JP2008069873A - バルブシート構造とその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 Oリングのはみ出し、浮上がり現象及び装着溝のデッドスペースを生じない、プロセス流体の置換特性に優れたバルブシート構造とその組立方法を提供する。
【解決手段】 弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有するシール底面に略垂直な内周面からなるOリング装着溝と、弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングとを備え、装着溝に装着されたOリングは、装着溝と押さえリングとの間に挟みこまれ、内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部が前記間口からはみ出して弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有するシール底面に略垂直な内周面からなるOリング装着溝と、弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングとを備え、装着溝に装着されたOリングは、装着溝と押さえリングとの間に挟みこまれ、内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部が前記間口からはみ出して弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部が形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、Oリングを用いた各種バルブの弁体、特に半導体製造等において必要なプロセスガス等の流体置換特性に優れた弁体のバルブシート構造及びその組立方法に関する。
各種バルブの弁体の弾性体バルブシートにOリングを用いる技術として、従来、図4〜11に示す方法(例1〜8)が用いられている。
図4、5はそれぞれ従来の例1、2のバルブシート構造部分の縦断面図、図6は例1のバルブシート構造におけるOリングの「はみ出し」現象を示す説明図(縦断面図)で、(a)は弁室側へのOリングの「はみ出し」現象、(b)は流出流路側へのOリングの「はみ出し」現象を示す。
例1は、弁体(圧接軸)101の先端部側面に設けたOリング溝102にOリング103を保持し弁ボディ104のシール面105に圧接するバルブシート構造である(これに類似なものが例えば、特許文献1)。
例2は、例1と逆に弁ボディ204に設けたOリング溝202にOリング203を保持しているバルブシート構造である。
図4、5中、符号205は弁体201のシール面、106、206は弁体101、201の支持部シール用Oリング、107、207は流出流路、W1、W4はOリング溝102、202の幅をそれぞれ示す。
例1、2の方法はOリング103、203の直径方向に圧接幅W2、W5を必要とするので圧接側の溝深さW3、W6が浅くなり、流体の急激な圧力変動や流速の大きい場合でのOリング103、203の「浮き上り」現象によりOリング溝102、202から外れ易い。あるいは、図6(a)、(b)に例示するように、封止圧力によってOリングが高圧側から低圧側に押し出される「はみ出し」現象を生じ、シール性能及び寿命を低下させる等の問題点がある。
図7の(a)、(b)は、それぞれ従来の例3、例4のバルブシート構造部分の縦断面図である。
例1、2の上記問題点を避けるには、図7(a)の例3に示すように、弁ボディ304と弁体301との直径方向スキマC1、C2を狭める方法が考えられるが、スキマC1、C2を狭めると流量が著しく制限されてしまうという問題点がある。また、狭いスキマ状態にあって弁ボディ304内径面と弁体301外径面との接触なく相互に移動させ得る手段として支持部シール用Oリング306が必要である。
また、図7(b)の例4は、弁体401の軸方向弁室への流入流路408、409が分流するように並列して配置された例であり、弁体401の支持部シール用Oリング406がシート部のOリング403からの距離Bが大きく離れている構造となっている。このため、狭いスキマ状態を保持して弁ボディ404内径面と弁体401外径面との接触なく相互に移動させる精度が一層厳しい構造となる。
図7(a)、(b)中、符号305、405はシール面、307、407は流出流路、308は流入流路を示す。
図8の(a)は従来の例5のバルブシート構造部分の縦断面図、(b)は(a)におけるOリングの装着状況を説明するためのP1部の拡大図である。
例5は、アリ溝型のOリング溝502によるOリング保持方法である(これに類似なものが例えば、特許文献2)。アリ溝型のOリング溝502は、弁ボディ504のシール面505に正対して弁体501の先端面に加工されOリング503を保持するので、図7(a)の例3のように弁ボディ504と弁体501との直径方向スキマを狭める必要はなくなる。
しかし、図8(b)に示すように、アリ溝型Oリング溝502の奥側底面の幅W7はOリング503の径d1より大きく、アリ溝型Oリング溝502の底面の奥隅は流体が残存するデッドスペースDSとなってしまう。この残存流体は、アリ溝型Oリング溝502の間口w1とOリング503とに封入されたような状態になるため排出されにくく、弁室内に異種流体を導入する際の流体置換特性が著しく低下する。また、この例5の方法においても、前記例1、2の方法と同様にOリング503の「浮上り」現象を生じ易い等の問題点がある。
