JP2008068814A - 操舵ハンドル - Google Patents

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文夫 岸田
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Abstract

【課題】 グリップとスポークを持つ操舵ハンドルにおいて、より操作性の向上した操舵ハンドルを提供すること。
【解決手段】 操舵ハンドル1は、ステアリングシャフト30の軸線回りに旋回可能に配設されたグリップ10と、グリップ10に連結された第1連結部(チューブ部材21の一端21a)およびボス部40を介してステアリングシャフト30に連結された第2連結部(ロッド部材22の基端22a)を有するスポーク20を備える。スポーク20は、グリップ10とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離が可変となるように、チューブ部材21が軸方向に移動可能に構成される。このため、グリップ10の旋回中にチューブ部材21が軸方向移動することによって、グリップ10は所望の非円形形状の旋回軌跡をステアリングシャフト30の軸線回りに描くことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、操舵ハンドルに係り、特に、運転者が把持するグリップと、このグリップをステアリングシャフト(操舵軸)に連結するスポークとを有する操舵ハンドルに関する。
現在、車両用に一般的に用いられている操舵ハンドルは、円形形状のステアリングホイールを有する。ステアリングホイールは、その中心部分にてステアリングシャフトと連結されていて、運転者がステアリングホイールを回動させるとステアリングシャフトが自転し、自転量に応じた操舵操作量が転舵機構に伝達される。そして、転舵機構は伝達された操舵操作量に応じて車輪を転舵する。こうして操舵操作が行われる。
上記したステアリングホイールに代えて、運転者が把持する部分のみで構成されるグリップと、このグリップをステアリングシャフトに連結するスポークとを備えた操舵ハンドルが提案されている。特許文献1には、ステアリングシャフトの軸線の車両左右方向に配された一対のグリップを持つ操舵ハンドルが記載されている。この操舵ハンドルは、一対のグリップから延びる一対のアームを、ステアリングシャフトの側周回りに配したカム部材の長孔を通じてステアリングシャフトに連結した構造を採用しており、一対のグリップの操舵操作に伴い、一対のアームが上記長孔の範囲内で移動することによりステアリングシャフトが回転するように設計されている。また、上記長孔を車両前後方向に傾斜させることによって、グリップの操作位置を変化させることができるというものである。また、特許文献2には、グリップとステアリングシャフトとの間にリンク機構を介在させた操舵ハンドルが記載されている。この操舵ハンドルは、リンク機構によりグリップの旋回に応じてグリップとステアリングシャフトとの間の距離を変化させることができ、このため操舵軌跡を上下方向に短軸を持ち左右方向に長軸を持つ閉楕円曲線形状とすることができるというものである。
特開2005−246987号公報 特開2005−104406号公報
特許文献1に記載の操舵ハンドルは、操舵範囲がカム部材の長孔の範囲に限定されてしまうため、操舵角度を大きくすることができない。また、特許文献1に記載の操舵ハンドルのグリップは、決められた円弧形状の旋回軌跡を描くようにされており、旋回軌跡を楕円形状などの非円形形状とすることはできない。また、特許文献2に記載の操舵ハンドルのグリップは、リンク機構により楕円形状の旋回軌跡を描くことができるものの、その旋回軌跡は決められた所定の楕円閉曲線であるため、操舵軌跡に自由度を持たせることができない。また、リンク機構を採用しているため、操舵角が狭くなり、一回転以上操舵することが困難であるとともに、構造自体も複雑となる。このように、いずれの特許文献に記載の操舵ハンドルも、さらなる操作性の向上が望まれる。
したがって、本発明は、グリップとスポークを持つ操舵ハンドルにおいて、より操作性の向上した操舵ハンドルを提供することを技術的課題とする。
上記課題を達成するために、本発明は、車両のステアリングシャフトの軸線回りに旋回可能に配設されたグリップと、前記グリップに連結された第1連結部および前記ステアリングシャフトに連結された第2連結部を有し、前記グリップの旋回に伴い前記ステアリングシャフトの軸線回りを旋回して前記ステアリングシャフトを回転させるとともに、前記グリップと前記ステアリングシャフトとの間の距離が可変となるように少なくとも前記第1連結部が移動可能に構成されたスポークと、を備えた操舵ハンドルとした。
上記発明によれば、グリップとステアリングシャフトを連結するスポークは、グリップ側に連結した部分(第1連結部)とステアリングシャフト側に連結した部分(第2連結部)を持つ。そして、グリップとステアリングシャフトとの間の距離が可変となるように少なくとも第1連結部がステアリングシャフトに対して移動可能に構成されている。したがって、グリップの旋回中に第1連結部を含む部分を例えばスポークの軸方向に移動させることによって、グリップとステアリングシャフトとの間の距離が変化し、グリップは所望の非円形形状の旋回軌跡をステアリングシャフトの軸線回りに描く。よって、本発明の操舵ハンドルはグリップの旋回軌跡を様々な非円形形状とすることができるので、旋回軌跡の自由度が大きく、操作性に優れた操舵ハンドルとすることができる。
この場合、前記グリップが前記ステアリングシャフトの軸線回りを旋回するときに前記グリップの旋回軌跡が所定の非円形形状となるように前記グリップを誘導する誘導手段を備えるのが良い。誘導手段に従ってグリップが所定の非円形形状の旋回軌跡を描くようにすることにより、グリップの旋回動作を安定化することができる。
誘導手段としては、前記ステアリングシャフトを覆うコラムチューブに取り付けられて、前記ステアリングシャフトの軸線回りに非円形閉ループ形状のガイド通路が形成されたガイド板と、前記グリップまたは前記スポークに連結し、前記グリップの旋回に伴い前記ガイド通路に沿って移動する移動手段と、を備えて構成することができる。このような誘導手段を用いることにより、グリップが移動手段の移動軌跡にしたがった旋回軌跡を描く。また、ガイド板がコラムチューブに取り付けられている構成であるため、必要に応じてガイド板を取り外すことができる。そして、異なったプロフィールを持つガイド通路が形成されたガイド板を再度取り付けることにより、グリップに異なった旋回軌跡を描かせることができる。このようにしてグリップの旋回軌跡を簡単に変更することができる。また、前記ガイド通路をガイド溝として、前記移動手段が前記グリップの旋回に伴い前記ガイド溝内を移動するように構成することもできる。ガイド溝内を移動する移動手段としては、ガイド溝を転動可能なコロとすることができる。その他、ガイド通路をガイドレールのようなもので構成し、このガイドレールに係合するソケット状のものを移動手段として構成してもよい。
また、前記スポークは、前記第1連結部を含む第1部材と、前記第2連結部を含む第2部材を有し、前記第1部材が前記第2部材に相対的に軸方向移動可能に構成してもよい。このように構成することにより、グリップの旋回軌跡に応じて第1連結部を含む第1部材が第2連結部を含む第2部材に対して移動し、スポークの全体長が変化する。よって、第2部材の第1連結部にて連結したグリップがスポークの全体長の変化を受けて、非円形の旋回軌跡をステアリングシャフトの軸回りに描く。
第1部材が第2部材に相対的に軸方向移動可能に構成する具体的手段としては、種々の構成が考えられる。例えば、第1部材と第2部材との間にゴムやバネなどの弾性部材を介在し、この弾性部材の圧縮、伸張を利用して第1部材を第2部材に相対的に軸方向移動させることができる。また、第1部材と第2部材のどちらか一方をチューブ状の部材とし、他方をロッド状の部材として、両部材をスプライン嵌合させておき、このスプライン嵌合により軸方向に相対移動可能に構成することもできる。この場合には、上記した弾性部材などの別部品を用いずとも、第1部材を第2部材に相対的に軸方向移動させることができる。
また、前記スポークは軸方向に形成された長孔を有し、前記ステアリングシャフトは前記長孔にて前記スポークに係合し、前記長孔内における前記ステアリングシャフトと前記スポークとの係合位置がスポークの軸方向に可変となるように構成してもよい。これによれば、ステアリングシャフトとスポークとの係合位置が長孔内でスポークの軸方向に移動することにより、第1連結部を含むスポークの全体がステアリングシャフトに対して軸方向に移動し、グリップとステアリングシャフトとの相対位置がスポークの軸方向に変化する。このようなスポークの全体移動を受けて、グリップが非円形の旋回軌跡をステアリングシャフトの軸回りに描く。この場合において、前記スポークは、前記ステアリングシャフトに形成された二面幅部分に前記長孔により係合しているとよい。ステアリングシャフトの二面幅部分がスポークの長孔に係合することにより、スポークがステアリングシャフトに対して軸方向移動しても、スポークの回転をステアリングシャフトに伝達することができる。
