JP2008074204A - 車両の安全装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】側突時における車両側部の変形を抑制して、こうした側突時において乗員空間を好適に確保する。
【解決手段】車両の安全装置は、側突検出センサからの検出信号に基づいて側突の発生を事前に検出するとともに、この側突が事前に検出されるときに各種モータを駆動制御する。そして、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように一対のシート10,20の相対位置が調整される。
【選択図】図4
【解決手段】車両の安全装置は、側突検出センサからの検出信号に基づいて側突の発生を事前に検出するとともに、この側突が事前に検出されるときに各種モータを駆動制御する。そして、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように一対のシート10,20の相対位置が調整される。
【選択図】図4
Description
本発明は、側突時における車両側部の変形を抑制可能な車両の安全装置に関する。
側突時、すなわち車両の側部に車幅方向から大きな衝撃力が作用した場合、その衝撃力の大きさによっては車両の側部が大きく変形して車室内における乗員空間が狭められてしまうことがある。そこで、こうした側突時における車両の変形を抑制するために、例えば次のような安全装置が提案されている。すなわち、この安全装置では、車室内において、車幅方向に並設された一対のシートのシートバックに車幅方向に延びる補強部材がそれぞれ内蔵されるとともに、これら補強部材の間には各補強部材に対して接触可能な荷重伝達部材が配設されている。このように補強部材及び荷重伝達部材を配設することにより車幅方向における車両の剛性を高めるようにしている。従って、側突時、車両の側部に衝撃力が作用しても、同衝撃力による側部の変形が抑制されるようになり、これにより乗員空間の確保が図られるようになる。なお、この種の安全装置としては、例えば特許文献1に記載のものを挙げることができる。
特開平5−301551号公報
ところで一般に、車両のシートにおいては、シートバックの傾斜角度を調整するリクライニング機能や、同シートの前後方向における位置を調節するスライド機能等々の位置調整機構を有しており、シートバックの傾斜角度やシートの前後方向における位置が各シートについて個別に調節することが可能となっている。これにより、シートに着座する乗員の体格等に応じて各シートの状態を変更することができるため、着座時における快適性を高めることができようになる。しかしその反面、上述したような安全装置を備えた車両にあって、その側突時においては以下のような問題が無視できないものとなる。
すなわち、例えばシートバックの傾斜角度がそれぞれのシートにおいて異なる角度に調整されている、あるいは各シートがその前後方向において異なる位置に調整されている場合にあっては、衝撃力が一方の補強部材から他方の補強部材に適切に伝達されないため、同衝撃力が好適に分散されずに、結局はその変形抑制効果も限られたものとなる。また、これを避けるため、それら補強部材の位置を調整するにしても、衝突があってからの短い期間内にこれを行うには、高い迅速性が要求されるため、実際には極めて困難なものであるいえる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、側突時における車両側部の変形を抑制して、こうした側突時において乗員空間を好適に確保することのできる車両の安全装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車室内に車幅方向に並設され、その車室内における相対位置を調節する位置調整機構を有する一対の車両用シートにおいて車幅方向全体にわたって延設された補強部材を備え、側突時の衝撃力を前記一方の補強部材から前記他方の補強部材に伝達させることにより車両側部の変形を抑制するようにした車両の安全装置において、側突の発生を事前に検出する側突検出手段と、該側突検出手段により側突が事前に検出されるときに前記位置調整機構を駆動制御して前記一対の補強部材が直線上に位置するように前記一対の車両用シートの少なくとも一方の相対位置を調整する位置調整手段と、を備えることを要旨とする。
補強部材同士が車幅方向において直線上に位置していない場合、車両側部に作用する衝撃力が好適に分散されないことは上述したとおりであるが、この点について同構成では、一対の補強部材が極力直線上に位置するように車両用シートの位置調整機構を駆動制御する。ちなみに、車両用シートの相対位置とは、同シートのリクライニングの傾斜角度や前後方向のスライドにより変位する位置、上下方向の昇降により変位する位置等である。そして、このような位置調整を側突が事前に検出されるときに行うこととしたため、実際の衝突に先立って位置調整のための制御を開始することができ位置調整を迅速に行うこともできるようになる。したがって、車両への側突に際して各補強部材の位置を迅速に調整することで、側突時における車両側部の変形を抑制して、こうした側突時において乗員空間を好適に確保することができるようになる。
