JP2008067498A - モータの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】誘起電圧定数を変更可能なモータのエネルギー効率を向上させる。
【解決手段】効率状態演算部62は、モータ1の位相が任意の位相から回動機構による設定変更後の適宜の位相まで移行する際の移行時間を演算しており、この移行時間に基づき、位相変更手段による移行により消費する第1消費エネルギーと、モータ1の位相を任意の位相から設定変更後の適宜の位相に変更して駆動力を発生する際のモータ1の制御により消費する第2消費エネルギとの和が、位相を変更せずに駆動力を発生するモータ1の制御により消費する第3消費エネルギーよりも小さい場合に、回動機構による位相の変更を許可する。
【選択図】図7

Description

本発明は、モータの制御装置に関する。
従来、例えばサーボ圧により互いの位相位置を変更可能な第1永久磁極片および第2永久磁極片を具備し、界磁磁束量を変更可能なモータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭55−153300号公報
ところで、上記従来技術に係るモータを適宜の要求トルクおよび要求回転数に応じて運転する際に、モータによる消費エネルギーが最小となるようにして制御を行う場合には、界磁磁束量つまりモータの誘起電圧定数を変更するために要する消費エネルギーを考慮しつつ、モータのエネルギー効率を向上させることが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、誘起電圧定数を変更可能なモータのエネルギー効率を向上させることが可能なモータの制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の発明のモータの制御装置は、各々に磁石片(例えば、実施の形態における永久磁石9)を有し互いの相対的な位相を変更可能な複数のロータ(例えば、実施の形態における外周側回転子5と内周側回転子6)と、前記複数のロータの相対的な位相の設定を変更し、所定の誘起電圧定数に設定する位相変更手段(例えば、実施の形態における位相変更手段12)とを備えるモータの制御装置であって、前記位相が任意の位相から前記位相変更手段による設定変更後の適宜の位相まで移行する際の移行時間を演算する移行時間演算手段(例えば、実施の形態における効率状態演算部62)と、前記移行時間に基づき前記位相変更手段による前記移行により消費する第1消費エネルギー(例えば、実施の形態における消費エネルギーΔE)を演算する第1演算手段(例えば、実施の形態におけるステップS42)と、前記位相を任意の位相から設定変更後の適宜の位相に変更して駆動力を発生する際の前記モータの制御により消費する第2消費エネルギー(例えば、実施の形態における消費エネルギーΔe)を演算する第2演算手段(例えば、実施の形態におけるステップS43)と、前記位相を変更せずに前記モータの制御により消費する第3消費エネルギー(例えば、実施の形態における消費エネルギーΔη)を演算する第3演算手段(例えば、実施の形態におけるステップS44)と、前記第1および第2消費エネルギーの和が前記第3消費エネルギーよりも小さい場合に、前記位相変更手段による前記位相の変更を許可する許可手段(例えば、実施の形態における効率状態演算部62)とを備えることを特徴としている。
上記構成のモータの制御装置によれば、誘起電圧定数を変更可能なモータに対して、位相変更の実行有無に応じた消費エネルギーの差異を考慮することにより、モータのエネルギー効率を適切に向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の発明のモータの制御装置では、前記第2消費エネルギーは、前記移行の完了時から予め設定された所定時間に亘って前記モータを制御する間に前記位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーと、前記移行時間および前記所定時間に亘る前記モータの制御により消費する消費エネルギーとの和から演算され、前記第3消費エネルギーは、前記移行時間および前記所定時間に亘って、前記モータが前記位相を変更せずに消費する消費エネルギーと、前記位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーとの和から演算されることを特徴としている。
上記構成のモータの制御装置によれば、モータの位相が任意の位相から適宜の位相まで移行する際の移行時間における消費エネルギーに加えて、位相変更後の所定時間における消費エネルギーを考慮してモータを制御することから、モータでの消費エネルギーを精度良く把握することができ、モータのエネルギー効率を適切に向上させることができる。
さらに、請求項3に記載の発明のモータの制御装置は、前記移行時間を作動流体の温度に基づき補正する温度補正手段(例えば、実施の形態における効率状態演算部62)を備えることを特徴としている。
上記構成のモータの制御装置によれば、複数のロータの相対的な位相を作動流体の流体圧により変更する位相変更手段において、作動流体の温度に応じて移行時間が変動する場合であっても、移行時間を精度良く演算することができる。
さらに、請求項4に記載の発明のモータの制御装置は、前記移行時間を前記位相変更手段の作動抵抗に基づき補正する抵抗補正手段(例えば、実施の形態における効率状態演算部62)を備えることを特徴としている。
上記構成のモータの制御装置によれば、位相変更手段の作動抵抗(例えば、摺動抵抗や作動流体の流路抵抗等)に応じて移行時間が変動する場合であっても、移行時間を精度良く演算することができる。
本発明のモータの制御装置によれば、誘起電圧定数を変更可能なモータに対して、位相変更の実行有無に応じた消費エネルギーの差異を考慮することにより、モータのエネルギー効率を適切に向上させることができる。
