JP2008075881A - トルク変動吸収装置 - Google Patents

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昌和 神谷
Hideji Sadakari
秀治 貞苅
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Abstract

【課題】軽量化、低コスト化を図ること。
【解決手段】被駆動側回転部材(30)を、ドリブンディスク(31)とこれを多数のボルトにより結合するフライホイール(33)とで構成し、ドリブンディスクをフライホイールに結合させる多数のボルトの周方向間隔をドリブンディスクのトルク受渡し部の近傍ではこのトルク受渡し部から離れた位置でのボルトの周方向間隔よりも狭くした。
【選択図】 図5

Description

この出願の発明は、自動車等の駆動系内に介装されるトルク変動吸収装置に関するものである。
自動車のエンジンの出力軸と変速機の入力軸との間に介装されてトルク変動を吸収させるトルク変動吸収装置は公知であり、例えば特開平10−132028号公報に記載されているように、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせるコイルスプリング等の弾性部材を設置している。そして、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間に所定の摩擦抵抗トルクを与える1つ以上のヒステリシス装置を設置している。低トルク域から高トルク域に亘り良好なトルク変動吸収性能を発揮させるために捩り特性(駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回動角度とトルクとの関係を表す)を折れ線状に設定可能であり、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間でトルク伝達をするコイルスプリングが遠心力により他部材と接触し摩耗して損傷する可能性を低くしたものとして、例えば特開平10−132028号公報の図7に示されたものがある。
このトルク変動吸収装置においては、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材が半径方向内方に向いた円筒状のガイド面を設け、このガイド面の内径側に駆動側回転部材と同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材の外周とガイド面との間に周方向の空間を形成し、駆動側回転部材および被駆動側回転部材には空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、ガイド面により摺動可能にガイドさせたスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させた2個の低ばね荷重のコイルスプリングおよびこのコイルスプリングのばね荷重より大きいばね荷重も5個の高ばね荷重のコイルスプリングを周方向に直列にかつ周方向空間の周方向両端部に低ばね荷重のコイルスプリングが位置するように設置している。そして、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間の所定の最大捩り角を超える捩りは、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間にスプリングシートを介する当接関係が生じることで規制され、併せて各コイルスプリングの密着が防止されている。
特開平10−132028号公報
トルク変動吸収装置に対する要求項目としては、高耐久性、低トルク域から高トルク域に亘る良好なトルク吸収性能、安定したトルク吸収性能、低騒音、小型、軽量、低コストなどがある。
上記公開公報の図7に示されたトルク変動吸収装置は、低トルク域から高トルク域に亘り良好なトルク変動吸収性能を発揮させるために捩り特性(駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対捩り角とトルクとの関係を表す)を折れ線状に設定可能であり、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間でトルク伝達をするコイルスプリングが遠心力により他部材と接触し摩耗して損傷する可能性を低くするため、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材が半径方向内方に向いたガイド面を設け、駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材の一部分をガイド面の内径側に配置してその外周とガイド面との間に周方向の空間を形成し、駆動側回転部材および被駆動側回転部材には空間内に突入するトルク受渡し部をそれぞれ設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間には、ガイド面により摺動可能にガイドさせた低摩擦樹脂製のスプリングシートによってそれぞれの両端を支持させた2個の低ばね荷重のコイルスプリングおよびこのコイルスプリングのばね荷重より大きいばね荷重の5個の高ばね荷重のコイルスプリングを周方向に直列にかつ周方向空間の周方向両端部に低ばね荷重のコイルスプリングが位置するように設置している。