JP2008071567A - 燃料電池用セパレータおよび燃料電池用セパレータ製造方法 - Google Patents

燃料電池用セパレータおよび燃料電池用セパレータ製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性および耐食性と同時に機械的強度を充分に有する薄型のセパレータおよびその製造方法を提供することを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の燃料電池用セパレータは、金属基板上に耐食性皮膜と、導電性耐食性膜とが同時に形成されていることを特徴とする。金属基板を用いるために高い機械的強度を有し、導電性耐食性膜を介して導通を取ることが出来るため、導電性を有している。また、耐食性皮膜の欠陥を導電性耐食性膜が補修した構成となっているため、耐食性皮膜を薄膜化しても高い耐食性を有する。このため、本発明の燃料電池用セパレータは導電性および耐食性と同時に機械的強度を充分に有することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池用のセパレータに関するものであり、特に金属基板を有する燃料電池用のセパレータに関するものである。
近年、水素などの燃料と空気などの酸化剤を電気化学的に反応させることにより、高いエネルギー効率で燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出すことの出来る、環境負荷も少ない燃料電池が注目されている。その適用用途は携帯電気機器の長時間電力供給やコジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車など多岐に渡っている。燃料電池は1万時間を越える運転に耐える高い耐久性が要求されており、特に携帯電気機器用や燃料電池自動車など定置型ではなく移動使用を前提とする燃料電池を使用する場合、高い衝撃動耐性が必要となる。
燃料電池は、用いる電解質の種類によって、固体高分子型、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、アルカリ型等に分類される。このうち、陽イオン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、用いる電解質膜を薄くすることにより燃料電池内の内部抵抗を低減できるため高電流で操作でき、小型化が可能である。このような利点から固体高分子型の研究が盛んになってきている。
燃料電池は、電解質膜の一方の面にアノード(燃料極)、他方の面にカソード(酸化剤極)を設けた電解質膜電極接合体(以下MEAと記述する)の両側に、セパレータを配した単電池セルを単数あるいは複数積層した構造を有している。アノードに対向するセパレータ表面には、燃料を流通させるための凹溝状の燃料流路が設けられている。また、カソードに対向するセパレータ表面には、酸化剤ガスを流通させるための凹溝状の酸化剤ガス流路が設けられている。
燃料としては、水素を主体とした改質ガス(又は水素ガス)を利用するものやメタノールと水を含む液体燃料が用いられる。メタノールと水を含む液体燃料を直接供給する方式をダイレクトメタノール型といい、ガス改質装置を必要としないため小型化が容易であり携帯電気機器(例えば携帯音楽プレーヤー、携帯電話、ノート型パソコン、携帯型テレビなど)への応用が検討されている。
燃料と酸化剤ガスの反応は、電解質膜を介して燃料(たとえば水素)より供給されるプロトンと酸化剤ガスである酸素とがカソード触媒部分で発生し、以下に示す電気化学反応を生じさせて起電力を得ることが出来る。
燃料極;H→2H+2e (1)
酸化剤極;4H+4e+O→2HO (2)
セパレータは、隣り合うセルの燃料流路と酸化剤ガス流路を仕切り、燃料と酸化剤ガスの相互流入を防止するものである。また、セパレータが導電性を有する場合、MEAにおいて触媒反応により発生した電子を、外部回路へ供給するための供給路としての役割を有することも出来る。
上述の観点から、燃料電池用セパレータは燃料や酸化剤ガス、水とともに発生する強酸性雰囲気に対する耐食性が必要となる。導電性および耐食性がセパレータには必要とされるため、従来、セパレータの材料としては、カーボンが汎用されている。しかし、カーボン製のセパレータは、脆いため機械的な衝撃、振動に弱く、セパレータを作製するためには数mm程度の厚さが必要であり、薄型化が困難である。(特許文献1参照)
また、カーボン粉末に熱可塑性樹脂などの高分子材料からなるバインダーを配合し、射出成形等でセパレータを作製する試みがなされている(特許文献2参照)。しかし、このようにして得られるセパレータも強度に乏しく、強度維持のために、最低でも1〜2mm程度の厚さが必要となり、燃料電池の薄型化の障害となっている。