さらに、請求項2に記載の発明のモータの制御装置によれば、モータの位相が任意の位相から適宜の位相まで移行する際の移行時間における消費エネルギーに加えて、位相変更後の所定時間における消費エネルギーを考慮してモータを制御することから、モータでの消費エネルギーを精度良く把握することができ、モータのエネルギー効率を適切に向上させることができる。
さらに、請求項3に記載の発明のモータの制御装置によれば、作動流体の温度に応じて移行時間が変動する場合であっても、移行時間を精度良く演算することができる。
さらに、請求項4に記載の発明のモータの制御装置によれば、位相変更手段の作動抵抗(例えば、摺動抵抗や作動流体の流路抵抗等)に応じて移行時間が変動する場合であっても、移行時間を精度良く演算することができる。
以下、本発明のモータの制御装置の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態によるモータの制御装置は、走行駆動源としてモータを備える燃料電池車両や電動車両等に搭載されるものである。具体的には、図1に示すように、車両100は、モータ(Mot)1を駆動源として備える電動車両であり、モータ1と、トランスミッションT/Mとは直列に直結され、モータ1の駆動力はトランスミッションT/Mを介して車両100の前輪Wfに伝達されるようになっている。
そして、この車両100の減速時に前輪Wf側からモータ1に駆動力が伝達されると、モータ1は発電機として機能して、いわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。
ここで、制御装置100aが設けられた車両には、アクセルペダル開度センサ(以下、単にAP開度センサという)s1、ブレーキペダルスイッチセンサ(以下、単にBrkSWセンサという)s2、傾斜センサs3、前輪Wf、後輪Wrに設けられた車輪速センサ75、トランスミッションT/Mの油温を検出する油温センサs4などの各種センサが設けられており、制御装置100aはこれら各種センサの検出結果に基づいて、モータ1、トランスミッションT/Mのそれぞれの制御系に対して制御指令を出力する。
図7は、このモータ1を車両の走行駆動源として用いる場合のモータ1の制御系の一例を示すものである。この制御系では、モータ1の駆動作動および回生作動はコントローラ40から出力される制御指令を受けてパワードライブユニット41(以下、「PDU41」と呼ぶ)により行われる。
PDU41は、トランジスタのスイッチング素子がブリッジ接続されたブリッジ回路を用いてパルス幅変調(PWM)を行うPWMインバータを備えるとともに、モータ1と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ42に接続されている。
PDU41は、モータ1の駆動時等においてコントローラ40から入力されるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)に基づき、PWMインバータにおいて各相毎に対を成す各トランジスタのオン(導通)/オフ(遮断)状態を切り換えることによって、バッテリ42から供給される直流電力を3相交流電力に変換し、モータ1の固定子巻線2aへの通電を順次転流させることによって、各相の固定子巻線2aに交流のU相電流Iu、V相電流IvおよびW相電流Iwを通電する。
モータ1は、図2〜図5に示すように円環状の固定子2の内周側に回転子ユニット3が配置されたインナロータ型のブラシレスモータであり、例えばハイブリッド車や電動車両等の走行駆動源として用いられる。固定子2は複数相の固定子巻線2aを有し、回転子ユニット3は軸芯部に回転軸4を有している。モータ1の回転力はトランスミッションT/Mを介して車輪の駆動軸(図示せず)に伝達される。
回転子ユニット3は、図2〜図5に示すように、円環状の外周側回転子(ロータ)5と、この外周側回転子5の内側に同軸に配置される円環状の内周側回転子(ロータ)6を備え、外周側回転子5と内周側回転子6とが所定の設定角度の範囲で相対的に回動可能とされている。
外周側回転子5と内周側回転子6は、各回転子本体である円環状のロータ鉄心7,8が例えば焼結金属によって形成され、その各ロータ鉄心7,8の外周側に偏寄した位置に、複数の磁石装着スロット7a,8aが円周方向等間隔に形成されている。各磁石装着スロット7a,8aには、厚み方向に磁化された2つの平板状の永久磁石9,9が並列に並んで装着されている。同じ磁石装着スロット7a,8a内に装着される2つの永久磁石9,9は同方向に磁化され、各隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aに装着される永久磁石9の対同士は磁極の向きが逆向きになるように設定されている。即ち、各回転子5,6においては、外周側がN極とされた永久磁石9の対と、S極とされた永久磁石9の対が円周方向に交互に並んで配置されている。なお、各回転子5,6の外周面の隣接する磁石装着スロット7a,7a、及び、8a,8aの各間には、永久磁石9の磁束の流れを制御(例えば、磁路短絡の抑制等)するための切欠き部10が回転子5,6の軸方向に沿って形成されている。
外周側回転子5と内周側回転子6の磁石装着スロット7a,8aは夫々同数設けられ、両回転子5,6の永久磁石9,…,9が夫々1対1で対応するようになっている。したがって、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに同極同士で対向させる(異極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も弱められる弱め界磁の状態(図5,図6(b)参照)を得ることができるとともに、外周側回転子5と内周側回転子6の各磁石装着スロット7a,8a内の永久磁石9の対を互いに異極同士で対向させる(同極配置にする)ことにより、回転子ユニット3全体の界磁が最も強められる強め界磁の状態(図3,図6(a)参照)を得ることができる。
