JP2008074240A - 4輪駆動車用駆動力配分装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力センサを使用することなくクラッチ伝達トルクを推定してトルク指令値に一致するように油圧ポンプを駆動するモータの正逆回転駆動を制御する。
【解決手段】 モータ42により油圧ポンプ46を正逆転駆動し、シリンダ34に油圧ポンプ46から直接圧油を供給し、ピストン36の移動により多板クラッチ16を押付けて伝達トルクを変化させる。コントローラ40は、回転検出器48により検出したモータ40の回転速度に基づいて演算した多板クラッチ16の伝達トルクと、車両状態の検出値に基づいてクラッチトルク指令値とが一致するようにモータ40の正逆転駆動を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、前輪若しくは後輪への駆動トルクの配分制御を多板クラッチで行う4輪駆動車用駆動力配分装置に関し、特に、モータにより油圧ポンプを正逆転してピストンシリンダ機構のピストンに直接圧油を供給してクラッチ伝達トルクを制御する4輪駆動車用駆動力配分装置に関する。
従来、モータの回転運動を直線運動に変換し、モータの駆動力に応じて多板クラッチを押付けすることで伝達トルクを制御する4輪駆動車用駆動力配分装置が各種提案されている。
図7は従来の4輪駆動車用駆動力配分装置であり、クラッチ制御機構125は、モータ142により油圧ポンプ146を駆動して油圧を発生し、この油圧をシリンダ134に供給してピストン136を直接押して軸方向に移動し、押付圧部材138により多板クラッチ116を押付けし、伝達トルクを制御している。
油圧ポンプ146の発生油圧は圧力センサ150で検知され、トルク制御ユニット(TFCU)として知られたコントローラ140が車両状態に基づいて決定したトルク指令値になるようにモータ142をPWM制御する。
図8は従来のコントローラ140であり、トルク指令値設定部152、加算器154、トルク推定値演算部156、PID制御量演算部160及び油圧検出部162で構成される。コントローラ140の油圧検出部162は圧力センサ150の検出信号からピストン136に加わる油圧を検出し、トルク推定値演算部136は油圧検出部162で検出した油圧に所定の変換定数を乗じてクラッチ伝達トルクを推定している。
トルク指令値設定部152は車両状態センサの検出状態に基づいて多板クラッチの伝達トルク指令値を出力する。加算器154はトルク推定値演算部156から出力される伝達トルク推定値とトルク指令値設定部152から出力される伝達トルク指令値との偏差を求め、偏差をゼロとするPID演算量をPID制御量演算部158で求める。
モータドライバ160はPID制御量に応じた電流をモータ142に流し、検出油圧から演算した多版クラッチ116の伝達トルク推定値と、車両状態の検出値に基づいて設定した伝達トルク指令値とが一致するようにモータ142の正逆転駆動を制御している。
特開2001−206092号公報 特開2002−326522号公報
しかしながら、このような従来の圧力検出器で検出した油圧に基づいて多板クラッチの伝達トルクを推定演算して伝達トルク指令値に一致するようにモータを正逆転駆動して制御する4輪駆動車用駆動力配分装置にあっては、高価な圧力センサを使用しているため装置コストが高くなるという問題がある。
また圧力センサは一般的に完成された製品として供給され、専用のコネクタを持っているため、モータとは別に車両にハーネスコネクタを用意する必要があり、コネクタだけでなく固定用ブラケットも余分に必要となり、この点でもコストが高くなるという問題がある。
更に、ケーシングに対し圧力センサを取り付けるためのスペースが必要であり、取付け部の加工も必要とし、工数がかかる問題もある。
本発明は、圧力センサを使用することなくクラッチ伝達トルクを推定してトルク指令値に一致するように油圧ポンプを駆動するモータの正逆回転駆動を制御する4輪駆動車用駆動力配分装置を提供することを目的とする。
本発明の4輪駆動車用駆動力配分装置は、
主駆動軸の動力を副駆動軸に伝達する多板クラッチと、
シリンダに対する油圧の供給によるピストンの移動により多板クラッチを押付けて伝達トルクを変化させるピストンシリンダ機構と、
シリンダに圧油を供給してピストンに直接圧力を加える油圧ポンプと、
油圧ポンプを正逆転駆動するモータと、
モータの回転速度を検出する回転検出器と、