そこで、近年、燃料電池の小型化を実現するために、機械的強度に優れる金属製のセパレータを用いる試みがなされている(特許文献3参照)。しかし、金属製のセパレータは、一般に耐食性が低いという欠点がある。
また、耐食性および電極構造体との接触抵抗を低下させるために金めっきが施される場合があり、高価な金の使用量を低減させるため導電性介在物上のみに金めっきを施す工夫がなされている(特許文献4参照)。しかしながら、導電性介在物を介した場合、導電性介在物が脱落する可能性が考えられ、また、金めっきのピンホールに関しては金属基材として比較的耐食性の高いステンレス系金属を用いることで対応しているが、ステンレス系金属の耐食性も十分とはいえない。
また、ゴム(例えば、SBR(スチレン−ブタジエンゴム))と導電性材料(たとえば、カーボン粉)からなる耐食性皮膜や、ゴムと熱可塑性樹脂と導電性材料(例えば、カーボン粉)からなる耐食性皮膜を、表面に形成した金属製のセパレータが提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、耐食性皮膜を金属表面に形成するためには、耐食性皮膜と金属の密着性確保の観点から、金属表面を粗面化しなければならない。
また、耐食性皮膜にピンホールを生じさせないためには、耐食性皮膜の厚さを10〜80μm設けなくてはならず、燃料電池の薄型化の障害となっている。
また、耐食性皮膜を厚膜形成することにより、耐食性皮膜が反応ガス流路に流入し、反応ガス流路形状が所望の形状にならないことが懸念される。
特開2001−006703号公報 特開2005−100933号公報 特開2002−190305号公報 特開2003−297378号公報 特開2005−216605号公報
上述したように、燃料電池のセパレータには、導電性、耐食性、機械的強度、薄膜化などの特性を一度に兼ね備えることを求められている。
そこで、本発明は、導電性および耐食性と同時に機械的強度を充分に有する薄型の燃料電池用セパレータおよびその製造方法を提供することを提供することを目的とする。
請求項1に記載の本発明は、貫通孔あるいは凹状溝を有する金属基板の少なくとも一方の面上に、耐食性皮膜と、導電性耐食性膜とが形成されていることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の燃料電池用セパレータであって、耐食性皮膜がポリシラザンを焼成してなるSiOであることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の燃料電池用セパレータであって、耐食性皮膜の膜厚が、0.5〜2μmであることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項4に記載の本発明は、請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータであって、導電性耐食性膜が耐食性金属であることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項5に記載の本発明は、請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータであって、金属基板が、純鉄または鉄合金、純銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることを特徴とする燃料電池用セパレータである。
請求項6に記載の本発明は、金属基板を用いた燃料電池用セパレータの製造方法において、少なくとも、該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、該耐食性皮膜が形成された金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程とを行うことを特徴とする燃料電池セパレータ製造方法である。
請求項7に記載の本発明は、請求項6に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、少なくとも、金属基板に導電性耐食性膜パターン形成用レジストを形成する工程と、該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、該金属基板から該導電性耐食性膜パターン形成用レジストを剥離する工程と該耐食性皮膜が形成された該金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程とをこの順で行うことを特徴とする燃料電池セパレータ製造方法である。
