JP6264723B2 - 放射線画像撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線画像撮影装置に関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレーター等で可視光等の他の波長の光に変換した後、変換され照射された光のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換する放射線画像撮影装置が種々開発されている。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台と一体的に形成された、いわゆる専用機型(固定型等ともいう。)として構成されていたが(例えば特許文献1、2等参照)、近年、放射線検出素子等を筐体内に収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献3、4等参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図3等に示すように、通常、複数の放射線検出素子7が、検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)等で形成されたスイッチ手段8が接続されて構成される。
そして、通常、放射線発生装置から放射線画像撮影装置に対して、被撮影者の身体等すなわち被写体を介して放射線が照射されることで放射線画像撮影が行われる。そして、撮影後、図示しないゲートドライバーから各走査線5にオン電圧を順次印加して、各TFT8を順次オン状態として、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷を各信号線6に順次放出させて、図示しない各読み出し回路で画像データDとしてそれぞれ読み出すように構成される。
特開平9−73144号公報 特開2006−510022号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報
ところで、専用機型の放射線画像撮影装置でも、可搬型の放射線画像撮影装置でも同様であるが、このような放射線画像撮影装置では、被写体である患者の身体等が放射線検出素子やシンチレーター等に直接触れないように保護するために、放射線検出素子やシンチレーターの放射線入射側に板状部材が配置される場合が多い。
特に、可搬型の放射線画像撮影装置の場合、この板状部材は、放射線検出素子が二次元状に形成されたセンサー基板やシンチレーター等を収納する筐体の一部(例えば後述する放射線入射面R)として構成される場合も多い。
しかしながら、このように、放射線検出素子やシンチレーターの放射線入射側に、保護部材等としての板状部材が配置されていると、僅かではあるが板状部材で放射線が散乱される。そのため、放射線画像撮影装置で撮影された放射線画像では、この放射線の微弱な散乱線によってコントラストの低下が発生する。
そのため、放射線画像の画質が低下してしまうために、放射線画像を見ても、放射線画像中に撮影されている病変部の大きさが正確に測れなくなり、病変部が大きくなっているのか小さくなっているのかを判別し難くなるなど、放射線画像を用いた診断にも悪影響を与えてしまう虞れがあった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、筐体等の板状部材での放射線の散乱によって放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能な放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサー基板と、
前記センサー基板の放射線入射側に設けられ、蛍光体を備えるシンチレーターと、
前記シンチレーターの蛍光体の放射線入射側に配置された、前記センサー基板及び前記シンチレーターを収納する筐体の一部をなす板状部材と、
前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内に設けられ、アルミニウム、放射線を吸収する材料を含有する樹脂層、又はガラスからなる放射線吸収層と、
を備え、
前記蛍光体に到達するまでの間に前記板状部材を含む構造体により吸収される放射線のうち、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内で前記吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成されていることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、シンチレーターの蛍光体の放射線入射側に存在する板状部材による放射線の散乱線を的確に吸収することが可能となるとともに、板状部材による放射線の散乱線を吸収するための構成により新たに放射線の散乱線が生じることを的確に防止することが可能となるため、放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能となる。
本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。 図1におけるX−X線に沿う断面図である。 放射線画像撮影装置のセンサー基板の構成を示す平面図である。 フレキシブル回路基板やPCB基板等が取り付けられたセンサー基板を説明する側面図である。 放射線吸収層を板状部材の直近に形成した例を表す断面図である。 実験結果を表すグラフである。 シンチレーター基板に放射線吸収層を形成しておき、そこにシンチレーターの蛍光体を貼付する工程を説明する図である。 シンチレーターの蛍光体とシンチレーター基板との間に配置された放射線吸収層を表す断面図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
[放射線画像撮影装置の基本構成について]