また、回転子ユニット3は、外周側回転子5と内周側回転子6を相対回動させるための回動機構11を備えている。この回動機構11は、両回転子5,6の相対位相を任意に変更するための位相変更手段12の一部を構成するものであり、非圧縮性の作動流体である作動液(変速機用の潤滑油でもよい)の圧力によって操作されるようになっている。位相変更手段12は、上記の回動機構11と、この回動機構11に供給する作動液の圧力を制御する図8に示す油圧制御装置(アクチュエータ)13と、を主要な要素として構成されている。
回動機構11は、図2〜図5に示すように回転軸4の外周に一体回転可能にスプライン嵌合されるベーンロータ14と、ベーンロータ14の外周側に相対回動可能に配置される環状ハウジング15とを備え、この環状ハウジング15が内周側回転子6の内周面に一体に嵌合固定されるとともに、ベーンロータ14が、環状ハウジング15と内周側回転子6の両側の側端部を跨ぐ円板状の一対のドライブプレート16,16を介して外周側回転子5に一体に結合されている。したがって、ベーンロータ14は回転軸4と外周側回転子5に一体化され、環状ハウジング15は内周側回転子6に一体化されている。
ベーンロータ14は、回転軸4にスプライン嵌合される円筒状のボス部17の外周に、径方向外側に突出する複数のベーン18が円周方向等間隔に設けられている。一方、環状ハウジング15は、内周面に円周方向等間隔に複数の凹部19が設けられ、この各凹部19にベーンロータ14の対応するベーン18が収容配置されるようになっている。各凹部19は、ベーン18の先端部の回転軌道にほぼ合致する円弧面を有する底壁20と、隣接する凹部19,19同士を隔成する略三角形状の仕切壁21によって構成され、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動時に、ベーン18が一方の仕切壁21と他方の仕切壁21の間を変位し得るようになっている。この実施形態の場合、仕切壁21はベーン18と当接することにより、ベーンロータ14と環状ハウジング15の相対回動を規制するストッパとしても機能する。なお、各ベーン18の先端部と仕切壁21の先端部には、軸方向に沿うようにシール部材22が設けられ、これらのシール部材22によってベーン18と凹部19の底壁20、仕切壁21とボス部17の外周面の各間が液密にシールされている。
また、内周側回転子6に固定される環状ハウジング15のベース部15aは一定厚みの円筒状に形成されるとともに、図2に示すように内周側回転子6や仕切壁21に対して軸方向外側に突出している。このベース部15aの外側に突出した各端部は、ドライブプレート16に形成された環状のガイド溝16aに摺動自在に保持され、環状ハウジング15と内周側回転子6が、外周側回転子5や回転軸4にフローティング状態で支持されるようになっている。
外周側回転子5とベーンロータ14を連結する両側のドライブプレート16,16は、環状ハウジング15の両側面(軸方向の両端面)に摺動自在に密接し、環状ハウジング15の各凹部19の側方を夫々閉塞する。したがって、各凹部19は、ベーンロータ14のボス部17と両側のドライブプレート16,16によって夫々独立した空間部を形成し、この空間部は、作動液が導入される導入空間23となっている。各導入空間23内は、ベーンロータ14の対応する各ベーン18によって夫々2室に隔成され、一方の部屋が進角側作動室24、他方の部屋が遅角側作動室25とされている。進角側作動室24は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して進角方向に相対回動させ、遅角側作動室25は、内部に導入された作動液の圧力によって内周側回転子6を外周側回転子5に対して遅角方向に相対回動させる。この場合、「進角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、図3,図5中の矢印Rで示すモータ1の回転方向に進めることを言い、「遅角」とは、内周側回転子6を外周側回転子5に対して、モータ1の回転方向Rと逆側に進めることを言うものとする。
また、各進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排は回転軸4を通して行われるようになっている。具体的には、進角側作動室24は、図8に示す油圧制御装置13の進角側給排通路26に接続され、遅角側作動室25は同油圧制御装置13の遅角側給排通路27に接続されているが、進角側給排通路26と遅角側給排通路27の一部は、図2に示すように、夫々回転軸4に軸方向に沿って形成させた通路孔26a,27aによって構成されている。そして、各通路孔26a,27aの端部は、回転軸4の外周面の軸方向にオフセットした2位置に形成された環状溝26bと環状溝27bに夫々接続され、その各環状溝26b,27bは、ベーンロータ14のボス部17に略半径方向に沿って形成された複数の導通孔26c,…,26c,27c,…,27cに接続されている。進角側給排通路26の各導通孔26cは環状溝26bと各進角側作動室24とを接続し、遅角側給排通路27の各導通孔27cは環状溝27bと各遅角側作動室25とを接続している。
ここで、この実施形態のモータ1の場合、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最遅角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が異極同士で対向して強め界磁の状態(図3,図6(a)参照)になり、内周側回転子6が外周側回転子5に対して最進角位置にあるときに、外周側回転子5と内周側回転子6の永久磁石9が同極同士で対向して弱め界磁の状態(図5,図6(b)参照)になるように設定されている。
なお、このモータ1は、進角側作動室24と遅角側作動室25に対する作動液の給排制御によって、強め界磁の状態と弱め界磁の状態を任意に変更し得るものであるが、こうして磁界の強さが変更されると、それに伴って誘起電圧定数Keが変化し、その結果、モータ1の特性が変更される。即ち、強め界磁によって誘起電圧定数Keが大きくなると、モータ1として運転可能な許容回転速度は低下するものの、出力可能な最大トルクは増大し、逆に、弱め界磁によって誘起電圧定数Keが小さくなると、モータ1の出力可能な最大トルクは減少するものの、運転可能な許容回転速度は上昇する。