そして、このような補強部材は、例えば請求項2に記載のもののように、一対の車両用シートのそれぞれのシートバック内に設けることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両の安全装置において、前記位置調整手段は、前記位置調整機構を駆動制御して前記一対の補強部材が直線上に位置するように前記一対の車両用シートの双方の相対位置を調整することを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両の安全装置において、前記位置調整手段は、前記位置調整機構を駆動制御して前記一対の補強部材が直線上に位置するように前記一対の車両用シートの双方の相対位置を調整することを要旨とする。
同構成によれば、一対の車両用シートの双方の位置が位置調整手段により調整されるため、所望の直線上に一対の補強部材を変位させるために要する時間が短縮されることとなり、この位置調整処理の迅速性を高めることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両の安全装置において、前記一対の補強部材はその各端部において前記車両用シートのアームレストを支持するものであり、車両側突時に各補強部材の間に位置する一対のアームレストが当接することにより衝撃力が前記一方の補強部材から前記他方の補強部材に伝達されることを要旨とする。
同構成によれば、アームレストを支持する部材を補強部材として設けることで、補強部材を別途設ける必要が無くなり、車両用シートの構成についてその複雑化を回避することができる。また、アームレストは通常、車室内において近接して設けられているため、側突時にはこれらアームレストがより早期に接触することとなる。従って、このアームレスト同士の接触により側突の際の衝撃力を好適に分散させることができ、ひいては車両変形を効果的に抑制することができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両の安全装置において、前記一対の補強部材の間に位置する各アームレストが近接するように同一対の補強部材をその軸方向に延伸させる駆動手段と、側突時の衝撃を検出する検出手段とを更に備え、前記駆動手段は前記検出手段により側突による衝撃が検出されたときに前記各アームレストが当接するように前記一対の補強部材を延伸させることを要旨とする。
同構成では、側突時の衝撃が検知されると、補強部材がそれぞれ車内側に向けて延伸され、アームレストもこの延伸に伴って互いに当接する。したがって、衝突後のより早い時点で各アームレストが当接し、このアームレストを介して衝撃を分散することが可能となり、車両側部の変形の抑制効果も一層向上するようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の車両の安全装置において、前記駆動手段は、火薬点火式のアクチュエータであることを要旨とする。
同構成では、例えばモータ等、機械駆動式のアクチュエータを使用した場合と比較して衝撃の検知から補強部材を変位させるまでの時間を極力短くすることが可能となる。
同構成では、例えばモータ等、機械駆動式のアクチュエータを使用した場合と比較して衝撃の検知から補強部材を変位させるまでの時間を極力短くすることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両の安全装置において、前記調整手段は前記側突検出手段により側突が事前に検出されるときに、車両のサイドピラーと接触可能な位置に前記車両用シートの相対位置を調整することを要旨とする。
車両側部においてサイドピラーが設けられている部分は、他の部分と比べて相対的に剛性が高くなっている。したがって、側突時の衝撃力はこのサイドピラーを介して補強部材に伝達されるようになるため、車両側部における変形を一層抑制することができるようになる。
本発明にかかる車両の安全装置によれば、側突時における車両側部の変形を抑制して乗員空間を好適に確保することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1(a),(b)は、車両の平面図、並びに車両への側突時、すなわち車両の側部に車幅方向から大きな衝撃力が作用した場合の車両の状況を示す模式図である。また、図2は本実施形態にかかる車両の安全装置が適用される車両1の車室内を示す斜視図であり、図3は車両1に設けられたシート10の側面図である。図1(b)に示されるように、車両1に作用する衝撃力が大きいと車両1の側部1aが大きく変形して車室内における乗員空間Sが狭められてしまうことがある。そこで、本実施形態にかかる車両の安全装置は、このような車両1の変形、具体的には車両1の前後方向における略中間部分、すなわち2列目のシート10,20が配設された位置における乗員空間Sの確保をその目的としている。