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、図2は、図1のX−X線に沿う断面図である。なお、図1や図2或いは後述する図3以降の各図において、放射線画像撮影装置1を構成する各部材の相対的な大きさや厚さ等は、必ずしも現実の装置を反映するものではない。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、図1に示すように、放射線が照射される側の面である放射線入射面Rを有する筐体2内に、シンチレーター3やセンサー基板4等で構成されるセンサーパネルSPが収納されて構成されている。そして、放射線入射面Rを含む筐体2の筐体本体部2Aは、例えばカーボン繊維を含む材料やアルミニウム板等で形成されている。
また、本実施形態では、筐体2は、筐体本体部2Aの両側の開口部を蓋部材2B、2Cで閉塞することで形成されるようになっている。そして、筐体2の一方側の蓋部材2Bには、電源スイッチ37や切替スイッチ38、コネクター39、バッテリー状態や放射線画像撮影装置1の稼働状態等を表示するLED等で構成されたインジケーター40等が配置されている。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、コネクター39を介して有線方式で信号やデータ等を送受信することもできるようになっている。また、図1や図2では図示を省略するが、本実施形態では、筐体2の例えば蓋部材2Cには、無線方式で画像データD等のデータを送信したり信号を送受信する通信手段であるアンテナ装置が設けられている。
また、筐体2内には、基台31が設けられており、基台31の放射線入射面R側に、図示しない鉛の薄板等を介してセンサー基板4が配置されている。また、センサー基板4の放射線入射面R側には、照射された放射線を可視光等の光に変換するシンチレーター3が形成されたシンチレーター基板34が設けられている。
シンチレーター基板34は、センサー基板4に対して、シンチレーター3がセンサー基板4側に対向する状態で配置されている。そして、シンチレーター基板34は、シンチレーター3を支持するとともに、シンチレーター3が外部からの衝撃等で損傷しないように保護する機能をも有している。
また、基台31の下面側には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリー36等が取り付けられている。このようにして、基台31やセンサー基板4、シンチレーター3等でセンサーパネルSPが形成されている。また、本実施形態では、センサーパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
本実施形態では、放射線画像撮影装置1は上記のように構成されているため、筐体2の放射線入射面Rが、シンチレーター3の放射線入射側に配置された板状部材ということになる。なお、板状部材とシンチレーター基板34との間に緩衝材やフィルム等の他の構造体が設けられていてもよい。
本実施形態では、センサー基板4やシンチレーター基板34はガラス基板で構成されている。そして、図3に示すように、センサー基板4の、シンチレーター3に対向する面4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。また、センサー基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた小領域rの全体、すなわち図3に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。本実施形態では、放射線検出素子7はフォトダイオードが用いられているが、例えばフォトトランジスター等を用いることも可能である。
放射線検出素子7は、放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rから放射線が入射し、シンチレーター3で放射線から変換された可視光等の電磁波が照射されると、その内部で電子正孔対を発生させることで、照射された放射線を電荷に変換するようになっている。
そして、各放射線検出素子7内で発生した電荷は、画像データDの読み出し処理時に、走査線5を介して図示しないゲートドライバーからオン電圧が印加されてオン状態となったスイッチ手段8を介して信号線6に流出し、読み出しIC16(後述する図4参照)等で画像データDに変換されて読み出されるようになっている。
なお、図3において、9は図示しないバイアス電源から各放射線検出素子7に逆バイアス電圧を供給して印加するバイアス線を表し、10はそれらのバイアス線9が結束された結線を表す。
また、本実施形態では、走査線5や信号線6、バイアス線9の結線10等が接続された各入出力端子11には、図4に示すように、前述した読み出し回路が内蔵された読み出しIC16や前述したゲートドライバーを構成するゲートIC15等のチップがフィルム上に組み込まれたフレキシブル回路基板12が、異方性導電接着フィルム(Anisotropic Conductive Film)や異方性導電ペースト(Anisotropic Conductive Paste)等の異方性導電性接着材料13を介して接続されている。
そして、フレキシブル回路基板12は、センサー基板4の裏面4b側に引き回され、裏面4b側でPCB基板33に接続されるようになっている。なお、図4では、電子部品32やバッテリー36(図2参照)等の図示が省略されている。
[従来の放射線画像撮影装置における問題点について]
前述したように、従来の放射線画像撮影装置では、放射線検出素子7の放射線入射側に存在する板状部材、すなわち本実施形態では筐体2の放射線入射面R(図1や図2参照)によって、入射する放射線が僅かではあるが散乱される。
そのため、散乱がなければ大きな線量の放射線が入射するはずであったシンチレーター3の部分で、入射する放射線の線量が散乱のためにより小さくなってしまう。また、散乱がなければ入射する放射線の線量が小さいはずのシンチレーター3の部分に、放射線の散乱線が入射してしまい、その部分に入射する放射線の線量がより大きくなってしまうという現象が生じる。
そのため、前述したように、そのような状態で撮影された放射線画像では、板状部材により散乱された放射線の微弱な散乱線によってコントラストが低下し、放射線画像の画質が低下してしまう等の問題が生じていた。
