JP2008074318A - 車間距離処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
前方車両との車間距離を制御する車間距離処理装置に関する。
【解決手段】
車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離にかかる処理を行う車間距離処理装置であって、車間距離処理装置は、撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、画像情報から、前方車両の車両特性を示す画像を検出し、その車両特性を判定する車両特性判定部と、車両特性に基づいて、前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、を有する車間距離処理装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、前方を走行している車両(以下、「前方車両」という)との車間距離を制御する車間距離処理装置に関する。より詳細には、前方車両の車両またはその運転者の特性に応じて車間距離を制御する車間距離処理装置に関する。
従来より、四輪車や二輪車(以下、「車両」という)において、その運転者の負担軽減を図るために、前方車両と自らの車両(以下、「自車両」という)との車間距離を制御する制御装置が多数開発されている。そのうち、代表的な制御方法としては、レーザー波やマイクロ波などを前方の車両に照射することによって、その車間距離を計測して車間制御を行う方法(特許文献1など)、カメラなどの撮像装置で前方の車両を撮像し、その画像から車間距離を計測して車間制御を行う方法(特許文献2乃至特許文献5など)、ナビゲーション装置などの外部の装置から前方の通行障害に関する情報を取得して、それに基づいて車間距離を制御する方法(特許文献6など)、あるいはこれらの装置を複数組み合わせた方法(特許文献7など)などがある。
特開2006−38697号公報 特開平5−166098号公報 特開平7−89369号公報 特開2004−330837号公報 特開平10−166899号公報 特開平7−282400号公報 特開2002−122670号公報
これらの方法を用いることによって、前方車両と自車両との間の車間距離を制御することは出来る。これら従来の方法では、単純に前方車両との距離を判定して車間制御を行ったり、車両の周囲の状況、例えば事故などの通行障害に関する情報を外部から取得して車間制御を行っている。
しかし、車間距離において重要なのは、単純に車間距離そのものではなく、前方車両の特性や前方車両を運転している運転者の特性も重要である。例えば前方車両が、積載物があるような貨物車の場合には荷物が落下する危険性もあるため、通常よりも車間距離を多めにすることが好ましいし、パトカーや救急車などの緊急車両は、急発進や急停車などの可能性があるため、これも通常よりも車間距離を多めにすることが好ましい。更に、車両の運転者が初心者であったり、高齢者や障害者の場合にも、通常よりも車間距離を多めにすることが好ましい。
このように、単に車間距離を制御するのみでは十分な安全性が確保されているとは言えず、前方車両やその運転者の特性に応じた車間距離の制御を行うことが好ましい。しかし、従来の各装置を用いたとしても、これらの特性に応じた制御を行うことは出来ず、一律に車間距離の制御が行われているに過ぎない。
そこで本発明者らは、上述の問題点に鑑み、単に車間距離の制御を行うのではなく、前方車両や前方車両の運転者の特性に応じた車間距離の制御を行う車間距離処理装置を発明した。
請求項1の発明は、車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、前記車間距離処理装置は、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報から、前方車両の車両特性を示す画像を検出し、その車両特性を判定する車両特性判定部と、前記車両特性に基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、を有する車間距離処理装置である。
本発明のように構成することによって、前方車両の車両特性に合わせた車間距離を算出することが出来る。これによって、従来のように単に車間距離を計測したりするだけではなく、前方車両が貨物車や緊急車両であるなどの、個々の車両に応じた処理が可能となる。
請求項2の発明は、車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、前記車間距離処理装置は、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報から、前方車両の運転者特性を示す画像を検出し、その運転者特性を判定する運転者特性判定部と、前記運転者特性に基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、を有する車間距離処理装置である。
本発明のように構成することによって、前方車両の運転者特性に合わせた車間距離を算出することが出来る。これによって、従来のように単に車間距離を計測したりするだけではなく、前方車両の運転者が初心者、高齢者であるなどの、個々の車両の運転者に応じた処理が可能となる。
請求項3の発明において、前記車間距離処理装置は、更に、前記画像情報から、前方車両の運転者特性を示す画像を検出し、その運転者特性を判定する運転者特性判定部を有しており、前記車間距離算出部は、更に、前記車両特性と、前記運転者特性とに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、車間距離処理装置である。
上述の車両特性に合わせた車間距離の算出に加え、前方車両の運転者特性をも加味して適切な車間距離を算出することが出来る。これによって、より詳細に算出処理を行うことが出来る。
請求項4の発明において、前記車両特性として、前記前方車両の車種、ナンバープレートの色のいずれか一以上を含む、車間距離処理装置である。
請求項5の発明において、前記運転者特性として、運転者表示マークを含む、車間距離処理装置である。
車両特性や運転者特性には、これらの発明のようなものが代表的なものとしてあげられる。
請求項6の発明において、前記車間距離処理装置は、更に、気象情報を取得して、気象特性を判定する気象特性判定部を有しており、前記車間距離算出部は、更に、前記気象特性も加味して、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、車間距離処理装置である。
上述の車間距離処理装置において、気象特性も加味して適切な車間距離を算出することが出来る。雨や雪の時と、そうでない場合とは、ブレーキをかけた場合の制動距離が大きく異なることが知られている。その為、車間距離において、気象特性は重要な要因の一つとなっており、上述に加えて気象特性も加味することによって、より詳細に算出処理を行うことが出来る。
請求項7の発明は、車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、前記車間距離処理装置は、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報からナンバープレートの画像領域を検出し、少なくとも、該画像領域から前方車両の車種またはナンバープレートの色を示す画像を検出することによって、その車種またはナンバープレートの色のいずれか一以上を含む車両特性を判定し、その判定に対応したポイントを加算する車両特性判定部と、前記車両特性により加算したポイントに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、を有する車間距離処理装置である。
上述の発明において、車両特性を加味して判定を行う場合に、本発明のように構成することも出来る。ポイントに基づいた処理を行うことで、判定した車両特性に応じた詳細な車間距離の算出を行うことが出来る。
請求項8の発明は、車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、前記車間距離処理装置は、前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報から運転者表示マークの画像を検出することによって、運転者特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する運転者特性判定部と、前記運転者特性により加算したポイントに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、を有する車間距離処理装置である。
上述の発明において、運転者特性を加味して判定を行う場合に、本発明のように構成することも出来る。ポイントに基づいた処理を行うことで、判定した運転者特性に応じた詳細な車間距離の算出を行うことが出来る。