そして、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との間の所定の最大捩り角を超える捩りは、駆動側回転部材のトルク受渡し部と被駆動側回転部材のトルク受渡し部との間にスプリングシートおよび各コイルスプリングの内側に設置した浮動ストッパ部材を介する当接関係が生じることで規制され、併せて各コイルスプリングの密着が防止されている。
しかしながら、スプリングシートが樹脂製であり、樹脂は熱伝導性が悪いため、ガイド面とスプリングシートの摩擦により発生する熱はスプリングシートにこもり、スプリングシートのガイド面との摩擦部の摩耗の進行が速い他、スプリングシートの強度が低下して破損し易く、耐久性の面で十分とは言えない。
また、コイルスプリングが7個直列であり、1個当たりの長さが長いため、遠心力による半径方向外方への張り出し量が大きくなり、コイルスプリングの応力が高くなって破損し易い他、コイルスプリングがガイド面に接触してコイルスプリングが摩耗したり、ガイド面の面粗度が悪化してスプリングシートの摩耗が促進される心配もあり、耐久性の面で十分とは言えない。これを回避するためには、コイルスプリングの数を増やし、浮動ストッパ部材を無くすと共にスプリングシートのボス部を少し延長することが考えられるが、ボス部の外周とコイルスプリングとの間にはボス部の全長に亘って殆ど隙間がないので、コイルスプリングのに働く遠心力がボス部の先端に負荷されてスプリングシートの破損に至る。
上記公開公報に記載のトルク変動吸収装置は、2つのヒステリシス機構を設置しており、その1つは、被駆動側回転部材の前記一部分に形成した窓部に軸方向へ移動可能に挿通したブロック状のスラストライニングと、駆動側回転部材に対して一体に回転するが軸方向には移動可能に連結されかつスラストライニングを駆動側回転部材とで軸方向両側から挟み付けるスラストプレートと、このスラストプレートをスラストライニングに向けて付勢するコーンスプリングとによって構成し、スラストライニングと摩擦させる駆動側回転部材の摩擦面に、スラストライニングの半径方向外側への移動を抑制させる段部を設け、コーンスプリングのスラストプレートへの着力点を半径方向におけるスラストライニングの中心よりも内径側に配置している。
しかしながら、スラストライニングの半径方向外側への移動を抑制させる段部の位置とコーンスプリングの着力点が半径方向においてずれているため、遠心力によりスラストライニングが段部を乗り越えて脱落するが予測され、耐久性の面で十分とは言えない。
また、従来のトルク変動吸収装置の上記ヒステリシス装置では、スラストプレートに形成した複数折り曲げ爪部の内周側面とコーンスプリングの外周面とでコーンスプリングの半径方向における位置決めが行われていたが、爪部とコーンスプリングの外周面との間の不可避な隙間によってコーンスプリングの位置が偏心し、スラストライニングに偏荷重が作用してスラストライニングが偏摩耗する他、スラストライニングの脱落を助長し、従って耐久性の面で十分とは言えない。
また、従来のトルク変動吸収装置の上記ヒステリシス装置では、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との相対回転時にスラストライニングと被駆動側回転部材が直接に当接するようになっており、スラストライニングの耐摩耗性を高めるためにその材料として高硬度の材料を使用した場合には耳障りな衝突音が発生し、騒音の面で十分とは言えない。
更に、従来のトルク変動吸収装置の上記ヒステリシス機構は、乾式であるため、摩擦抵抗トルクの経時変化が大きく、トルク変動吸収性能および耐久性の面で十分とは言えない。
また、従来のトルク変動吸収装置では、小型化、軽量化、低コスト化のために、被駆動側回転部材を、その一部分を構成するドリブンディスクとこれを多数のボルトにより結合するフライホイールとで構成し、これらボルトは周方向に等間隔で配置し、またこれらボルトの頭部を上記一部分の反フライホイール側に配置すると共に駆動側回転部材にはボルトの締込み作業用の多数の孔を形成している。
しかしながら、外部に塵埃などがボルトの締込み作業用の多数の孔から内部に侵入して不具合を発生させ、耐久性の面で十分とは言えない。また、ボルトの間隔が高負荷部位を基準にして設定されるので、ボルトの数が多くなり、軽量化、低コスト化の面で十分とは言えない。
