JP2008074405A - エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの展開特性を容易に向上する。
【解決手段】エアバッグ1は、受入口15を設けた下パネル11と、上パネル12とを有する。エアバッグ1の折畳工程は、エアバッグ1を平板状に広げ、受入口15にセンタブロック23を挿入し、エアバッグ1内に空気を吹き入れる。複数放射状に配置した上下のブレード26,25の間にエアバッグ1を挟み、放射状にへこませる。各可動ブロック24を中心点Oに向かって前進させると、エアバッグ1は、上下のパネル12,11が互いにかみ合うことなく、波形に集積して折り畳まれるとともに、複数の耳部が形成される。エアバッグ1を所定の角度だけ回転し、耳部を外周に螺旋状に沿わせる。この耳部における上下のパネル12,11は線状に対向するため、ガスは線状に対向する部分に沿って耳部の端部にまで円滑に供給されて展開する。受入口15から導入したガスを周縁部14まで円滑に供給できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、ガスの流入により膨張展開するエアバッグに関する。
従来、例えば、自動車のステアリングホイールに備えられるエアバッグ装置が知られている。このエアバッグ装置は、偏平な袋状をなすエアバッグと、このエアバッグを覆うカバー体と、ガスを噴射するインフレータとなどを備えている。そして、このエアバッグは、通常時は、所定の方法で小さく折り畳まれてカバー体の内側に収納されている。そして、このエアバッグ装置は、センサが衝突の衝撃を検出した状態で、インフレータからガスを噴射してエアバッグを膨張させ、この膨張の圧力によりカバー体を破断してエアバッグを突出させ、エアバッグを乗員の前方に膨張展開させて、乗員に加わる衝撃を緩和する。
そして、エアバッグの折り畳みは、従来、平板状に広げた状態から、所定の位置で直線に沿って折り畳み、カバー体に収納可能な直方体状などにしていたが、機械化が困難で人手がかかり、生産性の向上が困難である問題を有している。
この点、自動化に適した折畳方法として、例えば、特表2000−502637公報に示される構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この構成の折畳み装置は、エアバッグの上下に相対向して同心円上あるいは渦巻状に配置された折畳みプレートを備えている。そして、このエアバッグ装置は、エアバッグを膨張させるとともに、折畳みプレートでエアバッグを挟み、さらに、同心円上に配置された各折畳みプレートを、同心円の径寸法を小さくするように移動あるいは変形させて、エアバッグを折り畳む。しかしながら、この構成では、装置の構成が複雑になり、製造コストの低減が容易でない問題を有している。
また、例えば平面視円形のエアバッグについて、エアバッグを外周部から中心に向かって寄せ集めて襞状にするいわゆる花弁折りが提案され、例えば、特開平10−129381号公報、特開平10−217894号公報などに記載された構成が知られている(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)。
特表2000−502637公報 特開平10−129381号公報 特開平10−217894号公報
今日において、展開特性を良好にするとともに、さらに製造コストを低減する構成が求められている。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、展開特性が良好で、製造コストの低減が可能なエアバッグを提供することを目的とする。
本発明のエアバッグは、ガスが導入される受入口を設けた一側の面部とこの一側の面部に対向する他側の面部とを有し、これら一側の面部と他側の面部とが受入口から周縁部まで互いにかみ合わずにそれぞれ前記受入口に向かって波形に集積して折り畳まれるとともに、前記受入口に対して螺旋状に沿う複数の耳部が形成され、この耳部における前記各面部は線状に対向するものである。
そして、この構成では、耳部において、ガスは線状に対向する部分に沿って耳部の端部にまで円滑に供給され、耳部は巻き戻されるように展開し、受入口から導入されたガスが周縁部まで円滑に供給され、展開特性の向上が容易になる。
また、本発明のエアバッグは、ガスが導入される受入口を設けた一側の面部とこの一側の面部に対向する他側の面部とを有し、これら一側の面部と他側の面部とが受入口から周縁部まで互いに実質的にかみ合わずにそれぞれ前記受入口に向かって波形に集積して折り畳まれるとともに、前記受入口に対して螺旋状に沿う複数の耳部が形成され、この耳部における前記各面部は線状に対向するものである。
そして、この構成では、耳部において、ガスは線状に対向する部分に沿って耳部の端部にまで円滑に供給され、耳部は巻き戻されるように展開し、受入口から導入されたガスが周縁部まで円滑に供給され、展開特性の向上が容易になる。
また、他側の面部は、一側の面部の受入口に対向する部位において、実質的に単一の層をなすことにより、受入口から導入されたガスは、受入口の近傍から外周側に円滑に供給され、折り畳まれた部分が外周側に円滑に展開する。
また、他側の面部は、一側の面部の受入口に対向する部位を含み、正面側に展開可能な正面展開部を設けたことにより、正面展開部がガスの流入直後に正面側に迅速に展開して、折り畳んだエアバッグを覆うカバー体を破断し、エアバッグを効率良く展開させることが可能になる。
また、他側の面部と、受入口より離間した部位において対向する一側の部位とが、互いにかみ合わないことにより、受入口から導入されたガスが受入口より離間した部位で円滑に供給され、展開特性の向上が容易になる。
