JP2008070219A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、隣接検出器の間隔を狭くするとともに、ホルダへの組立を容易にしたX線CT装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、被試験体に対してX線を照射するX線照射装置と、被試験体を透過したX線を検出する半導体検出器と、半導体検出器からの信号を処理する信号処理装置とを備えたX線CT装置であって、半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セルと、半導体セルの第1の電極からの信号を信号処理装置に送信する配線を備えた配線基板とを備え、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、隣接検出器の間隔を狭くするとともに、ホルダへの組立を容易にしたX線CT装置を提供することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、被試験体に対してX線を照射するX線照射装置と、被試験体を透過したX線を検出する半導体検出器と、半導体検出器からの信号を処理する信号処理装置とを備えたX線CT装置であって、半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セルと、半導体セルの第1の電極からの信号を信号処理装置に送信する配線を備えた配線基板とを備え、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、隣接検出器の間隔を狭くするとともに、ホルダへの組立を容易にしたX線CT装置を提供することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、X線CT装置に関する。
特許文献1には、一組の半導体結晶と基板によって構成されたX線検出器が開示されている。そして、X線検出器では、半導体結晶の片側の面に正電極及び負電極を備え、これらの電極が基板に設けられた配線と接続されている。
また、特許文献2では、放射線の入射方向と略平行な面に2つの電極を形成した半導体セルを用いて検出器を構成する。この半導体セルの相対する2面のうちの1面にバイアス用電極を設け、他の面に信号取り出し用電極が形成されている。そして、バイアス仲介用電極板と信号取り出し仲介用電極板を設置したホルダに当該半導体セルを挿入し、接着して検出器を構成する。
Siであれば結晶内部に電極を設けることが可能であるため、一つの面に正電極と負電極を設けることが可能である。そのため、特許文献1における半導体結晶には、正電極がn+拡散電極の部分に設けられ、負電極がp+拡散電極に設けられている。しかし、
CdTeでは結晶内部に電極を設けることができないため、結晶の表面に電極を蒸着する方法しかなく、電極を二つの相対する面に設ける必要があった。そのため、CdTe結晶の第1の電極と基板に設けられた配線とを接続した場合、第1の電極と相対する第2の電極と基板とを接続するためには、ボンディングなどによって両者を接続する必要がある。
CdTeでは結晶内部に電極を設けることができないため、結晶の表面に電極を蒸着する方法しかなく、電極を二つの相対する面に設ける必要があった。そのため、CdTe結晶の第1の電極と基板に設けられた配線とを接続した場合、第1の電極と相対する第2の電極と基板とを接続するためには、ボンディングなどによって両者を接続する必要がある。
しかし、ボンディングを使用した場合、隣接する基板と接触しないように、その周囲にある程度の空間が必要であり、隣接検出器との間隔を広くとらなければならないという課題があった。
また、特許文献2のように、ホルダに電極板を設けた場合、当該ホルダに半導体セルを挿入し、接着する工程を要する。この接着時に、導電性の接着剤が十分に行き渡らない場合や、逆に他の電極にまで接着剤が付着する場合があり、配線作業が困難であった。そのため、半導体セルと電極板が一体化された状態でホルダに固定することが望ましい。
そこで本発明は、隣接検出器の間隔を狭くするとともに、ホルダへの組立を容易にしたX線CT装置を提供することを目的とする。
本発明における半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セルと、半導体セルの第1の電極からの信号を信号処理装置に送信する配線を備えた配線基板とを備え、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線することを特徴とする。
本発明によれば、隣接検出器の間隔を狭くするとともに、ホルダへの組立を容易にしたX線CT装置を提供することが可能となる。