図2に示されるように、この車両には、左右一対のシート10,20が車両1の車幅方向に並設されている。なお、これらシート10,20は互いに独立した一人掛用のシートである。また、シート10,20は、シートバック11,21をそれぞれ備えており、このシートバック11,21には、左右両側にアームレスト12,22がそれぞれ取り付けられている。これらのシート10,20は、そのシートバック11,21の側面が車両側部1aにおける剛性を確保するためのサイドピラー30と対向する位置に設けられている。
また、これらシート10,20には、以下に示す同シート10,20の車室内における相対位置を調節する各種位置調整機構が設けられている。すなわち、図3に示されるように、シート20は、シートバック21の傾斜角度を調整可能なリクライニング機構を有している。このリクライニング機構によれば、シート20内に設けられたリクライニング用モータ(図示略)を駆動することによりシートバック21の傾斜角度を調節することができる。また、シート20は、その車両前後方向における位置を調節するスライド機構を有している。このスライド機構は、シート20の下部に位置する車両の床面に車両前後方向に延設された一対のロワーレール15a、シート20の底面に取り付けられ、ロワーレール15aに対して摺動可能な一対のアッパーレール15b、並びにシート20内に設けられ、ロワーレール15aに対するアッパーレール15bの車両前後方向における位置を調節するスライド用モータ(図示略)を備えている。そして、シートバック21に取り付けられたアームレスト22は、シートバック21内に車幅方向全体にわたって延設された円柱状の支持軸24の端部において相対回動可能に支持されている。なお、シート10は車室内における位置がシート20と異なるものの、その構成については同一であるため、その説明は割愛する。
次に、本安全装置の具体的な構成について図4及び図5を併せ参照して説明する。図4は、一対のシート10,20の内部構造を示す正面図であり、図5はアームレスト22の支持軸24に設けられたパイロアクチュエータ(火薬点火式アクチュエータ)27を拡大して示す正面図である。
同図4に示されるように、シートバック11,21内にはアームレスト12,22の支持軸14,24が架設されている。これら支持軸14,24はシートバック11,21内に設けられたパイロアクチュエータ17,27の作動によって車幅方向において延伸可能に構成されている。具体的には、図5に示されるように、一方の支持軸24は、アームレスト22を回動可能に支持する一対の支持バーを有した支持部24aと、一対のリンクバーを有し、その端部にこれら支持部24aの各支持バーが連結されたリンク部24bとによって構成されている。リンク部24bの各リンクバーの一端は支持部24aの各支持バーの端部に対して回動可能に連結されるとともに、他端が互いに回動可能に連結されている。また、このリンクバーの連結部分24cは通常時にはパイロアクチュエータ27側に屈折されており、その屈折部位にパイロアクチュエータ27のピストン27aが連結されている。従って、このピストン27aが上記連結部分24c側に突出すると、リンクバーの連結部分24cが下側に押し下げられるとともに、各支持部24aがシート20の外方に突出する。これにより支持軸24は車幅方向に延伸し、その端部に取り付けられたアームレスト22はアームレスト12に当接した状態となる。なお、もう一方の支持軸14は車室内における位置が先の支持軸24と異なるものの、その構成については同一であるため、その説明は割愛する。
次に、本安全装置の電気的構成について図6を参照して説明する。
この車両の安全装置は電子制御装置40によって制御されている。この電子制御装置40には、車両の状態を検出する各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの信号が入力される。このセンサ類としては次のようなものがある。例えば、車両には側突を事前に検出するため側突検出センサ41が搭載されている。この側突検出センサ41は、ミリ波レーダにより、車両前方や側方における車両、路上障害物、などを検知するものである。そして、電子制御装置40は、この側突検出センサ41からの検知信号の入力に基づいてこの車両等との衝突が回避可能か否かを判定し、事前に正面の衝突や側突等を検出する。また、車両には実際の側突を検出する衝撃検出センサ42が設けられている。衝撃検出センサ42は、例えば車両の側方等に設けられており、この部分に衝撃力が作用すると電子制御装置40に対し検出信号を出力する。
この車両の安全装置は電子制御装置40によって制御されている。この電子制御装置40には、車両の状態を検出する各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの信号が入力される。このセンサ類としては次のようなものがある。例えば、車両には側突を事前に検出するため側突検出センサ41が搭載されている。この側突検出センサ41は、ミリ波レーダにより、車両前方や側方における車両、路上障害物、などを検知するものである。そして、電子制御装置40は、この側突検出センサ41からの検知信号の入力に基づいてこの車両等との衝突が回避可能か否かを判定し、事前に正面の衝突や側突等を検出する。また、車両には実際の側突を検出する衝撃検出センサ42が設けられている。衝撃検出センサ42は、例えば車両の側方等に設けられており、この部分に衝撃力が作用すると電子制御装置40に対し検出信号を出力する。
