JP2008072357A - 携帯電話機の化粧ケース及びその製造方法及び携帯電話機 - Google Patents

携帯電話機の化粧ケース及びその製造方法及び携帯電話機 Download PDF

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和雄 小金平
Kazuhiro Sueda
和弘 末田
Kimitane Kimura
公胤 木村
Tatsuya Okamura
達也 岡村
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Abstract

【課題】強度を保った状態で容易に薄型化を図ることができ、組立作業が簡略化でき、複雑で多彩で精度の良い印刷を容易に行うことができる携帯電話機の化粧ケース及びその製造方法及び携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機100のキートップ71を操作する面をキートップ71を露出した状態で覆う携帯電話機100の化粧ケース1である。化粧ケース1は、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10と、合成樹脂製の補強板30とを具備し、化粧フイルム10の下面に補強板30を積層する。積層した化粧フイルム10及び補強板30にキートップ71を露出する開口からなるキートップ露出部11,31を設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、携帯電話機のキートップを操作する面を覆う携帯電話機の化粧ケース及びその製造方法及び携帯電話機に関するものである。
従来、携帯電話機は、外装ケースとして合成樹脂製の上側ケースと下側ケースとを具備し、両者内にキートップを取り付けたキートップ板や、携帯電話機駆動用の各種電子部品(内蔵物)を収納して構成されている(例えば特許文献1の図2参照)。
そして携帯電話機の薄型化の要望により、キートップの薄型化が求められており、それと同時にキートップを露出している外装ケースの上面側ケースの薄型化も要求されている。
しかしながら従来の上側ケースは上述のように合成樹脂の成形品であり、その薄型化には強度上問題があり、それほど薄型化することはできなかった。
また従来、上側ケースには所望の印刷が施されて化粧されているが、上側ケースは合成樹脂の成形品であるため、複雑で多彩で精度の良い印刷は困難であった。
また従来、携帯電話機の組み立ては、上側ケースに設けたねじ穴に、下側ケースの下面に設けた穴から挿入したねじの先端を螺合することで行っていたが、この固定方式には所定の厚みが必要で、さらなる携帯電話機の薄型化が図れなかった。
また従来、携帯電話機を組み立てる際、上側ケースと下側ケースの間にキートップ板やその他の内蔵物をそれぞれ順番に収納していく必要があるが、その組立作業が煩雑であった。
特開2005−235671号公報
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、強度を保った状態で容易に薄型化を図ることができ、また組立作業が簡略化でき、また複雑で多彩で精度の良い印刷を容易に行うことができる携帯電話機の化粧ケース及びその製造方法及び携帯電話機を提供することにある。
本願請求項1に記載の発明は、携帯電話機のキートップを操作する面をキートップを露出した状態で覆う携帯電話機の化粧ケースにおいて、前記化粧ケースは、合成樹脂フイルム製の化粧フイルムと、合成樹脂製の補強板とを具備し、前記化粧フイルムの一方の面に前記補強板を積層すると共に、積層した化粧フイルム及び補強板に前記キートップを露出する開口からなるキートップ露出部を設けて構成されていることを特徴とする携帯電話機の化粧ケースにある。
本願請求項2に記載の発明は、前記補強板は、前記化粧フイルムの略全面を覆う薄板状の合成樹脂によって形成され、且つ前記補強板の各キートップ露出部の間の位置に、補強板の表面からこの補強板と一対に形成されて突出するリブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケースにある。
