JP2008070869A - 光学フィルム用組成物および光学フィルム - Google Patents
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- C09B67/0033—Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
Abstract
【課題】高度な近赤外線吸収能を有し耐光性に優れる光学フィルム用組成物、および該光学フィルムの提供。
【解決手段】カチオンとクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物としてジイモニウム系色素を含有する光学フィルム用組成物。
【選択図】なし
【解決手段】カチオンとクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物としてジイモニウム系色素を含有する光学フィルム用組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、近赤外線を吸収する近赤外線吸収能を有する光学フィルムに好適に用いられる組成物、および該組成物を用いた光学フィルム、特にプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す。)の視認側に設置されて用いられる光学フィルタに好適に用いられる光学フィルムに関する。
PDPの原理は2枚の板状ガラスの間に封入した希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等)に電圧を加え、その時に生じる紫外線を発光体に当てることで可視光線を発生させるというものである。
PDPからは、可視光線と同時に、近赤外線、電磁波等の有害光も放射される。例えば近赤外線は、家庭用テレビ、クーラー、ビデオデッキ等の家電製品用の近赤外線リモコンを誤作動させたり、通信機器を誤作動させてPOS(販売時点情報管理)システム等のデータ転送時に悪影響を及ぼす。そのため、PDPの前面(視認側)には、近赤外線等の有害光を防止する光学フィルタの設置が必要となっている。
PDPからは、可視光線と同時に、近赤外線、電磁波等の有害光も放射される。例えば近赤外線は、家庭用テレビ、クーラー、ビデオデッキ等の家電製品用の近赤外線リモコンを誤作動させたり、通信機器を誤作動させてPOS(販売時点情報管理)システム等のデータ転送時に悪影響を及ぼす。そのため、PDPの前面(視認側)には、近赤外線等の有害光を防止する光学フィルタの設置が必要となっている。
これまで、光学フィルタとして、波長が850〜1100nmの近赤外線を遮断する光学フィルムを用いる方法が提案されている。
光学フィルムとしては、例えば、近赤外線を吸収する色素を透明樹脂に分散させ、これをポリエチレンテレフタレート(PET)製等のフィルム上に形成したものがある。
近赤外線を吸収する色素としては、ポリメチン系、金属錯体系、スクアリウム系、シアニン系、インドアニリン系、ジイモニウム系等の各種色素が報告されている。これらの色素は、高度な近赤外線吸収能を付与するために、一般的に、2種以上が組み合わされて用いられている。例えば特許文献1では、シアニン系色素とジイモニウム系色素とを含有する近赤外線吸収層を有する近赤外線吸収フィルムが提案されている。
光学フィルムとしては、例えば、近赤外線を吸収する色素を透明樹脂に分散させ、これをポリエチレンテレフタレート(PET)製等のフィルム上に形成したものがある。
近赤外線を吸収する色素としては、ポリメチン系、金属錯体系、スクアリウム系、シアニン系、インドアニリン系、ジイモニウム系等の各種色素が報告されている。これらの色素は、高度な近赤外線吸収能を付与するために、一般的に、2種以上が組み合わされて用いられている。例えば特許文献1では、シアニン系色素とジイモニウム系色素とを含有する近赤外線吸収層を有する近赤外線吸収フィルムが提案されている。
しかし、これらの色素は耐光性が低く、劣化し易いという問題がある。なかでも、2種以上の色素を組み合わせて用いた場合に、一方の色素に顕著な劣化が見られることがあり、例えば上述した特許文献1の近赤外線吸収フィルムのようにシアニン系色素とジイモニウム系色素とを組み合わせて用いた場合、ジイモニウム系色素の劣化が特に大きい。このような色素の劣化は、フィルムを変色させ、その光学特性を悪化させてしまう。
色素の耐光性を改善するために、例えば特許文献2には、シアニン系カチオンをクエンチャーアニオンと塩形成させて安定化したシアニン系色素を含有する光学フィルタが記載されている。
また、特許文献3には、ジイモニウム系色素およびクエンチャー化合物を含有する層と、シアニン系色素およびクエンチャー化合物を含有する層とを有する近赤外線吸収フィルムが記載されている。
また、特許文献3には、ジイモニウム系色素およびクエンチャー化合物を含有する層と、シアニン系色素およびクエンチャー化合物を含有する層とを有する近赤外線吸収フィルムが記載されている。
しかし、例えば特許文献2記載の安定化シアニン系色素は、一般的なシアニン系色素よりは安定であるものの、実用に供するには耐光性が不足している。
また、特許文献3記載の近赤外線吸収フィルムは、複数の色素をそれぞれ別の層に含有させるために工程数が多くなり、生産性が劣ることから好ましくない。
特開2003−21715号公報
特開2002−350632号公報
特開2003−43244号公報
また、特許文献3記載の近赤外線吸収フィルムは、複数の色素をそれぞれ別の層に含有させるために工程数が多くなり、生産性が劣ることから好ましくない。
本発明は、前記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであり、高度な近赤外線吸収能を有するとともに、耐光性に優れる光学フィルム用組成物、および簡易な構成で製造が容易な光学フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(I)〜(III)
で表される化合物からなる群から選択されるカチオンとクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物を含有することを特徴とする光学フィルム用組成物を提供する。
また、本発明は、前記光学フィルム用組成物が透明樹脂中に分散されてなる近赤外線吸収層を有する光学フィルムを提供する。
本発明の光学フィルム用組成物により、高度な近赤外線吸収能を有するとともに、耐光性に優れ、しかも簡易な構成で製造が容易な光学フィルムが提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
≪光学フィルム用組成物≫
本発明の光学フィルム用組成物は、安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物を含有することを特徴とするものであり、近赤外線吸収能を有するものである。
≪光学フィルム用組成物≫
本発明の光学フィルム用組成物は、安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物を含有することを特徴とするものであり、近赤外線吸収能を有するものである。
<安定化シアニン系色素>
本発明において、安定化シアニン系色素は、前記一般式(I)〜(III)で表される化合物からなる群から選択されるカチオン(以下、シアニン系カチオンということがある。)とクエンチャーアニオンとからなる塩化合物である。
本発明において、安定化シアニン系色素は、前記一般式(I)〜(III)で表される化合物からなる群から選択されるカチオン(以下、シアニン系カチオンということがある。)とクエンチャーアニオンとからなる塩化合物である。