本発明のエアバッグによれば、耳部において、ガスは線状に対向する部分に沿って耳部の端部にまで円滑に供給され、耳部は巻き戻されるように展開し、受入口から導入されたガスが周縁部まで円滑に供給され、展開特性の向上が容易になる。また、他側の面部は、一側の面部の受入口に対向する部位において、実質的に単一の層をなすことにより、受入口から導入されたガスは、受入口の近傍から外周側に円滑に供給され、折り畳まれた部分が外周側に円滑に展開する。また、他側の面部と、受入口より離間した部位において対向する一側の部位とが、互いにかみ合わないことにより、受入口から導入されたガスが受入口より離間した部位で円滑に供給され、展開特性の向上が容易になる。
以下、本発明のエアバッグの一実施の形態を図面を参照して説明する。
図2において、1はエアバッグで、このエアバッグ1は、車両である自動車のステアリングホイールのボス部に備えられる衝突安全装置としてのエアバッグ装置に組み込まれるものである。そして、このエアバッグ装置は、エアバッグモジュールとも呼ばれるもので、図示しないが、エアバッグ1の他、略環状でスタッドボルト3aを突設したリテーナ3、被取付部材であるベースプレート、合成樹脂などからなる破断可能なカバー体、及びガスを噴射するガス発生器であるインフレータなどから構成されている。なお、以下、エアバッグ1の突出の中心方向すなわち被保護物である乗員側を上側、正面側、あるいは表側とし、車体側すなわちステアリングシャフト側を下側、背面側、あるいは裏面側として説明する。そして、このエアバッグ装置は、自動車の衝突時などには、インフレータからガスを噴射し、折り畳んで収納したエアバッグ1を膨張させ、この膨張の圧力によりカバー体を所定のテアラインで破断してエアバッグを突出させ、乗員の前方に広く膨張展開させて、乗員を衝突の衝撃から保護するようになっている。
そして、エアバッグ1は、2枚のほぼ同じ円形状の基布を縫い合わせて偏平な袋状に形成されている。すなわち、エアバッグ1は、一側の面部としての下パネル11と、他側の面部としての上パネル12とを重ねて周縁部14を縫合し、下パネル11の中央に形成したインフレータ挿入用の円孔状の受入口15を介して表裏を反転させて形成されている。また、下パネル11には、受入口15の周囲に位置して、スタッドボルト3aが挿入される複数の取付孔16が形成されているとともに、環状の補強布18により補強されている。さらに、下パネル11には、図示しない単数あるいは複数のベントホール(排気口)が形成されている。また、本実施の形態では、各パネル11,12は、例えば、直径650mmで、ポリアミド系の合成繊維である6,6-ナイロンの315デニールの糸を使用した目付200g/mで、エラストマなどを塗布しないいわゆるノンコート基布から形成されている。
一方、図1、図3、及び図6などに示すように、21は折畳装置で、この折畳装置21は、テーブル22、膨張手段及び押当手段としてのセンタブロック23、集積手段としての複数の可動ブロック24、下ブレード25、案内部材としての上ブレード26、偏位手段としてのセンタプレート27、及びこれらを制御する図示しない制御手段、電源装置、駆動源などから構成されている。
そして、テーブル22は、上面に略水平な盤面を備え、この盤面の中央部に設けた円孔22aに、センタブロック23が設置されている。そして、このセンタブロック23は、インフレータを模した形状の円柱部23aと、この円柱部23aを囲み円柱部23aより低い位置に同心円状に設けられた周縁部23bとを備え、約90度までの任意の設定した角度だけ回転する回転機構と、約160mmまでの任意の設定したストロークで上下動する昇降機能とが組み合わされている。さらに、センタブロック23には、空気を噴射する空気供給手段である図示しないエアノズルが埋設されているとともに、周縁部23bには、リテーナ3のスタッドボルト3aを挿入して固定可能な円孔状の保持部23cが所定の間隔で形成されている。なお、各図は説明のためにテーブル22及びセンタブロック23を簡潔に示しまたは省略している。
また、テーブル22には、円孔22aを中心として、放射状に複数のスリット部22bが形成され、垂直な平板状の下ブレード25が各スリット部22bに上下方向に進退可能にすなわちテーブル22の盤面から所定の高さまで出没可能に設けられている。また、各下ブレード25には、上側の端縁部に沿って、水平状の案内部25aが設けられている。また、この案内部25aの端部すなわち各下ブレード25の内周側と外周側との角部は、滑らかな曲面状に形成されている。
さらに、これら下ブレード25の間に位置して、それぞれ可動ブロック24が設けられている。そして、各可動ブロック24は、テーブル22に設けた図示しないスリットを介するなどして、テーブル22の下側に配置された駆動手段に連結され、テーブル22の周縁部からセンタブロック23近傍まで進退可能すなわち集散可能に案内駆動される。さらに、各可動ブロック24は、平面略扇状をなし、センタブロック23に対向する内周側の端部に曲面状などの面状の押圧部24aが設けられている。
また、上ブレード26は、図6に示すようにテーブル22の上方に設けられた上プレート29の下面に複数放射状に取り付けられ、この上プレート29とともに上下に進退駆動される。また、各上ブレード26は、それぞれ下ブレード25に対向して配置され、すなわち、上下のブレード26,25は、端縁の線が対向し、可動ブロック24と円周方向に交互に配置されている。また、上ブレード26は、下ブレード25と同様な垂直な板状で、下ブレード25の案内部に対向する水平な案内部26aが形成されているとともに、端部すなわち角部は滑らかな曲面状に形成されている。また、各上ブレード26は、長さ寸法は下ブレード25と略等しいが、高さ寸法は下ブレード25より大きく形成されている。また、上プレート29は、各上ブレード26を支持する放射状に配置された支持部29bと、これら支持部29bの内周側の端部を互いに連結する内周側連結部29cと、これら支持部29bの外周側の端部を互いに連結する外周側連結部29dとを備えている。