産業用高エネルギーCT装置のX線検出器に両面から電極用配線を引き出す必要のある化合物半導体セルを使用する場合に、該半導体セルのバイアス用電極,信号取り出し用電極の両面の配線を、いずれも絶縁保護と配線とを兼ねるフレキシブル基板とすることで実現した。
図7は、本発明の半導体検出器を産業用高エネルギーX線CT装置に適用した場合の構成例を示す。X線CT装置100は、電子線加速器101と、スキャナ103と、コリメータ14と、半導体検出器10と、ホルダ15と、信号処理装置105と、制御装置107と、画像再構成装置109と、表示装置111と、コントローラ113とを有する。本実施例のX線CT装置100は、被試験体104を回転させて1断面を撮影する第3世代のX線CT装置を示している。
X線照射装置である電子線加速器101は、制御用ケーブル116によりコントローラ113に接続され、コントローラ113によりX線ファンビーム102の発生・停止が制御される。スキャナ103は回転機能のほかに、任意の高さにおける被試験体の断面撮影を行うために、上下に動作する機能を持つ。そして、スキャナ103も同様に制御ケーブル115でコントローラ113に接続され、スキャナの回転・上下位置の調整が行われる。
半導体検出器10は、被試験体104に対し、電子線加速器101の反対側に設けられている。また、半導体検出器10は、電子線加速器101からファンビーム102が出射される出射口に対して半導体検出器10の検出面が向くように、一列に配置されている。撮影解像度は、半導体検出器10の数が増加するほど向上する。本実施例では、512個の半導体検出器10がホルダ15に固定して設置されている。なお、図7では、一部の半導体検出器10を示す。
コリメータ14は、被試験体104と半導体検出器10との間に設けられている。
X線は、X線照射装置すなわち電子線加速器101から被試験体114に出射され、X線ファンビーム102として被試験体104を透過する。被試験体104を透過したX線は、コリメータ14により、半導体検出器10に散乱X線が入射することを抑えることができる。このコリメータ14によって半導体検出器10におけるS/N比を向上させることが可能である。コリメータ14を通過したX線は半導体検出器10に入射し、半導体検出器10がX線の強度に応じた信号を出力する。半導体検出器10からの出力信号は、信号処理装置105で増幅されると共に、デジタル信号106に変換される。制御装置107は、信号処理装置105からのデジタル信号106をデータとして収集すると共に、装置全体を制御する。制御装置107で収集されたデータは、画像の再構成を行うために、画像再構成装置109にデータ108を送信する。表示手段108は、画像再構成装置109により作成された画像やその他の情報を含むデータ110に基づき、表示する。
電子線加速器101を用いたX線CT装置100では、電子線加速器101の特性により、出射されるX線はパルス状X線として、周期的に発生する。このX線パルスは、スキャナ103の回転と同期しており、一定角度ごとに電子線加速器101から照射される。そして、電子線加速器101,スキャナ103,信号処理装置105の動作状況を制御するために、コントローラ113が設けられている。信号処理装置105からの信号106を検知した制御装置107は、コントローラ113にも検知信号112を出力する。検知信号112を受けたコントローラ113は、スキャナ103を駆動させ、被試験体104を移動させるために信号115を送信する。また、移動後の被試験体104にX線パルスを再び出力させると共に半導体検出器10に検出させるために、信号116と114を送信する。一般的な値として、電子線加速器101から5ms周期に5μs幅の強力なX線パルス(X線光子の集まり)が出力される。本実施例では、被試験体104が1回転する間にX線パルスが1920回照射され、半導体検出器10がX線を検出する。すなわち、0.1875 度ごとにX線量を測定する。512個の半導体検出器があるため、1断層を再構成するためのデータは512×1920個のデータ量になる。
図1は、本実施例における半導体検出器の構造を示す図である。この半導体検出器10は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ第1の電極と第2の電極を設けた半導体セル3と、半導体セル3の第1の電極からの信号を信号処理装置105に送信する配線202を備えた配線基板とを備え、半導体セル3の第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線している。
具体的には、半導体セル3は直方体のCdTe結晶であり、X線照射方向と半導体セル3の長手方向とが略並行であり、相対する上面と下面に各々電極が蒸着されている。本実施例のCdTe結晶は、幅0.5mm ,高さ3mm,奥行き40mmである。半導体セル3は、その奥行きが40mm程度であると、400keVから12MeVまでのX線に対して十分な感度を有する。なお、CdTe結晶はもろく割れやすいため、半導体セル3の幅は0.5