また、前記スポークは、少なくとも前記第1連結部が前記ステアリングシャフトの軸方向に移動可能となるように、前記ステアリングシャフトに対して揺動可能に連結されているとよい。このようにスポークがステアリングシャフトの軸方向に揺動可能であれば、グリップの位置がステアリングシャフトの軸方向に変化する旋回軌跡を描くことができる。グリップの旋回軌跡がステアリングシャフトに対して直交する平面内で描かれている場合、つまりグリップの位置がステアリングシャフトの軸方向に変位しない場合、グリップを把持する運転者にとって、グリップの旋回位置によってはグリップを旋回操作しにくい場合も考えられる。例えば、グリップが上方に位置する場合は下方に位置する場合よりもグリップの位置が運転者から遠い場合が多く、この場合はグリップを下方から上方に旋回操作する場合に運転者は腕を遠い位置まで取り回さなければならないため、旋回操作を行いにくい。このような場合に対し、本発明のようにスポークがステアリングシャフトの軸方向に揺動可能であれば、スポークに連結したグリップが上方に位置したときに運転者に近づき、把持部が下方に位置したときに運転者から遠ざかるような曲面内にグリップの旋回軌跡を描かせることができる。このように構成することによって、グリップの旋回操作性を向上することができる。
上記発明において、「グリップ」は、運転者が操舵操作を行うときに主に手などで把持されて旋回される部分のことであり、発明の性質上、ステアリングホイールのような、ステアリングシャフトの軸線回りに閉ループ状に形成されたものは含まない。ステアリングホイールはステアリングシャフトとの間の距離が固定されているので、非円形の旋回軌跡を描くことができないからである。ただし、ステアリングホイールの一部が欠損されたようなもの(つまり閉ループでないもの)であれば、非円形の旋回軌跡を描くことが可能であるため、本発明のグリップに包含される。
また、本発明においては、グリップがステアリングシャフトの軸線回りを旋回するものであればよく、グリップがステアリングシャフトの軸線を中心として旋回することを限定するものではない。また、本発明の操舵ハンドルは、グリップおよびそのグリップをステアリングシャフトに連結するスポークが少なくとも一つでもあればよく、二つ以上でもよい。グリップおよびそのグリップに対応するスポークのセットが二つ以上ある場合は、それぞれのグリップが異なる旋回軌跡を描くようなものであってもよい。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について図1、図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図であり、図示上方側が運転席側、図示下方側が車両の先頭側である。図2は、本実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た場合における部分断面図である。なお、図2では、後述するパッドおよびコラムカバーは省いて示してある。
図1に示す通り、本実施形態における操舵ハンドル1は、グリップ10およびスポーク20を備える。グリップ10は、運転者が主に手で把持する部分であり、握りやすいような形状とされ、また疲れを感じさせないような材質で形成することができる。なお、グリップ10は、図2から明らかなように、運転者が把持する部分があればよく、ステアリングホイールのようにステアリングシャフトを取り巻いて閉ループ状に形成されてはいない。
図1に示すように、操舵ハンドル1にはステアリングシャフト30が取り付けられる。このステアリングシャフト30は、図示上方部にボス部40が取り付けられている。ボス部40は略円錐台形状を呈しており、図示下方(車両先頭側)に小径端面40aが、図示上方(運転席側)に大径端面40bがくるように配設されている。また、このボス部40には、小径端面40aから大径端面40bにかけて、中心軸を通る貫通孔40cが形成されている。貫通孔40cは、小径端面40aから大径端面40bに向かうにつれて径が小さくなるように形成されており、このように形成された貫通孔40cにステアリングシャフト30が挿通している。また、ボス部40の大径端面40b側にはパッド50が固定されている。このパッド50には、ホーンスイッチ(図示省略)やエアバッグ(図示省略)などが収納されている。
ステアリングシャフト30は、その図示上端に雄ネジ部31が形成されている。雄ネジ部31にはナット32が螺合されている。この雄ネジ部31とナット32との螺合によりボス部40がステアリングシャフト30に固定されている。また、ステアリングシャフト30には、雄ネジ部31の直下から図示下方にテーパー部33が形成されている。テーパー部33は図示下方側から上方側に向かうにつれて先細りとされており、ボス部40の貫通孔40cに挿通されている。そして、このテーパー部33とボス部の貫通孔40cの壁面とが互いにセレーションにより嵌合されて、ステアリングシャフト30とボス部40とが一体的に回転するようにされている。なお、ステアリングシャフト30の下方端(図示省略)は、インターミディエイトシャフトなど(図示省略)を介してピニオンギヤに連結している。ピニオンギヤは両端がタイロッドに接続されたラックシャフトに嵌合している。したがって、ステアリングシャフト30が回転(自転)すると、その回転がインターミディエイトシャフトを介してピニオンギヤに伝わり、さらにピニオンギヤからラックシャフトに伝達されて回転運動が直進運動に変換される。この直進運動はタイロッドに作用し、タイロッドがナックルアームを介してナックルを左右に振ることにより、転舵輪が転舵される。
ステアリングシャフト30の外周には、ステアリングシャフト30を覆うようにコラムチューブ60が配設されている。コラムチューブ60は筒状の部品であり、内部にステアリングシャフト30を収容する。図に示すように、ステアリングシャフト30はコラムチューブ60の内壁にベアリング61を介して取り付けられている。よって、ステアリングシャフト30はコラムチューブ60内で相対回転可能であるが、軸方向移動は不能とされる。図には示していないが、コラムチューブ60は所定のブラケットなどを介して車体に固定されている。この場合、コラムチューブ60は、操舵ハンドル1のチルト動作を実現するために、ある点を中心として上下に揺動するように車体に固定されていてもよい。また、コラムチューブ60は、操舵ハンドル1のテレスコピック動作を実現するために、ロアチューブとアッパチューブとに分割されていて、両チューブが軸方向に相対移動可能に構成されていてもよい。
図1に示すように、コラムチューブ60の図示上方端(車両後方端)側には、本発明のガイド板としてのカム板70が取り付けられている。このカム板70は、本実施形態では図2に示すように運転席側から見て楕円形状となる円板状に形成されている。図1では、カム板70がコラムチューブ60の図示上方端部から一体的に形成されているように示してあるが、カム板70をコラムチューブ60とは別に製作し、締結手段によりコラムチューブ60に締結するよう構成してもよい。また、コラムチューブ60の外周にはコラムカバー80が配されており、このコラムカバー80の図示上端部(車両後方端)にカム板70の外周面が図示しない締結手段により締結されている。また、図1および図2に示すように、カム板70には、本発明のガイド通路としてのカム溝71が形成されている。このカム溝71は、カム板70の図1示上方面に形成されている。また、図2によく示すように、カム溝71はステアリングシャフト30の軸回りに閉ループ状に形成され、その形状は楕円形状とされている。なお、このカム溝71の形状は一例であり、様々な形状に形成することができる。
図1に示すように、スポーク20は、チューブ部材21とロッド部材22を備える。チューブ部材21は一端21aがグリップ10に連結した長尺状部材であり、内部が中空とされて他端21bにて開口している。チューブ部材21の上記一端21aは本発明の第1連結部に相当する。ロッド部材22は基端22aおよび先端22bを備え、基端22aにてボス部40の側周面に固設されている。ボス部40は上述のようにステアリングシャフト30に連結しているので、ロッド部材22は基端22aにてステアリングシャフト30に連結していることになる。このロッド部材22の基端22aが、本発明の第2連結部に相当する。また、ロッド部材22はチューブ部材21の内径よりも僅かに小さい外径を持った中実状の長尺部材として形成されている。チューブ部材21の内周壁には、他端21bの開口部から所定の軸方向距離に亘り、軸方向に内スプラインが形成されている。一方、ロッド部材22の外周には、軸方向に外スプラインが形成されている。そして、ロッド部材22がチューブ部材21の内周に挿入されて、上記内スプラインと外スプラインによりチューブ部材21とロッド部材22とが軸方向に相対移動可能で且つ相対回転不能に嵌合している。このような構成により、チューブ部材21はスポーク20の軸方向に移動可能に構成される。