本願請求項3に記載の発明は、前記補強板は、前記化粧フイルムの略全面を覆う薄板状の合成樹脂フイルムによって形成され、且つ前記補強板の各キートップ露出部の間の位置に、合成樹脂フイルムの表面から突出する合成樹脂製のリブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケースにある。
本願請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の化粧ケースと、弾性板にキートップを設置してなるキートップ板とを具備し、前記化粧ケースの下面側にキートップ板を設置することで、前記キートップ板のキートップを前記化粧ケースのキートップ露出部内に露出させたことを特徴とする携帯電話機のキートップ板付き化粧ケースにある。
本願請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の化粧ケースと、弾性板にキートップを設置してなるキートップ板と、携帯電話機の内蔵物を収納してなる下ケースと、を具備し、前記化粧ケースの下面側にキートップ板を設置することで、前記キートップ板のキートップを前記化粧ケースのキートップ露出部内に露出させた状態で、この化粧ケースを下ケースに取り付けたことを特徴とする携帯電話機にある。
本願請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケースの製造方法において、合成樹脂フイルム製の化粧フイルムの一方の面に薄板状の合成樹脂からなる補強板を積層・一体化する工程と、前記一体化した化粧フイルム及び補強板を同時にカットすることで前記キートップを露出する開口からなるキートップ露出部を形成する工程と、を具備することを特徴とする携帯電話機の化粧ケースの製造方法。
請求項1に記載の発明によれば、合成樹脂フイルム製の化粧フイルムを用いているので、衝撃などを加えても破壊され難い。同時に合成樹脂製の補強板を積層しているので、その剛性を強くできる。これらのことから厚みを薄くしても充分強度を強く保つことができる化粧ケースを提供できる。また合成樹脂フイルム製の化粧フイルムを用いているので、複雑で多彩で精度の良い印刷を容易に行うことができる。
請求項2,請求項3に記載の発明によれば、リブを設けているので、このリブをこの化粧ケースを用いて組み立てた携帯電話機の内蔵物上で支えることができ、従って各キートップの間の化粧ケースの上面を押圧しても、化粧ケースが撓んで凹む恐れがなくなる。
請求項4に記載の発明によれば、例えば化粧ケースとキートップ板の製造・組立が、携帯電話機の最終組立と別の場所で行われるような場合でも、予め化粧ケースとキートップ板とを一体化した状態まで組み立てて搬送できるので、携帯電話機の最終組立作業時の組み立て工程が削減され、その組立作業が容易になる。なお上述のように補強板にリブを設けた場合は、リブによって化粧ケースとキートップ板間の位置決めを行うことができ、従ってキートップ露出部から正確にキートップを露出できる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の薄い化粧ケースを用いて携帯電話機を構成したので、携帯電話機の薄型化が図れる。また化粧ケースはシート状なので、ねじ等の厚みの必要な固定手段を用いなくても、下ケースに対して接着等によって容易に取り付けることができ、この点からも携帯電話機の薄型化が図れる。
請求項6に記載の発明によれば、容易に請求項1に記載の化粧フイルムの製造が行える。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかる化粧ケース1を上面側から見た上面側斜視図、図2は化粧ケース1を裏返して見た裏面側斜視図である。ここで化粧ケース1とは、下記する携帯電話機100のキートップ71(図6参照)を操作する面をキートップ71を露出した状態で覆うケースをいう。両図に示すように化粧ケース1は、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10の一方の面(下面)に合成樹脂製の補強板30を積層・一体化すると共に、積層・一体化した化粧フイルム10及び補強板30に下記するキートップ71を露出する開口からなるキートップ露出部11,31を設けて構成されている。以下各構成部品及び化粧ケース1の製造方法を説明する。なお以下の説明において、上側(上面)とは、化粧ケース1のキートップ71が露出する側(キートップ71の操作面側)をいい、下側(下面)とは、その反対側の面をいうものとする。
