JP2008066962A - スピーカユニットおよび音響再生システム - Google Patents

スピーカユニットおよび音響再生システム Download PDF

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Abstract

【課題】スピーカボックスに収容されたときにその使用周波数帯域における出力音圧特性が平坦なものとなるように設計されたスピーカユニットを、コストアップを最小限に抑えて、裸のスピーカユニットとしても用いることができる。
【解決手段】入力音声信号がスピーカユニット本体の対の音声入力端にそのまま供給されるようにスピーカユニット本体の対の音声入力端に接続されている第1および第2のスピーカユニット端子と、入力音声信号が周波数特性補正されてスピーカユニット本体の対の音声入力端に供給されるように周波数特性補正回路およびスピーカユニット本体に対して接続されている第3および第4のスピーカユニット端子とを備える。裸のスピーカユニットとして使用される状態で、第3および第4のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給されと、周波数特定補正回路により平坦な周波数特性となるようにされている。
【選択図】図1

Description

この発明は、リスナの耳とは非接触の状態で用いられるスピーカ用のスピーカユニットおよびこの種のスピーカユニットを用いる音響再生システムに関する。
従来、スピーカは、低音域の音圧特性を重視するため、スピーカユニットをバッフル板に装着して、箱(スピーカボックス)内に収容して使用することが一般的であった。そして、スピーカボックスに収容されたスピーカユニットは、リスナとの距離が、例えば2メートル程度とされた配置されることが多い。
従来の、5.1チャンネルサラウンド方式などの音響再生システムでは、例えば15リットル程度のスピーカボックスが利用されていたフロント左右チャンネル用のスピーカは、1リットル前後の小さなボックスに変わり、サテライトスピーカとも呼ばれている。当然低域は出ないので、それを補助するためにサブウーハと呼ばれる低域専用のスピーカが1個追加されている。このように、サブウーハ以外のスピーカを小型のボックスとした場合には、サブウーハ10SWに供給する音声信号のクロスオーバ周波数は、150Hzと、前記の100Hzよりも若干高めになっていることも多いが、かなり低い周波数であることには変わりはない。
このような配置のスピーカシステムで、DVDからの5,1チャンネルの音声信号を再生すると、当然のことであるが充分な低音が再生される。しかも、低域専用に再生側も特別にチャンネルを設けているので、映画などのソースでは従来にないほどの重低音が部屋中に響きわたり、迫力のある臨場感を得ることができる。
しかしながら、家が小さな日本の家屋では、マルチチャンネルサラウンド音声を音響再生するための上述したような6個のスピーカを配置するスペースを確保することができないという問題と、外部への音漏れによる騒音の問題がある。
すなわち、通常の5.1チャンネルのスピーカ構成では、DVDの映像音響鑑賞において、迫力ある音を再生するためには、90dB程度以上の音量を必要とする。したがって、リスナがマルチチャンネルサラウンドの効果を良好に得ようとした場合には、外部への騒音の問題を考慮する必要が生じる。
この時、一般に、高域の音は遮音が容易で、壁とかドア1枚でかなりの音を減衰させることが可能である。しかしながら、例えば100Hz以下のような低域の音の場合には、遮音は簡単にできず、家が小さな日本の家屋では、この低域の音を遮るほど部屋の広さがとれないことが多い。特にサブウーハが受け持つ50Hz、40Hzといった低音は、響き、かなりの範囲に音が伝播されることになる。
このため、サブウーハから音が再生されたときに、隣の部屋はもちろん、上下の部屋まで音が届いて迷惑をかけるおそれがある。特に低い帯域の音ほど遮音が難しく、サブウーハは、日本の住宅事情では大きな問題であり、せっかくの5.1チャンネルの音響再生システムも、充分使いきることが出来ない現状がある。
この問題点を解決するため、特許文献1(特開平5−95591号公報)には、中高音は小型スピーカ(スピーカユニットがスピーカボックスに収納されるタイプ)で音響再生し、低音域は低音用ヘッドホンや骨伝導で、リスナの耳の近傍で音響再生するようにした音響再生システムが提案されている。
この特許文献1の技術によれば、低音はヘッドホンや骨伝導でリスナの耳の近傍で音響再生されるので、リスナには大音量に聴こえても、隣家には伝わらないようにすることができる。
上記の特許文献は、次の通りである。
特開平5−95591号公報
しかしながら、上記の特許文献1の発明では、低域の音を耳の近傍で再生するものであっても、スピーカではなく、ヘッドホンや骨伝導を利用した振動体とされている。スピーカ以外の振動体で、スピーカと同等の低域感を得ることは、個人差もあるが、一般的に受け入れられるほど素直な感覚ではないと思われる。また、リスナはヘッドホンや骨伝導用のヘッドセットを装着しなければならず、煩わしいという問題もある。