図8(a)、(b)中、符号505はシール面、506は支持部シール用Oリング、507は流出流路を示す。
図9の(a)は従来の例6のバルブシート構造部分の縦断面図、(b)は(a)における成形弾性体シールの装着状況を説明するためのP2部の拡大図、(c)は自由状態の成形弾性体シールの径方向断面図である。
例6は、例5における問題点を改善するため、予め成形された弾性体シール603を用いたバルブシート構造例である(これに類似なものが例えば、特許文献3)。弁体601のシール取付け部と押えリング602内径側とにより、成形された弾性体シール603の押え部外形と略同じ形状のシール溝を構成しており、成形された弾性体シール603の「浮上り」、「はみ出し」、シール溝奥隅の「デッドスペース」発生を防止するようになっている。
しかしながら、弁体601のシール取付け部と押えリング602との2部材により弾性体シール603を押え付けることによる変形で、図9(b)及び(c)に示すように、弾性体シール603の圧接部分(押え代)603aの形状が予め成形された状態(自由状態)と僅かながら断面非対称に変形する(変形状態の弾性体シール603bとなる)ことから、期待するシール性能が発揮できないことがある。また、弾性体シール603の成形には専用金型の製作が必要で、コスト高となるとともに、この成形工程における不良品の発生による歩留まりもよくない等々の問題点がある。
図10は従来の例7のバルブシート構造のOリング装着部分の縦断面図で、(a)、(b)は、それぞれ実施例1、2を示す。
例7は、例6における問題点を改善するためシールリングとしてOリングが用いられたもので、弁体18の弁座対向面40の外周端部に平坦なシール底面42と外周側に傾斜又は断面円弧状の内周面41からなるOリング19の装着溝39が形成され、内周面41の先端部に第1支持端部44が形成され、装着溝39にOリング19を取り付けた後に、先細の先端部内側に第2支持端部46が形成された円筒状カバー45が弁体18の外周38に嵌合されてねじ49により固定されるバルブシート構造である(例えば、特許文献4)。
図11は、従来の例8のバルブシート構造のOリング装着部分の縦断面図である。
例8も、例6における問題点を改善するためシール要素としてOリングが用いられたもので、弁体115は、弁座対向面の周囲に全体的に断面半円形状を有したOリング受け溝121を有し、同時に2つの互いに平行な(同心の)円筒状のフランジ122がOリング120を受承する半円形断面域の周囲に形成されている。これらのフランジ122は、相互に加締められてOリング120の下半分をしっかりと溝121内に固定するバルブシート構造である。(例えば、特許文献5)。
特開2006−153204号公報
特開2003−106467号公報
特開2005−265066号公報
特開平11−230374号公報
特開平9−119537号公報
しかしながら、例7(特許文献4)のバルブシート構造では、例5のアリ溝型のOリング溝と同様に、装着溝39の底面の奥隅に流体が残存するデッドスペースが発生し、円筒状カバー45の先端寄りの部分に単数又は複数の連通孔50が形成されてはいるものの、この残存流体が装着溝39の間口とOリング19とに封入されたような状態になるため排出されにくく、弁室内に異種流体を導入する際の流体置換特性が著しく低下する。また、前記例1、2及び5の方法と同様にOリング19の「浮上り」現象を生じ易い等の問題点がある。さらに、装着溝39の間口の第1支持端部44及び第2支持端部46の角部でOリング19が傷付き易いという問題点がある。
また、例8(特許文献5)のバルブシート構造は、半円形状のOリング受け溝121には流体が残存するデッドスペースがなく、Oリング120が加締められたフランジ122によりしっかりと溝121内に固定されるためOリング120の「浮上り」現象もなくなるよう改善されている。しかし、Oリング受け溝121の間口のフランジ122の先端角部でOリング120が傷付き易い。また、フランジ122の加締め代が正確に規定し難く、Oリング120の加圧保持力にばらつきが出易い。さらに、Oリング120を交換する場合、加締められたフランジ122を全周に亘り開く必要があり、フランジ122の先端部を傷め易く、難儀である等々の問題点がある。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためになされたものであり、特殊金型による成形を要しないOリングを用いた簡潔な構造で、確実な取付け・取外しが容易で、Oリングのはみ出し、浮上がり現象あるいはOリング装着溝内のデッドスペースを生じない、半導体製造等において必要なプロセス流体の置換特性及びシール性に優れたバルブシート構造とその組立方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明のバルブシート構造は、流入流路と流出流路を有する弁ボディ内の弁室に弁座を設け、この弁座に対する弁体の先端部対向面に装着されたOリングの離隔又は圧接により流出流路を開閉するバルブにおいて、前記弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有する前記シール底面に略垂直な内周面からなるOリングの装着溝と、前記弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングと、を備え、前記装着溝に装着されたOリングは、前記装着溝と押さえリングとの間に挟みこまれ、前記内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して前記弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部が形成されることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のバルブシート構造であって、前記装着溝内角部、外側段部の内周面との角部、内側段部及び外側段部の先端角部はいずれも丸み形成されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のバルブシート構造であって、前記間口からはみ出すシール突起部の略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリングの自由状態における断面積をAとすれば、前記Oリングは、Al+A2<Aを満たし、好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形され、前記シール突起部の間口からはみ出す所定高さは、前記弁体と弁座間の所要締代を確保するよう上記の計算式を逆算して設定されることを特徴とする。
請求項4の発明のバルブシート構造の組立方法は、流入流路と流出流路を有する弁ボディ内の弁室に弁座を設け、この弁座に対する弁体の先端部対向面に装着されたOリングの離隔又は圧接により流出流路を開閉するバルブにおいて、前記弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有する前記シール底面に略垂直な内周面からなるOリングの装着溝と、前記弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングとからなるバルブシート構造の圧入機を用いた組立方法であって、前記弁体の装着溝にOリングを装着するOリング装着工程と、前記Oリングが装着された弁体の操作部側基端部を、圧入機の固定部に支持する圧入受け治具に装着する弁体支持工程と、前記弁体の先端部外周に圧入される押さえリングの外周を摺接ガイドするガイド孔を先端部に設けた圧入案内治具を前記弁体の先端部側に外挿し、前記圧入受け治具に連設する圧入案内治具連設工程と、前記圧入案内治具のガイド孔に前記押さえリングを、前記弁体の先端部外周に圧入される基端部側から挿入する押さえリング挿入工程と、先端面に前記弁体の先端部の逃げ穴が形成され前記押さえリングを圧入するロッド状の圧入押し治具を、前記圧入案内治具のガイド孔に摺接挿入する圧入案内治具挿入工程と、圧入機の可動部により前記圧入押し治具の後端面を押圧して、前記押さえリングを前記弁体の先端部に圧入することにより、前記装着溝に装着されたOリングを、前記装着溝と押さえリングとの間に挟み込んで前記内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形し、一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して前記弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部を形成する押さえリング圧入工程と、を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4記載のバルブシート構造の組立方法であって、前記間口からはみ出すシール突起部の略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリングの自由状態における断面積をAとすれば、前記Oリングを、Al+A2<Aを満たし、好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形し、前記シール突起部の間口からはみ出す所定高さを、前記弁体と弁座間の所要締代を確保するよう上記の計算式を逆算して設定することを特徴とする
請求項1の発明によれば、Oリングの装着溝に装着されたOリングが、装着溝と押さえリングとの間に挟みこまれ、弁体のOリング装着溝の内側段部と押さえリングの外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部がOリング溝の間口からはみ出して弁座をシールする略部分球体形状のシール突起部が形成される簡潔な構造であるので、特殊金型による成形を要しないOリングを用い、その確実な取付け・取外しが容易で、Oリングのはみ出しや浮上がり現象あるいはOリング溝内のデッドスペースを生じない等々の効果がある。
このため、従来の前記諸問題点を改善し、シール性及び半導体製造等において必要なプロセスガス等の置換特性にも優れたバルブシート構造を提供することができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様な効果を有するのに加えて、装着溝内角部、外側段部の内周面との角部、内側段部及び外側段部の先端角部がいずれも丸み形成されているため、装着溝と押さえリングとにより構成される袋溝状Oリング溝内のOリングとの間の角部のデッドスペースが生じないとともに、Oリングの内側段部及び外側断部の先端角部による傷みを防止することができるという効果がある。