チューブ部材21の他端21bの開口部に近い側周面からは、チューブ部材21の軸方向に直交する方向に延びた連結棒23が形成されている。この連結棒23の先端部分には、ニードルベアリング81を介してコロ82が取り付けられている。また、連結棒23には第1リング24および第2リング25が同軸的に取り付けられている。これらのリング24,25は連結棒23の軸方向に所定の間隔を隔てて連結棒23に固設されており、両リング24,25間に丁度コロ82およびニードルベアリング81が取り付けられて、これらのリング24,25によりコロ82およびニードルベアリング81が連結棒23の軸方向へ移動しないように規制されている。よって、コロ82は、連結棒23の軸方向に移動不能とされ、軸方向に位置を変えないまま回転することができるようになっている。このようなコロ82およびニードルベアリング81はカム板70に形成されたカム溝71内に配置されて、カム溝71内でコロ82が転動可能とされている。なお、コロ82には、カム溝71を転動する際に、連結棒23の傾斜によりカム溝71の側面にて生じる抵抗を低減するためにクラウニング82aが施されている。コロ82は、本発明における移動手段に相当する。また、カム板70およびコロ82により、本発明の誘導手段を構成する。
図からわかるように、チューブ部材21の内部には、コイルスプリング90が配されている。このコイルスプリング90は、一端がチューブ部材21の内周の底壁に当接し、他端がロッド部材22の先端22bに当接している。そして、図に示す状態でコイルスプリング90は常に伸張力を発揮する状態とされている。したがって、コイルスプリング90の伸張力によって、チューブ部材21はロッド部材22に対して常に外側方向(ロッド部材22と離間する方向)に移動する力を受ける。この力は連結棒23を介してコロ82にも伝達される。よって、コロ82はコイルスプリング90の伸張力により、常にカム溝71の外側壁71cに押し付けられている。
本実施形態の操舵ハンドル1は、図2に示すように、グリップ10が図示右側の位置(運転席から見て3時の位置)にある場合を中立位置としている。なお、グリップ10が中立位置にある場合にも、コイルスプリング90の付勢力によってコロ82がカム溝71の外側壁71cに押し付けられており、この押し付け力によって、グリップ10が重力によって下方に移動しないようにされている。
上記構成の操舵ハンドル1において、運転者が手でグリップ10を把持し、ステアリングシャフト30の軸線回りにグリップ10を例えば時計回り方向に90度旋回させて、図2の中立位置から下側の位置(運転者から見て6時の位置)にくるまで旋回操作する。すると、この旋回動作がグリップ10に連結したスポーク20を構成するチューブ部材21およびチューブ部材21の内周側に挿入されたロッド部材22に作用し、スポーク20がステアリングシャフト30の軸線回りを旋回する。ロッド部材22はボス部40に連結しており、ボス部40はステアリングシャフト30にセレーション嵌合により一体回転するようにされているので、最終的には上記旋回操作により発生する回転力がステアリングシャフト30に伝達されて、ステアリングシャフト30が回転(自転)し、転舵輪の転舵が行われる。
グリップ10およびスポーク20がステアリングシャフト30の軸線回りを旋回すると、この旋回に伴って、チューブ部材21から延びた連結棒23にニードルベアリング81を介して連結したコロ82がカム溝71に沿って移動する。カム溝71は上述のようにステアリングシャフト30の軸線回りに楕円閉ループ形状に形成されているので、コロ82の移動軌跡もステアリングシャフト30の軸芯を中心とした楕円形状となる。また、カム溝71は楕円形状であって、場所によってステアリングシャフト30までの距離が異なるので、コロ82とステアリングシャフト30との間の距離も、グリップ10の旋回量に応じて変化することになる。具体的には、図2においてグリップ10を中立位置から図示下方の位置(運転者から見て6時の位置)まで旋回すると、コロ82とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離は減少する。
このため、コロ82にニードルベアリング81および連結棒23を介して連結されたチューブ部材21とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離も、上記旋回操作に伴って減少する。一方、ロッド部材22はボス部40を介してステアリングシャフト30に連結されているため、ステアリングシャフト30とロッド部材22との相対的な位置関係は上記旋回操作によって変化することはない。よって、上記旋回操作に伴ってチューブ部材21とロッド部材22との軸方向における相対的位置関係が変化する。具体的には、図2においてグリップ10が中立位置から図示下方位置に旋回するに従い、チューブ部材21がロッド部材22により近づくように軸方向に移動し、ロッド部材22がチューブ部材21の内部により深く進入する。
このように、本実施形態の操舵ハンドル1は、グリップ10の旋回操作に伴うコロ82とステアリングシャフト30との間の距離の変化に合わせて、チューブ部材21がロッド部材22に対して軸方向に移動して、両部材21,22間の相対位置が変化する。つまり、本実施形態のスポーク20は、チューブ部材21の一端21aに連結したグリップ10とボス部40を介してロッド部材22の基端22aに連結したステアリングシャフト30との距離が可変となるように、チューブ部材21がスポーク20の軸方向に移動可能に構成されており、これによりスポーク20の全体の長さが可変とされている。このため、コロ82が非円形のカム溝71内を移動していくときに、コロ82に連結したスポーク20は、チューブ部材21の軸方向移動により全長を変化することで、コロ82の描く非円形の移動軌跡に追従する。このようなスポーク20の長さの変化は、チューブ部材21の一端21aからグリップ10に伝わる。よって、グリップ10は、自らの旋回に伴いスポーク20の長さの変化を受けて、非円形形状の旋回軌跡を描く。なお、このときのチューブ部材21の軸方向移動に伴い、チューブ部材21の内部に収納されているコイルスプリング90の伸縮状態も変化する。具体的には、図2に示すように中立位置から6時の位置までグリップ10を旋回操作すると、チューブ部材21がロッド部材22に近づく方向に移動するために、チューブ部材21内部に収納されたコイルスプリング90が圧縮される。
以上のように、本実施形態の操舵ハンドル1は、ステアリングシャフト30の軸線回りに旋回可能に配設されたグリップ10と、グリップ10に連結された第1連結部(チューブ部材21の一端21a)およびボス部40を介してステアリングシャフト30に連結された第2連結部(ロッド部材22の基端22a)を有するスポーク20を備え、スポーク20は、グリップ10の旋回に伴いステアリングシャフト30の軸線回りを旋回してステアリングシャフト30を回転させるとともに、グリップ10とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離が可変となるように、チューブ部材21が軸方向に移動可能に構成されている。よって、グリップ10の旋回中にチューブ部材21が軸方向移動することによって、グリップ10が所望の非円形形状の旋回軌跡をステアリングシャフト30の軸線回りに描くことができ、旋回軌跡の自由度が大きく、操作性に優れた操舵ハンドル1とすることができる。
また、本実施形態の操舵ハンドル1は、ステアリングシャフト30を覆うコラムチューブ60に取り付けられて、ステアリングシャフト30の軸線回りに非円形閉ループ形状のカム溝71が形成されたカム板70と、スポーク20に連結棒23を介して連結し、グリップ10の旋回に伴いカム溝71に沿って移動するコロ82を備えているので、カム溝71内におけるコロ82の移動軌跡にしたがって、グリップ10の旋回軌跡が決定される。よって、グリップ10の旋回軌跡を安定化することができる。また、カム溝71がステアリングシャフト30の軸線回りに楕円閉ループ状に形成されているので、コロ82はカム溝71を何周することもでき、これに伴いグリップ10がステアリングシャフト30の軸線回りに1周以上の旋回軌跡を描くことができる。
また、スポーク20は、第1連結部を含むチューブ部材21と、第2連結部を含むロッド部材22を有し、スプライン嵌合によりチューブ部材21を軸方向に移動可能に構成しているため、簡単な構成でスポーク20の全長を変化させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、ステアリングシャフトに取り付けられたボス部に二面幅部分を設けるとともに、ボス部を介してグリップとステアリングシャフトを連結するスポークに上記二面幅に係合可能な長孔を形成し、上記二面幅と長孔との係合状態を変化させることで、グリップの旋回軌跡を非円形形状とすることに特徴を有する。以下の説明においては、本実施形態の特徴部分を中心に説明し、上記第1実施形態と同様の部分については同一符号で示してその具体的説明を省略する。図3は、本実施形態に係る操舵ハンドル2を車両側方から見た部分断面図であり、図示上方側が座席側、図示下方側が車両の先頭側である。図4は、本実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た図である。なお、この図においても、図2と同じようにパッドおよびコラムカバーを省略して示している。