mm程度が限界である。そして、本実施例では、半導体セル3の下面に第1の電極である
In電極を設け、その上面に第2の電極であるPt電極を備える。そして、半導体セル3は、Pt電極側に−バイアス電圧をかける、又はIn電極側に+バイアス電圧をかけることにより放射線検出器として動作する。本実施例では、Pt電極をグランド電位とし、
In電極に+電圧をかけ、X線を検出した信号はIn電極から出力する。そのため、Pt電極をバイアス用電極、In電極を信号取り出し用電極と称する。
mm程度が限界である。そして、本実施例では、半導体セル3の下面に第1の電極である
In電極を設け、その上面に第2の電極であるPt電極を備える。そして、半導体セル3は、Pt電極側に−バイアス電圧をかける、又はIn電極側に+バイアス電圧をかけることにより放射線検出器として動作する。本実施例では、Pt電極をグランド電位とし、
In電極に+電圧をかけ、X線を検出した信号はIn電極から出力する。そのため、Pt電極をバイアス用電極、In電極を信号取り出し用電極と称する。
本実施例において、配線基板はフレキシブル基板によって構成されている。そして、半導体セル3の信号取り出し用電極は導電接着部5により、第1のフレキシブル基板2に設けられた配線と接続される。半導体セル3のバイアス用電極は第2のフレキシブル基板4に設けられた配線と導電接着部6で接着される。そして、第1のフレキシブル基板2と第2のフレキシブル基板4とは導電接着部7で接着されている。また、半導体セル3を安定的に固定するために、半導体セル3は接着部8と9により、それぞれ第1のフレキシブル基板2と第2のフレキシブル基板4に接着される。フレキシブル基板は0.1mm 厚のものを使用している。半導体検出器10の出力電流は小さいため、フレキシブル基板の厚さは最低限のもので問題なく使用できる。
遮蔽板1は、タングステンなどのヘビイメタルやSUSなどで製作されている。遮蔽板1は、隣接した半導体検出器10からの散乱電子や散乱X線を遮蔽するためには、密度が大きく、厚いほうが望ましい。遮蔽板1の密度と厚さは、CT装置の分解能などの性能を考慮して決定する。本実施例ではタングステン合金で製作された0.5mm 厚の遮蔽板を用いている。
そして、遮蔽板1の片面に第1のフレキシブル基板2が接着され、その上に半導体セル3が接着される。
図2は、半導体検出器の部品構成を示している。半導体検出器10は、遮蔽板1,第1のフレキシブル基板2,半導体セル3、及び第2のフレキシブル基板4の4つの部品を備える。遮蔽板1は半導体セル3の支持板であり、かつ隣接する半導体検出器10からの散乱電子線や散乱X線を遮蔽するための部材である。第1のフレキシブル基板2には、半導体セル3との接続用パッド201,第2のフレキシブル基板4との接続用パッド204,外部信号引き出し用パッド203,206、それらを結ぶパターン配線202,205が作成されている。そして、半導体セル3に生じるX線の検出信号は、接続用パッド201からパターン配線202を流れ、外部信号引き出し用パッド203から外部に出力される。また、バイアス電流は、外部引き出し用パッド206からパターン配線205を流れ、接続用パッド204から第2のフレキシブル基板4に流れる。
前述のように、半導体セル3は、あらかじめその両面に電極が蒸着されている。半導体セル3の下面には接着部301が設けられており、第1のフレキシブル基板2に設けられた接続用パッド201と接着部301を接着させることにより、第1の電極を形成する。そして、半導体セル3の上面には接着部302が設けられており、第2のフレキシブル基板4に設けられた接続用パッド401と接着部302を接着させることにより、第2の電極を形成する。また、第2のフレキシブル基板4に設けられた接続用パッド401にはパターン配線402が接続されており、パターン配線402の他端に接続用パッド403が接続される。
一方、第1のフレキシブル基板2には、パターン配線205を通して接続用パッド204から接続用パッド206に接続される。そして、第2のフレキシブル基板4に設けられた接続用パッド403と第1のフレキシブル基板2に設けられた接続用パッド204を接着させることにより、バイアス電流を半導体セル3に流すことができる。
図8は、半導体検出器10を産業用高エネルギーX線CT装置に組み込んだ場合の構造を示す。本図では、X線入射方向から見てコリメータ14の後方に、ホルダ15が設置されている。コリメータ12には、電子線加速器101からのX線を通過させる穴18が半導体検出器10の数だけ設けられている。ホルダ15は細長い四角柱の長手方向の側面をファンビーム102に向けて配置している。そして、図9に示すように、ホルダ15の内部には半導体検出器10を固定するための空間19が形成される。また、ホルダ15の内部には、半導体検出器10の遮蔽板1を差し込むための溝20が設けられている。本実施例では、半導体検出器10は半導体セル3に遮蔽板1を取り付けた状態で既に完成しているため、ホルダ15の上下に設けられた溝20に遮蔽板1を差し込むだけで、容易に取り付けることができる。また、コリメータ14に設けられた穴18の後方に半導体検出器