また、各シート10,20には、シートバック11,21の傾斜角度を検出するリクライニング角度検出センサ43がそれぞれ設けられるとともに、シート10,20の車両の前後方向における位置を検出するスライド位置検出センサ44がそれぞれ設けられている。これらリクライニング角度検出センサ43およびスライド位置検出センサ44からの入力に基づいて、電子制御装置40はシート10,20の車両内における相対位置を把握する。
また、電子制御装置40には、上述した支持軸14,24を駆動するパイロアクチュエータ17,27や、シート10,20を車両の前後方向に変位させるスライド用モータ16,26、シートバック11,21の傾斜角度を調整するリクライニング用モータ13,23が接続されている。
次に、車両の側突時における本安全装置の作動態様について説明する。
車両の側方等に他の車両等が接近すると、側突検出センサ41によりこの車両との距離等が電子制御装置40に入力される。次いで、この入力された信号からこの車両との側突が回避不可能であると判定されると、リクライニング角度検出センサ43およびスライド位置検出センサ44からの入力値に基づいてその時点におけるシート10,20の車両内における相対位置が把握される。次いで、この把握されたシート位置と、予め設定されたシート10,20の所定位置との差分が算出される。この所定位置とは、支持軸14,24が車両のサイドピラー30と接触可能な位置である。
車両の側方等に他の車両等が接近すると、側突検出センサ41によりこの車両との距離等が電子制御装置40に入力される。次いで、この入力された信号からこの車両との側突が回避不可能であると判定されると、リクライニング角度検出センサ43およびスライド位置検出センサ44からの入力値に基づいてその時点におけるシート10,20の車両内における相対位置が把握される。次いで、この把握されたシート位置と、予め設定されたシート10,20の所定位置との差分が算出される。この所定位置とは、支持軸14,24が車両のサイドピラー30と接触可能な位置である。
次いで、スライド用モータ16,26およびリクライニング用モータ13,23が、この算出された差分だけシート10,20を変位するように駆動される。具体的には、シート10,20の変位に必要な各モータの駆動時間が設定されて、この時間だけ各モータが駆動される。このように側突検出センサ41からの入力信号に基づいて実際の側突の前にシート10,20の位置調整のための制御が行われることにより、同位置調整の迅速性の確保が図られるようになる。そして、このようにシート10,20がそれぞれ位置調整されることにより、各シート10,20内に設けられた補強部材である支持軸14,24が同一直線上に位置するようになるため、車両1の車幅方向における剛性が向上される。
また、実際の車両の側方に衝撃力が作用して衝撃検出センサ42から電子制御装置40に信号が入力されると、パイロアクチュエータ17,27がそれぞれ作動して、支持軸14,24が車内側に延伸して互いにアームレスト12,22を介して当接する。したがって、衝突後の早い時点で各アームレスト12,22が当接し、このアームレスト12,22を介して衝撃を分散することが可能となり、車両側部1a(図1(a)参照)の変形の抑制効果も一層向上するようになる。
以上説明した本実施形態の車両の安全装置は以下の作用効果を奏することができる。
(1)側突検出センサ41からの検出信号に基づいて側突の発生が事前に検出され、この側突が事前に検出されるときに各種モータが駆動制御されて、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように一対のシート10,20の相対位置が調整されることとした。支持軸14,24同士が車幅方向において直線上に位置していない場合、車両側部1aに作用する衝撃力が好適に分散されないことは上述したとおりであるが、このように構成することで、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように変位されるようになる。そして、このような位置調整を側突が事前に検出されるときに行うこととしたため、実際の衝突に先立って位置調整のための制御を開始することができ位置調整を迅速に行うこともできるようになる。したがって、車両1への側突に際して各支持軸14,24の位置を迅速に調整することで、側突時における車両側部1aの変形を抑制して、こうした側突時において乗員空間Sが好適に確保されるようになる。
