JP2008194840A - 樹脂成形品の成形方法及び成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法及び成形装置 Download PDF

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Yohei Ichihara
洋平 一原
Mitsuharu Kaneko
満晴 金子
Junichi Ogawa
淳一 小川
Masatoshi Shinomori
正利 篠森
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Abstract

【課題】溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体51と該発泡成形体51の周囲を覆う表皮52とからなる樹脂成形品50を成形する場合に、成形型のコアバックにより溶融発泡性樹脂の発泡を促進しつつ、表皮52を構成するブロー成形体55がコアバックにより薄肉化しても、樹脂成形品50の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制する。
【解決手段】発泡成形体51に、ブロー成形体55におけるコアバック時の膨張による被延伸部分(表皮52の薄肉部52a)に接して位置しかつ他の部分(発泡セル大径部51b)に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部51aが形成されるように、溶融発泡性樹脂をブロー成形体55内に供給する。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形方法及び成形装置に関する技術分野に属する。
従来より、発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形方法としては、例えば特許文献1に示されている方法が知られている。この方法では、予備成形体としてのチューブ状のパリソンを、成形型のキャビティ内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮を構成する中空状のブロー成形体を成形し、この成形型内におけるブロー成形体の内部に熱可塑性樹脂発泡体片を充填し、この発泡体片をスチーム等の加熱媒体により加熱して該発泡体片を相互に融着させることで、上記発泡成形体を成形するようにしている。この方法によれば、樹脂成形品の表面は、非発泡性樹脂からなるブロー成形体(表皮)で構成されるので、良好な表面性(平滑性)や高い強度が安定して得られるとともに、樹脂成形品の内部は発泡成形体により軽量化を図ることができるようになる。
特開2004−284149号公報
ところで、上記従来の成形方法の考え方を利用して、例えば窒素や二酸化炭素の超臨界流体からなる発泡剤を含有する溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給して、該溶融発泡性樹脂を発泡させることで、上記のような、発泡成形体の周囲を表皮で覆ってなる樹脂成形品を成形するようにすることが考えられる。この場合、溶融発泡性樹脂の発泡をより促進させて樹脂成型品(発泡成形体)の軽量化を図るべく、成形型を型開き方向に開いて(コアバックさせて)該成形型のキャビティを増大させながら、溶融発泡性樹脂を発泡させるようにすることが好ましい。
しかし、成形型をコアバックさせてキャビティを増大させると、ブロー成形体の肉厚が部分的に薄くなるという問題がある。すなわち、成形型をコアバックさせると、溶融発泡性樹脂が大きく発泡し易くなり、この発泡により、ブロー成形体が新たなキャビティ増大空間に向けて膨張する。この膨張によりブロー成形体が延伸されて、この被延伸部分の肉厚が薄くなる。このようにブロー成形体の肉厚が部分的に薄くなると、樹脂成形品の表面部(表皮)の強度が部分的に低下してしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品を成形する場合に、成形型のコアバックにより上記溶融発泡性樹脂の発泡を促進しつつ、上記表皮を構成するブロー成形体がコアバックにより薄肉化しても、樹脂成形品の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、発泡成形体に、ブロー成形体におけるコアバック時の膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給することとした。
具体的には、請求項1の発明では、溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形方法を対象とする。
そして、非発泡性樹脂を用いて成形されたチューブ状の予備成形体を、成形型のキャビティ内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮を構成する中空状のブロー成形体を成形するブロー成形体成形工程と、上記キャビティ内における上記ブロー成形体の内部に、上記溶融発泡性樹脂を供給する供給工程と、上記溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、上記成形型を型開き方向に開いて上記キャビティを増大させながら、上記溶融発泡性樹脂を発泡させて上記ブロー成形体を膨張させる膨張工程とを含み、上記供給工程は、上記発泡成形体に、上記ブロー成形体における上記膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、上記溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給する工程であるものとする。
このことにより、ブロー成形体成形工程において、成形型のキャビティ内で中空状のブロー成形体が成形され、供給工程で、そのキャビティ内におけるブロー成形体内に溶融発泡性樹脂が供給される。この溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、膨張工程で、成形型が型開き方向に開いて(コアバックして)キャビティを増大させながら、上記溶融発泡性樹脂を発泡させる。このようにキャビティの容積が増大するので、上記溶融発泡性樹脂の発泡が促進される。この発泡によりブロー成形体が新たなキャビティ増大空間に向けて膨張し、この膨張によりブロー成形体が延伸されるため、このブロー成形体の被延伸部分は薄肉化する。そして、溶融発泡性樹脂が冷却により固化して発泡成形体となり、この発泡成形体の周囲を、ブロー成形体で構成された表皮が覆っていることになる。
上記の成形方法により、上記表皮は部分的に薄肉化しているが、本発明では、発泡成形体において他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されており、この発泡セル小径部が上記ブロー成形体の被延伸部分(表皮の薄肉化した部分)に接して位置しているので、表皮の薄肉化した部分を補強することができる。すなわち、発泡セル小径部では、平均発泡セル径が他の部分よりも小さくなっているために、それだけ樹脂が多く充填されて強度が他の部分よりも高くなっており、このことで、表皮の薄肉化した部分の補強が可能になる。よって、樹脂成形品の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、樹脂温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度よりも低いものとする。
また、請求項3の発明では、請求項1の発明において、上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、冷却速度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の冷却速度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の冷却速度よりも大きいものとする。
さらに、請求項4の発明では、請求項1の発明において、上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、固化温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の固化温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の固化温度よりも高いものとする。
これら請求項2〜4の発明により、ブロー成形体内における発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂が、他の部分に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂よりも早く固化することになり、この結果、発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂の発泡が、他の部分に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂の発泡よりも早期に停止する。したがって、発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂が固化してなる発泡セル小径部では、他の部分よりも平均発泡セル径が小さくなる。よって、発泡成形体に発泡セル小径部を容易に形成することができる。
請求項5の発明では、請求項1の発明において、上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、該ブロー成形体内への供給開始から固化するまでの発泡速度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の上記発泡速度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の上記発泡速度よりも小さいものとする。
このことで、発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂は、ブロー成形体への供給開始から固化するまでの間に殆ど発泡しない一方、他の部分に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂は、素早く発泡して、ブロー成形体への供給開始から固化するまでの間に略完全に発泡するようにすることができる。よって、請求項2〜4の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれか1つの発明において、上記供給工程は、上記溶融発泡性樹脂を、射出シリンダの前端に設けたノズルから射出することで、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給する工程であり、上記供給工程の前に、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、上記射出シリンダ内において前後方向に並んで位置するように収容しておき、上記供給工程において、上記射出シリンダ内に収容された、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、連続して上記ノズルから射出することで、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給するようにする。