[問題を解決するための本発明に特有の構成等について]
そこで、本実施形態では、放射線画像撮影装置1のシンチレーター3の放射線入射側で、板状部材による放射線の散乱線を吸収するようになっている。以下、この点について説明する。また、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用についてもあわせて説明する。
例えば図5に示すように、仮に板状部材(本実施形態の場合は放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面R。以下、板状部材Rという。)による放射線の散乱線を吸収する放射線吸収層Aを、板状部材Rの直近に形成すると、この放射線吸収層Aで板状部材Rによる放射線の散乱線を吸収できる。
しかし、このように構成すると、今度はこの放射線吸収層A自体で放射線が新たに散乱されてしまう。そのため、板状部材Rの場合と同様にして、結局、放射線吸収層Aによる放射線の散乱線によって放射線画像のコントラストが低下してしまう。しかし、このことから、逆に、放射線吸収層Aをシンチレーター3に近づければ近づけるほど、放射線吸収層Aによる放射線の散乱線の拡がりの程度を抑えることが可能となり、放射線画像のコントラストを向上させることができる可能性があると考えられた。
そこで、本発明者らは、放射線吸収層Aとシンチレーター3との距離を種々変化させた場合に、実際にコントラストがどのように変化するかを調べる実験を行った。
実験は、鉛ディスク法により行い、放射線吸収層A上に載置する鉛ディスクの径を種々変化させて行った。また、放射線吸収層Aとして銅箔を用い、シンチレーター基板34を設けず、シンチレーター3の蛍光体3a(図5参照)をいわば剥き出しの状態とし、放射線吸収層Aとしての銅箔とシンチレーター3の蛍光体3aの上端と距離を変化させて行った。なお、鉛ディスク法については、例えば特開平7−270599号公報や、岡部哲夫、瓜屋富三編、「医用画像工学」、医歯薬出版株式会社p.66、内田勝、「ディジタル放射線画像」、オーム社、1998.p.126等を参照されたい。
図6は上記の実験の結果を表すグラフである。なお、図6のグラフは、縦軸にコントラストCをとり、横軸に鉛ディスクの径φをとった場合が示されている。また、縦軸のコントラストCは対数表示されており、コントラストCの値が小さくなるほど(すなわちグラフでは下に行くほど)放射線画像におけるコントラストが良いことを表している。
図6に示すように、グラフは全体的に鉛ディスクの径φが大きくなるほどコントラストCが小さくなる、すなわちコントラストCが良くなる傾向を示している。これは、鉛ディスクの径φが大きくなるほど、鉛ディスクの端部(エッジ)における放射線の回折の影響が小さくなることを表している。
また、放射線吸収層Aとして銅箔とシンチレーター3の蛍光体3aの上端との距離が0mm、0.5mm、2mm、4mmと大きくなるほど、コントラストCが大きくなる、すなわちコントラストCが悪化することが分かる。これも、放射線吸収層Aとして銅箔とシンチレーター3の蛍光体3aの上端との距離が大きくなるほど、鉛ディスクの端部で回折した放射線が鉛ディスクの下方により大きく回り込むためと考えられる。なお、図6のグラフにおける「無し」は、放射線吸収層Aとして銅箔を設けず、放射線画像撮影装置1の放射線入射面R上に鉛ディスクを載置した場合を表している。
さらに、この実験で、放射線吸収層Aとして銅箔とシンチレーター3の蛍光体3aの上端との距離が0mmと0.5mmの場合で、鉛ディスクの径φとコントラストCとの関係がほとんど同じ傾向を示す、すなわち鉛ディスクの径φに対するコントラストCがほとんど同じ値をとることが分かった。
また、以下で説明する種々の構成について条件を様々に変化させて実験を行った結果、やはりシンチレーター3の蛍光体3aの上端すなわち放射線入射側から板状部材R(本実施形態の場合は放射線入射面R。図2や図5等参照)に向かって0〜0.5mmの範囲内で放射線を吸収させるように構成することが、コントラストCの向上のために非常に有効であることが分かった。
[放射線を吸収させる構成について]
以下、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で放射線を吸収させる具体的な構成について、いくつか例を挙げて説明する。
[例1]
上記の構成の1つの例として、例えば、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側に配置され、シンチレーター3の蛍光体3aを保護するために設けられているシンチレーター基板34(図5等参照)と、シンチレーター3の蛍光体3aとの間に放射線吸収層Aを設けるように構成することが可能である。
具体的には、この場合、放射線吸収層Aは、例えばアルミニウムや銅等の金属箔や金属層として形成することが可能である。また、放射線を吸収する材料を含有する樹脂層として放射線吸収層Aを形成することも可能である。
そして、シンチレーター基板34にシンチレーター3の蛍光体3aを貼付する工程において、例えば図7に示すように、予めシンチレーター基板34に、金属層や樹脂フィルムを貼付したり、或いはシンチレーター基板34に樹脂を塗布して硬化させる等して放射線吸収層Aを形成しておき、そこに、シンチレーター3の蛍光体3aを貼付するように構成する。
或いは、放射線吸収層Aをシンチレーター3の蛍光体3a側に形成しておき、それをシンチレーター基板34に貼付するように構成することも可能である。また、シンチレーター3の蛍光体3aをシンチレーター基板34に貼付する接着剤に放射線を吸収する材料を含有させておき、接着剤で放射線吸収層Aを形成するように構成することも可能である。なお、この例1では、放射線吸収層Aをシンチレーター基板34とシンチレーター3の蛍光体3aとの間に設けることが可能であれば、上記の製造方法に限定されない。