一方、油圧制御装置13は、図8に示すように、オイルタンク(図示せず)から作動液を吸い上げて通路に吐出するオイルポンプ32と、このオイルポンプ32から吐出された作動液の油圧を調整して高圧のライン通路33に導入し、余剰分の作動液を各種機器の潤滑や冷却のための低圧通路34に流出させるレギュレータバルブ35と、ライン通路33に導入された作動液を進角側給排通路26と遅角側給排通路27に振り分けるとともに、進角側給排通路26と遅角側給排通路27で不要な作動液をドレン通路36に排出する流路切換弁37とを備えている。
レギュレータバルブ35は、ライン通路33の圧力を制御圧として受け、反力スプリング38とのバランスによって作動液の振り分けを行う。
また、流路切換弁37は、制御スプール37aを進退操作する電磁ソレノイド37bを有し、この電磁ソレノイド37bがコントローラ40によって制御されるようになっている。
図7に示すように、コントローラ40は、回転直交座標をなすdq座標上で電流のフィードバック制御を行うものであり、例えば運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するAP開度センサs1の検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqに基づきd軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcを演算し、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcに基づいて各相出力電圧Vu,Vv,Vwを算出し、各相出力電圧Vu,Vv,Vwに応じてPDU41へゲート信号であるPWM信号を入力すると共に、実際にPDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwの何れか2つの相電流をdq座標上の電流に変換して得たd軸電流Id及びq軸電流Iqと、d軸電流指令Idc及びq軸電流指令Iqcとの各偏差がゼロとなるように制御を行う。
このコントローラ40は、例えば、目標電流設定部51と、電流偏差算出部52と、界磁制御部53と、電力制御部54と、電流制御部55と、dq−3相変換部56と、PWM信号生成部57と、フィルタ処理部58と、3相−dq変換部59と、回転数演算部60と、誘起電圧定数算出部61と、効率状態演算部62と、誘起電圧定数指令出力部63と、誘起電圧定数差分算出部64と、位相制御部65とを備えて構成されている。
そして、このコントローラ40には、PDU41からモータ1に出力される3相の各相電流Iu,Iv,Iwのうち、2相のU相電流IuおよびW相電流Iwを検出する各電流センサ71,71から出力される各検出信号Ius,Iwsと、バッテリ42の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ72から出力される検出信号と、モータ1のロータの回転角θM(つまり、所定の基準回転位置からのロータの磁極の回転角度)を検出する回転センサ73から出力される検出信号と、油圧制御装置13により可変制御される内周側回転子6と外周側回転子5との相対的な位相(相対位相)θを検出する位相センサ74から出力される検出信号と、車両100の各車輪の回転速度(車輪速NW)を検出する複数の車輪速センサ75,…,75から出力される検出信号とが入力されている。
目標電流設定部51は、例えば外部の制御装置(図示略)から入力されるトルク指令Tq(例えば、運転者によるアクセルペダルAPの踏み込み操作量を検出するAP開度センサs1の出力に応じて必要とされるトルクをモータ1に発生させるための指令値)と、回転数演算部60から入力されるモータ1の回転数NMと、後述する誘起電圧定数算出部61から入力される誘起電圧定数Keとに基づき、PDU41からモータ1に供給される各相電流Iu,Iv,Iwを指定するための電流指令を演算しており、この電流指令は、回転する直交座標上でのd軸目標電流Idc及びq軸目標電流Iqcとして電流偏差算出部52へ出力されている。
この回転直交座標をなすdq座標は、例えばロータの永久磁石による界磁極の磁束方向をd軸(界磁軸)とし、このd軸と直交する方向をq軸(トルク軸)としており、モータ1の回転子ユニット3の回転位相に同期して回転している。これにより、PDU41からモータ1の各相に供給される交流信号に対する電流指令として、直流的な信号であるd軸目標電流Idcおよびq軸目標電流Iqcを与えるようになっている。
電流偏差算出部52は、界磁制御部53から入力されるd軸補正電流が加算されたd軸目標電流Idcと、d軸電流Idとの偏差ΔIdを算出するd軸電流偏差算出部52aと、電力制御部54から入力されるq軸補正電流が加算されたq軸目標電流Iqcと、q軸電流Iqとの偏差ΔIqを算出するq軸電流偏差算出部52bとを備えて構成されている。
なお、界磁制御部53は、例えばモータ1の回転数NMの増大に伴う逆起電圧の増大を抑制するために回転子ユニット3の界磁量を等価的に弱めるようにして電流位相を制御する弱め界磁制御の弱め界磁電流に対する目標値をd軸補正電流としてd軸電流偏差算出部52aへ出力する。
また、電力制御部54は、例えばバッテリ42の残容量等に応じた適宜の電力制御に応じてq軸目標電流Iqcを補正するためのq軸補正電流をq軸電流偏差算出部52aへ出力する。
電流制御部55は、例えばモータ1の回転数NMに応じたPI(比例積分)動作により、偏差ΔIdを制御増幅してd軸電圧指令値Vdを算出し、偏差ΔIqを制御増幅してq軸電圧指令値Vqを算出する。
dq−3相変換部56は、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧VuおよびV相出力電圧VvおよびW相出力電圧Vwに変換する。
