JP2008069528A - タイル貼り付け等に用いて有効な不織布ならびにその製造方法 - Google Patents

タイル貼り付け等に用いて有効な不織布ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリート面にタイル貼り付け等を行うに際し、下地モルタルと貼り合わせモルタルを強固に接合すめための好適な繊維を植え付ける不織布を提供し、モルタルが十分にタイル面まで浸透し、タイルの落下防止を確実にする。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層を物理的に接合してなる積層体よりなる不織布であって、該基材を貫通する短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲であり、該基材と該短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲であり、かつ積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲であるように形成した。
【選択図】 なし

Description

本発明はコンクリート面にタイル貼り付け等を行うに際し、コンクリート面にモルタルを塗布する工法において、下地モルタルと貼り付けモルタルの間を強固にし、貼り付けたタイルの落下を防止するための繊維植付け用の不織布ならびにその製造方法に関するものである。
従来、コンクリート面にタイル貼り付け等を行う場合には、コンクリート面に下地モルタルを塗布し、この下地モルタルの上に貼り付けモルタルを用いてタイルを貼り付けるのが一般的な工法である。しかし、この従来の工法ではコンクリートと下地モルタルとの接着が不充分で、この界面での剥離や剥落事例が多かったり、下地モルタルの表面が平坦であるため、下地モルタルと貼り付けモルタルとの付着強度が不足してタイルの剥離,落下を屡々招いていた。
そこで、コンクリートと下地モルタルとの接着力を高め、下地モルタルと貼り付けモルタルの付着強度を十分にするため、コンクリート表面に凹凸を設けたり、表面の目を粗くしたり、吸水調整材の塗布などが行なわれているが、これらの方法では何れも十分な接着力を確保することができず、剥離や剥落を確実に防止するには至らなかった。
また、下地層と貼り付けモルタルとの付着強度を高めるために下地層表面に不織布を埋め込み、下地層と貼り付けモルタルとの界面に不織布を介在させることが提案されているが(例えば特許文献1参照)、この方法は不織布を下地層表面に均一に埋め込むための作業が必要となり、非常に手間がかかるという難があった。そこで、これらを改善するためコンクリート面で下地モルタルを付着させた後、下地モルタルに線状体の束を埋め込み、一部をその表面に突出させ、その突出線状体を貼り付けモルタルで強固に埋めて下地モルタル上に貼り付けモルタルを介してタイルを貼り付ける工法(例えば特許文献2参照)や、コンクリート表面に不織布の繊維を残留、露出させ、その表面を調整した後に下地モルタル等を塗布し、繊維をモルタルに埋め込み付着を強固にすること(例えば特許文献3参照)などが提案されて来た。
特公平2−61584号公報 特開平5−141069号公報 特開2006−169945号公報
しかし、上記各提案に係るタイル貼り工法は、夫々、それなりに効果は認められるが、繊維をモルタルに埋め込み付着を強固にするにはなお些か十分とは云えない面があった。そこで本発明はこれらの現状に対応し、特に下地モルタルと、貼り付けモルタルの間を強固にするために好適な繊維を植付けるための不織布を見出すことにより、モルタルと貼り付けモルタルの間をより強固に接合し、モルタルが十分にタイル表面まで浸透し、貼り付けたタイルの落下防止を確実にすることを目的とするものである。
即ち、上記目的に適合する本発明の不織布は、基本的にポリオレフィン樹脂からなる基材に、ポリオレフィン短繊維層が物理的に接合されてなる積層体であって、該基材を貫通する短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲であり、該基材と該短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲であり、かつ積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲であるタイル貼り付け等に有効な不織布である。
請求項2〜5は上記請求項1記載の不織布の各実施態様であり、請求項2はポリオレフィン樹脂からなる基材として2層の熱可塑性樹脂層を積層した原反フィルムを延伸した後、延伸方向に沿って所要幅に裁断した一軸延伸多層テープを複数、一定の間隔をあけて平行に並べ、テープの長さ方向に直交するように2層積層するか、又は上記一軸延伸多層テープを縦,横に織成して一体化した、目付量が20g/m2〜200g/m2の範囲のシート状資材が用いられること、また請求項3は基材に接合されるポリオレフィン短繊維の短繊維繊度は5デシテックス(dtex)〜50デシテックス(dtex)の範囲で該短繊維層の目付量が20g/m2〜100g/m2の範囲が好適であること、そして請求項4は上記各発明におけるポリオレフィン樹脂としてはポリプロピレン樹脂が好適であることを夫々、特徴とする。