10が位置するように、ホルダ15に溝20が設けられている。
10が位置するように、ホルダ15に溝20が設けられている。
半導体検出器10における第1のフレキシブル基板2は、基板16に設置されたフレキシブル基板用コネクタ17に接続されている。各フレキシブル基板の先端に設けられた接続用パッド203と206により、半導体検出器10は外部回路に接続され、バイアス電圧の供給と信号出力ができる。基板16は外部のバイアス電源(図7では省略されている)と信号処理装置105に接続されている。
このように、本発明の半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セル3と、半導体セル3の第1の電極からの信号を信号処理装置に送信する配線を備えた配線基板とを備え、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線している。
本発明に対し、特許文献1の半導体検出器ではSiが用いられている。そして、高エネルギーのX線を効率よく検出するためにその奥行きは40mm程度であり、奥行きを長く構成している。検出器の構造は、タングステンの遮蔽板(基板)の上にフレキシブル基板を設置し、その上にSi検出器を接着している。Si検出器では半導体プロセスによる配線により、検出器の片側からバイアスの供給と信号の取出しが可能である。
但し、Si検出器よりもCdTeなどの化合物半導体検出器の方が、材料の密度が高く、X線を検出する能力に優れている。そのため、産業用高エネルギーCT装置にもCdTeなどの化合物半導体を使用することが望ましい。
しかし、CdTe結晶では結晶内部に配線を作成することが出来ないため、必ず両側に配線する必要が生じる。そのため、CdTe結晶の半導体セルでは、片方の面はボンディングなどの配線を必要とする。ここで、ボンディング配線をした場合の比較例を図12に示す。図12では、半導体セルに設けられた第2の電極の導電接着部6と、第1のフレキシブル基板2に設けられた導電接着部7とをボンディング配線19で接続している。ボンディング配線をした場合、隣接する検出器同士の間隔は、半導体セル3の厚み21だけでなく、さらに空間20を必要とする。ボンディングが隣接する半導体検出器に接触すると、電流がその半導体検出器に流れる可能性があるため、絶縁のためには半導体検出器の周囲にある程度の空間20が必要となるからである。そのため、隣接検出器との間隔を広くとらなければならず、解像度が低下するという問題点がある。
一方、特許文献2の半導体検出器では、放射線の入射方向と略平行な面に電極を形成した半導体セルを用いており、半導体セルの相対する2面のうちの1面にバイアス用電極を、他の面に信号取り出し用電極を形成する。そして、この半導体セルを、バイアス仲介用電極板と信号取り出し仲介用電極板を設置したホルダに挿入して接着し、検出器を構成する。
この特許文献2は医療用CT装置への適用を考慮していると考えられ、半導体セルであるCdTe半導体結晶は、幅が0.3mm以上、長さが5mm以上、奥行きが0.5mm以上を想定している。ここで、放射線は幅と長さで構成された面から入射し、奥行き方向に進み、半導体結晶と反応して出力電流を生じる。特許文献2の実施例では、奥行きが2mm程度の半導体セルを使用している。
他方、産業製品の断層像を撮影するために使用するX線CT装置では、被試験体としてアルミ鋳造品や鉄製品など、人体と比べて密度が高い物体を撮影することが多い。このため、産業用のX線CT装置で使用されるX線のエネルギーは医療用のX線CT装置で使用されるX線のエネルギー(最大150keV)と比べて高くなることが多い。自動車部品などの鋳造品の欠陥検査や内部形状計測のために、450kevから1MeVの高エネルギーX線を使用するCT装置が開発されている。
しかし、高エネルギーのX線を効率よく検出するためには、半導体検出器の奥行きを長くする必要がある。特許文献2では半導体検出器の奥行きを0.5〜2mm程度と想定しており、400keV以上のX線では10〜40mm程度の奥行きにすることが必要である。この場合、特許文献2のように、ホルダに半導体セルを挿入し接着する構造では、半導体セルの奥行きが長いために導電性の接着剤が十分に行き渡らない恐れや、逆に他の電極にまで付着する恐れがあり、配線作業が困難になるという問題点がある。
そこで、本発明のように半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線することにより、ボンディング配線に必要な空間20をとる必要がなくなり、隣接する検出器同士の間隔を狭くすることが出来る。