なお、上下のブレード26,25がエアバッグ1に線状に接するエッジである案内部26a,25aには、エンボス加工を施し、あるいはエラストマーテープなどを貼着などして、エアバッグ1と適当な滑り抵抗で摺接するように設定されている。
また、本実施の形態では、可動ブロック24は8個、すなわち、上下のブレード26,25は8組設けられているが、エアバッグ1の容量、エアバッグ1が収納される空間の形状などを勘案し、適宜選択することができる。
さらに、上プレート29の中央部には、円孔29aが開口され、この円孔29aの部分に、上プレート29と独立して上下に駆動される円孔29aと略同径の円盤状のセンタプレート27が配置されている。
次に、図1ないし図13を参照して、エアバッグ1の折畳工程を説明する。なお、図3ないし図6においては、可動ブロック24は省略されている。
まず、初期状態では、センタブロック23は、図3に示すように、周縁部23bがテーブル22の盤面に面一になるように位置する。また、下ブレード25は下降してテーブル22の上面より下方に退避させ、テーブル22の上面を平面状とし、上ブレード26及びセンタプレート27は上方に退避し、可動ブロック24は外周側に退避している。一方、エアバッグ1は、図2に示すように、あらかじめ受入口15から内側にリテーナ3を挿入し、取付孔16からスタッドボルト3aを引き出しておく。
この状態で、図4に示すように、エアバッグ1をテーブル22上に平板状に広げて静置し、受入口15にセンタブロック23の円柱部23aを挿入するとともに、各スタッドボルト3aを保持部23cに差し込み、保持部23c内に設けた図示しないロック機構で固定する。
次いで、図5に示すように、規制膨張工程の膨張工程として、センタブロック23の円柱部23aに設けたエアノズルから矢印Aに示すようにエアバッグ1内に圧縮空気を吹き入れ、空気枕状にする。なお、この状態では、エアバッグ1の展開時のような完全な膨張状態ではなく、ふんわりと膨らむ程度とする。
次いで、図6に示すように、規制膨張工程の規制工程として、下ブレード25を上昇させテーブル22の上面から上方に突出させるとともに、上ブレード26を下降させてエアバッグ1に当接し、さらに、図1に示すように、下ブレード25と上ブレード26との間にエアバッグ1を挟み、放射状にへこませる。なお、この状態で、上下のブレード26,25の案内部同士の間には、所定の間隔が設定され、エアバッグ1は、高さ方向のみが規制され、径方向には摺動可能となっている。また、この状態で、エアバッグ1の内圧は上昇し、高さが規制されていない隣り合う上ブレード26同士の間の部分は上方に突出して上下のパネル12,11間が離間するが、上プレート29は、エアバッグ1の上パネル12が接触しない高さ位置にある。
次いで、集積工程として、各可動ブロック24を連動させ同時に中心点Oに向かって集合するように前進させる。すなわち、各可動ブロック24は、図7に示す中間状態を経て、図8及び図9に示す前進限にまで移動する。また、図10は、折畳の途中段階にあるエアバッグ1を模式的に示した斜視図である。すなわち、エアバッグ1は、可動ブロック24に押圧された部分で、上下のパネル12,11が互いにかみ合うことなく、いわば互いに「疎」に関連する状態で、波状に折り畳まれ、中央にドーム状に隆起した中央部31が形成され、この中央部31の周囲に波状嵌入部32が複数形成されるとともに、上下のブレード26,25に挟まれた部分に、複数の耳部33が形成される。
次いで、図11に示すように、規制緩和工程として、上ブレード26をそのままに、下ブレード25を下方に若干あるいは全面的に退避させ、上下のパネル12,11の線状に案内された耳部33を挟む力を弱め、あるいは無くし、センタプレート27と可動ブロック24とでエアバッグ1の形状を保つ。この状態から、押当工程として、エアバッグ1の中央部分を保持しているセンタブロック23を矢印C方向に所定の角度だけ回転させ、耳部33を可動ブロック24の押圧部24a側に引きずり込み、波状嵌入部32の外周に沿わせる。上記上ブレード26により耳部33が上方に崩れることなく沿わされ、折り畳まれたエアバッグ1の形状が所定の高さ寸法に整えられる。なお、規制緩和工程においては上ブレード26を上方へ若干量移動させるなどすることもできる。
さらに、この状態から、偏位工程として、センタプレート27を下降させ、図12及び図13に示すように、エアバッグ1の上方に膨出した中央部31を押し下げ、折り畳んだ部分に被せるようにして、他の部分とかみ合わない正面展開部35を形成するとともに、所定の格納寸法に相当する高さに規制する。すなわち、この状態で、エアバッグ1は略花弁状の所定の形状に折り畳まれ、すなわち、所定の高さ寸法の略正八角柱状に形が整えられる。
そして、このように折り畳まれたエアバッグ1をエアバッグ装置に組み込みインフレータを作動させると、まず、受入口15の正面である直上に位置して他の部分とかみ合わずに設けられた正面展開部35が迅速に正面側に展開し、カバー体を破断して突出口を形成する。
さらに、エアバッグ1は、折畳工程で上下のパネル12,11が互いに沿って緊密に折り畳まれることがなく、すなわち、可動ブロック24で波状に折り畳まれて集積された波状嵌入部32で上下のパネル12,11の絡み合いは「疎」であり、多くの状態で互いに独立した波形に折畳されている。言い換えれば、上下のパネル12,11は、互いに全くかみ合わないか、実質的にかみ合わない状態になっている。ここで、実質的にかみ合わないとは、上下のパネル12,11の先端部同士が、折り畳んだエアバッグ1の径方向に重なり合う部分の存在を許容するものである。