更に、従来のトルク変動吸収装置では、小型化、軽量化、低コスト化のために、駆動側回転部材を、外周部で互いにレーザー溶接した第1ドライブプレートおよび第2ドライブプレートを用いて構成していたが、レーザーの照射範囲が狭いため、接合面を正確に狙わなければならず、不良品ができやすく、低コスト化の面で十分とは言えない。
請求項1の発明は、ボルトの配列を合理的にすることを通して主たる目的を達成し、請求項2の発明は、外部に塵埃等の侵入を防止することを通して主たる目的を達成し、請求項3の発明は、2つのドライブプレートの溶接構造を改良することを通して主たる目的を達成するものである。
この出願の請求項1の発明は、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記被駆動側回転部材を、前記一部分を構成するドリブンディスクとこれを多数のボルトにより結合するフライホイールとで構成し、前記ドリブンディスクを前記フライホイールに結合させる前記多数のボルトの周方向間隔を前記ドリブンディスクの前記トルク受渡し部の近傍ではこのトルク受渡し部から離れた位置でのボルトの周方向間隔よりも狭くしたことを特徴とするトルク変動吸収装置である。
このトルク変動吸収装置においては、ボルトの周方向間隔を、トルク受渡し部の近傍の高負荷部位では狭くし、トルク受渡し部から遠い低負荷部位では広くし、負荷の大きさに見合った合理的配置としたので、ボルトの数を必要最小限にすることができる。
この出願の請求項2の発明は、エンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記被駆動側回転部材を、前記一部分を構成するドリブンディスクとこれを多数のボルトにより結合するフライホイールとで構成し、前記多数のボルトの頭部を前記一部分の反フライホイール側に配置すると共に前記駆動側回転部材には前記ボルトの締込み作業用の多数の孔を形成し、これら孔を前記駆動側回転部材の外側から塞ぐ孔閉鎖部材(駆動側回転部材の外側に隣接させたプレートや駆動側回転部材の外面に貼り付けた粘着テープ等)を設置したことを特徴とするトルク変動吸収装置である。
このトルク変動吸収装置においては、外部の塵埃等がボルトの締込み作業用の多数の孔から内部に侵入しないので、耐久性が向上する。
この出願の請求項3の発明は、外周部で互いに溶接した第1ドライブプレートおよび第2ドライブプレートを備えかつエンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記第1ドライブプレートと前記第2ドライブプレートの前記溶接をプラズマ溶接としたことを特徴とするトルク変動吸収装置である。
このトルク変動吸収装置においては、プラズマ溶接は接合幅が広いため、接合面の位置が多少ずれても確実に溶接でき、不良品の発生が減少し、低コスト化する。
図1〜図5は、この出願の発明に係るトルク変動吸収装置の第1実施形態を示すものであり、図1は縦断面図、図2は図1の右方から見た一部切除正面図、図3は図2の一部の拡大図、図4は図1の一部の拡大図、図5は図1中のドリブンディスクの正面図である。図1、図2においては、図を見易くするため、断面を示すハッチングは省略されている。図1〜図5において、トルク変動吸収装置10は、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30とを有する。駆動側回転部材20は、第1ドライブプレート21、第2ドライブプレート22、リングギヤ23、イナーシャリング24、インナープレート25、スペーサ26、27を主たる構成要素としている。第1ドライブプレート21の外周部の円筒状部21bはその内周によりガイド面21aを構成している。第1ドライブプレート21、第2ドライブプレート22、イナーシャプレート24は外周部にて溶接され、リングギヤ23は第1ドライブプレート21に溶接されている。第1ドライブプレート21、第2ドライブプレート22、イナーシャプレート24の溶接には、この出願の発明に従ってプラズマ溶接が採用されており、接合面の位置に多少のずれがあっても確実に溶接されるようにされている。リングギヤ23と第1ドライブプレート21の溶接にはアーク溶接が採用されている。第1ドライブプレート21、インナープレート25、スペーサ26、27はリベットにより結合されており、これらに形成された軸方向孔にボルト(図示省略)を挿通してエンジン出力軸(図示省略)に螺合することによりエンジンと結合される。
被駆動側回転部材30は、軸方向において第1ドライブプレート21と第2ドライブブレート22との間に位置するドリブンディスク31と、このドリブンディスク31が周方向に間隔を置いて配置された8個のボルト32により結合されたフライホイール33とを有する。このフライホイール33は、インナープレート25によりボールベアリング40を介して回転自在に支承されている。フライホイール33は、エンジンと変速機(図示省略)との間のトルク伝達を断続する摩擦クラッチ(図示省略)のための摩擦面33aを有している。