請求項3の発明によれば、請求項1又は請求項2の発明と同様な効果を有するのに加えて、Oリングの圧縮率を最適なAl+A2≒0.8A〜0.85Aの割合(Alはシール突起部の略部分球体の断面積、A2は袋溝状Oリング溝内の断面積、AはOリングの自由状態における断面積)に規定することにより、弁体と弁座間の所要締代を確保するとともに請求項1の発明と同様な効果を一層強めることができるという効果がある。
請求項4の発明によれば、圧入機により圧入受け治具、圧入案内治具及び圧入押し治具を介して弁座の装着溝に装着されたOリングを装着溝と押さえリングとの間に挟み込んで内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形し、一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して前記弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部を形成する構成とすることができるので、請求項1の発明と全く同様な効果を有する。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明と同様な効果を有するのに加えて、Oリングの圧縮率を最適なAl+A2≒0.8A〜0.85Aの割合(Alはシール突起部の略部分球体の断面積、A2は袋溝状Oリング溝内の断面積、AはOリングの自由状態における断面積)に規定することにより、請求項3の発明と全く同様な効果を有する。
以下、本発明を図示する実施例により具体的に説明する。
図1は本発明のバルブシート構造を有するバルブの縦断面図例、図2の(a)は図1のバルブシート構造部分の拡大図、(b)は(a)におけるOリングの装着状況を説明するための拡大図である。図1及び図2の(a)において、弁体(圧接軸)1は中心線の右側で弁が開き始めた状態、左側で弁が閉じた状態を示す。
本発明のバルブシート構造は、流入流路12aと流出流路12bを有する弁ボディ5内の弁室11に弁座6を設け、この弁座6に対する弁体1の対向面に装着されたOリング3の離隔又は圧接により流出流路12bを開閉するバルブにおいて、弁体1の先端部1aの弁座対向面の外周端部に形成されたOリング3の装着溝2と、弁体1の先端部1a外周に圧入される略円筒状の押さえリング4とを備えている。
図1において、符号7は弁体1を時計回り又は反時計回り方向に回転して開閉操作を行なうために把持する操作部、8は内面に弁体1の操作部7側基端部外周に形成された雄ねじに螺合する雌ねじが形成され操作部7の取付け穴7a内に嵌合され止ねじ14により固定される送りナット、9は送りナット8の抜け止め板で、弁ボディ5に固定ねじ10により固定されている。また、弁体1と弁ボディ5との間には、図示しないが、弁ボディ5に対する弁体1の回転を拘束する機構(ステム回り止め)が設けられている。符号13は配管接続ねじ部であり、弁ボディ5の各流入流路12a及び流出流路12bの端部に形成されている。符号15は、弁体1の支持部シール用Oリングである。
これにより、操作部7を例えば時計回り方向に回転すると、送りナット8が共回りして前記ねじの螺合により回転拘束された弁体1を弁座6方向(閉方向)に推進し(図1の左半部)、逆に操作部7を反時計回り方向に回転すると、送りナット8が共回りして前記ねじの螺合により弁体1を操作部7方向(開方向)に後退させる(図1の右半部)。
Oリング3の装着溝2は、図2(a)及び(b)に示すように、平坦なシール底面2b、先端部に外周側に向け傾斜面2cを有し反り出す内側段部2a及びシール底面2bに略垂直な内周面2dから形成されている。
押さえリング4は、図2(a)及び(b)に示すように、先端部内周面4bに中心軸側に向け傾斜面4cを有し反り出す外側段部4aを有する略円筒状に形成されており、基端部内周面4bから弁体1の先端部1a外周に圧入される。
装着溝2内及び内側段部2a先端の角部、外側段部4aの内周面4bとの角部及び先端角部はいずれも丸み形成されている。このため、装着溝2と押さえリング4とにより構成される袋溝状Oリング溝内のOリング3との間の角部のデッドスペースが生じないとともに、Oリング3の内側段部2a及び外側断部4aの先端角部による傷みを防止することができる。
装着溝2に装着されたOリング3は、装着溝2と押さえリング4との間に挟みこまれ、内側段部2aと外側段部4aとにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して弁座6をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部3aが形成される。
具体的には、前記間口からはみ出すシール突起部3aの略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリング3の自由状態における断面積をAとすれば、Oリング3を、Al+A2<Aを満たし、好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形することが望ましい。