そこで、インフレータすなわちエアバッグ1の中心の受入口15からガスが供給されると、容易に上下のパネル12,11が互いに離間し、折畳の最終工程で波状嵌入部32の外周に沿わせた耳部33を外周側に押圧し、迅速に展開することができる。さらに、各耳部33についても、上下のブレード26,25で規制された部分が折り畳まれずに線状に対向するとともに、波状嵌入部32の外周に螺旋状に沿わせて配置され、供給されたガスが線状に対向する部分に沿って耳部33の端部にまで円滑に供給され、耳部33は巻き戻されるように展開し、展開特性を容易に向上できる。
このように、本実施の形態のエアバッグ1及びこのエアバッグ1を用いたエアバッグ装置によれば、迅速な展開が可能であり、展開特性を容易に良好にできる。すなわち、本実施の形態の自動化に適したエアバッグの折畳方法及この折畳方法を適用した折畳装置21によれば、展開特性の良好なエアバッグ1の製造コストを低減し、安価に提供できる。
すなわち、本実施の形態の折畳装置21は、エアバッグ1の上面は、可動ブロック24で集積される軌跡に沿って、上ブレード26により線状に案内されるのみで、他の部分は何らの高さ規制をせずに自由に盛り上がれるようにし、上面の全面が高さ規制されるものではないため、構造が簡略化できるとともに、膨張させることにより上下のパネル12,11を十分に離間させ、折り畳んだ状態で、受入口15から周縁部14まで互いにかみ合わないようにすることができる。
また、各可動ブロック24を前進させる集積工程の後、上下のブレード26,25を退避させてからセンタブロック23を回転させるため、上下のパネル12,11に加わる力を小さくし、エアバッグ1を円滑に折り畳みできる。
さらに、エアバッグ1の中央正面に設けた正面展開部35が初期に展開してカバー体を迅速に破断できるため、インフレータのガス圧を有効に利用して、エアバッグ1の迅速な展開を図り、あるいは、エアバッグ装置の小型化を図ることができる。すなわち、一次ピーク圧を低くできるため、二次ピーク圧を高くして、インフレータのガス圧を有効に利用できる。
なお、上記の実施の形態では、上下のパネル12,11は、互いに全くかみ合わないか、実質的にかみ合わない状態になっているが、エアバッグ1を構成するパネル12,11の特性、あるいは、折畳工程の各部の動作速度などによっては、上下のパネル12,11を若干互いにかみ合った状態とすることもできる。この場合にも、製造コストを低減する効果は実現できる。
また、上記の実施の形態では、各下ブレード25及び各上ブレード26について、水平な案内部25a,26aを設けたが、案内部の形状を変更して、折り畳み過程のエアバッグ1の円滑な案内を図ることもできる。
例えば、図14及び図15に示す折畳装置21のように、各下ブレード25について、上側の端縁部に沿って、水平状の第1の案内部25bと、この第1の案内部25bの内周側の端部から内周側に向かって下降する第2の案内部25cとを設ける。一方、上ブレード26については、全体として下ブレード25より高さ寸法を大きくし、下ブレード25の第1の案内部25bに対向する水平な第1の案内部26bと、下ブレード25の第2の案内部25cに対向する第2の案内部26cとを形成し、さらに、第2の案内部26cには上側に向かって傾斜する傾斜面に続いて水平な面を設け、下ブレード25より内周側に突出するように配置する。なお、上下のブレード26,25がエアバッグ1に線状に接するエッジである第1の案内部26b,25b及び第2の案内部26c,25cには、エンボス加工を施し、あるいはエラストマーテープなどを貼着などして、エアバッグ1と適当な滑り抵抗で摺接するように設定することができる。
そして、この構成では、規制膨張工程の規制工程として、下ブレード25を上昇させテーブル22の上面から上方に突出させるとともに、上ブレード26を下降させてエアバッグ1に当接した状態から、図14に示すように、下ブレード25と上ブレード26との間にエアバッグ1を挟み、放射状にへこませる。なお、この状態で、上下のブレード26,25の第1の案内部26b,25b同士の間には、所定の間隔が設定され、エアバッグ1は、高さ方向のみが規制され、径方向には摺動可能となっている。
次いで、集積工程として、各可動ブロック24を連動させ同時に中心点Oに向かって集合するように前進させる。すなわち、各可動ブロック24は、図15に示す中間状態を経て、前進限にまで移動する。すなわち、エアバッグ1は、可動ブロック24に押圧された部分で、上下のパネル12,11が互いにかみ合うことなく、いわば互いに「疎」に関連する状態で、波状に折り畳まれ、中央にドーム状に隆起した中央部31が形成されるとともに、この中央部31の周囲に波状嵌入部32が複数形成される。また、上下のブレード26,25の第1の案内部26b,25bで挟まれた部分は、隣接する部分により第2の案内部26c,25c間に引きずり出され、この第2の案内部26c,25c間でそれぞれ上下のパネル12,11が互いにかみ合うことなく波状に折り畳まれ、複数の耳部33が形成される。
次いで、押当工程として、下ブレード25を下方に退避させ、上ブレード26は前記実施の形態と同様にそのままの位置に留まり、または若干上方に退避させて、線状に案内された耳部33を開放し、センタプレート27と可動ブロック24とでエアバッグ1の形状を保つ。この状態から、エアバッグ1の中央部分を保持しているセンタブロック23を図11の矢印Cと同一の方向に所定の角度だけ回転させ、耳部33を可動ブロック24の押圧部24a側に引きずり込み、波状嵌入部32の外周に沿わせるとともに、センタプレート27を下降させる偏位工程を行うことにより、エアバッグ1を略花弁状の所定の形状に折り畳むことができる。
また、上記の各実施の形態では、各可動ブロック24を前進させる集積工程及びセンタブロック23を回転させる押当工程の後、センタプレート27を下降させる偏位工程を行ったが、各可動ブロック24を前進させる集積工程の後、センタプレート27を下降させる偏位工程を行い、図16に示すように、下パネル11の受入口15に対向する部位において、上パネル12を略平面状に一枚で構成し、次いで、センタブロック23を回転させる押当工程を行い、図17に示すように、エアバッグ1を折り畳むこともできる。