請求項5に係る発明は上記を総合した本発明の具体的な形態であり、積層した複数のポリプロピレン樹脂フィルムを一軸延伸した後、延伸方向に沿って所要幅に裁断して形成した一軸延伸多層テープを縦,横両方向に並列し、又は織成し圧着してなる目付量が20g/m2〜200g/m2のシート状資材を基材とし、ポリプロピレン短繊維層を積層してニードリングにより接合せしめた積層体であって、前記ポリプロピレンのシート状資材よりなる基材を貫通するポリプロピレン短繊維が10本/cm2〜150本/cm2であり、基材と短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmで、積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secである構成を特徴とする。
請求項6は上記不織布の製造方法であり、ポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層を積層し、短繊維層から基材に向けてニードリング処理を施してニードル針で短繊維を基材貫通させて該基材から貫通した短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲にあり、該基材と該短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲で、かつ該積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲になるよう加工し、製造することを特徴とする。請求項7は上記製造方法において、ポリオレフィン樹脂をポリプロピレン樹脂としたことを特徴とする。
上記本発明の不織布を用いてタイル貼り等を行うときは、下地モルタル表面に基材から貫通した短繊維が頭髪のように突出し、その表面にタイルを貼るべく貼り付けモルタルを接着すると下地モルタルと貼り付けモルタルとが投錨効果により強固に接着し、その結果、貼り付けたタイルの剥がれが著しく低減される。このとき本発明不織布の基材を構成するポリオレフィン樹脂基材は撥水性があり、通気性,通水性が殆どないが、物理的ニードルパンチ加工により適度の通気性,通水性が付与されてモルタルの固化をよくし、モルタルとの接着性を適度にして剥がし易くする。
殊に短繊維層の目付は、下地モルタルとのなじみ性を高め、短繊維の貫通本数は下地モルタルと貼り付けモルタルとの接合度合いに関係し、接着を良好ならしめると共に、基材と短繊維層との間の剥離強力は施工配設時に取扱性や施工配設後の下地モルタルと基材との剥ぎ取りや残留短繊維に関係し、下地モルタル表面への短繊維の貫通と、下地モルタル表面に残留する短繊維を適切ならしめ、下地モルタルの表面の短繊維と貼り付けモルタルの接着にあたり両者の接着を強固にし、タイルの落下を確実に防止する顕著な効果を奏する。なお、コンクリート面に壁塗り,プラスター塗り等を行う場合にも同様に効果を有する。
以下、更に本発明の具体的な実施形態について説明する。
本発明不織布はコンクリート面にタイルを貼り付ける場合、コンクリート面にモルタルを塗布する工法において、下地モルタルと貼り付けモルタルの間を強固に接着するために用いる不織布であり、特に下地モルタルに埋め込み、その表面に突出する繊維をタイルを貼り付けるための貼り付けモルタルで埋めて下地モルタルと貼り付けモルタルを強固に接合するのに好適な条件として不織布を構成する基材ならびに物理的に接合される短繊維層にポリオレフィン樹脂基材とポリオレフィン短繊維が用いられ、両者が物理的接合により不織布に形成されると共に、該不織布において基材から貫通した短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲にあり、基材と短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲にあり、かつ通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲にある各要件を具備するものである。ここで、上記不織布の素材は、ポリオレフィン樹脂に限定され、基材と短繊維共にポリオレフィン系が使用される。これはセメント成分がアルカリ性を示すため、アルカリに弱いポリエステル樹脂では好ましくなく、従ってアルカリに強く、セメントに好適な繊維樹脂であるポリオレフィンを使用する。