PWM信号生成部57は、例えば、正弦波状の各相出力電圧Vu,Vv,Vwと、三角波からなるキャリア信号と、スイッチング周波数とに基づくパルス幅変調により、PDU41のPWMインバータの各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスからなるスイッチング指令であるゲート信号(つまり、PWM信号)を生成する。
フィルタ処理部58は、各電流センサ71,71により検出された各相電流に対する検出信号Ius,Iwsに対して、高周波成分の除去等のフィルタ処理を行い、物理量としての各相電流Iu,Iwを抽出する。
3相−dq変換部59は、フィルタ処理部58により抽出された各相電流Iu,Iwと、回転数演算部60から入力される回転子ユニット3の回転角θMとにより、モータ1の回転位相による回転座標すなわちdq座標上でのd軸電流Idおよびq軸電流Iqを算出する。
回転数演算部60は、回転センサ73から出力される検出信号からモータ1の回転子ユニット3の回転角θMを抽出すると共に、この回転角θMに基づき、モータ1の回転数NMを算出する。
誘起電圧定数算出部61は、位相センサ74から出力される相対位相θの検出信号に基づき、内周側回転子6と外周側回転子5との相対的な相対位相θに応じた誘起電圧定数Keを算出する。
誘起電圧定数指令出力部63は、例えばトルク指令Tqと、モータ1の回転数NMと、電源電圧VBと、後述する効率状態演算部62から出力される位相変更指令とに基づき、モータ1の誘起電圧定数Keに対する指令値(誘起電圧定数指令)Kecを出力する。
誘起電圧定数差分算出部64は、誘起電圧定数指令出力部63から出力される誘起電圧定数指令値Kecから、誘起電圧定数算出部61から出力される誘起電圧定数Keを減算して得た誘起電圧定数差分ΔKeを出力する。
位相制御部65は、例えば誘起電圧定数差分算出部64から出力される誘起電圧定数差分ΔKeに応じて、この誘起電圧定数差分ΔKeをゼロとするようにして相対位相θを制御するための制御指令を出力する。
効率状態演算部62は、モータ1の位相が任意の位相から位相変更手段12による設定変更後の適宜の位相まで移行する際の移行時間を演算しており、この移行時間に基づき、位相変更手段12による移行により消費する第1消費エネルギー(後述する図24(b)での消費エネルギーD)と、モータ1の位相を任意の位相から設定変更後の適宜の位相に変更して駆動力を発生する際のモータ1の制御により消費する第2消費エネルギー(後述する図24(b)での消費エネルギー(C+E))との和が、位相を変更せずに駆動力を発生するモータ1の制御により消費する第3消費エネルギー(後述する図24(a)での消費エネルギー(A+B))よりも小さい場合に、位相変更手段12による位相の変更を許可する。
なお、第2消費エネルギーは、移行の完了時から予め設定された所定時間に亘ってモータ1を制御する間に位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーと、移行時間および所定時間に亘るモータ1の制御により消費する消費エネルギーとの和から演算され、第3消費エネルギーは、移行時間および所定時間に亘って、モータ1が位相を変更せずに消費する消費エネルギーと、位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーとの和から演算される。
また、効率状態演算部62は、移行時間を作動流体の温度(例えば、油温センサs4によるトランスミッションT/Mの油温等)および位相変更手段12の作動抵抗(例えば、摺動抵抗や作動流体の流路抵抗等)に基づき補正する。
なお、位相変更手段12の作動抵抗は、例えば量産ばらつき等に起因して複数のモータ1毎の相対回動の動作速度等に発生するばらつきからなる回動機構11の動作特性(抵抗値)に対する学習値として算出され、この学習値は、例えば位相θを最遅角から最進角まで移動させる際に、位相センサ74の検出結果に基づいて求められた誘起電圧定数Keと誘起電圧定数指令値Kecとの差異を学習して得た値とされる。
このため、効率状態演算部62には、例えば、AP開度センサs1の検出結果に基づいて算出されるトルク指令値Tqの信号と、BrkSWセンサs2から出力される検出信号(例えば、ブレーキ踏力Br等の検出信号)と、油温センサs4から出力される検出信号と、位相センサ74から出力される検出信号と、車輪速センサ75から出力される検出信号等とが入力されている。
本実施の形態によるモータの制御装置100aは上記構成を備えており、次に、この制御装置100aの動作、特に、車両100の効率状態の演算結果に応じてモータ1の両回転子5,6の相対位相およびモータ1の運転状態を制御する効率状態演算部62での処理について説明する。
以下に、可変モータ効率演算処理について説明する。
先ず、例えば図9に示すステップS01においては、回転センサ73によるモータ1の回転数NMおよびトルクセンサ(図示略)によるモータ1のトルクの各検出値(現在値)を取得する。
そして、ステップS02においては、位相センサ74によるモータ1の両回転子5,6の相対位相θの検出値(現在位相)を取得する。
そして、ステップS03においては、予め設定された複数の効率マップから、現在位相に対応する効率マップを検索する。
なお、各効率マップは、例えば図10に示すように、モータ1の回転数とトルクと運転効率(J)との所定の関係を示すマップであって、回転数とトルクとの適宜の組み合わせにおいて運転効率が最大となり、この最大効率の領域から回転数またはトルクが増減することに伴い、運転効率が減少傾向に変化するようになっており、モータ1の両回転子5,6の適宜の相対位相毎に応じて異なる効率マップが対応するように設定されている。
そして、ステップS04においては、検索して得た効率マップに対して、モータ1の回転数およびトルクの各現在値に応じたマップ検索を行い、モータ1の運転効率(可変モータ効率)Wを取得する。
そして、ステップS05においては、予め設定された位相維持エネルギーマップに対して、モータ1の現在位相および回転数に応じたマップ検索を行い、モータ1の位相維持エネルギーζを取得し、一連の処理を終了する。
