べて潜像担持体の劣化を抑制することができ、装置の高耐久化が可能となる。
さらに、上述の現像装置を互いに異なる色のトナーを像担持体上で重ねてフルカラー画像を形成するフルカラー画像形成装置に用いることで、次のような利点が得られる。すなわち、上述のトナー搬送装置を備えた現像装置は、トナー搬送部材上をホッピングして、像担持体上近傍に近づいたトナーを像担持体上の静電潜像の直流電界によってトナー静電潜像に付着させて現像するものである。このような非接触で像担持体近傍の直流電界によって現像する現像方式であるため、像担持体上に形成されたトナー像上に、潜像を形成し、このトナー像上の潜像を現像して重ね合わせ画像を形成することが可能となる。これにより、各色それぞれ像担持体を設けなくても、各色のトナーが重ね合わさったフルカラー画像を形成することができ、簡易な構成のフルカラー画像形成装置を提供することができる。また、像担持体上のトナー像上の潜像を現像して重ね合わせ画像を形成するので、色ずれの少ない高画質な画像を得ることができる。
また、潜像担持体、帯電手段、クリーニング手段、現像装置を備えた作像ユニットを画像形成装置に対して着脱可能なプロセスカートリッジとすることで、作像ユニットの交換を容易に行うことができる。
本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図。 本実施形態の画像形成装置の他の例を示す概略構成図。 作像ユニット着脱の説明図。 実施形態1のトナー搬送装置のトナー搬送部材をベルト状にした例を示す概略構成図。 同トナー搬送部材を板状にした例を示す概略構成図。 同トナー搬送部材の概略断面説明図。 同トナー搬送部材の平面説明図。 3相のパルス状駆動波形を、タイミングをずらして印加した駆動波形の説明図。 連続する3つのタイミングのときの複数の電極に印加される極性の変化の説明する模式図。 実施形態2のトナー搬送装置のトナー搬送部材を示す斜視図。 2相の駆動波形の説明図。 同トナー搬送部材の概略断面説明図。 (a)乃至(e)は同トナー担持ローラに電極パターンを形成する工程の説明図。
符号の説明
2 トナー搬送部材
3 トナー供給ローラ
4 スポンジローラ
14 トナー収容部
15 撹拌パドル
100 トナー搬送装置
101 ベース基板
102 電極
103 表面保護層
200 トナー搬送部材
204 表面保護層
501 作像ユニット
503 転写材搬送ベルト
510 プリンタ
561 感光体
562 感光体駆動ローラ
564 一括転写対向ローラ
565 帯電チャージャ
566 現像装置
568 一括転写ローラ

Claims (9)

  1. 所定方向に並ぶ複数の電極を有するトナー搬送部材と、トナーを摩擦帯電させてトナー搬送部材の表面に供給するトナー供給部材と、トナー搬送部材の複数の電極に印加するための電圧を出力する電圧出力手段とを備え、それら電極にそれぞれ該電圧を印加することで、該トナー搬送部材の表面上のトナーをホッピングさせて該電極の並び方向に搬送するトナー搬送装置において、
    トナー供給部材とトナー搬送部材との摩擦帯電列の関係が、近接した位置関係にあることを特徴とするトナー搬送装置。
  2. 請求項1のトナー搬送装置において、
    トナーが前記トナー供給部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量と、トナーが前記トナー搬送部材と摩擦帯電したときのトナー帯電量との差の絶対値が、10[μC/g]未満であることを特徴とするトナー搬送装置。
  3. 請求項1または2のトナー搬送装置において、
    前記複数の電極は、並び順が連続するn(3以上整数)の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設されたものであり、
    前記電圧出力手段は、電極群における個々の電極に対し、互いにタイミングの異なるn相の電圧を印加するものであり、電圧が印加される各電極上に形成された進行電界によってトナー搬送部材上でトナーをホッピングさせながら搬送することを特徴とするトナー搬送装置。
  4. 請求項1または2のトナー搬送装置において、
    前記トナー搬送部材は、回転駆動するローラ部材であり、
    前記複数の電極は、並び順が連続する2個の電極からなる電極群が、所定方向に繰り返し配設されたものであり、
    電圧出力手段は、電極間に時間周期的な電位差が形成されるような電圧を、電極群における個々の電極に対し印加するものであり、時間周期的に変化する電界によってトナー搬送部材上のトナーをホッピングさせながら搬送することを特徴とするトナー搬送装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかのトナー搬送装置を備えたことを特徴とする現像装置。
  6. 請求項5の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    複数の現像装置を備え、現像装置には、それぞれ互いに異なる色のトナーが収容されており、前記互いに異なる色のトナーを像担持体上で重ねることを行うことを特徴とする画像形成装置。
  8. 潜像担持体、帯電手段、クリーニング手段、現像装置を備え、画像形成装置に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像装置として、請求項5の現像装置を用いたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  9. 請求項8のプロセスカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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