図3は化粧フイルム10から補強板30を分離した状態のものを下側から見た斜視図である。同図及び図1,図2に示すように、化粧フイルム10は、可撓性を有する合成樹脂フイルムであるポリカーボネート(PC)フイルムの外周を略矩形状にカットし、またその内部の所定の複数ヶ所に略マトリクス状に複数の開口からなるキートップ露出部11を設けて構成されている。化粧フイルム10の厚みはこの実施形態では0.1mmであり、その上面及び/又は下面には所望の印刷(即ち化粧、図示は省略)が施されている。この化粧フイルム10は合成樹脂フイルム製なので、複雑で多彩で精度の良い印刷を容易に行うことができる。
補強板30は薄板状の熱可塑性の合成樹脂(この実施形態ではPC樹脂)の成形品であり、前記化粧フイルム10の下面の全面を覆う形状(矩形状)に形成されている。補強板30の前記化粧フイルム10の各キートップ露出部11に対向する位置には、キートップ露出部11と同一形状のキートップ露出部31が形成されている。補強板30の上面は化粧フイルム10に一体に密着するので平面状であるが、その下面には凹凸があり、下面の外周(全周)を囲む部分には帯状に薄く突出する補強枠部33が形成されている。補強枠部33の下面は接着面35となっている。接着面35には所定間隔毎に複数の円形の深さの浅いゲート接続用凹部36が設けられ、また接着面35の二ヶ所には円形の低い突起からなるキートップ板取付部37が設けられている。ゲート接続用凹部36はこの部分に下記する金型の樹脂注入口を接続して成形した後のゲート残りの小突起が接着面35の面よりも下方に突出しないようにするために設けられている。なおこの実施形態においては化粧フイルム10を含む補強板30の中央部分(補強枠部33の内側部分)の厚みは0.5mm、化粧フイルム10を含む補強板30の補強枠部33の部分の厚みは0.75mmである。
一方補強板30下面の補強枠部33内側の前記各キートップ露出部31の間の位置には、補強板30の表面(下面)から突出する複数のリブ39,41,43,45が設けられている。リブ39,41,43,45には各種形状のものがあるが、何れも各キートップ露出部31の間の位置に設けられている。即ちリブ39,41は何れも直線棒状であり、矩形状でマトリクス状に配置されたキートップ露出部31の間の位置に設置されている。リブ43は略矢印型(五角形)の薄板の上にU字状の突起部を設けて構成されており、前記マトリクス状のキートップ露出部31と円形のキートップ露出部31の間の位置に設置されている。またリブ45は三角形状であり、円形のキートップ露出部31とその周囲の4つの矩形状のキートップ露出部31の間の位置に設置されている。図4(a),(b)はリブ43とリブ39(又は41)とを拡大して示す要部拡大斜視図である。同図に示すようにリブ43の先端近傍部分とリブ39(又は41)の中央部分には、それぞれその高さを低くしてなるゲート接続部43a,39a(又は41a)が設けられている。ゲート接続部43a,39a(又は41a)は、この部分に下記する金型の樹脂注入口を接続して成形した後のゲート残りの小突起がリブ43,39(又は41)の面よりも突出しないようにするために設けられている。また図3に示すように、補強板30下面の円形のキートップ露出部31とマトリクス状のキートップ露出部31の間の位置には、円形の低い突起からなるキートップ板取付部47が設けられている。