請求項8に記載の本発明は、請求項6に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、金属基板に耐食性レジストをパターン形成する工程と、該金属基板にエッチングを行う工程と、該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、該金属基板から該耐食性レジストを剥離する工程と、該耐食性皮膜が形成された該金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程とをこの順で行うことを特徴とする燃料電池セパレータ製造方法である。
本発明の燃料電池用セパレータは、金属基板上に耐食性皮膜と、導電性耐食性膜とが形成されていることを特徴とする。
金属基板を用いるために高い機械的強度を有する。また、導電性耐食性膜を介して導通を取ることが出来るため、導電性を有する。また、耐食性皮膜の欠陥を導電性耐食性膜が補修した構成となっているため、耐食性皮膜を薄膜化しても高い耐食性を有する。このため、本発明の燃料電池用セパレータは導電性および耐食性と同時に機械的強度を充分に有することが可能となる。このとき、耐食性皮膜としては、高い耐食性を有するポリシラザンを焼成してなるSiOであることが好ましい。
本発明の燃料電池用セパレータ製造方法は、少なくとも、金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、該耐食性皮膜が形成された金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程とを行うことを特徴とする。
耐食性皮膜を形成した後に、導電性耐食性膜を電気めっき法により形成するため、耐食性皮膜に万が一ピンホール、クラックなどの欠陥が発生しても、金属基板が露出した欠陥部に自己整合的に導電性耐食性膜が形成される。このため、耐食性皮膜に欠陥が発生しても、続く導電性耐食性膜の形成工程において、欠陥部を補修することが出来る。よって、耐食性皮膜を薄膜化しても高い耐食性を有する燃料電池用セパレータを製造することが可能となる。
また、耐食性皮膜を金属基板上に形成する際に耐食性皮膜にパターン形成を行っても良い。この場合、耐食性皮膜の欠陥部のみならず、パターン形成で露出した金属基板の下地に導電性耐食被膜を形成することが出来る。このため、金属基板の任意の箇所で導通を取るように設計することが可能となる。特に、導電性耐食性膜に金などの高価な材料を用いた場合、パターン形成を行うことで、高価な材料の使用量を適宜調整出来るため好ましい。
以下、本発明の燃料電池用セパレータについて、図1に示す断面図を用いながら説明を行う。
本発明の燃料電池用セパレータは、貫通孔あるいは凹状溝を有する金属基板上に耐食性皮膜と、導電性耐食性膜とが形成されていることを特徴とする。
本発明の燃料電池用セパレータに用いる金属基板としては、充分に耐食性保護されるため、金属基板の耐食性を考慮する必要がなく、機械的強度が充分にある材料を選択することが出来る。例えば、純鉄材や銅合金材、アルミウムやアルニウム合金材など充分に機械的強度を有し、比較的安価な材料を使用することが出来る。金属基板はその用途により選択することが出来、携帯電気機器など軽量化が必要なものには比重の軽いアルミニウムを利用することが好ましい。
金属基板に貫通孔あるいは凹状溝を形成する方法はウェットエッチング法などの化学的加工、あるいはプレス法、切削法、ブラスト法などの機械加工、あるいは放電加工など金属基板を部分的に除去できる加工方法であれば適用することが可能である。生産性を考慮すると、一工程で大面積を加工することが出来るため、プレス法やウェットエッチング法を用いることが好ましい。
このとき、貫通孔や凹状溝の大きさは、利用される燃料電池の形態で異なるが、必要となる電力を発電するに十分な量の燃料や酸化剤ガスがMEAへ均一に安定的に供給されることが必要である。そのため発電部位に網羅的に燃料や酸化剤ガスを供給するためには、少なくともセパレータの一部に流路となる凹状溝を形成することが好ましく、また、面内への均一供給を考慮すると、蛇行流路や発電部位と接する面内に多数の貫通孔と蛇行流路を組み合わせたものがより好ましい。
本発明に用いる耐食性皮膜としては、強酸性雰囲気に対する耐食性が必要となる。このような耐食性を有する材料として、ポリシラザンを焼成してなるSiOを用いることができる。
本発明に用いる導電性耐食性膜としては、燃料電池用の燃料(水素や改質ガス、メタノールなど)や酸化剤(酸素やその混合ガス)、強酸性雰囲気に十分な耐性を有する材料で、十分な導電性を有するものであって、電気めっき法により形成することができるものが選択出来る。たとえば金や銀などの耐食性金属が上げられるが、MEAとの接触抵抗を考慮すると金であることが好ましい。また、導電性耐食性膜と金属基材との密着性を向上させるために、Niなどの下地めっきを施してもよい。
