JP2008068586A - 樹脂成形品の成形方法および成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法および成形装置 Download PDF

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淳一 小川
Mitsuharu Kaneko
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Abstract

【課題】ブロー成形品を表皮材とする発泡性樹脂成形において、これを射出成形にも適用しつつ、簡単な構造でありながら型開することなく容易にパリソン内部に発泡性樹脂を注入することができる樹脂成形品の成形方法および成形装置を提供する。
【解決手段】パリソン垂下手段と、型締手段と、ブロー賦形手段と、ブロー賦形手段によるブロー賦形後、そのブロー賦形で用いた気体Bにより、パリソンPの発泡性樹脂注入通路3dに繋がる部分を内側から外側に向けて吹き破り、発泡性樹脂36の注入口P9となす注入口形成手段5と、パリソンPをブロー賦形されたままの状態でキャビティ2a内に残留させ、溶融した発泡性樹脂36を発泡性樹脂注入通路内3dに射出し、注入口P9を経由してパリソンP内に注入する射出手段とを備えるように構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、樹脂成形品の成形方法および成形装置に関し、特に溶融した発泡性樹脂をキャビティ内に射出充填する射出成形に関する。
近年、樹脂製品において、軽量化等の目的で発泡性樹脂を材料とするものが多用されつつある。その成形方法の一形態として、溶融した発泡性樹脂をキャビティ(型によって形成された空間)内に射出充填する射出成形がある。
射出成形によって得られた発泡性樹脂成形品の表面には薄いスキン層(発泡しない中実層)が形成されるので、一応は滑らかな表面を得ることができる。しかしそのスキン層はごく薄い層であるために、成形品が固まるまでに表層近くの発泡部が破泡し、スキン層を抜けて表面に気泡が露出することがある。この成形品が、表面の美観を要するものである場合、このような気泡の露出は好ましくない。
また成形品の使途に応じて、物性(剛性等)の向上が求められることもある。
そこで表面の美観を高め、或いは物性を向上するという要求に応えるべく、表層部に非発泡性の表皮が設けられた樹脂成形品が研究されている。成形品に非発泡性の表皮を設けることにより、気泡が表面に露出しなくなるので美観が向上する。また表皮の材質や厚さを適宜設定することにより、必要な物性を容易に得ることができる。
一方、樹脂成形の一形態としてブロー成形が知られている。ブロー成形は、押出機等によって円筒状に成形された熱可塑化性樹脂(パリソン)を金型で挟んで袋状にし、その内部にエア等の気体を吹込んで膨らませて金型形状の中空成形品を得る成形方法である。
発泡性樹脂成形品の表皮材として、このブロー成形品を用いたものが知られている(例えば特許文献1参照)。但し特許文献1に示されたものは、ブロー成形された中空成形品の内部に発泡粒子を充填し、その発泡粒子にスチームを供給して加熱、融着させるものであって、射出成形とは異なる成形方法に適用されたものである。
特開2004−284149号公報
特許文献1に示される技術を、射出成形にも応用することができるように一見思われる。しかしながら、ブロー成形されたパリソン内に発泡性樹脂を射出、充填するには、パリソンの適宜位置に注入口を設けなければならないという特有の問題点が生じるため、実際には容易ではない。
すなわち、例えばブロー成形された中空成形品を一旦成形型から取出し、注入口を穿設した後に改めて射出成形用の成形型にセットするといった方法では著しく効率が悪く、またブロー成形を行ったときのブローピン跡を注入口として利用することも考えられるが、装置のレイアウトが困難で、徒に装置の複雑化、大型化を招いてしまうのである。
本発明は、かかる事情に鑑み、ブロー成形品を表皮材とする発泡性樹脂成形において、これを射出成形にも適用しつつ、簡単な構造でありながら型開することなく容易にパリソン内部に発泡性樹脂を注入することができる樹脂成形品の成形方法および成形装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、内部が発泡性樹脂から成るとともに表層部がソリッド樹脂から成る樹脂成形品の成形方法であって、上記ソリッド樹脂のパリソンを垂下するパリソン垂下工程と、溶融した発泡性樹脂をキャビティ内に導く発泡性樹脂注入通路を備えた成形型で、垂下された上記パリソンを挟んで袋状となす型締工程と、袋状となった上記パリソン内部に気体を吹込み、該パリソンを上記成形型のキャビティ形状に沿った形に膨らませるブロー賦形工程と、上記ブロー賦形工程完了後、上記ブロー賦形工程で用いた気体により、上記パリソンの上記発泡性樹脂注入通路に繋がる部分を内側から外側に向けて吹き破り、発泡性樹脂の注入口となす注入口形成工程と、上記パリソンをブロー賦形されたままの状態でキャビティ内に残留させ、溶融した発泡性樹脂を上記発泡性樹脂注入通路内に射出し、上記注入口を経由して上記パリソン内に注入する射出工程とを含むことを特徴とする。
なお、当明細書でソリッド樹脂とは、非発泡性の樹脂を指すものとする。