そして、本発明不織布は先ず、上記ポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層を積層し、ニードルパンチで基材に短繊維の一部を貫通させて一体化し、物理的に接合された積層体とする。ポリオレフィン樹脂基材は通気性,通水性がなく、モルタルとの接着性が弱く、剥がし易いことが好適であり、ポリオレフィン樹脂からなるフィルムであっても可能であるが、その複数層を積層した原反フィルムを3〜10倍に延伸し、延伸方向に沿って2〜7mmの巾に裁断して作製した一軸延伸多層テープを一定の間隔を開けて平行に並べテープの長手方向が直交するように2層に積層するか、あるいは上記一軸延伸多層テープを縦横に織成し、圧着せしめた割テープを使用したシート状資材が好適である。
また同様に既知の押出成形により第1の熱可塑性樹脂層と第2の熱可塑性樹脂層が積層された原反フィルムを縦方向に千鳥掛けにスプリッターを用いて割繊(スプリッター処理)するか、または熱刃によりスリット処理を施して多数の平行なスリットを形成させ、このスリットを形成した原反フィルムをスリット方向と直交する方向に拡幅することにより幹繊維がほぼ縦方向に配列された一軸延伸割繊維フィルムを得て、この一軸延伸割繊維フィルムを幹繊維が互いに直交するように2枚重ね合わせて加熱融着することにより得られるシート状資材を使用することも可能である。
なお、以上のように延伸強化されたポリオレフィンの割繊維を縦横に積層,織成し融着した製品は「ワリフ」と称されており、本発明における基材としてかかる「ワリフ」が通常、使用される。そして、上記基材において、その目付量,厚さはニードル加工と取扱性に関係し、目付量としては20g/m2〜200g/m2の範囲が好適である。目付量が20g/m2未満であると短繊維層を積層してニードル加工等を施す場合の加工性が劣り生産性が悪くなる。また不織布をセメントに施工配設した後、基材を剥ぎ取る時に剥離斑となるので好ましくない。
目付量が200g/m2を超えると基材が厚すぎて短繊維層を積層してニードル加工等を施す場合の加工性が劣り、生産性が悪くなる。また不織布をセメントに施工配設する場合の取扱性が悪く施工配設性が悪くなるので好ましくない。また、基材の厚さは特に限定されるものではないが、一般に0.05mm〜0.5mmの範囲が好適である 。厚さが0.05mm未満であると目付質量が20g/m2以上であっても短繊維層とニードル加工等を施す場合、破れを生じやすく、加工性に問題があり、厚さが0.5mmを超えると目付質量が100g/m2以下であっても短繊維層とのニードル加工がしにくく、また不織布を施工配設する時の取り扱いがしにくく、かつ厚いため施工配設しにくいので好ましくない。
一方、基材に積層され、ニードル加工で基材に物理的に接合される短繊維層はモルタルに埋め込まれるので基材同様、耐アルカリ性の繊維がよく、従ってこれにもポリオレフィン短繊維が使用される。そして、この短繊維層は基材と接合され、その一部が下地モルタルに埋め込まれ、該モルタルより短繊維が突出する必要があることから、目付量,繊維の繊度,繊維長が関係してくる。
目付量としては、繊維本数が多くなってもよくないが、繊度と関係し、20g/m2〜100g/m2が好適である。目付量が20g/m2未満の低目付量ではカーディング時に斑を生じ易いし、ウエブのつながりが困難になるため、斑の多い繊維層しか得られないという難があり、一方、目付量が100g/m2を超えると、短繊維が多いため下地モルタルのモルタルが浸透しにくくなり易く、そのために下地モルタルの表面強度が出なくなるので、好ましくない。
また、短繊維層を構成する繊維の繊度は、細いと腰がなくなり、モルタルとのなじみが悪くなる反面、太いと腰はあるが、目付量当たりの本数が少なくなるので、5デシテックス(dtex)〜50デシテックス(dtex)の範囲が好適であり、繊度が5デシテックス(dtex)未満では繊維の腰が弱いため下地モルタルのセメントの中に入れずに表面だけになり、下地モルタルに接着できないため、貼り付けモルタルの接着強力の効果がでない。また繊度が50デシテックス(dtex)を超えるとウエブの生産が困難であることと繊維本数が少なくなるので貼り付けモルタルとの接着力の向上効果がでないので好ましくない。更に、上記短繊維層を形成する繊維の繊維長は通常の50〜90mmであるが、ニードル加工により基材から貫通する短繊維と関係し、カーディング性と絡合性繊維本数に関係する。
かくして、前述したポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層を積層し、ニードル加工で物理的に接合し、本発明の不織布を作成するが、このとき、ニードルの針方向は短繊維層から基材を貫通して短繊維が基材から抜け、表面に貫通した短繊維による叢立層を形成するようにする。なお、通気性,通水性がない基材にニードル加工することにより適度の通気性,通水性が付与されモルタルの固化を良くし、モルタルとの接着性を適度に剥がし易くする。殊に、短繊維層の目付量と短繊維の貫通本数が下地モルタルに関係し、貫通本数によって下地モルタルと貼り付けモルタルの間を強固にする度合いが決まる。