なお、位相維持エネルギーマップは、例えば例えば図11に示すように、モータ1の相対位置と回転数と位相維持エネルギー(J)との所定の関係を示すマップであって、位相維持エネルギーはモータ1の両回転子5,6の相対位相を適宜の位相位置に保持するために要するエネルギーである。この位相維持エネルギーマップでは、例えば強め界磁および弱め界磁近傍の位相では位相維持エネルギーはゼロ近傍の値となり、強め界磁と弱め界磁との間の位相において位相維持エネルギーが最大となる。また、回転子ユニット3の回転数の増大に伴い、遠心油圧が増大傾向に変化することから、新たに加える必要のある油圧が低下し、位相維持エネルギーは低下傾向に変化するようになっている。
以下に、位相可変効率演算の処理について説明する。
先ず、例えば図12に示すステップS11においては、位相センサ74によるモータ1の両回転子5,6の相対位相θの検出値(現在位相)を取得する。
そして、ステップS12においては、相対位相θに対する要求値(要求位相)およびモータ1の回転数NMに対する要求値(要求回転数)およびモータ1のトルクに対する要求値(要求トルク)を算出する。
そして、ステップS13においては、現在位相が要求位相よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS14に進み、このステップS14においては、予め設定された可変エネルギーマップMαに対して、モータ1の現在位相および要求位相に応じたマップ検索を行い、モータ1の可変エネルギーγを取得し、ステップS16に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS15に進み、このステップS15においては、予め設定された可変エネルギーマップMβに対して、モータ1の現在位相および要求位相に応じたマップ検索を行い、モータ1の可変エネルギーγを取得し、ステップS16に進む。
なお、可変エネルギーマップMα,Mβは、例えば図13,図14に示すように、モータ1の現在位相と要求位相と可変エネルギー(J)との所定の関係を示すマップであって、可変エネルギーはモータ1の両回転子5,6の相対位相θを任意の位相から位相変更手段12による設定変更後の適宜の位相まで変更するために要するエネルギーである。各可変エネルギーマップM1,M2では、例えば現在位相と要求位相とが同等である場合に可変エネルギーはゼロとなり、例えば図13に示すように、現在位相<要求位相の場合には、位相の変更に要する相対トルクを発生させるためのエネルギーが必要であり、例えば図14に示すように、現在位相>要求位相の場合には、弱め界磁から強め界磁に向かい、各回転子5,6の永久磁石9,9同士が磁力で吸引し合うことから、可変エネルギーは所定の最小値となる。
そして、ステップS16においては、予め設定された複数の効率マップから、要求位相に対応する効率マップを検索する。
なお、各効率マップは、例えば図15に示すように、モータ1の回転数とトルクと運転効率(J)との所定の関係を示すマップであって、回転数とトルクとの適宜の組み合わせにおいて運転効率が最大となり、この最大効率の領域から回転数またはトルクが増減することに伴い、運転効率が減少傾向に変化するようになっており、モータ1の両回転子5,6の適宜の相対位相毎に応じて異なる効率マップが対応するように設定されている。
そして、ステップS17においては、検索して得た効率マップに対して、モータ1の回転数およびトルクの各要求値(要求回転数および要求トルク)に応じたマップ検索を行い、モータ1の運転効率(可変モータ効率)Uを取得する。
そして、ステップS18においては、予め設定された位相維持エネルギーマップに対して、モータ1の要求位相および要求回転数に応じたマップ検索を行い、モータ1の位相維持エネルギーψを取得し、一連の処理を終了する。
なお、位相維持エネルギーマップは、例えば例えば図16に示すように、モータ1の相対位置と回転数と位相維持エネルギー(J)との所定の関係を示すマップであって、位相維持エネルギーはモータ1の両回転子5,6の相対位相を適宜の位相位置に保持するために要するエネルギーである。この位相維持エネルギーマップでは、例えば強め界磁および弱め界磁近傍の位相では位相維持エネルギーはゼロ近傍の値となり、強め界磁と弱め界磁との間の位相において位相維持エネルギーが最大となる。また、回転数の増大に伴い、遠心油圧が増大傾向に変化することから、新たに加える必要のある油圧が低下し、位相維持エネルギーは低下傾向に変化するようになっている。
以下に、移行時間演算の処理について説明する。
先ず、例えば図17に示すステップS21においては、位相センサ74によるモータ1の両回転子5,6の相対位相θの検出値(現在位相)を取得する。
そして、ステップS22においては、相対位相θに対する要求値(要求位相)と、要求応答速度つまりモータ1の両回転子5,6の相対位相θを任意の位相から位相変更手段12による設定変更後の適宜の位相まで変更する際の速度に対する要求値とを算出する。
そして、ステップS23においては、現在位相が要求位相よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS24に進み、このステップS24においては、予め設定された移行時間マップMaに対して、モータ1の現在位相および要求位相に応じたマップ検索を行い、相対位相θに対する移行時間Tを取得し、ステップS26に進む。
一方、この判定結果が「NO」の場合には、ステップS25に進み、このステップS25においては、予め設定された移行時間マップMbに対して、モータ1の現在位相および要求位相に応じたマップ検索を行い、相対位相θに対する移行時間Tを取得し、ステップS26に進む。
なお、移行時間マップMa,Mbは、例えば図18,図19に示すように、モータ1の現在位相と要求位相と移行時間との所定の関係を示すマップであって、各移行時間マップMa,Mbでは、例えば現在位相と要求位相とが同等である場合に移行時間はゼロとなり、例えば図18に示すように、現在位相>要求位相の場合には、弱め界磁から強め界磁に向かい、各回転子5,6の永久磁石9,9同士が磁力で吸引し合うことから、例えば図19に示すように、現在位相<要求位相の場合に比べて、移行時間はより短くなる。