請求項2の発明は、請求項1記載の樹脂成形品の成形方法において、上記発泡性樹脂注入通路には、弁体が移動することによりキャビティ容積を拡大する注入通路弁が設けられ、上記注入口形成工程において、上記パリソン内の気圧を維持しつつ、上記注入通路弁により上記キャビティ容積を拡大させて上記注入口を形成させることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の樹脂成形品の成形方法において、上記注入通路弁は、上記発泡性樹脂注入通路を開く開状態と、閉じる第1閉状態と、弁体が移動することにより上記第1閉状態よりも上記キャビティ容積を拡大させた状態で閉じる第2閉状態とに切換可能であって、上記ブロー賦形工程においては上記第1閉状態とされ、上記注入口形成工程においては上記第2閉状態とされ、上記射出工程においては上記開状態とされることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法において、上記成形型は、上記注入口が形成される箇所のパリソンを薄肉化する絞り部を有することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法において、上記発泡性樹脂注入通路は、上記成形型の正面部に設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法において、上記注入口形成工程の前に、上記パリソンの上記注入口が形成される箇所に、注入口形成時に応力が集中する応力集中部を予め形成しておくことを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法において、上記射出工程の開始前に、上記パリソンに気体抜き孔が形成され、上記射出工程において、上記気体抜き孔からパリソン内の気体を抜きながら発泡性樹脂が注入されることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法において、上記発泡性樹脂は物理発泡剤を含有することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項8記載の樹脂成形品の成形方法において、上記物理発泡剤は超臨界流体であることを特徴とする。
請求項10の発明は、内部が発泡性樹脂から成るとともに表層部がソリッド樹脂から成る樹脂成形品の成形装置であって、上記ソリッド樹脂のパリソンを垂下するパリソン垂下手段と、溶融した発泡性樹脂をキャビティ内に導く発泡性樹脂注入通路を備えた成形型で、垂下された上記パリソンを挟んで袋状となす型締手段と、袋状となった上記パリソン内部に気体を吹込み、該パリソンを上記成形型のキャビティ形状に沿った形に膨らませるブロー賦形手段と、上記ブロー賦形手段によるブロー賦形後、そのブロー賦形で用いた気体により、上記パリソンの上記発泡性樹脂注入通路に繋がる部分を内側から外側に向けて吹き破り、発泡性樹脂の注入口となす注入口形成手段と、上記パリソンをブロー賦形されたままの状態でキャビティ内に残留させ、溶融した発泡性樹脂を上記発泡性樹脂注入通路内に射出し、上記注入口を経由して上記パリソン内に注入する射出手段とを含むことを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項10記載の樹脂成形品の成形装置において、上記発泡性樹脂注入通路には、弁体が移動することによりキャビティ容積を拡大する注入通路弁が設けられ、上記注入口形成時、上記パリソン内の気圧が維持された状態で、上記注入通路弁により上記キャビティ容積を拡大させて上記注入口を形成させることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11記載の樹脂成形品の成形装置において、上記注入通路弁は、上記発泡性樹脂注入通路を開く開状態と、閉じる第1閉状態と、弁体が移動することにより上記第1閉状態よりも上記キャビティ容積を拡大させた状態で閉じる第2閉状態とに切換可能であって、上記ブロー賦形時は上記第1閉状態とされ、上記注入口の形成時には上記第2閉状態とされ、上記発泡性樹脂の射出時には上記開状態とされることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項10乃至12の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置において、上記成形型は、上記注入口が形成される箇所のパリソンを薄肉化する絞り部を有することを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項10乃至13の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置において、上記発泡性樹脂注入通路は、上記成形型の正面部に設けられていることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項10乃至14の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置において、上記パリソンの上記注入口が形成される箇所に、注入口形成時に応力が集中する応力集中部を予め形成する応力集中部形成手段を備えることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項10乃至15の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置において、上記パリソンに気体抜き孔を形成する気体抜き孔形成手段を備え、上記射出手段が発泡性樹脂を射出する際、上記気体抜き孔からパリソン内の気体を抜きながら該パリソン内に発泡性樹脂が注入されることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項10乃至16の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置において、上記発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有することを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項17記載の樹脂成形品の成形装置において、上記物理発泡剤は、超臨界流体であることを特徴とする。