このことにより、例えば、ブロー成形体において被延伸部分とは反対側に樹脂供給口を設けて、該樹脂供給口から溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給する場合、射出シリンダ内の前側に収容された溶融発泡性樹脂は被延伸部分の側へ供給され、射出シリンダ内の後側に収容された溶融発泡性樹脂は被延伸部分とは反対側、つまり樹脂供給口側に供給されることになる。したがって、被延伸部分とは反対側の樹脂供給口から溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給する場合、射出シリンダ内の前側には、発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂を収容し、射出シリンダ内の後側には、他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂を収容しておくようにすれば、発泡成形体においてブロー成形体の被延伸部分に接した位置に、発泡セル小径部を容易に形成することができる。
請求項7の発明では、請求項1〜6のいずれか1つの発明において、上記溶融発泡性樹脂は、補強繊維を含有しているものとする。
すなわち、溶融発泡性樹脂に含有された補強繊維は、供給工程においては、ブロー成形体内で溶融発泡性樹脂の流動により該流動方向に略沿って強制的に配向される一方、膨張工程においては、成形型のコアバックに伴って、強制配向による補強繊維の内部応力が解放され、これにより、上記流動方向に対する配向性が低くなって種々の方向に立ち上がる(スプリングバック現象)。この結果、溶融発泡性樹脂の発泡がより一層促進される。このことで、ブロー成形体内における発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂においても発泡が促進されるが、該溶融発泡性樹脂は、早期に固化する等して殆ど発泡しないようになされているので、補強繊維が含有されていても、平均発泡セル径はそれ程大きくはならない。よって、発泡成形体に発泡セル小径部を容易に形成することができるとともに、他の部分の発泡をより促進することができる。また、発泡セル小径部に補強繊維が含有されることで、表皮の薄肉化した部分を効果的に補強することができる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれか1つの発明において、上記溶融発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有しているものとする。
こうすることで、発泡セル小径部の平均発泡セル径を比較的小さくすることができ、表皮の薄肉化した部分を確実に補強することができる。一方、発泡成形体の発泡セル小径部以外の部分(上記他の部分)の発泡セル径は、コアバックによる発泡の促進によって大きくすることができ、樹脂成形品の軽量化を図ることができる。
請求項9の発明では、請求項8の発明において、上記物理発泡剤は、超臨界流体からなるものとする。
このことで、超臨界流体が液体としての粘度及び溶解力と気体としての激しい分子運動とを併せ持つことを利用して、発泡セル小径部の発泡セルを超微細なものにすることができ、表皮の薄肉化した部分をより一層確実に補強することができる。一方、発泡成形体の発泡セル小径部以外の部分(上記他の部分)の発泡セル径は、コアバックによる発泡の促進によってかなり大きくすることができ、樹脂成形品の軽量化を図ることができる。
請求項10の発明は、溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形装置の発明である。
そして、この発明では、非発泡性樹脂を用いて成形されたチューブ状の予備成形体を、キャビティ内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮を構成する中空状のブロー成形体を成形する成形型と、上記成形型のキャビティ内における上記ブロー成形体の内部に、上記溶融発泡性樹脂を供給する溶融発泡性樹脂供給手段とを備え、上記成形型は、上記溶融発泡性樹脂供給手段による上記溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、型開き方向に開いて上記キャビティを増大させながら、上記溶融発泡性樹脂を発泡させて上記ブロー成形体を膨張させるよう構成されており、上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記発泡成形体に、上記ブロー成形体における上記膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、上記溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給するよう構成されているものとする。
この発明により、成形型のキャビティ内で中空状のブロー成形体が成形され、溶融発泡性樹脂供給手段により、そのキャビティ内におけるブロー成形体内に溶融発泡性樹脂が供給される。この溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、成形型が型開き方向に開いて(コアバックして)キャビティの容積が増大しながら、上記溶融発泡性樹脂が発泡し、この発泡によりブロー成形体が膨張して、この膨張によりブロー成形体が延伸されて薄肉化する。このブロー成形体の被延伸部分(表皮の薄肉化した部分)は、発泡成形体の発泡セル小径部により補強される。よって、請求項1の発明の成形方法を容易に実行することができて、樹脂成形品の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制することができる。
請求項11の発明では、請求項10の発明において、上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、樹脂温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給するよう構成され、上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度よりも低いものとする。
このことで、ブロー成形体内における発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂が、他の部分に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂よりも早く固化することになり、発泡成形体に発泡セル小径部を容易に形成することができる。
請求項12の発明では、請求項10の発明において、上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給するよう構成されているものとする。
このことにより、ブロー成形体内における発泡セル小径部に対応する位置と他の部分に対応する位置とに、固化特性や発泡特性等が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給することができ、そのような特性の相違を利用して発泡成形体に発泡セル小径部を容易に形成することができる。
請求項13の発明では、請求項12の発明において、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも冷却速度が大きいものであるとする。
また、請求項14の発明では、請求項12の発明において、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも固化温度が高いものであるとする。
これら請求項13及び14の発明により、発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂が早期に固化することで殆ど発泡せず、よって、発泡成形体に発泡セル小径部を容易にかつ確実に形成することができる。
請求項15の発明では、請求項12の発明において、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも、該ブロー成形体内への供給開始から固化するまでの発泡速度が小さいものであるとする。
このことで、発泡セル小径部に対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂では、ブロー成形体への供給開始から固化するまでの間に殆ど発泡しないようにすることができ、よって、発泡成形体に発泡セル小径部を容易にかつ確実に形成することができる。
請求項16の発明では、請求項10〜15のいずれか1つの発明において、上記溶融発泡性樹脂供給手段は、前端にノズルが設けられかつ内部に上記溶融発泡性樹脂が収容された射出シリンダを有していて、該溶融発泡性樹脂を、該射出シリンダのノズルから射出することで、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給するよう構成され、上記射出シリンダ内には、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂が、前後方向に並んで位置するように収容されており、更に上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記射出シリンダ内に収容された、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、連続して上記ノズルから射出することで、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給するよう構成されているものとする。
このことにより、請求項6の発明の成形方法を容易に実行することができて、発泡成形体においてブロー成形体の被延伸部分に接した位置に、発泡セル小径部を容易に形成することができる。
請求項17の発明では、請求項10〜16のいずれか1つの発明において、上記溶融発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有しているものとする。このことで、請求項8の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項18の発明では、請求項17の発明において、上記物理発泡剤は、超臨界流体からなるものとする。こうすることで、請求項9の発明と同様の作用効果が得られる。
以上説明したように、本発明の樹脂成形品の成形方法及び成形装置によると、発泡成形体に、ブロー成形体におけるコアバック時の膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給することとしたことにより、発泡セル小径部によって、表皮の薄肉化した部分(ブロー成形体の被延伸部分)を補強することができ、樹脂成形品の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制することができる。また、発泡成形体の発泡セル小径部以外の部分(上記他の部分)では、成形型のコアバックにより、溶融発泡性樹脂の発泡を促進することができ、樹脂成形品の軽量化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る成形装置1を示し、この成形装置1は、図2に示すように、溶融発泡性樹脂70を用いて成形された発泡成形体51と、この発泡成形体51の周囲を覆う表皮52とからなる樹脂成形品50を成形するものである。この樹脂成形品50は、本実施形態では、簡単にするために四角柱形状をなしているが、後述の成形型4(固定型21と可動型22とで構成されている)のキャビティ27の形状を変更することにより、種々の形状に成形可能である。