回転検出器により検出したモータの回転速度に基づいて推定した多版クラッチの伝達トルク推定値と、車両状態の検出値に基づいて設定した伝達トルク指令値とが一致するようにモータの正逆転駆動を制御するコントローラと、
を備えたことを特徴とする。
ここで、コントローラは、
モータの検出電流に所定のトルク定数を乗じてモータ発生トルクを計算するモータ発生トルク計算部と、
回転検出器で検出したモータ回転速度から検出したモータ加減速度に所定の慣性モーメントを乗じてモータの加減速トルクを計算する加減速トルク計算部と、
回転検出器で検出したモータ回転速度に対応した油圧ポンプのフリクショントルクを計算するポンプフリクショントルク計算部と、
モータ発生トルクから加減速度トルクとフリクショントルクを差し引いて油圧ポンプのポンプ駆動トルクを計算するポンプ駆動トルク計算部と、
ポンプ駆動トルクと油圧ポンプのポンプ吐出容量に基づいてピストンに直接加える油圧を計算する油圧計算部と、
油圧に所定の変換定数を乗じて多版クラッチの伝達トルク推定値を演算するトルク推定演算部と、
伝達トルク推定値と伝達トルク指令値との偏差を演算する加算部と、
偏差をなくすPID制御量を演算するPID制御量演算部と、
PID制御量を電流に変換してモータを正逆転駆動するモータドライバと、
を備える。
本発明の4輪駆動車用駆動力配分装置は、更にピストンに供給される圧油の温度を検出する油温センサを設け、コントローラのポンプフリクショントルク計算部は油温センサで検出した油の温度によりポンプフリクショントルクを補正する。
本発明は、高価な圧力センサを廃止し、代わりにモータの回転を検出する回転検出器を備えたものであり、モータ電流、モータ加減速度、モータ回転数から油圧ポンプの吐出圧力を推定することで、圧力センサを使用した従来例に比べて制御精度の点では若干劣るものの、高価な圧力センサの代わりに安価な回転センサーを使うことで装置コストを安くできる。
また、回転センサ、油温センサはモータに内蔵できることから、コネクタがモータの接続のみとなり、コネクタ数を削減でき、更にコネクター固定用ブラケットも少なくて済むため、コストを安くできる。
また、圧力センサの取付けスペースを確保する必要がないため、装置を小型軽量にできる。
更に、センサ類がモータ内にすべて配置されているため、コントローラをモータと一体構造にすることも容易であり、モータとコントローラを一体にすることで、車両のハーネスを減らすことができ、軽量化と同時に車両開発が容易になるといったメリットも得られる。
図1は本発明による4輪駆動車用駆動力配分装置の実施形態を示した断面図であり、変換機構としてモータによる油圧駆動で回転運動を直線運動に変換して多板クラッチの伝達トルクを制御することを特徴とする。
図1において、本発明の4輪駆動車用駆動力配分装置はケース10を有し、ケース10の左側に、エンジンからの回転を自動変速機あるいは手動変速機を介して入力する入力軸12が設けられ、入力軸12は副変速機構11を介して後輪出力軸14に直結されている。
副変速機構11は図示しないシフト機構によりシフトギア13がHポジションとLポジションの2段に切替られる。図示のシフトギア13の位置となるHポジションでは入力軸12を後輪出力軸14に直結した2Hとし、この状態で多板クラッチ16により前輪への駆動トルクを制御することで4Hオート・ロック状態とする。
また、シフトギア13をLポジジョンにシフトすると、副変速機構11の遊星歯車機構による減速回転(キャリア回転)を後輪駆動軸に出力し、且つカップリングスリーブ15を15aに示すように前輪側のスプロケットギア28と一体設けたクラッチギアに連結して後輪駆動軸に直結し、4Lロックとしている。
後輪出力軸14と同軸には多板クラッチ16が設けられる。多板クラッチ16はクラッチハブ22を後輪出力軸14に固定し、クラッチドラム24を後輪出力軸14に対し回転自在に設けたスプロケットギア28に連結している。後輪出力軸14と平行には、反対側に動力を取り出す前輪出力軸20がケース10に設けられており、前輪出力軸20にはスプロケットギア30が一体に形成されており、多板クラッチ16側のスプロケットギア28との間にチェーンベルト18を掛けて連結している。
このような4輪駆動車用駆動力配分装置において、副変速機構11のシフトギア13をLポジションにシフトした4Lロックの際には、多板クラッチ16の制御は行われず、クラッチハブ44とクラッチドラム46間が切り離され、その代わりカップリングスリーブ15の15aに示す位置へのシフトでスプロケットギア28を後輪駆動軸14に直結し、後輪駆動軸14の駆動力をスプロケットギア50、チェーンベルト18、スプロケットギア52を介して前輪出力軸20に直接伝達している