以下、本発明の燃料電池用セパレータ製造方法について説明を行う。
本発明の燃料電池用セパレータ製造方法は、少なくとも、金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、該耐食性皮膜が形成された金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程とを行うことを特徴とする。
まず、上述した貫通孔あるいは凹状溝を有する金属基板に耐食性皮膜を形成する。
耐食性皮膜を形成するポリシラザンは耐食性皮膜形成前、常温において液状であり、その塗工法として、ディッピング法、スプレー法、静電塗装法などウェットコーティング法を用いることができる。ポリシラザン溶液としては、ポリシラザン、および、ポリシラザンに対して不活性であるキシレン、ターペン、ソルベッソ、ジブチルエーテルのいずれか、またはこれらの混合溶媒の混合物を用いることができる。ポリシラザン溶液のポリシラザンの濃度は、0.5重量%から40重量%が好ましい。焼成温度としては、300℃から500℃を用いる事ができるが、耐食性皮膜を緻密にし、耐食性を向上させるためには400℃以上の高温が好ましい。なお、ポリシラザンを大気中で焼成してSiOを得る反応は次式で示される。
(SiH−NH)+O→SiO+NH
本発明で用いるポリシラザンは、(SiH−NH)を基本とする有機溶媒に可溶な無機ポリマーで、分子量が600から1000の範囲である事が好ましい。上述の無機ポリマーの有機溶媒溶液を塗布液として用い、大気中、または水蒸気含有雰囲気中で焼成することにより、水分と反応し、非結晶である緻密な高純度シリカ層が得られるものである。
上記ポリシラザンの成膜工程には以下の特長がある。
(1)表面に塗布し、300℃から500℃の温度で焼成することで非結晶である緻密な高純度シリカが得られる。
(2)ポリシラザンは炭素を含有していないため、金属材料との密着性が良く、金属材料の表面を粗化する必要性がない。
(3)上記の理由にて、熱分解中に膜の収縮や残留炭素の問題がなくクラックが発生しにくい。
(4)上記の理由にて、特殊な成膜条件を必要としない。
(5)塗布した後、大気焼成が可能なため連続生産が容易にできる。
(6)鉛などの環境を害する物質を使用しない。
(7)凹凸のある基板に均一に塗布することができ、0.5〜2μmの薄膜化が可能である。
(8)、0.5〜2μmの薄い膜厚であっても燃料電池用の燃料(水素や改質ガス、メタノールなど)や酸化剤(酸素やその混合ガス)、強酸性雰囲気に十分耐性がある。膜厚が0.5μm以下では強酸性雰囲気中での十分な耐性が得られない。また、膜厚2μm以上の場合、焼成時に形成された膜にクラックが発生してしまい強酸耐性の確保が出来ず、場合によっては膜が基材より剥離する可能性もある。
次に、耐食性皮膜が形成された金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する。
電気めっき法により導電性耐食性膜を形成することにより、耐食性皮膜を形成する際に発生したピンホールやその他欠陥部分が存在する場合、欠陥部分に電解が集中し選択的に導電性耐食性膜が形成されるため、前記欠陥部分の保護が可能となる。特に、ポリシラザンのウェットコーティングを行った場合、凹状溝や貫通部の金属表面部に形成される凸状のエッジ部分は一定量金属露出を生じるため、上述した欠陥部分の保護という効果は非常に有用である。
また、導電性耐食性膜の厚さはMEAとの接触を考慮すると、耐食性皮膜の厚さと同等あるいは若干大きいことが望ましい。耐食性皮膜と比較して導電性耐食性膜が大きいと衝撃や振動、あるいは表面の摩擦により導電性耐食性膜がセパレータより剥離する可能性があるため、耐食性皮膜の厚さが0.5〜2μmとすると、導電性耐食性膜は0.5〜3μm程度であることが好ましい。
また、良好な導電性を確保するために、耐食性皮膜の一部に金属露出部を形成し、その後導電性耐食性膜を形成することも可能である。金属露出部分の形成方法としては、金属露出部を保護する形でパターンレジストとして導電性耐食性膜パターンを形成した後に耐食性皮膜を形成し、その後導電性耐食性膜パターンを除去する方法やインクジェット法により必要部分のみを選択的に耐食性皮膜形成する方法などが利用可能である。露出部分の大きさは要求される電力や接触抵抗により適宜選択することが出来る。例えば、燃料や酸化剤ガスの流路となる凹状溝表面には耐食性皮膜を形成し、MEAと接触する金属基板表面のみに導電性耐食性膜を形成することも可能となる。
