JP2008073624A - 紫外線硬化塗装システム - Google Patents

紫外線硬化塗装システム Download PDF

Info

Publication number
JP2008073624A
JP2008073624A JP2006256483A JP2006256483A JP2008073624A JP 2008073624 A JP2008073624 A JP 2008073624A JP 2006256483 A JP2006256483 A JP 2006256483A JP 2006256483 A JP2006256483 A JP 2006256483A JP 2008073624 A JP2008073624 A JP 2008073624A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
diffusion preventing
gas diffusion
air supply
nitrogen gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006256483A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Goto
征弘 後藤
Takatomo Kinoshita
敬知 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Trinity Industrial Corp
Original Assignee
Trinity Industrial Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Trinity Industrial Corp filed Critical Trinity Industrial Corp
Priority to JP2006256483A priority Critical patent/JP2008073624A/ja
Publication of JP2008073624A publication Critical patent/JP2008073624A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】気体拡散防止手段内に拡散する酸素を効率的に排出でき、しかも、少量の低酸素気体で気体拡散防止手段内の酸素濃度を低く維持できる紫外線硬化塗装システムを提供すること。
【解決手段】紫外線硬化塗装システムは、処理槽12、UVランプ13、送気手段及びガイド手段41を有する。UVランプ13は、UV塗料を塗布した被塗布物W1に紫外線を照射する。送気手段は、処理槽12の内部上方から内部下方に窒素ガスの流れを起こすよう送気する。また、送気手段は、開口部12c,12dの略上方を除いた領域B2から流下する窒素ガスの流速を、開口部12c,12dの略上方の領域B1から流下する窒素ガスの流速よりも速く設定する。ガイド手段41は、処理槽12の内壁面に沿って流下する窒素ガスを開口部12c,12d側に導くとともに、水平より上方向に導く。
【選択図】図2

Description

本発明は、被塗布物に紫外線を照射して、その被塗布物に塗布された紫外線硬化型塗料を硬化させる紫外線硬化塗装システムに関するものである。
従来、紫外線硬化塗装システムは、車両用部品などの被塗布物(ワーク)に塗布された紫外線硬化型塗料(UV塗料)を硬化させる工程などで使用されている。具体的にいうと、紫外線硬化塗装システムでは、コンベアによりワークを一定方向に搬送しながらワークに紫外線を照射することにより、UV塗料の硬化処理を行う。
ところが、空気中に存在する酸素により、UV塗料の硬化が阻害されてしまうことがある(いわゆる「酸素阻害」)。従来の紫外線硬化塗装システムでは、上記の酸素阻害を打ち消すように、高い光量の紫外線を照射してUV塗料を硬化させていたが、UV塗料を効率良く硬化させるためには、紫外線が照射される照射ゾーン内の酸素濃度をできるだけ低下させておくことが望ましい。
そこで、図12に示されるような処理槽61を設け、処理槽61内に窒素ガスなどの低酸素気体が充満した状態で、処理槽61内を通過するワークWに対して紫外線を照射することが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。この処理槽61はフラットな槽底部61bを有しており、槽底部61bには開口部63が形成されている。このような構成であれば、空気よりも軽い窒素ガスが処理槽61内に溜まるのに伴い、空気が開口部63から押し出されることで処理槽61内の酸素濃度が低下するため、UV塗料を効率良く硬化させることができる。なお、窒素ガスは、処理槽61外の温度よりも高い温度に加熱した状態で用いられることが好ましい。この場合、空気との比重差が大きくなって窒素ガスがさらに軽くなるため、上部が閉鎖された処理槽61内に窒素ガスが溜まりやすくなり、処理槽61内の酸素濃度が確実に低下する。
特開2003−245515号公報(図1など) 特開2004−205254号公報(図1など)
ところで、処理槽61の開口部63では、処理槽61内の低酸素気体(窒素ガス)が処理槽61外にある酸素濃度が高い気体に接しているため、処理槽61外の酸素が処理槽61内に拡散しやすい。この場合、処理槽61内の開口部63付近に酸素濃度が上昇する領域A1(図12の二点鎖線参照)が生じるため、領域A1内の気体を全て排出して、処理槽61内の酸素濃度の上昇を抑えることが好ましい。
ところが、窒素ガスは、例えば処理槽61の天井部全体からフィルタ62を介して処理槽61内に供給され、開口部63に向かって流下する(図12の矢印参照)。このとき、処理槽61の側壁61a付近を流下する窒素ガスは、側壁61aの内壁面に接触した際に抵抗を受けるために流速が徐々に遅くなるが、開口部63の略上方の領域から流下する窒素ガスは、側壁61aの内壁面に接触しないために流速が遅くなりにくい。即ち、開口部63付近の流速分布は一定ではないため、領域A1内の気体の効率的な排出が困難である。
その結果、処理槽61内の酸素濃度が高くなるため、UV塗料の硬化効率が低下してしまい、硬化不足となってしまう。特に、加熱した窒素ガスを用いる場合、分子運動が活発になって窒素ガスが処理槽61外に漏れやすくなるため、酸素濃度が高くなりやすい。しかも、酸素濃度を低く維持するためには、絶えず窒素ガスを供給し続けなければならないため、窒素ガスの消費量が多くなり、コストアップの原因となる。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、気体拡散防止手段内に拡散する酸素を効率的に排出でき、しかも、少量の低酸素気体で気体拡散防止手段内の酸素濃度を低く維持できる紫外線硬化塗装システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気するとともに、前記開口部の略上方を除いた領域から流下する前記低酸素気体の流速を、前記開口部の略上方の領域から流下する前記低酸素気体の流速よりも速く設定可能とした送気手段と、前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段とを有することを特徴とする紫外線硬化塗装システムをその要旨とする。
ところで、開口部の略上方を除いた領域から流下する低酸素気体は、気体拡散防止手段の内壁面に接触した際に抵抗を受けるために流速が徐々に遅くなるが、開口部の略上方の領域から流下する低酸素気体は、気体拡散防止手段の内壁面に接触しないために流速が遅くなりにくい。その結果、開口部付近の流速分布が一定ではなくなるため、気体拡散防止手段内の酸素の効率的な排出が困難である。
