JP2008071682A - 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燐光材料を用いた有機EL装置において、ダークスポット等の発生を防止し、高輝度且つ長寿命な有機EL装置が得られるようにする。
【解決手段】本発明の有機EL装置の製造装置は、燐光材料を含む機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去し、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を10ppm以下に減少させる液体処理装置4と、前記液体処理装置4から供給された前記機能性液体を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で基体100上に塗布し、前記基体100上に前記燐光材料を含む機能層を形成する液滴吐出装置2とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置に関するものである。
近年、自発光型のディスプレイとして、発光層に有機発光材料を用いた有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子と称する)の開発が進められている。有機EL素子は、有機発光材料を含む機能層を一対の電極間で挟持し、該一対の電極から注入したキャリアを機能層中で再結合させることによって発光を行う素子である。このような有機EL素子を多数備えてなる有機EL装置は、薄型・軽量といった特徴を有し、次世代のフラットパネルディスプレイとして期待されている。また、下記特許文献1,2に記載された湿式成膜法によって塗布・成膜を行うようにすれば、機能層を広範囲に均一に成膜することができ、ディスプレイの大型化が可能になる。
また、近年では、発光材料の三重項励起状態に起因する燐光を発光に用いるようにした高効率な有機EL素子が提案されており、より消費電力の小さいディスプレイへの応用が期待されている。燐光材料が特に注目されているのは、燐光材料が原理的に高効率化を実現し易い材料と考えられているからである。その理由は、次の通りである。すなわち、キャリア再結合により生成される励起子は1重項励起子と3重項励起子とからなり、その確率は1:3である。1重項を利用した有機EL素子は、1重項励起子から基底状態に遷移する際の蛍光を発光として取り出していたが、原理的にその発光収率は生成された励起子数に対して25%であり、これが原理的上限であった。しかし、3重項から発生する励起子からの燐光を用いれば、原理的に少なくとも3倍の収率が期待され、さらに、エネルギー的に高い1重項から3重項への項間交差による転移を考え合わせれば、原理的には4倍の100%の発光収率が期待できる。
特開2002−352954号公報 特開2005−302516号公報
燐光材料を用いた有機EL素子をディスプレイに応用するためには、高効率で高輝度な光出力を有すると同時に高耐久性を十分に確保する必要がある。しかしながら、現状ではこれらの問題に関して未だ十分な特性が得られていない。例えば、湿式成膜法で発光層を形成する場合、成膜雰囲気を酸素や水分が除去された乾燥雰囲気に制御する必要があるが、現状ではこのような問題について十分な対策がとられておらず、酸素や水分の混入によるダークスポットの発生が問題となっている。
この問題に対して、特許文献1では、発光層の成膜雰囲気を窒素雰囲気又は不活性ガス雰囲気とする技術が開示されている。この技術によれば、有機EL素子の劣化を招く酸素や水分を排除することで、発光特性の低下を抑えることができる。また、特許文献2では、発光層の塗布に用いる機能性液体をモレキュラーシーブス及び不活性ガスバブリングにより乾燥し、機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を20ppm以下に制御する技術が開示されている。
しかしながら、これらの条件はいずれも蛍光材料を発光層として用いる場合の条件であって、その条件をそのまま燐光材料の発光層に適用することはできない。燐光材料は蛍光材料と比べて水分及び酸素による劣化が著しいことが指摘されており、従来の脱気・脱水条件では十分な特性が得られないからである。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、燐光材料を用いた有機エレクトロルミネッセンス装置において、ダークスポット等の発生を防止し、高輝度且つ長寿命な有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することのできる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、燐光材料を含む発光層を備えた機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを有してなる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、前記発光層の形成工程が、前記燐光材料を含む機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去し、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を10ppm以下に減少させる工程と、前記機能性液体を前記一対の電極のうちの一方の電極上に塗布し、前記一方の電極上に前記燐光材料を含む発光層を形成する工程とを含むことを特徴とする。この方法によれば、発光層の製造に用いる機能性液体として、水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された液体を用いるため、燐光材料を用いた発光層を形成した場合であっても、ダークスポット等の発生を防止でき、信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス装置を提供できる。