上記樹脂成形品50は、自動車用、建築資材用、家電用、日用雑貨用等の広い用途に用いることができ、その各用途において、当該樹脂成形品50は、補強材、断熱材、遮音材、防振材、衝撃吸収材等として用いることができる。
上記樹脂成形品50の発泡成形体51は、平均発泡セル径が互いに異なる発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bからなっている。この発泡セル大径部51bは、固定型21側(図2の右側)に位置し、発泡セル小径部51aは、可動型22側(図2の左側)に位置していて、発泡セル大径部51bの固定型21側の面を除いてその全体を囲んでいる。
上記樹脂成形品50の表皮52は、非発泡性樹脂(例えばポリプロピレン)を用いて成形された後述のブロー成形体55(図4等参照)で構成されたものであって、発泡成形体51の外側表面と密着した状態で該外側表面の略全体(ブロー成形体55において後述のブローピン30によって開けられた孔や樹脂供給口55aに相当する部分を除いた全体)を覆っている。これにより、樹脂成形品50の表面は、発泡成形体51のように発泡による多数の凹部がなくて平滑であり、このことで、樹脂成形品50の外観の見映えが良好なものとなっている。
上記表皮52は、該表皮52において他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部52aを有する。この薄肉部52aを除けば表皮52の肉厚は均一である。この薄肉部52aは、表皮52における可動型22側(図2の左側)の面の周縁部ないしその近傍部であって、ブロー成形体55においてコアバック時の膨張により延伸された部分(被延伸部分)に相当する。そして、上記発泡セル小径部51aは、この薄肉部52aに接して位置しており、このことで、発泡成形体51には、表皮52の薄肉部52a(ブロー成形体55の被延伸部分)に接して位置しかつ該発泡成形体51において他の部分(発泡セル大径部51b)に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部51aが形成されていることになる。尚、上記発泡セル小径部51aは、少なくとも表皮52の薄肉部52aに接してさえいれば、どのような形状であってもよい。但し、樹脂成形品50の軽量化の観点からは、発泡セル小径部51aの体積は、発泡セル大径部51bの体積よりも小さいことが好ましい。また、発泡セル小径部51aの体積は、小さければ小さいほどより好ましいが、薄肉部52aに接するように成形することが困難になるので、薄肉部52aに確実に接するように成形できる大きさとすればよい。
上記成形装置1は、図1に示すように、溶融状態の上記非発泡性樹脂を用いてチューブ状に予備成形した軟化状態の予備成形体(以下、パリソンという)2を下方に押し出すパリソン押出機3と、このパリソン押出機3から垂下したチューブ状のパリソン2を、キャビティ27内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮52を構成する中空状のブロー成形体55を成形する成形型4と、この成形型4のキャビティ17内における上記ブロー成形体55の内部に、溶融発泡性樹脂70を供給する溶融発泡性樹脂供給手段としての樹脂供給装置7とを備えている。
上記パリソン押出機3は、アキュムレータヘッド9を備えており、その下部にはダイ10が設けられている。このダイ10には、上下方向(ダイ10の厚み方向)に貫通する中央孔10aが形成されており、この中央孔10a内にはコア12が配設されている。このコア12にはコアロッド13が連結されており、このコアロッド13は、アキュムレータヘッド9内を貫通して上方に延び、その上端部は、アキュムレータヘッド9の上方に配置されかつ不図示の固定部材に固定されたシリンダ装置14に連結されている。
上記コア12の外周面とダイ10の中央孔10aの内周面との間は、環状の押し出し孔15とされており、この押し出し孔15の径方向の幅により、パリソン2の肉厚が決まる。上記幅は、上記シリンダ装置14によってコアロッド13及びコア12を上下方向に移動させることで調整可能であり、この調整により、パリソン2の肉厚が所定の肉厚(上記表皮52における薄肉部52aを除く部分の肉厚)になるようにしている。
上記アキュムレータヘッド9の内部には、上記押し出し孔15に接続される環状の材料貯留部16が形成されている。この材料貯留部16には材料供給機17が接続されており、この材料供給機17により上記非発泡性樹脂が材料貯留部16に供給されるようになっている。
また、上記アキュムレータヘッド9の内部には、上記材料貯留部16の上側において、該材料貯留部16に連なる環状通路18が形成されており、この環状通路18にはリングプランジャ19が上下に摺動可能に嵌合されている。このリングプランジャ19は、アキュムレータヘッド9の上方に配置されかつ不図示の固定部材に固定されたシリンダ装置20により上下方向に駆動されるようになっており、このリングプランジャ19の駆動により、材料貯留部16に供給された非発泡性樹脂が環状の押し出し孔15に向けて押し出されることになる。こうしてチューブ状(本実施形態では、円筒状)のパリソン2が成形されながら垂下される。
上記成形型4は、固定型21と、この固定型21に対して水平方向(図1の左右方向)にスライドして型閉め及び型開きを行う可動型22とで構成されている。上記固定型21における可動型22側の面には、可動型22と協働としてキャビティ27を構成する凹部21aが形成されており、この凹部21aは、可動型22側から見て、四角形状をなしている。
上記可動型22は、図3にも示すように、本体部22aと枠状部22bとからなっている。この本体部22aは、固定型21側の面に固定型21側に突出する突出部22cを有していて、不図示の駆動機構により、固定型21に対して接近及び離間するよう構成されている。上記突出部22cは、固定型21側から見て、四角形状をなしており、突出部22cの先端面は、上記固定型21の凹部21aの開口と同じ大きさを有している。上記枠状部22bは、上記突出部22cの周囲に配置されていて、上記本体部22aを駆動する駆動機構とは別の駆動機構(図示せず)により、本体部22aに対して相対的に水平方向(図1の左右方向)に移動可能になされている。この枠状部22bは、通常、該枠状部22bにおける固定型21とは反対側の面が本体部22aの固定型21側の面(突出部22cが存在しない部分)に当接した状態(この状態を基本状態という)にあり、この基本状態では、枠状部22bにおける固定型21側の面が突出部22cの先端面と面一になっている。
そして、型閉めの際には、上記本体部22a及び基本状態にある枠状部22bが、共に固定型21側に移動し、枠状部22bにおける固定型21側の面が固定型21における可動型22側の面(凹部21aが存在しない部分)に当接することで型閉めが完了する。尚、パリソン2をキャビティ27内に取り込んで型閉めを行ったときには、枠状部22bにおける固定型21側の面と固定型21における可動型22側の面との間には、パリソン2の上下端部が介在する(図4参照)。
また、後述の如く成形型4をコアバックさせる際には、枠状部22bにおける固定型21側の面が固定型21における可動型22側の面に当接した状態を維持したまま、本体部22aのみが固定型21とは反対側へ移動するようになっている(図8参照)。
さらに、成形完了後の型開きの際には、本体部22a及び枠状部22bが共に固定型21とは反対側へ移動するとともに、枠状部22bが本体部22aに対して相対移動して上記基本状態に戻される。
上記固定型21の上部には、上下方向に延びるブローピン挿入孔29が形成されている。このブローピン挿入孔29により、固定型21の凹部21a(つまりキャビティ27)と成形型4の外部とが連通されている。このブローピン挿入孔29には、軸心部にエア通路が形成されたブローピン30が摺動可能に挿入されており、このブローピン30は、不図示の駆動装置により、先端部が凹部21a内に進入した進入状態と、凹部21aから退出した退出状態との間を相互に移動可能に構成されている。そして、図示は省略するが、ブローピン30に対して、圧縮エア源と大気とを切り換えて接続する切換装置が接続されており、この切換装置の切換動作により、ブローピン30は、エア供給機能(ブロー成形を行うための機能)と、エア抜き(自然排気)機能とを選択的に発揮するようになっている。尚、自然排気に代えて、強制排気を行うようにしてもよい。
上記樹脂供給装置7は、上記溶融発泡性樹脂70を射出する射出成形機5と、上記固定型21内に設けられかつ射出成形機5より射出された溶融発泡性樹脂をキャビティ27内に導くための樹脂導入部6とで構成されている。
上記樹脂導入部6は、樹脂導入通路32と、シャッタ弁33と、プランジャ34とを有している。樹脂導入通路32は、固定型21の中央部において該固定型21の厚み方向(図1の左右方向)に貫通している。具体的には、樹脂導入通路32は、内径が互いに異なる大径部35、中径部36及び小径部37からなっている。大径部35は、固定型21における凹部21aの底面(上下方向に延びる面)の中央部に開口し、この開口から可動型22とは反対側に一定距離だけ延びている。中径部36は、大径部35における可動型22とは反対側の端から可動型22とは反対側に延びて、大径部35と共に段付き穴を構成している。この中径部36における可動型22とは反対側の端は閉塞されている。小径部37は、上記中径部36の長さ方向中間部に開口し、この開口から上側に延びた後、可動型22とは反対側に折れ曲がって水平に延びて固定型21における可動型22とは反対側の面に開口している。
上記シャッタ弁33は、上記大径部35における中径部36との隣接位置において、駆動装置38により駆動されて、大径部35に対して進退動可能に設けられている。このシャッタ弁33が大径部35内に進入したときには、大径部35と中径部36との連通が遮断される一方、シャッタ弁33が大径部35から退出したときには、大径部35と中径部36とが連通されるようになっている。
上記プランジャ34は、上記中径部36内に摺動可能に嵌合されていて、駆動装置39(図5参照)により、大径部35に対して近い側に位置する前進位置と、遠い側に位置する後退位置との間を相互に移動可能に構成されている。上記前進位置は、中径部36における上記小径部37の接続位置であり、プランジャ34が前進位置に位置するときには、プランジャ34により小径部37の中径部36への開口が閉塞されて中径部36と小径部37との連通が遮断される。一方、プランジャ34が後退位置に位置するときには、中径部36と小径部37とが連通されるようになっている。尚、上記シャッタ弁33及びプランジャ34の動作については、後に上記樹脂成形品50の成形方法を説明する際に併せて説明する。
上記射出成形機5は、円筒状の射出シリンダ41を有している。この射出シリンダ41の前端にはノズル41aが設けられ、このノズル41aが上記樹脂導入部6の小径部37における可動型22とは反対側の開口に接続されている。また、射出シリンダ41の内部には、スクリュー42が回転可能にかつ進退可能に設けられている。このスクリュー42の後端側に、該スクリュー42を駆動するための駆動機構(図示せず)が設けられている。