ボルト32の頭部は、図1に示されるように、軸方向において第1ドライブプレート21とドリブンディスク31との間に配置されている。このボルト32の締め込み作業のための8個の孔21cが第1ドライブプレート21に設けられている。トルク変動吸収装置10の外部の塵埃等が孔21cから内部に侵入するのを防止するため、孔21cをドライブプレート21の外側から覆って塞ぐ粘着テープ41が第1ドライブプレート21の外面に貼り付けられている。粘着テープ41のテープの材質は、ポリエステルである。
第1ドライブプレート21のガイド面21aとドリブンディスク31の外周との間には周方向の空間50が形成されている。この空間50には、周方向に180度ずれた2個所のそれぞれにおいて、ドライブプレート21、22にリベットで結合された一対のトルク受渡し部材28、29とドリブンディスク31の外周に形成されてトルク受渡し部材28、29間に位置するトルク受渡し部31aが設置される。
周方向に180度ずれて位置するトルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとの間の2つの周方向空間のそれぞれには、第1ドライブプレート21のガイド面21aにより摺動可能にガイドさせた9個のスプリングシート60〜68によってそれぞれの両端を支持させた3個の低ばね荷重のコイルスプリン70〜72、2個の中ばね荷重のコイルスプリング73、74、3個の高ばね荷重のコイルスプリング75、76、77が周方向に直列に設置されている。
スプリングシート60〜68のそれぞれは、この出願の発明に従って、図3に示すように、ガイド面21aと摺動させる樹脂製の摺動部材Aとコイルスプリングの端を支持させる熱伝導性の良いアルミニウム合金製のシート部材Bとを互いに熱接触するように結合することで構成されている。これにより、摺動部材Aとガイド面21aとの摩擦により発生する熱が摺動部材Aからシート部材Bに伝達してシート部材Bから良好に放熱され、摺動部材Aに熱がこもることに起因する耐摩耗性および強度の低下が防止される。摺動部材Aとシート部材Bとの結合は、図3に示されるように、半径方向において互いに対向させた摺動部材Aの面とシート部材Bの面のうち、摺動部材Aの面に設けた凸部Aaをシート部材Bの面に設けた対応する凹部Baに接着剤を介在させて嵌合することにより達成されている。接着剤には、熱伝導性を高めるためアルミニウム合金粉末が混入されている。
図2および図3に示されるように、各シート部材Bには、コイルスプリングの内周側へ突出するボス部Bbが形成されている。ボス部Bbには先細となるようにテーパが付けてあり、ボス部Bbの付け根部の外径はコイルスプリングの内径に近似されている。而して、ガイド面21aによりガイドされたスプリングシート60〜68によりコイルスプリング70〜77のそれぞれの両端を支持させた構成により、コイルスプリング70〜77のそれぞれが遠心力で第1ドライブプレート21のガイド面21aに当接し摩耗して損傷することが防止される。また、ボス部Bbの外周とコイルスプリングの内周との間には、ボス部Bbの付け根部以外の個所に逃げ空間Cが存在するため、コイルスプリングに働く遠心力はボス部Bbの付け根部に負荷されるがボス部Bbの先端部等には負荷されないため、ボス部Bbの付け根部の応力の過大化が抑制され、シート部材Bの損傷が回避される。更に、コイルスプリングの両端のシート部材Bの対向する2つのボス部Bbは、コイルスプリングの撓み量の増加に応じて互いに接近し、互いに当接することによってコイルスプリングの撓み量を限定してコイルスプリングの密着を防止する。これから判るように、コイルスプリング70〜77のばね荷重は、その撓み量に応じて変化するものである。そして、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との最大捩れ角は、トルク受渡し部材28、29とトルク受渡し部31aとがスプリングシート60〜68を介して当接関係になることで規定される。
エンジンの回転方向は図2に矢印で示す正回転方向Fであり、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間に働くエンジン駆動トルクの方向は正回転方向Fに一致する。また、駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間に働くエンジンブレーキトルクの方向は、図2に矢印で示した負回転方向Rに一致する。