また、ホルダに電極板を設ける特許文献2と異なり、本発明ではホルダに電極板を設けていない。そのため、ホルダに挿入する前に、半導体検出器を完成させておくことが出来る。そして、奥行きが長い半導体セルを使用した場合でも、導電性の接着剤による不具合を防ぐことが出来る。また、半導体検出器の組立を容易にすることが出来る。
なお、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セルであれば、CdTeでなくても本実施例に示す半導体検出器の構造を用いることが出来る。
図3と図4は、本実施例の半導体検出器を製作するための組み立て用ジグを示す。本実施例の半導体検出器は、ジグを用いることにより、ホルダに挿入する前に、容易に組み立てが出来る。ジグ11はアクリル製であり、遮蔽板1やフレキシブル基板2を設置できる窪み部12を設けてある。同様に、ジグ13もアクリルで製造されており、ジグ11の上に重ねることにより、半導体セル3を位置決めすることが出来る。これらのジグは精度良くかつ工作容易なアクリル樹脂を材料としているが、他の樹脂やアルミ,鉄などを用いて製作しても差し支えない。
図5に半導体検出器の組み立て手順を示す。
ジグ11の穴12に遮蔽板1を設置する(手順21)。設置した遮蔽板1に接着剤を塗布する(手順22)。遮蔽板1の上に第1のフレキシブル基板2を設置し、遮蔽板1と第1のフレキシブル基板2とを接着する(手順23)。フレキシブル基板2のパッド201に導電性接着剤を塗布し、他の場所(半導体セル3の下面に対応する部分にのみ)に半導体セル3を固定するための接着剤を塗布する(手順24)。半導体セル3を固定するための接着剤は導電性接着剤を用いてもよいが、電流がパッド201以外にリークする可能性があるため、絶縁性の接着剤を用いた方が望ましい。
ジグ13をジグ11の上に設置する。ジグ11の角Aと、ジグ13の角Aとを嵌め合わせることで、遮蔽板1に対する半導体セル3の位置を特定することができる。そして、半導体セル3をジグ13の角Bに合わせるよう位置決めし、第1のフレキシブル基板2と接着する(手順25)。図6は、手順25におけるジグと組み立て途中の半導体検出器の構成を示している。遮蔽板1と第1のフレキシブル基板2はジグ11で位置決めでき、ジグ11の上に重ねたジグ13により半導体セル3が位置決めできる。
半導体セル3の接着部302に導電性接着剤を塗布し、その他の箇所に固定用接着剤を塗布し(手順26)、第1のフレキシブル基板2のパッド204に導電性接着剤を塗布する(手順27)。半導体セル3と第1のフレキシブル基板2との上に第2のフレキシブル基板4を重ね、半導体セル3と第1のフレキシブル基板2上のパッド204に第2のフレキシブル基板4を接着する(手順28)。以上の組み立て手順により、半導体検出器を容易に組み立てることが出来る。
本実施例では、CdTe半導体検出器の厚さは、遮蔽板の厚さが0.5mm 、フレキシブル基板2枚分の厚さが0.1×2mm、半導体セルの厚さ0.5mmで決まり、その合計は1.2
mmとなる。これに対して、図12のように、半導体セル上面の配線にボンディングを用いると、ボンディングとその保護膜だけでなく、半導体セル全体の絶縁用シートも必要となる。この場合の厚さは、遮蔽板の厚さ0.5mmと、フレキシブル基板1枚分の厚さ0.1mmと、半導体セルの厚さ0.5mmと、ボンディング(及び保護膜)の厚さ0.4mmと、絶縁シート0.1mmとの合計となり、最低でも1.6mmの厚さが必要である。
mmとなる。これに対して、図12のように、半導体セル上面の配線にボンディングを用いると、ボンディングとその保護膜だけでなく、半導体セル全体の絶縁用シートも必要となる。この場合の厚さは、遮蔽板の厚さ0.5mmと、フレキシブル基板1枚分の厚さ0.1mmと、半導体セルの厚さ0.5mmと、ボンディング(及び保護膜)の厚さ0.4mmと、絶縁シート0.1mmとの合計となり、最低でも1.6mmの厚さが必要である。
したがって、検出器幅を約30%削減することができる。検出器幅を狭く出来れば、検出器の設置ピッチを狭くすることが出来て、CT装置の分解能を向上できる効果がある。また、双方とも半導体セルの大きさは同じであるので、本実施例では検出器前面から見た時のセルの占める割合が大きくなる分、X線の利用効率が増加する効果がある。
そして、本実施例によれば、ホルダに半導体セルを挿入する前に半導体検出器を完成できるため、ホルダ挿入時に仲介用電極板と半導体セルを接着するという作業を省くことが出来る。そのため、奥行きの長い半導体セルの配線作業を容易にし、かつ検出器幅を必要とするボンディングを使用しないため、検出器幅を増加させないという効果がある。
また、配線引き出しも第1のフレキシブル基板2をそのまま使用するため、半導体検出器と外部配線を半田付けする手間がかからないという効果がある。