請求項1の発明によると、まず内部が発泡性樹脂から成る軽量な樹脂成形品を得ることができる。そしてその表層部がソリッド樹脂(パリソン)から成るので、内部の発泡性樹脂の気泡が表面に露出しない。従って容易に美観を向上させることができる。また表皮の材質や厚さを適宜設定することにより、必要な物性(剛性等)を容易に得ることができる。
そしてブロー賦形工程後、パリソンの一部を吹き破ることで型開することなくパリソンに発泡性樹脂の注入口を形成することができる。このため、ブロー賦形工程に続いて連続的に射出工程に移行することができ、容易且つ効率的な成形を行うことができる。
請求項2の発明によると、注入口形成工程において、パリソン内の気圧が維持された状態でキャビティ容積が拡大される。これにより、発泡性樹脂注入通路に繋がる部分のパリソンが外側にさらに膨出可能、又はさらに膨出し易くなるので、より確実にパリソンの吹き破り(注入口の形成)を行うことができる。
請求項3の発明によると、注入通路弁を第1閉状態から第2閉状態に切換えることにより、上記キャビティ容積の拡大を行うことができる。さらに、続いて注入通路弁を第2閉状態から開状態に切換えることにより、発泡性樹脂の注入停止状態から注入可能状態に連続的に移行することができる。
つまりこの注入通路弁によれば、簡単な構造でありながら、キャビティ容積を拡大する作用に加え、発泡性樹脂注入通路を開閉する作用と、キャビティ容積の拡大と発泡性樹脂の射出・注入とを連続的に行うことを可能とする作用をも得ることができる。
請求項4の発明によると、注入口形成工程において、注入口が形成される箇所のパリソンが薄肉化されているので容易にこれを吹き破ることができる。つまりより容易にパリソンに注入口を形成することができる。
請求項5の発明によると、成形品のより中央に近い位置から発泡性樹脂の注入を行うことができるので、容易に充填性を高めることができる。
請求項6の発明によると、パリソンの注入口形成箇所に応力集中部(例えば圧痕など)が予め形成されるので、注入口形成工程においてパリソンを吹き破り易くなる。従って、より容易かつ確実に注入口を形成することができる。
請求項7の発明によると、射出工程において、パリソン内の気体が気体抜き孔を経由して排出される。従って発泡性樹脂の充填がブロー賦形工程で用いられた気体に阻害されることが抑制され、充填性を高めることができる。
請求項8の発明によると、物理発泡剤により、微細かつ均一な発泡セル構造を形成することができるので、剛性等の物性をより向上することができる。
請求項9の発明によると、密度が液体に近く、流動性が気体の状態であるという性質を有する超臨界流体が、発泡時に溶融樹脂の中を活発に移動し、分子の奥深くまで拡散するので、請求項7の効果を一層助長することができる。
請求項10乃至18の発明によると、それぞれ請求項1乃至9に対応する効果を奏する発泡樹脂成形品の成形装置を容易に得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る樹脂成形品の成形装置1(以下成形装置1と略称する)の概略構成図である。成形装置1は、内部が発泡性樹脂から成るとともに表層部がソリッド樹脂(非発泡性の樹脂)から成る樹脂成形品を得るための成形装置である。そのような樹脂成形品の用途としては、例えば、軽量でありながら一定以上の剛性・強度を有することが求められ、また外観の美しさも要求される自動車のトランクボード等が好適である。
成形装置1は、その基本的な構成として、型締機構部10、射出機構部30及びブロー機構部50を備える。
型締機構部10(型締手段)は、金型2の型締めと型開とを図外の油圧機構または電動モータ等によって行う機構であり、後述する注入通路弁5以外は、一般的な射出成形装置に用いられる型締機構と同様の構成を有する。
射出機構部30(射出手段)は、金型2の内部(詳しくは、金型2のキャビティ内でブロー賦形されたパリソンPの内部)に、溶融した発泡性樹脂36を射出する機構である。
射出機構部30は、一般的な射出成形装置に用いられる射出機構と同様の構成を有する。詳しくは、樹脂ペレット36aの供給口であるホッパ35と、その下流で樹脂ペレット36aを加熱して可塑化(溶融)させ、混練しつつ下流側に抽送するシリンダ31及びスクリュ33とを有する。シリンダ31の先端は金型2に接続されている。樹脂ペレット36aの材質としては、熱可塑化性樹脂、例えばポリプロピレン(PP)等が好適である。
さらに樹脂ペレット36a内に、補強繊維としてガラスファイバー(長繊維)を20%程度混合しても良く、ガラスファイバーに代えて、カーボンファイバー、ナノファイバー、繊維状や粒状の充填材、或いは天然繊維等を用いても良い。
シリンダ31の途中位置に、物理発泡剤として用いられる超臨界流体(SCF:Super Critical Fluid)47(以下SCF47と略称する)を供給するSCF供給パイプ41が、弁40を介して接続されている。超臨界流体(SCF47)とは、所定の臨界温度以上かつ臨界圧力以上の超臨界状態とした公知の流体である。当実施形態で用いるSCF47の種類は、不活性ガス、好ましくは二酸化炭素(CO)や窒素(N)が好適である。SCF47は、液体に近い密度でありながら気体の流動性を有する。COの臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。またNの臨界温度は−147℃、臨界圧力は3.4MPaである。
SCF47はSCF供給ユニット45を介してSCFタンク48に貯溜されており、SCF供給ユニット45によって適宜量のSCF47がSCF供給パイプ41に送出される。弁40を開くことにより、シリンダ31内の樹脂にSCF47が混入され、発泡性樹脂36となる。
なお、SCF47に代えて他の物理発泡剤を用いても良く、また物理発泡剤に代えて化学反応により熱的に発泡させる化学発泡剤36b(予め樹脂ペレット36a内に、例えば6%程度混合しておく)を用いても良い。