図3および図4に示すように、本実施形態の操舵ハンドル2は、第1ハンドル部2aおよび第2ハンドル部2bを備える(図4では、第2ハンドル部2bを一点鎖線で示す)。第1ハンドル部2aは第1グリップ11および第1スポーク121を有し、第2ハンドル部2bは第2グリップ12および第2スポーク122を有する。運転者は第1ハンドル部2aを右手で操作し、第2ハンドル部2bを左手で操作する。なお、第1グリップ11および第2グリップ12は、上記第1実施形態において説明したグリップ10と同一構造である。
第1スポーク121は、支持部121aと係合部121bとを備える。支持部121aは、一端121cが第1グリップ11に連結した棒状の部材である。係合部121bは支持部121aの他端側に連結されていて、内周に長孔121dが形成されている(図4参照)。この長孔121dは、第1スポーク121の軸方向に長く形成されており、長手方向に沿った二辺が平行な直線状とされている。なお、第2スポーク122も、支持部122aと係合部122bを備えており、支持部122aの一端122cは第2グリップ12に連結され、係合部122bには長孔122dが形成されている。この長孔122dの形状は、長孔121dの形状と同一とされる。
また、ステアリングシャフト30にセレーション嵌合しているボス部140は、図4に示すように対向する側面が平行な平面とされた第1面141および第2面142を持ち、この二面141と142で二面幅を形成している。この二面幅は、第1スポーク121の長孔121dおよび第2スポーク122の長孔122dの幅(長孔121d、122dの長手方向に沿った二辺間の距離)よりも若干小さくなるように設定されており、また二面幅の長さは、長孔121dおよび122dの軸方向長さよりも短く設定されている。そして、この二面幅の部分が長孔121dおよび122dに挿通されて、両長孔121d、122dに係合している。このとき、第1スポーク121と第2スポーク122は、図4に示すようにボス部140の二面幅の部分を挟んで対向する状態で、それぞれ二面幅と係合する。なお、後述するようにボス部140はステアリングシャフト30に連結しているので、第1スポーク121の長孔121dおよび第2スポーク122の長孔122dは、ボス部140を介してステアリングシャフト30に連結していることになる。よって、長孔121dおよび長孔122dは、本発明の第2連結部に相当する。
図3に示すように、ボス部140の軸方向断面形状は、ほぼ四角形形状であって、図示上下面の略中央から上下に貫通した孔部140cが形成されている。この孔部140c内には、上記第1実施形態と同様にステアリングシャフト30が挿通され、セレーション嵌合によりボス部140がステアリングシャフト30と一体回転するようになっている。また、ボス部140の図示下方側の側面からは、軸直角方向に延びたストッパ部143が形成されている。このストッパ部143は、ボス部140の側面から全周に亘って形成されている。そして、ストッパ部143上に、ボス部140の二面幅と係合している第2スポーク122の係合部122bが載置される。さらに、第2スポーク122の係合部122bの上に、第1スポーク121の係合部121bが載置されている。このようにストッパ部143上で第1スポーク121と第2スポーク122とが積層されている。また、第1スポーク121と第2スポーク122が積層されている状態で、第1グリップ11と第2グリップ12が運転者から等しい距離に位置するように、つまり図3の上下方向に等しい位置に第1グリップ11と第2グリップ12が位置するように、第1スポーク121と第2スポーク122の形状が工夫されている。具体的には、第2スポーク122は図3に示すように係合部122bの軸芯と支持部122aの軸芯とが同一になるように形成されており、一方第1スポーク121は、係合部121bの軸芯が支持部121aの軸芯よりも図示上側に位置するように形成されている。このような形状に形成することにより、両係合部121b、122bが積層されることによって両グリップ11,12の図示上下位置がずれるのを補正している。
図3に示すように、第2スポーク122の係合部122b上に載置した第1スポーク121の係合部121bの上には、ボス部140が挿通したリング状プレート130が載置される。このリング状プレート130の図示上方にストッパリング131がボス部140に取り付けられており、リング状プレート130とストッパリング131の間に板バネ132が配設されている。したがって、板バネ132の付勢力によって、第1スポーク121と第2スポーク122がストッパ部143に押し付けられて固定される。なお、ストッパ部143、第1スポーク121の係合部121b、第2スポーク122の係合部122b、リング状プレート130は、それぞれの当接面における摩擦抵抗が極力少なくなるように処理がなされている。このため、後述するように第1スポーク121および第2スポーク122がスムーズに軸方向移動可能とされる。
また、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ステアリングコラムチューブ60およびコラムカバー80が車体に取り付けられている。そして、コラムチューブ60の図3における上方端(運転席端)側には、ステアリングシャフト30の軸回りに閉ループ楕円形状のカム溝71が形成されたカム板70が取り付けられている。
また、第1スポーク121の支持部121aには、軸方向に直交する方向に延びた第1連結棒123aが形成されている。この第1連結棒123aには、所定の軸方向間隔を隔てて取り付けられた第1リング124aおよび第2リング125a間に第1ニードルベアリング181aを介して第1コロ182aが取り付けられている。第1リング124a、第2リング125a、第1ニードルベアリング181aおよび第1コロ182aの具体的な構造および配置構成は上記第1実施形態における第1リング24、第2リング25、ニードルベアリング81およびコロ82と同様であるので具体的説明は省略する。また、第1コロ182aおよび第1ニードルベアリング181aはカム板70に形成されたカム溝71内に収納されて、カム溝71内で第1コロ182aが転動可能とされている。
同様に、第2スポーク122の支持部122aには、軸方向に直交する方向に延びた第2連結棒123bが形成されている。この第2連結棒123bには所定の軸方向間隔を隔てて取り付けられた第1リング124bおよび第2リング125b間に第2ニードルベアリング181bを介して第2コロ182bが取り付けられている。第1リング124b、第2リング125b、第2ニードルベアリング181bおよび第2コロ182bの具体的な構造および配置構成も、上記第1実施形態における第1リング24、第2リング25、ニードルベアリング81およびコロ82と同様であるので具体的説明は省略する。また、第2コロ182bおよび第2ニードルベアリング181bもカム板70に形成されたカム溝71内に収納されて、カム溝71内で第2コロ182bが転動可能とされている。
また、図に示すように、カム溝71の底面と第2リング125a,125bとの間には、プレートベアリング126が配されている。このプレートベアリング126によって、第1スポーク121および第2スポーク122の弾性変形により発生する第2リング125a,125bとカム溝71の底面との強接触によるすべり抵抗が低減される。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、同一部分に同一符号を記してその具体的説明を省略する。
上記構成の操舵ハンドル2において、運転者が右手で第1グリップ11を、左手で第2グリップ12を把持し、ステアリングシャフト30の軸線回りに両グリップ11,12を例えば時計回り方向に90度旋回させて、図5に示すように、第1グリップ11が中立位置(3時の位置)から図示下側の位置(6時の位置)に、また第2グリップ12が中立位置(9時の位置)から図示上側の位置(12時の位置)にくるまで旋回操作する。すると、上記旋回操作が第1グリップ11に連結した第1スポーク121に、第2グリップ12に連結した第2スポーク122にそれぞれ作用し、両スポーク121,122がステアリングシャフト30の軸回りを旋回する。各スポーク121,122の各係合部121b、122bに形成された各長孔121d、122dはボス部140の二面幅の部分にそれぞれ係合しているため、上記旋回によってボス部140も回転する。ボス部140はステアリングシャフト30にセレーション嵌合しているので、最終的には上記旋回操作による回転力がステアリングシャフト30に伝達されて、ステアリングシャフト30が回転(自転)し、転舵輪の転舵が行われる。
各グリップ11,12の旋回操作に伴って、各スポーク121,122に各連結棒123a,123bおよび各ニードルベアリング181a,181bを介して連結した各コロ182a,182bが、カム溝71に沿って移動する。カム溝71は上述のようにステアリングシャフト30の軸線回りに楕円閉ループ形状に形成されているので、各コロ182a,182bの移動軌跡もステアリングシャフト30の軸芯を中心とした楕円形状となる。カム溝71は上述のように楕円形状であり、場所によってステアリングシャフト30との間の距離が異なるので、カム溝71内を移動する各コロ182a,182bとステアリングシャフト30との間の距離も、各グリップ11,12の旋回量に応じて変化することになる。具体的には、図4および図5に示すように、第1グリップ11を中立位置から図示下方の位置(6時の位置)まで旋回すると、第1コロ182aとステアリングシャフト30の軸芯との間の距離は減少する。同様に、第2グリップ12を中立位置から図示上方の位置(12時の位置)まで旋回すると、第2コロ182bとステアリングシャフト30の軸芯との間の距離は減少する。
