JP2011105541A - 液体肥料 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物に対する肥料効果が高く、植物の健全な生育、特に植物の初期の生育作用に優れた液体肥料を提供する。
【解決手段】土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と化成肥料由来の無機態窒素とを含有ことを特徴とする液体肥料、好ましくは、前記有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有してなる液体肥料、前記有機態窒素と前記無機態窒素との重量割合が1:30〜10:1の範囲である液体肥料等。さらに、前記液体肥料を植物に施用する工程を有することを特徴とする植物の生育促進方法。
【選択図】なし
【解決手段】土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と化成肥料由来の無機態窒素とを含有ことを特徴とする液体肥料、好ましくは、前記有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有してなる液体肥料、前記有機態窒素と前記無機態窒素との重量割合が1:30〜10:1の範囲である液体肥料等。さらに、前記液体肥料を植物に施用する工程を有することを特徴とする植物の生育促進方法。
【選択図】なし
Description
本発明は液体肥料等に関するものである。
これまで、植物は、硝酸イオンやカリウムイオンなど無機物を吸収して生育し、有機肥料やぼかし、堆肥などの有機物は、微生物によって分解され無機物の形となって吸収されると考えられていた(無機栄養説)。このような無機栄養説に基づき、化学的に合成された無機肥料(化学肥料)を使って植物の生育を促進する農業手法が従来から一般に広く行われている。
しかし、アンモニア態窒素や硝酸態窒素などのような無機態の窒素分が植物に多く蓄積されると、植物が軟弱になり病気になり易くなる傾向があった。また、土壌中に浸透した硝酸態窒素は土壌を酸性化し、さらには硝酸態窒素が水に可溶であるため、地下水・下水・川などへ流入し環境問題を招くことがあった。
他方、近年、植物は、アンモニア態窒素や硝酸態窒素などのような無機態で窒素分を吸収するだけではなく、水溶性有機態窒素などの有機態でも窒素を吸収すること、そして植物の種類によっては、水溶性有機態窒素などの有機態で窒素分を吸収することによって、より良好な生育を示すことが明らかになってきた(例えば非特許文献1など)。
阿江教治・松本真悟・山縣真人「土壌に蓄積する有機態窒素の作物による直接吸収」日本土壌肥料科学雑誌,第72巻,第1号,114〜119 (2001)
しかしながら、無機態窒素と植物が吸収し得る水溶性の有機態窒素とを組み合わせて利用することにより、後述のような優れた効果を提供可能とするような液体肥料は、これまで知られていなかった。
本発明はこのような従来の状況に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、植物に対する肥料効果が高く、植物の健全な生育、特に植物の初期の生育作用に優れ、しかも環境問題等を招くおそれのない液体肥料を提供を提供することである。
また本発明は、健全な植物の生育、特に植物の初期生育を促進する生育方法を提供することにある。
本発明者は前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、
[1]土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と化成肥料由来の無機態窒素とを含有することを特徴とする液体肥料;
[2]前記有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有してなる請求項1記載の液体肥料;
[3]前記有機態窒素が、タンパク様物質由来の窒素である請求項1又は2記載の液体肥料;
[4]前記有機態窒素と前記無機態窒素との重量割合が1:30〜10:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体肥料;
[5]請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体肥料を植物に施用する工程を有することを特徴とする植物の生育促進方法(以下、本発明生育方法と記すことがある。);
等を提供するものである。
[1]土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と化成肥料由来の無機態窒素とを含有することを特徴とする液体肥料;
[2]前記有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有してなる請求項1記載の液体肥料;
[3]前記有機態窒素が、タンパク様物質由来の窒素である請求項1又は2記載の液体肥料;
[4]前記有機態窒素と前記無機態窒素との重量割合が1:30〜10:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体肥料;
[5]請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体肥料を植物に施用する工程を有することを特徴とする植物の生育促進方法(以下、本発明生育方法と記すことがある。);
等を提供するものである。
