JP2008075037A - 樹脂組成物、樹脂組成物を用いた成形体、シール材、コンパウンド、及び成形体の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
樹脂組成物、樹脂組成物を用いた成形体、シール材、コンパウンド、及び成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】
塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤60〜250質量部、及び無機充填剤30〜250質量部を含有する樹脂組成物。本発明の樹脂組成物の成形体は密閉効果に優れ、高い難燃性を有するため、建材の中でも難燃性を要求される部品、例えば外壁材、窓枠、ガラスガスケット等の用途に適しており、特に複層ガラスガスケットに好適に用いられる。
【選択図】図1
Description
塩化ビニル系樹脂は主鎖に塩化ビニル化合物単位又は塩素化塩化ビニル単位を有する樹脂であればよく、例えば塩化ビニルのホモポリマーが挙げられる。塩化ビニル系樹脂は他のビニル化合物単量体に由来する単量体単位を有する共重合体であっても良く、これらの単量体単位を主鎖又は側鎖に持つグラフト共重合体であっても良い。グラフト共重合体としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、又は塩素化ポリエチレン等に塩化ビニルをグラフト共重合した塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
(1)酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、
(2)メチルアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、
(3)メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、
(4)ブチルマレートやジエチルマレート等のマレイン酸エステル類、
(5)ジブチルフマレートやジエチルフマレート等のフマル酸エステル類、
(6)ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニルオクチルエーテル等のビニルエーテル類、
(7)アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等のシアン化ビニル類、
(8)エチレン、プロピレン、及びスチレン等のオレフィン類、
(9)塩化ビニリデンや臭化ビニル等の塩化ビニル以外のハロゲン化ビニリデンやハロゲン化ビニル類、
(10)ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JIS K−6721で測定される平均重合度で1700以上が好ましく、1800〜3800がより好ましい。平均重合度が前記範囲内であれば密封性が高く、成形しやすい。
リン酸系可塑剤は塩化ビニル系樹脂用のリン酸系可塑剤であれば特に限定されず、例えばトリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート、トリキシリルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート、含ハロゲンポリホスフェート等が挙げられ、これらのリン酸系可塑剤を1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
無機充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、及びシリカの粉末が挙げられ、タルクが好適に用いられる。無機充填剤は複数の成分の混合粉や、複数の粒度分布を持つ粉末を併用してよい。
タルクは含水珪酸マグネシウム塩の粘土鉱物の一種で、その組成は(MgO)x(SiO2)y・zH2 Oである(x、y、zは正値)。タルク中のMgの一部がCa2+等の2価の金属イオンに置換されてもよい。タルクの粒径は特に制限はないが、レーザー散乱法によるメジアン粒径で0.8μm〜30μmが好ましく、1.0μm〜25μmがより好ましく、1.5μm〜20μmが最も好ましい。タルクのメジアン粒径が小さい場合に比べて分散性が良く平滑な表面が得られ、メジアン粒径が大きい場合に比べて成形体表面が平滑になり、良好な外観となる。
硬質塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル系樹脂を主体とし、可塑剤含有量が30質量%以下のものが用いられる。硬質塩化ビニル系樹脂には、塩素化処理をしていない塩化ビニル系樹脂も使用可能だが、塩素化塩化ビニル系樹脂を含有し、塩素含有量が60〜70質量%であることが好ましい。
樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば樹脂組成物の各成分を混合し、溶融成形する方法が挙げられる。樹脂組成物の製造に用いる手段や各成分の混合手順は限定されず、例えば(1)原料を混合してシール材に直接成形する方法や、(2)リン酸系可塑剤及び無機充填剤を含有するコンパウンドをあらかじめ製造しておき、コンパウンドと塩化ビニル系樹脂を加熱溶融して押出機で成形する方法が挙げられる。コンパウンドは造粒してペレット状に成形したものが好適に用いられる。
樹脂組成物やコンパウンドから成形体を得る方法は例えば複数の混練押出装置を用い、樹脂組成物と硬質塩化ビニル系樹脂を別々の混練押出装置から同一の金型に注入して成形する共押出成形法、例えば2色成形法が好適に用いられる。
成形体の用途は限定されず、一般的な建材用途用パッキン、ガスケット等のシール材としても使用可能だが、例えば難燃性が必須となる建築用ガスケット、パッキン、目地材等への用途に好適に用いられる。
樹脂組成物の配合を表1に示す。各原材料を75リットルのヘンシェルミキサーに入れて撹拌混合後、90mm単軸押出機(池貝鉄工社製)にて混練ペレット化を行い、樹脂組成物Aのペレット15kgを得た。
塩化ビニル系樹脂A:平均重合度1700、市販品。
塩化ビニル系樹脂B:平均重合度3800、市販品。
リン酸系可塑剤:TCP(トリクレジルホスフェート)、市販品。
タルク:中国産、メジアン粒径13μm、市販品。
硬質塩化ビニル系樹脂は、塩素化塩化ビニル系樹脂100質量部、タルク20質量部、安定剤4質量部、及び顔料3質量部を樹脂組成物Aと同様の方法でペレット化した。塩素化塩化ビニル樹脂は平均重合度700の樹脂を用いた。硬質塩化ビニル系樹脂の荷重撓み温度(JISK−7207のA法)は92℃であった。
塩素化塩化ビニル樹脂:H−527(塩素含有量65.0%)鐘淵化学工業社製
タルク:中国産、平均粒径13μm、市販品。
安定剤:カルシウム−亜鉛系安定剤、市販品。
押出機A 40mm単軸押出機(プラスチック工学研究所社製)
押出機B 65mm単軸押出機(池貝鉄工社製)
表面の外観:共押出成形体の外観を目視で評価した。
○:所定の形状に成形されており、ブツがなかった。
×:所定の形状に成形されていないもの(成形不良)又はブツがあった。
密閉性(常温時の軟質材の変形):500mmの長さに切断した共押出成形体が所定の形状に成形されているか目視で評価した。
○:表面にブツなし
×:表面にブツがあった
○:ガスケット形状にした成形体のガラス面に対する接触が良好である
×:ガスケットのリップが軟らかく折れ曲がる
乙種防火戸用発熱特性試験:500℃加熱炉中に試料を10分間設置し、着炎の有無を調べ、着炎したものは、着炎時の試料表面温度を評価した。
−:着炎なし。
着炎した試料は表3に着炎時間(秒)を記載した。また、「700℃を超える温度時間面積」として、発熱特性試験において、700℃を超える温度温度(℃)と700℃を超えている時間(分)の積を併記した。
○:形状保持
×:形状保持せず、炉内で崩れる。
硬さデユーロA、引張強さ、伸び、圧縮永久歪み(100℃22h)、感温性(−10℃22h)、耐久性(100℃で72時間保持した後の引張強さ変化、伸び変化、硬さ変化、及び加熱減量を評価した)
評価結果を表3に示す。
2 硬質塩化ビニル系樹脂
Claims (8)
- 塩化ビニル系樹脂100質量部、リン酸系可塑剤60〜250質量部、及び無機充填剤30〜250質量部を含有する樹脂組成物。
- 無機充填剤がタルクである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 塩化ビニル系樹脂の平均重合度が1700以上である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いた成形体。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物と硬質塩化ビニル系樹脂とを共押出成形してなる成形体。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を用いたシール材。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物を造粒してなるコンパウンド。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂組成物と硬質塩化ビニル系樹脂とを共押出成形してなる成形体の製造方法。
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