JP2008074750A - 柑橘類果実の浮皮抑止剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】微量要素を必須成分としない柑橘類果実の浮皮抑止剤。
【解決手段】本願発明の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、第二リン酸カリウムを有効成分とし、第二リン酸カリウムの希釈率が100倍〜500倍の水溶液として葉面散布される。夏期及び秋期に散布すると柑橘類果実の浮皮の抑止に有効である。有効(必須)成分は第二リン酸カリウムだけであり、硼素のような、過剰を避ける必要がある微量要素を必須成分としないので、施肥される(肥料に含まれる)微量要素量を考慮して施用する必要はなく、農家にとって使いやすい浮皮抑止剤である。
【選択図】 なし
【解決手段】本願発明の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、第二リン酸カリウムを有効成分とし、第二リン酸カリウムの希釈率が100倍〜500倍の水溶液として葉面散布される。夏期及び秋期に散布すると柑橘類果実の浮皮の抑止に有効である。有効(必須)成分は第二リン酸カリウムだけであり、硼素のような、過剰を避ける必要がある微量要素を必須成分としないので、施肥される(肥料に含まれる)微量要素量を考慮して施用する必要はなく、農家にとって使いやすい浮皮抑止剤である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、柑橘類果実の浮皮の発生を抑止する浮皮抑止剤の技術分野に属する。
例えば温州ミカン等の柑橘類の果実では、通常は相互に密着している果皮とじょう嚢とが分離してしまうことがあり、この現象は浮皮と呼ばれている。
浮皮が発生すると果実の成熟が不十分となる等、果実の商品価値を低下させるばかりでなく腐敗の原因ともなるため、その抑止策が求められていた。
浮皮が発生すると果実の成熟が不十分となる等、果実の商品価値を低下させるばかりでなく腐敗の原因ともなるため、その抑止策が求められていた。
その一つに、蟻酸カルシウムおよび水溶性の硼素化合物を有効成分として含有する柑橘類果実の浮皮抑止剤がある。また、炭酸カルシウムまたはその水和剤などを果実に散布することもある。
特開平7−126090号公報
特許文献1の浮皮抑止剤は硼素化合物を必須成分としているが、硼素はいわゆる微量要素であってその過剰を避ける必要がある。このため、特許文献1の浮皮抑止剤は、施肥される(肥料に含まれる)硼素量を考慮して、施用する必要があった。なお、蟻酸カルシウムのみでは、後述するとおり浮皮抑止効果は期待できない。
請求項1記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、第二リン酸カリウムを有効成分として含有することを特徴とする。
また、請求項2記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、第二リン酸カリウムが含まれる水溶液であり、第二リン酸カリウムの希釈率が100倍〜500倍である請求項1記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤である。
また、請求項2記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、第二リン酸カリウムが含まれる水溶液であり、第二リン酸カリウムの希釈率が100倍〜500倍である請求項1記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤である。
第二リン酸カリウムはリン酸水素二カリウム(K2HPO4)であり、肥料としては古くから知られている。
この第二リン酸カリウムは水溶性であるから、これを水溶液として柑橘類の植物体に直接散布する。特に、柑橘類の葉面に散布すると有効成分の吸収効率がよく効果的である。なお、他の薬剤や肥料成分と第二リン酸カリウムとの混合水溶液として散布することもできる。
この第二リン酸カリウムは水溶性であるから、これを水溶液として柑橘類の植物体に直接散布する。特に、柑橘類の葉面に散布すると有効成分の吸収効率がよく効果的である。なお、他の薬剤や肥料成分と第二リン酸カリウムとの混合水溶液として散布することもできる。
散布する水溶液中の第二リン酸カリウムの濃度は、100倍(1%濃度)〜1,000倍(0.1%濃度)の範囲が好ましく、請求項2に記載の100倍〜500倍程度がより好ましい。
上述のように植物体に散布された第二リン酸カリウムは、主に葉面や果実の表面から吸収される。このため、例えば土壌を介して根から吸収させる場合に比べて、吸収効率はきわめて高くなる。
柑橘類果実の浮皮抑止剤を施用する時期は特に限定されない。例えば温州ミカンでは、夏期(主に6月下旬〜7月下旬)及び秋期(主に9月)の施用が好ましい。なお、柑橘類は常緑であるので周年施用が可能であり、周年施用しても構わない。