コイルスプリング70〜77の配列は、周方向空間の正回転方向F側の一方端部から他方端部へ、高ばね荷重のコイルスプリング75、76、中ばね荷重のコイルスプリング73、低ばね荷重のコイルスプリング70、71、72、中ばね荷重のコイルスプリング74、高ばね荷重のコイルスプリング77の順に配置されている。そして、高ばね荷重のコイルスプリング75〜77のそれぞれのばね荷重の最大値は、エンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。尚、コイルスプリング75の最小ばね荷重(セット時のばね荷重)がエンジンの最大駆動トルクの伝達に必要な値よりも小さく設定されている。
スプリング77のばね荷重の最大値は、エンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも大きい値に設定されている。コイルスプリング77の最小ばね荷重(セット時のばね荷重)がエンジンの最大ブレーキトルクの伝達に必要な値よりも小さく設定されている。
ドリブンディスク31は、図5に示すように、ボルト32を通すための8個の孔31b〜31bを有している。これらの孔31b〜31bほ周方向間隔は、周方向において、トルク受渡し部31aに近い部位では狭くされ、トルク受渡し部31aから遠い部位では広くされている。即ち、負荷が大きい部位ではボルト32の周方向間隔が狭くされ、負荷が小さい部位ではボルト32の周方向間隔が広くされているものであり、8個のボルト32が合理的に配置されている。
駆動側回転部材20と被駆動側回転部材30との間には、その両者の相対回転、即ち捩りに対して所定の摩擦抵抗トルクを発生させるヒステリシス装置80、90が介装されている。
ヒステリシス装置80は、ドリブンディスク31に形成された周方向に長い6個の窓部31c〜31cに移動可能に挿通された6個のブロック状のスラストライニング81〜81と、第2ドライブプレート22に対し一体に回転するが軸方向へ移動可能に連結されていてスラストライニング81〜81を第1ドライブプレート21とで軸方向両側から挟むリング状のスラストプレート82と、このスラストプレート82をスラストライニングに向けて付勢するコーンスプリング83とからなる。第2ドライブプレート22とスラストプレート82の連結は、スラストプレート82の外周縁に設けた3個以上の折り曲げ爪部82aを第2ドライブプレート22に形成した角孔22aに挿通することで達成されている。各折り曲げ爪部82aは、コーンスプリング83の外周縁に形成された対応する切欠部83aにも嵌合されている。この切欠部83aと折り曲げ爪部82aの嵌合が周方向において3個所以上存在することから、周方向における折り曲げ爪部82aの周方向両端とドライブプレート22との当接によりコーンスプリング83が正確に芯出しされ位置決めされる。これにより、スラストライニング81に対する偏荷重の作用が回避され、スラストライニング81の偏摩耗が防止される。
スラストライニング81が遠心力により脱落するのを確実に防止するため、第1ドライブプレート21の摩擦面には段部21dが設けられ、そしてコーンスプリング83のスレストプレート82への着力点は半径方向においてスラストライニング81の中心より外径側に配置されている。
ヒステリシス装置80により発生される摩擦抵抗トルクの経時変化を抑制するため、スラストライニング81とドライブプレート21、スラストプレート82の摩擦部にはグリ―スが塗布されている。そして、グリースの潤滑作用を長期に亘って維持させるため、スラストライニング81の摩擦面にはグリース溜め81aが設けられている。
更に、スラストライニング81が直接ドリブンディスク31と当接することにより発生する耳障りな衝突音を無くすため、ドリブンディスク31の各窓部31cの周方向両端にはゴム部材84が取着され、スラストライニング81がゴム部材84を介してドリブンディスク31との間に当接関係を持つようにされている。各ゴム部材84の窓部31cへの取着は、ゴム部材84に予圧縮を与えて窓部31cの周方向端の幅広部31dに嵌め込むか、或いはドリブンディスク31の窓部31cの周方向両端にゴム部材保持用の突起を設けることにより達成する。
第2ヒステリシス装置90は、インナープレート25に対して回転不可能であるが軸方向へは移動可能に連結されたスラストプレート91と、このスラストプレート91とフライホイール33とで軸方向両側から挟まれかつスラストプレート91に対し回転不可能に連結されたスラストライニング92と、スラストプレート91をスラストライニング92側へ付勢するコーンスプリング93とからなる。このヒステリシス装置90の摩擦部にもグリースが塗布されている。