本発明を用いれば、植物の健全な生育が図れるようになる。特に植物の初期の生育作用に優れた効果が得られる。また、肥料投与量の削減により、硝酸態窒素に起因する土壌の酸性化や、地下水・下水・川などへ流入することによる環境問題の発生を抑制が期待できる。
以下、本発明について詳述する。本発明の液体肥料は、土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と無機態窒素とを含有することを特徴とする。ここで「土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素」とは、土壌又は有機肥料に水やリン酸緩衝液などの溶媒を接触させることによって取り出される有機態窒素のすべてを含み、例えば、分子量約8000のタンパク様物質、アミノ糖、その他タンパク等に由来する窒素を意味する。
肥料や有機態物質に含有される窒素の分析方法は、「公定肥料分析法」(独立行政法人農業環境技術研究所が定める肥料分析法;農林水産省告示により肥料の公定規格の「附二」で定められている。)に従って実施すればよい(例えば、2005年 ポケット肥料要覧(発行所:農林統計協会)108頁参照)。
分子量約8000のタンパク様物質(以下、タンパク様物質と記すことがある。)とは、1/15(mol/L)の中性リン酸緩衝液で抽出される有機態物質を意味し、280nmに最大吸光度を有し、タンパク質としての呈色を示す。サイズ排除HPLCで分析(吸光度280nm)すると保持時間8.4分に、イオン交換HPLC分析(吸光度280nm)すると保持時間2.8分にピークを有する。
タンパク様物質の定量は、例えば以下のように実施することができる。
タンパク様物質の定量は、例えば以下のように実施することができる。
[定量方法]
機器:HPLC(高速液体クロマトグラフィ)「LC−6A」(島津製作所製)
カラム:shimpack Diol 150 7.9mmφ×25mm
カラム温度:40℃
移動層:50mMリン酸緩衝液(0.15mol/L-NaClを含む。pH7.0)
移動層流速:1.0ml/min
検出:280nm
機器:HPLC(高速液体クロマトグラフィ)「LC−6A」(島津製作所製)
カラム:shimpack Diol 150 7.9mmφ×25mm
カラム温度:40℃
移動層:50mMリン酸緩衝液(0.15mol/L-NaClを含む。pH7.0)
移動層流速:1.0ml/min
検出:280nm
このような有機態窒素は、通常、植物の根からそのまま吸収され、植物の生育に大きく寄与する。
有機態窒素は含有量及び含有成分の違いはあるものの、どのような土壌及び有機肥料からも抽出可能である。本発明者は実際に、溶媒として水を用いて土壌および有機肥料からの有機態窒素の抽出実験を行った。土壌又は有機肥料10gあたりに抽出される有機態窒素、及びその中のタンパク様物質窒素の量を表1に示す。表1から理解されるように、どのような土壌及び有機肥料からも有機態窒素を抽出することができる。有機態窒素を抽出する土壌としては、例えば、褐色森林土、灰色低地土、腐植質黒ボク土、淡色黒ボク土などが挙げられる。また有機態窒素を抽出する有機肥料としては、例えば、鶏ふん、豚ふん、牛ふん、骨粉などの動物由来の有機肥料;油かす、麦かん、稲藁、落葉などの植物由来の有機肥料などが挙げられる。
抽出に用いる溶媒としては、有機態窒素を抽出できるものであれば特に限定はなく、例えば、水やリン酸緩衝液、リン酸水素カリウム、クエン酸、酢酸、エタノール、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、希硫酸溶液などが挙げられる。一例として、表2に、各種溶媒を用いて有機肥料「EGSユーキ」(株式会社イージーエス製)10gから抽出された有機態窒素及びそのうちのタンパク様物質の窒素量を示す。表2から、1/15 mol/Lのクエン酸水溶液が他の溶媒に比べて抽出力に優れており、他の溶媒についてはほぼ同等の抽出力であることがわかる。
次に、クエン酸を用いて抽出した場合と水を用いて抽出した場合との有機態窒素の保存安定性について調べた結果を表3に示す。表3は、クエン酸抽出液と水抽出液とを5℃,20℃,40℃の環境下でそれぞれ保存し、抽出液中の有機態窒素濃度の経時変化を示した表である。表3から、クエン酸抽出液は50日経過によって有機態窒素濃度がおおよそ半分になるのに対し、水抽出液の場合は環境温度によらず有機態窒素濃度の減少はほとんどなかった。加えて、クエン酸抽出液の場合は時間経過と共に腐敗臭が発生し、50日経過後は著しいものとなった。したがって、有機態窒素の保存安定性及び安全性、入手容易性などの点から本発明で使用する抽出溶媒としては水が好ましい。
土壌又は有機肥料から有機態窒素を抽出する方法としては、例えば土壌又は有機肥料に溶媒を加えて振とうさせた後、遠心分離によって上澄み液を取り出す、あるいは濾過によって濾液を取り出す方法が例示される。このようにして取り出した、有機態窒素を含む液体を本件発明の水溶液としてそのまま用いてもよい。あるいは透析と凍結乾燥を用いて脱塩・濃縮して、水溶液に含まれる有機態窒素を所定の濃度に調整してもよい。
本発明液体肥料は、有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有しているのが好ましく、0.005〜1重量%の範囲で含有しているのがさらに好ましい。
本発明で使用する無機態窒素は化成肥料由来のものである。このような化成肥料由来の無機態窒素としては、硝酸アンモニウム、尿素、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、硝酸石灰、硝酸アンモニウム、グアニル尿素、オキサミド、イソブチルアルデヒド縮合尿素、アセトアルデヒド縮合尿素などが挙げられる。