請求項9の発明において、前記車間距離処理装置は、更に、前記画像情報から運転者表示マークの画像を検出することによって、運転者特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する運転者特性判定部を有しており、前記車間距離算出部は、更に、前記車両特性により加算したポイントと前記運転者特性により加算したポイントとに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、車間距離処理装置である。
上述の発明において、車両特性に加えて運転者特性も加味して、車間距離の算出処理を行うと良い。これによって、より詳細に算出処理を行うことが出来る。
請求項10の発明において、前記車間距離処理装置は、更に、気象情報を取得することによって気象特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する気象特性判定部を有しており、 前記車間距離算出部は、更に、前記気象特性も加味して、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、車間距離処理装置である。
上述の車間距離処理装置において、気象特性も加味して適切な車間距離を算出することが出来る。雨や雪の時と、そうでない場合とは、ブレーキをかけた場合の制動距離が大きく異なることが知られている。その為、車間距離において、気象特性は重要な要因の一つとなっており、上述に加えて気象特性も加味することによって、より詳細に算出処理を行うことが出来る。またポイントに応じた処理を行うことで、気象の程度、例えば降雨量や積雪量などに応じて、車間距離をより詳細に算出することも出来る。
請求項11の発明において、前記車間距離処理装置は、更に、前記車両に備えた、前記前方車両との車両間隔を検出する車間距離検出装置から、実際の車間距離の情報を取得する車間距離情報取得部と、前記車間距離算出部において算出した車間距離と、実際の車間距離とを比較して、実際の車間距離が短い場合には、車両制御装置に対して、車速を落とす制御指示を行う制御指示部と、を有する車間距離処理装置である。
上述のように算出した車間距離に基づいて、車両自体の制御を行うことが好ましい。具体的には車両制御装置に対して車速を落とす制御指示を行うことによって、自車両の車速を落とし、車両間隔をとることによって、十分な安全性を確保することが出来る。
請求項12の発明において、前記制御指示として、ECUに対する燃料噴射量を減らす指示、燃料噴射間隔を長くする指示、電子スロットルに対する車速を落とす指示のいずれか一以上を含む、車間距離処理装置である。
制御指示としては本発明に記載の指示が代表的なものである。
請求項13の発明において、前記車間距離算出部は、更に、前記車間距離算出部において算出した車間距離と、実際の車間距離とを比較して、実際の車間距離が短い場合には、前記車両の運転者に対して、車間距離をとるように促すメッセージを表示または音声により出力する、車間距離処理装置である。
自動的に車速の制御を行うほか、運転者に対して警告メッセージを行うことによって、自発的に車間距離をとらせるように構成することも出来る。これによって運転者に対して危険性の認識をもたらすことが出来る。
本発明のような車間距離処理装置を用いることによって、前方車両やその運転者の特性を加味した上で車間距離の制御を行うことが可能となる。これによって従来の車間距離処理装置よりも安全性が高いものとなる。
本発明の車間距離処理装置1を含めた、車両に搭載される装置の全体の概要を模式的に図1に示す。また図2に車間距離処理装置1のシステム構成の概要を模式的に示す。
撮像装置2は、自車両に備えられたカメラであって、好適には自車両の前方を走行する車両(自車両以外の車両)を撮像する装置である。なお前方車両としては、自車両と同じレーンを走行している車両であることが好ましいが、自車両が走行しているレーンとは異なるレーンを走行している車両であっても良い。
車間距離検出装置3は、自車両と前方車両との間の車間距離を検出する装置である。車間距離を検出するには、上述の特許文献に記載のような各種装置を用いることが出来る。例えば車両にレーザー波やミリ波レーダー、マイクロ波、赤外線などの各種の照射波を射出する照射装置を備え、それによって車間距離を検出したり、撮像装置2で撮像した画像に基づいて、前方車両との車間距離を検出したりする方法がある。
車両制御装置4は、ECUなどのエンジン制御装置、アクセル、ブレーキを制御する制御装置(フライバイワイヤと呼ばれる電子スロットルなど)など、車両の速度を制御する装置である。車間距離検出装置3から受け取った制御指示に基づいて、エンジンの出力を落としたり、アクセルを閉じたり、ブレーキを踏んだりするのと同様の制御を行う。これによって車速を落とし、前方車両との車間距離を取る。