本発明においては、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去する工程を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うことが望ましい。この方法によれば、機能性液体から除去された水分及び酸素が再び機能性液体中に溶解するのを防止でき、機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を十分に低減することができる。また、このような処理に要する時間を短縮できるため、生産効率が向上する。
本発明においては、前記一方の電極上に前記発光層を形成する工程から前記機能層上に他方の電極を形成する工程までの工程をそれぞれ水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うことが望ましい。この方法によれば、機能層中に水分や酸素が混入するのを確実に防止でき、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供できる。
本発明においては、前記機能性液体を前記一方の電極上に塗布する工程を液滴吐出装置を用いて行うことが望ましい。この方法によれば、機能性液体の吐出量を高い精度で調整でき、吐出量のバラツキによる膜厚の不均一性等を防止できる。また、吐出する液体材料の無駄も少なくなるため、製造コストも低減できる。なお、液滴吐出法のようにノズルの液体に対して微小な圧力を加えて液滴を吐出する場合には、液体中に水分や酸素が含まれると、液体に十分な圧力が加わらずに、吐出不良が発生する場合がある。また、液体中に芳香族溶媒等の非極性溶媒が含まれる場合には、吐出前にノズル内の溶媒と水分との間で相分離が生じ、また水分によってノズルと液体との濡れ性が変化することにより、吐出不良が発生する場合がある。さらに、液体が高沸点溶媒を含む場合には、液体を乾燥して薄膜を形成する場合に、水分が急激に蒸発し、薄膜に欠陥が発生する場合がある。これに対して、本発明では、機能性液体中の水分及び酸素を十分に除去しているので、これらの問題が発生せず、均一且つ高機能な機能層が形成できる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置は、燐光材料を含む発光層を備えた機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを有してなる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置であって、前記燐光材料を含む機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去し、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を10ppm以下に減少させる液体処理装置と、前記液体処理装置から供給された前記機能性液体を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で前記一対の電極のうちの一方の電極上に塗布し、前記一方の電極上に前記燐光材料を含む機能層を形成する液滴吐出装置とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、発光層の製造に用いる機能性液体として、水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された液体を用いるため、燐光材料を用いた発光層を形成した場合であっても、ダークスポット等の欠陥を低減でき、信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス装置を提供できる。
本発明においては、前記液滴吐出装置を収用する収用槽と、前記収用槽の内部の雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下となるように制御する給排気装置と、を有することが望ましい。この構成によれば、電極上に吐出された機能性液体に水分及び酸素が混入することを確実に防止できる。
本発明においては、前記液体処理装置を収用する収用槽と、前記収用槽の内部の雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下となるように制御する給排気装置と、を有することが望ましい。この構成によれば、機能性液体から除去された水分及び酸素が再び機能性液体中に溶解するのを防止でき、機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を十分に低減することができる。また、このような処理に要する時間を短縮できるため、生産効率が向上する。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
[有機EL装置の製造装置]
図1は、本発明の有機EL装置の製造装置の一実施形態を示す概略斜視図である。同図に示すように、製造装置1は、基体100を支持するステージ8と、ステージ8に支持された基板100上に機能性液体を配置する液体塗布装置である液滴吐出装置2と、液滴吐出装置2に機能性液体を供給する液体タンク3と、機能性液体に含まれる水分及び酸素を除去して液体タンク3に処理済の機能性液体を供給する液体処理装置と、これらステージ8、液滴吐出装置3、液体タンク3及び液体処理装置4を内部に収用する収用槽5と、収用槽5の内部の雰囲気を水分及び酸素の濃度が所定値以下となるように制御する給排気装置6と、これらの装置を統括的に制御する制御装置7と、を備えている。
液滴吐出装置2は、機能性液体を基体上に吐出する液滴吐出ヘッド20を備えている。液滴吐出ヘッド20には、揺動位置決め装置としてのモータ21,22,23が設けられている。モータ21を作動すると、液滴吐出ヘッド20はY軸回りのβ方向に沿って揺動し、その位置決めをなすようになっており、モータ22を作動すると、X軸回りのγ方向に揺動し、その位置決めをなすようになっている。また、モータ23を作動すると、液滴吐出ヘッド20はZ軸回りのα方向に揺動し、その位置決めをなすようになっている。また、液滴吐出ヘッド20とステージ8との相対位置は、液滴吐出ヘッド20又はステージ8に設けられた図示略の移動装置によって制御されるようになっており、これにより、液滴吐出ヘッド20を基体100上で走査しながら液滴を吐出できるようになっている。