本発明の他の実施例を図10に示す。本実施例では、実施例1と比較して、遮蔽板1aを遮蔽板1よりも長くし、遮蔽板1aの上に外部配線用パッド2aを設け、そこから同軸ケーブル19で信号を引き出すようにしたものである。本実施例では、外部配線用パッド2aが配線基板に相当する。産業用高エネルギーX線CT装置では、X線発生源として加速器がよく用いられる。加速器は短時間(5〜10μ秒程度)の強力なX線パルスを発生させ、その際に装置から強力な電磁ノイズも発生する。このため、検出器の配線ケーブルは耐ノイズ性の良好なものが好適であり、同軸ケーブルを使用するのが良い。
本実施例2によれば、ホルダに半導体セルを挿入する前に半導体検出器を完成できるため、ホルダ挿入時に仲介用電極板と半導体セルを接着するという作業を省くことが出来る。また、奥行きの長い半導体セルの配線作業を容易にすることもできる。そして、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線するため、検出器幅を必要とするボンディングを使用する必要がなく、検出器幅を増加させないという効果があるだけでなく、同軸ケーブルを使用することにより外部からの電磁ノイズに強いという効果がある。
なお、検出器部分のシールドが十分であれば、ツイストペアケーブルも使用できる。また、実施例1においても第1のフレキシブル基板2を3層構造とし、配線の両面にシールドを施すことでも同様の効果を得ることが出来る。
本発明の他の実施例を図11に示す。本実施例では遮蔽板をなくし、フレキシブル基板2bがホルダへの固定部分を兼ねる構造となっている。遮蔽板を除くことにより、遮蔽板のない分、半導体検出器の厚さを薄くすることが出来る。遮蔽効果はフレキシブル基板
2bに銅のシールド面を設けることにより補うことが出来る。また、あらかじめクロストーク(検出器からの散乱電子や散乱X線)の割合を測定しておけば、CT装置の断層画像再構成処理ソフトでその影響を補正することも出来る。
2bに銅のシールド面を設けることにより補うことが出来る。また、あらかじめクロストーク(検出器からの散乱電子や散乱X線)の割合を測定しておけば、CT装置の断層画像再構成処理ソフトでその影響を補正することも出来る。
また、半導体検出器の両面はフレキシブル基板の絶縁体で覆われているため、隣接半導体検出器がホルダ内で接触したとしても、影響はない。
本実施例によれば、ホルダに半導体セルを挿入する前に半導体検出器を完成できるため、ホルダ挿入時に仲介用電極板と半導体セルを接着するという作業を省くことが出来る。また、奥行きの長い半導体セルの配線作業を容易にすることが出来る。そして、半導体セルの第2の電極と配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線するため、検出器幅を必要とするボンディングを使用する必要がなく、検出器幅を増加させないという効果があるだけでなく、さらに半導体検出器の厚さを薄く出来る効果がある。
本発明は産業用X線CT装置のX線検出部に利用でき、鋳造製品などの鋳巣検査や3次元形状データ取得,密度分布測定などに活用できる。
1…遮蔽板、2…第1のフレキシブル基板、3…半導体セル、4…第2のフレキシブル基板、5,6,7…導電接着部、8,9…接着部、10…半導体検出器、11,13…ジグ、14…コリメータ、15…ホルダ。
Claims (3)
- 被試験体に対してX線を照射するX線照射装置と、該被試験体を透過したX線を検出する半導体検出器と、該半導体検出器からの信号を処理する信号処理装置とを備えたX線
CT装置であって、
前記半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面にそれぞれ電極を設けた半導体セルと、該半導体セルの第1の電極からの信号を前記信号処理装置に送信する配線を備えた配線基板とを備え、前記半導体セルの第2の電極と前記配線基板とを絶縁性及び配線を兼ねた部材で配線することを特徴とするX線CT装置。 - 被試験体に対してX線を照射するX線照射装置と、該被試験体を透過したX線を検出する半導体検出器と、該半導体検出器からの信号を処理する信号処理装置とを備えたX線
CT装置であって、
前記半導体検出器は、X線照射方向と略平行であり相対する2面に電極を設けた半導体セルと、該半導体セルの第1の電極からの信号を前記信号処理装置に送信する配線を備えた第1のフレキシブル基板とを備え、前記半導体セルの第2の電極と前記配線基板とを第2のフレキシブル基板で配線することを特徴とするX線CT装置。 - 請求項2記載のX線CT装置であって、前記半導体セルはCdTe結晶により製作されていることを特徴とするX線CT装置。
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