次にこの化粧ケース1の製造方法を説明する。化粧ケース1を製造するには、予め印刷を行なった平板状で化粧ケース1の外形よりも大きい外形寸法の化粧フイルム10を用意する。そしてこの化粧フイルム10の上下面を図示しない金型で挟持し、挟持した金型の化粧フイルム10の下面側に形成される補強板30の外形形状のキャビティー内に熱可塑性の溶融成形樹脂を圧入してキャビティー内を満たす。溶融成形樹脂の圧入は、前記補強板30の各ゲート接続部36,43a,39a(41a)となる部分から行われる。溶融成形樹脂の圧入箇所が多いのは、補強板30の厚みが薄いので、薄いキャビティー内全体に確実に溶融成形樹脂を充填させるためである。そして溶融成形樹脂が硬化した後に、金型を取り外せば、図5に示すように化粧フイルム10の下面に補強板30を取り付けたものが取り出せる。この実施形態では補強板30を構成する合成樹脂材料として、前記化粧フイルム10の材質と同一のPC樹脂を用いている。このため、化粧フイルム10と補強板30となる合成樹脂とは、別途接着材等を用いなくても直接強固に一体に接合できる。なお化粧フイルム10の材質と補強板30の材質が異なる場合は、補強板30となる合成樹脂に接着材を混合しておいたり、予め化粧フイルム10の下面に接着層を印刷等によって形成しておけば良い。そして前記化粧フイルム10の外形を補強板30の外形に合わせてカットする工程と、化粧フイルム10と補強板30の両者を同時にカットすることで前記各キートップ露出部11,31を開口して形成する工程とを同時又は別々の工程で行えば、前記図1,図2に示す化粧ケース1が完成する。この化粧ケース1は、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10を用いているので、衝撃などを加えても破壊され難い。同時に合成樹脂製の補強板30を積層しているので、その剛性を強くできる。即ちこれらのことから厚みを薄くしても充分強度を強く保つことができる化粧ケース1を構成できる。なおこの実施形態では補強板30をインサート成形によって化粧フイルム10に積層・一体化したが、他の手段、例えば補強板30を紫外線硬化樹脂を使ってスクリーン印刷等により化粧フイルム10に積層し、これに紫外線を照射して硬化させることなどによって化粧フイルム10に補強板30を積層・一体化させても良い。
図6は上記化粧ケース1を用いて構成される携帯電話機100の分解斜視図である。同図に示すように携帯電話機100は、下ケース110内に、携帯電話機100の内蔵物となるスイッチ付回路基板80と、キートップ板50とを収納し、その上を化粧ケース1で覆って構成されている。以下各構成部品について説明する。
図8はキートップ板50を下側から見た斜視図である。図8及び図6に示すようにキートップ板50は、略平板矩形状の弾性を有する半透明な弾性板(以下「ゴム状弾性板」という)51の上面の所望の位置に、それぞれ接着材などによってキートップ71を取り付けて構成されている。ゴム状弾性板51の外形寸法は前記化粧ケース1の外形寸法よりも少し小さい外形寸法に形成されている。弾性板の材質としてこの実施形態ではシリコンゴムを用いているが、他の各種材質のもの、例えば他のゴム状弾性を有する材質のものや、合成樹脂フイルムや、可撓性を有する成形樹脂等を用いても良い。各キートップ71はこの実施形態では所望の印刷を施した合成樹脂フイルム上に透明な成形樹脂部材を成形することで構成されているが、成形樹脂部材のみのものや、成形樹脂部材の上面を覆うように合成樹脂フイルムを被せたもの等を用いても良い。各キートップ71は前記化粧ケース1の各キートップ露出部11,31に対向する位置に、各キートップ露出部11,31内にぴったり挿入される外形寸法形状で形成されている。円形のキートップ露出部11,31に挿入される円形リング状のキートップ71の中央には別の円形のキートップ71が設置されている。ゴム状弾性板51の各キートップ71の間の位置の、前記化粧ケース1下面に設けた各リブ39,41,43,45に対向する位置には、これら各リブ39,41,43,45をぴったり挿入するこれら各リブ39,41,43,45と略同一形状の凹状のリブ挿入部53が設けられている。各リブ挿入部53は上下に貫通しておらず、図8に示すようにその底部はゴム状弾性板51の下面から突出している。またゴム状弾性板51の前記各キートップ71を取り付けた反対側の面からは下方向に柱状に突出するスイッチ押圧部55が設けられている。またゴム状弾性板51の前記化粧ケース1のキートップ板取付部37,47に対向する位置(3ヶ所)には、これらキートップ板取付部37,47の外形よりも少し小さい内径を有して、キートップ板取付部37,47を圧入(挿入)する円形の貫通孔からなる取付部57が設けられている。