「シアニン系カチオン」
上記一般式(I)〜(III)中、
R1およびR1’において、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ;
炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−(2−エチルヘキシル)フェニル基、4−ステアリルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジ第三ブチルフェニル基、2,5−ジ第三ブチルフェニル基、2,6−ジ−第三ブチルフェニル基、2,4−ジ第三ペンチルフェニル基、2,5−ジ第三アミルフェニル基、2,5−ジ第三オクチルフェニル基、2,4−ジクミルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、ビフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基が挙げられ;炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、第三ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられ;
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、イソプロピルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が挙げられる。
上記一般式(I)〜(III)中、
R1およびR1’において、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ;
炭素数6〜30のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−(2−エチルヘキシル)フェニル基、4−ステアリルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジ第三ブチルフェニル基、2,5−ジ第三ブチルフェニル基、2,6−ジ−第三ブチルフェニル基、2,4−ジ第三ペンチルフェニル基、2,5−ジ第三アミルフェニル基、2,5−ジ第三オクチルフェニル基、2,4−ジクミルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基、ビフェニル基、2,4,5−トリメチルフェニル基が挙げられ;炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、第三ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基が挙げられ;
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、イソプロピルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が挙げられる。
R2、R3およびR4において、ハロゲン原子、炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1で例示のものが挙げられる。
XおよびX’において、炭素数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル基、シクロブタン−1,1−ジイル基、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル基、3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル基、シクロペンタン−1,1−ジイル基、シクロヘキサン−1,1−ジイル基が挙げられる。
Y、Y’およびY1で表される炭素数1〜30の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、第三ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、第三ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、第三オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ペプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基、ビニル基、1−メチルエテニル基、2−メチルエテニル基、プロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ぺンタデセニル基、1−フェニルプロペン−3−イル基等のアルケニル基、フェニル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−ビニルフェニル基、3−イソプロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−(2−エチルヘキシル)フェニル基、4−ステアリルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4−ジ第三ブチルフェニル基、シクロヘキシルフェニル基等のアルキルアリール基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、スチリル基、シンナミル基等のアリールアルキル基等、これらがエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、4−メトキシブチル基、2−ブトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、メトキシエトキシエトキシエチル基、3−メトキシブチル基、2−フェノキシエチル基、3−フェノキシプロピル基、2−メチルチオエチル基、2−フェニルチオエチル基が挙げられ、更にこれらの基は、アルコキシ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。
これらの中でも、R2がハロゲン原子であるものが、光学フィルターの近赤外線吸収効果が良好なので好ましく、また、XおよびX’がプロパン−2,2−ジイル、ブタン−2,2−ジイル基、炭素数3〜6のシクロアルカン−1,1−ジイル基から選ばれる基であるものが、光安定性が大きいので好ましい。
上記の好ましいシアニン系カチオンとして、より具体的には、以下に示すカチオンNo.1〜50が挙げられる。
「クエンチャーアニオン」
本発明において、クエンチャーアニオンとは、励起状態にある活性分子(例えば、一重項酸素(1O2)等)を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するアニオンを指す。該クエンチャーアニオンは、例えば、特開昭60−234892号公報、特開平5−43814号公報、特開平6−239028号公報、特開平9−309886号公報、特開平10−45767号公報等において、光学記録材料に応用できることが記載されている。
本発明において、クエンチャーアニオンとは、励起状態にある活性分子(例えば、一重項酸素(1O2)等)を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するアニオンを指す。該クエンチャーアニオンは、例えば、特開昭60−234892号公報、特開平5−43814号公報、特開平6−239028号公報、特開平9−309886号公報、特開平10−45767号公報等において、光学記録材料に応用できることが記載されている。
