JP2008256150A - 偏心形バタフライバルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】三重偏心構造によって優れた密封性能や機能性を発揮できる偏心形バタフライバルブであり、加工性が向上して容易に形成することができ、長期に渡って高シール性を維持できる簡単な構造の偏心形バタフライバルブを提供すること。
【解決手段】弁体13の中心を弁棒12の回転軸Oから一定距離偏心させた一次偏心と、弁棒12の中心Oを流路方向の中心Oから一定距離偏心させた二次偏心と、中心Oから傾斜した中心Oを有する円錐Eのシール面14を、シートリテーナ25で固定されたシートリング20の内周シール面21に密接シールした三重偏心構造のバタフライバルブであって、シートリテーナ25のシートリング20に当接する側の内径25aを真円形状に設け、真円25aの中心25bをシートリング20の当該当接面側の楕円形状を呈するシール径の中心25dとほぼ一致させた偏心形バタフライバルブである。
【選択図】 図5

Description

本発明は、弁棒の中心を弁体の中心から偏心させた構造を呈する偏心形バタフライバルブに関する。
従来より、弁棒の中心を弁体の中心から偏心させた構造の偏心形バタフライバルブと呼ばれるバルブが知られている。偏心形バタフライバルブとしては、一次偏心弁、二重偏心弁、及び三重偏心弁と呼ばれるバルブがある。
一次偏心弁は、弁棒の回転軸の中心と弁体の中心を流路方向に離した構造であり、バルブ本体の流路の中心線の所定の点から弁体の外周に向けて仮想の円錐を設け、この円錐の弁体との接触面をシートリングのシール面としたものである。
二重偏心弁は、この一次偏心に加えて、弁棒の回転軸の中心を、バルブ本体の流路の中心線から平行方向に離したものである。
一方、三重偏心弁は、二重偏心に加えて、円錐の頂点をバルブ本体の流路の中心線から傾けた位置に設け、この頂点からシートリングの内周に向けて傾けた仮想円錐を設けて、この円錐の切断面をシートリングのシール面としたものである。この円錐の中心線からの傾きにより、シートリングのシール面は、バルブ本体の中心線方向、すなわち、流路方向から見て楕円形状になっている。
三重偏心弁は、このような構造により、シール面に対して弁体をくさび状に押し込んで圧接シールできるようにしており、圧接状態となる直前までシールリングのシール面に対して弁体が摺動しないため、一次偏心弁、二重偏心弁に比べてシートリングの消耗を抑えつつ長期に渡って高い密着シール性を維持できる。また、この無摺動の開閉動作により、シートリングが柔軟性を必要としないため、金属製のシートリングを用いることができる。これにより、三重偏心弁は、高温流体や高圧流体にも適用でき、一次偏心弁、二重偏心弁に比べて密封性能や機能性に優れたバルブとなっている。
図10〜図12に基づいて、一般的な構造の三重偏心弁を説明する。この三重偏心弁は、シートリング2に対して弁体4が弁本体1側からシートリテーナ3側まで密接シールし、シートリング2のシール径は、弁本体1側におけるシール径2a、シートリテーナ3側におけるシール径2cの双方で楕円形状を呈している。
シートリング2のシール面は、前記のように、傾けた円錐の切断面により構成しているため、この傾けた円錐により、各楕円形状のシール径2a、2cの中心2b、2dは、結果として図10のように偏心量Xにより偏心している。
一方、シートリング2は、シール径2a側の面である先端面と、シール径2c側の面である後端面側が、弁本体1とシートリテーナ3によって支持されている。このとき、弁本体1側のシートリング2の支持面である座面5の内径1aと、シートリテーナ3側のシートリング2を支持しているシートリテーナ3の内径3aは、シートリングのシール径2a、2cと同様に楕円形状に形成され、この楕円形状によりシール径2a、2cの外周側を支持している。この場合、シートリング2を均一に支持するために、内径1a、3aの中心1b、3bをシール径2a、2cの中心2b、2dに一致させる必要があり、よって、中心1bと中心3bも、シートリング2と同じく結果として偏心量Xにより偏心する。
このように、通常、シートリング2のシール径2a、2cの外周側は、同形状の内径1a、3aで挟まれるように支持されることでシートリング2を均一に支持するために、上記の場合、双方を楕円形状に設けたものである。