また副変速機構11のシフトギア13をHポジションにシフトした4Hコントロール/ロックの際には、多板クラッチ16が制御状態となり、入力軸12からの回転を、後輪出力軸14、伝達トルク制御状態にある多板クラッチ16、スプロケットギア50、チェーンベルト18、スプロケットギア52を介して前輪出力軸20に伝達する。
多板クラッチ16に対しては、クラッチハブ22とクラッチドラム24の間に設けた複数枚のクラッチプレート26のクラッチ締結力を制御する変換機構が設けられる。この変換機構は、モータ42により油圧ポンプ46を駆動し、油圧ポンプ46からの高圧油を多板クラッチ16の右側に配置したシリンダ34に摺動自在に設けたピストン36の右側のシリンダ室に供給し、ピストン36を左側にストロークさせ、スラストベアリング32を介して押付け部材38でクラッチプレート26を押し、クラッチ締結力を増加させ、伝達トルクを制御する。
モータ42、油圧ポンプ46、シリンダ34、ピストン36及び押付部材38からなるクラッチ制御機構は、トルク制御ユニット(TFCU)として知られたコントローラ40により制御される。コントローラ40に対しては車両状態センサ41が接続されており、車両状態センサ41としては車速、舵角、2輪/4輪駆動切替え等をセンサ信号としてコントローラ40に出力し、この車両状態センサ41からの信号に基づき、コントローラ40はクラッチ制御機構に対する伝達トルク指令値を設定する。
またコントローラ40に対してはモータ42の出力軸44の回転を検出する回転検出器48からの検出信号と、油圧ポンプ46からピストン36の右側のシリンダ室に供給している圧油の温度を検出する油温センサ50からの信号線が接続されている。
本実施形態にあっては、油圧ポンプ46からピストン36に供給する圧油を検出する油圧センサは設けられておらず、その代わりにモータ42の回転速度を検出する回転検出器及び油温センサ50を設けている。コントローラ40は回転検出器48で検出したモータ42の回転速度から油圧ポンプ46による油圧Pを推定値として演算し、演算した油圧Pから多板クラッチ16の伝達トルク推定値を演算している。
そして車両状態センサ41からの信号に基づいて設定された駆動トルク指令値と回転検出器48に基づく油圧推定値から求めた伝達トルク推定値との差をなくすようにモータ48の回転方向(正逆回転)と回転速度を制御する。
また油温センサ50はコントローラ40における伝達トルク推定値の演算において油圧ポンプ46におけるポンプフリクショントルクの演算を行っており、この演算においてポンプフリクショントルクが油温により変動することから、油温センサ50からの油温検出値を用いたポンプフリクショントルクの補正を行って伝達トルク推定値の精度を高めるようにしている。
図2は図1の実施形態に用いたクラッチ制御機構を取り出して示した説明図である。図2において、クラッチ制御機構11はモータ42により油圧ポンプ46を駆動し、油圧ポンプ46で発生した油圧をシリンダ46に摺動自在に設けたピストン64の右側のシリンダ室に供給してピストン36を左方向にストロークさせ、スラストベアリング32を介して押付部材38を押すことで、多板クラッチ16におけるクラッチハブ22とクラッチドラム24の間に設けたクラッチプレート26の締結力を変化させ、クラッチ伝達トルクを制御している。
モータ42の出力軸には回転検出器48が設けられており、回転検出信号E1をコントローラ40に入力している。また油圧ポンプ46からピストン36のシリンダ室に供給する圧油の温度を検出する油温センサ50が設けられ、油温センサ50から検出信号E2をコントローラ40に入力している。
本実施形態にあってはクラッチ制御機構11におけるコントローラ40、回転検出器48及び油温センサ50をモータ42におけるモータハウジング45内に一体に組み込み可能としている。
具体的には図1に示すように、回転検出器48はモータ42の出力軸側のハウジング内に取り出された出力軸44に装着されており、また油温センサ50も回転検出器48と同じハウジング内に収納され、油圧ポンプ46からピストン36の右側のシリンダ室に至る油路の油温度を検出できるようにしている。
更にコントローラ40については、モータ42の外部に取り出して示しているが、実際の装置では、コントローラ40を実装した回路基盤を回転検出器48及び油温センサ50と同様モータ42の出力軸側のハウジングあるいはモータ42の外側に装着したハウジングなどに一体化して組み込むことができる。