短繊維層の目付量は下地モルタルとのなじみ性に関係し、不織布の基材と短繊維層との間の剥離強力(N/5cm)は施工配設時の取扱性や施工配設後の下地モルタルと基材との剥ぎ取りや残留短繊維に関係する。なかでも貼り付けモルタルに埋め込みを強固にするために繊維本数は重要であり、この貫通した短繊維は10本/cm2〜150本/cm2の範囲が好ましい。貫通した短繊維が10本/cm2未満では下地モルタルに貼り付けモルタルが固化した後の接着力は短繊維本数が少ないために弱くなり短繊維の効果が乏しく、貫通した短繊維が150本/cm2を超えると繊維本数が多いため貼り付けモルタルとのなじみが悪くなり接合斑を生じ易くなる。
一方、基材と繊維層の剥離強力は0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲が好適である。剥離強力が0.1N/5cm未満では基材と短繊維層との接着が不十分で、施工配設時に容易に基材から短繊維層が剥がれ、取扱性に欠ける。また下地モルタルを流し込むと基材が容易に剥がれたりずれたりして不均一なものとなるので好ましくない。剥離強力が2.0N/5cmを超えると下地モルタルに短繊維層が固着された後に基材を剥ぎ取ることが困難になり、基材の剥ぎ取り斑を生じる。基材を剥がしたとしても、短繊維が細かく切れて下地モルタルから短繊維の短いものだけとなり、貼り付けモルタルをつけたとしても下地モルタルとの接着力は弱いものとなるので好ましくない。
更に不織布の通気度も必要な他の要件であり、この通気度は0.1cm/sec〜30.0cm/secの範囲が好適である。通気度が0.1cm/sec未満では下地モルタルを流し込んだ後の水はけが悪くセメントの固化が不均一なものとなる可能性が高く、一方、通気度が30.0cm/secを超えると下地モルタルを流し込むと容易にセメント粒子が流れ出て基材側の短繊維層がセメントで固着され基材を剥ぎ取ることが困難になり、基材を剥がしたとしても、短繊維が細かく切れて下地モルタルから短繊維の短いものだけとなり、貼り付けモルタルをつけたとしても下地モルタルとの接着力は弱いものとなる。 次に上記の如き各要件を具備する本発明不織布のタイル貼り付けへの使用について説明すると、先ず、モルタルで壁等を作り込むのに木枠に下地モルタルを流し込むが、その木枠に予め前記本発明不織布を貼り付ける。その場合、下地モルタル側に短繊維層がくるようにし、木枠側に基材を貫通した短繊維がくるようにして、木枠にモルタルを流して下地モルタルを作成する。そして、モルタルが固化した後、不織布の基材を一旦、下地モルタルから剥がすと、下地モルタルの表面には残留短繊維が存在する。そこでこの下地モルタルの表面に貼り付けモルタルでタイルを貼り付ける。
下地モルタル側に不織布の短繊維層を埋め込むが、短繊維が多いとモルタルが繊維間に入り込みにくい。そのために下地モルタルの表面強度が出なくなる。従って繊維量には限界があり、少ない場合は下地モルタル側には問題はないが、表面に短繊維がどれだけ存在するかで決まる。埋め込んだ短繊維は下地モルタルが固化して固定され、その後に不織布の基材を剥ぎ取ることにより下地モルタルの表面に基材から貫通した短繊維が頭髪の様に露出し、その下地モルタルにタイルを貼り付けモルタルで貼ることにより下地モルタルの表面の短繊維と貼り付けモルタルが接着することになって下地モルタルと貼り付けモルタルが強固に接着し、その結果タイルの剥がれが低減される。
以下、更に本発明不織布の具体的実施例を説明する。
実施例1
繊度17.8デシテックス(dtex),繊維長76mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し目付量40g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数22本/cm2のニードル加工を施して貫通した短繊維本数が44本/cm2の均一な不織布を得た。
実施例2
繊度7.8デシテックス(dtex),繊維長56mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し 、目付量40g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数22本/cm2のニードル加工を施して貫通した繊維本数が122本/cm2の均一な不織布を得た。
実施例3
繊度17.8デシテックス(dtex),繊維長76mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し、目付量30g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ9.0mmでペネ数60本/cm2のニードル加工を施して貫通した繊維本数が55本/cm2の均一な不織布を得た。
実施例4