内周側シール面が楕円形状を呈するシートリングを有する三重偏心弁として、例えば、特許文献1の偏心弁がある。この偏心弁は、弁本体の内周面とリテーナの内径側を楕円形状に設け、この弁本体とリテーナによってシートリングを支持して弁閉止力や流体圧力によるシートリングへの負荷荷重を支持しようとしたものである。この三重偏心弁では、弁本体とリテーナ内径側の楕円の偏心については、明確になっていない。
一方、シートリングと弁本体に固着するシート押え(シートリテーナ)との間に薄い剛性のシートからなるスペーサを介挿し、シートリングを固持するようにした偏心形バタフライ弁が特許文献2に開示されている。このバタフライ弁は、内外共に円形に形成したシート押えにより、内周を楕円形、外周を円形状に形成したスペーサを挟んだ状態で、シート押え、スペーサ及びシートリングを、複数のシート取付ボルトにより弁本体に固着するようにし、スペーサを用いてシートリングを均一に支持しようとしたものである。
特開平11−148563号公報 特許第3740360号公報
しかしながら、特許文献1や図10の三重偏心弁において、例えば、図10の三重偏心弁は、弁本体1側の内径1aやシートリテーナ3側の内径3aを楕円形状に形成しているため、対象品を回転しながら加工を施す旋盤では加工が困難である。このため、弁本体1やシートリング2の内径側を加工する際には、例えば、フライスやマシニングセンタ等の加工機によって刃物側を回転・移動するミリング加工を行う必要が生じ、その結果、加工が複雑になったり加工時間が増えたりして、加工コストも高くなるという問題が生じていた。
これに対し、特許文献2の偏心形バタフライ弁は、楕円加工を施す必要のあるシートリテーナーの内径側を薄型の金属スペーサとし、この金属スペーサをレーザ等で加工することによりコストの低減を図れるようにしたものである。しかし、このような三重偏心形バタフライバルブは、弁体の閉止トルクの増大によってシートリングのシール性を向上させる、いわゆる、トルクシール機能の構造を有しているため、金属スペーサを用いたシール構造では、増大する弁体の閉止トルクを支えるのには不利であると共に、部品点数が多くなるという課題も有していた。
本発明は、上記の実情に鑑みて鋭意研究の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、三重偏心構造によって優れた密封性能や機能性を発揮できる偏心形バタフライバルブであり、加工性が向上して容易に形成することができ、長期に渡って高シール性を維持できる簡単な構造の偏心形バタフライバルブを提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、弁箱内に弁棒を介して回転自在に軸支される弁体を設け、この弁体は、中心を前記弁棒の回転軸から一定距離偏心させ、かつ流路の中心から一定距離偏心させた位置に配設し、流路の中心から傾斜した中心線を有する円錐の外周面により楕円形状のシール面を形成し、このシール面を、弁箱に設けたシートリテーナで固定されたシートリングの内周シール面に密接シールするようにした三重偏心形のバタフライバルブであって、シートリテーナのシートリングに当接する側の内径を真円形状に設け、この真円の中心をシートリングの当該当接面側の楕円形状を呈するシール径の中心とほぼ一致させた偏心形バタフライバルブである。
請求項2に係る発明は、シートリテーナの外径側の円の中心を、このシートリテーナの真円内径の中心から偏心配置した偏心形バタフライバルブである。
請求項3に係る発明は、シートリテーナの外径側の円の中心を、このシートリテーナの真円内径の中心と一致させ、このシートリテーナ全体が弁箱の中心に対して偏心配置した偏心形バタフライバルブである。
請求項4に係る発明は、弁箱のシートリングが当接する側の座面内径を真円形状に設け、この真円の中心をシートリングの当該当接面側の楕円形状を呈するシール径の中心とほぼ一致させた偏心形バタフライバルブである。
請求項1に係る発明によると、三重偏心構造によって優れた密封性能や機能性を発揮できる偏心形バタフライバルブであり、シートリテーナの内径を真円形状にすることにより旋盤加工などで容易に加工して形成することができ、コストの低減も図ることのできる偏心形バタフライバルブである。しかも、弁箱とシートリテーナの間にシートリングを挟んだ一般的な構造であるため、あらたに部品を必要とすることがなく、簡単な構造によって設けることができる偏心形バタフライバルブである。また、弁閉時には、閉止トルクの増大によってシール性を長期に渡って発揮させることができる偏心形バタフライバルブである。