車間距離処理装置1は、撮像装置2で撮像した画像情報を用いて、その画像情報に写っている前方車両の車両特性と運転者特性とを判定することで、前方車両との適切な車間距離を算出し、その制御指示を行う装置である。この制御装置には少なくともCPUのような演算装置と、情報を記憶する記憶装置とを備えており、記憶装置に記憶されたプログラムを読み出し、それが演算装置に読み込まれて実行されることで、この制御装置の機能を実現する。
本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
車間距離処理装置1は、画像情報取得部10と車両特性判定部11と車両特性情報記憶部12と運転者特性判定部13と運転者特性情報記憶部14と車間距離算出部16と車間距離情報取得部15と制御指示部17とを有する。
画像情報取得部10は、撮像装置2が所定のタイミングで撮像した画像情報を撮像装置2から取得する。
車両特性判定部11は、画像情報取得部10が取得した、撮像装置2で撮像した画像情報から、ナンバープレートの画像部分を検出し、ナンバープレートの車種を示す番号と、ナンバープレートの色とに基づいて、後述する車両特性情報記憶部12に記憶した情報と比較して、車両特性を判定する。
車両特性情報記憶部12は、車両特性判定部11で判定するための車両特性に関する情報(車種を示す番号、ナンバープレートの色などの情報)と、それに対応する判定の情報(加算するポイントの情報など)とを記憶する。ナンバープレートの車種を示す番号と、それに基づく判定との対応関係を図4に模式的に示す。またナンバープレートの色と、それに基づく判定との対応関係を図5に模式的に示す。
運転者特性判定部13は、画像情報取得部10が取得した、撮像装置2で撮像した画像情報から、運転者表示マーク(初心者マーク、高齢者マーク、身体障害者マーク、代行運転自動車マーク)の画像部分を検出し、運転者表示マークに基づいて、後述する運転者特性情報記憶部14に記憶した情報と比較して、運転者特性を判定する。
運転者特性情報記憶部14は、運転者特性判定部13で判定するための運転者特性に関する情報(運転者表示マークやその種類などの情報)と、それに対応する判定の情報(加算するポイントの情報など)とを記憶する。これを模式的に図6に示す。
車間距離情報取得部15は、車間距離検出装置3で検出した、前方車両と自車両との実際の車間距離の情報を車間距離検出装置3から取得する。
車間距離算出部16は、車両特性判定部11と運転者特性判定部13との判定結果に基づいて適切な車間距離を算出し、また、車間距離情報取得部15で取得した、車間距離検出装置3で検出した車間距離の情報と、適切な車間距離とに基づいて、車速を落とすための制御を行うか否かの判定を行う。
制御指示部17は、車間距離算出部16において車速を落とすための制御を行うことを判定した場合、車両制御装置4に対して車速を落とすための制御指示を行う。例えばECUなどのエンジン制御装置に対してエンジン出力を落とすために、燃料の噴射量を減らしたり、燃料の噴射間隔を長くする制御指示を行ったり、アクセルやブレーキなどがフライバイワイヤにより実現されている場合、アクセルの開度を増やす(アクセルを踏んでいない状態とする)制御指示を行ったり、ブレーキの開度を減らす(ブレーキを踏んだ状態とする)制御指示を行ったりする。
次に本発明の車間距離処理装置1を用いた処理プロセスの一例を図3のフローチャート、図1及び図2の概念図を用いて説明する。
まず自車両には撮像装置2を取り付けておく。これは好適には自車両の前方を撮像可能にし、その撮像範囲内には、前方を走行する車両のナンバープレート、運転者表示マークが撮像可能なように設置する。
このようにして撮像装置2を設置した後、走行を開始する。この際に所定のタイミングで撮像装置2は、撮像を行う(S100)。撮像装置2で撮像した画像情報は、画像情報取得部10が取得する(S110)。
このようにして画像情報取得部10が画像情報を取得すると、車両特性判定部11が当該画像情報にナンバープレートの画像が含まれているかを検出する(S120)。ナンバープレートの大きさは縦・横の比率が定められている。そこで当該画像情報において、長方形または略長方形の領域をまず検出し、更に、その領域の縦・横の比率が所定の比率、またはほぼ所定の比率(所定の比率から予め定められた誤差範囲内の比率)の領域をナンバープレートであると検出する。
例えば普通乗用車などに用いられる「中板」と呼ばれる大きさのナンバープレートの場合、縦が165ミリメートル、横が330ミリメートルである。また、大型トラックなどに用いられる「大板」と呼ばれる大きさのナンバープレートの場合、縦が220ミリメートル、横が440ミリメートルである。従って、画像情報において、これらの縦・横比率を有する長方形または略長方形の領域はナンバープレートである可能性が高い。なおナンバープレートの大きさの比率は、予め車間距離処理装置1に記憶しておけば良い。