上記射出シリンダ41の後端部の上部には、樹脂ペレット71を投入するためのホッパー43が接続されており、このホッパー43に投入された樹脂ペレット71は、射出シリンダ41内に供給されるようになっている。また、射出シリンダ41の周壁部には、複数の加熱ヒータ44が射出シリンダ41の前後方向に並ぶように設置されている(尚、図1では、射出シリンダ41の前後方向の一部にしか加熱ヒータ44を図示していないが、実際には、射出シリンダ41の前後方向略全体に亘って加熱ヒータ44が設置されている)。そして、上記ホッパー43から射出シリンダ41内に供給された上記樹脂ペレット71は、上記駆動機構によるスクリュー42の回転により射出シリンダ41の前側へ移動しながら、上記加熱ヒータ44によって溶融されるようになっている。尚、上記複数の加熱ヒータ44は独立に制御することが可能であり、これにより、加熱ヒータ44の配設位置毎に射出シリンダ41内の温度を個別に加熱制御することができるようになっている。
上記射出シリンダ41の前後方向中間部には、射出シリンダ41内に、超臨界流体を注入するための注入ノズル45が接続されている。この注入ノズル45は、窒素や二酸化炭素等のガスを、超臨界流体(臨界圧力及び臨界温度を超えた状態)にして供給する超臨界流体供給装置46に接続されており、この超臨界流体供給装置46により、注入ノズル45から超臨界流体が射出シリンダ41内に注入される。これにより、上記樹脂ペレット71が溶融してなる溶融樹脂中に超臨界流体が混ぜ合わされかつ溶解されて上記溶融発泡性樹脂70となり、成形時に超臨界流体が気化することで、溶融発泡性樹脂70が発泡することになる。すなわち、本実施形態では、超臨界流体の性質、つまり液体としての粘度及び溶解力と気体としての激しい分子運動とを併せ持つ性質を利用して超微細発泡成形を行うべく、発泡剤として超臨界流体からなる物理発泡剤を用いている。
上記樹脂ペレット71は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン等からなっていて、本実施形態では、補強繊維53(図10参照)を含有している。このことで、上記溶融発泡性樹脂70は補強繊維53を含有していることになる。これは、後述のスプリングバック現象を利用して溶融発泡性樹脂70の発泡をより促進するためである。上記補強繊維53としては、スプリングバックし易いガラスやカーボン等の長繊維が好ましいが、短繊維であってもよい。
上記溶融発泡性樹脂70は、スクリュー42の回転により射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分へと押し出される。このとき、その圧力でスクリュー42が後退し、所定距離(射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に、1回の射出に必要な溶融発泡性樹脂70の量が収容されるような距離)だけ後退したときに、スクリュー42の回転が停止する。これにより、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分には、ブロー成形体55内に供給される溶融発泡性樹脂70が収容されることになる。そして、溶融発泡性樹脂70を射出する際には、上記駆動機構によりスクリュー3が高速で前進するようになっている。これにより、溶融発泡性樹脂70が上記ノズル41aから樹脂導入部6を介して、成形型4のキャビティ27内におけるブロー成形体55内に供給されることになる。
上記射出成形機5及び樹脂導入部6は、上記発泡成形体51に上記発泡セル小径部51aが形成されるように、上記溶融発泡性樹脂70をブロー成形体55内に供給するよう構成されている。具体的には、射出成形機5及び樹脂導入部6は、ブロー成形体55内における発泡セル小径部51aに対応する位置と発泡セル大径部51bに対応する位置とに、樹脂温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂70(これらを区別するときには、溶融発泡性樹脂70a及び溶融発泡性樹脂70bという)をそれぞれ供給するよう構成されており、上記発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70aの樹脂温度は、上記発泡セル大径部51bに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70b(溶融発泡性樹脂70aと同じ樹脂材料からなる)の樹脂温度よりも低い。すなわち、射出成形機5の射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分において、上記発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂70a,70bが、前後方向に並んで位置する(本実施形態では、発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70aの方が前側に位置する)ように収容されており、上記各加熱ヒータ44の制御により、上記溶融発泡性樹脂70aが収容されている部分(前側)の加熱温度を、溶融発泡性樹脂70bが収容されている部分(後側)の加熱温度よりも低くなるようにしている。但し、溶融発泡性樹脂70a,70b間で熱の移動があるために、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容されている溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂温度は、図9に示すように、スクリュー42の近傍を除いて、ノズル41aから離れるに連れて次第に高くなる。
そして、上記射出成形機5は、上記射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容された、上記発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂70a,70bを、後述の如く、連続してノズル41aから射出することで、上記樹脂導入部6の樹脂導入通路32を介して、発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給する。
次に、上記成形装置1を用いて上記樹脂成形品50を成形する方法を説明する。
先ず、図1に示すように、成形型4を型開き状態にしておき、パリソン押出機3により円筒状のパリソン2を成形しながら、該パリソン2を成形型4の固定型21と可動型22との間に垂下させる。このときのパリソン2の肉厚は、長さ方向(上下方向)全体に亘って均一である。また、パリソン2の上下方向の長さは、キャビティ27の上下方向の長さよりも長く、パリソン2の垂下完了時には、パリソン2の上下端部が、可動型22の枠状部22bの上下部にそれぞれ対向する高さ位置に位置している。尚、可動型22の枠状部22bは本体部22aに対して上記基本状態にある。
上記パリソン2の垂下が完了すると、可動型22を図1の右側へスライドさせることで型閉めを行ってパリソン2をキャビティ27内に取り込む。この型閉め状態では、パリソン2の上下端部が、枠状部22bにおける固定型21側の面と固定型21における可動型22側の面との間に挟持され、これにより、パリソン2の上下端部が閉じられるとともに、パリソン2の上下方向の中間部がキャビティ27内に収容されることになる。
上記型閉め完了後に、図4に示すように、ブローピン30を駆動して、ブローピン30の先端部をキャビティ27内に進入させる。この進入により、ブローピン30の先端部はパリソン2を貫通してパリソン2内に進入する。そして、ブローピン30を圧縮エア源と接続して、ブローピン30により圧縮エアをパリソン2内に供給することでブロー成形を行う。これにより、パリソン2は膨らまされてキャビティ27内面に押し付けられ、キャビティ27と略同じ形状(キャビティ27の隅部には完全に沿わない)の中空状のブロー成形体55が成形される。
上記ブロー成形体55の成形が完了する時点を捉えて、上記シャッタ弁33を大径部35から退出させて、大径部35と中径部36とを連通させる。すなわち、図5に示すように、上記ブロー成形時に、パリソン2の一部が薄肉化しながら樹脂導入通路32の大径部35内に入り込んで、大径部35内に進入しているシャッタ弁33に押し付けられるが、図6に示すように、シャッタ弁33を大径部35から退出させると、大径部35内に入り込んだパリソン2は、支えられるものがなくなることから、パリソン2内の圧縮エアの作用と上記薄肉化とにより破断することになる。このようにブロー成形体55に破断孔を形成することで、ブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を供給するための樹脂供給口55aを設ける。尚、ブロー成形体55の成形が完了する時点は、例えばブローピン30による圧縮エアのパリソン2内への供給開始から所定時間を計測する等して捉えればよい。
上記シャッタ弁33の大径部35からの退出が完了すると、ブローピン30による圧縮エアのパリソン2内への供給を停止するとともに、ブローピン30の先端部をキャビティ27内から退出させる(図7参照)。このようにブローピン30の先端部をキャビティ27内から退出させるのは、ブローピン30をエア抜き手段として利用するためである。すなわち、ブロー成形体55を成形した後は、上記射出成形機5により、溶融発泡性樹脂70(70a,70b)をブロー成形体55内に供給するが、この供給に伴いブロー成形体55内のエアを抜かなければ、ブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を円滑に充填できないことから、ブローピン30をエア抜き手段として利用するとともに、供給された溶融発泡性樹脂70にブローピン30が埋め込まれないようにする。
尚、後述の如く溶融発泡性樹脂70(70a,70b)を射出成形機5により射出する前に予め、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に、ブロー成形体55内に供給される溶融発泡性樹脂70(70a,70b)が収容されるようにしておく。複数の樹脂成形品50を連続して成形する場合には、通常、射出後直ぐにスクリュー42が回転しながら後退して、次にブローピン30が退出完了する前に、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に、溶融発泡性樹脂70が収容される。
上記ブローピン30の退出完了後に、樹脂導入通路32の中径部36内におけるプランジャ34を後退動させて後退位置に位置させるとともに、射出成形機5のスクリュー42を高速で前進させて、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容された溶融発泡性樹脂70a,70bを連続して射出する。すなわち、上記プランジャ34を後退位置に位置させることにより、中径部36と小径部37とが連通され、このことで、大径部35、中径部36及び小径部37が全て連通状態になるので、高圧の溶融発泡性樹脂70a,70bが、ブロー成形体55の固定型21側の面の中央部に形成された上記樹脂供給口55aからブロー成形体55内に連続して供給されることになる。このとき、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分において前側に収容されていた溶融発泡性樹脂70aは、先にブロー成形体55内に供給されるため、上記樹脂供給口55aとは反対側に供給され、後側に収容されていた溶融発泡性樹脂70bは、上記樹脂供給口55a側に供給されることになる。また、溶融発泡性樹脂70aは溶融発泡性樹脂70bに押されて上下方向や可動型22側から見たときの左右方向にも移動するため、溶融発泡性樹脂70aが溶融発泡性樹脂70bの固定型21側の部分を除く全体を囲むことになる。したがって、溶融発泡性樹脂70aは、ブロー成形体55内における発泡セル小径部51aに対応する位置(ブロー成形体55における後述の被延伸部分に接する位置)に供給され、溶融発泡性樹脂70bは、ブロー成形体55内における発泡セル大径部51bに対応する位置(被延伸部分に接しない位置)に供給されることになる。尚、ブロー成形体55内の圧力は臨界圧力よりも低いことから、ブロー成形体55内に供給された溶融発泡性樹脂70a,70bは、供給された時点から発泡し始める。