請求項2に係る発明によると、弁箱のシートリテーナの装着溝における偏心加工が不要となり、この装着溝を簡単に設けることができる偏心形バタフライバルブである。このとき、シートリテーナの外径は真円であり、この真円の外径の中心を弁箱の流路中心と同心に設けているため、この真円外径をシートリテーナの真円の内径に対して確実に偏心させることができる。しかも、例えば、治具等を用いることにより、シートリテーナを容易に旋盤加工等を施すことが可能になり、コストを大幅に削減することができる偏心形バタフライバルブである。
請求項3に係る発明によると、シートリテーナに偏心加工を施すことなく、このシートリテーナの内径側の中心をシートリングの当接面の中心に一致させることができ、シートリテーナの加工が容易な偏心形バタフライバルブである。
請求項4に係る発明によると、弁箱に楕円加工を施すことなくシートリング取付け用の座を形成することができるため、加工を簡略化して製造コストを削減できる偏心形バタフライバルブである。
以下に、本発明における偏心形バタフライバルブの好ましい一実施形態とその作用を図面に基づいて詳細に説明する。図1ないし図7において、本発明の偏心形バタフライバルブの弁本体10の弁箱11は、内部に流路11aを有しており、この弁箱11内に、弁棒12を介して弁体13を回転自在に軸支している。弁体13は、弁棒12を90°回転操作することにより開又は閉状態に操作可能に設けている。弁箱11の両側には取付フランジ15aを備えた継手15を取付け可能に設けており、この継手15は、弁箱11を挟んだ状態にして、ボルト孔15bに図示しない固着ボルトを固着することで取付けている。継手15には管19が設けられ、弁本体10の流路を構成している。本例においては、この流路の向きを、弁体13における弁棒12の取付け側を一次側、弁体13を挟んだ他方側を二次側としているが、この向きに限ることなく、逆向きに使用してもよい。
弁箱11の内部には、シートリング20を装着するための装着溝16を設けており、この装着溝16のシートリング20が当接する側に座面17を設けている。この座面17の内径17a及び外径17dは同心の真円形状に設けている。また、装着溝16より流路11aの二次側(図1における座面17の右側)には、シートリテーナ25を装着するための取付溝18を設けており、この取付溝18も真円形状に形成している。更に、座面17より一次側(図1における座面17の左側)には、リテーナボルト30取付け用のボルト穴17cを穿孔して設けている。このように、本実施形態における弁本体10は、図2に示すように、シートリテーナ25が嵌合する弁箱11にインロー部位として段状の取付溝18を設け、この取付溝18内にシートリテーナ25を当接する当て面18aと、装着溝16、装着溝16の底面としてシートリング20の装着面である座面17を配置した構造となっている。
弁体13は、その中心(シートリング20とのシール位置)を弁棒12の回転軸Oから二次側に一定距離αによって偏心させて設けており、かつ、弁棒12の回転軸Oを弁箱11の流路の中心線Oから一定距離βによって偏心させた位置に配設し、更に、中心線Oから角度γによって傾斜した中心線Oを有する円錐Eの外周面により楕円形状のシール面14を形成している。このシール面14は、弁箱11側に固定された後述するシートリング20の内周シール面21にシール可能に設けている。弁体13は、閉方向に回転させたときに、このような三重偏心構造によってシール面14が摺動することなくシートリング20の内周シール面21に密接シールでき、優れた耐久性を発揮しつつ高い密着シール性を発揮できるように設けている。
上記のような三重偏心構造において、シートリング20は、図6、図7に示すように、その内周シール面21が流路方向から見て楕円形状になるように形成され、更に、この内周シール面21は、流路方向に対して一次側を拡径した略円錐形状に設けられている。
また、シートリング20の外径側は真円形状に設けており、シートリング20を弁箱11の座面17に装入した後に、このシートリング20の外周側をシートリテーナ25を介してリテーナボルト30でほぼ均等間隔に締付けできるようにしている。
シートリング20の装着時には、このシートリング20を弁箱11の座面17の中央位置に配置し、その上からシートリテーナ25を取付溝18に取付け、シートリテーナ25に形成した取付穴26の上からリテーナボルト30をボルト穴17cに螺着して固着する。これにより、シートリング20は、弁箱11とシートリテーナ25によって挟持された状態で固定される。