このように画像情報からナンバープレートの領域を検出すると、そのナンバープレートにある車種を示す番号の情報と、色の情報とを検出することによって、車両特性判定部11は車両特性を判定する(S130)。例えば図7に示すようなナンバープレートの領域を画像情報から検出すると、その領域から、撮像した前方車両の車種を特定する番号を検出する。図7の場合、陸運局の所在地名や地域名を示す情報の横に位置する番号を検出する。図8にこれを模式的に示す。
このように車種を特定する番号を検出すると、車両特性判定部11は、車両特性情報記憶部12に記憶する情報に基づいて、適切車間距離を判定するためのポイントを加算するかどうか判定する。例えば、検出した番号が図7や図8に示すように「55」の場合には、小型乗用車なのでポイントは加算せず(図4参照)、検出した番号が「100」の場合には普通貨物車なので1ポイントを加算する(図4参照)。なお車種に応じてポイントを加算するかどうかは、適宜設定することが出来る。なおここでポイントを加算する処理を行った場合、そのポイントに対応する距離を、通常の車間距離に加算することを意味する。また加算するポイントや距離は適宜設定可能である。
次に車両特性判定部11は、ナンバープレートとして検出した領域から、その領域で最も多く使用されている色情報を検出する。例えば普通乗用車のナンバープレートであれば「白」が最も多く検出されるであろうし、営業車のナンバープレートであれば「緑」が最も多く検出されるであろう。このようにしてナンバープレートの色を検出する。そして車両特性情報記憶部12に記憶する情報に基づいて、適切車間距離を判定するためのポイントを加算するかどうか判定する。例えばナンバープレートの領域の色が図7に示すように「白」であればポイントは加算せず(図5参照)、図9に示すように、「緑」であれば1ポイント加算する(図5参照)。なお「緑」「白」の他にも、軽自動車であれば「黄」「黒」などが用いられているので、それらの場合にも適宜判定すれば良い。
このようにして車両特性判定部11は、前方車両の車種、営業車であるか否か、などの前方車両の属性情報をナンバープレートから検出して、車両特性について加算するポイントを算出する。
なおナンバープレートとして検出した領域から、上記の他にも、例えば「品川」などのような陸運局の所在地や地域名を示す情報を検出し、それが現在走行している地域と同じであるか否かを判定することによって、ポイント加算を行うかどうか、判定しても良い。同じ地域であれば道路には詳しいと考えられるのでポイント加算を行わなくても良いが、異なる地域であれば道路には詳しくなく、急な進路変更などが考えられるのでポイント加算を行うようにしても良い。なお現在の走行位置は、ナビゲーション装置やGPSから取得すればよい。
上記の車両特性の処理終了後、または車両特性の処理と並行して、運転者特性判定部13は、撮像装置2が撮像した画像情報に、運転者表示マークの画像が含まれているかを検出する(S140)。運転者表示マークとしては、初心者マーク、高齢者マーク、身体障害者マーク、代行運転自動車マークなどが一例としてある。図10にそれを示す。図10(a)が初心者マーク、図10(b)が高齢者マーク、図10(c)が身体障害者マーク、図10(d)が代行運転自動車マークである。なお図10(c)の身体障害者マークは道路交通法により定められたマークであるが、それ以外にも図11に示すようなマークが一般的に用いられている。これは身体障害者が運転していることを表示するものではないが、身体障害者が同乗しているなど何らかの関連性を示す場合もある。従って、図10のような法により規定されたマークの他、図11のような任意的なマークも運転者表示マークとして検出対象として良い。
図10や図11に示すような運転者表示マークを画像情報から検出した場合、運転者特性情報記憶部14に記憶する情報に基づいて、適切車間距離を判定するためのポイントを加算するかどうか判定する(S150)。例えば図10(a)のような初心者マークを検出した場合には1ポイントを加算する。
なお検出したマークによって、加算するポイントが異なっていても良い。各運転者表示マーク毎に加算されるポイントは、任意に設定可能である。