このようにOリング3の圧縮率を規定することにより、シール性を良好に得るための弁体と弁座間の所要締代を確保するとともにOリング溝内のデッドスペースを生じないで、この圧縮による反力が内側段部2a及び外側段部4aに対してOリング3のはみ出しや浮上がり現象とも防止するのに効果的に作用する。この場合、Oリング3の体積の一部すなわち約20〜15%は、圧縮され袋溝状Oリング溝内部にほぼ充満されていることを意味しており、このため、従来の前記例5のアリ溝へのOリング装着に見られるデッドスペースの存在を防いでいる。
Oリング3の圧縮率の上記計算式を逆算することにより、弁体1と弁座6間の所要締代を確保するようシール突起部3aの所定高さhを設定することができる。
Oリング3は、図2(a)及び(b)に示すように、弁体1の中心軸と平行なOリング3の自由形状における太さの断面中心軸に対して軸対称形に圧縮されている。したがって、シール突起部3aは、圧縮によって袋溝状Oリング溝の間口からはみ出す体積が自動的に生ずるものであるから、従来の前記例6のように予め成形された成形弾性体シールの突起が挟み込みによって非対称に変形するようなことはなく、概ね一定した対称的な略部分球体形状の突起となる。
次に本発明のバルブシート構造の組立方法は、圧入機を用いた組立方法であって、以下のような手順で行なわれる。
図3は、本発明のバルブシート構造の組立方法を説明するための説明図(縦断面図)で、右半部は押さえリング圧入前の状態、左半部は押さえリング圧入後の状態を示す。
まず、弁体1の装着溝2にOリング3を装着する(Oリング装着工程)。
Oリング3が装着された弁体1の操作部側基端部1bを、圧入機の固定部J1に支持する圧入受け治具J2に装着する(弁体支持工程)。弁体1の操作部側基端部1bはその外周に形成された雄ねじが、圧入受け治具J2に形成された雌ねじJ2aに螺合することにより装着される。
その後、弁体1の先端部1a外周に圧入される押さえリング4の外周を摺接ガイドするガイド孔J3aを先端部に設けた圧入案内治具J3を弁体1の先端部1a側に外挿し、圧入受け治具J2上に連設する(圧入案内治具連設工程)。
そして、圧入案内治具J3のガイド孔J3a内に押さえリング4を、弁体1の先端部1a外周に圧入される基端部側から挿入する(押さえリング挿入工程)(図3の右半部)。
次いで、先端面に弁体1の先端部1aの逃げ穴J4aが形成され押さえリング4を圧入するロッド状の圧入押し治具J4を、圧入案内治具J3のガイド孔J3aに摺接挿入する(圧入案内治具挿入工程)(図3の右半部)。
最後に、圧入機の可動部J5により圧入押し治具J4の後端面を押圧して、押さえリング4を弁体1の先端部1aに圧入することにより、装着溝2に装着されたOリング3を、装着溝2と押さえリング4との間に挟み込んで内側段部2aと外側段部4aとにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形し、一部先端部が袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して弁座6をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部3a(図1、2)を形成し(押さえリング圧入工程)(図3の左半部)、バルブシート構造が形成される。
この際、前記間口からはみ出すシール突起部3aの略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリング3の自由状態における断面積をAとすれば、Oリング3は、Al+A2<Aを満たし、好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形される。
このように、本発明によれば、従来の前記諸問題点を改善し、簡潔な構造で、特殊金型による成形を要しないOリング3を用い、押さえリング4の着脱により確実な取付け・取外しが容易で、Oリングのはみ出し、浮上がり現象あるいは袋溝状Oリング溝内のデッドスペースを生ずることなく、シール性及び半導体製造等において必要なプロセスガス等の流体置換特性にも優れたバルブシート構造を提供することができる。
1 弁体(圧接軸)
1a 先端部
1b 基端部
2 装着溝
2a 内側段部
2b シール底面
2c、4c 傾斜面
2d、4b 内周面
3 Oリング
3a シール突起部
4 押さえリング
5 弁ボディ
6 弁座
7 操作部
8 送りナット
9 抜け止め板
10 固定ねじ
11 弁室
12a 流入流路
12b 流出流路
13 配管接続ねじ部
1a 先端部
1b 基端部
2 装着溝
2a 内側段部
2b シール底面
2c、4c 傾斜面
2d、4b 内周面
3 Oリング
3a シール突起部
4 押さえリング
5 弁ボディ
6 弁座
7 操作部
8 送りナット
9 抜け止め板
10 固定ねじ
11 弁室
12a 流入流路
12b 流出流路
13 配管接続ねじ部
Claims (5)
- 流入流路と流出流路を有する弁ボディ内の弁室に弁座を設け、この弁座に対する弁体の先端部対向面に装着されたOリングの離隔又は圧接により流出流路を開閉するバルブにおいて、
前記弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有する前記シール底面に略垂直な内周面からなるOリングの装着溝と、
前記弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングと、を備え、