図2は、液滴吐出ヘッド20を示す分解斜視図である。同図に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル211が設けられたノズルプレート210及び振動板230が設けられた圧力室基板220が、筐体250に嵌め込まれて形成されたものである。この液滴吐出ヘッド20の主要部は、図3の斜視図一部断面図に示すように、圧力室基板220がノズルプレート210と振動板230とで挟み込まれた構造となっている。
ノズルプレート210には、圧力室基板220に貼り合わせられた際にキャビティ(圧力室)221と対応する位置に、ノズル211が形成されている。圧力室基板220には、シリコン単結晶基板等がエッチングされたことにより、各々が圧力室として機能するようににキャビティ221が複数形成されている。キャビティ221間は側壁(隔壁)222で分離されており、各キャビティ221は、供給口224を介して共通の流路であるリザーバ223に連通している。
振動板230は、例えば熱酸化膜等によって形成されている。この振動板230には開口231が形成されており、この開口231には液体タンク3からの流路である配管31(図1参照)を介して任意の機能性液体が供給されるようになっている。振動板230上のキャビティ221に相当する位置には、圧電体素子240が形成されている。圧電体素子240は、PZT素子等の圧電体膜を、上部電極と下部電極とで挟んだ構造のものである。この圧電体素子240は、制御装置7から供給される吐出信号に対応して撓み、これによって振動板230を撓ませ、変形させるようになっている。
液滴吐出ヘッド20から機能性液体を吐出するには、まず、制御装置7が機能性液体を吐出させるための吐出信号を液滴吐出ヘッド20に与える。液滴吐出ヘッド20では、予め液状体が液滴吐出ヘッド20のキャビティ221に充填されている。吐出信号が与えられた液滴吐出ヘッド20では、その圧電体素子240が上部電極と下部電極との間に電圧が印加されることで振動板230を変形させ、これによりキャビティ221の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ221のノズル孔211から機能性液体の液滴が吐出される。また、液滴吐出後、振動板230が元の形状に戻ることによってキャビティ221の体積が元に戻り、これによってキャビティ221には吐出によって減った分の液状体が新たに供給されるようになっている。
なお、前記の液滴吐出ヘッド20では、圧電体素子によって体積変化を起こさせ、機能性液体を吐出させる構成としたが、発熱体によって機能性液体に熱を加え、その膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成としてもよい。
図1に戻って、液滴吐出装置2の液滴吐出ヘッド20には、配管(流路)31を介して機能性液体を収容する液体タンク3が接続されている。また、液体タンク3には、配管42を介して機能性液体を脱水及び脱酸素処理する液体処理装置4が接続されている。
図4に示すように、液体処理装置4は、処理前の機能性液体L1を収用する液体タンク40と、該液体タンク40を加熱する加熱装置41と、液体タンク40の上部に挿通された配管42の経路上に設けられた冷却装置43とを備えている。この液体処理装置4では、処理前の機能性液体L1は、加熱装置41で加熱されることにより、機能性液体の蒸気となる。この蒸気には、水分及び酸素は殆ど含まれない。この蒸気は、配管43に導入されると冷却装置43で冷却され、再び液体に戻され、下流側の液体タンク3に供給される。ここで、液体処理装置4は図1に示した収用槽5に収用されており、機能性液体L1の処理雰囲気を制御されている。この処理雰囲気は、例えば、水分及び酸素の濃度が10ppm以下となるように制御されている。このため、機能性液体から除去された水分及び酸素が再び機能性液体に溶解されることがなく、液体タンク3には水分及び酸素の濃度が10ppm以下に低減された機能性液体のみが供給されるようになっている。
図5に示すように、液体処理装置4で処理された機能性液体L1は、液体タンク3の上部に挿通された配管42を介して液体タンク3の内部に収容される。液体タンク3の下部には配管31が挿通されており、該配管31を介して液体吐出装置2(図1参照)に水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された機能性液体L1が供給されるようになっている。
図1に戻って、収用槽5には、排気ポンプ61及び給排気用バルブ62,63を備えた給排気装置6が設けられている。収用槽5の内部の雰囲気は、この給排気装置6によって制御される。給排気装置6では、排気ポンプ63及びバルブ62を用いて収用槽内のガスを排気すると共に、バルブ63及び図示略の給気装置を用いて収用槽5の内部に水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された不活性ガス(例えば窒素ガス)を供給する。こうすることで、液滴吐出装置2及び液体処理装置4を稼動させているときの収用槽5内の雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気に制御することができる。
[有機EL装置の製造方法]
次に、図6及び図7を用いて、製造装置1を用いた有機EL装置の製造方法について説明する。図6は有機EL装置の第1電極上に燐光材料を含む機能層107を形成する工程の説明図、図7は機能層107上に第2電極を形成する工程の説明図である。
まず、図6(a)に示すように、公知の方法を用いてガラス基板等からなる基体100上に、第1電極である陽極101、無機バンク(第1隔壁層)102及び有機バンク(第2隔壁層)103を形成する。そして、無機バンク102及び有機バンク103の開口部104に、必要に応じてOプラズマ処理及びCFプラズマ処理等の表面処理を施した後、無機バンク102及び有機バンク103の開口部104に液滴吐出ヘッド20から正孔注入層形成材料を含む機能性液体D1を吐出する。そして、図6(b)に示すように、開口部104内に配置された機能性液体D1を乾燥及び焼成することにより、陽極101上に正孔注入層105を形成する。