そこで、請求項1に記載の発明において、開口部の略上方を除いた領域から流下する低酸素気体の流速を、開口部の略上方の領域から流下する低酸素気体の流速よりもあらかじめ速く設定しておけば、開口部付近に到達した際に、開口部の略上方を除いた領域から流下する低酸素気体の流速と開口部の略上方の領域から流下する低酸素気体の流速との差が小さくなる。しかも、気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する低酸素気体がガイド手段によって開口部側に導かれるため、開口部の略上方の領域から流下する低酸素気体は、ガイド手段によって導かれた低酸素気体との衝突により減速される。その結果、開口部の略上方を除いた領域から流下する低酸素気体の流速と開口部の略上方から流下する低酸素気体の流速との差が小さくなる。以上により、開口部付近の流速を遅くしつつ流速分布を一定にすることができるため、気体拡散防止手段内に拡散する酸素を効率的に排出できる。
また、ガイド手段によって導かれた低酸素気体の流れが、開口部を介して気体拡散防止手段の外に漏れようとする低酸素気体の流れを塞ぐようになるため、気体拡散防止手段外への低酸素気体の漏れを防止でき、低酸素気体の消費量を低減できる。ゆえに、少量の低酸素気体で気体拡散防止手段内の酸素濃度を低く維持することが可能となる。
ところで、空気は、窒素を78%、酸素を21%、その他を1%含んでいる。よって、「低酸素気体」とは、酸素含有率が空気の酸素含有率よりも低い(0%も含む)気体をいうものとする。しかし、紫外線を照射して紫外線硬化型塗料を確実に硬化させて良好な塗膜を得たいという課題を達成するためには、低酸素気体に含まれる酸素は、10%以下であることが好ましく、特には3%以下であることが好ましい。また、低酸素気体は、1種類の気体からなる単体であってもよいし、複数種類の気体の混合物であってもよい。低酸素気体としては、通常の空気よりも酸素含有量を低くした空気、ヘリウム、窒素、二酸化炭素などが挙げられる。なお、低酸素気体は、上方を閉鎖した気体拡散防止手段に溜められるため、空気よりも軽いことが好ましい。ここで、空気より軽い低酸素気体としては、ヘリウムガスなどの希ガス族元素や、化学反応性の低い窒素ガスなどの不活性ガスが挙げられるが、ヘリウムガスに比べてかなり安価な窒素ガスを用いることが好ましい。また、不活性ガスとして窒素ガスを用いれば、ヘリウムガスに比べて気体拡散速度が低いため、不活性ガスが気体拡散防止手段の外に漏れにくくなる。
また、前記検出手段は、酸素濃度センサー、窒素濃度センサー及び温度センサーから選択される少なくとも1つであり、前記センサーの出力値に関連して前記送気度合変更手段、前記送気手段及び前記紫外線照射手段から選択される少なくとも1つを作動させることが好ましい(請求項4)。このようにすれば、気体拡散防止手段の内部の環境のうち、紫外線硬化型塗料の硬化に影響する酸素濃度、窒素濃度、温度の少なくとも1つを確実に検知できる。また、制御対象のうち、紫外線硬化型塗料の硬化に影響する送気度合変更手段、送気手段及び紫外線照射手段の少なくとも1つを、センサーの出力値に関連して確実に作動させることができる。その結果、塗装品質が向上する。
さらに、前記検出手段は、前記気体拡散防止手段内において前記紫外線照射手段の近傍に配置されていることが好ましい(請求項5)。このようにすれば、硬化中の被塗布物付近の環境を検出手段によって正確に測定できる。
また、上記課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気するとともに、前記開口部の略上方を除いた領域から流下する前記低酸素気体の流速を、前記開口部の略上方の領域から流下する前記低酸素気体の流速よりも速く設定可能とした送気手段と、前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記送気手段の送気強さ及び送気量の少なくとも1つを変更する送気度合変更手段とを有することを特徴とする紫外線硬化塗装システムをその要旨とする。
従って、請求項2によれば、気体拡散防止手段の内部の環境を一定に保つことができるため、塗装品質が安定する。また、低酸素気体の無駄な供給が減るため、低酸素気体の消費量をよりいっそう低減できる。詳述すると、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値及び第2の閾値が設定され、前記検出値が前記第1の閾値を逸脱した場合に、前記送気度合変更手段を作動させて前記送気手段を停止または出力減少させ、前記検出値が前記第2の閾値を逸脱した場合に、前記送気度合変更手段を作動させて前記送気手段を作動または出力増大させることが好ましい(請求項3)。この場合、検出値が第1の閾値を逸脱すると、送気度合変更手段が送気手段を停止または出力減少させる。その結果、低酸素気体の無駄な供給が減るため、低酸素気体の消費量をよりいっそう低減できる。一方、検出値が第2の閾値を逸脱すると、送気度合変更手段が送気手段を作動または出力増大させる。その結果、気体拡散防止手段内の酸素濃度を低く維持することができるため、塗装品質が安定する。
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によると、気体拡散防止手段内に拡散する酸素を効率的に排出でき、しかも、少量の低酸素気体で気体拡散防止手段内の酸素濃度を低く維持できる紫外線硬化塗装システムを提供することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、紫外線硬化塗装システム11は、大型のワークW1(被塗布物)を製造するための製造ラインに組み込まれ、ワークW1に紫外線を照射して、前工程においてワーク表面に塗布された紫外線硬化型塗料(UV塗料)を硬化させる設備である。なお、本実施形態のワークW1は、被塗面W2を表面側に有する一方で被塗面W2でない凹状曲面W3を裏面側に有する樹脂製の車両用部品(バンパー)である。
また、紫外線硬化塗装システム11は、気体拡散防止手段としての処理槽12を備えている。処理槽12は、例えば鉄板などのようなガス不透過性の壁材によって空間を内外に区画しており、内部の気体が外部に拡散するのを防止するようになっている。処理槽12は略直方体状に形成されており、処理槽12の上方にある槽上部12aは天井によって閉鎖されている。一方、処理槽12の槽底部12bには、処理槽12内にワークW1を搬入するためのワーク搬入口12c(開口部)と、処理槽12外にワークW1を搬出するためのワーク搬出口12d(開口部)とが開口されている。ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dは、略矩形状をなしており、それぞれ別の場所に開口されている。なお、処理槽12は、内部に搬入されたワークW1の周囲空間を包囲している。
図1に示されるように、紫外線硬化塗装システム11は、搬送手段としてのフロアコンベア14を備えている。フロアコンベア14は、凹状曲面W3を下方に向けた状態のワークW1をワーク支持体19で支持しながら搬送するようになっている。また、フロアコンベア14は、ワークW1を鉛直方向に上昇させながらワーク搬入口12cを介して処理槽12内に搬入するとともに、ワークW1を鉛直方向に下降させながらワーク搬出口12dを介して処理槽12外に搬出するようになっている。即ち、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dは、処理槽12においてフロアコンベア14に対応するように設けられている。
また、ワーク支持体19は台車17を備えている。台車17は、例えば図示しない牽引部材(ワイヤやチェーン等)で引っ張られることにより、フロアコンベア14に沿って移動する。この牽引部材は、フロアコンベア14を駆動するコンベア駆動装置16によって駆動されるようになっている。なお、台車17が自走する構成であってもよい。また、台車17には、上端部にてワークW1を支持する支持棒17bが突設されている。なお、支持棒17bに支持されるワークW1の向きは、フロアコンベア14の設置面に対してほぼ直立状態に維持される。