このため、第1コロ182aに第1ニードルベアリング181aを介して連結された第1連結棒123aとステアリングシャフト30の軸芯との間の距離も、第1グリップ11の上記旋回操作に伴って減少する。このような第1連結棒123aとステアリングシャフト30の軸芯との間の距離の減少、すなわち第1連結棒123aとステアリングシャフト30の軸芯との相対的位置関係の変化を受けて、ボス部140の第1面141および第2面142により形成される二面幅の部分と第1係合部121bに形成された長孔121dとの係合位置が長手方向にずれ、第1スポーク121がステアリングシャフト30に対して軸方向移動する。
同様に、第2コロ182bに第2ニードルベアリング181bを介して連結された第2連結棒123bとステアリングシャフト30の軸芯との間の距離も、第2グリップ12の上記旋回操作に伴って減少するが、このような距離の減少、すなわち第2連結棒123bとステアリングシャフト30の軸芯との相対的位置関係の変化を受けて、ボス部140の第1面141および第2面142により形成される二面幅の部分と第2係合部122bに形成された長孔122dとの係合位置が長手方向にずれ、第2スポーク122がステアリングシャフト30に対して軸方向移動する。
本実施形態の操舵ハンドル2は、上述のように、各グリップ11,12の旋回操作に伴う各コロ182a,182bとステアリングシャフト30との間の距離の変化に合わせて、ボス部140の第1面141および第2面142により形成される二面幅の部分と長孔121d、122dとの係合位置が変化する。つまり、各スポーク121,122の全体の長さは常に一定であるが、ボス部140の二面幅と長孔121d、122dとの係合位置が変化することによって、スポーク121,122の全体が軸方向に移動し、コロ182a,182bとステアリングシャフト30との間の距離が可変とされる。このため、各スポーク121,122に連結した各コロ182a,182bが非円形形状(楕円形状)のカム溝71内を移動していく場合にも、上記係合位置が変化し、各スポーク121,122がそれぞれ軸方向に移動して、各コロ182a,182bの描く非円形の移動軌跡に追従する。このような各スポーク121,122の軸方向移動によって、各グリップ11,12の旋回軌跡もコロ182a,182bの移動軌跡に追従して非円形形状(楕円形状)となる。
以上のように、本実施形態の操舵ハンドル2は、ステアリングシャフト30の軸線回りに旋回可能に配設された各グリップ11,12と、各グリップ11,12に連結された第1連結部(第1スポーク121の一端121cおよび第2スポーク122の一端122c)およびボス部140を介してステアリングシャフト30に連結する第2連結部(第1スポーク121の長孔121dおよび第2スポーク122の長孔122d)を有する各スポーク121,122を備え、各スポーク121,122は、各グリップ11,12の旋回に伴いステアリングシャフト30の軸線回りを旋回してステアリングシャフト30を回転させるとともに、各グリップ11,12とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離が可変となるように、各長孔121d、122dとボス部140の第1面141および第2面142によって形成される二面幅との係合位置が軸方向に移動可能に構成される。よって、各グリップ11,12の旋回中に各長孔121d、122dとボス部140の二面幅との係合位置が長孔の軸方向にずれることによって、各スポーク121,122の全体が軸方向に移動し、これにより各グリップ11,12が所望の非円形形状の旋回軌跡をステアリングシャフト30の軸線回りに描く。よって、旋回軌跡の自由度が大きく、操作性に優れた操舵ハンドル2とすることができる。
また、本実施形態の操舵ハンドル2は、上記第1実施形態の操舵ハンドル1のように、スポークを二つの部材に分けることなく、一つの部材に長孔を形成することで、グリップの旋回軌跡を非円形とすることを実現している。よって、スポークの製造工程の短縮、製造コストの低減が期待できる。
(第3実施形態)
上記第1および第2実施形態では、グリップがステアリングシャフトの軸に直交する一つの平面内で非円形(例えば閉ループ楕円形)の操舵軌跡を描くことができる操舵ハンドル、つまり、グリップの位置が、ステアリングシャフトの軸方向に対して変化することなく非円形の旋回軌跡を描く操舵ハンドルの例を示したが、本実施形態では、操舵ハンドルが曲面内で非円形の操舵軌跡を描くことのできる操舵ハンドル、つまり、操舵操作に伴ってグリップ位置がステアリングシャフトの軸方向に変化する操舵ハンドルについて説明する。図6は、本実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図であり、図示上方側が運転席側、図示下方側が車両の先頭側である。図7は、本実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た部分断面図である。
図6および図7に示すように、本実施形態における操舵ハンドル3は、グリップ10およびスポーク220を備える。スポーク220はチューブ部材221とロッド部材222を備える。チューブ部材221は一端221aがグリップ10に連結した長尺状部材であり、内部が中空とされて他端221bにて開口している。ロッド部材222は円板状の基端222aおよび先端222bを備え、基端222aにてボス部240に連結している。上記実施形態と同様にボス部240は、図6に示すように上下方向に貫通して形成された貫通孔240cを有している。この貫通孔240c内にはステアリングシャフト30が挿通されており、この部分でステアリングシャフト30とボス部240とがセレーションにより嵌合している。よって、ロッド部材222は基端222aにてステアリングシャフト30に連結していることになる。なお、チューブ部材221とロッド部材222との連結構造は、上記第1実施形態にて説明したチューブ部材21とロッド部材22との連結構造と同様である。
図6に示すように、ロッド部材222の基端222a側は円板状に形成されていて、中央に両端面を貫通したボルト孔が設けられている。また、図7に示すように、ボス部240は、運転席側からみて略四角形形状に形成されており、その側面部から垂直方向に延びた取り付けブラケット241が取り付けられている。取り付けブラケット241は第1ブラケット241aと第2ブラケット241bを備え、両ブラケット241a,241bは互いに平行に対面した平行平面を持つ。上記平行平面は、ステアリングシャフト30の軸方向に平行になるように形成されている。また、両ブラケット241a,241bには、上記平行平面に直交する方向に貫通したボルト孔が同軸的に設けられている。両ブラケット241a,241bの平行平面間には、ロッド部材222の円板状の基端222aが挟まれている。そして、円板状の基端222aは、その両端面が取り付けブラケット241の対向する平行平面に当接した状態で、カラー242および座金243,244を介してボルト245、ナット246により、取り付けブラケット241に締結されている。これによりロッド部材222(スポーク220)がボス部240(ステアリングシャフト30)に連結される。ボルト245およびナット246によるロッド部材222の締結力は、ロッド部材222がボス部240に対してボルト245の軸回りに揺動可能な程度の強さとされる。このため、ロッド部材222を含むスポーク220は、ボルト245を中心として揺動可能とされる。この揺動により、グリップ10はステアリングシャフト30の軸方向に位置を変えることができるようにされている。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、チューブ部材221に連結棒223が形成され、連結棒223の先端部分にコロ282がニードルベアリング281を介して取り付けられている。コロ282付近の拡大図である図9に示すように、コロ282およびニードルベアリング281は、連結棒223に取り付けられた第1リング224および第2リング225によって連結棒223の軸方向への移動が規制されている。また、図6に示すようにコラムチューブ60にはカム板70が取り付けられ、このカム板70にはステアリングシャフトの30軸回りに閉ループ楕円形状のカム溝71が形成されている(図7参照)。そして、このカム溝71内にコロ282およびニードルベアリング281が配設されている。