ここで、正孔注入層形成材料としては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体とポリスチレンスルホン酸等の混合物を用いることができる。また、この他にも、特に限定されることなく公知の様々な材料が使用可能であり、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。さらに、正孔注入層形成材料として、銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等も用いることができる。このような正孔注入層形成材料を含む機能性液体D1としては、予め図2に示した液体処理装置4によって水分及び酸素を十分に除去したものを用いる。
次に、図6(c)に示すように、無機バンク102及び有機バンク103の開口部104に液滴吐出ヘッド20から燐光材料を含む機能性液体D2を吐出する。そして、開口部104内に配置された機能性液体D2を乾燥及び焼成することにより、正孔注入層105上に燐光材料を含む発光層106を形成する。
ここで、燐光材料としては、下記の文献に示したものを用いることができる。また、このような燐光材料を含む機能性液体D2としては、予め図2に示した液体処理装置4によって水分及び酸素を十分に除去したものを用いる。
文献1:Improved energy transfer in electrophosphorescent device(D.F.O‘Brienら,Applied Physics Letters Vol 74,No3 p422(1999))
文献2:Very high-efficiency green organic LIGHT−Emitting devices basd On electrophosphorescence(m.A.Baldoら,Applied Physics Letters Vol 75,No1 p4(1999))
以上により、正孔注入層105及び発光層106を含む機能層107が形成される。この機能層107の形成工程は、図1に示した液滴吐出装置2を用いて行われる。液滴吐出装置2は収用槽5の内部に収用され、給排気装置6によって吐出雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下の雰囲気に制御される。また、機能層107の形成工程は一貫して収用槽5の内部で行なわれ、基体100が大気に暴露されることはない。したがって、形成される機能層107の水分及び酸素の濃度も10ppm以下に制御されたものとなる。なお、機能層107には、正孔注入層105及び発光層106以外の層を設けてもよい。例えば、発光層106上に電子輸送層、電子注入層等を形成したり、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送層等を設けることができる。この場合も、電子注入層、電子輸送層、正孔輸送層等の層は、図1に示した液滴吐出装置20を用いて形成され、その吐出雰囲気は給排気装置6により水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気とされる。また、機能性液体として、図1の液体処理装置で十分に水分及び酸素の濃度を低減されたものが用いられる。
以上により機能層107が形成されたら、図7に示すように、基体100を蒸着装置に導入し、機能層107上に第2電極である陰極108を形成する。ここで、蒸着装置の内部は、水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御されている。また、基体100を蒸着装置に搬送する際には、搬送経路は水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気とされる。こうすることで、機能層107に水分及び酸素が混入することを防止することができる。その後、必要に応じて陰極108上に封止層109を形成し、有機EL装置110を完成する。
以上のように、本実施形態においては、機能層の製造に用いる機能性液体として、水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された液体を用いるため、燐光材料を用いた発光層107を形成する場合であっても、ダークスポット等の発生を防止でき、表示品質の高い有機EL装置が製造される。特に、本実施形態では、陽極101上に発光層106を形成する工程から機能層107上に陰極108を形成する工程までの工程を、それぞれ水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うため、機能層107への水分及び酸素の混入を確実に防止でき、信頼性に優れた有機EL装置が提供できる。
また、機能性液体から水分及び酸素を十分に除去しているので、液滴吐出法で形成した機能層107の均一性等を向上でき、表示品質に優れた有機EL装置が提供できる。例えば、液滴吐出法のようにノズルの液体に対して微小な圧力を加えて液滴を吐出する場合、液体中に水分や酸素が含まれると、液体に十分な圧力が加わらずに、吐出不良が発生する場合がある。また、液体中に芳香族溶媒等の非極性溶媒が含まれる場合には、吐出前にノズル内の溶媒と水分との間で相分離が生じ、また水分によってノズルと液体との濡れ性が変化することにより、吐出不良が発生する場合がある。さらに、液体が高沸点溶媒を含む場合には、液体を乾燥して薄膜を形成する場合に、水分が急激に蒸発し、薄膜に欠陥が発生する場合がある。これに対して、本実施形態では、機能性液体中の水分及び酸素を十分に除去しているので、これらの問題が発生せず、均一且つ高機能な機能層107が形成できる。
なお、本実施形態では、液滴吐出装置2と液体処理装置4が共通の収用槽5に収用される構成としたが、液滴吐出装置2と液体処理装置4は必ずしも共通の収用槽に収用されている必要はない。液滴吐出装置2と液体処理装置4について別々の収用槽及び給排気装置を設け、それぞれの処理雰囲気を独立に制御するようにしてもよい。この場合、液体タンク3と液体タンク40との間は配管42で接続することが望ましい。これにより処理後の機能性液体を大気に暴露することなく液滴吐出装置2に供給することができる。
[実施例]