上記クエンチャーアニオンとしては、光学フィルタに特に優れた耐光性を与えるため、ベンゼンジチオール金属錯体アニオンが好ましい。ベンゼンジチオール金属錯体アニオンとしては、例えば、下記一般式(A)で表されるアニオンが挙げられる。
上記の一般式(A)において、R5およびR5’で表されるハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30アリール基としては、上記R1で例示のものが挙げられる。
Qで表される炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1で例示のものが挙げられ、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基としては、上記R1で例示のもの、またはこれらのベンゼン環が1〜4個のハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基に含有されるアルキル基、アリール基としては、上記R1で例示の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
Qで表される炭素数1〜8のアルキル基としては、上記R1で例示のものが挙げられ、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基としては、上記R1で例示のもの、またはこれらのベンゼン環が1〜4個のハロゲン原子で置換されたものが挙げられ、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基に含有されるアルキル基、アリール基としては、上記R1で例示の炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30のアリール基が挙げられる。
上記一般式(A)で表されるクエンチャーアニオンの具体的例としては、Mがニッケル原子の場合は、以下に示すアニオンNo.1〜11が挙げられ、Mが銅原子の場合には、以下に示すアニオンNo.12〜22が挙げられる。
本発明において、安定化シアニン系色素は、上記のシアニン系カチオンとクエンチャーアニオンとの塩であり、従来周知の方法に準じて製造することができる。
例えば、該当する構造のシアニン系カチオンとハロゲン、無機系アニオン、有機系アニオンなどとの塩化合物と、該当する構造のクエンチャーアニオンとテトラアルキルアンモニウムカチオンとの塩化合物とを、塩交換させることにより容易に得ることができる。
例えば、該当する構造のシアニン系カチオンとハロゲン、無機系アニオン、有機系アニオンなどとの塩化合物と、該当する構造のクエンチャーアニオンとテトラアルキルアンモニウムカチオンとの塩化合物とを、塩交換させることにより容易に得ることができる。
本発明の光学フィルム用組成物において、安定化シアニン系色素の配合量は、該組成物中に含まれる総固形分に対し、0.01〜30質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
<クエンチャー化合物>
本発明において、クエンチャー化合物とは、上記クエンチャーアニオンと同様、励起状態にある活性分子を脱励起させる機能を有する化合物を指す。
本発明において、上記安定化シアニン系色素と組み合わせて用いられるクエンチャー化合物としては、特に制限はなく、近赤外線吸収フィルム等の光学フィルムにおいてクエンチャー化合物として用いられている任意の化合物が使用できる。
このようなクエンチャー化合物としては、例えば、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、ジチオール系ニッケル錯体(例えば、特開2001−288380号公報参照。)、ジチオール系銅錯体(例えば、WO98/34988号明細書参照。)、ジチオール系コバルト錯体等のジチオール金属錯体系色素、ヒンダードアミン系色素、ジフェニルアミンのニトロソ化合物(例えば、特開2000−168233号公報参照。)等が挙げられる。これらのクエンチャー化合物は1種類を用いてもよいし、異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、クエンチャー化合物とは、上記クエンチャーアニオンと同様、励起状態にある活性分子を脱励起させる機能を有する化合物を指す。
本発明において、上記安定化シアニン系色素と組み合わせて用いられるクエンチャー化合物としては、特に制限はなく、近赤外線吸収フィルム等の光学フィルムにおいてクエンチャー化合物として用いられている任意の化合物が使用できる。
このようなクエンチャー化合物としては、例えば、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、ジチオール系ニッケル錯体(例えば、特開2001−288380号公報参照。)、ジチオール系銅錯体(例えば、WO98/34988号明細書参照。)、ジチオール系コバルト錯体等のジチオール金属錯体系色素、ヒンダードアミン系色素、ジフェニルアミンのニトロソ化合物(例えば、特開2000−168233号公報参照。)等が挙げられる。これらのクエンチャー化合物は1種類を用いてもよいし、異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(近赤外線吸収性クエンチャー化合物)
本発明においては、上記クエンチャー化合物の中でも、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、ジチオール系ニッケル錯体等の近赤外線吸収性クエンチャー化合物が好ましく用いられる。近赤外線吸収性クエンチャー化合物を配合することにより、さらに高度な近赤外線吸収能が得られる。
本発明においては、上記クエンチャー化合物の中でも、ジイモニウム系色素、アミニウム系色素、ジチオール系ニッケル錯体等の近赤外線吸収性クエンチャー化合物が好ましく用いられる。近赤外線吸収性クエンチャー化合物を配合することにより、さらに高度な近赤外線吸収能が得られる。
本発明において、「近赤外線吸収性クエンチャー化合物」とは、上述したクエンチャー化合物であって、近赤外線吸収性を有する化合物を意味する。
ここで、「近赤外線吸収性を有する」とは、下記の測定方法により当該クエンチャー化合物の吸収スペクトルを測定したときに、波長800〜1100nmの範囲内に吸収ピークを有し、その波長(最大吸収波長(λmax)において、1.1×103以上のモル吸光係数(εm)を有することを意味する。
(モル吸光係数(εm)の測定方法)
当該クエンチャー化合物を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製する。この試料溶液の吸収スペクトルを、分光光度計を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εm)を下記式から算出する。
ε=−log(I/I0)
(ε:吸光係数、I0:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
εm=ε/(c・d)
(εm:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
これらの近赤外線吸収性クエンチャー化合物は、1種類を用いてもよいし、異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、「近赤外線吸収性を有する」とは、下記の測定方法により当該クエンチャー化合物の吸収スペクトルを測定したときに、波長800〜1100nmの範囲内に吸収ピークを有し、その波長(最大吸収波長(λmax)において、1.1×103以上のモル吸光係数(εm)を有することを意味する。
(モル吸光係数(εm)の測定方法)