図9に示すように、カム板70の図示上面(運転席側の面)には、内側ガイド72および外側ガイド73が取り付けられている。内側ガイド72はカム板70のカム溝71よりも内側(ステアリングシャフト30側)にてボルト74によりカム板70に締結されていて、カム溝71の内周縁に沿ってカム溝71の全周に亘って設けられている。外側ガイド73はカム溝71よりも外側にてボルト(図示省略)によりカム板70に締結されていて、カム溝71の外周縁に沿ってカム溝71の全周に亘って設けられている。これらの内側ガイド72および外側ガイド73の突合せ面間には、スリット75が形成されている。このスリット75は、カム溝71の楕円閉ループ形状に倣うようにカム溝71に沿って形成されており、その幅は、連結棒223が傾斜している場合でも内側ガイド72および外側ガイド73に干渉しないように、十分大きく形成されている。
内側ガイド72と外側ガイド73の図示下面側には、摺動シートが配設されている。この摺動シートは、内側ガイド72に取り付けられた第1摺動シート76と、外側ガイド73に取りつけられた第2摺動シート77を備える。連結棒223は、スリット75を経て第1摺動シート76および第2摺動シート77の間に挿通され、軸方向に摺動可能とされる。また、第1,第2摺動シート76,77と第1リング224との間には、ガタ防止用のコイルスプリング78が配設されている。
本実施形態のカム溝71は、ステアリングシャフト30の軸回りに楕円閉ループ状に形成されており、さらに部分的に傾斜している。例えば、図6の左方側に示されたカム溝71(71L)は、右方側に示されたカム溝71(71R)よりも、図示上下方向に対して時計回りに約5°、つまりステアリングシャフト30を中心として内方に約5°だけ全体的に傾斜して形成されている。なお、その他の構成については、上記第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を記してその具体的説明を省略する。
上記構成の操舵ハンドル3において、運転者がグリップ10を旋回操作すると、この旋回操作に伴ってコロ282が楕円形状のカム溝71内を移動する。カム溝71は場所によってステアリングシャフト30との間の距離が異なるため、カム溝71内を移動するコロ282とステアリングシャフト30との間の距離も、グリップ10の旋回量に応じて変化する。具体的には、図7に示すようにグリップ10を中立位置(3時の位置)から、図8に示すように図示下方の位置(6時の位置)まで旋回すると、コロ282とステアリングシャフト30の軸芯との間の距離は減少する。
グリップ10の旋回に伴うコロ282とステアリングシャフト30との間の距離の変化に合わせて、上記第1実施形態にて説明した場合と同様に、チューブ部材221がロッド部材222に対して軸方向に移動する。これによりスポーク220全体の長さが変化し、コロ282の描く非円形の移動軌跡に追従する。このようなスポーク220の長さの変化はグリップ10に伝わる。よって、グリップ10は、自らの旋回に伴いスポーク220の長さの変化を受けて、非円形形状の旋回軌跡を描く。
上述したように、本実施形態においては、カム溝71の向き(カム溝71の底壁に垂直な直線の向き)が、部分的にステアリングシャフト30の軸方向に対して傾斜している。このため、カム溝71の向きが傾斜していない(平行な)部分にコロ282が位置するときと、傾斜している部分に位置するときとでは、グリップ10の位置がステアリングシャフト30の軸方向に異なる。例えば、図6の右方側に示されたカム溝71Rの向きはステアリングシャフト30の軸方向に平行であって傾斜しておらず、そのためカム溝71Rにコロ282が位置する場合には、コロ282が取り付けられている連結棒223もステアリングシャフト30の軸方向に平行となるように図の上下方向に延び、その結果スポーク220は、軸線が水平となる状態配置を採る。一方、図7の左方側に示されたカム溝71Lの向きはステアリングシャフト30の軸方向に対して時計回りの方向に5°傾斜している。つまり、ステアリングシャフト30を中心として内方にカム溝71Lが傾いている。このため、このカム溝71Lにコロ282が位置したときは、コロ282はカム溝71Lの傾斜に倣って傾斜し、これに伴ってコロ282が取り付けられた連結棒223も傾斜する。その結果、連結棒223が取り付けられたスポーク220もステアリングシャフト30の軸方向に揺動し、軸線が水平方向に対して5°だけ傾いた状態配置を採る。
グリップ10はスポーク220の軸線の延長上に配置しているため、上記のようにスポーク220の軸線の傾きが異なるとグリップの配置位置も異なる。図6の例においては、図示左方のカム溝71Lにコロ282が位置する場合のグリップ10の位置を10Lとし、図示右方のカム溝71Rにコロ282が位置する場合のグリップ10の位置を10Rとすると、位置10Lは位置10Rに対して図示上方にずれて、位置10Lが位置10Rよりも運転席に近い側に変位する。このように、本実施形態では、グリップ10がステアリングシャフト30に直交する一つの平面内で旋回軌跡を描くのではなく、ステアリングシャフト30の軸方向にも変位する旋回軌跡を描くことができる。
通常、ステアリングシャフトは、車輪側からハンドル側にかけて斜め上方に傾くように配置されるので、ステアリングシャフトに直交する平面内でグリップが操舵軌跡を描く場合には、運転者がグリップを把持する部分が上方に行くほど、その把持部分が運転者から遠くなる。したがって、運転者がグリップを中立位置から上方位置(12時の位置)に操作すると、グリップ位置がどんどん体から離れていき、操舵操作が行いにくくなる。この点につき、本実施形態では、運転者がグリップを中立位置から上方位置に操作するときに、グリップの位置が運転者側に近づくようにカム溝71を傾斜させておけば、図17に示すように、グリップ位置が上方位置に来たときに運転者に近づいてくるので、旋回操作が行いやすくなるという利点がある。
以上のように、本実施形態の操舵ハンドル3は、上記第1実施形態と同様に全長が可変である構造のスポークを有しているので、グリップに非円形の旋回軌跡を描かせることができる。加えて、本実施形態の操舵ハンドル3は、カム溝71が傾斜している部分を有するとともに、スポーク220がステアリングシャフト30の軸方向に揺動可能に構成されているので、ステアリングシャフト30の軸方向に変位する旋回軌跡をグリップに描かせることができ、より旋回操作性が向上した操舵ハンドルとすることができる。
(変形例1)
図10は、本実施形態の変形例である操舵ハンドル4を車両側方から見た部分断面図、図11は、本例の操舵ハンドル4を運転席側から見た図である。本実施形態の操舵ハンドル4は、第2実施形態と同様に、第1支持部321aおよび第1係合部321bを有する第1スポーク321と、第2支持部322aおよび第2係合部322bを有する第2スポーク322との二つのスポークを持つ。これらのスポーク321,322は、上記第2実施形態で説明した場合と同様に、ボス部340に積層して連結されている。なお、以下の説明において、第1スポーク321および第2スポーク322を総称する場合にはスポーク320で示し、第1支持部321aおよび第2支持部322aを総称する場合には支持部320aで示し、第1係合部321bおよび第2係合部322bを総称する場合には係合部320bで示す。
図11に示すように、係合部320bには長孔320dが形成されており、長孔320dにボス部340の第1面341および第2面342により形成される二面幅の部分が係合している。したがって、グリップ10を中立位置(3時の位置)から図示下方の位置(6時の位置)に旋回すると、長孔320dとボス部340の二面幅との係合位置がずれることによってスポーク320が軸方向に移動する。この移動によってグリップ10の位置もスポーク320の軸方向に移動して、グリップ10が非円形の旋回軌跡を描く。なお、図11では、一方のスポークのみ示してあるが、実際には図に示したスポークに対してボス部340を挟んだ対向位置にもう一方のスポークが配置されている。
本例においては、スポーク320の支持部320aと係合部320bとが分離して形成されている。具体的には、図11に示すように係合部320bにはその根元の部分で二股に分かれた二股部320cが形成されている。この二股部320cの対向面は互いに平行に形成されている。またこの平行に形成された上記対向面は、ステアリングシャフト30の軸方向にも平行とされる。二股部320cには、上記対向面に垂直な方向に貫通するボルト孔が形成されている。一方、支持部320aの先端部分には上記二股部320cに挟まれるように細く形成された狭持部320eが形成されており、この狭持部320eにもボルト孔が形成されている。そして、二股部320cに狭持部320eを挟んだ状態で、ボルト323およびナット324を用いて締結することにより支持部320aと係合部320bとが締結されている。このときの締結力は、支持部320aが係合部320bに対してボルト323の軸回りに揺動可能な程度の力とされる。その他の構造は上記第3実施形態と同様であるので、具体的説明を省略する。
本例の操舵ハンドル4は上記構成であるため、図10の左側のカム溝71Lのような傾斜したカム溝にコロ382が位置するときは、支持部320aがボルト323を中心として傾斜して、グリップ10の位置がステアリングシャフト30の軸方向に変化する。よって、グリップ10は、ステアリングシャフト30の軸方向に変位する旋回軌跡を描くことができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明するが、本実施形態は、2つまたはそれ以上のグリップを持ち、各グリップがそれぞれ独立の軌跡を描くよう構成されている。図12は、本実施形態における操舵ハンドル5を側方から見た部分断面図である。図12に示すように、本実施形態の操舵ハンドル5は、第1グリップ511と第2グリップ512を備える。第1グリップ511は第1スポーク521に連結されている。第1スポーク521の構造は、上記第3実施形態にて説明した操舵ハンドル3のスポーク220と同一であるので、同一の部分に同一の符号を記してその具体的説明を省略する。