特に、エッチングを用いて金属基板に貫通孔あるいは凹状溝を形成する場合、貫通孔あるいは凹状溝を設ける際の耐食性レジストを残したまま、耐食性皮膜を形成することで、凹状溝部分のみに選択的に耐食性皮膜を形成することが出来る。このとき、貫通孔あるいは凹状溝を設ける際の耐食性レジストと導電性耐食性膜パターン形成用レジストを併用することになるため、工程の簡便化が可能となる。また、この場合、耐食性レジストを剥離し、導電性耐食性膜を形成することで、MEAとの接触部分は導電性耐食性膜のみとなる。このため、良好な導通性およびMEAとの接触部分の平坦性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施例1を説明する。
まず、厚み300μmの純鉄からなる金属基板を70℃のアルカリ脱脂液(ヘンケ白水製ペルシーLK7重量%)に10分間浸漬した後、温純水および純水にて洗浄を行い、水分を乾燥した。
次に、膜厚20μmの市販のドライフイルムレジスト(日立化成製RY3320)を基板片面にロールラミネータを用いロール温度110℃、ロール圧力0.3MPaで貼り合わせた。
次に、線幅100μmの蛇行型スリットパターンの形成されたフォトマスクを用い紫外線露光し、更にアルカリ水溶液(炭酸ナトリウム1重量%)をスプレー圧力0.1MPaで噴射し現像を行い、前記金属基板に、フォトマスクと同寸法のフォトレジストパターンを形成した。
次に、比重1.50、温度65℃の塩化第二鉄液を用い、スプレー圧0.5MPaでスプレーエッチングを行い、耐食性レジストパターンを残したハーフエッチング金属平板を作製した。
次に、苛性ソーダ5重量%水溶液をスプレー圧0.1MPaでスプレーして耐食性レジストを剥膜し、金属セパレータ用の凹状溝を作製した。形成された溝の幅は300μm、溝深さは200μmであった。
次に、金属基板を再びアルカリ脱脂し、水洗後ポリシラザン溶液を塗布する。このポリシラザン溶液は、ポリシラザンをジブチルエーテルに溶解させ、38重量%の割合に調整し、撹拌混合したものである。塗布方法は、スピンコート法を使用し、面内均一に、溶媒揮発前の膜厚が2μmになるように塗布した。その後、大気中で溶剤が十分揮発するまで乾燥させ、450℃で60分大気焼成を行い、SiOを主成分とする耐食性皮膜を形成した形成された耐食性皮膜の厚さは1.0μmであった。また、形成された耐食性皮膜には十数個のピンホールが確認され、凹状溝の金属表面部に形成される凸状のエッジ部分は幅5μm程度の金属露出を生じていた。
次に、電解金めっき液(エヌ・イー・ケムキャット製K−270)を用いて、65℃1V定電圧条件にて金属露出部分に導電性耐食性膜を形成した。形成された導電性耐食性膜は膜厚が1.4μmでありピンホールや凸状のエッジ部分を確実に保護していた。以上の工程により燃料電池用セパレータを得た。
前記導電性耐食性膜を形成したセパレータを、PH1硫酸に100時間浸漬させたところ、膜の劣化はなく、金属イオンの溶出も確認されなかった。また、導電性においてもセパレータとして十分な値を示した。
実施例1と同様に、金属基板に金属セパレータ用の凹状溝を作製した。形成された溝の幅は300μm、溝深さは200μmであった。
次に、金属基板の凹状溝部分に導電性導電性耐食性膜パターン形成用レジストをフォトリソグラフィー法により形成した。導電性導電性耐食性膜パターン形成用レジストとしては液状レジスト(東京応化製PMER−N)を選択し、露光の際、予め凹状溝形成時に金属基板に形成したアライメントパターンを目安に位置合わせを行い、露光(200mJ/cm2の紫外線照射)、現像(炭酸ナトリウム溶液1重量%水溶液、0.1MPa圧でのスプレー噴射)することにより、凹状溝部分以外の金属基板表面に導電性導電性耐食性膜パターン形成用レジストを形成した。
次に、該金属基板の凹状溝部分に実施例1と同様のポリシラザン溶液をスプレー噴射した後、大気中で溶剤が十分揮発するまで乾燥させ、450℃で60分大気焼成を行い、SiOを主成分とする耐食性皮膜を形成した。形成された耐食性皮膜の厚さは1.6μmであった。
次に、苛性ソーダ5重量%水溶液をスプレー圧0.1MPaでスプレーして耐食性レジストを剥離した。更に、実施例1と同様の電解金めっき液を用い65℃1V定電圧条件にて金属露出部分に導電性耐食性膜を形成した。形成された導電性耐食性膜は膜厚が1.8μmであり以上の工程により燃料電池用セパレータを得た。
前記導電性耐食性膜を形成したセパレータを、PH1硫酸に100時間浸漬させたところ、膜の劣化はなく、金属イオンの溶出も確認されなかった。また、導電性においてもセパレータとして十分な値を示した。
実施例1と同様に、耐食性レジストパターンを残したまま凹状溝を作製した。形成された溝の幅は300μm、溝深さは200μmであった。
次に、耐食性レジストパターンを残したまま、実施例2と同様の方法でポリシラザン溶液をスプレー噴射した後、大気中で溶剤が十分揮発するまで乾燥させた。