そして、この図17に示す構成では、上パネル12は、下パネル11の受入口15に対向する部位において、折り畳まれずに略平面状に一枚で配置されるため、受入口15から導入されたガスが、受入口15の近傍から外周側に円滑に供給され、折り畳まれた波状嵌入部32及び耳部33の外周側への円滑な展開を図ることができる。
なお、上記の各実施の形態では、規制膨張工程において、エアバッグ1を膨張させた後に上下のブレード26,25で高さを規制したが、この構成に限られず、上下のブレード26,25で高さを規制した後にエアバッグ1を膨張させ、あるいは、エアバッグ1を膨張させながら上下のブレード26,25で高さを規制して、作業工程を短縮などすることもできる。
また、上記の各実施の形態では、折畳装置21は、インフレータを模した形状の円柱部23aと、膨張手段を構成するエアノズルなどを備えたセンタブロック23を用い、エアバッグ1の内側にリテーナ3を組み合わせてエアバッグ1を折り畳んでいる。しかし、この構成に限られず、例えば、エアバッグ1にインフレータを組み合わせた後にエアバッグ1を折り畳むこともできる。また、膨張手段を構成する空気供給手段を設けずに、エアバッグ1内に形成された空間に存在する気体を利用して、対向する面部がほとんどかみ合わないように、あるいは、あまりかみ合わないように折り畳むことができる。
次に、図18及び図27に示すように、膨張手段を設けず、支昇手段及び排出規制手段を構成するガス発生器としてのインフレータ41を予めエアバッグ1に組み込んだ状態で、エアバッグ1を折り畳む構成を説明する。なお、図1などに示す実施の形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
すなわち、折畳装置21のセンタブロック23は、円柱部23aを備えず、周縁部23bに設けた図示しないガス発生器保持部と、このガス発生器保持部に保持されたインフレータ41とを備え、このインフレータ41を回転させる回転機構と、このインフレータ41を上下動させる昇降機能とを備えている。また、リテーナ3のスタッドボルト3aは、インフレータ41の図示しないフランジ部に設けたインフレータ側取付孔に挿入された上、保持部23cに挿入して保持されるようになっている。なお、リテーナ3を用いず、このリテーナ3の代わりに、フランジ部にスタッドボルトを設けたインフレータを用いることもできる。
そして、折畳工程は、まず、初期状態では、センタブロック23は、周縁部23b上のインフレータ41のフランジ部がテーブル22の盤面に面一になるように位置する。また、下ブレード25は下降してテーブル22の上面より下方に退避させ、テーブル22の上面を平面状とし、上ブレード26及びセンタプレート27は上方に退避し、可動ブロック24は外周側に退避している。一方、エアバッグ1は、図2に示すように、あらかじめ受入口15から内側にリテーナ3を挿入し、取付孔16からスタッドボルト3aを引き出しておく。
この状態で、図19に示すように、規制支昇工程の支昇工程として、エアバッグ1をテーブル22上に平板状に広げて静置し、受入口15にインフレータ41の円柱部を挿入するとともに、各スタッドボルト3aをインフレータ側取付孔を介して保持部23cに差し込み、保持部23c内に設けた図示しないロック機構で固定する。
この状態で、エアバッグ1の上パネル12は、インフレータ41により、中央部が持ち上げられ、このインフレータ41の周囲に、気体である空気が存在する環状の空間部44が形成される。また、この状態で、エアバッグ1の受入口15は、インフレータ41などにより略気密に保持される。
次いで、図20に示すように、規制支昇工程の規制工程として、下ブレード25を上昇させテーブル22の上面から上方に突出させるとともに、上ブレード26を下降させてエアバッグ1に当接し、さらに、図18に示すように、下ブレード25と上ブレード26との間にエアバッグ1を緩やかに挟む。なお、この状態で、上下のブレード26,25の案内部同士の間には、所定の間隔が設定され、エアバッグ1は、高さ方向のみが規制され、径方向には摺動可能となっている。
次いで、集積工程として、各可動ブロック24を連動させ同時に中心点Oに向かって集合するように急速に適切な速度で前進させる。すなわち、各可動ブロック24は、図21に示す中間状態を経て、図22及び図23に示す前進限にまで移動する。また、図24は、折畳の途中段階にあるエアバッグ1を模式的に示した斜視図である。このとき、各可動ブロック24は空気を受入口15方向に押すために十分な速度で移動し、また、エアバッグ1の受入口15は略気密に保持されているため、エアバッグ1は空間部44に存在する僅かな空気により膨張する。さらに、各パネル12,11を構成する素材は、布ではあっても所定の強さを有するため、受入口15に対向する中央部が持ち上げられた上パネル12は、集積の波が中央に向かい上方に向かう性向を有し、中央部が上方に隆起するように変形しようとする。さらに、エアバッグ1を周縁部から中央の受入口15側に寄せる際は、エアバッグ1内で中央部に寄せられる空気も、このような上パネル12の隆起方向の変形を助長する。そこで、上下のパネル12,11が離間し、可動ブロック24に押圧された部分で、上下のパネル12,11が互いにほとんどかみ合うことなく、特に、受入口15の周縁部では上下のパネル12,11が互いにほとんどかみ合うことなく確実に離間され、いわば互いに「疎」に関連する状態で、波状に折り畳まれ、中央にドーム状に隆起した中央部31が形成され、この中央部31の周囲に波状嵌入部32が複数形成されるとともに、上下のブレード26,25に挟まれた部分に、複数の耳部33が形成される。また、この状態で、エアバッグ1の内圧は若干上昇し、高さが規制されていない上ブレード26の部分は上方に突出して上下のパネル12,11間が離間するが、上プレート29は、エアバッグ1の上パネル12が接触しない高さ位置にある。