(1)側突検出センサ41からの検出信号に基づいて側突の発生が事前に検出され、この側突が事前に検出されるときに各種モータが駆動制御されて、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように一対のシート10,20の相対位置が調整されることとした。支持軸14,24同士が車幅方向において直線上に位置していない場合、車両側部1aに作用する衝撃力が好適に分散されないことは上述したとおりであるが、このように構成することで、一対の支持軸14,24が直線上に位置するように変位されるようになる。そして、このような位置調整を側突が事前に検出されるときに行うこととしたため、実際の衝突に先立って位置調整のための制御を開始することができ位置調整を迅速に行うこともできるようになる。したがって、車両1への側突に際して各支持軸14,24の位置を迅速に調整することで、側突時における車両側部1aの変形を抑制して、こうした側突時において乗員空間Sが好適に確保されるようになる。
(2)一対の支持軸14,24を同一直線上に変位させる制御の際に、一対のシート10,20の双方の位置を調整することとしたため、所望の直線上に一対の支持軸14,24を変位させるために要する時間が短縮されることとなり、この位置調整処理の迅速性を高めることができる。
(3)車両側突時に支持軸14,24によって支持された一対のアームレスト12,22が当接することにより衝撃力が前記一方の支持軸から前記他方の支持軸に伝達されることとした。このような構成によれば、アームレスト12,22を支持する支持軸14,24により車両の車幅方向における剛性を補強することとしたため、改めて補強用の部材を別途設ける必要が無くなり、車両用シート10,20の構成についてその複雑化を回避することができる。
(4)衝撃検出センサ42からの検出信号に基づいて側突による衝撃が検出されたときに、各アームレスト12,22が当接するようにパイロアクチュエータ17,27により一対の支持軸14,24を変位させることとした。このように構成することで、側突時の衝撃が検知されると、支持軸14,24がそれぞれ車内側に向けて変位され、アームレスト12,22もこの変位に伴って互いに当接する。したがって、衝突後のより早い時点で各アームレスト12,22が当接し、このアームレスト12,22を介して衝撃を分散することが可能となり、衝撃による車両側部1aの変形の抑制効果も一層向上させることができるようになる。
(5)支持軸14,24を火薬点火式のパイロアクチュエータ17,27により駆動することとしたため、例えばモータ等、機械駆動式のアクチュエータを使用した場合と比較して衝撃の検知から支持軸14,24を変位させるまでの時間を極力短くすることが可能となる。
(6)側突検出センサ41からの検出信号の入力に基づいて側突が事前に検出されたときに、車両のサイドピラー30と接触可能な位置にシート10,20の相対位置を調整することとした。車両側部1aにおいてサイドピラー30が設けられている部分は、他の部分と比べて相対的に剛性が高くなっている。したがって、側突時の衝撃力はこのサイドピラー30を介して支持軸14,24に伝達されるようになるため、車両側部1aにおける変形を一層抑制することができるようになる。
なお、本実施形態はこれを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・側突検出センサとしては、上述したミリ波レーダを用いたものの他、例えばミリ波レーダからの情報に加えカメラからの画像情報に基づいて側突を予め検出するものや、このカメラのみのものを採用することもできる。
・側突検出センサとしては、上述したミリ波レーダを用いたものの他、例えばミリ波レーダからの情報に加えカメラからの画像情報に基づいて側突を予め検出するものや、このカメラのみのものを採用することもできる。
・上記実施形態では、各シート10,20を各支持軸14,24がサイドピラー30と接触可能に位置に変位させるようにしたが、サイドピラー30の側方でなくとも支持軸14,24を同一直線上に位置させることで十分な車両の剛性が確保できるのであれば、車室内の他の位置にシート10,20を変位させることもできる。例えば、一対のシート10,20をそれぞれ所望の位置に変位させる構成や、一方のシートを他方のシートの位置に変位させる構成が採用可能である。
・上記実施形態では、支持軸14,24を駆動する手段としてパイロアクチュエータ17,27を用いたが、制御の迅速性が得られるものであればソレノイド等他の駆動手段を採用してもよい。
・上記実施形態では、各アームレスト12,22の双方が延伸される構成を示したが、一方のアームレストは延伸されずに、他方のアームレストのみが延伸されてアームレスト同士が当接する構成を採用してもよい。
・またアームレストの双方が延伸されない構成であっても、アームレストはシートバック同士よりも互いの間の距離が短いため、一対のシートが互いのアームレストが略接触するような位置に設けられていれば、上記(4)に準ずる効果を奏することができる。
・また、図7に示されるように、補強部材はアームレスト12,22の支持軸14,24として設けずに、シート10,20のシートバックの骨格部材に対し直接固定されるものとして設ける構成を採用することもできる。また、この骨格部材自体の剛性を車両への側突へ耐えうるように構成してもよい。
・また、シートの車内における相対位置としては、シートバックのリクライニング角度や車両前後方向におけるスライド位置の他、シートの上下方向における昇降位置等も調整可能である。そして、側突が事前に検出されたときには、車両に搭載されている位置調整機構によって調整可能な位置のみを調整すればよい。