当該クエンチャー化合物を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製する。この試料溶液の吸収スペクトルを、分光光度計を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εm)を下記式から算出する。
ε=−log(I/I0)
(ε:吸光係数、I0:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
εm=ε/(c・d)
(εm:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
これらの近赤外線吸収性クエンチャー化合物は、1種類を用いてもよいし、異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
近赤外線吸収性クエンチャー化合物としては、特に、得られる光学フィルムの色目がよいため、ジイモニウム系色素が好ましく用いられる。
また、上述したように、ジイモニウム系色素は、特許文献1に記載されるようにシアニン系色素と組み合わせて用いた場合に、顕著な劣化が生じることがわかっている。しかし、本発明においては、ジイモニウム系色素と安定化シアニン系色素との組み合わせにより、安定化シアニン系色素の劣化だけでなく、ジイモニウム系色素の劣化も防止される。そのため、得られる光学フィルムは、高度な近赤外線吸収能を有するとともに、その耐久性にも優れたものとなる。
また、上述したように、ジイモニウム系色素は、特許文献1に記載されるようにシアニン系色素と組み合わせて用いた場合に、顕著な劣化が生じることがわかっている。しかし、本発明においては、ジイモニウム系色素と安定化シアニン系色素との組み合わせにより、安定化シアニン系色素の劣化だけでなく、ジイモニウム系色素の劣化も防止される。そのため、得られる光学フィルムは、高度な近赤外線吸収能を有するとともに、その耐久性にも優れたものとなる。
ジイモニウム系色素は、下記一般式(IV)で表される化合物である。
R17〜R24において、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、第三ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、又は第三オクチル基等が挙げられる。該アルキル基はアルコキシカルボニル基、ヒドロキシル基、スルホ基、又はカルボキシル基等の置換基を有してもよい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、又はオクテニル基等を示す。該アルケニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アリール基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メチルベンジル基、2−フェニルメチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、α−ナフチルメチル基、又はβ−ナフチルエチル基等を示す。該アリール基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ブチニル基、2−クロロブチニル基、ペンチニル基、又はヘキシニル基等を示す。該アルキニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、又はオクテニル基等を示す。該アルケニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アリール基としては、例えば、ベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メチルベンジル基、2−フェニルメチル基、2−フェニルプロピル基、3−フェニルプロピル基、α−ナフチルメチル基、又はβ−ナフチルエチル基等を示す。該アリール基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
アルキニル基としては、例えば、プロピニル基、ブチニル基、2−クロロブチニル基、ペンチニル基、又はヘキシニル基等を示す。該アルキニル基は、ヒドロキシル基、カルボキシ基等の置換基を有してもよい。
Z−は、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、P−トルエンスルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、プロピル硫酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、ヘキサフルオリン酸イオン、ベンゼンスルフィン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、プロピオン酢酸イオン、安息香酸イオン、シュウ酸イオン、コハク酸イオン、マロン酸イオン、オレイン酸イオン、ステアリン酸イオン、クエン酸イオン、一水素二リン酸イオン、二水素一リン酸イオン、ペンタクロロスズ酸イオン、クロロスルホン酸イオン、フルオロスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ヘキサフルオロヒ酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオン、又はジルコン酸イオン等の陰イオンを表す。
これらの陰イオンのうち、過塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が好ましく、特にヘキサフルオロアンチモン酸イオンが熱安定性に最も優れるため好ましい。
本発明において、ジイモニウム系色素としては、特に、上記測定方法により測定される1000nm付近のモル吸光係数εが約0.8×104〜1.0×106であることが好ましい。
さらに、光学フィルムの加工時の劣化を抑制し、光学フィルムとした後の実用的な耐久性を付与するために、98%以上の純度を有するジイモニウム系色素、又は210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。特に、98%以上の純度を有し、かつ210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。
さらに、光学フィルムの加工時の劣化を抑制し、光学フィルムとした後の実用的な耐久性を付与するために、98%以上の純度を有するジイモニウム系色素、又は210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。特に、98%以上の純度を有し、かつ210℃以上の融点を有するジイモニウム系色素を使用することが好ましい。
本発明の光学フィルム用組成物中におけるクエンチャー化合物の配合量は、前記安定化シアニン化合物100質量部に対し、10〜5000質量部が好ましく、50〜2000質量部がより好ましく、100〜1500質量部がさらに好ましい。配合量が10質量部以上であると、耐光性、耐熱性等の耐久性の向上効果が充分となり、5000質量部以下であると、該組成物を用いて形成される近赤外線吸収層が着色せず、外観の良好な光学フィルムが得られる。
クエンチャー化合物が、近赤外線吸収性クエンチャー化合物を含有する場合、全クエンチャー化合物中の近赤外線吸収性クエンチャー化合物の割合は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%がさらに好ましい。近赤外線吸収性クエンチャー化合物の割合が30質量%以上であると、充分な近赤外線吸収能が得られる。