ブロー機構部50は、押出成形によってソリッド樹脂の円筒形パリソンPを型締機構部10に向けて垂下させ、そのパリソンPの内部にブローピン64でエアを吹込み、膨らませ、その後ブローピン64をパリソンPの内部から退避させる。すなわちブロー機構部50は、パリソン垂下手段、ブロー賦形手段およびブローピン退避手段を具備する。なお当実施形態では、吹込む気体として空気(エア)を用いる。その他窒素等を用いても良い。
ブロー機構部50は、一般的なブロー成形装置に用いられる同機構と同様の構成を有する。詳しくは、樹脂ペレット57(パリソンPの材料)の供給口であるホッパ55と、その下流で樹脂ペレット57を加熱して可塑化(溶融)させ、混練しつつ下流側に抽送するシリンダ51及びスクリュ53と、可塑化された樹脂を、円環状の間隙を有するダイ62から下方に押出し、円筒状のパリソンPを垂下させるシリンダ60と、エアを吹き出すブローピン64と、ブローピン64にエアを供給するエア供給パイプ66とを含む。
またシリンダ60は、ブローピン64を軸方向(上下方向)に移動させる機構を内蔵する。
パリソンPの材料となる樹脂ペレット57の材質としては、熱可塑化性樹脂、例えばポリプロピレン(PP)等が好適である。
図2及び図3は、金型2まわりの縦断面図であって、成形装置1による成形工程を順に示す説明図であるが、まずこれらの図を参照して、金型2の構造について説明する。
図2(a)に示すように、金型2(成形型)は、主に第1金型3と第2金型4とからなる。第1金型3と第2金型4の少なくとも一方が型締機構部10によって型開閉方向(パリソンPの垂下方向に垂直な方向)に移動可能とされている。図2(a)は、第1金型3と第2金型4とが所定間隔をもって隔てられた型開状態を示し、図2(b)は、第1金型3と第2金型4とが閉じられた型締状態を示す。
第1金型3及び第2金型4には、互いに対向する位置に金型面3a及び金型面4aが形成されている。型締状態で金型面3aと金型面4aとに囲まれた空間がキャビティ2aとなる。
図2(a)に示すように、型開状態で第1金型3と第2金型4との間に円筒状のパリソンPが垂下するように構成されている。そしてダイ62から円筒状のブローピン64がパリソンPの内部に突出している。上述のように、ブローピン64は上下に移動可能である。特に下方側位置をブロー位置(図2(a)〜(c)の状態)、上方側位置を退避位置(図3(a)の状態)というものとする。
金型面3aと金型面4aの上部には、それぞれブロー位置にあるブローピン64の外形形状に沿うように、平面視で半円形の凹部3b,4b(気体抜き孔形成手段)が形成されている。
また金型面3aの略中央には、成形品形状よりも更に彫り込まれた絞り部3cが形成されている。そしてシリンダ31の先端と絞り部3cとを連通し、溶融した発泡性樹脂をキャビティ2a内に導く注入通路3d(発泡性樹脂注入通路)が設けられている。注入通路3dは、図示のように第1金型3の正面部略中央に設けられている。
絞り部3cと注入通路3dとの境界には、これらの連通を断続する注入通路弁5が設けられている。図2(d)に示すように、注入通路弁5は、第1弁6と第2弁7とからなる複合弁である。第1弁6は、直接絞り部3cと注入通路3dとを断続する弁体14と、弁体14に連設されたロッド13と、ロッド13を伸縮させることによって弁体14に開閉を行わせるアクチュエータ12とを含む。第2弁7については詳細を省略しているが、第1弁6と同様に弁体14、ロッド13及びアクチュエータ12に相当する構成要素を含む。
注入通路弁5は、第1弁6と第2弁7とが共に開き、絞り部3cと注入通路3dとを連通させる開状態(図3(c)の状態)と、第1弁6と第2弁7とが共に閉じ、絞り部3cと注入通路3dとを遮断する第1閉状態(図2(d)の状態)と、第1弁6が開く一方第2弁7が閉じ、結果的に絞り部3cと注入通路3dとを遮断する第2閉状態(図2(e)の状態)とに切換可能に構成されている。第1閉状態では、第1弁6の弁体14が絞り部3cの最奥部においてキャビティ2aを形成している。第2閉状態では、その弁体14が下方に移動する(矢印A1)ことにより、絞り部3cの最奥部に、新たに第1弁6と第2弁7との間の空間(第1閉状態で弁体14が占めていた空間を含む)ができる。つまり第1閉状態に比べてキャビティ容積が拡大する。絞り部3cの絞りがより深くなっているということもできる。
次に、引き続き図2及び図3を参照して、成形装置1の動作及び成形装置1を用いた成形方法について説明する。
図2(a)はダイ62からパリソンPを垂下するパリソン垂下工程を示す。金型2は開かれ、パリソンPは第1金型3と第2金型4との間に垂下されている。注入通路弁5は第1閉状態である。
図2(b)は垂下されたパリソンPの上下を第1金型3と第2金型4とで挟んで袋状となす型締工程を示す。ブローピン64の周囲がパリソンPを挟んで凹部3bと凹部4bとに囲まれ、その状態で袋状のパリソンPの気密が保たれている。そしてブローピン64の先端がパリソンPの内部で開口している。
この型締工程は、エア抜き孔形成工程を含んでいる。エア抜き孔(気体抜き孔。図3(d)のP2参照)は、後の射出工程においてパリソンP内のエアを排出する孔である。このエア抜き孔は、当該エア抜き孔形成工程においてブローピン64を囲むパリソンP(凹部3b,4bで形成される)によって形成されている。但し現時点では実際には孔とはなっておらず、潜在化した孔である。
このように型締工程内でエア抜き孔形成工程を行うことにより、別途エア抜き孔形成工程を設ける場合に比べ、サイクルタイムを短縮し、生産効率を高めることができる。
図2(c)は、袋状にされたパリソンPの内部にブローピン64でエアBを吹込み、パリソンPをキャビティ形状に沿った形に膨らませるブロー賦形工程を示す。エアBによる内圧によってパリソンPが金型面3aおよび金型面4aに密着し、賦形されている。