そして、ステップS26においては、要求応答速度から所定応答速度を減算して得た値を速度差αとして設定する。
そして、ステップS27においては、速度差αが所定閾値よりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、後述するステップS30に進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS28に進む。
そして、ステップS28においては、移行時間Tに速度差αに応じた補正項α0を乗算して得た値を、新たに移行時間Tとして設定する。
そして、ステップS29においては、予め設定された可変消費エネルギー補正項マップに対して、速度差αに応じたマップ検索を行い、可変消費エネルギー補正項βを取得する。なお、この可変消費エネルギー補正項マップは、例えば図20に示すように、速度差αが増大することに伴い、可変消費エネルギー補正項βが増大傾向に変化するように設定されている。
そして、ステップS30においては、可変エネルギーγに可変消費エネルギー補正項βを乗算して得た値を、新たに可変エネルギーγとして設定する。
そして、ステップS31においては、予め設定された油温補正項マップに対して、油温センサs4によるトランスミッションT/Mの油温の検出値に応じたマップ検索を行い、油温補正項Toを取得する。なお、この油温補正項マップは、例えば図21に示すように、油温が増大することに伴い、油温補正項Toが増大傾向に変化するように設定されている。
そして、ステップS32においては、予め設定された抵抗補正項マップに対して、位相変更手段12の作動抵抗(例えば、摺動抵抗や作動流体の流路抵抗等)の学習値に応じたマップ検索を行い、抵抗補正項STを取得する。なお、この油温補正項マップは、例えば図22に示すように、作動抵抗が増大することに伴い、抵抗補正項STが増大傾向に変化するように設定されている。
そして、ステップS33においては、移行時間Tに油温補正項Toと抵抗補正項STとを乗算して得た値を、新たに移行時間Tとして設定し、一連の処理を終了する。
以下に、消費エネルギー演算の処理について説明する。
先ず、例えば図23に示すステップS41においては、現在位相がゼロよりも大きく、かつ、180°未満であり、さらに、所定の経済運転中であるか否かを判定する。なお、所定の経済運転とは、例えば車輪速センサ75による検出結果に基づき算出した車両100の加速度および減速度等に係る走行挙動の変動が所定値未満となる運転状態である。
この判定結果が「NO」の場合には、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS42に進む。
そして、ステップS42においては、下記数式(1)に示すように、モータ1の可変エネルギーγを移行時間Tに亘って積分して、相対位相θの変更に要する消費エネルギーΔEを算出する。
なお、下記数式(1)の消費エネルギーΔEは、後述する図25(b)での消費エネルギーDに相当する。
Figure 2008067498
そして、ステップS43においては、下記数式(2)に示すように、位相維持エネルギーψを所定時間Taに亘って積分して得たエネルギーと、可変モータ効率Wから可変モータ効率Uを減算して得た値を移行時間Tに亘って積分して得たエネルギーとを加算して、相対位相θの変更後に消費する消費エネルギーΔeを算出する。
なお、下記数式(2)の消費エネルギーΔeの第1項は、後述する図25(b)での消費エネルギーCに相当し、第2項は消費エネルギーEに相当する。
Figure 2008067498
そして、ステップS44においては、下記数式(3)に示すように、位相維持エネルギーζを所定時間Taに亘って積分して得たエネルギーと、可変モータ効率Uから可変モータ効率Wを減算すると共に位相維持エネルギーζを加算して得た値を移行時間Tに亘って積分して得たエネルギーとを加算して、相対位相θを変更しない状態で消費する消費エネルギーΔηを算出する。
なお、下記数式(3)の消費エネルギーΔηの第1項は、後述する図25(a)での消費エネルギーAに相当し、第2項は消費エネルギーBに相当する。
Figure 2008067498
そして、ステップS45においては、消費エネルギーΔηから消費エネルギーΔEおよび消費エネルギーΔeを減算して得た値がゼロよりも大きいか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS46に進み、このステップS46においては、相対位相θの変更を許可することを示す可変許可フラグのフラグ値に「0」を設定して、一連の処理を終了する。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS47に進み、このステップS47においては、可変許可フラグのフラグ値に「1」を設定して、一連の処理を終了する。
上述したように、本実施の形態によるモータの制御装置100aによれば、移行時間に基づき位相変更手段12による移行により消費する第1消費エネルギー(消費エネルギーΔE)と、位相を任意の位相から設定変更後の適宜の位相に変更して駆動力を発生する際のモータ1の制御により消費する第2消費エネルギー(消費エネルギーΔe)との和が、位相を変更せずにモータ1の制御により消費する第3消費エネルギー(消費エネルギーΔη)よりも小さい場合に、位相変更手段12による位相の変更を許可するすることから、モータ1のエネルギー効率が劣化することを防止しつつ、モータ1の誘起電圧定数を適切に設定することができる。