このため本実施形態の四輪駆動車用駆動力配分装置にあっては、ケース12に対しモータ42及び油圧ポンプ46を設置するスペースを必要とするが、回転検出器48、油温センサ50更にはコントローラ40についてはモータハウジング45内に一体に組み込まれていることから、そのための設置スペースを別途確保する必要なく、設置スペースの節減と設計の自由度を高めることができる。
またコントローラ40に対する回転検出器48及び油温センサ50からの信号線接続は図2のようにモータハウジング45の内部で行われており、ケース外にソケットやブラケットを設けて信号線の敷き回す必要がなく、部品定数の低減と加工組立の容易性を確保することができる。したがって本実施形態にあっては、外部のコネクタ及びブラケットなどとしては、モータ42に対し電源を供給する電源線についてのみ準備するだけでよい。
図3は本実施形態で使用するコントローラ40の実施形態を示したブロック図である。図3において、コントローラ40には、トルク指令値設定部52、加算器54、トルク推定値演算部56、PID制御用演算部58、モータドライバ60、モータ電流検出部62、モータ発生トルク計算部64、モータ回転速度・加減速度検出部66、加減速度トルク計算部68、油温検出部70、ポンプフリクショントルク計算部72及び油圧計算部74が設けられる。
コントローラ40に設けたモータドライバ60の出力はモータ42に与えられる。モータ42の回転を検出する回転検出器48からの検出信号E1はモータ回転速度・加減速度検出部66に入力される。更に油圧ポンプ46からの圧油温度を検出する油温センサ50からの検出信号E2は油温検出部72に入力される。
トルク指令値設定部52は車両状態センサ41からのセンサ信号に基づき、多板クラッチ16の制御目標となる伝達トルク指令値Tcrを設定し、加算器54のプラス側に入力する。加算器54のマイナス側にはトルク推定値演算部56で推定した多板クラッチ16の伝達トルク推定値Tcが入力される。加算器54は伝達トルク指令値Tcrと伝達トルク推定値Tcの偏差ΔTcを
ΔTc=Tcr−Tc
として算出し、PID制御量演算部に入力する。
PID制御量演算部58は加算器54からの偏差ΔTcをゼロとするPID制御量を演算してモータドライバ60に出力する。モータドライバ60はPID制御量を電流iに変換し、伝達トルク指令値Tcrに伝達トルク推定値Tcが一致するように制御して油圧ポンプ46からの油圧、すなわちピストンにより多板クラッチ16を押付ける力を制御する。
トルク指令値演算部56で演算される伝達トルク推定値Tcは、モータ電流検出部62、モータ発生トルク計算部64、モータ回転速度・加減速度検出部66、加減速トルク計算部68、油温検出部70、ポンプフリクショントルク計算部72及び油圧計算部74の計算結果に基づいて演算される。
ここでトルク指令値演算部56で演算される多板クラッチ16の伝達トルク指令値Tcは次式で算出される。
Tc=Kc×P (1)
但し、Tc:多板クラッチトルク
Kc:変換定数
P :油圧
この(1)式における油圧Pにつき、本実施形態にあっては油圧計算部74で推定値として計算している。油圧計算部74にあっては油圧Pを次式により算出する。
P=(2π×Tp/Q)−Tα−Tf (2)
但し、Tp:ポンプ駆動トルク
Tα :加減速トルク
Tf:ポンプフリクショントルク
この(2)式におけるポンプ駆動トルクTpはモータ発生トルクTnに等しいことからモータ発生トルク計算部64で計算されている。モータ発生トルク計算部64はモータ電流検出部62で検出されたモータ42に対するモータドライバ60からの電流iに基づき次式でモータ発生トルクTmを算出する。
Tp=Tm=i×Kt (3)
但し、Tm:モータ発生トルク
i :モータ電流
Kt:トルク定数
また前記(2)式における加減速トルクTαは加減速トルク計算部68で計算される。加減速トルク計算部68はモータ回転速度・加減速度検出部66で回転検出器48からの信号E1に基づいて計算した加減速度αを用いた次式により加減速トルクTαを計算する。
Tα=α×J (4)
但し、α :モータ加減速度
J :慣性モーメント
更に前記(2)式におけるポンプフリクショントルクTfは、モータ回転速度・加減速度検出部66で検出された回転検出部48からの検出信号E1に基づくモータ42の回転速度すなわち回転数mに基づいて計算される。