このように車両特性判定部11と、運転者特性判定部13において、車両特性と運転者特性とによる適切車間距離を判定するためのポイントを算出し、それに基づいて、車間距離算出部16が適切な車間距離を算出する(S160)。これは車両特性判定部11で加算したポイントと、運転者特性判定部13において加算したポイントとを合計し、そのポイントに対応する車間距離を算出する。例えば、車両特性判定部11で1ポイント、運転者特性判定部13で1ポイントをそれぞれ加算した場合には、車間距離算出部16ではそれらを合計して2ポイントを算出し、2ポイントに対応する距離、例えば20メートル(1ポイントが10メートルの場合)を算出する。そしてこの20メートルに、通常とるべき車間距離を加算することによって、適切な車間距離を算出する。通常とるべき車間距離が例えば10メートル場合には、10メートルに、上記20メートルを加算して、適切な車間距離は30メートルとして算出できる。なお通常とるべき車間距離は、予め設定された値であっても良いし、車速センサーなどにより検出された自車両の車速に対応する車間距離を予め記憶しておき、それに基づいて判定しても良い。更にはナビゲーション装置から、現在走行している道路が高速道路であるのか、有料道路であるのか、一般道路であるのか、など道路の種別を示す情報を取得し、それに基づいて対応する車間距離を予め記憶しておき、それに基づいて判定しても良い。またこれらを組み合わせて判定しても良い。
またS100からS160の処理と並行して、あるいはS160の処理終了後、車間距離検出装置3では、前方車両と自車両との間の実際の車間距離を検出する(S170)。この実際の車間距離の情報を、車間距離情報取得部15が、車間距離検出装置3から取得する。
そして車間距離算出部16は、S160で算出した適切な車間距離と、S170で検出した実際の車間距離とを比較し(S180)、実際の車間距離が短い場合には、制御指示部17が、車両制御装置4に対して、車速を落とすための制御指示を渡す(S190)。この場合、車間距離処理装置1では、逐次、前方車両と自車両との間の実際の車間距離を検出しておき、実際の車間距離が適切な車間距離と同じか、それよりも長くなるまで、車速を落とすための制御指示を行う。なお、急な減速は事故の原因ともなりかねないので、制御指示部17は、徐々に車速を落とすように制御指示を行うと良い。例えばECUなどのエンジン制御装置に対して、燃料の噴射量を減らす指示を渡したり、噴射間隔を長くする指示を渡したり、あるいはアクセルの開度を増やす(アクセルを踏んでいない状態とする)制御指示を行ったり、ブレーキの開度を減らす(ブレーキを踏んだ状態とする)制御指示を行ったりする。
また車間距離算出部16は、上述のような制御指示部17から車両制御装置4に対して指示を行うほか、ナビゲーション装置で「車間距離を取ってください」といった車間距離をとるように促す表示や、そのような音声を出力しても良いし、車両のスピーカー自体からそのような音声を出力しても良い。これによって自車両の運転者にとって警告が行える。
更に上述に加え、車間距離処理装置1が外部と通信することによって、現在の気象情報を取得するように構成し、適切車間距離を判定するためのポイントの算出の際に、気象情報を判断処理に加えても良い。
これは雨や雪が降った場合にはブレーキを踏んだ場合の制動距離が長くなるためである。このような気象情報を加味する場合の車間距離処理装置1のシステム構成の概要を図12に示す。
上述の場合の車間距離処理装置1には、更に、気象特性判定部18と、気象特性情報記憶部19とが設けられる。気象特性判定部18は、所定の気象情報を提供する情報サーバと通信をすることによって、気象情報を取得する。またナビゲーション装置が気象情報を提供するサーバを通信を行うことによって、気象情報を取得することで、車間距離処理装置1はナビゲーション装置からその気象情報を取得するようにしても良い。このようにして取得した気象情報を、気象特性情報記憶部19に記憶する情報に基づいて判定することで、気象特性を判定する。
気象特性情報記憶部19には、気象情報とそれに対応する判定の情報とを記憶する。図13に、気象情報と、それに基づく判定の対応関係を模式的に示す。
このように気象特性をも加味して判定を行う場合には、S160より前の処理において、気象特性判定部18が、気象情報を提供するサーバから気象情報を取得する。またはナビゲーション装置が気象情報を提供するサーバから取得した気象情報を、ナビゲーション装置から取得する。
そして気象特性判定部18は、気象情報を取得した場合、気象特性情報記憶部19に記憶する情報に基づいて、適切車間距離を判定するためのポイントを加算するか否か判定する。もし取得した気象情報が、例えば「晴れ」の場合にはポイントの加算は行わず、「雨」の場合には1ポイントの加算を行う。