次いで、図25に示すように、規制緩和工程として、上ブレード26をそのままに、下ブレード25を下方に若干あるいは全面的に退避させ、上下のパネル12,11の線状に案内された耳部33を挟む力を弱め、あるいは無くし、センタプレート27と可動ブロック24とでエアバッグ1の形状を保つ。この状態から、押当工程として、エアバッグ1の中央部分を保持しているセンタブロック23のインフレータ41を矢印C方向に所定の角度だけ回転させ、耳部33を可動ブロック24の押圧部24a側に引きずり込み、波状嵌入部32の外周に沿わせる。すると、上ブレード26により耳部33が上方に崩れることなく沿わされ、折り畳まれたエアバッグ1の形状が所定の高さ寸法に整えられる。なお、規制緩和工程においては上ブレード26を上方へ若干量移動させるなどすることもできる。
さらに、この状態から、偏位工程として、センタプレート27を下降させ、図26及び図27に示すように、エアバッグ1の上方に膨出した中央部31を押し下げ、折り畳んだ部分に被せるようにして、他の部分とかみ合わない正面展開部35を形成するとともに、所定の格納寸法に相当する高さに規制する。すなわち、この状態で、エアバッグ1は略花弁状の所定の形状に折り畳まれ、すなわち、所定の高さ寸法の略正八角柱状に形が整えられる。
そして、本実施の形態では、上記の各実施の形態の効果に加え、図1などに示す実施の形態に比べ、エアバッグ1への給排気の工程が不要で、各可動ブロック24を急速に移動でき、集積工程を高速化できるため、装置の構造を簡略化できるとともに、工程に要する時間(タクトタイム)を短縮し、生産性を向上できる。
さらに、エアバッグ1は、センタブロック23のインフレータ41で上パネル12を持ち上げて、受入口15の周囲に空間部44を形成したため、適切な量の空気を容易に確保できるとともに、上パネル12を中央部が上昇するように傾斜させることができ、集積工程で上下のパネル12,11が互いに緊密にかみ合わずにそれぞれ波形を形成し、上パネル12の離間高さを規制できる。従って、エアバッグ1の折り畳みの仕上がり硬さや波形の制御も容易にできる。
また、本発明は、自動車のステアリングホイールに備えるエアバッグ装置用のエアバッグの他、インスツルメントパネルに備える助手席乗員用のエアバッグ装置、座席の側部や車体のドアやピラーに備える側部保護用のエアバッグ装置、座席の後部に備える後席乗員用のエアバッグ装置、その他、被保護物を衝撃から保護するエアバッグ装置などに適用できる。
上記のように、図1などに示す折畳方法によれば、エアバッグ1を、受入口15に向かう線に沿って一側の面部と他側の面部とすなわち上下のパネル12,11が互いに接近した状態に規制し、他の部分は規制せずに膨張させ、上下のパネル12,11を離間させる。この状態で、線同士の間の部分すなわち上下のパネル12,11を受入口15に向かって押圧して集積することにより、上下のパネル12,11とが互いにかみ合わずにそれぞれ波状に折り畳まれ、さらに、互いに接近した状態に規制された部分を集積された部分の外周に押し当てる。このようにして折り畳まれたエアバッグ1は、受入口15から導入されたガスを周縁部14まで円滑に供給でき、展開特性を容易に向上できる。また、エアバッグ1は、集積する際にエアバッグ1の全面の高さ規制はしないため、全面の高さ規制をする際に必要な大きな部材が不要になり、簡略な構成の装置で迅速に折畳作業が可能になり、製造コストを低減できる。
また、規制工程の後に膨張工程を行うことにより、規制膨張工程においてエアバッグ1に加わる力を容易に抑制できる。一方、膨張工程の後に規制工程を行い、膨張させたエアバッグ1を規制することによりエアバッグ1の内圧を上昇させ、上下のパネル12,11を迅速に大きく離間させることができる。
また、図18などに示す折畳方法によれば、エアバッグ1を、受入口15に向かう線に沿って一側の面部と他側の面部とすなわち上下のパネル12,11が互いに接近した状態に規制し、他の部分は規制せずに膨張させ、上下のパネル12,11を一部離間させる。この状態で、線同士の間の部分すなわち上下のパネル12,11を受入口15に向かって押圧して集積する。すると、エアバッグ1の内側の空間に残った気体により、上下のパネル12,11が離間し、上下のパネル12,11がほとんどかみ合わずにそれぞれ波状に折り畳まれ、さらに、互いに接近した状態に規制された部分を集積された部分の外周に押し当てる。このようにして折り畳まれたエアバッグ1は、受入口15から導入されたガスを周縁部14まで円滑に供給でき、展開特性を容易に向上できる。また、エアバッグ1は、集積する際にエアバッグ1の全面の高さ規制はしないため、全面の高さ規制をする際に必要な大きな部材が不要になり、簡略な構成の装置で迅速に折畳作業が可能になり、製造コストを低減できる。
また、上記の各折畳方法によれば、集積工程の後、他側の面部としての上パネル12を一側の面部としての下パネル11側に相対的に移動させる偏位工程を行うことにより、エアバッグ1を所望の形状に整え、折り畳んだエアバッグ1を容器に収納する作業を容易にできる。さらに、押当工程の後、上パネル12を下パネル11側に相対的に移動させる偏位工程を行うことにより、エアバッグ1を所望の形状に整え、折り畳んだエアバッグ1を容器に収納する作業を容易にできる。また、偏位工程で移動された部分は、集積工程及び押当工程で折り畳まれた部分にかみ合わずに重ねられるため、ガスの流入直後に迅速に展開させることができる。また、集積工程の後、押当工程前あるいは押当工程と同時の規制緩和工程により、押当工程の際の各面部すなわち上下のパネル12,11を円滑に移動させ、エアバッグ1を円滑に折り畳みできる。さらに、エアバッグ1の上下のパネル12,11を略円形状とし、受入口15は下パネル11の略中央部に配置することにより、自動車のステアリングホイールに備えるエアバッグ1に適した構成を実現できる。