シートリング20は、図示しないが、非金属弾性体の板と金属の板とを積層して形成するのがよい。本実施形態においては、非金属弾性体の板は、例えば、膨張黒鉛(グラファイト)を主体とするものであり、金属の板は、例えば、SUS316などのステンレス鋼を用いている。このとき、シートリング20の弁箱11への取付け側には、ゴム、又は軟質樹脂、或はグラファイトからなる図示しないシール部材(ガスケット)を介在するのが望ましく、この場合、シール部材により、シートリングの装着部位である弁箱11とシートリング20の間から流体が漏れる現象を防ぐことができる。シール部材は、シートリング20と座面17の間に挟着するように取付けられることで、漏れが確実に防がれる。
図5ないし図6において、シートリテーナ25は、シートリング20に当接する側の内径25aを真円形状に設けている。本実施形態では、図4に示すように、シートリテーナ25の内径と外径を共に真円形状に形成し、外径側の円25cの中心25dを弁箱11の流路の中心11aと同心に設けており、真円内径25aの中心25bから偏心配置している。これにより、弁箱11への偏心加工を行うことなく、真円内径25aの偏心配置を可能としている。
ここで、シートリング20に関し、シートリテーナ25や弁箱11(座面17)に対する、内周シール面21の張り出し量について詳しく説明する。三重偏心形のバタフライバルブにおいては、図5のシートリング20のシール径20a(内周シール面21の弁箱11側の楕円)と、シール径20c(内周シール面21のシートリテーナ25側の楕円)は、図1における中心線(流路軸心)Oから傾斜した中心線Oを有する円錐Eを、中心線Oに対して直交方向で且つシートリング20の厚さ20eに離間した位置における切断面外径に相当している。その結果、この三重偏心バタフライバルブは、シートリング20の内周シール面21におけるシール径20aの楕円中心20bと、シール径20cの楕円中心20dとが偏心する構造になっている。このときの偏心量をeとして表している。
上記のシートリング20を、真円内径25aを有するシートリテーナ25で固定する場合において、図8の比較例のように、仮に、シートリテーナ25´の真円内径25a´の中心25b´を、シートリング20´のシール径20a´(弁箱11´側の楕円)の中心20b´と一致させてしまうと、シール径20c´側の中心20d´との偏心量eに起因して、シートリング20´のシートリテーナ25´に対する張り出し量H´、H´が、弁棒12に対する直交方向(図5における左右方向)において不均一なものとなる。
これに対し、本発明における偏心形バタフライバルブは、図6に示すように、シートリテーナ25の真円内径25aの中心25bを、このシートリテーナ25側のシートリング20の当該当接面の楕円形状を呈するシール径20cの楕円中心20dとほぼ一致させているので、シートリング20のシール径20c側の左右において、シートリテーナ25に対するシートリング20の張り出し量H、Hが均等なものとなり、安定したシール性を確保できる。
一方、図7においては、シートリング20の弁箱11への取付け状態を示している。
弁箱11のシートリング20が当接する側(座面17)の座面内径17aは前記のように真円形状であり、この真円の中心17bをシートリング20の当該当接面側の楕円形状を呈するシール径20cの楕円中心20bとほぼ一致させている。これにより、座面17の加工が容易になることに加え、座面17に対するシートリング20の張り出し量J、Jが均等なものとなり、安定したシール性を確保できる点においてより好ましい。
なお、三重偏心形のバタフライバルブにおいては、シール径20a、20cにおける楕円の長軸と短軸の長さの比はバルブごとに異なり、この比は三重偏心の各偏心寸法によって異なっている。弁体がシートリングに密接したときに高シール性を確実に発揮させるためには、このシートリング20の前記張り出し量を、全周にわたって一定にするのが望ましく、これを満足するために、シートリテーナ25の内径や弁箱11の座面17を、図11や図12の従来例のように、シートリング内周と相似形の楕円形状にするのが一般的になっている。