本発明においては、特に、上述したように、近赤外線吸収性クエンチャー化合物としてジイモニウム系色素が配合されることが好ましく、その配合量は、前記安定化シアニン化合物100質量部に対し、50〜3000質量部が好ましく、100〜2000質量部がより好ましく、50〜1500質量部がさらに好ましい。
配合量が50質量部以上であると、耐光性、耐熱性等の耐久性の向上効果が充分となるとともに、充分な近赤外線吸収能が得られ、3000質量部以下であると、安定化シアニン系色素との間の相互作用が抑えられ、色素の安定性が良好となる。
配合量が50質量部以上であると、耐光性、耐熱性等の耐久性の向上効果が充分となるとともに、充分な近赤外線吸収能が得られ、3000質量部以下であると、安定化シアニン系色素との間の相互作用が抑えられ、色素の安定性が良好となる。
<他の任意成分>
本発明の光学フィルム用組成物には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した安定化シアニン系色素および近赤外線吸収性クエンチャー化合物以外の、最大吸収波長が800〜1100nmの範囲にある近赤外線吸収色素を一種類以上配合してもよい。
このような近赤外線吸収色素としては、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料等の一般的なものが使用できる。
本発明の光学フィルム用組成物には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した安定化シアニン系色素および近赤外線吸収性クエンチャー化合物以外の、最大吸収波長が800〜1100nmの範囲にある近赤外線吸収色素を一種類以上配合してもよい。
このような近赤外線吸収色素としては、無機系顔料、有機系顔料、有機系染料等の一般的なものが使用できる。
無機系顔料としては、例えば、コバルト系色素、鉄系色素、クロム系色素、チタン系色素、バナジウム系色素、ジルコニウム系色素、モリブデン系色素、ルテニウム系色素、白金系色素、ITO系色素、ATO系色素等が挙げられる。
有機系顔料及び有機系染料としては、例えば、安定化シアニン系色素以外のシアニン系色素、メロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタム系色素、アゾ系色素、縮合アゾ系色素、インジゴ系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、ピロール系色素、アンスラキノン系色素、チオインジゴ系色素、金属錯体系色素、インドールフェノール系色素、又はトリアリルメタン系色素等が挙げられる。
これらの中でも、金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ピロール系色素、アンスラキノン系色素等が好ましい。
有機系顔料及び有機系染料としては、例えば、安定化シアニン系色素以外のシアニン系色素、メロシアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、アズレニウム系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、ピリリウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタム系色素、アゾ系色素、縮合アゾ系色素、インジゴ系色素、ペリノン系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、キノフタロン系色素、ピロール系色素、アンスラキノン系色素、チオインジゴ系色素、金属錯体系色素、インドールフェノール系色素、又はトリアリルメタン系色素等が挙げられる。
これらの中でも、金属錯体系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ピロール系色素、アンスラキノン系色素等が好ましい。
また、クエンチャー化合物としてジイモニウム系色素を配合し、近赤外線吸収色素や色調補正色素として陰イオンを含む塩化合物又は金属錯体塩を配合する場合は、塩化合物又は金属錯体塩は、前記ジイモニウム系色素中の陰イオンと同じ陰イオンを有することが、特に好ましい。同じ陰イオンであれば、ジイモニウム系色素の陰イオンとの塩交換反応が起こった場合でも該ジイモニウム系色素は変化することがなく、吸収性能、熱安定性などが変化することがない。
また、本発明の光学フィルム用組成物には、最大吸収波長が300〜800nmの範囲にある色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、又は紫外線吸収剤等が含有されていてもよい。
≪光学フィルム≫
本発明の光学フィルムは、透明樹脂中に前記光学フィルム用組成物が分散されてなる近赤外線吸収層を有する光学フィルムである。
本発明の光学フィルムは、透明樹脂中に前記光学フィルム用組成物が分散されてなる近赤外線吸収層を有する光学フィルムである。
一般的に、このような光学フィルムは、PDP等の視認側に配置されるため、無彩色が好まれる。したがって、JISZ8701−1999に従い計算されたC光源基準において、無彩色に対応する色度座標は、(x、y)=(0.310、0.316)であることから、本発明の光学フィルムは、色素の種類及び含有量を適宜選定し、(x、y)=(0.310±0.100、0.316±0.100)にすることが好ましい。
また、視感平均透過率を45%以上にすることが好ましい。
特に、上記色度座標(x、y)の規定と視感平均透過率の規定を同時に満たすことが好ましい。
また、視感平均透過率を45%以上にすることが好ましい。
特に、上記色度座標(x、y)の規定と視感平均透過率の規定を同時に満たすことが好ましい。
本発明において、透明樹脂は、実用的な耐久性を維持できること、成形性が容易であることと、成形時の色素の劣化が抑制されることなどから、ガラス転移点が90〜180℃の範囲にあることが好ましく、特に120〜180℃の範囲であることが好ましい。
好ましい透明樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。この樹脂は、例えば、鐘紡社製、商品名「O−PET」などのポリエステル系樹脂、JSR社製、商品名「ARTON」などのポリオレフィン系樹脂、日本ゼオン社製、商品名「ゼオネックス」などのポリシクロオレフィン系樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、商品名「ユーピロン」などのポリカーボネート系樹脂、日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」などのポリアクリル系樹脂などの市販品を用いることができる。
好ましい透明樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。この樹脂は、例えば、鐘紡社製、商品名「O−PET」などのポリエステル系樹脂、JSR社製、商品名「ARTON」などのポリオレフィン系樹脂、日本ゼオン社製、商品名「ゼオネックス」などのポリシクロオレフィン系樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、商品名「ユーピロン」などのポリカーボネート系樹脂、日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」などのポリアクリル系樹脂などの市販品を用いることができる。
近赤外線吸収層は、例えば前記光学フィルム用組成物と透明樹脂とを有機溶剤に溶解させ、得られた塗工液を基材上に塗工し、乾燥させることにより形成できる。