また、集積工程では、エアバッグ1の内側の気体の排出を規制することにより、エアバッグ1の内側にわずかな気体を確保しておくのみで、集積工程でエアバッグ1は対向する面部すなわち上下のパネル12,11を離間させて互いに噛み合わずにあるいは僅かにかみ合った状態で折り畳みできる。そこで、エアバッグ1を膨張させる構成に比べ、エアバッグ1内への給気及び排気に要する時間の節減及び設備の省略あるいは簡略化が可能になり、生産性を向上できる。
また、図1などに示す折畳装置によれば、案内部材としての上ブレード26により、受入口15に向かう線に沿って一側の面部と他側の面部とすなわち上下のパネル12,11を互いに接近した状態に規制し、他の部分は規制せずに膨張させ、上下のパネル12,11を離間させる。この状態で、線同士の間の部分すなわち上下のパネル12,11を受入口15に向かって押圧して集積することにより、エアバッグ1は、上下のパネル12,11が互いにかみ合わずにそれぞれ波状に折り畳まれる。このようにして折り畳まれたエアバッグ1は、受入口15から導入されたガスが周縁部14まで円滑に供給され、展開特性を容易に向上できる。また、エアバッグ1は、集積する際にエアバッグ1の全面の高さ規制はしないため、全面の高さ規制をする際に必要な大きな部材が不要になり、簡略な構成の装置で折畳作業を迅速にでき、製造コストを低減できる。さらに、偏位手段としてのセンタプレート27により、エアバッグ1が所望の形状に整えられ、折り畳んだエアバッグ1を容器に収納する作業を容易にできるとともに、集積された部分から突出した上パネル12の一部を移動させることにより、ガスの導入時に迅速に展開する部分を容易に形成できる。
また、図14などに示す折畳装置によれば、案内部材としての上ブレード26の第1の案内部25b,26bにより、受入口15に向かう線に沿って一側の面部と他側の面部とすなわち上下のパネル12,11が互いに接近した状態に規制し、他の部分は規制せずに膨張させ、上下のパネル12,11を離間させる。この状態で、線同士の間の部分すなわち上下のパネル12,11とを受入口15に向かって押圧して集積することにより、エアバッグ1は第2の案内部25c,26cに収容されつつ、上下のパネル12,11とが互いにかみ合わずにそれぞれ波状に折り畳まれる。このようにして折り畳まれたエアバッグ1は、受入口15から導入されたガスが周縁部14まで円滑に供給され、展開特性を容易に向上できる。また、エアバッグ1は、集積する際にエアバッグ1の全面の高さ規制はしないため、全面の高さ規制をする際に必要な大きな部材が不要になり、簡略な構成の装置で折畳作業を迅速にでき、製造コストを低減できる。
さらに、図18などに示す折畳装置によれば、案内部材としての上ブレード26により、受入口15に向かう線に沿って一側の面部と他側の面部とすなわち上下のパネル12,11が互いに接近した状態に規制し、他の部分は規制せず、エアバッグ1の受入口15に対向する上パネル12を下パネル11の受入口15から支持し、上下のパネル12,11を離間させる。この状態で、線同士の間の部分すなわち上下のパネル12,11を受入口15に向かって押圧して集積することにより、エアバッグ1の内側の空間に残った気体により、上下のパネル12,11が離間し、エアバッグ1を、上下のパネル12,11とが互いにほとんどかみ合わずにそれぞれ波状に折り畳みできる。このようにして折り畳まれたエアバッグ1は、受入口15から導入されたガスが周縁部14まで円滑に供給され、展開特性を容易に向上できる。また、エアバッグ1は、集積する際にエアバッグ1の全面の高さ規制はしないため、全面の高さ規制をする際に必要な大きな部材が不要になり、簡略な構成の装置で折畳作業を迅速にでき、製造コストを低減できる。さらに、偏位手段としてのセンタプレート27により、エアバッグ1が所望の形状に整えられ、折り畳んだエアバッグ1を容器に収納する作業を容易にできるとともに、集積された部分から突出した上パネル12の一部を移動させることにより、ガスの導入時に迅速に展開する部分を容易に形成できる。
また、支昇手段は、エアバッグ装置を構成するガス発生器としてのインフレータ41を備えることにより、インフレータ41を組み込んだ状態でエアバッグ1を折り畳みでき、また、エアバッグ1に組み込む別個の金具をインフレータ41で兼用でき、エアバッグ装置の製造コストを低減できる。
また、上記の各折畳装置によれば、エアバッグ1の内側の気体の排出を規制する排気規制手段を構成するインフレータ41を具備することにより、エアバッグ1の内側にわずかな気体を確保しておくのみで、エアバッグ1を受入口15に向かって押圧して集積する工程で、エアバッグ1は対向する上下のパネル12,11を離間させて互いに噛み合わずにあるいは僅かにかみ合った状態で折り畳みできる。そこで、エアバッグ1を膨張させる構成に比べ、エアバッグ1内への給気及び排気に要する時間の節減及び設備の省略あるいは簡略化が可能になり、生産性を向上できる。
また、上記の各折畳装置によれば、互いに接近した状態に規制された部分を集積された部分の外周に押し当てる押当手段としてのセンタブロック23を具備したため、エアバッグ1を所望の形状に整えることができ、折り畳んだエアバッグ1を容器に収納する作業を容易にできる。
また、上記の各エアバッグ1によれば、ガスが導入される受入口15を設けた一側の面部としての下パネル11と、この下パネル11に対向する他側の面部としての上パネル12とを有し、これら上下のパネル12,11が互いに全くあるいは実質的にかみ合わずにそれぞれ受入口15に向かって波形に集積して折り畳まれるとともに、受入口15に対して螺旋状に沿う複数の耳部33が形成され、この耳部33における上下のパネル12,11は線状に対向するため、耳部33において、ガスは線状に対向する部分に沿って耳部33の端部にまで円滑に供給され、耳部33は巻き戻されるように展開し、受入口15から導入されたガスを周縁部14まで円滑に供給し、展開特性を容易に向上できる。