図2(d)は、図2(c)の注入通路弁5まわりの拡大図である。パリソンPは絞られながら絞り部3cに密着している。このため、絞り部3c付近のパリソンPは他の部分に比べて薄肉化されている。
図2(e)は、ブロー賦形工程完了後、キャビティ容積を拡大させてパリソンの注入通路3dに当面する部分を吹き破り、発泡性樹脂36の注入口P9となす注入口形成工程を示す。この注入口形成工程では、エアBの吹込みを継続させつつ(パリソンP内の気圧を維持させつつ)、第1弁6のみが開弁される(第2閉状態)。図示のように第1弁6が開く、すなわち弁体14が下方に移動する(矢印A1)と、絞り部3cで絞られて薄肉化しているパリソンPの外側にさらなる空間ができて、キャビティ容積が拡大する。これにより、絞り部3cのパリソンPが弁体14による支えを失ってさらに膨出し、内側から外側に向かって吹き破られて注入口P9が形成される。
このように、型開することなく注入口P9を形成することができるので、ブロー賦形工程から当該注入口形成工程及び次のブローピン退避工程を経て射出工程に連続的に移行することができる。従って効率的な成形を行うことができる。
また、キャビティ容量を拡大させる弁体14を含む注入通路弁5を備えるので、より確実にパリソンの吹き破り(注入口の形成)を行うことができる。
しかも絞り部3cによって薄肉化された箇所に注入口P9を設けるようにしているので、パリソンPを容易に吹き破って注入口P9を形成することができる。
図3(a)は、注入口形成工程完了後、ブローピン64をパリソンPの内部から退避させるブローピン退避工程を示す。注入口形成工程が完了すると、エアBの吹込みが停止され、ブローピン64が上方の退避位置に移動する(矢印A2)。すると、ブローピン64が退避した跡に、それまでブローピン64を通していた孔が残存する。この孔は、先に行われたエア抜き孔形成工程(図2(b))で形成されたエア抜き孔が顕在化したものである。以下、この孔をエア抜き孔P2という。
このように、ブローピン64が退避した跡に残存する孔がエア抜き孔P2となるので、別途エア抜き孔を設ける必要がなく、より工程を簡潔化して生産効率を高めることができる。
また、このブローピン退避工程はエア抜き通路形成工程を含んでいる。エア抜き通路とは、後の射出工程でパリソンP内のエアをエア抜き孔P2を経由してキャビティ2aの外部へ排出する通路である。当実施形態ではエア抜き孔P2自体がエア抜き通路P2’となっている。すなわち、ブローピン64を退避させ、エア抜き孔P2を顕在化させることによりエア抜き通路P2’が形成される。
さらに、ブローピン64を退避位置に退避させることにより、後の射出工程において、発泡性樹脂36によってブローピン64が目詰まりすることが効果的に防止されている。
図3(b)は、ブローピン退避工程完了後、パリソンP内に溶融した発泡性樹脂36を射出する射出工程の開始時点を示す。射出工程では、注入通路弁5が開弁状態とされる。すなわち第1弁6が開弁状態を継続しつつ第2弁7が開弁される(矢印A2)。これによって発泡性樹脂36が注入通路3dから注入口P9を経由してキャビティ2a(パリソンPの内部)に注入可能状態となる。
このように注入通路弁5によれば、簡単な構造でありながら、キャビティ容積を拡大する作用に加え、発泡性樹脂注入通路を開閉する作用と、キャビティ容積の拡大と発泡性樹脂の射出・注入とを連続的に行うことを可能とする作用をも得ることができる。
図3(c)は、射出工程の初期段階を示す。射出機構部30によりシリンダ31の先端から発泡性樹脂36が射出され、パリソンP内への注入、充填が開始している。
図3(d)は、射出工程の中期段階を示す。パリソンP内への発泡性樹脂36の充填が進行するに伴って、パリソンP内のエアBがエア抜き孔P2(エア抜き通路P2’)を通して排出される。このようにパリソンP内においてエアBと発泡性樹脂36との置換が適切に行われるので、発泡性樹脂36の充填がエアBに阻害されることが抑制され、充填性を高めることができる。
しかも注入通路3dが、第1金型3の正面部略中央に設けられているため、成形品のより中央に近い位置から発泡性樹脂36の注入を行うことができ、一層充填性が高められている。
図3(e)は、射出工程完了後の型開工程を示す。所定量の発泡性樹脂36が射出されると注入通路弁5が閉弁され(矢印A4。第1閉弁状態)、射出工程が完了する。その後、所定の冷却期間をおいて金型2が開かれ、成形品Mが取出される。
図4は、成形品Mの一部切欠きを有する斜視図である。以上の各工程を経て、内部が発泡性樹脂36、表層部がソリッド樹脂67(パリソンP)から成る成形品Mが得られる。
成形品Mは、その内部が発泡性樹脂36から成るので軽量である。しかも射出工程で適切なエア抜きが行われているので高い充填性が得られている。また物理発泡剤としてSCF47(超臨界流体)が用いられているので、分子の奥深くまで拡散するSCF47によって微細かつ均一な発泡セル構造が形成されている。従って高い物性(剛性等)を得ることができる。
また成形品Mの表層部が非発泡性のソリッド樹脂67から成るので、内部の発泡性樹脂36の気泡が表面に露出しない。従って美観が高められている。またパリソンPの材質や厚さを適宜設定することにより、必要な物性(剛性等)を容易に得ることができる。
成形品Mは、図4に示す状態の後、適宜不要部分(エア抜き孔P2、余剰パリソンP3(バリ)、注入痕P4等)が除去加工され、仕上げが行われる。
図5は、本発明の第2実施形態に係る成形装置1の、注入通路弁5aまわりの部分断面図であって、(a)はブロー賦形工程、(b)は注入口形成工程、(c)は射出工程の初期段階、(d)は射出工程の完了時点をそれぞれ示す。(e)は射出工程完了後に得られた成形品M1の部分断面図である。なお以下の実施形態を示す各図において、第1実施形態を示す各図と同一または同様の機能を有する部材には同一の符号を付し、その重複説明を省略する。