上記溶融発泡性樹脂70(70a,70b)のブロー成形体55内への供給完了により、ブロー成形体55内には溶融発泡性樹脂70が充填されていることになる。この溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給完了後(充填完了後)、図8に示すように、成形型4を型開き方向に開いて(コアバックさせて)キャビティ27を増大させながら、上記溶融発泡性樹脂70を発泡させて上記ブロー成形体55を膨張させる。すなわち、シャッタ弁33を大径部35に進入させかつプランジャ34を前進位置に位置させるとともに、可動型22の枠状部22bを移動させないで本体部22aのみを固定型21とは反対側に所定量(発泡セル径をどの程度にするかによって予め決められている)だけ移動させる。こうして、成形型4は、コアバックしてキャビティ27の容積を増大させながら、溶融発泡性樹脂70を発泡させる。このようにキャビティの容積が増大するので、溶融発泡性樹脂70の発泡が促進される。この発泡によりブロー成形体55が新たなキャビティ27増大空間に向けて膨張する。この膨張によりブロー成形体55は延伸される。この被延伸部分は、ブロー成形体55において可動型22の本体部22aにおける突出部22cの先端面の周縁部に対応する部分である。すなわち、この部分は、キャビティ27の隅部に相当して可動型22とは殆ど接触していないために、殆ど固化していないことから延伸され易くなっており、上記膨張により、その部分が延伸されて薄肉化する。こうして上記薄肉部52aが形成されることになる。尚、コアバックの開始は、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給完了後(充填完了後)に限らず、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給開始後でかつ供給完了前(充填完了前)に行ってもよい。但し、良好に発泡させる観点からは、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給完了後(充填完了後)であることが好ましい。
本実施形態では、上述の如く溶融発泡性樹脂70(70a,70b)は補強繊維53を含有しているので、上記コアバックにより溶融発泡性樹脂70の発泡がより一層促進される。すなわち、溶融発泡性樹脂70に含有された補強繊維53は、コアバック前においては、図10(a)に示すように、ブロー成形体55内で溶融発泡性樹脂70の流動により該流動方向(特に長手方向である上下方向)に略沿って強制的に配向されている。この状態からコアバックすると、図10(b)に示すように、強制配向による補強繊維53の内部応力が解放され、これにより、上記流動方向に対する配向性が低くなって種々の方向(特に型開き方向)に立ち上がる(スプリングバック現象)。この結果、溶融発泡性樹脂70の発泡がより一層促進されることになる。
上記溶融発泡性樹脂70(70a,70b)は、ブロー成形体55内への供給開始から樹脂温度が自然冷却により低下していき、その樹脂温度が固化温度に達すると、固化(硬化)する(尚、固化温度に達するのはコアバック完了後である)。このように溶融発泡性樹脂70が固化すると、発泡は停止して、発泡セル径はそれ以上大きくなることはない。そして、上記ブロー成形体55内における発泡セル小径部51aに対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂70aは、固化することで発泡セル小径部51aとなる。一方、ブロー成形体55内における発泡セル大径部51bに対応する位置に供給された溶融発泡性樹脂70bは、固化することで発泡セル大径部51bとなる。ここで、溶融発泡性樹脂70aの樹脂温度は溶融発泡性樹脂70bの樹脂温度よりも低いので、溶融発泡性樹脂70aの方が溶融発泡性樹脂70bよりも早く固化する。この結果、溶融発泡性樹脂70aの発泡が、溶融発泡性樹脂70bの発泡よりも早期に停止する。尚、ブロー成形体55内における発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70aは、早期に固化して殆ど発泡しないようになされているので、補強繊維53が含有されていることで発泡が促進されても、平均発泡セル径はそれ程大きくはならない。したがって、発泡セル小径部51aの平均発泡セル径の方が発泡セル大径部51bの平均発泡セル径よりも小さくなる。
上記コアバックの完了後に、該完了後から所定時間経過するのを待つ。この間に、溶融発泡性樹脂70の発泡によるブロー成形体55の膨張が終了するとともに、ブロー成形体55及び溶融発泡性樹脂70が完全に固化する。こうして、溶融発泡性樹脂70が固化してなる発泡成形体51と、ブロー成形体55で構成された表皮52とからなる樹脂成形品50の成形が完了する。尚、発泡成形体51及び表皮52は、互いに強固に接合された状態になっている。また、発泡セル小径部51aと発泡セル大径部51bとの間には、両者が同じ樹脂材料からなるので、明確な境界は存在しない(後述の実施形態2のように異なる樹脂材料からなっていても、両者が境界近傍で混じり合うために明確な境界は存在しなくなる)。
その後、可動型22の本体部22a及び枠状部22bを共に固定型21とは反対側へ移動させて型開きを行い、成形された樹脂成形品50を成形型4から取り出す。そして、この樹脂成形品50として不要な部分をカットして、樹脂成形品50が完成する。この不要な部分は、可動型22の枠状部22bにおける固定型21側の面と固定型21における可動型22側の面との間に挟持された部分(上下に突出した部分)である。また、樹脂導入通路32の大径部35に対応して突出した部分も不要であれば、カットしてもよいが、このような突出部を、樹脂成形品50の取付位置決め用等として予め設計して、この突出部を大径部35に対応するようにしておけば、カットする必要はなくなる。
上記樹脂成形品50の表皮52には、コアバック時にブロー成形体55が膨張して薄肉化することで形成された薄肉部52aが存在する。このため、発泡成形体51の発泡セル径が、発泡成形体51全体において均一であれば、樹脂成形品50における可動型22側の表面部の強度が部分的に低下することになる。しかし、本実施形態では、薄肉部52aの内側には、発泡成形体51の発泡セル小径部51aが接している(接合されている)。この発泡セル小径部51aでは、平均発泡セル径が発泡セル大径部51bよりも小さくて、それだけ樹脂が多く充填されて強度が発泡セル大径部51bよりも高くなっている。
したがって、薄肉部52aは発泡セル小径部51aによって補強され、樹脂成形品50における可動型22側の表面部の強度が部分的に低下するということはない。一方、発泡セル大径部51bでは、コアバックと補強繊維53とによって発泡を促進して発泡セル径を大きくすることができるので、発泡成形体51、延いては樹脂成形品50の軽量化を図ることができる。
ここで、ブロー成形体55内のエア抜きに関する変形例と、樹脂供給口55aの形成に関する変形例とを説明する。尚、以下の各変形例は、後述の実施形態2及び3にも適用することができるものである。
図11は、ブロー成形体55内のエア抜きに関する変形例を示し、この変形例では、ブローピン30(図11では図示を省略する)は、上記実施形態と同様に、キャビティ27に対して進退動するが、エア抜きには用いられず、エア抜きに際しては、先端部がキャビティ27内から退出するだけである。そして、エア抜きのために、固定型21にエア排出機構81が設けられている。このエア排出機構81は、作動室82と、作動室82内と大気(成形型4の外部)とを連通するエア排出路83と、作動室82内とキャビティ27内とを連通する複数の貫通孔84と、作動室82内に配設された孔開け部材85とを備えている。この孔開け部材85は、図示を省略する駆動機構によって作動室82内を摺動する摺動部85aと、この摺動部85aから貫通孔84側に突出する複数の孔開けピン85bとを有していて、ブロー成形時には、図11(a)に示すように、摺動部85aが貫通孔84側に移動してエア排出路83の作動室82への開口を閉塞して、エアの排出を行わないようにするとともに、各孔開けピン85bが各貫通孔84を介してキャビティ27内に進入する。これにより、パリソン2が膨らまされてキャビティ27内面に押し付けられるときに、各孔開けピン85bの先端部がパリソン2を貫通してパリソン2内に進入する。こうしてパリソン2(ブロー成形体55)に孔が開けられる。
そして、ブロー成形体55の成形が完了してブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を供給するときには、図11(b)に示すように、摺動部85aが貫通孔84とは反対側に移動してエア排出路83の作動室82への開口を開くとともに、各孔開けピン85bの先端部がブロー成形体55内から退出する。これにより、ブロー成形体55内とエア排出通路83とが連通することになり、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給に伴い、ブロー成形体55内のエアは、エア排出路83を介して成形型4の外部に排出される。
図12及び図13は、ブロー成形体55内のエア抜きに関する別の変形例を示し、この変形例では、成形型4の固定型21と可動型22の枠状部22bとの上部合わせ面に、それぞれ断面半円状の凹所59a,59bを予め形成しておき、型閉めの際に、これら凹所59a,59bが協働してエア抜き孔58を構成するようにしたものである。尚、この変形例では、枠状部22bが基本状態にあるとき、枠状部22bにおける固定型21側の面が突出部22cの先端面よりも固定型21側に位置する。
上記パリソン押出機3のダイ10(図12及び図13では図示を省略する)には、上記エア抜き孔58に嵌合可能なピン60が、その軸心が上下に延びるように支持されている。そうして、ピン60の周側面を覆うようにパリソン2をダイ10から押出して、ピン60がパリソン2の上部を貫通した状態にし、その状態で、型閉めを行って、固定型21と枠状部22bとでパリソン2の上部を挟持するとともに、ピン60を、エア抜き孔58に嵌合した状態とする(図13(a)参照)。これにより、成形型4にエア抜き孔58が形成されていても、このエア抜き孔58がピン60により閉塞されるため、ブロー成形を適切にかつ確実に行うことができる。尚、ピン60を、圧縮エアをパリソン2内に供給するためのブローピンとして利用することも可能である。
一方、ブロー成形体55の成形が完了してブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を供給するときには、ピン60を上方に移動させてエア抜き孔58から抜く(図13(b)参照)。これにより、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給に伴い、ブロー成形体55内のエアは、エア抜き孔58を介して成形型4の外部に排出される。
図14は、ブロー成形体55内のエア抜きに関する更に別の変形例を示し、この変形例では、成形型4の固定型21又は可動型22に、キャビティ27に連なる第1の孔61と、この第1の孔61に連なりかつ第1の孔61を大気に連通させる複数の第2の孔62とからなるエア抜き孔58を形成したものである。尚、第1及び第2の孔61,62は固定型21に設けてもよく可動型22に設けてもよいので、図14では、成形型4において固定型21と可動型22とを区別して記載していない。