図6に戻って、スイッチ付回路基板80は、硬質の主基板(プリント配線基板)上にスイッチ81を設置して構成されている。実際には主基板上には、シート上にスイッチ81を設けてなるフレキシブルスイッチ基板が設置されている。各スイッチ81は、前記ゴム状弾性板51の各スイッチ押圧部55に対向する位置に設置されている。主基板にはこの携帯電話機100を駆動する各種電子部品が搭載されている。スイッチ付回路基板80の外形寸法は前記キートップ板50の外形寸法と略同一寸法に形成されている。
下ケース110は略矩形状で、上面に凹状の収納部111を設けて構成されている。収納部111の周囲には収納部111の底面から段状に突出するリング状の化粧ケース接着面113が設けられている。化粧ケース接着面113の内側の化粧ケース接着面113よりも深い部分は前記スイッチ付回路基板80とキートップ板50とが収納される寸法に形成されており、また化粧ケース接着面113の部分は前記化粧ケース1がぴったり収納される寸法に形成されている。なお収納部111内には、図示しない蓄電池等の携帯電話機100の内蔵物(電子部品)115(図7参照)が設置されている。即ち本願では下ケース110内に収納された内蔵物115と前記スイッチ付回路基板80及びこれに取り付けた各種電子部品全体をまとめて内蔵物という。
次に携帯電話機100の組立方法を説明する。まず図6において、化粧ケース1下面の補強枠部33の接着面35に、接着層130を接着する。接着層130は矩形リング状の両面テープであり、図示はしていないが、接着層130の下面には剥離紙となるセパレータが貼り付けられている。接着層130の厚さ(セパレータを含まず)は、この実施形態では0.1mmである。次に前記化粧ケース1の下面にキートップ板50を設置し、一体に取り付ける。即ち化粧ケース1下面の各リブ39,41,43,45をキートップ板50の各リブ挿入部53に挿入(又は圧入)し、同時に化粧ケース1下面の各キートップ板取付部37,47をキートップ板50の各取付部57に圧入する。これらによってキートップ板50は化粧ケース1の下面に仮止めされる。またこのときキートップ板50の各キートップ71は化粧ケース1の各キートップ露出部11,31内に挿入され、露出する。この実施形態においては、リブ39,41,43,45によって化粧ケース1とキートップ板50間の位置決めができ、従ってキートップ露出部11,31から正確にキートップ71を露出できる。
次に、下ケース110の収納部111内にスイッチ付回路基板80を収納する。そして前記キートップ板50を取り付けた化粧ケース1の前記接着層130の表面からセパレータを剥がした後、このキートップ板50を取り付けた化粧ケース1を下ケース110上に被せ、前記接着層130を下ケース110の接着面113に接着する。この実施形態においては、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10とこれに積層される薄い補強板30とによって薄い化粧ケース1が構成されるので、この化粧ケース1を用いた携帯電話機100の薄型化が図れる。また化粧ケース1はシート状なので、上述のように下ケース110に対して接着によって容易に取り付けることができ、従ってねじ等の厚みの必要な固定手段を用いなくてもよく、この点からも携帯電話機100の薄型化が図れる。
上記実施形態において、化粧ケース1にキートップ板50を取り付けた状態のものを本願では携帯電話機のキートップ板付き化粧ケースという。このように構成すれば、例えば化粧ケース1とキートップ板50の製造・組立が、携帯電話機100の最終組立作業と別の場所で行われるような場合でも、予め化粧ケース1とキートップ板50とが一体化された状態で搬送されるので、携帯電話機100の最終組立作業時の組み立て工程が削減され、その組立作業が容易になる。
図7は以上のようにして組み立てられた携帯電話機1の断面図(図6のA−A線部分の断面図)である。同図に示すように各キートップ71を押圧するとその下方にあるスイッチ押圧部55がこれに対向するスイッチ81を押圧してこれをオンする。一方リブ39を挿入したリブ挿入部53の下面はスイッチ付回路基板80上に当接(又は接近)している。このため各キートップ71の間の化粧ケース1の上面を押圧しても、その押圧力はリブ39、リブ挿入部53、スイッチ付回路基板80によって支えられる。従って化粧ケース1が撓んで凹む恐れがない。このことは他のリブ41,43,45においても同様である。