図1,図2に示されるように、前記処理槽12には、紫外線照射手段としてのUVランプ13が複数設置されている。各UVランプ13は、処理槽12内においてフロアコンベア14の移動方向上位位置に対応して設けられている。なお、「移動方向上位位置」とは、フロアコンベア14においてワークW1が水平方向に移動する箇所に対応した位置をいう。また、UVランプ13は、処理槽12において互いに対向する側壁12eに各2本ずつ設けられている。よって、紫外線を照射する照射ゾーンは、槽上部12a近傍に位置するようになる。これらUVランプ13は、処理槽12内を通過するワークW1に紫外線を照射するようになっている。各UVランプ13は、長い棒状をなし、縦置きに設置されているが、横置きに設置されていてもよい。なお、各UVランプ13を縦置きに設置すれば、UV塗料をムラなく硬化させることができる。
UVランプ13としては、図2に示すように、発光部13aと、凹状の反射面を有するアルミ板13b(反射板)とを備える集光形のランプが用いられる。UVランプ13と処理槽12とを区画する位置には、熱線カットフィルタ13cが設けられている。熱線カットフィルタ13cは、UVランプ13から照射される紫外線を処理槽12内に透過させるようになっている。
図1に示されるように、紫外線硬化塗装システム11は、空気よりも軽い窒素ガス(低酸素気体)を送り出すタンク32を備えている。また、紫外線硬化塗装システム11は、タンク32と処理槽12内との間を連通しうる窒素ガス供給経路を構成する窒素ガス供給管37を備えている。
また、窒素ガス供給管37上には、窒素ガスを処理槽12内に供給する窒素ガス供給装置31(送気手段)が設置されている。即ち、窒素ガス供給装置31は、窒素ガス供給管37を介してタンク32と流路的に接続されている。窒素ガス供給装置31は、窒素ガス供給ポンプ33、窒素ガス供給バルブ35及び窒素ガス供給口36及び整流手段51を備えている。窒素ガス供給ポンプ33は、タンク32の下流側に配置されており、タンク32から供給された窒素ガスを処理槽12側に供給するようになっている。窒素ガス供給バルブ35は、窒素ガス供給ポンプ33の下流側に配置されており、窒素ガス供給管37を開状態または閉状態に切り替えるようになっている。窒素ガス供給バルブ35は、開状態に切り替えられた際に、処理槽12内に窒素ガスを供給可能とするようになっている。なお、本実施形態の窒素ガス供給バルブ35は、図示しないソレノイドにより作動する電磁弁である。また、窒素ガス供給口36は、処理槽12の上方部分(前記槽上部12a)に配設されており、窒素ガスを処理槽12内に供給するようになっている。これにより、窒素ガスが処理槽12内に溜まるようになる。なお、本実施形態の窒素ガス供給口36は、下方に開口するノズルである。
図1,図2に示されるように、整流手段51は、処理槽12内の槽上部12aにおける窒素ガス供給口36の下方であって、前記照射ゾーンの上方となる箇所において、槽上部12aの天井と平行に配置されている。また、整流手段51において前記ワーク搬入口12cの略上方、及び、前記ワーク搬出口12dの略上方に位置する部分は、それぞれ邪魔板52となっている。邪魔板52は、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dと同じ形状(略矩形状)であって、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの開口面積と同じ面積となるように形成されている。邪魔板52は、処理槽12内に供給された窒素ガスが処理槽12の内部下方に流れるのを邪魔する機能を有している。一方、整流手段51において邪魔板52が設けられない部分は、フィルタ53となっている。フィルタ53は、繊維をまとめて積層することでマット状に構成されている。フィルタ53は、窒素ガスが通過する際にその流れを整えて、処理槽12の内部上方から内部下方に窒素ガスの流れ(微小風速のダウンフロー)を起こすように送気する。なお、本実施形態のようなフィルタ53を用いる代わりに、パンチングメタルなどを用いてもよい。この場合におけるパンチングメタルとしては、例えば、板状部材に複数の貫通孔を規則的に配置することで構成されたもの等が好適である。
従って、本実施形態では、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの略上方の領域B1(図2参照)からは窒素ガスが流下しないようになっている。よって、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの略上方を除いた領域B2(図2参照)から流下する窒素ガスの流速は、領域B1から流下する窒素ガスの流速よりも速くなる。
図1,図2に示されるように、処理槽12の槽底部12bには、ガイド手段としてのガイド板41が形成されている。ガイド板41は、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dにそれぞれ対応するように配設されている。ガイド板41は、ワーク搬入口12c(及びワーク搬出口12d)の外周部分から開口端に向かって斜め上方に延びている。ガイド板41は、前記窒素ガス供給装置31によって送り込まれ、前記側壁12eの内壁面に沿って流下する窒素ガスをワーク搬入口12c側やワーク搬出口12d側に導くとともに、水平より上方向に導く機能を有している(図2の矢印F1参照)。
図1に示されるように、処理槽12内の前記照射ゾーンには、処理槽12の内部の環境を検出する検出手段である酸素濃度センサー24及び温度センサー25が設置されている。酸素濃度センサー24は、処理槽12内の酸素濃度を測定して、酸素濃度測定信号を出力するようになっている。また、温度センサー25は、処理槽12内の温度を測定して、温度測定信号を出力するようになっている。なお、酸素濃度センサー24は、処理槽12内においてUVランプ13の近傍、即ち、処理槽12内のフロアコンベア14の近傍に配置されており、処理槽12内に搬送されてきたワークW1の下端よりも下方に位置している。従って、酸素濃度センサー24によってワークW1付近の酸素濃度を正確に測定できる。同様に、温度センサー25も、UVランプ13の近傍、即ちフロアコンベア14の近傍に配置されており、処理槽12内に搬送されてきたワークW1の下端よりも下方に位置している。従って、温度センサー25によってワークW1付近の温度を正確に測定できる。
次に、紫外線硬化塗装システム11の電気的構成について説明する。
図1に示されるように、紫外線硬化塗装システム11は、設備全体を統括的に制御するための制御装置15を備えている。制御装置15は、CPU21、ROM22、RAM23、入出力回路等により構成されている。CPU21は、UVランプ13、コンベア駆動装置16、窒素ガス供給ポンプ33及び窒素ガス供給バルブ35に電気的に接続されており、各種の駆動信号によってそれらを制御する。
また、CPU21には、前記酸素濃度センサー24から出力された酸素濃度測定信号が入力されるようになっている。そして、CPU21は、酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値がROM22に記憶されている第1の閾値(本実施形態では3%)以下であるか否かを判定するようになっている。酸素濃度の検出値が第1の閾値を逸脱した場合(即ち3%以下である場合)、CPU21は、前記窒素ガス供給装置31を停止させる制御(具体的には、窒素ガス供給ポンプ33を停止させるとともに窒素ガス供給バルブ35を閉状態に切り替える制御)を行うようになっている。また、CPU21は、酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値がROM22に記憶されている第2の閾値(本実施形態では5%)以上であるか否かを判定するようになっている。酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱した場合(即ち5%以上である場合)、CPU21は、窒素ガス供給装置31を作動させる制御(具体的には、窒素ガス供給ポンプ33を作動させるとともに窒素ガス供給バルブ35を開状態に切り替える制御)を行うようになっている。即ち、CPU21は、酸素濃度センサー24の検出結果に応じて窒素ガス供給装置31の送気量を変更する『送気度合変更手段』としての機能を有している。
次に、本実施形態のCPU21によって行われる処理について説明する。