本発明の液体肥料は前述の特定の有機態窒素を含有する水溶液と無機態窒素とを含む。有機態窒素と無機態窒素との重量割合に特に限定はなく、施用する植物の種類や施用時期などから適宜決定すればよいが、通常、1:30〜10:1の範囲が好ましく、1:20〜5:1の範囲がさらに好ましい。
本発明の液体肥料は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により腐敗防止剤やpH調整剤、沈殿防止剤、展着剤、リン酸肥料、カリウム肥料、カルシウム肥料、マグネシウム肥料、マンガン肥料、ホウ素肥料、鉄肥料、銅肥料、亜鉛肥料、モリブデン肥料、ケイ酸肥料、植物生長調整剤、活力剤等を含有してもよい。
次に、本発明の植物生育促進方法について説明する。本発明の植物生育促進方法は、前述の液体肥料を植物に施用することが大きな特徴である。本発明の液体肥料を植物に施用するに際し、液体肥料を土壌に連続的又は断続的に供給するのがよい。液体肥料の供給方法としては、例えば、液体肥料を点滴灌水する方法、又は液体肥料を所定の頻度で繰返し散布することにより灌水する方法などが挙げられる。農作業の労力軽減などの観点からは、液体肥料を点滴灌水する方法が好ましい。
液体肥料を点滴灌水する方法としては、点滴灌水装置を用いて、所定速度で点滴灌水する方法が例示される。点滴灌水装置の構造としては、例えば、微量設定できる程度の直径を有する灌水ホース、および該灌水ホースに接続され、連続供給すべき液体肥料を撹拌する容器とを供えたものが例示される。
液体肥料の施用時期は、植物の栽培に関わる期間内、即ち、播種又は定植時から収穫期までのいずれの期間であってもよく、対象となる植物の種類などから適宜決定すればよいが、本発明の液体肥料は植物の初期の生育作用に特に優れるので、少なくとも播種又は定植時に施用するのが好ましい。
液体肥料を連続的又は断続的に土壌に供給する場合の、植物への液体肥料の供給頻度は、液体肥料や植物、土壌などの種類により適宜設定すればよい。例えば、土壌中、好適には、植物根圏に一定量以上の液体肥料が存在するように液体肥料の供給頻度を設定すればよい。すなわち、既に供給された液体肥料が土壌(好適には植物根圏)に存在しなくなるまでには、少なくとも新たな液体肥料の供給が行われるようにするのが望ましい。具体的には10日に1回以上、好ましくは5日に1回以上、さらに好ましくは毎日といったように、液体肥料の供給間隔が短い方がより好ましい。植物の栽培期間を通じて絶え間なく連続的に供給し続けてもよい。
液体肥料の施用量は植物の正常な生育に必要とされる量であればよく、対象の植物、栽培期間、土壌の種類等により適宜決定すればよいが、例えば、一作において、液体肥料中の窒素換算重量で10アール当たり0.1kg〜100kg程度施用するのが好ましい。
本発明の植物の育成促進方法を用いる対象となる植物に特に限定はなく、あらゆる種類の農園芸作物に対し用いることができるが、本発明の生育促進方法が特に効果的に表れる植物としては、例えば、ニンジン、チンゲンサイ、ホウレンソウなどが挙げられる。これらの植物は有機態窒素を根から吸収するからであると推測される。また、本発明の植物育成促進方法を行う場合の植物の栽培方式は、特に限定されず、ハウス栽培、圃場栽培など種々の形態による栽培方式を採用することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
有機肥料(株式会社イージーエス製「EGSユーキ」)10gに溶媒としてのイオン交換水30gを加えて振とうさせた後、濾過して、有機態窒素を含有する濾液を得た。この濾液を濃縮して、有機態窒素の濃度が347mg−N/kg(タンパク様物質の濃度で8617mg/kg)でありかつ無機態窒素の濃度が1613mg/kgの水溶液(液体肥料A)を作製した。(ここで、本願明細書においては、g−Nまたはkg−Nは窒素換算の重量を意味する。)
有機肥料(株式会社イージーエス製「EGSユーキ」)10gに溶媒としてのイオン交換水30gを加えて振とうさせた後、濾過して、有機態窒素を含有する濾液を得た。この濾液を濃縮して、有機態窒素の濃度が347mg−N/kg(タンパク様物質の濃度で8617mg/kg)でありかつ無機態窒素の濃度が1613mg/kgの水溶液(液体肥料A)を作製した。(ここで、本願明細書においては、g−Nまたはkg−Nは窒素換算の重量を意味する。)
(実施例2)
「種まき用培土BM−2」(イワタニアグリグリーン株式会社製)1Lあたりに、リン酸二水素カリウム192mgを100倍量の水で希釈した希釈液、塩化カリウム54mgmgを100倍量の水で希釈した希釈液を順に前記培土の表面に噴霧し十分にかき混ぜ、試験用培土とした。当該試験用培土768ml(32株分)に液体肥料Aを39.2g噴霧し、十分にかき混ぜた後、128穴育苗用セルトレーに充填し、ニンジン(品種;タキイ種苗向陽2号)の種子を1穴当たり2粒播種した。2週間後1穴当たり1株ずつになるように間引きし、さらに4週間栽培した後、当該ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件1)。