上記第1実施形態では第1金型3の絞り部3cが成形品の外側になる位置に設けられているのに対し、当実施形態では成形品の内側に埋没する位置に設けられている。すなわち、第1金型3において成形品側に突出するように円筒状の突出部3eが形成され、その内径部が絞り部3cとなっている。
また、注入通路弁5aが単一の弁で構成されている点も第1実施形態と異なっている。図を簡潔にするため、図5では注入通路弁5aの弁体のみを示している。注入通路弁5a(の弁体)は型開閉方向に移動し、3段階に切換えられる。注入通路弁5aが最もキャビティ2aに近い位置にあるとき(図5(a)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとの連通が遮断された第1閉状態となる。なお、このときの注入通路弁5aの先端面(パリソンPに当面する面)は、成形品の外形形状に相当する位置にある。
注入通路弁5aが2番目にキャビティ2aに近い位置にあるとき(図5(b)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとの連通が遮断された第2閉状態となる。第2閉状態では、第1閉状態に対して、キャビティ容積が拡大されている。絞り部3cの絞りがより深くなっているとも言える。
注入通路弁5aが最もキャビティ2aから遠い位置にあるとき(図5(c)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとが連通された開状態となる。
図5(a)に示すブロー賦形工程では注入通路弁5aが第1閉状態である。エアBの吹込みによってパリソンPが突出部3eの形状に沿って変形し、絞り部3cでは絞られて薄肉化している。
図5(b)に示す注入口形成工程ではエアBの吹込みが継続される(パリソンP内の気圧が維持される)とともに注入通路弁5aが第2閉状態とされる。それによって絞り部3cのパリソンPが注入通路弁5aによる支えを失ってさらに膨出し、内側から外側に向かって吹き破られて注入口P9が形成される。
図5(c)に示す射出工程の初期段階では、その前のブローピン退避工程でエアBの吹込みが既に停止されている。そして注入通路弁5aが開状態とされるとともに、射出機構部30によりシリンダ31の先端から発泡性樹脂36が射出され、パリソンP内への注入、充填が開始する。
図5(d)に示す射出工程の完了時点では注入通路弁5aが第1閉状態とされ、発泡性樹脂36の注入が停止される。
以上の各工程を経て得られた成形品M1は、図5(e)に示すように、その注入痕P4が成形品M1の外形形状に対して突出しないことが特徴となっている。注入痕P4の周囲に第1金型3の突出部3eによる凹痕が残るが、これが許容できる場合には、第1実施形態のように注入痕P4が突出するものに比べ、その除去加工を省略することができるという利点がある。
また注入通路弁5aについては、第1実施形態の注入通路弁5に比べ、弁体のストロークが長くなってはいるが、より簡単な構造で注入通路弁5と同等の作用・効果を得ることができるという利点がある。
図6は、本発明の第3実施形態に係る成形装置1の、注入通路弁5bまわりの部分断面図であって、(a)はブロー賦形工程、(b)は注入口形成工程、(c)は射出工程の初期段階、(d)は射出工程の完了時点をそれぞれ示す。(e)は射出工程完了後に得られた成形品M2の部分断面図である。
当実施形態も上記第2実施形態と同様、第1金型3から成形品側に突出するように円筒状の突出部3eが形成され、その内径部が絞り部3cとなっている。また注入通路弁5bの構造も第2実施形態の注入通路弁5aとほぼ同様であるが、当実施形態の注入通路弁5bには、その先端側(パリソンPに対向する側)にパリソンPに向けて尖った尖端部58(応力集中部形成手段)を有する点が第2実施形態と異なっている。
注入通路弁5bは型開閉方向に移動し、3段階に切換えられる。注入通路弁5bが最もキャビティ2aに近い位置にあるとき(図6(a)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとの連通が遮断された第1閉状態となる。なお、このときの注入通路弁5bの尖端部58は、突出部3eの先端部よりも成形品の内側に入り込む位置にある。このため、パリソンPは、絞り部3cでの絞り方向とは反対側(キャビティ2aの内向き)に絞られて薄肉化している。
注入通路弁5bが2番目にキャビティ2aに近い位置にあるとき(図6(b)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとの連通が遮断された第2閉状態となる。第2閉状態では、第1閉状態に対してキャビティ容積が拡大されている。パリソンPが、尖端部58による絞りから解放され、絞り部3cによって逆側により深く絞られるとも言える。また尖端部58の傾斜部の基点が、ほぼ成形品の外形形状に相当する位置にある。
注入通路弁5bが最もキャビティ2aから遠い位置にあるとき(図6(c)の状態)、絞り部3cと注入通路3dとが連通された開状態となる。
図6(a)に示すブロー賦形工程では注入通路弁5bが第1閉状態である。エアBの吹込みによってパリソンPが突出部3eの形状に沿って変形し、薄肉化している。そして突出部3eよりも突出した尖端部58によって圧痕(応力集中部P10)が付けられる。
図6(b)に示す注入口形成工程ではエアBの吹込みが継続される(パリソンP内の気圧が維持される)とともに注入通路弁5aが第2閉状態とされる。それによって絞り部3cのパリソンPが注入通路弁5bによる支えを失ってさらに膨出し、内側から外側に向かって吹き破られて注入口P9が形成される。その際、上記ブロー賦形工程で設けられた応力集中部P10に応力集中が起こって吹き破られ易くなっている。従って容易且つ確実に注入口P9を形成することができる。