このように構成すれば、図8に示すように、放射線吸収層Aを、シンチレーター3の蛍光体3aとシンチレーター基板34との間に配置することが可能となる。そのため、放射線吸収層Aを、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内に形成することが可能となり、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で放射線吸収層Aにより放射線を的確に吸収させることが可能となる。
[例2]
また、シンチレーター基板34の厚さが0.5mm未満であれば、例えば、放射線吸収層Aを、シンチレーター基板34の放射線入射側の面、すなわち板状部材Rに対向する側のシンチレーター基板34の面に設けるように構成することも可能である。
[例3]
一方、上記のように放射線吸収層Aを新たに設けるように構成する代わりに、シンチレーター基板34自体を放射線吸収層Aとして用いるように構成することも可能である。
[例3−1]
その際、例えば、シンチレーター基板34の厚さを0.5mmまでの厚さとし、シンチレーター基板34自体の放射線吸収率を調製することで、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内でシンチレーター基板34により放射線を的確に吸収させることが可能となる。
[例3−2]
また、シンチレーター基板34の厚さが0.5mmを越える場合には、シンチレーター基板34のうち、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内の部分の放射線吸収率を調製することで、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内でシンチレーター基板34により放射線を的確に吸収させることが可能となる。
なお、上記の[例1]から[例3−2]までの構成等を適宜組み合わせて用いるように構成することも可能である。
[放射線吸収層等による放射線の吸収について]
次に、本発明者らは、その範囲内で放射線をどの程度吸収させれば、板状部材Rにより散乱された放射線の微弱な散乱線による放射線画像のコントラストCの低下が発生することを防止することができるかについても実験を行った。
実験は、上記の[例1]の構成を採用して、放射線吸収層Aとして銅の金属層の厚さを種々変化させた放射線画像撮影装置1をそれぞれ形成し、放射線入射面R上に種々の径φの鉛ディスクを載置した状態で放射線を照射して行った。また、その際、本実施形態における板状部材Rである放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面Rの構成も種々変化させて実験を行った。なお、この場合、シンチレーター基板34として厚さ0.6mmの無アルカリガラスを用いた。
そして、その実験結果を分析した結果、下記の表1に示すように、放射線吸収層Aによる放射線の吸収率が、放射線がシンチレーター3の蛍光体3aに到達するまでに存在する他の構造体、すなわち板状部材Rやシンチレーター基板34による放射線の吸収率の2倍以上の吸収率であれば、放射線吸収層Aが、板状部材Rによる放射線の散乱線を的確に吸収することが可能となり、放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能となることが分かった。
Figure 0006264723
なお、上記の実験では、上記のように放射線画像撮影装置1の放射線入射面R上に載置する鉛ディスクの径φを種々変化させた場合に算出されるコントラストCが、放射線画像撮影装置1の実用上許容される範囲内に収まっている場合には○と評価し、前記範囲を多少逸脱している場合には△と評価した(表1参照)。
上記の実験結果に示されているように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、板状部材Rである筐体2の放射線入射面R等で放射線の散乱や吸収が生じるが、放射線吸収層Aで、板状部材R等の他の構造体による放射線の吸収量の2倍以上の放射線を吸収するように構成することで、少なくとも板状部材Rによる放射線の散乱線を的確に吸収することが可能となる。
すなわち、言い換えれば、放射線画像撮影装置1に放射線が照射され、シンチレーター3の蛍光体3aに到達するまでの間に板状部材Rを含む構造体により吸収される放射線のうち、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で、吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成すれば、少なくとも板状部材Rによる放射線の散乱線が的確に吸収され、放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能となる。
従来から、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側に存在する構造体による放射線の吸収はできるだけ少ない方が良いとされてきたが、そのように構成すると、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側に存在する板状部材Rによる放射線の散乱線がシンチレーター3の蛍光体3aに入射してしまい、結果的に、放射線画像のコントラストが低下してしまう。
そこで、本発明では、シンチレーター3の蛍光体3aに入射する放射線の量が多少減ることになるとしても、板状部材Rによる放射線の散乱線を吸収する構成(すなわち上記の放射線吸収層Aや放射線吸収層としてのシンチレーター基板34)を設けて、板状部材Rによる放射線の散乱線を的確に吸収させる。
しかも、その構成によって新たに放射線の散乱線が生じないようにするために、板状部材Rによる放射線の散乱線を吸収する構成をシンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側の近傍に設けるように構成し、シンチレーター3の蛍光体3aに到達するまでの間に板状部材Rを含む構造体により吸収される放射線のうち、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で、吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成することとした。