〔第2実施形態〕
図9は本発明の第2実施形態にかかる化粧ケース1−2を上面側から見た上面側斜視図、図10は化粧ケース1−2を裏返して見た裏面側斜視図である。また図11は化粧フイルム10−2から補強板30−2を分離した状態のものを下側から見た斜視図である。これらの図に示す化粧ケース1−2において、前記図1〜図8に示す実施形態にかかる化粧ケース1と同一又は相当部分には同一符号を付す(但し「−2」の符号を付加する)。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記図1〜図8に示す実施形態と同じである。即ちこの実施形態においても、第1実施形態と同様に、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10−2の一方の面(下面)に合成樹脂製の補強板30−2を積層・一体化すると共に、積層・一体化した化粧フイルム10−2及び補強板30−2にキートップ露出部11−2,31−2を設けている。そしてこの実施形態にかかる化粧ケース1−2において、前記化粧ケース1と相違する点は補強板30−2の構造である。
この実施形態にかかる補強板30−2は、図11に示すように、化粧フイルム10−2の下面の全面を覆う形状(矩形状)の合成樹脂フイルム49−2の下面の外周(全周)を囲む部分に帯状に薄く突出する合成樹脂製の補強枠部33−2を形成するとともに、補強枠部33−2内側の前記各キートップ露出部31−2の間の位置に合成樹脂フイルム49−2の表面(下面)から突出する複数の合成樹脂製のリブ39−2,41−2,43−2,45−2を設けて構成されている。即ちこの補強板30−2は、第1実施形態の補強板30のように1枚の合成樹脂製の板によって構成するのではなく、合成樹脂フイルム49−2の下面に合成樹脂を部分的に取り付けて構成されている。合成樹脂フイルム49−2としてこの実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムを用いているが、他の各種材質のものを用いても良い。第1実施形態の補強枠部33及びリブ39,41,43,45と、この実施形態の補強枠部33−2及びリブ39−2,41−2,43−2,45−2との相違点は、この実施形態においては金型による射出成形を用いないので、ゲート接続用凹部36及びゲート接続用凹部43a,39a,41aを設けていない点である。この実施形態においては補強枠部33−2及びリブ39−2,41−2,43−2,45−2として、紫外線硬化型の合成樹脂を用いている。補強板30−2を製造するには、例えば補強枠部33−2及びリブ39−2,41−2,43−2,45−2を紫外線硬化樹脂を使ってスクリーン印刷等により合成樹脂フイルム49−2に形成し、これに紫外線を照射して硬化させることによって合成樹脂フイルム49−2に補強枠部33−2及びリブ39−2,41−2,43−2,45−2を積層させる。もちろん他の方法(転写方法や射出成形方法等)によって合成樹脂フイルム49−2に補強枠部33−2及びリブ39−2,41−2,43−2,45−2を積層させてもよい。
そして化粧ケース1−2を製造するには、予め印刷を行なった平板状の化粧フイルム10−2(まだキートップ露出部11を設けていないもの)の下面に貼り付けた接着層(両面接着テープ等、図示せず)によって、化粧フイルム10−2の下面に補強板30−2(まだキートップ露出部31を設けていないもの)を積層する。そして化粧フイルム10−2と補強板30−2の両者を同時にカットすることで前記各キートップ露出部11−2,31−2を開口して形成することで、前記図9,図10に示す化粧ケース1−2が完成する。この化粧ケース1−2は、合成樹脂フイルム製の化粧フイルム10−2を用いているので、衝撃などを加えてもこれが破壊されることはない。同時に合成樹脂製の補強板30−2を積層しているので、その剛性を強くできる。即ちこれらのことから厚みを薄くしても充分強度を強く保つことができる化粧ケース1−2を構成できる。なおこの化粧ケース1−2を用いてキートップ板付き化粧ケースや携帯電話機を構成することは第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば上記化粧ケース1を構成する化粧フイルム10と補強板30の形状、リブ39,41,43,45の形状、キートップ71を含むキートップ板50の形状・構造、下ケース110の形状・構造、携帯電話機100の形状・構造等に種々の変形が可能であることはいうまでもない。