このようにして気象特性の判定を行うと、車間距離算出部16は、車両特性判定部11における車両特性によるポイント、運転者特性判定部13における運転者特性によるポイントに加えて、気象特性判定部18における気象特性によるポイントのそれぞれを合計し、その合計ポイントに対応する車間距離を算出する。そして算出した車間距離に、通常とるべき車間距離を合計し、適切な車間距離を算出する。そしてこの車間距離と、車間距離情報取得部15で取得した実際の車間距離とを比較し、実際の車間距離が短ければ制御指示部17が車両制御装置4に制御の指示を行う。
なお上述の車両特性、運転者特性、気象特性においては、それに対応するポイントを判定し、更にそのポイントを用いて、適切な車間距離を算出しているが、ポイントを用いずとも、各特性に対応する距離を記憶しておき、それらを演算処理(好適には加算)することによって、車間距離算出部16は、適切な車間距離を算出しても良い。
また上述の実施例においては、車両に撮像装置2を設置してその画像情報から車両特性、運転者特性、気象特性を判定しているが、例えば各車両に、車両特性、運転者特性のいずれかを含むような電子ナンバープレートが設置されるような場合には、その電子ナンバープレートに記憶された車両特性、運転者特性を前方車両から読み取る読取装置を、自車両に取り付け、それに基づいて車間距離処理装置1が適切な車間距離の算出を行い、車間距離の制御指示を行うように構成することも出来る。
本発明のような車間距離処理装置1を用いることによって、前方車両やその運転者の特性を加味した上で車間距離の制御を行うことが可能となる。これによって従来の車間距離処理装置1よりも安全性が高いものとなる。
全体の概要を模式的に示す概念図である。 車間距離処理装置の概要を模式的に示す図である。 本発明の処理プロセスの一例を模式的に示すフローチャートである。 車種による判定を模式的に示す図である。 ナンバープレートの色による判定を模式的に示す図である。 運転者表示マークによる判定を模式的に示す図である。 画像情報から検出したナンバープレートの領域を模式的に示す図である。 ナンバープレートの領域から車種を示す番号を検出することを模式的に示す図である。 ナンバープレートの色が「緑」である場合を模式的に示す図である。 運転者表示マークの一例を示す図である。 身体障害者が同乗していることを示すマークの一例である。 車間距離処理装置の他の概要を模式的に示す図である。 気象による判定を模式的に示す図である。
符号の説明
1:車間距離処理装置
2:撮像装置
3:車間距離検出装置
4:車両制御装置
10:画像情報取得部
11:車両特性判定部
12:車両特性情報記憶部
13:運転者特性判定部
14:運転者特性情報記憶部
15:車間距離情報取得部
16:車間距離算出部
17:制御指示部
18:気象特性判定部
19:気象特性情報記憶部

Claims (13)

  1. 車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、
    前記車間距離処理装置は、
    前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、
    前記画像情報から、前方車両の車両特性を示す画像を検出し、その車両特性を判定する車両特性判定部と、
    前記車両特性に基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、
    を有することを特徴とする車間距離処理装置。
  2. 車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、
    前記車間距離処理装置は、
    前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、
    前記画像情報から、前方車両の運転者特性を示す画像を検出し、その運転者特性を判定する運転者特性判定部と、
    前記運転者特性に基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、
    を有することを特徴とする車間距離処理装置。
  3. 前記車間距離処理装置は、更に、
    前記画像情報から、前方車両の運転者特性を示す画像を検出し、その運転者特性を判定する運転者特性判定部を有しており、
    前記車間距離算出部は、更に、
    前記車両特性と、前記運転者特性とに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車間距離処理装置。
  4. 前記車両特性として、前記前方車両の車種、ナンバープレートの色のいずれか一以上を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車間距離処理装置。