・上記実施形態では、補強部材をシートバック内に設けたが、これは例えばシート10,20の下方のスペースに設ける構成とすることもできる。
・上記実施形態では、車両の安全装置が車両の2列目のシート10,20に適用される例を示したが、この車両の安全装置が適用される列はこれに限定されない。例えば、一列目や3列目のシート、あるいは1〜3列目のシート全てにこの安全装置を設ける構成を採用することもできる。
・上記実施形態では、車両の安全装置が車両の2列目のシート10,20に適用される例を示したが、この車両の安全装置が適用される列はこれに限定されない。例えば、一列目や3列目のシート、あるいは1〜3列目のシート全てにこの安全装置を設ける構成を採用することもできる。
1…車両側部、10,20…シート、11,21…シートバック、12,22…アームレスト、14,24…支持軸、17,27…パイロアクチュエータ、30…サイドピラー、40…電子制御装置、41…側突検出センサ、42…衝突検出センサ、S…乗員空間。
Claims (7)
- 車室内に車幅方向に並設され、その車室内における相対位置を調節する位置調整機構を有する一対の車両用シートにおいて車幅方向全体にわたって延設された補強部材を備え、側突時の衝撃力を前記一方の補強部材から前記他方の補強部材に伝達させることにより車両側部の変形を抑制するようにした車両の安全装置において、
側突の発生を事前に検出する側突検出手段と、
該側突検出手段により側突が事前に検出されるときに前記位置調整機構を駆動制御して前記一対の補強部材が直線上に位置するように前記一対の車両用シートの少なくとも一方の相対位置を調整する位置調整手段と、を備える
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項1に記載の車両の安全装置において、
前記補強部材は、前記一対のシートのそれぞれのシートバック内に設けられてなる
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項1又は2に記載の車両の安全装置において、
前記位置調整手段は、前記位置調整機構を駆動制御して前記一対の補強部材が直線上に位置するように前記一対の車両用シートの双方の相対位置を調整する
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両の安全装置において、
前記一対の補強部材はその各端部において前記車両用シートのアームレストを支持するものであり、車両側突時に各補強部材の間に位置する一対のアームレストが当接することにより衝撃力が前記一方の補強部材から前記他方の補強部材に伝達される
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項4に記載の車両の安全装置において、
前記一対の補強部材の間に位置する各アームレストが近接するように同一対の補強部材をその軸方向に延伸させる駆動手段と、
側突時の衝撃を検出する検出手段とを更に備え、
前記駆動手段は前記検出手段により側突による衝撃が検出されたときに前記各アームレストが当接するように前記一対の補強部材を延伸させる
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項5に記載の車両の安全装置において、
前記駆動手段は、火薬点火式のアクチュエータである
ことを特徴とする車両の安全装置。 - 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両の安全装置において、
前記調整手段は前記側突検出手段により側突が事前に検出されるときに、車両のサイドピラーと接触可能な位置に前記車両用シートの相対位置を調整する
ことを特徴とする車両の安全装置。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006254602A Pending JP2008074204A (ja) | 2006-09-20 | 2006-09-20 | 車両の安全装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008074204A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019166864A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社ディスコ | シート |
-
2006
- 2006-09-20 JP JP2006254602A patent/JP2008074204A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019166864A (ja) * | 2018-03-22 | 2019-10-03 | 株式会社ディスコ | シート |
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