図6は、図1〜図5に示すトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。図2は捩り角がゼロの状態を示しており、各トルク受渡し部31aとこれに隣接するスプリングシートとの間には、それぞれ空隙がある。この空隙は捩り角が図6の捩り角θ1または−θ1に達したときに消滅する。捩り角が図6の捩り角θ1〜θ2、−θ1〜−θ2の範囲では、コイルスプリング70〜77が伸縮する。捩り角が図6の捩り角θ2、−θ2に達すると低ばね荷重のコイルスプリング70〜72が縮み切り、捩り角が図6の捩り角θ2〜θ3、−θ2〜−θ3の範囲では、コイルスプリング73〜77が伸縮する。捩り角が図6の捩り角θ3、−θ3に達するとコイルスプリング74、75も縮み切り、図6の捩り角θ3〜θ4、−θ3〜−θ4の範囲では、高ばね荷重のコイルスプリング75〜77が伸縮する。図6に示すヒステリシストルクH2はヒステリシス装置80によって与えられ、またヒステリシストルクH1はヒステリシス装置90によって与えられる。
スラストライニング81が遠心力により脱落するのをより確実に防止するため、図7に示されるように、第1ドライブプレート21の摩擦面およびスラストプレート82の摩擦面に段部21dおよび82bをそれそれ設け、そしてコーンスプリング83のスレストプレート82への着力点を半径方向においてスラストライニング81の中心より外径側に配置することとしてもよい。
また、スプリングシート60〜68のそれぞれのシート部材BのボスBbの付け根部以外の個所にコイルスプリングの遠心力を負荷させないための逃げ空間Cは、半径方向においてボス部Bbの内側にあれば足りるので、図8に示すように、ボス部Bbの半径方向内側に段部Bcを設けることにより逃げ空間Cを設けることとしてもよい。
更に、図9に示すように、第1ドライブプレート21に設けたボルト締込み作業用の孔21cは、第1ドライブプレート21とスペーサ26との間に挟み込ませたプレート42により覆わせて塞ぐこととしてもよい。
この出願の発明のトルク変動吸収装置の第1実施形態の縦断面図である。 図1の右方から見た一部切除正面図である。 図2の一部拡大図である。 図1中の一部拡大図である。 図1中のドリブンプレートの正面図である。 図1〜図5に示すトルク変動吸収装置の捩り特性を示す線図である。 図4の第1ヒステリシス装置80の変形例を示す図である。 図3中のシート部材Bのボス部Bbの変形例を示す図である。 ボルト締込み用孔を塞ぐ構造の変形例を示す図である。
符号の説明
10、110・・・トルク変動吸収装置
20・・・駆動側回転部材
21、22・・・ドライブプレート
21a・・・駆動側回転部材のガイド面
21d・・・段部
28、29・・・駆動側回転部材のトルク受渡し部材
30・・・被駆動側回転部材
31・・・ドリブンディスク
31a・・・被駆動側回転部材のトルク受渡し部
31b・・・ボルト用の孔
31c・・・窓部
32・・・ボルト
40・・・ボールベアリング
50・・・空間
60〜68・・・スプリングシート
A・・・摺動部材
Aa・・・凸部
B・・・シート部材
Ba・・・凹部
Bb・・・ボス部
C・・・逃げ空間
70〜77・・・コイルスプリング
80、90・・・ヒステリシス装置
81・・・スラストライニング
82・・・スラストプレート
82a・・・折り曲げ爪部
82b・・・段部
83・・・コーンスプリング
83a・・・切欠部

Claims (3)

  1. エンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記被駆動側回転部材を、前記一部分を構成するドリブンディスクとこれを多数のボルトにより結合するフライホイールとで構成し、前記ドリブンディスクを前記フライホイールに結合させる前記多数のボルトの周方向間隔を前記ドリブンディスクの前記トルク受渡し部の近傍ではこのトルク受渡し部から離れた位置でのボルトの周方向間隔よりも狭くしたことを特徴とするトルク変動吸収装置。
  2. エンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記被駆動側回転部材を、前記一部分を構成するドリブンディスクとこれを多数のボルトにより結合するフライホイールとで構成し、前記多数のボルトの頭部を前記一部分の反フライホイール側に配置すると共に前記駆動側回転部材には前記ボルトの締込み作業用の多数の孔を形成し、これら孔を前記駆動側回転部材の外側から塞ぐ孔閉鎖部材を設置したことを特徴とするトルク変動吸収装置。
  3. 外周部で互いに溶接した第1ドライブプレートおよび第2ドライブプレートを備えかつエンジンと一体に回転する駆動側回転部材にトルク受渡し部を設け、前記駆動側回転部材に対して同軸的にかつ回転自在に配置した被駆動側回転部材にもトルク受渡し部を設け、これら両トルク受渡し部の間の周方向空間にはトルク伝達を行わせる弾性部材を設置したトルク変動吸収装置において、前記第1ドライブプレートと前記第2ドライブプレートの前記溶接をプラズマ溶接としたことを特徴とするトルク変動吸収装置。
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