  5. 前記運転者特性として、運転者表示マークを含む、
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車間距離処理装置。
  6. 前記車間距離処理装置は、更に、
    気象情報を取得して、気象特性を判定する気象特性判定部を有しており、
    前記車間距離算出部は、更に、
    前記気象特性も加味して、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車間距離処理装置。
  7. 車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、
    前記車間距離処理装置は、
    前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、
    前記画像情報からナンバープレートの画像領域を検出し、少なくとも、該画像領域から前方車両の車種またはナンバープレートの色を示す画像を検出することによって、その車種またはナンバープレートの色のいずれか一以上を含む車両特性を判定し、その判定に対応したポイントを加算する車両特性判定部と、
    前記車両特性により加算したポイントに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、
    を有することを特徴とする車間距離処理装置。
  8. 車両に備えた撮像装置で撮像した画像情報に基づいて、車間距離の算出処理を行う車間距離処理装置であって、
    前記車間距離処理装置は、
    前記撮像装置で撮像した画像情報を取得する画像情報取得部と、
    前記画像情報から運転者表示マークの画像を検出することによって、運転者特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する運転者特性判定部と、
    前記運転者特性により加算したポイントに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する車間距離算出部と、
    を有することを特徴とする車間距離処理装置。
  9. 前記車間距離処理装置は、更に、
    前記画像情報から運転者表示マークの画像を検出することによって、運転者特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する運転者特性判定部を有しており、
    前記車間距離算出部は、更に、
    前記車両特性により加算したポイントと前記運転者特性により加算したポイントとに基づいて、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の車間距離処理装置。
  10. 前記車間距離処理装置は、更に、
    気象情報を取得することによって気象特性を判定し、その判定に応じたポイントを加算する気象特性判定部を有しており、
    前記車間距離算出部は、更に、
    前記気象特性も加味して、前記前方車両との適切な車間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれかに記載の車間距離処理装置。
  11. 前記車間距離処理装置は、更に、
    前記車両に備えた、前記前方車両との車両間隔を検出する車間距離検出装置から、実際の車間距離の情報を取得する車間距離情報取得部と、
    前記車間距離算出部において算出した車間距離と、実際の車間距離とを比較して、実際の車間距離が短い場合には、車両制御装置に対して、車速を落とす制御指示を行う制御指示部と、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の車間距離処理装置。
  12. 前記制御指示として、
    ECUに対する燃料噴射量を減らす指示、燃料噴射間隔を長くする指示、電子スロットルに対する車速を落とす指示のいずれか一以上を含む、
    ことを特徴とする請求項11に記載の車間距離処理装置。
  13. 前記車間距離算出部は、更に、
    前記車間距離算出部において算出した車間距離と、実際の車間距離とを比較して、実際の車間距離が短い場合には、前記車両の運転者に対して、車間距離をとるように促すメッセージを表示または音声により出力する、
    ことを特徴とする請求項11に記載の車間距離処理装置。
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