図4はポンプフリクショントルク計算部72に設定される計算特性のグラフ図であり、横軸にモータ42の回転数N、縦軸にフリクショントルクTfを示している。この回転数Nに対するフリクショントルクTfは油圧ポンプ46から供給する圧油の温度tにより変化し、低温t1から高温t4につき図示の非線系特性をもっている。
このためポンプフリクショントルク計算部72にあっては、図4に示す回転数Nに対するフリクショントルクTfの特性を油温t1、t2、t3、t4ごとに設定しており、例えばモータ回転数がN1の場合、油温がt1であれば、これに対応した特性曲線から得られたフリクショントルクTf1を出力する。
図4の回転数Nに対するフリクショントルクTfを計算するフリクショントルク計算部72としては、温度ごとに各特性を計算式として設定してもよいし、温度ごとに回転数NとフリクショントルクTfの関係をテーブルデータとして準備してもよい。
テーブルデータとして図4の特性を準備した場合、テーブル登録の温度に対応したフリクショントルクと異なる油温の場合には、補間計算により正しいフリクショントルクTfを求めればよい。
このようにモータ発生トルク計算部64で算出された前記(3)式のモータ発生トルクTf即ちモータ発生トルクTp、加減速トルク計算部68で計算された(4)式の加減速トルクTα、及びポンプフリクショントルク計算部72で油温による温度補正をもって算出された図4の特性に従ったポンプフリクショントルクTfのそれぞれを油圧計算部74に入力し、前記(2)式により油圧ポンプ46からピストン36に供給している圧油の油圧Pを推定値として演算する。
このようにして油圧Pが計算できたならば、トルク推定値演算部56が前記(1)式のように、油圧Pに所定の変換定数Kcを乗ずることで多板クラッチ16の伝達トルク推定値Tcを演算し、加算器54に入力して伝達トルク指令値Tcrとの偏差ΔTcを算出することになる。
図5は本実施形態のコントローラ40の機能をMPU(マイクロプロセッサユニット)で実現した他の実施形態のブロック図である。図5において、コントローラ40を実現するMPU76はCPU78を備え、CPU78のバス80にRAM82、ROM84、センサインタフェース86及びドライブインタフェース88を接続している。
センサインタフェース86は車両状態センサ41、回転検出器48及び油温センサ50からの信号が入力され、入力アナログ信号がデジタル信号にAD変換されて読み込まれる。ドライブインタフェース88は図3のモータドライバ60として機能し、モータ42に電流iを出力する。
ROM84にはブートプラグラム、OS及び本実施形態のクラッチ制御を行うプログラムが記憶されている。MPU76の電源を投入するとCPU78がROM86のブートプログラムを起動してOSをROMに展開した後、ROM84からクラッチ制御プログラムをROM84に展開し、CPU78により実行する。
図6は図5のMPU76で実行されるクラッチトルク制御処理のフローチャートである。このフローチャートの内容は、また図5のMPU76で実行されるプログラムの内容となる。
図6において、クラッチトルク制御処理はステップS1で車両状態センサの信号に基づいて設定されているクラッチトルク指令値Tcrを読み込み、ステップS2でモータ電流iを読み込んで、前記(3)式からモータ発生トルクTmを計算する。
次にステップS3で回転検出器48からの求めたモータ加減速度Tαを読み込んで前記(4)式から加減速トルクTαを算出する。続いてステップS4で油温センサ50の検出信号から求めた油温Tとモータ回転数Nを読み込み図4の回転数Nに対するフリクショントルクTfの関係からそのときの油温Tにより温度補正されたポンプフリクショントルクTfを計算する。
次にステップS5でモータ発生トルクTm(=ポンプ発生トルクTp)、加減速トルクTα及びポンプフリクショントルクTfから前記(2)式により油圧Pを計算する。次にステップS6で油圧Pから前記(1)式により多板クラッチ16の駆動トルク推定値Tcを計算する。
続いてステップS7で伝達トルク指令値Tcrと伝達トルク推定値Tcとの偏差ΔTcで計算し、ステップS8で偏差をゼロとするPID制御量を計算する。続いてステップS9でPID制御量を電流iに変換してモータ42に出力する。
このようなステップS1〜S9からの処理をステップS10で例えば車両停止あるいは4Hオート/ロックから4Lロックへの切替等によるクラッチ制御解除を判別するまで繰り返す。
また図5のMPU76で実行されるプログラムの内容は、図6のクラッチトルク制御処理のフローチャートに従ったものとなる。