本発明の偏心形バタフライバルブにおいては、シートリテーナ25のシートリング20に当接する側の内径25aを真円形状に設けているため、シートリング20にこのシートリテーナ25を当接させた際に、図6におけるシートリング20の短軸側の上下の張り出し量H、Hが長軸側の左右の張り出し量H、Hよりも大きくなっている。つまり、弁本体10の内径、シートリテーナ25の内径を真円としたときの左右の張り出し量H(H)と上下の張り出し量H(H)の関係は、H(H)<H(H)である。本発明の偏心形バタフライバルブは、この張り出し量の差を極力減らすために、偏心量の設定を適切にし、楕円の扁平度合いを少なくすることで、弁箱10側の内径、シートリテーナ25の内径の真円化を可能にしている。
このため、シール径20cにおける楕円の長軸と短軸の比率を小さく設け、楕円の扁平度合いを少なくし、真円に近い楕円形状にする。このとき、シートリテーナ25の内径25aをシートリング20の楕円状のシール径20cの長軸よりも僅かに大きい直径の真円に形成し、内径25aとシール径20cの中心を合わせることで、楕円の上下の張り出し量H、Hが、左右の張り出し量H、Hに比べて大幅に増大するのを防ぐことができる。
また、座面17のシートリング20に当接する側の内径17aについても、上記と同様に真円形状に設ける場合には、シートリング20を座面17に当接させた際に図7におけるシートリング20の上下の張り出し量J、Jが左右の張り出し量J、Jよりも大きくなっている。
この部位に関しても、上記のシートリテーナ25側と同様に、三重偏心の各偏心寸法を適切に設定し、シール径20aにおける楕円の長軸と短軸の比率を小さく設け、楕円の扁平度合いを少なくして真円に近い楕円形状としている。このとき、シートリテーナ25側と同様に、座面17の内径17aをシートリング20の楕円状の内径20aの長軸よりも僅かに大きい直径の真円に形成しておくことで楕円中心20bと中心17bを合わせ、楕円の上下の張り出し量J、Jが、左右の張り出し量J、Jに比べて大幅に増大するのを防ぐことができる。
このとき、シートリング20の楕円の中心20b、20dは、弁箱11側とシートリテーナ25側では偏心しており、前記のように、弁箱11の座面内径17aとシートリテーナ25の内径25aを真円とした場合に左右の張り出し量を等しくするためには、弁箱11の内径側の中心17bとシートリテーナ25の内径側の中心25bを偏心配置しなければならない。
これにより、弁箱11とシートリテーナ25の真円の中心17bと25bを偏心配置した際に、シートリテーナ25の外径側の円25cの中心25dを弁箱11の中心11aと一致させることで、前述したように、シートリテーナ25の外径側の中心25dと内径側の中心25bは偏心する。
このようにして、シートリング20における内周シール面21の張り出し量の差が抑制され、シートリテーナ25の内径側や座面17の内径側を真円として、加工コストを低減しつつ、十分なシール性を得ることができる。
以上のように、本発明の上記実施形態における偏心形バタフライバルブは、シートリテーナ25の内径25aを真円形状に設け、この真円の中心25bをシートリング20のシール径20cの楕円中心20dとほぼ一致させているので、ミリング加工等の複雑な加工を施すことなく、旋盤加工等によって簡単にシートリテーナ25の内径側を加工できる。また、弁箱11に対して、シートリテーナ25の内径25aの形状と同様の真円形状の内径17aを形成できることにより偏心加工が不要となり、弁本体10の装着溝16の内周面も容易に加工できる。これにより、大幅に加工コストを削減しながら短時間で製作が可能となり、大量生産も容易になる。
また、弁体13を操作する際には、操作トルクに悪影響を与えることなく、開閉時に、この弁体13がスムーズに動作してトルクシール機能による高シール性を発揮することができる。しかも、部品点数が増加することなく、組み立て等も容易に行うことができる。
更に、上記実施形態においては、シートリング20を装着溝16に嵌合させたときにこのシートリング20と装着溝16との間に図示しない空隙を設けている。そして、シートリテーナ25は、装着方向においてこのシートリング20のみを押圧できるような装着構造となっており、リテーナボルト30を締め付けたときには、シートリテーナ25を介してシートリング20及びシール部材を弁箱11の座面17に圧縮固持できるようにしている。
この締め付けにより、シートリング20、シール部材が圧縮されると、シートリテーナ25の外周側が弁本体10のインロー部位である取付溝18の当て面18aに突き当たり、シートリング20とシール部材が圧縮固持されるときの位置精度が、この当て面18aによってほぼ決定される。これにより、この位置精度は、リテーナボルト30の締め付けトルクに左右されることなく決定し、安定したシール性能が得られる。