第二リン酸カリウムが浮皮の抑止に有効である理由は未解明であるが、次の実施例に示すとおり有効性は確認できた。
[実施例]
交互結実生産樹の「青島温州」22年生を供試して、第二リン酸カリウム(P2O539.9%、K2O53.0%)、蟻酸カルシウム、焼成カルシウム及びリン酸三カリウム[KC−THPK(P2O532.4%、K2O64.5%)]の500倍水溶液を、初夏(5月24日、6月2日、6月16日、6月26日)、夏期(6月22日、7月5日、7月21日)及び秋期(9月1日、9月16日、9月30日)の3時期に葉面散布した。処理は散布時期別に試験樹を設定し、処理濃度別に樹冠を4分割して枝別散布とした。試験は1区1枝の4反復で行った。果実品質の調査は12月15日に行い、浮皮の調査はM〜L級果実について1区60〜80果について実施した。試験結果は下記の表1に示すとおりであり、第二リン酸カリウムの散布、特に夏期(6月下旬〜7月下旬)及び秋期(9月)の散布は温州ミカンの浮皮抑止に効果がある。
[実施例]
交互結実生産樹の「青島温州」22年生を供試して、第二リン酸カリウム(P2O539.9%、K2O53.0%)、蟻酸カルシウム、焼成カルシウム及びリン酸三カリウム[KC−THPK(P2O532.4%、K2O64.5%)]の500倍水溶液を、初夏(5月24日、6月2日、6月16日、6月26日)、夏期(6月22日、7月5日、7月21日)及び秋期(9月1日、9月16日、9月30日)の3時期に葉面散布した。処理は散布時期別に試験樹を設定し、処理濃度別に樹冠を4分割して枝別散布とした。試験は1区1枝の4反復で行った。果実品質の調査は12月15日に行い、浮皮の調査はM〜L級果実について1区60〜80果について実施した。試験結果は下記の表1に示すとおりであり、第二リン酸カリウムの散布、特に夏期(6月下旬〜7月下旬)及び秋期(9月)の散布は温州ミカンの浮皮抑止に効果がある。
以上説明したように、本願発明の柑橘類果実の浮皮抑止剤は、柑橘類果実の浮皮の抑止に有効である。しかも、硼素のような、過剰を避ける必要がある微量要素を必須成分としないので、施肥される(肥料に含まれる)微量要素量を考慮して施用する必要はなく、農家にとって使いやすい浮皮抑止剤である。
なお、本発明は上記の実施例等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
Claims (2)
- 第二リン酸カリウムを有効成分として含有することを特徴とする柑橘類果実の浮皮抑止剤。
- 第二リン酸カリウムが含まれる水溶液であり、第二リン酸カリウムの希釈率が100倍〜500倍である請求項1記載の柑橘類果実の浮皮抑止剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006254655A JP2008074750A (ja) | 2006-09-20 | 2006-09-20 | 柑橘類果実の浮皮抑止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006254655A JP2008074750A (ja) | 2006-09-20 | 2006-09-20 | 柑橘類果実の浮皮抑止剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008074750A true JP2008074750A (ja) | 2008-04-03 |
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ID=39347179
Family Applications (1)
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JP2006254655A Pending JP2008074750A (ja) | 2006-09-20 | 2006-09-20 | 柑橘類果実の浮皮抑止剤 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2008074750A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010037182A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-02-18 | Koei Kagaku Kogyo Kk | 液体肥料 |
CN111903409A (zh) * | 2020-07-07 | 2020-11-10 | 福建省农业科学院果树研究所 | 一种促进柠檬早结丰产的栽培方法 |
-
2006
- 2006-09-20 JP JP2006254655A patent/JP2008074750A/ja active Pending
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