尚、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明による4輪駆動車用駆動力分配装置の実施形態を示した断面図 モータによる油圧駆動で回転運動を直線運動に変換し多板クラッチを押付ける本発明によるクラッチ制御機構の説明図 本発明で用いるコントローラの実施形態を示したブロック図 油圧ポンプの回転数とフリクションの関係を示した特性グラフ図 本発明のコントローラをプロセッサで実現した他の実施形態のブロック図 図5のプロセッサで実行されるクラッチトルク制御処理のフローチャート モータによる直接駆動で回転運動を直線運動に変換し他板クラッチを押付けする従来のクラッチ制御機構の説明図 従来のコントローラの回路構成を示したブロック図
符号の説明
10:ケース
11:クラッチ制御機構
12:入力軸
14:後輪出力軸
16:多板クラッチ
18:チェーンベルト
20:前輪出力軸
22:クラッチハブ
24:クラッチドラム
26:他板クラッチ
28,30:スプロケットギア
32:スラストベアリング
34:シリンダ
36:ピストン
38:押付部材
40:コントローラ
41:車両状態センサ
42:モータ
44:モータ駆動軸
46:油圧ポンプ
48:回転検出器
50:油温センサ
52:トルク指令値設定部
54:加算器
56:トルク推定値演算部
58:PID制御量演算部
60:モータドライバ
62:モータ電流検出部
64:モータ発生トルク計算部
66:モータ回転速度・加減速度検出部
68:加減速トルク計算部
70:油温検出部
72:ポンプフリクショントルク計算部
74:油圧計算部
76:MPU
78:CPU
80:バス
82:RAM
84:ROM
86:センサインタフェース
88:ドライブインタフェース

Claims (3)

  1. 主駆動軸の動力を副駆動軸に伝達する多板クラッチと、
    シリンダに対する圧油の供給によるピストンの移動により前記多板クラッチを押付けて伝達トルクを変化させるピストンシリンダ機構と、
    前記シリンダに圧油を供給して前記ピストンに直接圧力を加える油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプを正逆転駆動するモータと、
    前記モータの回転速度を検出する回転検出器と、
    前記回転検出器により検出した前記モータの回転速度に基づいて推定した前記多版クラッチの伝達トルク推定値と、車両状態の検出値に基づいて設定した伝達トルク指令値とが一致するように前記モータの正逆転駆動を制御するコントローラと、
    を備えたことを特徴とする4輪駆動車用駆動力配分装置。
  2. 請求項1記載の4輪駆動車用駆動力配分装置に於いて、前記コントローラは、
    前記モータの検出電流に所定のトルク定数を乗じてモータ発生トルクを計算するモータ発生トルク計算部と、
    前記回転検出器で検出したモータ回転速度から検出したモータ加減速度に所定の慣性モーメントを乗じて前記モータの加減速トルクを計算する加減速トルク計算部と、
    前記回転検出器で検出したモータ回転速度に対応した前記油圧ポンプのフリクショントルクを計算するポンプフリクショントルク計算部と、
    前記モータ発生トルクから前記加減速度トルクとフリクショントルクを差し引いて前記油圧ポンプのポンプ駆動トルクを計算するポンプ駆動トルク計算部と、
    前記ポンプ駆動トルクと前記油圧ポンプのポンプ吐出容量に基づいて前記ピストンに直接加える油圧を計算する油圧計算部と、
    前記油圧に所定の変換定数を乗じて前記多版クラッチの伝達トルク推定値を演算するトルク推定演算部と、
    推定した前記クラッチ伝達トルクと前記トルク指令値との偏差を演算する加算部と、
    前記偏差をゼロとするPID制御量を演算するPID制御量演算部と、
    前記PID制御量を電流に変換して前記モータを正逆転駆動するモータドライバと、
    を備えたことを特徴とする4輪駆動車用駆動力配分装置。
  3. 請求項2記載の4輪駆動車用駆動力配分装置に於いて、更に前記ピストンに供給される圧油の温度を検出する油温センサを設け、前記コントローラのポンプフリクショントルク計算部は前記油温センサで検出した油の温度によりポンプフリクショントルクを補正することを特徴とする4輪駆動車用駆動力配分装置。
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