以下、実施例について説明する。図8は、液体処理装置による機能性液体の脱水処理及び脱酸素処理が発光素子の素子特性に与える影響を示す図である。図8には、機能性液体に脱水処理及び脱酸素処理を行わずに吐出を行った場合と脱水処理及び脱酸素処理を行ってから吐出を行った場合との比較が示されている。なお、いずれの場合も機能性液体の吐出は給排気装置によって水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行っている。同図に示すように、機能性液体に脱水処理及び脱酸素処理を行わずに吐出を行った場合には、十分な発光効率が得られず、発光寿命も十分なものが得られなかったが、脱水処理を行って吐出を行った場合には、ダークスポットは殆ど発生せず、発光効率、発光寿命も十分に長く実用に耐え得るものが得られた。また、機能性液体の脱水処理及び脱酸素処理は水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行わない場合、十分な水分・酸素濃度が得られない。そのため機能性液体の脱水処理及び脱酸素処理は水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うことが望ましい。
図9は、給排気装置による吐出雰囲気の制御が発光素子の素子特性に与える影響を示す図である。図9には、機能性液体の吐出を大気中で行った場合と水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行った場合との比較が示されている。なお、いずれの場合も機能性液体の水分及び酸素の濃度は液体処理装置によって10ppm以下に制御されたものを用いている。同図に示すように、機能性液体の吐出を大気中で行った場合には、発光素子に多数のダークスポットが発生し発光寿命も十分なものが得られなかったが、吐出雰囲気を制御した状態で吐出を行った場合には、ダークスポットは殆ど発生せず、発光寿命も十分に長く実用に耐え得るものが得られた。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の有機EL装置の製造装置の一実施形態を示す概略構成図である。 同製造装置に備えられる液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。 同液滴吐出ヘッドの要部を示す部分構成図である。 同製造装置に備えられる液体処理装置の概略構成図である。 同製造装置に備えられる液体タンクの概略構成図である。 有機EL装置の製造工程を示す説明図である。 有機EL装置の製造工程を示す説明図である。 機能性液体に含まれる水分等と発光素子の素子特性との関係を示す図である。 機能性液体の吐出雰囲気と発光素子の素子特性との関係を示す図である。
符号の説明
1…有機EL装置の製造装置、2…液滴吐出装置、4…液体処理装置、5…収用槽、6…給排気装置、100…基体、101…陽極(第1電極)、106…発光層、107…機能層、108…陰極(第2電極)、110…有機EL装置、D1,D2…機能性液体

Claims (7)

  1. 燐光材料を含む発光層を備えた機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを有してなる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記発光層の形成工程が、前記燐光材料を含む機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去し、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を10ppm以下に減少させる工程と、
    前記機能性液体を前記一対の電極のうちの一方の電極上に塗布し、前記一方の電極上に前記燐光材料を含む発光層を形成する工程とを含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  2. 前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去する工程を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  3. 前記一方の電極上に前記発光層を形成する工程から前記機能層上に他方の電極を形成する工程までの工程をそれぞれ水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で行うことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  4. 前記機能性液体を前記一方の電極上に塗布する工程を液滴吐出装置を用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 燐光材料を含む発光層を備えた機能層と、前記機能層を挟持する一対の電極とを有してなる有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置であって、
    前記燐光材料を含む機能性液体中に含まれる水分及び酸素を除去し、前記機能性液体中に含まれる水分及び酸素の濃度を10ppm以下に減少させる液体処理装置と、
    前記液体処理装置から供給された前記機能性液体を水分及び酸素の濃度が10ppm以下に制御された雰囲気で前記一対の電極のうちの一方の電極上に塗布し、前記一方の電極上に前記燐光材料を含む機能層を形成する液滴吐出装置とを備えたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
  6. 前記液滴吐出装置を収用する収用槽と、前記収用槽の内部の雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下となるように制御する給排気装置とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
  7. 前記液体処理装置を収用する収用槽と、前記収用槽の内部の雰囲気を水分及び酸素の濃度が10ppm以下となるように制御する給排気装置とを備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造装置。
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