更に20℃の苛性ソーダ5重量%水溶液に5分間浸漬することにより耐食性レジストを剥離した後、450℃で60分大気焼成を行い、SiOを主成分とする耐食性皮膜を形成した。形成された耐食性皮膜の厚さは1.5μmであった。
次に、実施例1および実施例2と同様の電解金めっき液を用い65℃1V定電圧条件にて金属露出部分に導電性耐食性膜を形成した。形成された導電性耐食性膜は膜厚が1.7μmであり以上の工程により燃料電池用セパレータを得た。
前記導電性耐食性膜を形成したセパレータを、PH1硫酸に100時間浸漬させたところ、膜の劣化はなく、金属イオンの溶出も確認されなかった。また、導電性においてもセパレータとして十分な値を示した。
本発明の燃料電池用セパレータの構造を示す断面図である。 本発明の燃料電池用セパレータの実施例1における製造方法を説明するための図である。 本発明の燃料電池用セパレータの実施例2における製造方法を説明するための図である。 本発明の燃料電池用セパレータの実施例3における製造方法を説明するための図である。
符号の説明
101,201,301,401……金属基板
102,202,302,402……凹状溝
103,203,303,403……耐食性皮膜
104,204,304,404……導電性耐食性膜
205,405……耐食性レジストパターン
206……エッジ部(金属露出部)
207……ピンホール
308……導電性導電性耐食性膜パターン形成用レジスト

Claims (8)

  1. 貫通孔あるいは凹状溝を有する金属基板の少なくとも一方の面上に、
    耐食性皮膜と、導電性耐食性膜とが形成されていること
    を特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用セパレータであって、
    耐食性皮膜がポリシラザンを焼成してなるSiOであること
    を特徴とする燃料電池用セパレータ。
  3. 請求項2に記載の燃料電池用セパレータであって、
    耐食性皮膜の膜厚が、0.5〜2μmであること
    を特徴とする燃料電池用セパレータ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池用セパレータであって、
    導電性耐食性膜が耐食性金属であること
    を特徴とする燃料電池用セパレータ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池用セパレータであって、
    金属基板が、純鉄または鉄合金、純銅または銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金であること
    を特徴とする燃料電池用セパレータ。
  6. 金属基板を用いた燃料電池用セパレータの製造方法において、
    少なくとも、
    該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、
    該耐食性皮膜が形成された該金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程と
    を行うことを特徴とする燃料電池セパレータ製造方法。
  7. 請求項6に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    少なくとも、
    金属基板に導電性耐食性膜パターン形成用レジストを形成する工程と、
    該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、
    該金属基板から該導電性耐食性膜パターン形成用レジストを剥離する工程と
    該耐食性皮膜が形成された該金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程と
    をこの順で行うこと
    を特徴とする燃料電池セパレータ製造方法。
  8. 請求項6に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
    金属基板に耐食性レジストをパターン形成する工程と、
    該金属基板にエッチングを行う工程と、
    該金属基板に耐食性皮膜を形成する工程と、
    該金属基板から該耐食性レジストを剥離する工程と、
    該耐食性皮膜が形成された該金属基板に、電気めっき法により導電性耐食性膜を形成する工程と
    をこの順で行うこと
    を特徴とする燃料電池セパレータ製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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