上記各第2の孔62にはピン63がそれぞれ挿入されている(図14(a)参照)。この成形型4でブロー成形を行う際には、各ピン63を更に深く挿入してパリソン2を貫通させるとともに、各第2の孔62を閉塞する(図14(b)参照)。そうして、ブロー成形を行えば、各第2の孔62が閉塞されていることから、ブロー成形を適切にかつ確実に行うことができる。
一方、ブロー成形体55の成形が完了してブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を供給するときには、各ピン63を各第2の孔62からそれぞれ抜く(図14(c)参照)。これにより、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給に伴い、ブロー成形体55内のエアは、エア抜き孔58を介して成形型4の外部に排出される。
図15は、ブロー成形体55内に溶融発泡性樹脂70を供給するための樹脂供給口55a(破断孔)の形成に関する変形例を示し、この変形例では、樹脂導入部6は、上記実施形態で説明した大径部35に相当するものを有しておらず、中径部36と小径部37とからなっている。つまり、中径部36が固定型21の凹部21aの底面に開口しており、この開口は、プランジャ34により閉塞されるようになっている。この閉塞時には、同時に、プランジャ34により、小径部37の中径部36への開口が閉塞されるようになっている。
また、固定型21の凹部21aの底面には、筒部64(円筒部)が可動型22側に突出するように設けられており、この筒部64の中心軸上に上記中径部36の開口が位置している。これにより、ブロー成形時に、パリソン2の一部が筒部64内に入り込みかつ薄肉化する。この後、プランジャ34を、可動型22とは反対側(図15の右側)へ移動させれば、筒部64内に入り込んだパリソン2は、支えられるものがなくなることから、パリソン2内の圧縮エアの作用と上記薄肉化とにより破断し、こうして樹脂供給口55a(破断孔)が形成される。
そして、上記プランジャ34の移動により、同時に中径部36と小径部37とが連通され、射出成形機5からの溶融発泡性樹脂70をブロー成形体55内に供給することができるようになる。このように、本変形例では、プランジャ34のみで、樹脂供給口55aの形成と、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給とを行うことができ、シャッタ弁33は不要となる。
図16は、樹脂供給口55aの形成に関する別の変形例を示し、この変形例では、先の変形例に対して、プランジャ34の先端部を尖った形状にしかつ該先端部が筒部64の先端面から突出するようにした点が異なる。これにより、ブロー成形時に、パリソン2の一部がプランジャ34の先端部に押し付けられて薄肉化する。この後、プランジャ34を、可動型22とは反対側(図16の右側)へ移動させれば、パリソン2が筒部64内に引き込まれて破断する。本変形例では、プランジャ34の移動量(つまり、筒部64内に入り込むパリソン2の変位量)を、先の変形例よりも長くして、パリソン2を破断し易くすることができる。
(実施形態2)
図17は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、ブロー成形体55内における発泡セル小径部51aに対応する位置と発泡セル大径部51bに対応する位置とに、互いに異なる溶融発泡性樹脂70a,70bをそれぞれ供給するようにしたものである。尚、樹脂成形品50の成形方法は、上記実施形態1と同様であり、また、溶融発泡性樹脂70(70a,70b)は、上記実施形態1と同様に、超臨界流体からなる物理発泡剤及び補強繊維53を含有している。
すなわち、本実施形態では、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分において、発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂70a,70bが、前後方向に並んで位置する(発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70aの方が前側に位置する)ように収容されている点は、上記実施形態1と同じであるが、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料と溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料とが互いに異なっている。このようにするために、射出成形機5のホッパー43の内部が前後に区画されていて、前側に、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料からなる樹脂ペレット71aを投入し、後側に、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料からなる樹脂ペレット71bを投入する。そして、最初に樹脂ペレット71aが溶融してなる溶融樹脂を射出シリンダ41の前方に送り、続けて樹脂ペレット71bが溶融してなる溶融樹脂を射出シリンダ41の前方に送る。これら溶融樹脂は、注入ノズル45による超臨界流体の注入によって、それぞれ溶融発泡性樹脂70a,70bとなって、射出シリンダ41の前方に送られる。こうして、射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分において、上記の如く溶融発泡性樹脂70aが前側に、溶融発泡性樹脂70bが後側にそれぞれ位置することとなる。
尚、本実施形態では、溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂温度は、同じになるようにしているが、上記実施形態1の如く、溶融発泡性樹脂70aの樹脂温度が溶融発泡性樹脂70bの樹脂温度よりも低くなるようにしてもよい。
上記溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂材料は、溶融発泡性樹脂70aの冷却速度が、溶融発泡性樹脂70bの冷却速度よりも大きくなる材料とする。例えば、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料をポリプロピレンとし、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料をポリエチレンとする。こうすれば、図18に示すように、溶融発泡性樹脂70a(PP)の方が溶融発泡性樹脂70b(PE)よりも冷却速度が大きくかつ固化温度も高いために、溶融発泡性樹脂70aのブロー成形体55内への供給開始から溶融発泡性樹脂70aが固化するまでの時間T1は、溶融発泡性樹脂70bのブロー成形体55内への供給開始から溶融発泡性樹脂70bが固化するまでの時間T2よりも短くなる。したがって、溶融発泡性樹脂70aの発泡が、溶融発泡性樹脂70bの発泡よりも早期に停止し、このため、溶融発泡性樹脂70aが固化してなる発泡セル小径部51aでは、溶融発泡性樹脂70bが固化してなる発泡セル大径部51bよりも平均発泡セル径が小さくなる。尚、このように溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料をポリプロピレンとし、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料をポリエチレンとすれば、溶融発泡性樹脂70a(PP)の方が溶融発泡性樹脂70b(PE)よりも固化温度も高くなるために、冷却速度の差と相俟って、溶融発泡性樹脂70aをより一層早期に固化することができるが、冷却速度のみが異なる材料を用いてもよい。
或いは、上記溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂材料は、溶融発泡性樹脂70aの固化温度が、溶融発泡性樹脂70bの固化温度よりも高くなる材料としてもよい。例えば、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料を高密度ポリエチレン(比重0.94〜0.965)とし、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料を低密度ポリエチレン(比重0.91〜0.925)とする。高密度ポリエチレンの固化温度は、127℃〜134℃であり、低密度ポリエチレンの固化温度は、108℃〜122℃である。これらの冷却速度は略同じである。このような材料を用いれば、上記と同様に、溶融発泡性樹脂70aの方が溶融発泡性樹脂70bよりも早く固化して、溶融発泡性樹脂70aの発泡が、溶融発泡性樹脂70bの発泡よりも早期に停止し、この結果、溶融発泡性樹脂70aが固化してなる発泡セル小径部51aでは、溶融発泡性樹脂70bが固化してなる発泡セル大径部51bよりも平均発泡セル径が小さくなる。
或いは、上記溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂材料は、溶融発泡性樹脂70aの、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの発泡速度が、溶融発泡性樹脂70bの、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの発泡速度よりも小さくなる材料としてもよい。例えば、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料をポリエチレンとし、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料を、ポリエチレンに発泡核剤を含有したものとする。この発泡核剤は、発泡時に発泡の核となって発泡速度を大きくするナノサイズの粒子であり、例えばタルクやマイカ等からなる。これらポリエチレンとポリエチレンに発泡核剤を含有したものとについて、溶融発泡性樹脂70a,70bのブロー成形体55内への供給開始からの経過時間に対する発泡速度の変化は、図19のようになる。このため、例えば溶融発泡性樹脂70a,70bのブロー成形体55内への供給開始から溶融発泡性樹脂70a,70bが固化するまでの時間を、溶融発泡性樹脂70aの発泡速度が最大となる時間Tになるように、溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂温度を調整する等しておけば、溶融発泡性樹脂70aの、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの発泡速度が、溶融発泡性樹脂70bの、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの発泡速度よりも小さくなる。この結果、溶融発泡性樹脂70aは、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの間に殆ど発泡しない一方、溶融発泡性樹脂70bは、素早く発泡して、ブロー成形体55内への供給開始から固化するまでの間に略完全に発泡するようにすることができる。
したがって、本実施形態2においても、上記実施形態1と同様に、成形装置1により成形された樹脂成形品50の表皮52には薄肉部52aが存在し、この薄肉部52aの内側には、発泡成形体51の発泡セル小径部51aが接していることになるので、薄肉部52aが発泡セル小径部51aによって補強されて、樹脂成形品50における可動型22側の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制することができる。