また、上記の各エアバッグ1によれば、他側の面部としての上パネル12は、一側の面部としての下パネル11の受入口15に対向する部位において、実質的に単一の層をなすため、受入口15から導入されたガスが、受入口15の近傍から外周側に円滑に供給され、折り畳まれた部分を外周側に円滑に展開できる。
また、上記の各エアバッグ1によれば、他側の面部としての上パネル12に、一側の面部としての下パネル11の受入口15に対向する部位を含み、正面側に展開可能な正面展開部35を設けることにより、正面展開部35がガスの流入直後に正面側に迅速に展開して、折り畳んだエアバッグ1を覆うカバー体を破断し、エアバッグ1を効率良く展開できる。
また、上記の各エアバッグ1によれば、他側の面部としての上パネル12と、受入口15より離間した部位において対向する一側の部位とが、互いにかみ合わないため、受入口15から導入されたガスが受入口15より離間した部位で円滑に供給され、展開特性を容易に向上できる。
以上のように、本発明のエアバッグは、自動車のステアリングホイールなどに備えられるエアバッグ装置に利用される。
本発明のエアバッグの折畳方法、その装置、及びエアバッグの一実施の形態を示す説明図であり、(a)は図6に続く作業工程図、(b)は(a)のI−O−II断面図である。 同上エアバッグにリテーナを組み合わせた状態を示す一部を切り欠いた斜視図である。 同上エアバッグの折畳装置の一部の斜視図である。 同上エアバッグの折畳工程を示す斜視図である。 同上エアバッグの図4に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図5に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図1に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図7に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図8に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図9の状態を模式的に示す斜視図である。 同上エアバッグの図9に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの折畳工程を示す図11のIII−III断面図である。 同上エアバッグの図12の状態を模式的に示す斜視図である。 本発明の他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は作業工程図、(b)は(a)のI−O−II断面図である。 同上エアバッグの図14に続く折畳工程を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施の形態を示すエアバッグの折り畳み過程の状態を模式的に示す斜視図である。 同上エアバッグの折畳形状を示す斜視図である。 本発明のエアバッグの折畳方法、その装置、及びエアバッグのさらに他の実施の形態を示す説明図であり、(a)は図20に続く作業工程図、(b)は(a)のI−O−II断面図である。 同上エアバッグにガス発生器を組み合わせた状態を示す折畳工程の説明図である。 同上エアバッグの図19に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図18に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図21に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図22に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの図23の状態を模式的に示す斜視図である。 同上エアバッグの図23に続く折畳工程を示す説明図である。 同上エアバッグの折畳工程を示す図25のIII−III断面図である。 同上エアバッグの折畳形状を示す斜視図である。
符号の説明
1 エアバッグ
11 一側の面部としての下パネル
12 他側の面部としての上パネル
14 周縁部
15 受入口
33 耳部
35 正面展開部

Claims (3)

  1. ガスが導入される受入口を設けた一側の面部とこの一側の面部に対向する他側の面部とを有し、これら一側の面部と他側の面部とが受入口から周縁部まで互いにかみ合わずにそれぞれ前記受入口に向かって波形に集積して折り畳まれるとともに、
    前記受入口に対して螺旋状に沿う複数の耳部が形成され、この耳部における前記各面部は線状に対向し、
    前記他側の面部は、前記一側の面部の前記受入口に対向する部位において、実質的に単一の層をなす
    ことを特徴とするエアバッグ。
  2. ガスが導入される受入口を設けた一側の面部とこの一側の面部に対向する他側の面部とを有し、これら一側の面部と他側の面部とが受入口から周縁部まで互いに実質的にかみ合わずにそれぞれ前記受入口に向かって波形に集積して折り畳まれるとともに、
    前記受入口に対して螺旋状に沿う複数の耳部が形成され、この耳部における前記各面部は線状に対向し、
    前記他側の面部は、前記一側の面部の前記受入口に対向する部位において、実質的に単一の層をなす
    ことを特徴とするエアバッグ。
  3. 他側の面部は、一側の面部の受入口に対向する部位を含み、正面側に展開可能な正面展開部を設けた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ。
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