繊度17.8デシテックス(dtex),繊維長76mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し、目付量40g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量152.4g/m2で厚さ0.30mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数22本/cm2のニードル加工を施して貫通した繊維本数が27本/cm2の均一な不織布を得た。
実施例5
繊度33デシテックス(dtex),繊維長89mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し、目付量40g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数200本/cm2のニードル加工を施して貫通した繊維本数が27本/cm2の均一な不織布を得た。
比較例1
繊度17.8デシテックス(dtex),繊維長76mmのポリプロピレン(PP)繊維を均一に開繊し、目付量40g/m2の均一な短繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数200本/cm2のニードル加工を施して貫通した繊維本数が215本/cm2の均一な不織布を得た。
比較例2
繊度17.8デシテックス(dtex),繊維長56mmののポリプロピレン(PP)繊維90質量%と繊度4.4デシテックス(dtex),繊維長56mmのポリエステル複合繊維(L−PET)(低融点繊維の融点110℃)10質量%を均一に開繊し、目付量40g/m2の均一な短繊維層Aを得、更に繊度4.4デシテックス(dtex),繊維長56mmのポリエステル複合繊維(低融点繊維の融点110℃)100質量%を均一に開繊し、厚さ0.05mm,目付量50g/m2の均一な短繊維層Bを得て、この短繊維層Bを基材として短繊維層Aを積層してB面に平板熱プレスが当たるようにして処理条件温度130℃、処理時間3秒、圧力5Kg/cm2の接着処理をした。短繊維層Aの面は短繊維の羽毛が残った状態であった。
比較例3
繊度33デシテックス(dtex),繊維長89mmのポリエステル(PP)繊維を均一に開繊し、目付量110g/m2の均一な繊維層を得た。この短繊維層を基材(目付量61.3g/m2で厚さ0.19mmのポリプロピレンのワリフシート)の上に積層し、短繊維層から基材に向けて針深さ11.5mmでペネ数120本/cm2のニードル加工を施して不織布を得た。
次に上記実施例1〜5,比較例1〜3で得られた各不織布について、夫々、不織布の特性を下記により測定すると共に、夫々の不織布にセメントを施工配設した結果の評価を下記に従って行なった。
(1)各不織布の特性の測定
(イ)目付量(g/m2);50cm×50の大きさを切り出し、そのときの重さを測定し、1m2当たりの重量に換算する。
(ロ)厚さ(mm);15cm×15cmの大きさを切り出し、初荷重0.05g/m2を掛けて、4隅の高さを測定し、その平均値で示す。
(ハ)通気度;JIS L1096の6.27.1に記載のフランジール型試験機で測定した。
(ニ)繊維本数;基材に積層された短繊維層において基材を貫通して反対側の基材面に露出した繊維をマイクロスコープ(株式会社キーエンス製)にて150倍に拡大してその繊維本数を基材1cm2当たりで測定する。測定数はn=5とし、その平均値で示す。
(ホ)剥離強力(N/5cm);基材に積層された短繊維層において基材を貫通して反対側の基材面に露出した繊維からなる不織布の短繊維層面に両面接着テープ(日東電工株式会社NO.523)で短繊維を接着し両面接着テープの反対側に紙接着テープ(積水化学株式会社クラフトテープNO.500)を貼り試料調整した。
試料は50×200mmの試料片を取り、基材/短繊維層(両面テープ付き)不織布界面を長片に平行に約50mm剥がす。剥がした基材側と短繊維層側をそれぞれテンシロン試験機のチャックに取り付け速度100mm/minで引き剥がす。このときの剥離強力を求める。測定数はn=5とし、その平均値で示す。
(へ)取扱性;不織布を巻き出したり、施工配設した時に基材と短繊維層が層間剥離を生じて、めくれる度合いを評価
基材と短繊維層が一体となって良好である。 ○
基材から短繊維層が剥がれていないが扱いにくい。 △
基材から短繊維層が剥がれて扱いができない。 ×
(2)セメントの評価
(イ)木の型枠(長さ;40cm,幅25cm,高さ6cm)の底面に評価しようとする不織布の短繊維層がセメント側にくるように敷いて市販のセメント(インスタント)を4Kgと水900ccを均一に混合して、該木の型枠内に投入して40時間静置して固化させた。セメントの高さは2cmであった。この固化過程でセメントの水はけ性や固化したセメントと不織布の基材の剥離性、セメント表面の短繊維の状態を評価した。なお、インスタントセメントとして家庭化学工業株式会社製セメントの「日曜セメント」でポルトランドセメントと骨材(砂)と保水剤,接着材などを調合した施工用セメント材を使用した。