(実施形態3)
図20は本発明の実施形態3を示し、上記実施形態1で用いた射出成形機5を2つ設けて、ブロー成形体55内における発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂70a,70bを、別々の射出成形機5の射出シリンダ41内に収容するようにしたものである。尚、本実施形態においても、溶融発泡性樹脂70(70a,70b)は、超臨界流体からなる物理発泡剤及び補強繊維53を含有している。
すなわち、本実施形態では、発泡セル大径部51bに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70bは、上記実施形態1と同様に、固定型21における凹部21aの底面の中央部からブロー成形体55内に供給されるが、発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂70aは、固定型21における凹部21aの底面の上下両端部、及び、可動型22から見たときの該底面の左右両端部の上下方向中央部からブロー成形体55内に供給される。
このようにするために、2つの樹脂供給装置7が設けられており、一方の樹脂供給装置7は、射出シリンダ41内に溶融発泡性樹脂70aを収容する射出成形機5と、固定型21内に設けられかつ該射出成形機5より射出された溶融発泡性樹脂70aをキャビティ27内に導くための樹脂導入部8とで構成され、他方の樹脂供給装置7は、射出シリンダ41内に溶融発泡性樹脂70bを収容する射出成形機5と、固定型21内に設けられかつ該射出成形機5より射出された溶融発泡性樹脂70bをキャビティ27内に導くための樹脂導入部6(上記実施形態1と同様の構成である)とで構成されている。
上記樹脂導入部8は、凹部21aの底面の上下両端部、及び、可動型22から見たときの該底面の左右両端部の上下方向中央部にそれぞれ開口する4つの大径部35と、該各径部35にそれぞれ連なる4つの中径部36と、4つの中径部36にそれぞれ接続される4つの分岐部37aを有する小径部37とを備えている(尚、図20では2つの大径部35、中径部36及び分岐部37aしか図示していない)。また、各大径部35及び中径部36には、樹脂導入部6と同様に、シャッタ弁33及びプランジャ34がそれぞれ設けられている。
上記樹脂導入部8の小径部37には、射出シリンダ41内に溶融発泡性樹脂70aを収容する射出成形機5における該射出シリンダ41のノズル41aが接続され、上記樹脂導入部6の小径部37には、射出シリンダ41内に溶融発泡性樹脂70bを収容する射出成形機5における該射出シリンダ41のノズル41aが接続されている。
上記溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料は、上記実施形態1と同様に、上記溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料と同じであるとともに、溶融発泡性樹脂70aの樹脂温度が溶融発泡性樹脂70bの樹脂温度よりも低くされている。本実施形態では、上記実施形態1とは異なり、溶融発泡性樹脂70a,70b間で熱の移動がなく、各射出シリンダ41内の位置に関係なく溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂温度は共に一定となる。
そして、上記実施形態1と同様にしてブロー成形体55の成形が完了する時点で、全てのシャッタ弁33を駆動してブロー成形体55に5つの樹脂供給口55a(破断孔)をそれぞれ形成する。そして、ブローピン30の退出完了後に、樹脂導入部8の4つの中径部36にそれぞれ配設された4つのプランジャ34を駆動するとともに、射出シリンダ41内に上記溶融発泡性樹脂70aを収容する射出成形機5のスクリュー42を高速で前進させて、当該射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容された溶融発泡性樹脂70aを射出する。これにより、溶融発泡性樹脂70aが、樹脂導入部8を介して、ブロー成形体55の固定型21側の面における上下両端部及び左右両端部の上下方向中央部からブロー成形体55内における上下面及び左右側面に沿って可動型22側へと流れて、発泡セル小径部51aに対応する位置に供給される。
上記溶融発泡性樹脂70aのブロー成形体55内への供給開始から、予め設定された設定時間(溶融発泡性樹脂70aが発泡セル小径部51aに対応する位置にほぼ行き渡る時間)経過後に、樹脂導入部6の中径部36に配設されたプランジャ34を駆動するとともに、射出シリンダ41内に上記溶融発泡性樹脂70bを収容する射出成形機5のスクリュー42を高速で前進させて、当該射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分に収容された溶融発泡性樹脂70bを射出する。これにより、溶融発泡性樹脂70bが、樹脂導入部6を介して、ブロー成形体55の固定型21側の面の中央部からブロー成形体55内における発泡セル大径部51bに対応する位置に供給される。
上記溶融発泡性樹脂70bのブロー成形体55内への供給完了後(溶融発泡性樹脂70aのブロー成形体55内への供給開始から供給完了前であってもよい)に、成形型4をコアバックさせ、その後、溶融発泡性樹脂70が完全に固化するのを待って型開きを行い、樹脂成形品50を成形型4から取り出す。この樹脂成形品50の表皮52には薄肉部52aが存在するが、この薄肉部52aの内側には、発泡成形体51の発泡セル小径部51aが接しているので、薄肉部52aが発泡セル小径部51aによって補強されて、樹脂成形品50における可動型22側の表面部の強度が部分的に低下するのを抑制することができる。
尚、上記実施形態3では、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料を、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料と同じにして、樹脂温度を異ならせるようにしたが、上記実施形態2のように、溶融発泡性樹脂70aの樹脂材料を、溶融発泡性樹脂70bの樹脂材料とは異なせて、冷却速度、固化温度及び発泡速度の少なくとも1つが異なるものとしてもよい。この場合、溶融発泡性樹脂70a,70bの樹脂温度は同じであっても異なっていてもよい。
また、上記実施形態3において、溶融発泡性樹脂70a,70bを、発泡セル小径部51a及び発泡セル大径部51bに対応する位置にそれぞれ供給することができれば、上記した樹脂導入部6,8の構成や大径部35の位置(又は数)には限られない。また、樹脂供給装置7を3つ以上設けてもよい。
さらに、上記実施形態1〜3では、溶融発泡性樹脂70(70a,70b)が、超臨界流体からなる物理発泡剤及び補強繊維53を含有するものとしたが、溶融発泡性樹脂70中の発泡剤としては、超臨界流体以外の物理発泡剤や、熱による化学反応でガスを発生する化学発泡剤を用いることも可能であり、さらに、溶融樹脂に溶解するものであってもよく、溶解しないものであってもよい。また、補強繊維53は必ずしも必要なものではない。
さらにまた、溶融発泡性樹脂70のブロー成形体55内への供給方法は、樹脂成形品50の発泡成形体51に、ブロー成形体55におけるコアバック時の膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部51aを形成することができるのであれば、上記実施形態1〜3の供給方法には限らず、どのような供給方法であってもよい。例えば可動型22側から溶融発泡性樹脂70をブロー成形体55内へ供給するようにしてもよい。この場合、上記実施形態1又は2の如く1つの樹脂供給装置7により溶融発泡性樹脂70a,70bをブロー成形体55内へ供給するには、射出成形機5の射出シリンダ41内におけるスクリュー42の前方部分において、前側に溶融発泡性樹脂70bを、後側に溶融発泡性樹脂70aをそれぞれ収容するようにすればよい。
また、パリソン2(チューブ状の予備成形体)の成形方法は、パリソン押出機3から押し出して垂下させる方法以外の方法であってもよく、パリソン押出機3とは別の予備成形体成形機により成形した予備成形体を、成形型4のキャビティ27内に取り込むようにしてもよい。
本発明は、溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形方法及び成形装置に有用であり、特に成形型を型開き方向に開いて該成形型のキャビティを増大させながら、溶融発泡性樹脂を発泡させる場合に有用である。
本発明の実施形態1に係る成形装置の全体概略構成図である。 上記成形装置により成形された樹脂成形品の断面図である。 上記成形装置の可動型の斜視図である。 上記成形装置のブロー成形時の状態を示す概略構成図である。 上記成形装置における樹脂供給装置の樹脂導入部を示す固定型の断面図である。 ブロー成形体を破断して樹脂供給口を形成するときの状態を示す図5相当図である。 上記成形装置において溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給完了後の状態を示す概略図である。 上記成形装置において成形型のコアバック時の状態を示す概略図である。 上記成形装置において樹脂供給装置の射出成形機の射出シリンダ内におけるスクリューの前方部分に収容されている溶融発泡性樹脂の温度と、当該溶融発泡性樹脂のノズルからの距離との関係を示すグラフである。 ブロー成形体内に供給された溶融発泡性樹脂に含有されている補強繊維の状態を示す成形型の断面図であり、(a)は、コアバック前の状態を示し、(b)はコアバック後の状態を示す。 ブロー成形体内のエア抜きに関する変形例を示す固定型の断面図であり、(a)は、ブロー成形時の状態を示し、(b)は、溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給時の状態を示す。 ブロー成形体内のエア抜きに関する別の変形例を示す成形型の斜視図である。 図12の成形型の断面図であり、(a)は、ブロー成形時の状態を示し、(b)は、溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給時の状態を示す。 ブロー成形体内のエア抜きに関する更に別の変形例を示す成形型の断面図であり、(a)は、ブロー成形前の状態を示し、(b)は、ブロー成形時の状態を示し、(c)は、溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給時の状態を示す。 樹脂供給口の形成に関する変形例を示す固定型の断面図である。 樹脂供給口の形成に関する別の変形例を示す固定型の断面図である。 実施形態2を示す図1相当図である。 ポリプロピレンからなる溶融発泡性樹脂及びポリエチレンからなる溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始からの経過時間と樹脂温度との関係を示すグラフである。 ポリエチレンからなる溶融発泡性樹脂及びポリエチレンに発泡核剤を含有したものからなる溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始からの経過時間と発泡速度との関係を示すグラフである。 実施形態3を示す図1相当図である。
符号の説明
1 成形装置
2 パリソン(予備成形体)
4 成形型
5 射出成形機
6 樹脂導入部
7 樹脂供給装置(溶融発泡性樹脂供給手段)
8 樹脂導入部
27 キャビティ
41 射出シリンダ
41a ノズル
50 樹脂成型品
51 発泡成形体
51a 発泡セル小径部
51b 発泡セル大径部
52 表皮