近赤外線吸収層中における光学フィルム用組成物の配合量は、透明樹脂に対して3〜20質量%であることが好ましい。3質量%以上であれば、光学フィルムに充分な近赤外線吸収能を与えることができ、20質量%以下であれば、充分な可視光線透過率を保持することができる。これらの観点から特に5〜10質量%であることが好ましい。
近赤外線吸収層中における光学フィルム用組成物の配合量は、透明樹脂に対して3〜20質量%であることが好ましい。3質量%以上であれば、光学フィルムに充分な近赤外線吸収能を与えることができ、20質量%以下であれば、充分な可視光線透過率を保持することができる。これらの観点から特に5〜10質量%であることが好ましい。
光学フィルム用組成物および透明樹脂を溶解するための有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジアセトンアルコール、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロルエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の芳香族類又はn−ヘキサン、シクロヘキサノリグロイン等の脂肪族炭化水素類、テトラフルオロプロピルアルコールやペンタフルオロプロピルアルコール等のフッ素系溶剤等を用いることができる。
塗工液の塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、又はコンマコーター法等のコーティング法を用いて行うことができる。
近赤外線吸収層の厚みは、0.3〜50μmの範囲にすることが好ましい。0.3μm以上とすることで、近赤外線吸収能を充分に発揮することができ、50μm以下とすることで成形時の有機溶媒の残留を低減することができる。これらの観点から、特に0.5〜20μmの範囲にすることが好ましい。
また、本発明の光学フィルムには、近赤外線吸収層以外の、任意の機能性層を1層以上有していてもよい。機能性層としては、例えば、紫外線による色素の劣化を防ぎ耐光性を改善するための紫外線吸収層、画像の視認性を向上させるための反射防止層、PDPなどの表示装置から発せられる電磁波をカットするための電磁波遮蔽層、耐擦傷性機能を与えるハードコート層もしくは自己修復性を有する層、又は最表面の汚れを防止するための防汚層、それぞれの層を積層させるための粘着もしくは接着層等を挙げることができる。
本発明の、光学フィルムは、剥離性の基材上に形成した後剥離すること等により製造された近赤外線吸収層自体であってもよく、透明な支持フィルム(以下、支持フィルムと記す。)上に近赤外線吸収層を形成し、該支持フィルムと一体化されたものであってもよい。
剥離性の基材は、フィルム状又は板状のものであればよく、特に材料に限定はない。剥離性を良好にするために、該基材表面にシリコ−ンや低表面張力の樹脂などを用いて離型処理をすることが好ましい。
支持フィルムの材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリアクリレート類、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリアクリレート類、ポリカーボネート(PC)類、ポリスチレン類、トリアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン類、セロファン等の材料の中から適宜選択して使用することができ、好ましくはPET、PC、PMMAが挙げられる。
支持フィルムの厚みは、10〜500μmの範囲において作業性が良好で、ヘイズ値が低く抑えられるという面から好ましい。また、支持フィルム上に光学フィルムを形成する前に、該支持フィルムの表面にコロナ処理や易接着処理を施すことが好ましい。
本発明の光学フィルムは、剥離性の基材から剥離されたものであっても、又は支持フィルムと一体化されたものであっても、粘着剤層を設けて高い剛性を有する透明基板(以下、透明基板と記す。)に容易に貼着することができる。
透明基板の材料としては、ガラス、透明で高剛性の高分子材料から適宜選択して使用することができるが、好ましくはガラス、強化もしくは半強化ガラス、ポリカーボネート、又はポリアクリレートなどが挙げられる。光学フィルムが透明基板に貼着されたものを光学フィルタとして使用すると、PDPなどの表示装置の保護板としての機能も発揮できる。
透明基板の材料としては、ガラス、透明で高剛性の高分子材料から適宜選択して使用することができるが、好ましくはガラス、強化もしくは半強化ガラス、ポリカーボネート、又はポリアクリレートなどが挙げられる。光学フィルムが透明基板に貼着されたものを光学フィルタとして使用すると、PDPなどの表示装置の保護板としての機能も発揮できる。
粘着剤層の粘着剤としては、市販されている粘着剤を使用することができるが、好ましい具体例としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレンーブタジエン共重合体系ゴム、ブチルゴム、又はシリコーン樹脂等の粘着剤を挙げることができる。さらに、粘着剤層を積層する場合には、その粘着面にシリコーンが塗布されたPET等の離型フィルムを貼付しておくことが、作業性の点で好ましい。
粘着剤を用いる場合、この粘着剤に紫外線吸収剤などの種々の機能を有する添加剤を添加してもよい。
粘着剤を用いる場合、この粘着剤に紫外線吸収剤などの種々の機能を有する添加剤を添加してもよい。
本発明の光学フィルム、又は該光学フィルムを透明基板上に貼着したものは、PDP、プラズマアドレスリキッドクリスタル(PALC)ディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ(FED)パネルなどの平面型表示装置及び陰極管表示装置(CRT)などの表示装置用の光学フィルタとして用いることができる。
この場合、光学フィルムは、表示装置の視認側に設置すればよく、表示装置から離して設置してもよいし、表示装置表面に直接貼り付けてもよい。
この場合、光学フィルムは、表示装置の視認側に設置すればよく、表示装置から離して設置してもよいし、表示装置表面に直接貼り付けてもよい。
本発明の光学フィルムは、高度な近赤外線吸収能を有するとともに、耐光性、耐熱性等の耐久性に優れていることから、特に近赤外線が発生するPDPなどの光学フィルタに好適に用いることができる。
以下に発明をより詳細に説明するために実施例を示す。本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。例1〜例6および例10,11は実施例であり、例7〜例9は比較例である。
なお、下記例1〜11において使用した近赤外線吸収性色素(安定化シアニン色素および近赤外線吸収性クエンチャー化合物)のλmaxとεmを、下記手順で測定した。
近赤外線吸収性色素を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製した。この試料溶液の吸収スペクトルを、島津製作所製UV−3100を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εm)を下記式から算出した。
ε=−log(I/I0)
(ε:吸光係数、I0:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
εm=ε/(c・d)
(εm:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
近赤外線吸収性色素を、試料濃度が20mg/Lとなるようにクロロホルムで希釈し、試料溶液を作製した。この試料溶液の吸収スペクトルを、島津製作所製UV−3100を用いて、300〜1300nmの範囲で測定し、その最大吸収波長(λmax)を読み取り、該最大吸収波長(λmax)におけるモル吸光係数(εm)を下記式から算出した。