図3に示されるステップS10の処理において、CPU21は、酸素濃度センサー24からの酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が第1の閾値を逸脱したか否か、即ち、酸素濃度の検出値が3%以下であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が3%以下である場合(ステップS10:Y)、CPU21は、ステップS20の処理へ移行する。一方、酸素濃度の検出値が3%よりも大きい場合(ステップS10:N)、CPU21は、ステップS30の処理へ移行する。
ステップS30において、CPU21は、酸素濃度センサー24からの酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱したか否か、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS30:Y)、CPU21は、ステップS40の処理へ移行する。そして、ステップS40において、CPU21は、窒素ガス供給装置31を作動させる制御、具体的には、窒素ガス供給ポンプ33を作動させるとともに窒素ガス供給バルブ35を開状態に切り替える制御を行い、ここでの処理を終了する。一方、酸素濃度の検出値が5%未満である場合(ステップS30:N)、CPU21は、ステップS40の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。
その後、処理槽12内の酸素濃度が低下して、酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が3%以下になると(ステップS10:Y)、CPU21は、ステップS20の処理へ移行する。ステップS20において、CPU21は、窒素ガス供給装置31を停止させる制御、具体的には、窒素ガス供給ポンプ33を停止させるとともに窒素ガス供給バルブ35を閉状態に切り替える制御を行い、ここでの処理を終了する。
即ち、CPU21は、酸素濃度3%,5%を閾値として窒素ガス供給装置31のオンオフ制御を行う。このような制御によれば、処理槽12内の酸素濃度を一定に保つことができるため、塗装品質が安定する。また、窒素ガスの無駄な供給が減るため、窒素ガスの消費量をよりいっそう低減できる。
次に、紫外線硬化塗装システム11を用いた塗料硬化方法を説明する。
まず、CPU21は、コンベア駆動装置16に駆動信号を出力してフロアコンベア14を駆動させ、ワーク搬入口12cを介して処理槽12内にワーク支持体19(ワークW1)を搬入させるとともに、ワーク搬出口12dを介して処理槽12外にワーク支持体19(ワークW1)を搬出させる。なお、UVランプ13は、紫外線の出力が安定するまでに時間がかかるため、常時点灯している。このため、処理槽12内を通過するワークW1には紫外線が照射される。その結果、ワークW1のワーク表面に塗布されたUV塗料が硬化する。
また、上記したように、処理槽12内の酸素濃度が低下して酸素濃度の検出値が3%以下になると、CPU21は、窒素ガス供給ポンプ33及び窒素ガス供給バルブ35に駆動信号を出力する。これにより、窒素ガス供給バルブ35が開状態に切り替わり、タンク32内の窒素ガスが、窒素ガス供給ポンプ33によって窒素ガス供給管37を通過し、槽上部12aの窒素ガス供給口36から処理槽12内に充填される。そして、処理槽12内に充填された窒素ガスは、整流手段51のフィルタ53を通過し、その際にその流れが整えられて微小風速のダウンフローとなる。これにより、窒素ガスは、整流手段51の下方に流れる。なお、窒素ガスの比重(0℃での比重は0.967)は空気の比重(0℃での比重は1)よりも小さい。即ち、窒素ガスは空気よりも軽いため、上方が閉鎖された処理槽12に溜まりやすい。
そして、処理槽12内に充填された窒素ガスは、処理槽12の内部上方から内部下方に流れる。このとき、領域B2から流下する窒素ガス(図2の矢印F2参照)は、側壁12eの内壁面に接触した際に抵抗を受けるために流速が遅くなる。一方、領域B1から流下する窒素ガス(図2の矢印F3参照)は、側壁12eの内壁面に接触しないために流速が遅くなりにくい。
しかし本実施形態では、領域B1に邪魔板52が位置しているため、領域B1から流下する窒素ガスの流速は、そもそも遅い。これにより、領域B2から流下する窒素ガスの流速は、領域B1から流下する窒素ガスの流速よりも速くなる。また、領域B2から流下する窒素ガスは、ガイド板41によってワーク搬入口12c側やワーク搬出口12d側に導かれるとともに、水平より上方向に導かれるため、領域B1から流下する窒素ガスは、ガイド板41によって導かれた窒素ガスが衝突して流速が遅くなる(図2の矢印F1参照)。これにより、領域B1から流下する窒素ガスの流速がさらに遅くなる。その結果、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12d付近の流速分布が一定になる。なお、処理槽12外の酸素が処理槽12内に拡散するために、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12d付近には酸素濃度が上昇する領域A2が存在するが、領域A2での流速分布が一定であるため、領域A2内の気体が効率的に排出され、処理槽12内の酸素濃度の上昇が抑えられる。また、ガイド板41によって導かれた窒素ガスの流れが、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを介して処理槽12外に漏れる窒素ガスの流れを塞ぐようになるため、処理槽12外への窒素ガスの漏れが防止される。
従って、本実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の紫外線硬化塗装システム11では、処理槽12内(特には領域A2内など)の酸素を効率的に排出でき、処理槽12内の酸素濃度の上昇を抑えることができる。しかも、処理槽12外への窒素ガスの漏れが防止されるため、窒素ガスの消費量を低減できる。なお、紫外線硬化塗装システム11において酸素濃度を3%以下に維持するために必要な窒素ガスの流量は、従来の1/5程度で済む。
(2)本実施形態では、上方が閉鎖された処理槽12内に空気より軽い窒素ガスを供給しているため、窒素ガスの処理槽12外への漏れを防止でき、窒素ガスの消費量を低減できる。また、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dから遠い槽上部12aから窒素ガスを供給しているため、窒素ガスが処理槽12外に漏れにくくなる。しかも、フィルタ53がダウンフローを生じさせるため、槽上部12a側に流れやすい窒素ガスを槽底部12bまで到達させることができる。よって、処理槽12内を窒素ガスで確実に充満させることができる。しかも、ダウンフローはフィルタ53によって整流されて静かに流れるため、たとえ窒素ガスが処理槽12外の空気に接したとしても空気中に拡散しにくい。よって、窒素ガスが処理槽12外に漏れ出す量を最小限に留めることができる。
なお本実施形態では、処理槽12がガス不透過性の壁材によって構成されているため、窒素ガスが槽上部12aの天井、槽底部12b及び側壁12eなどを透過して処理槽12外に漏れることはない。さらに、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dが槽底部12bに形成されているため、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dからの窒素ガスの漏れを最小限に抑えることができる。