52a 薄肉部(ブロー成形体の被延伸部分)
53 補強繊維
55 ブロー成形体
70 溶融発泡性樹脂
70a 発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂
70b 発泡セル大径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂

Claims (18)

  1. 溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形方法であって、
    非発泡性樹脂を用いて成形されたチューブ状の予備成形体を、成形型のキャビティ内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮を構成する中空状のブロー成形体を成形するブロー成形体成形工程と、
    上記キャビティ内における上記ブロー成形体の内部に、上記溶融発泡性樹脂を供給する供給工程と、
    上記溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、上記成形型を型開き方向に開いて上記キャビティを増大させながら、上記溶融発泡性樹脂を発泡させて上記ブロー成形体を膨張させる膨張工程とを含み、
    上記供給工程は、上記発泡成形体に、上記ブロー成形体における上記膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、上記溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給する工程であることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 請求項1記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、樹脂温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、
    上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度よりも低いことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  3. 請求項1記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、冷却速度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、
    上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の冷却速度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の冷却速度よりも大きいことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  4. 請求項1記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、固化温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、
    上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の固化温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の固化温度よりも高いことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  5. 請求項1記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記供給工程は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、該ブロー成形体内への供給開始から固化するまでの発泡速度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給する工程であり、
    上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の上記発泡速度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の上記発泡速度よりも小さいことを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記供給工程は、上記溶融発泡性樹脂を、射出シリンダの前端に設けたノズルから射出することで、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給する工程であり、
    上記供給工程の前に、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、上記射出シリンダ内において前後方向に並んで位置するように収容しておき、
    上記供給工程において、上記射出シリンダ内に収容された、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、連続して上記ノズルから射出することで、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給することを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記溶融発泡性樹脂は、補強繊維を含有していることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つに記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記溶融発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有していることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  9. 請求項8記載の樹脂成形品の成形方法において、
    上記物理発泡剤は、超臨界流体からなることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  10. 溶融発泡性樹脂を用いて成形された発泡成形体と該発泡成形体の周囲を覆う表皮とからなる樹脂成形品の成形装置であって、
    非発泡性樹脂を用いて成形されたチューブ状の予備成形体を、キャビティ内に取り込んでブロー成形を行うことにより、上記表皮を構成する中空状のブロー成形体を成形する成形型と、
    上記成形型のキャビティ内における上記ブロー成形体の内部に、上記溶融発泡性樹脂を供給する溶融発泡性樹脂供給手段とを備え、
    上記成形型は、上記溶融発泡性樹脂供給手段による上記溶融発泡性樹脂のブロー成形体内への供給開始後でかつ供給完了前に、又は供給完了後に、型開き方向に開いて上記キャビティを増大させながら、上記溶融発泡性樹脂を発泡させて上記ブロー成形体を膨張させるよう構成されており、
    上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記発泡成形体に、上記ブロー成形体における上記膨張による被延伸部分に接して位置しかつ他の部分に比して平均発泡セル径が小さい発泡セル小径部が形成されるように、上記溶融発泡性樹脂をブロー成形体内に供給するよう構成されていることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  11. 請求項10記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、樹脂温度が互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給するよう構成され、
    上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂の樹脂温度よりも低いことを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  12. 請求項10記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置と上記他の部分に対応する位置とに、互いに異なる溶融発泡性樹脂をそれぞれ供給するよう構成されていることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  13. 請求項12記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも冷却速度が大きいものであることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  14. 請求項12記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも固化温度が高いものであることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  15. 請求項12記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂は、上記他の部分に対応する位置に供給される溶融発泡性樹脂よりも、該ブロー成形体内への供給開始から固化するまでの発泡速度が小さいものであることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  16. 請求項10〜15のいずれか1つに記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記溶融発泡性樹脂供給手段は、前端にノズルが設けられかつ内部に上記溶融発泡性樹脂が収容された射出シリンダを有していて、該溶融発泡性樹脂を、該射出シリンダのノズルから射出することで、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給するよう構成され、
    上記射出シリンダ内には、上記ブロー成形体内における上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂が、前後方向に並んで位置するように収容されており、
    更に上記溶融発泡性樹脂供給手段は、上記射出シリンダ内に収容された、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給される溶融発泡性樹脂を、連続して上記ノズルから射出することで、上記発泡セル小径部及び上記他の部分に対応する位置にそれぞれ供給するよう構成されていることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  17. 請求項10〜16のいずれか1つに記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記溶融発泡性樹脂は、物理発泡剤を含有していることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
  18. 請求項17記載の樹脂成形品の成形装置において、
    上記物理発泡剤は、超臨界流体からなることを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
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