更に、この状態からリテーナボルト30を締め付けると、シートリテーナ25には一般的な皿ばねのように極僅かな撓みが生じ、リテーナボルト30の締め付け軸力がシートリテーナ25の撓みによって弾性力として蓄えられる。これにより、シール部材に応力緩和現象が働いたとしても、ライブロード効果を発揮することができる。
また、このシートリテーナ25の撓みによる応力の蓄積により、リテーナボルト30の緩みの進行を妨げることができ、脱落防止構造を設けることなくリテーナボルト30が自然に緩んだり脱落したりするのを防ぐことができる。
更に、この構造により、リテーナボルト30による固着の際に、シートリング20に肉厚の誤差等がある場合でも適切な締結力で締め付けることができる。
図9においては、本発明における偏心形バタフライバルブの他の実施形態を示している。この実施形態の弁本体40では、シートリテーナ41の真円外径41bの中心42bを、このシートリテーナ41の真円内径41aの中心42aと一致させ、このシートリテーナ41全体を弁箱45の中心47に対して偏心配置したものである。これにより、シートリテーナに偏心加工を施すことなく、取付溝46にシートリテーナ41を取付けたときに、このシートリテーナ41が中心47に対して偏心配置し、シートリテーナ41の中心42a(42b)をシートリングの当接面側における中心P(20d)に一致させることができる。
このように、本発明の偏心形バタフライバルブは、シートリテーナのシートリング当接側の内径を真円形状に設け、この真円の中心をシートリングの当接面側の中心とほぼ一致させるようにすれば、他の実施形態のようにシートリテーナ41全体を弁箱45に対してずらして取付ける構造とすることもでき、弁箱とシートリテーナの取付け構造は、各種の態様によって設けることができる。
本発明における三重偏心形バタフライバルブの一実施形態を示す横断面図である。 図1のA部の一部省略拡大図である。 図1の縦断面図である。 図1の正面図である。 本発明における三重偏心形バタフライバルブの要部を示した模式図である。 シートリングのシートリテーナ側の装着状態を、図5におけるB方向から示した模式図である。 シートリングの弁箱側の装着状態を、図5におけるC方向から示した模式図である。 シートリングの装着状態の比較例を示した模式図である。 本発明における三重偏心形バタフライバルブの他の実施形態を示した正面図である。 従来の三重偏心形バタフライバルブを示した横断面図である。 図10におけるシートリングの弁箱側の装着状態を示した模式図である。 図10におけるシートリングのシートリテーナ側の装着状態を示した模式図である。
符号の説明
10 弁本体
11 弁箱
12 弁棒
13 弁体
14 シール面
17 座面
17a 内径
17b 中心
18 取付溝
20 シートリング
20a、20c シール径
20b、20d 楕円中心
21 内周シール面
25 シートリテーナ
25a 内径(真円)
25b、25d 中心
25c 円

Claims (4)

  1. 弁箱内に弁棒を介して回転自在に軸支される弁体を設け、この弁体は、中心を前記弁棒の回転軸から一定距離偏心させた一次偏心と、かつ前記弁棒の中心を流路の中心から一定距離偏心させた位置に配設した二次偏心と、前記流路の中心から傾斜した中心線を有する円錐の外周面により楕円形状のシール面を形成し、このシール面を、前記弁箱に設けたシートリテーナで固定されたシートリングの内周シール面に密接シールするようにした三重偏心を有する三重偏心構造のバタフライバルブであって、前記シートリテーナの前記シートリングに当接する側の内径を真円形状に設け、この真円の中心を前記シートリングの当該当接面側の楕円形状を呈するシール径の中心とほぼ一致させたことを特徴とする偏心形バタフライバルブ。
  2. 前記シートリテーナの外径側の円の中心を、このシートリテーナの真円内径の中心から偏心配置した請求項1記載の偏心形バタフライバルブ。
  3. 前記シートリテーナの外径側の円の中心を、このシートリテーナの真円内径の中心と一致させ、このシートリテーナ全体が前記弁箱の中心に対して偏心配置した請求項1記載の偏心形バタフライバルブ。
  4. 前記弁箱の前記シートリングが当接する側の座面内径を真円形状に設け、この真円の中心を前記シートリングの当該当接面側の楕円形状を呈するシール径の中心とほぼ一致させた請求項1乃至3の何れか1項に記載の偏心形バタフライバルブ。
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