(3)本実施形態では、ワークW1を支持するワーク支持体19は、フロアコンベア14を鉛直方向に上昇しながらワーク搬入口12cを通過し、フロアコンベア14を鉛直方向に下降しながらワーク搬出口12dを通過する。その結果、ワーク支持体19の支持棒17bがフロアコンベア14の設置面に対してほぼ直立した状態を維持し、支持棒17bに支持されるワークW1の向きが直立状態を維持するため、ワーク支持体19を上下方向から見た際の投影面積は、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを通過する際であっても増加しない。従って、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの開口面積を小さくすることができる。ゆえに、窒素ガスがワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを介して処理槽12外に漏れることをより確実に防止できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の紫外線硬化塗装システム11を図4,図5に基づいて詳細に説明する。ここでは第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同じ部材番号を付す代わりに説明を省略する。本実施形態のCPU21は、酸素濃度センサー24の検出結果に応じて窒素ガスの送気方向を変更する『送気方向変更手段』としての機能を有している点が第1実施形態とは異なる。また、処理槽12内の整流手段51の構成も第1実施形態とは異なっている。
具体的に言うと、例えば図4(a),(b)に示されるように、フィルタ53の下方位置において、領域B1に邪魔板52を配置するとともに、領域B2に複数の流下方向変更手段71を配置する。流下方向変更手段71は、回転軸を介して回動する整流板を備えており、領域B2を流下する窒素ガスの方向を変更するようになっている。
なお、整流板の向きは、CPU21によって制御される。例えば図5に示されるように、CPU21は、酸素濃度センサー24からの酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱した場合、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS30:Y)に、ステップS110の処理へ移行する。なお本実施形態では、酸素濃度の検出値が3%よりも大きくなった時点(ステップS10:N)で、ワークW1に塗布されたUV塗料を硬化させる作業が中止される。ステップS110において、CPU21は、流下方向変更手段71に駆動信号を出力して整流板を回動させる。具体的には、整流板を鉛直方向から斜め方向(ワーク搬入口12c側及びワーク搬出口12d側)に向ける。その結果、窒素ガス供給装置31によって供給された窒素ガスの送気方向が、ワークW1に窒素ガスが当たるように変更される(図4(b)参照)。
次に、ステップS120において、CPU21は、酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱しているか否か、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS120:Y)、CPU21は、再びステップS120の処理を行う。なお、ステップS120の処理は、酸素濃度の検出値が5%未満になるまで繰り返される。そして、酸素濃度の検出値が5%未満になると(ステップS120:N)、CPU21は、ステップS130の処理へ移行する。ステップS130において、CPU21は、流下方向変更手段71に駆動信号を出力して整流板を回動させる。整流板を斜め方向から鉛直方向に向ける。その結果、窒素ガスの送気方向が標準状態(下方)に変化する(図4(a)参照)。そして、CPU21は、ここでの処理を終了する。なお、図5に示される処理は、紫外線硬化塗装システム11の運転開始時に実行される処理ではなく、ワークW1に塗布されたUV塗料の硬化作業が行われている際に実行される処理である。
従って、本実施形態によれば、ワークW1の移動によって処理槽12内に気流が生じるのに伴い、処理槽12内に外部の空気が侵入しやすくなる。しかし本実施形態では、酸素濃度の検出値が5%以上となった場合に、窒素ガスの送気方向がワークW1に窒素ガスが当たるように変更される。その結果、侵入した空気が窒素ガスによって処理槽12外に押し出されるため、処理槽12内の酸素濃度が低下し、ワークW1に塗布されたUV塗料が効率良く硬化する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の紫外線硬化塗装システム11を図6,図7に基づいて詳細に説明する。ここでは第1実施形態と相違する部分を中心に説明し、共通する部分については同じ部材番号を付す代わりに説明を省略する。
本実施形態のCPU21は、酸素濃度センサー24の検出結果に応じて遮断機構であるシャッター72(図6(a),(b)参照)を開放または閉鎖させるようにしている点が第1実施形態とは異なっている。このシャッター72は、領域B1においてフィルタ53の下方に配置されており、複数の流下方向変更手段71からなっている。流下方向変更手段71は、回転軸を介して回動する整流板を備えており、全ての整流板が窒素ガスの流下方向と平行になった際にシャッター72が開放され(図6(b)参照)、全ての整流板が窒素ガスの流下方向と垂直になった際にシャッター72が閉鎖される(図6(a)参照)。
なお、シャッター72はCPU21によって制御される。例えば図7に示されるように、CPU21は、酸素濃度センサー24からの酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱した場合、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS30:Y)に、ステップS210の処理へ移行する。なお本実施形態では、酸素濃度の検出値が3%よりも大きくなった時点(ステップS10:N)で、ワークW1に塗布されたUV塗料を硬化させる作業が中止される。ステップS210において、CPU21は、シャッター72に駆動信号を出力して流下方向変更手段71の整流板を回動させ、シャッター72を開放させる(図6(b)参照)。
次に、ステップS220において、CPU21は、酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱しているか否か、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS220:Y)、CPU21は、再びステップS220の処理を行う。なお、ステップS220の処理は、酸素濃度の検出値が5%未満になるまで繰り返される。そして、酸素濃度の検出値が5%未満になると(ステップS220:N)、CPU21は、ステップS230の処理へ移行する。ステップS230において、CPU21は、シャッター72に駆動信号を出力して流下方向変更手段71の整流板を回動させ、シャッター72を閉鎖させる(図6(a)参照)。そして、CPU21は、ここでの処理を終了する。なお、図7に示される処理は、紫外線硬化塗装システム11の運転開始時に実行される処理ではなく、ワークW1に塗布されたUV塗料の硬化作業が行われている際に実行される処理である。
従って、本実施形態によれば、ワークW1の移動によって処理槽12内に気流が生じるのに伴い、処理槽12内に外部の空気が侵入しやすくなる。しかし本実施形態では、酸素濃度の検出値が5%以上となった場合にシャッター72が開放する。その結果、侵入した空気が窒素ガスによって処理槽12外に押し出されるため、処理槽12内の酸素濃度が低下し、ワークW1に塗布されたUV塗料が効率良く硬化する。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態のCPU21は、酸素濃度の検出値が3%以下である場合に窒素ガス供給装置31を停止させ、酸素濃度の検出値が5%以上である場合に窒素ガス供給装置31を作動させていた。即ち、第1の閾値及び第2の閾値は異なる値であった。しかし、第1の閾値及び第2の閾値を同一の値としてもよい。例えば図8に示されるように、CPU21は、酸素濃度の検出値が3%以下である場合(ステップS10:Y)に窒素ガス供給装置31を停止させ、酸素濃度の検出値が3%以上である場合(ステップS10:N)に窒素ガス供給装置31を作動させるようにしてもよい。即ち、ステップS30の処理を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態のCPU21は、酸素濃度センサー24の検出結果に応じて窒素ガス供給装置31の送気量を変更するようになっていたが、酸素濃度センサー24の検出結果に応じてUVランプ13の照射パワーを変化させるようにしてもよい。