本発明の実施の形態に係る車両の概略構成図である。 本発明の実施の形態に係るモータの要部断面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最遅角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転子ユニットの分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るモータの最進角位置に制御されている回転子ユニットの一部部品を省略した側面図である。 本発明の実施の形態に係るモータの内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが同極配置された強め界磁状態を模式的に示す図(a)と、内周側回転子の永久磁石と外周側回転子の永久磁石とが異極配置された弱め界磁状態を模式的に示す図(b)を併せて記載した図である。 本発明の実施の形態に係るモータの制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の構成図である。 本発明の実施の形態に係る可変モータ効率演算の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るモータの回転数とトルクと運転効率との所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータの相対位置と回転数と位相維持エネルギーとの所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る位相可変効率演算の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るモータの現在位相と要求位相と可変エネルギーとの所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータの現在位相と要求位相と可変エネルギーとの所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータの回転数とトルクと運転効率との所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータの相対位置と回転数と位相維持エネルギーとの所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る移行時間演算の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るモータの現在位相と要求位相と移行時間との所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係るモータの現在位相と要求位相と移行時間との所定の関係を示すマップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る可変消費エネルギー補正項マップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る油温補正項マップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗補正項マップの一例を示すグラフ図である。 本発明の実施の形態に係る消費エネルギー演算の処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る可変未実行時(a)と可変実行時(b)との総消費エネルギーの一例を示すグラフ図である。
符号の説明
1 モータ(回転電機)
5 外周側回転子(ロータ)
6 内周側回転子(ロータ)
9 永久磁石(磁石片)
12 位相変更手段
62 効率状態演算部(移行時間演算手段、温度補正手段、抵抗補正手段)
ステップS42 第1演算手段
ステップS43 第2演算手段
ステップS44 第3演算手段

Claims (4)

  1. 各々に磁石片を有し互いの相対的な位相を変更可能な複数のロータと、前記複数のロータの相対的な位相の設定を変更し、所定の誘起電圧定数に設定する位相変更手段とを備えるモータの制御装置であって、
    前記位相が任意の位相から前記位相変更手段による設定変更後の適宜の位相まで移行する際の移行時間を演算する移行時間演算手段と、
    前記移行時間に基づき前記位相変更手段による前記移行により消費する第1消費エネルギーを演算する第1演算手段と、
    前記位相を任意の位相から設定変更後の適宜の位相に変更して駆動力を発生する際の前記モータの制御により消費する第2消費エネルギーを演算する第2演算手段と、
    前記位相を変更せずに前記モータの制御により消費する第3消費エネルギーを演算する第3演算手段と、
    前記第1および第2消費エネルギーの和が前記第3消費エネルギーよりも小さい場合に、前記位相変更手段による前記位相の変更を許可する許可手段と
    を備えることを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記第2消費エネルギーは、前記移行の完了時から予め設定された所定時間に亘って前記モータを制御する間に前記位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーと、前記移行時間および前記所定時間に亘る前記モータの制御により消費する消費エネルギーとの和から演算され、
    前記第3消費エネルギーは、前記移行時間および前記所定時間に亘って、前記モータが前記位相を変更せずに消費する消費エネルギーと、前記位相を不変に保持することにより消費する消費エネルギーとの和から演算されることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記移行時間を作動流体の温度に基づき補正する温度補正手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御装置。
  4. 前記移行時間を前記位相変更手段の作動抵抗に基づき補正する抵抗補正手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載のモータの制御装置。
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