化粧ケース1の上面側斜視図である。 化粧ケース1の裏面側斜視図である。 化粧フイルム10から補強板30を分離した状態のものを下側から見た斜視図である。 図4(a),(b)はリブ43とリブ39(又は41)とを拡大して示す要部拡大斜視図である。 化粧ケース1の製造方法説明図である。 化粧ケース1を用いて構成される携帯電話機100の分解斜視図である。 携帯電話機1の断面図(図6のA−A線部分の断面図)である。 キートップ板50を下側から見た斜視図である。 化粧ケース1−2の上面側斜視図である。 化粧ケース1−2の裏面側斜視図である。 化粧フイルム10−2から補強板30−2を分離した状態のものを下側から見た斜視図である。
符号の説明
1 化粧ケース
10 化粧フイルム
11 キートップ露出部
30 補強板
31 キートップ露出部
33 補強枠部
35 接着面
39,41,43,45 リブ
50 キートップ板
51 ゴム状弾性板(板)
71 キートップ
80 スイッチ付回路基板(内蔵物)
100 携帯電話機
110 下ケース
115 内蔵物
1−2 化粧ケース
10−2 化粧フイルム
30−2 補強板
49−2 合成樹脂フイルム
33−2 補強枠部
39−2,41−2,43−2,45−2 リブ

Claims (6)

  1. 携帯電話機のキートップを操作する面をキートップを露出した状態で覆う携帯電話機の化粧ケースにおいて、
    前記化粧ケースは、合成樹脂フイルム製の化粧フイルムと、合成樹脂製の補強板とを具備し、前記化粧フイルムの一方の面に前記補強板を積層すると共に、積層した化粧フイルム及び補強板に前記キートップを露出する開口からなるキートップ露出部を設けて構成されていることを特徴とする携帯電話機の化粧ケース。
  2. 前記補強板は、前記化粧フイルムの略全面を覆う薄板状の合成樹脂によって形成され、
    且つ前記補強板の各キートップ露出部の間の位置に、補強板の表面からこの補強板と一対に形成されて突出するリブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケース。
  3. 前記補強板は、前記化粧フイルムの略全面を覆う薄板状の合成樹脂フイルムによって形成され、
    且つ前記補強板の各キートップ露出部の間の位置に、合成樹脂フイルムの表面から突出する合成樹脂製のリブを設けたことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケース。
  4. 請求項1に記載の化粧ケースと、
    弾性板にキートップを設置してなるキートップ板とを具備し、
    前記化粧ケースの下面側にキートップ板を設置することで、前記キートップ板のキートップを前記化粧ケースのキートップ露出部内に露出させたことを特徴とする携帯電話機のキートップ板付き化粧ケース。
  5. 請求項1に記載の化粧ケースと、
    弾性板にキートップを設置してなるキートップ板と、
    携帯電話機の内蔵物を収納してなる下ケースと、を具備し、
    前記化粧ケースの下面側にキートップ板を設置することで、前記キートップ板のキートップを前記化粧ケースのキートップ露出部内に露出させた状態で、この化粧ケースを下ケースに取り付けたことを特徴とする携帯電話機。
  6. 請求項1に記載の携帯電話機の化粧ケースの製造方法において、
    合成樹脂フイルム製の化粧フイルムの一方の面に薄板状の合成樹脂からなる補強板を積層・一体化する工程と、
    前記一体化した化粧フイルム及び補強板を同時にカットすることで前記キートップを露出する開口からなるキートップ露出部を形成する工程と、
    を具備することを特徴とする携帯電話機の化粧ケースの製造方法。
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