前記装着溝に装着されたOリングは、前記装着溝と押さえリングとの間に挟みこまれ、前記内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形されて一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して前記弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部が形成されることを特徴とするバルブシート構造。 - 前記装着溝内角部、外側段部の内周面との角部、内側段部及び外側段部の先端角部はいずれも丸み形成されることを特徴とする請求項1記載のバルブシート構造。
- 前記間口からはみ出すシール突起部の略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリングの自由状態における断面積をAとすれば、
前記Oリングは、Al+A2<Aを満たし、
好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形され、
前記シール突起部の間口からはみ出す所定高さは、前記弁体と弁座間の所要締代を確保するよう上記の計算式を逆算して設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバルブシート構造。 - 流入流路と流出流路を有する弁ボディ内の弁室に弁座を設け、この弁座に対する弁体の先端部対向面に装着されたOリングの離隔又は圧接により流出流路を開閉するバルブにおいて、前記弁体の弁座対向面の外周端部に形成され、平坦なシール底面及び先端部に外周側に向け傾斜面が形成され反り出す内側段部を有する前記シール底面に略垂直な内周面からなるOリングの装着溝と、前記弁体の先端部外周に圧入され、先端部内周面に中心軸側に向け傾斜面が形成され反り出す外側段部を有する略円筒状の押さえリングとからなるバルブシート構造の圧入機を用いた組立方法であって、
前記弁体の装着溝にOリングを装着するOリング装着工程と、
前記Oリングが装着された弁体の操作部側基端部を、圧入機の固定部に支持する圧入受け治具に装着する弁体支持工程と、
前記弁体の先端部外周に圧入される押さえリングの外周を摺接ガイドするガイド孔を先端部に設けた圧入案内治具を前記弁体の先端部側に外挿し、前記圧入受け治具に連設する圧入案内治具連設工程と、
前記圧入案内治具のガイド孔に前記押さえリングを、前記弁体の先端部外周に圧入される基端部側から挿入する押さえリング挿入工程と、
先端面に前記弁体の先端部の逃げ穴が形成され前記押さえリングを圧入するロッド状の圧入押し治具を、前記圧入案内治具のガイド孔に摺接挿入する圧入案内治具挿入工程と、
圧入機の可動部により前記圧入押し治具の後端面を押圧して、前記押さえリングを前記弁体の先端部に圧入することにより、前記装着溝に装着されたOリングを、前記装着溝と押さえリングとの間に挟み込んで前記内側段部と外側段部とにより構成される径方向断面略長方形に間口を有する袋溝状Oリング溝内を満たすように所定の割合で圧縮変形し、一部先端部が該袋溝状Oリング溝の間口からはみ出して前記弁座をシールする所定高さの略部分球体形状のシール突起部を形成する押さえリング圧入工程と、を有することを特徴とするバルブシート構造の組立方法。 - 前記間口からはみ出すシール突起部の略部分球体の断面積をAl、前記間口から袋溝状Oリング溝内の断面積をA2、Oリングの自由状態における断面積をAとすれば、
前記Oリングを、Al+A2<Aを満たし、
好ましくは、Al+A2≒0.8A〜0.85Aの割合で圧縮変形し、
前記シール突起部の間口からはみ出す所定高さを、前記弁体と弁座間の所要締代を確保するよう上記の計算式を逆算して設定することを特徴とする請求項4記載のバルブシート構造の組立方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006249341A JP2008069873A (ja) | 2006-09-14 | 2006-09-14 | バルブシート構造とその組立方法 |
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Publications (1)
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JP (1) | JP2008069873A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013158677A (ja) * | 2012-02-03 | 2013-08-19 | Nok Corp | ハウジング装着中空糸膜モジュール |
WO2014167661A1 (ja) * | 2013-04-10 | 2014-10-16 | Nok株式会社 | ハウジング装着中空糸膜モジュール |
US9383021B2 (en) | 2010-08-16 | 2016-07-05 | Protego (Usa), Inc. | Switching valve |
KR20160149726A (ko) | 2015-06-19 | 2016-12-28 | 미네베아 가부시키가이샤 | 밸브 유닛 |
-
2006
- 2006-09-14 JP JP2006249341A patent/JP2008069873A/ja active Pending
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