(ロ)セメントの水はけ性
施工配設された不織布にセメントを流し込んだ後の水の抜け具合を評価した。
不織布からセメントの水が適度に抜ける。 ○
不織布からセメントの水がやや抜けにくい。 △
不織布からセメントの水が抜けない、又は水が抜けすぎてセメントが漏出する。 ×
(ハ)セメントと基材の剥離性
セメント固化後のセメントと基材の剥離のしやすさを評価した。
セメントから不織布が容易に剥がれる。 ○
セメントから不織布がやや剥がれにくい。 △
セメントから不織布が剥がれ難く、セメント表面の短繊維が少ない。 ×
(ニ)型枠に固化したセメント表面にある短繊維に市販のセメントを2Kg流し込んで下地セメントと貼り付けセメントの剥離性により下地セメントと貼り付けセメントの接着状態を評価した。
下地セメントと貼り付けセメントの剥離性
下地セメントから貼り付けセメントがよく接着している。 ○
下地セメントから貼り付けセメントがやや接着不十分。 △
下地セメントから貼り付けセメントが簡単に剥がれる。 ×
かくして上記に基づいて評価した結果を表記すると下記表1の如くであった。
Figure 2008069528
上記の表より本発明に係る不織布を使用してタイル貼り付けを行なったものは水はけ及び短繊維層保持性が共によく、基材の剥離性,セメント−セメントの剥離性共に勝れ、接着性が高く、貼り付けたタイルの落下防止に極めて効果的であることが理解される。
本発明不織布は、コンクリート面にタイルを貼り付ける場合と同様にしてコンクリート面に壁材やプラスター塗り等を行う場合にも利用可能である。

Claims (7)

  1. ポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層が物理的に接合されてなる積層体であって、該基材を貫通する短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲であり、該基材と該短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲であり、かつ積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲であることを特徴とするタイル貼り付け等に用いて有効な不織布。
  2. ポリオレフィン樹脂からなる基材が2層の熱可塑性樹脂層を積層した原反フィルムを延伸した後、延伸方向に沿って所要幅に裁断した一軸延伸多層テープを複数、一定の間隔をあけて平行に並べ、テープの長さ方向に直交するように2層積層するか、又は上記一軸延伸多層テープを縦横に織成し一体化した、目付量が20g/m2〜200g/m2の範囲のシート状資材である請求項1記載のタイル貼り付け等に用いて有効な不織布。
  3. ポリオレフィン短繊維層の短繊維繊度が5デシテックス(dtex)〜50デシテックス(dtex)の範囲で、短繊維層の目付量が20g/m2〜100g/m2の範囲である請求項1または2記載のタイル貼り付け等に用いて有効な不織布。
  4. ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン樹脂である請求項1,2または3に記載のタイル貼り付け等に用いて有効な不織布。
  5. 複数のポリプロピレン樹脂フィルムを一軸延伸した後、延伸方向に沿って所要幅に裁断した一軸延伸多層テープを縦,横両方向に並列し、又は織成して圧着してなる目付量が20g/m2〜200g/m2のシート状資材を基材とし、ポリプロピレン短繊維層を積層してニードリングにより接合された積層体であって、基材を貫通する短繊維が10本/cm2〜150本/cm2であり、基材と短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmで、積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secであることを特徴とするタイル貼り付け等に用いて有効な不織布。
  6. ポリオレフィン樹脂からなる基材にポリオレフィン短繊維層を積層し、短繊維層側から基材に向けてニードリング処理を施し、ニードル針で短繊維を基材に貫通させて該基材から貫通した短繊維が10本/cm2〜150本/cm2の範囲にあり、該基材と該短繊維層との間の剥離強力が0.1N/5cm〜2.0N/5cmの範囲で、かつ該積層体の通気度が0.1cm/sec〜30cm/secの範囲になるよう加工することを特徴とするタイル貼り付け等に用いて有効な不織布の製造方法。
  7. ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン樹脂である請求項6記載のタイル貼り付け等に用いて有効な不織布の製造方法。
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