そして、このように構成することで、板状部材Rによる放射線の散乱線を的確に吸収することが可能となるとともに、板状部材Rによる放射線の散乱線を吸収するための構成により新たに放射線の散乱線が生じることを的確に防止することが可能となり、放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能となる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、シンチレーター3の蛍光体3aに到達するまでの間に板状部材Rを含む構造体により吸収される全ての放射線のうち、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成した。
そのため、板状部材Rによる放射線の散乱線を的確に吸収することが可能となるとともに、板状部材Rによる放射線の散乱線を吸収するための構成により新たに放射線の散乱線が生じることを的確に防止することが可能となるため、放射線画像のコントラストが低下することを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、例えば図2に示したように、放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面R(すなわち板状部材R)とシンチレーター3との間にシンチレーター基板34のみを設ける場合について説明したが、前述したように、例えば筐体2の放射線入射面Rとシンチレーター3やシンチレーター基板34との間に緩衝材やフィルム等の他の構造体を設けることも可能である。
そして、このように、板状部材R(すなわち本実施形態の場合は放射線画像撮影装置1の放射線入射面R)とシンチレーター3等との間に緩衝材等の他の構造体を設ける場合にも本発明を適用することが可能であり、その場合、緩衝材等の他の構造体を含む全ての構造体で吸収される放射線のうち、シンチレーター3の蛍光体3aの放射線入射側から板状部材Rに向かって0〜0.5mmの範囲内で吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成される。
また、上記の実施形態では、図5や図7に示したようにシンチレーター3が柱状結晶で構成された蛍光体3aで構成されている場合について説明したが、本発明は、この他にも、例えばペースト状の蛍光体をシンチレーター基板34に塗布するようにしてシンチレーター3を形成する場合にも適用され、シンチレーター3の構成には限定されない。
さらに、上記の実施形態では、センサー基板4やシンチレーター基板34をガラス基板で構成する場合について説明したが、それに限定されず、例えば樹脂板や樹脂フィルム等で構成することも可能である。
なお、本発明が上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
3 シンチレーター
3a 蛍光体
4 センサー基板
7 放射線検出素子
34 シンチレーター基板
A 放射線吸収層
R 放射線入射面(板状部材)

Claims (5)

  1. 照射された放射線の線量に応じて電荷を発生させる複数の放射線検出素子が二次元状に配列されたセンサー基板と、
    前記センサー基板の放射線入射側に設けられ、蛍光体を備えるシンチレーターと、
    前記シンチレーターの蛍光体の放射線入射側に配置された、前記センサー基板及び前記シンチレーターを収納する筐体の一部をなす板状部材と、
    前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内に設けられ、アルミニウム、放射線を吸収する材料を含有する樹脂層、又はガラスからなる放射線吸収層と、
    を備え、
    前記蛍光体に到達するまでの間に前記板状部材を含む構造体により吸収される放射線のうち、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内で前記吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成されていることを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記放射線吸収層により、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内で前記吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記蛍光体を保護し、前記蛍光体の放射線入射側に配置されたシンチレーター基板を備え、
    前記放射線吸収層を前記蛍光体と前記シンチレーター基板との間に設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記放射線吸収層は、前記蛍光体の放射線入射側に配置されたシンチレーター基板であり、
    前記シンチレーター基板の厚さを0.5mmまでの厚さとし、前記シンチレーター基板自体の放射線吸収率を調製することで、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内で前記吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記放射線吸収層は、前記蛍光体の放射線入射側に配置されたシンチレーター基板であり、
    前記シンチレーター基板のうち、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内の部分の放射線吸収率を調製することで、前記蛍光体の放射線入射側から前記板状部材に向かって0〜0.5mmの範囲内で前記吸収される放射線の2/3以上が吸収されるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
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