図6(c)に示す射出工程の初期段階では、その前のブローピン退避工程でエアBの吹込みが既に停止されている。そして注入通路弁5bが開状態とされるとともに、射出機構部30によりシリンダ31の先端から発泡性樹脂36が射出され、パリソンP内への注入、充填が開始する。
図6(d)に示す射出工程の完了時点では注入通路弁5bが第2閉状態とされ、発泡性樹脂36の注入が停止される。
以上の各工程を経て得られた成形品M2は、図6(e)に示すように、その注入痕P4が成形品M2の外形形状に対して突出しないことが特徴となっている。注入痕P4の周囲に第1金型3の突出部3eによる凹痕が残り、注入痕P4には注入通路弁5bの尖端部58による凹痕が残るが、これらが許容できる場合には、第1実施形態のように注入痕P4が突出するものに比べ、その除去加工を省略することができるという利点がある。
また注入通路弁5bに関しては、第2実施形態の注入通路弁5aに対し、応力集中部P10を容易に形成するという機能を簡単な構造変更で追加できるという利点がある。また尖端部58による薄肉化が図られるので、先端が平坦である場合に比べ、パリソンPの吹き破り性を向上することができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、発泡性樹脂36やパリソンPの材質は上記以外のものでも良い。
また上記第3実施形態に示す応力集中部P10は、必ずしも尖端部58による圧痕でなくても良く、例えば傷など、何らかの応力集中を起こさせてパリソンPを吹き破り易くするものであれば良い。
また、必ずしもキャビティ容積を拡大させる注入通路弁を設ける必要はない。例えば第1実施形態において、注入通路弁5を、第1弁6を省略して第2弁7のみからなるように構成しても良い。このようにすると、充分深い絞り部3cが形成されるとともに、注入通路弁5は開状態と閉状態(第1閉状態)との2段階切換となる(注入通路弁5はキャビティ容積拡大作用を失う)。この場合、ブロー賦形工程と注入口形成工程は注入通路弁5を閉状態として行われる。まずブロー賦形工程において、パリソンPが絞り部3cのある程度の深さまで入り込んだ時点で、他の箇所のブロー賦形が完了する(工程としてはこの時点でブロー賦形から注入口形成工程に移行する)。さらにエアBの吹込みを継続(パリソンP内の気圧を維持)することにより、膨出余地のある絞り部3cのパリソンPのみがさらに膨出し、内側から外側に向けて吹き破られ、注入口P9が形成されるのである。
このような形態は、成形品Mが比較的簡単な形状である場合(パリソンPが吹き破られる前に他の箇所の賦形が完了するような場合)に適用すれば良い。換言すれば、成形品Mが比較的複雑な形状である場合、キャビティ容積を拡大させる注入通路弁5を設けることにより、より確実にブロー賦形後に注入口P9の形成を行わせることができる。
本発明の第1実施形態に係る樹脂成形品の成形装置の概略構成図である。 図1に示す装置の金型まわりの縦断面図であって、成形工程を順に示す説明図である。(a)はパリソン垂下工程、(b)は型締工程、(c)はブロー賦形工程、(e)は注入口形成工程をそれぞれ示す。(d)は(c)の部分拡大図である。 図1に示す装置の金型まわりの縦断面図であって、図2に続く成形工程を順に示す説明図である。(a)はブローピン退避工程、(b)は射出工程の開始時点、(c)は射出工程の初期段階、(d)は射出工程の中期段階、(e)は型開工程をそれぞれ示す。 成形品の一部切欠きを有する斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る成形装置の、注入通路弁まわりの部分断面図であって、(a)はブロー賦形工程、(b)は注入口形成工程、(c)は射出工程の初期段階、(d)は射出工程の完了時点をそれぞれ示す。(e)は射出工程完了後に得られた成形品の部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る成形装置の、注入通路弁まわりの部分断面図であって、(a)はブロー賦形工程、(b)は注入口形成工程、(c)は射出工程の初期段階、(d)は射出工程の完了時点をそれぞれ示す。(e)は射出工程完了後に得られた成形品の部分断面図である。
符号の説明
1 樹脂成形品の成形装置
2 金型(成形型)
2a キャビティ
3b 凹部(気体抜き孔形成手段)
3c 絞り部
3d 注入通路(発泡性樹脂注入通路)
4b 凹部(気体抜き孔形成手段)
5 注入通路弁、注入口形成手段
5a、5b 注入通路弁、注入口形成手段、弁体
10 型締機構部(型締手段)
14 弁体
30 射出機構部(射出手段)
36 発泡性樹脂
47 超臨界流体(物理発泡剤)
50 ブロー機構部(パリソン垂下手段、ブロー賦形手段、ブローピン退避手段)
58 尖端部(応力集中部形成手段)
64 ブローピン
67 ソリッド樹脂(パリソン)
B エア(気体)
P パリソン
P2 エア抜き孔(気体抜き孔)
P9 注入口
P10 応力集中部

Claims (18)

  1. 内部が発泡性樹脂から成るとともに表層部がソリッド樹脂から成る樹脂成形品の成形方法であって、
    上記ソリッド樹脂のパリソンを垂下するパリソン垂下工程と、
    溶融した発泡性樹脂をキャビティ内に導く発泡性樹脂注入通路を備えた成形型で、垂下された上記パリソンを挟んで袋状となす型締工程と、
    袋状となった上記パリソン内部に気体を吹込み、該パリソンを上記成形型のキャビティ形状に沿った形に膨らませるブロー賦形工程と、
    上記ブロー賦形工程完了後、上記ブロー賦形工程で用いた気体により、上記パリソンの上記発泡性樹脂注入通路に繋がる部分を内側から外側に向けて吹き破り、発泡性樹脂の注入口となす注入口形成工程と、