なお、UVランプ13の照射パワーはCPU21によって制御される。例えば図9に示されるように、CPU21は、酸素濃度センサー24からの酸素濃度測定信号が示す酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱した場合、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS30:Y)に、ステップS310の処理へ移行する。ステップS310において、CPU21は、UVランプ13に駆動信号を出力してUVランプ13の照射パワーを増大させる。
次に、ステップS320において、CPU21は、酸素濃度の検出値が第2の閾値を逸脱しているか否か、即ち、酸素濃度の検出値が5%以上であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が5%以上である場合(ステップS320:Y)、CPU21は、再びステップS320の処理を行う。なお、ステップS320の処理は、酸素濃度の検出値が5%未満になるまで繰り返される。そして、酸素濃度の検出値が5%未満になると(ステップS320:N)、CPU21は、ステップS330の処理へ移行する。ステップS330において、CPU21は、UVランプ13に駆動信号を出力してUVランプ13の照射パワーを元の状態(標準状態)に戻す。そして、CPU21は、ここでの処理を終了する。なお、図9に示される処理は、紫外線硬化塗装システム11の運転開始時に実行される処理ではなく、ワークW1に塗布されたUV塗料の硬化作業が行われている際に実行される処理である。
このようにすれば、処理槽12内の酸素濃度が高くなったとしても、UVランプ13の照射パワーを増大させることで、ワークW1に塗布されたUV塗料が確実に硬化するため、塗装品質が安定する。
・上記実施形態において、酸素濃度の検出値が第3の閾値を逸脱した場合に、CPU21は、紫外線硬化塗装システム11の異常または警告を表示させる制御、もしくは、紫外線硬化塗装システム11を停止させる制御を行ってもよい。
例えば図10に示されるように、UVランプ13の照射パワーが増大している状態(ステップS310)で、CPU21は、ステップS410の処理を行う。ステップS410において、CPU21は、酸素濃度の検出値が第3の閾値を逸脱したか否か、即ち、酸素濃度の検出値が8%以上であるか否かを判定する。酸素濃度の検出値が8%未満である場合(ステップS410:N)、CPU21は、ステップS320の処理へ移行する。一方、酸素濃度の検出値が8%以上である場合(ステップS410:Y)、CPU21は、ステップS420の処理へ移行する。そして、CPU21は、ステップS420において紫外線硬化塗装システム11を停止させ、ステップS430において警告を行い、ここでの処理を終了する。なお、図10に示される処理は、紫外線硬化塗装システム11の運転開始時に実行される処理ではなく、ワークW1に塗布されたUV塗料の硬化作業が行われている際に実行される処理である。また、警告を行う方法としては、制御装置15のディスプレイ(図示略)に、「警告」という文字を表示させることなどが挙げられる。
・紫外線硬化塗装システム11の起動時において酸素濃度の検出値が第1の閾値を逸脱した場合(例えば3%以下である場合)に、フロアコンベア14を停止するとともに、ガイド板41によりワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを閉止するように制御してもよい。例えば、ガイド板41を側壁12eの下端部に対して回動可能に設け、全てのガイド板41が窒素ガスの流下方向と垂直になった際にワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dが閉止されるように構成してもよい。また、紫外線硬化塗装システム11の起動時において酸素濃度の検出値が第1の閾値を逸脱した場合に、フロアコンベア14を停止するとともに、ガイド板41に接続する部材(図示略)によりワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを閉止するように制御してもよい。例えば、上下方向に移動する閉止板(図示略)を処理槽12内に設け、閉塞板が下方に移動した際にワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dが閉止されるように構成してもよい。なお、閉止板としては、上記実施形態に記載の邪魔板52と同じ形状であって、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの開口面積よりも大きいものなどが挙げられる。このようにすれば、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを介して窒素ガスが漏れなくなるため、酸素濃度を低く維持することができる。
また、紫外線硬化塗装システム11の起動時において酸素濃度の検出値が第3の閾値を逸脱した場合(例えば8%以上である場合)にも、上記と同様の制御を行ってもよい。このようにすれば、処理槽12内の酸素濃度が高すぎる場合に紫外線硬化塗装システム11が使用不能となるため、UV塗料の硬化不良に起因したワークW1の塗装品質低下を防止できる。
・図11に示されるように、処理槽12内の領域B1の上方部分に、第2のガイド手段となる整流体73を設けてもよい。整流体73は、下方に頂部が位置する略四角錐状(または略円錐状)をなしており、上方に行くに従ってワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dの外側に行く湾曲面73a(斜面)を有している。従って、整流体73は、ガイド板41によって上方向に導かれた窒素ガスを領域B2に振り向けることができる。なお、整流体73は、上記実施形態の邪魔板52と同じ機能も有している。
また図11に示されるように、ガイド板41の下側にさらに同じガイド板41を設けてもよい。このように構成すれば、ワーク搬入口12c及びワーク搬出口12dを通過する流体の抵抗が増えるため、処理槽12内への外部の空気の侵入を防止できる。また、窒素ガスの処理槽12外への漏れも防止できる。
・上記実施形態では、領域B1に邪魔板52を配置することによって、領域B2から流下する窒素ガスの流速を領域B1から流下する窒素ガスの流速よりも速く設定していた。しかし、領域B2から流下する窒素ガスを側壁12eの内壁面に沿って流下させるとともに、領域B1から流下する窒素ガスを側壁12eの内壁面側に導くことにより、領域B2から流下する窒素ガスの流速を領域B1から流下する窒素ガスの流速よりも速く設定してもよい。なお、領域B1から流下する窒素ガスを側壁12eの内壁面側に導く方法としては、領域B1に図4(a),(b)に示すような流下方向変更手段71を配置することなどが考えられる。
・上記実施形態の検出手段としては、酸素濃度センサー24及び温度センサー25が用いられていたが、さらに窒素濃度センサーを検出手段として追加してもよい。なお、検出手段として窒素濃度センサーを設けた場合、処理槽12内の窒素濃度を検出すれば酸素濃度も導出できる。例えば、窒素濃度の検出値が97%である場合、酸素濃度は残りの3%となる。この場合、酸素濃度センサー24を省略することができる。また、温度センサー25は省略されていてもよい。
・上記実施形態では、タンク32内の窒素ガスをそのまま処理槽12内に供給するようになっていたが、図示しない加熱装置によって所定温度(例えば40℃)に加熱した窒素ガスを処理槽12内に供給するようにしてもよい。