ε=−log(I/I0)
(ε:吸光係数、I0:入射前の光強度、I:入射後の光強度)
εm=ε/(c・d)
(εm:吸光係数、c:試料濃度(mol/L)、d:セル長)
(例1)
ガラス転移温度が140℃の透明ポリエステル樹脂(鐘紡社製、商品名「O−PET」)をシクロペンタノン/トルエン(6/4容量比)混合溶媒に15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」、λmaxが1090nmであり、εmが1.1×105)6.4質量%、およびカチオンNo.11のシアニン系カチオンとアニオンNo.22のクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素(λmaxが855nmであり、εmが2.0×105)0.5質量%を主剤溶液に添加し、これらを溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが4μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
ガラス転移温度が140℃の透明ポリエステル樹脂(鐘紡社製、商品名「O−PET」)をシクロペンタノン/トルエン(6/4容量比)混合溶媒に15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」、λmaxが1090nmであり、εmが1.1×105)6.4質量%、およびカチオンNo.11のシアニン系カチオンとアニオンNo.22のクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素(λmaxが855nmであり、εmが2.0×105)0.5質量%を主剤溶液に添加し、これらを溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが4μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
(例2)
例1で使用した安定化シアニン系色素を、カチオンNo.13のシアニン系カチオンとアニオンNo.22のクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素(λmaxが818nmであり、εmが2.5×105)に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
例1で使用した安定化シアニン系色素を、カチオンNo.13のシアニン系カチオンとアニオンNo.22のクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素(λmaxが818nmであり、εmが2.5×105)に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例3)
例1で使用した塗工液に、さらに例2で使用した安定化シアニン系色素0.5質量%を添加した以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
例1で使用した塗工液に、さらに例2で使用した安定化シアニン系色素0.5質量%を添加した以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例4)
例3で使用したジイモニウム系色素を、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」、λmaxが1073nmであり、εmが1.0×105)に代えた以外は、例3と同様にして光学フィルムを得た。
例3で使用したジイモニウム系色素を、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」、λmaxが1073nmであり、εmが1.0×105)に代えた以外は、例3と同様にして光学フィルムを得た。
(例5)
例3で使用した主剤溶液を、MEKを用いて15質量%にしたアクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)に代えた以外は、例3と同様にして光学フィルムを得た。
例3で使用した主剤溶液を、MEKを用いて15質量%にしたアクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)に代えた以外は、例3と同様にして光学フィルムを得た。
(例6)
例4で使用した主剤溶液を、例5の主剤溶液に代えた以外は、例4と同様にして光学フィルムを得た。
例4で使用した主剤溶液を、例5の主剤溶液に代えた以外は、例4と同様にして光学フィルムを得た。
(例7)
例1で使用した安定化シアニン系色素を、安定化していないシアニン系色素(旭電化社製、商品名「TW−1926」に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
例1で使用した安定化シアニン系色素を、安定化していないシアニン系色素(旭電化社製、商品名「TW−1926」に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例8)
例7で使用した主剤溶液に、さらにクエンチャー色素(住友精化社製、商品名「EST−5」、アニオンNo.22のクエンチャーアニオンのテトラブチルアンモニウム塩、800〜1100nmに吸収ピークなし、εm<103)0.5質量%を添加した以外は、例7と同様にして光学フィルムを得た。
例7で使用した主剤溶液に、さらにクエンチャー色素(住友精化社製、商品名「EST−5」、アニオンNo.22のクエンチャーアニオンのテトラブチルアンモニウム塩、800〜1100nmに吸収ピークなし、εm<103)0.5質量%を添加した以外は、例7と同様にして光学フィルムを得た。
(例9)
例1で使用したジイモニウム系色素を、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「TX−EX−910」、λmaxが978nmであり、εmが1.0×105)6.0質量%に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
例1で使用したジイモニウム系色素を、フタロシアニン系色素(日本触媒社製、商品名「TX−EX−910」、λmaxが978nmであり、εmが1.0×105)6.0質量%に代えた以外は、例1と同様にして光学フィルムを得た。
(例10)
アクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)を、MEKに15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」)9.0質量%、安定化シアニン系色素(住友精化社製、商品名「SD−AG01」、λmaxが877nmであり、εmが3.1×105)1.0質量%、およびヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCS」、λmaxが830nmであり、εmが2.7×105)1.0質量%を主剤溶液に添加し、これらを溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが4μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