    上記パリソンをブロー賦形されたままの状態でキャビティ内に残留させ、溶融した発泡性樹脂を上記発泡性樹脂注入通路内に射出し、上記注入口を経由して上記パリソン内に注入する射出工程とを含むことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 上記発泡性樹脂注入通路には、弁体が移動することによりキャビティ容積を拡大する注入通路弁が設けられ、
    上記注入口形成工程において、上記パリソン内の気圧を維持しつつ、上記注入通路弁により上記キャビティ容積を拡大させて上記注入口を形成させることを特徴とする請求項1記載の樹脂成形品の成形方法。
  3. 上記注入通路弁は、上記発泡性樹脂注入通路を開く開状態と、閉じる第1閉状態と、弁体が移動することにより上記第1閉状態よりも上記キャビティ容積を拡大させた状態で閉じる第2閉状態とに切換可能であって、上記ブロー賦形工程においては上記第1閉状態とされ、上記注入口形成工程においては上記第2閉状態とされ、上記射出工程においては上記開状態とされることを特徴とする請求項2記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 上記成形型は、上記注入口が形成される箇所のパリソンを薄肉化する絞り部を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  5. 上記発泡性樹脂注入通路は、上記成形型の正面部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  6. 上記注入口形成工程の前に、上記パリソンの上記注入口が形成される箇所に、注入口形成時に応力が集中する応力集中部を予め形成しておくことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  7. 上記射出工程の開始前に、上記パリソンに気体抜き孔が形成され、
    上記射出工程において、上記気体抜き孔からパリソン内の気体を抜きながら発泡性樹脂が注入されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  8. 上記発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形方法。
  9. 上記物理発泡剤は、超臨界流体であることを特徴とする請求項8記載の樹脂成形品の成形方法。
  10. 内部が発泡性樹脂から成るとともに表層部がソリッド樹脂から成る樹脂成形品の成形装置であって、
    上記ソリッド樹脂のパリソンを垂下するパリソン垂下手段と、
    溶融した発泡性樹脂をキャビティ内に導く発泡性樹脂注入通路を備えた成形型で、垂下された上記パリソンを挟んで袋状となす型締手段と、
    袋状となった上記パリソン内部に気体を吹込み、該パリソンを上記成形型のキャビティ形状に沿った形に膨らませるブロー賦形手段と、
    上記ブロー賦形手段によるブロー賦形後、そのブロー賦形で用いた気体により、上記パリソンの上記発泡性樹脂注入通路に繋がる部分を内側から外側に向けて吹き破り、発泡性樹脂の注入口となす注入口形成手段と、
    上記パリソンをブロー賦形されたままの状態でキャビティ内に残留させ、溶融した発泡性樹脂を上記発泡性樹脂注入通路内に射出し、上記注入口を経由して上記パリソン内に注入する射出手段とを含むことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  11. 上記発泡性樹脂注入通路には、弁体が移動することによりキャビティ容積を拡大する注入通路弁が設けられ、
    上記注入口形成時、上記パリソン内の気圧が維持された状態で、上記注入通路弁により上記キャビティ容積を拡大させて上記注入口を形成させることを特徴とする請求項10記載の樹脂成形品の成形装置。
  12. 上記注入通路弁は、上記発泡性樹脂注入通路を開く開状態と、閉じる第1閉状態と、弁体が移動することにより上記第1閉状態よりも上記キャビティ容積を拡大させた状態で閉じる第2閉状態とに切換可能であって、上記ブロー賦形時は上記第1閉状態とされ、上記注入口の形成時には上記第2閉状態とされ、上記発泡性樹脂の射出時には上記開状態とされることを特徴とする請求項11記載の樹脂成形品の成形装置。
  13. 上記成形型は、上記注入口が形成される箇所のパリソンを薄肉化する絞り部を有することを特徴とする請求項10乃至12の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置。
  14. 上記発泡性樹脂注入通路は、上記成形型の正面部に設けられていることを特徴とする請求項10乃至13の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置。
  15. 上記パリソンの上記注入口が形成される箇所に、注入口形成時に応力が集中する応力集中部を予め形成する応力集中部形成手段を備えることを特徴とする請求項10乃至14の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置。
  16. 上記パリソンに気体抜き孔を形成する気体抜き孔形成手段を備え、
    上記射出手段が発泡性樹脂を射出する際、上記気体抜き孔からパリソン内の気体を抜きながら該パリソン内に発泡性樹脂が注入されることを特徴とする請求項10乃至15の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置。
  17. 上記発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有することを特徴とする請求項10乃至16の何れか1項に記載の樹脂成形品の成形装置。
  18. 上記物理発泡剤は、超臨界流体であることを特徴とする請求項17記載の樹脂成形品の成形装置。
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