「種まき用培土BM−2」(イワタニアグリグリーン株式会社製)1Lあたりに、リン酸二水素カリウム192mgを100倍量の水で希釈した希釈液、塩化カリウム54mgmgを100倍量の水で希釈した希釈液を順に前記培土の表面に噴霧し十分にかき混ぜ、試験用培土とした。当該試験用培土768ml(32株分)に液体肥料Aを39.2g噴霧し、十分にかき混ぜた後、128穴育苗用セルトレーに充填し、ニンジン(品種;タキイ種苗向陽2号)の種子を1穴当たり2粒播種した。2週間後1穴当たり1株ずつになるように間引きし、さらに4週間栽培した後、当該ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件1)。
(実施例3)
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、液体肥料Aを15.4gと硫酸アンモニウム(和光純薬製)220mgを100倍量の水で希釈した希釈液を噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件2)。
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、液体肥料Aを15.4gと硫酸アンモニウム(和光純薬製)220mgを100倍量の水で希釈した希釈液を噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件2)。
(実施例4)
カチオン交換樹脂「IR120B H」(オルガノ株式会社製)100gをカラムに充填し、1N塩酸670gを通液した後、イオン交換水で中性になるまで洗浄し、カチオン交換樹脂カラムを準備した。また、アニオン交換樹脂「IRA410(OH)」(オルガノ株式会社製)100gをカラムに充填し、1N水酸化ナトリウム510gを通液した後、イオン交換水で中性になるまで洗浄し、アニオン交換樹脂カラムを準備した。
液体肥料A200gを前記カチオン交換樹脂カラムに通し得られた液を、さらに前記アニオン交換樹脂カラムに通し、得られた液を液体肥料Bとした。当該液体肥料Bは、有機態窒素を328mg−N/kg(タンパク質様物質で6377mg/kg)、及び無機態窒素を169mg−N/kgの濃度で含有していた。
カチオン交換樹脂「IR120B H」(オルガノ株式会社製)100gをカラムに充填し、1N塩酸670gを通液した後、イオン交換水で中性になるまで洗浄し、カチオン交換樹脂カラムを準備した。また、アニオン交換樹脂「IRA410(OH)」(オルガノ株式会社製)100gをカラムに充填し、1N水酸化ナトリウム510gを通液した後、イオン交換水で中性になるまで洗浄し、アニオン交換樹脂カラムを準備した。
液体肥料A200gを前記カチオン交換樹脂カラムに通し得られた液を、さらに前記アニオン交換樹脂カラムに通し、得られた液を液体肥料Bとした。当該液体肥料Bは、有機態窒素を328mg−N/kg(タンパク質様物質で6377mg/kg)、及び無機態窒素を169mg−N/kgの濃度で含有していた。
(実施例5)
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、液体肥料Bを15.4gと硫酸アンモニウム(和光純薬製)220mgを100倍量の水で希釈した希釈液とを噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件3)。
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、液体肥料Bを15.4gと硫酸アンモニウム(和光純薬製)220mgを100倍量の水で希釈した希釈液とを噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件3)。
(実施例6)
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、硫酸アンモニウム(和光純薬製)362mgを100倍量の水で希釈した希釈液を噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件4)。
実施例2で調製した前記試験用培土768mlに、硫酸アンモニウム(和光純薬製)362mgを100倍量の水で希釈した希釈液を噴霧し十分にかき混ぜた後、これを用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件4)。
(実施例7)
実施例2で調製した前記試験用培土を用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件5)。
実施例2で調製した前記試験用培土を用いて実施例2と同じようにして試験し、ニンジンの地上部の乾物重を測定した。試験区を2反復として、平均値を表4に記載した(条件5)。
本発明に係る液体肥料によれば、植物の健全な生育が図れるようになり、特に植物の初期の生育作用に優れた効果が得られるようになる。
Claims (5)
- 土壌又は有機肥料から抽出される有機態窒素と化成肥料由来の無機態窒素とを含有することを特徴とする液体肥料。
- 前記有機態窒素を0.001〜1重量%の範囲で含有してなる請求項1記載の液体肥料。
- 前記有機態窒素が、タンパク様物質由来の窒素である請求項1又は2記載の液体肥料。
- 前記有機態窒素と前記無機態窒素との重量割合が1:30〜10:1の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体肥料。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体肥料を植物に施用する工程を有することを特徴とする植物の生育促進方法。
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