第2グリップ512は第2スポーク522に連結されている。第2スポーク522は、チューブ部材522aとロッド部材522bとを備えており、チューブ部材522aからは連結棒523が延びている。この連結棒523は、チューブ部材522aの後端側(第2グリップ512に連結した端部に近い側)から垂下し、途中で直角に曲がってステアリングシャフト30に向かう方向に延びている。この連結棒523には、ニードルベアリング581を介してコロ582が取り付けられている。その他の構成は第1スポーク521と同一である。
図12に示すように、コラムチューブ60の後端側(運転席側)にはカム板70が取り付けられている。このカム板70は、コラムチューブ60の後端から放射状に広がって形成された平板部70aを備える。平板部70aは略楕円形の円板形状に形成されており、運転席に向いた側の面には第1カム溝71aが形成されている。カム溝71aは、図13に示すように、ステアリングシャフト30の軸回りに閉ループの楕円形状に形成されているが、楕円の長軸方向が第1グリップ511の中立位置から傾斜して形成されている。また、第1カム溝71a内には、連結棒223およびこの連結棒223にニードルベアリング281を介して取り付けられたコロ282が配設されている。
カム板70の平板部70aの外周縁からは、車両前方側に折れ曲がってコラムチューブ60の外周を覆うように筒状に形成された筒部70bが形成されている。この筒部70bの径方向断面形状は長軸方向が図13の水平方向から傾斜した楕円形状とされており、また外周面には第2カム溝71bが形成されている。よって、第2カム溝71bは、運転席側から見て、ステアリングシャフト30の軸回りに閉楕円ループ形状に形成されている。この第2カム溝71b内には、連結棒523およびこの連結棒523にニードルベアリング581を介して取り付けられたコロ582が配設されている。また、図13からわかるように、楕円形状に形成された第1カム溝71aの長軸と第2カム溝71bの長軸は、図の水平方向に対してそれぞれ異なった方向に傾斜している。よって、第1カム溝71aと第2カム溝71bとは、異なったカムプロフィールとされている。
このように、本実施形態における操舵ハンドル5においては、第1スポーク521に連結したコロ282と、第2スポーク522に連結したコロ582とは、異なったカム溝に配設されているため、第1スポーク521に連結した第1グリップ511は、コロ282が配置している第1カム溝71aの形状にしたがって旋回軌跡を描き、第2スポーク522に連結した第2グリップ512は、コロ582が配置している第2カム溝71bの形状にしたがって旋回軌跡を描く。よって、両カム溝71a,71bの形状を異なるプロフィールとすることにより、図13に示すように、第1グリップ511の旋回軌跡(実線)と第2グリップ512の旋回軌跡(点線)を異ならせることができる。その他の構造、作用および効果は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。
(変形例2)
図14は、二つのグリップが異なった旋回軌跡を描くように構成した操舵ハンドルの別例を示す。図14に示すように、本例の操舵ハンドル6は第1グリップ611と第2グリップ612を備える。第1グリップ611は第1スポーク621に連結されている。第1スポーク621はチューブ部材621aおよびロッド部材621bからなり、両者がスプライン嵌合された状態で第1スポーク621を構成している。チューブ部材621aからは第1連結棒623aが延びている。この第1連結棒623aは、チューブ部材621aから軸直角方向に延び、途中で直角に折れ曲がってステアリングシャフト30に向かう方向に延びている。そして、先端部には第1ソケット641が取り付けられている。
第2グリップ612は第2スポーク622に連結されている。第2スポーク622は第2チューブ部材622aおよび第2ロッド部材622bからなり、両者がスプライン嵌合された状態で第2スポーク622を構成している。第2チューブ部材622aからは第2連結棒623bが延びている。この第2連結棒623bは、第2チューブ部材622aの後端(第2グリップ612に近い端側)から軸直角方向に延び、途中で直角に折れ曲がってステアリングシャフト30に向かう方向に延びている。そして、先端部には第2ソケット642が取り付けられている。
また、本例におけるコラムカバー660は、内筒661および外筒662を含み、外筒662が内筒661の外部に重ねられた状態で構成されている。内筒661の後端側(運転席側の端部側)は径方向外方に広げられてラッパ状に形成されており、端部には、断面が略楕円形またはその他の形状を呈した第1ガイドレール651が形成されている。この第1ガイドレール651は、ステアリングシャフト30の軸回りに非円形の閉ループ状に形成されている。そして、第1ガイドレール651が第1ソケット641内に配置するように構成されている。
一方、外筒662の後端側(運転席側の端部側)も径方向外方に広げられてラッパ状に形成され,端部に断面が略楕円形またはその他の形状を呈した第2ガイドレール652が形成されている。この第2ガイドレール652は、ステアリングシャフト30の軸線回りに非円形の閉ループ形状となるように形成されている。図に示すとおり、外筒662の後端側に形成されたラッパ状の部分は、内筒661の後端側に形成されたラッパ状の部分よりも前方(車両先頭側)に形成されており、且つ、径も大きくされている。よって、第1ガイドレール651と第2ガイドレール652は、ステアリングシャフト30の軸方向に異なった位置に形成されていることになり、両ガイドレール651,652がステアリングシャフト30の軸方向に干渉することはない。第2ガイドレール652は、第2ソケット642内に配置するように構成されている。
図15は、第1ソケット641および第2ソケット642(以下、これらを総称するときはソケット640と称する。)の正面図(図15(a))および側面図(図15(b))である。なお、図15(b)に示す側面図では、ソケット640の内部の輪郭および内部に収容される構成を点線で示している。ソケット640は、正面からみて四角形形状を呈している。また、側面から見てコップ状に形成され、一端面が開口し、他端面が閉塞しており、内部に中空空間を形成している。
また、ソケット640の側面は、4つの側壁640a,640b,640c,640dによって断面が四角形形状に構成されている。これらの側壁のうち、対向する二つの側壁640a,640cにはそれぞれスリット643a,643cが形成されている。スリット643a,643cの幅は、第1ガイドレール651および第2ガイドレール652(以下、これらを総称するときはガイドレール650と称する。)の径方向断面外径よりも大きくされている。またスリット643a,643cが形成されていない対向する2つの側壁640b,640dの内面には、周方向に沿った溝644b,644dが、それぞれ形成されている。また、ソケット640の他端側を構成する底壁640eは、お椀状に形成されている。連結棒623a,623bは、この底壁640eに連結されている。
ソケット640の中空空間には第1摺動シート645、第2摺動シート646および第3摺動シート647が配設されており、この3つの摺動シートによって、ソケット640内部に配置するガイドレール650を包み込むようにしている。第3摺動シート647は、ソケット640の奥側に配置しており、ガイドレール650の先端部分を覆うような断面半円状のレール保持面647aが二つのスリット643a,643cを挿通する方向に沿って形成されている。第1摺動シート645および第2摺動シート646は、ソケット640内のガイドレールの根元を両側から包むように対抗して配設されている。図16に第1摺動シート644の斜視図を示す。第1摺動シート645は、図16からわかるように長尺状に構成されており、端面の外形は略長方形状であって、隣接する二辺をつなぐように凹状の円弧状に形成された凹辺部645aを持つ。この凹辺部645aが軸方向に沿って延びて、曲面部645bを形成している。第2摺動シート646も同一の形状とされ、曲面部646bを有している。これらの曲面部645b、646bがソケット640の2つのスリット643a,643cの挿通方向に沿うようにソケット640内に配置され、この曲面部645b、646bによりガイドレール650をその根元側から包み込んでいる。このように、ガイドレール650はその先端の部分が第3摺動シート647のレール保持面647aに当接し、根元部分の一側が第1摺動シート645の曲面部645bに当接し、他側が第2摺動シート646の曲面部646bに当接している。