・上記実施形態では、紫外線硬化塗装システム11によって塗装される被塗布物としてバンパーを例示したが、これに限定されるものではない。例えば、空力付加物(スポイラーなど)などの他の車両用部品を被塗布物としてもよい。また、被塗布物は、必ずしも車両用部品でなくてもよい。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至5のいずれか1項において、前記気体拡散防止手段の上方部分であって、前記開口部の略上方の領域に、前記ガイド手段によって上方向に導かれた前記低酸素気体を前記開口部の略上方を除いた領域に振り向ける第2のガイド手段を設けたことを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(2)請求項1乃至5のいずれか1項において、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値及び第2の閾値が設定され、前記検出値が前記第2の閾値を逸脱した場合に、前記被塗布物に対する前記紫外線照射手段の照射時間または照射パワーを変化させることを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(3)請求項1乃至5のいずれか1項において、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値、第2の閾値及び第3の閾値が設定され、前記検出値が前記第3の閾値を逸脱した場合に、前記紫外線硬化塗装システムの異常もしくは警告の表示、または、前記紫外線硬化塗装システムの停止を行うことを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(4)請求項1乃至5のいずれか1項において、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値、第2の閾値及び第3の閾値が設定され、前記紫外線硬化塗装システムの起動時で、前記検出値が前記第1の閾値または前記第3の閾値を逸脱した場合に、前記搬送手段を停止するとともに、前記ガイド手段または前記ガイド手段に接続する部材により前記開口部を閉止するよう制御することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(5)請求項1乃至5のいずれか1項において、前記搬送手段は、前記被塗布物を鉛直方向に上昇させながら前記開口部を介して前記被塗布物を前記気体拡散防止手段内に搬入するとともに、前記被塗布物を鉛直方向に下降させながら前記開口部を介して前記気体拡散防止手段外に前記被塗布物を搬出することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(6)被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気するとともに、前記開口部の略上方を除いた領域から流下する前記低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下させ、前記開口部の略上方の領域から流下する前記低酸素気体を前記内壁面側に導く送気手段と、前記送気手段によって送り込まれ、前記内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段とを有することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(7)被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気する送気手段と、前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、前記送気手段の送気方向を、前記気体拡散防止手段内において前記開口部の略上方の領域にある前記被塗布物に前記低酸素気体が当たるように変更する送気方向変更手段とを有することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。よって、技術的思想(7)によれば、検出手段の検出結果に応じて送気手段の送気方向が変更される。これにより、流速が遅くなりやすい低酸素気体(開口部の略上方を除いた領域から流下する低酸素気体)の流速を速くすることができるとともに、流速が遅くなりにくい低酸素気体(開口部の略上方の領域から流下する低酸素気体)の流速を遅くすることができる。その結果、開口部付近の流速分布を一定にすることができるため、気体拡散防止手段内に拡散する酸素を確実に排出できる。
(8)技術的思想(7)において、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値及び第2の閾値が設定され、前記検出値が前記第1の閾値を逸脱した場合に、前記送気方向変更手段を作動させ、前記送気手段の送気方向を、前記気体拡散防止手段内にある前記被塗布物に前記低酸素気体が当たるように変更することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。よって、技術的思想(8)によれば、検出値が第1の閾値を逸脱した場合にのみに、送気手段の送気方向を被塗布物に低酸素気体が当たるように変更するため、開口部付近の流速分布を一定にしやすくなり、気体拡散防止手段内に拡散する酸素を確実に排出できる。
(9)被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気する送気手段と、前記送気手段における前記開口部の略上方の領域を遮断する遮断機構と、前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段とを有し、前記検出手段の検出結果に応じて前記遮断機構を開放させることを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
(10)技術的思想(9)において、酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値及び第2の閾値が設定され、前記検出値が前記第1の閾値を逸脱した場合に、前記送気度合変更手段を作動させて前記遮断機構を開放させることを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
第1実施形態における紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す断面図。 同じく、紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す側断面図。 同じく、CPUにて行われる処理を示すフローチャート。 (a),(b)は、第2実施形態における紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す側断面図。 同じく、CPUにて行われる処理を示すフローチャート。 (a),(b)は、第3実施形態における紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す側断面図。 同じく、CPUにて行われる処理を示すフローチャート。 他の実施形態においてCPUにて行われる処理を示すフローチャート。 他の実施形態においてCPUにて行われる処理を示すフローチャート。 他の実施形態においてCPUにて行われる処理を示すフローチャート。 他の実施形態における紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す側断面図。 従来技術における紫外線硬化塗装システムの概略構成を示す側断面図。
符号の説明
11…紫外線硬化塗装システム
12…気体拡散防止手段としての処理槽
12c…開口部としてのワーク搬入口
12d…開口部としてのワーク搬出口
13…紫外線照射手段としてのUVランプ
14…搬送手段としてのフロアコンベア
21…送気度合変更手段としてのCPU
24…検出手段としての酸素濃度センサー
25…検出手段としての温度センサー
31…送気手段としての窒素ガス供給装置
41…ガイド手段としてのガイド板
B1…開口部の略上方の領域
B2…開口部の略上方を除いた領域
W1…被塗布物としてのワーク

Claims (5)

  1. 被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、