アクリル樹脂塗料(日本触媒社製、商品名「ハルスハイブリッドIR−G204」:樹脂のガラス転移温度=89℃)を、MEKに15質量%になるように溶解して、主剤溶液を得た。この主剤溶液の樹脂分に対して、ジイモニウム系色素(N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン−ヘキサフルオロアンチモン酸イモニウム塩):日本化薬社製、商品名「IRG−022」)9.0質量%、安定化シアニン系色素(住友精化社製、商品名「SD−AG01」、λmaxが877nmであり、εmが3.1×105)1.0質量%、およびヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCS」、λmaxが830nmであり、εmが2.7×105)1.0質量%を主剤溶液に添加し、これらを溶解させた塗工液を得た。この塗工液をマイクログラビアにて、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、商品名「A4100」)上に乾燥塗膜の厚みが4μmとなるようにコーティングし、120℃で5分間乾燥させて、光学フィルムを得た。
(例11)
例10で用いたジイモニウム系色素を、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」)に代え、ヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素をトリフルオロメタンスルホニルイミド酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCFI」、λmaxが830nmであり、εmが2.7×105)に代えた以外は例10と同様にして光学フィルムを得た。
例10で用いたジイモニウム系色素を、N,N,N’,N’−テトラキス(p−ジブチルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミン・−ビス(ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸)イモニウム塩(日本カーリット社製、商品名「CIR−1085」)に代え、ヘキサフルオロアンチモン酸・シアニン系色素をトリフルオロメタンスルホニルイミド酸・シアニン系色素(日本化薬社製、商品名「CY−40MCFI」、λmaxが830nmであり、εmが2.7×105)に代えた以外は例10と同様にして光学フィルムを得た。
試験例1
例1〜11で得た光学フィルムの光学特性(視感平均透過率、色度、近赤外線透過率)、および耐久性(耐熱性、耐光性)を下記方法で評価した。その結果を表1に示す。
例1〜11で得た光学フィルムの光学特性(視感平均透過率、色度、近赤外線透過率)、および耐久性(耐熱性、耐光性)を下記方法で評価した。その結果を表1に示す。
(光学特性)
分光光度計(島津製作所社製、UV−3100) を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを380〜1300nmの範囲で測定した。JIS Z8701−1999に従い、視感平均透過率Tv、色度座標(x、y)を算出した。
また、850nm、900nm、950nm、1000nmの透過率を測定し、室内の空気の透過率を比較対照として、近赤外線透過率を求めた。各波長における近赤外線透過率をそれぞれT850、T900、T950、T1000とした。
分光光度計(島津製作所社製、UV−3100) を用い、各試料から切り出した20×20mm角の試験片のスペクトルを380〜1300nmの範囲で測定した。JIS Z8701−1999に従い、視感平均透過率Tv、色度座標(x、y)を算出した。
また、850nm、900nm、950nm、1000nmの透過率を測定し、室内の空気の透過率を比較対照として、近赤外線透過率を求めた。各波長における近赤外線透過率をそれぞれT850、T900、T950、T1000とした。
(耐熱性)
定温恒温器(東京理化器械社製)を用い、温度80℃に設定し、1000時間試験後の各試料のTv、x、yの各測定値について、試験前の測定値と比較した。試験前後の変化量がすべて3%未満であるものを〇、いずれか一つでも3%以上〜5%未満のものがある場合は△、いずれか一つでも5%以上のものがある場合を×とした。
定温恒温器(東京理化器械社製)を用い、温度80℃に設定し、1000時間試験後の各試料のTv、x、yの各測定値について、試験前の測定値と比較した。試験前後の変化量がすべて3%未満であるものを〇、いずれか一つでも3%以上〜5%未満のものがある場合は△、いずれか一つでも5%以上のものがある場合を×とした。
(耐光性)
耐光性試験機(スガ試験機社製、キセノンフェードメーターX−15F)を用い、380nm以上の光を200MJ/cm2照射させ、各試料のTv、x、yの各測定値について、試験前の測定値と比較した。試験前後の変化量がすべて3%未満であるものを〇、いずれか一つでも3%以上〜5%未満のものがある場合は△、いずれか一つでも5%以上のものがある場合を×とした。
耐光性試験機(スガ試験機社製、キセノンフェードメーターX−15F)を用い、380nm以上の光を200MJ/cm2照射させ、各試料のTv、x、yの各測定値について、試験前の測定値と比較した。試験前後の変化量がすべて3%未満であるものを〇、いずれか一つでも3%以上〜5%未満のものがある場合は△、いずれか一つでも5%以上のものがある場合を×とした。
表1に示すように、例1〜6および例10,11の光学フィルム(実施例)は、いずれも、光学特性が良好で、耐熱性、耐光性ともに良好であった。
これに対し、例1で用いた安定化シアニン系色素に代えてシアニン系色素を用いた例7の光学フィルムは、耐光性が悪かった。
また、例7で用いた主剤溶液にさらに近赤外線吸収性クエンチャー化合物を配合した例8の光学フィルムは、耐光性、耐熱性ともに悪かった。また、色度座標のx、yとも値が高く、外観がよくなかった。さらに、近赤外線透過率も高かった。
また、クエンチャー化合物を配合しなかった例9の光学フィルムは、耐光性が悪く、視感平均透過率も低かった。
これに対し、例1で用いた安定化シアニン系色素に代えてシアニン系色素を用いた例7の光学フィルムは、耐光性が悪かった。
また、例7で用いた主剤溶液にさらに近赤外線吸収性クエンチャー化合物を配合した例8の光学フィルムは、耐光性、耐熱性ともに悪かった。また、色度座標のx、yとも値が高く、外観がよくなかった。さらに、近赤外線透過率も高かった。
また、クエンチャー化合物を配合しなかった例9の光学フィルムは、耐光性が悪く、視感平均透過率も低かった。
Claims (4)
- 下記一般式(I)〜(III)
で表される化合物からなる群から選択されるカチオンとクエンチャーアニオンとからなる安定化シアニン系色素、およびクエンチャー化合物を含有することを特徴とする光学フィルム用組成物。 - 前記クエンチャー化合物が、近赤外線吸収性クエンチャー化合物を含有する請求項1記載の光学フィルム用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム用組成物が透明樹脂中に分散されてなる近赤外線吸収層を有する光学フィルム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007218686A JP2008070869A (ja) | 2003-07-11 | 2007-08-24 | 光学フィルム用組成物および光学フィルム |
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JP2007218686A Withdrawn JP2008070869A (ja) | 2003-07-11 | 2007-08-24 | 光学フィルム用組成物および光学フィルム |
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