また、第3摺動シート647とソケット640の底壁640eによって囲まれた空間内にはコイルスプリング648が収納されていて、このコイルスプリング648によって第3摺動シート647がソケット640の開口側に付勢されている。このため、この付勢力が第3摺動シート647を介してガイドレール650にも伝達されるが、ガイドレール650はその根元部分で第1摺動シート645および第2摺動シート646に当接しており、これらの摺動シート645,646はソケット640に形成された溝644dに取り付けられた第1ストッパ板649aおよび溝644bに取り付けられた第2ストッパ板649bによって開口側に向かう方向への移動が規制されているので、ガイドレール650はソケット640の開口側から抜け出すことはできず、ソケット640内に保持される。つまり、ソケット640はガイドレール650の形成方向に直交する方向へは外れないように構成されている。また、ソケット640の側壁に形成されたスリット643a,643cはガイドレール650の径よりも大きくされている。よって、ソケット640は、ガイドレール650に沿って移動可能に構成されている。
図14に示すように、第1スポーク621に連結した第1ソケット641は第1ガイドレール651に嵌合し、第1ガイドレール651に沿って移動可能とされる。また、第2スポーク622に連結した第2ソケット642は第2ガイドレール652に嵌合し、第2ガイドレール652に沿って移動可能とされる。よって、第1スポーク621に連結した第1グリップ611は、第1ガイドレール651の形状にしたがって旋回軌跡を描き、第2スポーク622に連結した第2グリップ612は、第2ガイドレール652の形状にしたがって旋回軌跡を描く。よって、両ガイドレール651,652の形状を異なったプロフィールとすることにより、第1グリップ611の旋回軌跡と第2グリップ612の旋回軌跡を異ならせることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。例えば、上記実施形態においては、グリップを誘導するガイド通路としてカム溝やガイドレールを例として説明したが、これに限定されず、グリップが所定の旋回軌跡を描けるように誘導するものであれば、どのようなものであってもよい。また、上記実施形態では、グリップをステアリングシャフトの軸方向に移動する構成の例として、カム溝を傾斜させる例を示したが、その他、カム溝の深さを変えたり、あるいは連結棒を伸縮可能な構成にすることにより、同一の目的を達成することができる。
第1実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第1実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た部分断面図である。 第2実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第2実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た図である。 図4の操舵ハンドルを時計回り方向に90°操作した状態を示す図である。 第3実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第3実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た部分断面図である。 図7の操舵ハンドルを時計回り方向に90°操作した状態を示す図である。 図6に示す操舵ハンドルのコロ付近の拡大図である。 第3実施形態の変形例に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第3実施形態の変形例に係る操舵ハンドルを運転席側から見た図である。 第4実施形態に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第4実施形態に係る操舵ハンドルを運転席側から見た部分断面図である。 第4実施形態の変形例に係る操舵ハンドルを車両側方から見た部分断面図である。 第4実施形態に係るソケットの正面図および側面図である。 第4実施形態に係る第1摺動シートの斜視図である。 運転者の把持するグリップの旋回軌跡を示す図である。
符号の説明
1,2,3,4,5,6…操舵ハンドル、10…グリップ、11,511,611…第1グリップ、12,512,612…第2グリップ、20,220…スポーク、21,221,522a,621a,622a…チューブ部材、21a,221a…一端(第1連結部)、22,222,522b,621b,622b…ロッド部材、22a,222a…基端(第2連結部)、30…ステアリングシャフト、40…ボス部、60…コラムチューブ、70…カム板(ガイド部、誘導手段)、70a…平板部、70b…筒部、71…カム溝(ガイド溝、ガイド通路)、71a…第1カム溝、71b…第2カム溝、71c…外側壁、82,282,382,582…コロ(移動手段、誘導手段)、121,321,521,621…第1スポーク、121c…一端(第1連結部)、121d…長孔(第2連結部)、122,322,522,622…第2スポーク、122c…一端(第1連結部)、122d、320d…長孔(第2連結部)、140…ボス部、141,341…第1面、142,342…第2面、182a…第1コロ(移動手段、誘導手段)、182b…第2コロ(移動手段、誘導手段)、240,340…ボス部、241…取り付けブラケット、320…スポーク、640…ソケット(移動手段、誘導手段)、641…第1ソケット、642…第2ソケット、650…ガイドレール(ガイド通路、誘導手段))、651…第1ガイドレール、652…第2ガイドレール

Claims (9)

  1. 車両のステアリングシャフトの軸線回りに旋回可能に配設されたグリップと、
    前記グリップに連結された第1連結部および前記ステアリングシャフトに連結された第2連結部を有し、前記グリップの旋回に伴い前記ステアリングシャフトの軸線回りを旋回して前記ステアリングシャフトを回転させるとともに、前記グリップと前記ステアリングシャフトとの間の距離が可変となるように少なくとも前記第1連結部が移動可能に構成されたスポークと、
    を備えた操舵ハンドル。
  2. 請求項1に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記グリップが前記ステアリングシャフトの軸線回りを旋回するときに前記グリップの旋回軌跡が所定の非円形形状となるように前記グリップを誘導する誘導手段を備えることを特徴とする、操舵ハンドル。
  3. 請求項2に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記誘導手段は、
    前記ステアリングシャフトを覆うコラムチューブに取り付けられ、前記ステアリングシャフトの軸線回りに非円形閉ループ形状のガイド通路が形成されたガイド板と、
    前記グリップまたは前記スポークに連結し、前記グリップの旋回に伴い前記ガイド通路に沿って移動する移動手段と、
    を備えることを特徴とする、操舵ハンドル。
  4. 請求項3に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記ガイド通路はガイド溝であり、
    前記移動手段は前記グリップの旋回に伴い前記ガイド溝内を移動することを特徴とする、操舵ハンドル。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記スポークは、前記第1連結部を含む第1部材と、前記第2連結部を含む第2部材を有し、前記第1部材が前記第2部材に相対的に軸方向移動可能に構成されていることを特徴とする、操舵ハンドル。
  6. 請求項5に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記第1部材と前記第2部材は、スプライン嵌合により軸方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする、操舵ハンドル。
  7. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記スポークは、軸方向に形成された長孔を有し、
    前記ステアリングシャフトは前記長孔にて前記スポークに係合し、前記長孔内における前記ステアリングシャフトと前記スポークとの係合位置が前記スポークの軸方向に可変とされていることを特徴とする、操舵ハンドル。
  8. 請求項7に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記スポークは、前記ステアリングシャフトに形成された二面幅部分に前記長孔により係合していることを特徴とする、操舵ハンドル。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の操舵ハンドルにおいて、
    前記スポークは、少なくとも前記第1連結部が前記ステアリングシャフトの軸方向に移動可能となるように、前記ステアリングシャフトに対して揺動可能に連結されていることを特徴とする、操舵ハンドル。
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