    前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、
    前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、
    前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気するとともに、前記開口部の略上方を除いた領域から流下する前記低酸素気体の流速を、前記開口部の略上方の領域から流下する前記低酸素気体の流速よりも速く設定可能とした送気手段と、
    前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、
    前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段と
    を有することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
  2. 被塗布物の周囲空間を包囲し上方を閉鎖した気体拡散防止手段と、
    前記気体拡散防止手段に対して前記被塗布物を下方から搬入搬出する搬送手段と、
    前記気体拡散防止手段において前記搬送手段に対応するように設けた開口部と、
    前記気体拡散防止手段内における前記搬送手段の移動方向上位位置において紫外線硬化型塗料を塗布した前記被塗布物に紫外線を照射する紫外線照射手段と、
    前記気体拡散防止手段の上方部分に配設され、空気より軽い低酸素気体を前記気体拡散防止手段の内部上方から内部下方に前記低酸素気体の流れを起こすよう送気するとともに、前記開口部の略上方を除いた領域から流下する前記低酸素気体の流速を、前記開口部の略上方の領域から流下する前記低酸素気体の流速よりも速く設定可能とした送気手段と、
    前記送気手段によって送り込まれ、前記気体拡散防止手段の内壁面に沿って流下する前記低酸素気体を前記開口部側に導くとともに、水平より上方向に導くガイド手段と、
    前記気体拡散防止手段の内部の環境を検出する検出手段と、
    前記検出手段の検出結果に応じて前記送気手段の送気強さ及び送気量の少なくとも1つを変更する送気度合変更手段と
    を有することを特徴とする紫外線硬化塗装システム。
  3. 酸素濃度または窒素濃度の検出値に関する第1の閾値及び第2の閾値が設定され、
    前記検出値が前記第1の閾値を逸脱した場合に、前記送気度合変更手段を作動させて前記送気手段を停止または出力減少させ、前記検出値が前記第2の閾値を逸脱した場合に、前記送気度合変更手段を作動させて前記送気手段を作動または出力増大させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の紫外線硬化塗装システム。
  4. 前記検出手段は、酸素濃度センサー、窒素濃度センサー及び温度センサーから選択される少なくとも1つであり、前記センサーの出力値に関連して前記送気度合変更手段、前記送気手段及び前記紫外線照射手段から選択される少なくとも1つを作動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の紫外線硬化塗装システム。
  5. 前記検出手段は、前記気体拡散防止手段内において前記紫外線照射手段の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紫外線硬化塗装システム。
JP2006256483A 2006-09-21 2006-09-21 紫外線硬化塗装システム Pending JP2008073624A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006256483A JP2008073624A (ja) 2006-09-21 2006-09-21 紫外線硬化塗装システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006256483A JP2008073624A (ja) 2006-09-21 2006-09-21 紫外線硬化塗装システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008073624A true JP2008073624A (ja) 2008-04-03

Family

ID=39346237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006256483A Pending JP2008073624A (ja) 2006-09-21 2006-09-21 紫外線硬化塗装システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008073624A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10980128B2 (en) LED-based UV radiation source machine
JP2006242562A (ja) 燃料、特に廃棄物を焼却する方法
EA013578B1 (ru) Установка и способ радиационного отверждения покрытия детали в среде защитного газа
JP5632087B2 (ja) 近赤外線を用いた缶またはパイプの乾燥システム及びその制御方法
JP2007313393A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
KR101328352B1 (ko) 필름의 표면 처리 방법 및 장치, 및 편광판의 제조 방법
KR20130058602A (ko) 광 조사 장치
JP2008073624A (ja) 紫外線硬化塗装システム
WO2010032852A1 (ja) 紫外線照射装置
JP2007245135A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
AU647513B2 (en) Method of and apparatus for improved nitrogen inerting of surfaces to be electron beam irradiated
JP6550964B2 (ja) 光処理装置およびその製造方法
JP2007216132A (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
JP4649344B2 (ja) 紫外線塗料硬化設備、塗料硬化方法
CZ20031060A3 (en) Radiation hardening installation
US11203154B2 (en) Systems and methods for preventing oxygen inhibition of a light-initiated polymerization reaction in a 3D printing system using inert gas
KR20090103160A (ko) 원단 경화장치
JP2009019784A (ja) 連続焼成炉
JP4452977B2 (ja) 紫外線照射装置及びその気体放出方法
KR101635761B1 (ko) 공정챔버 및 이를 포함하는 화소 형성 장치
JP6712137B2 (ja) 排気処理装置およびこれを備える熱処理装置、ならびに、排気処理装置の操業方法
US20240280319A1 (en) Drying device for drying containers containing cleaning fluid, control device, and method
JP2008073623A (ja) 紫外線硬化塗装システム
US20240103371A1 (en) Photo treatment device
WO2024190007A1 (ja) 光処理装置