この点にかんがみ、出願人は、先に、特願2006−24302(平成18年2月1日出願)として、スピーカユニットをバッフル板に取り付けることなく、したがって、スピーカユニットをスピーカボックスに収容しないで、リスナの耳の近傍に配置するようにする保持して、音響再生することを提案した。スピーカボックスに収容しないで用いるスピーカユニットを、以下、裸のスピーカユニットと称する。
この先に提案した発明においては、スピーカユニットは、リスナの耳の近傍に保持されるように構成されているので、再生音は、リスナには大音量で聴こえるようにすることができる。そして、その一方で、スピーカユニットはバッフル板に取り付けられていないため、音響再生された音声は、スピーカユニットの振動板の前後から放音される。スピーカユニットの振動板の前と後から出てくる音は、互いに反対の位相(逆位相)となるので、外部に伝播する音は互いに打ち消し合って、減衰される。特に低域ほど、この減衰が大きく、隣家に伝播される音声、特に低域音声は著しく軽減される。
低域の音の減衰を確かめるために、無響室において、図21に示すように、サブウーハ用とされる例えば17センチメートルの口径のスピーカユニットSPからの音を、このスピーカユニットSPから距離dだけ離れた位置のマイクロホンMCで収音して、その音圧レベルの周波数特性を測定したところ、図22に示すようなものとなった。この場合、スピーカユニットSPは、ボックスに収納したり、バッフル板に取り付けたりされてはいない裸の状態である。
図22における4個の周波数特性曲線は、同図に示すように、前記スピーカユニットSPとマイクロホンMCとの距離dが、それぞれd=10センチメートル、d=20センチメートル、d=40センチメートル、d=80センチメートルの時のものである。
この図22から、スピーカユニットをボックスに入れない構成にすると、1kHz以下の音はかなり減衰することが分かり、特に低域の音になるほどその減衰量が大きいことが確かめられた。
スピーカユニットSPと、リスナの左耳、右耳との間のそれぞれの距離dswは、低域の音がリスナの耳にそれほど減衰されること無く伝達される距離とされる。図22の特性図から求めるとすると、低域における特性が平坦である、例えばdsw=20センチメートルとされる。
例えば、サブウーハとリスナの耳までの距離を2メートルとした一般的な従来のものに対して、先に提案した発明の場合、スピーカユニットSPとリスナの耳との距離を20センチメートルとした場合、先に提案した発明の場合には、従来のものと比較して距離が1/10になる。
このために、先に提案した発明の場合においては、リスナが同じ音圧を感じるために必要なエネルギーは、上述の一般的な従来のものの場合の1/100でよいことになる。つまり、上述の一般的な例で仮に100W(ワット)のアンプを必要としていた場合には、先に提案した発明の場合には、1Wのアンプでも同じ音圧を感じることになる。
この実施の形態では、スピーカに供給する音声信号出力の違いによるだけでも音の拡散が小さい上に、低い音、例えば周波数が20Hz,30Hz,40Hz当たりになると、位相の点でキャンセルし、サブウーハのスピーカユニットのごく近傍以外ではほとんど音は聴こえなくなる。その一方で、DVDソフトに含まれる迫力ある音響効果は、この低音の帯域に大きなエネルギーを収録することで得るようにしてあるため、防音の効果はより大きくなる。
以上の構成により、低域音のみに注目して、当該低域音のみを減衰させることを考えた場合には、特に十分に効果が得られる。しかし、同様にして、スピーカユニットSPから、低域音以外の音を音響再生して放音する場合にも、上述と同様の防音効果を得ることができる。例えば、スピーカユニットSPを、サブウーハ用のものとするのではなく、全帯域用のスピーカユニットとして、リスナの耳の近傍に配置する音響システムも提供できる。
先の提案においては、その種の音響再生システムの一例として、2個の裸のスピーカユニットを、リスナの頭部を挟んで、リスナの左および右の耳の近傍に配置するようにする保持すると共に、スピーカユニットで音響再生したときに、リスナが他のスピーカ装置から音声が放音されたように聴取するように入力音声信号を仮想音源処理して、前記2個のスピーカユニットに供給するようにした音響再生システムを提供している。
この音響再生システムでは、例えば5.1チャンネルサラウンド方式の音響再生を行った場合において、リスナの耳の近傍でスピーカユニットを配置していても、仮想音源処理により、あたかも、フロントチャンネルの音像や、リアチャンネルの音像が、想定された前方や後方に低位しているようにすることができて、良好な再生音響空間を得ることができる。そして、この場合に、特に低音が周囲に漏れていくことを防止しつつ、ユーザは十分な音量の再生音を得ることができるという効果が得られる。
ところで、このように、スピーカボックスに収容することなく裸の状態で使用するスピーカユニットは、特にその用途用のスピーカユニットを新たに開発することも考えられるが、それでは開発コストがかかる。このため、一般的には、スピーカボックスに収容して使用するという一般的な使用態様を想定して設計されたスピーカユニットを、そのまま裸のスピーカユニットにも用いるようにする。
そして、一般的には、スピーカユニットは、スピーカボックスに収容されたときに、その使用周波数帯域における出力音圧特性が平坦なものとなるように設計される。したがって、裸のスピーカユニットの場合には、そのままでは、平坦な周波数対出力音圧特性が得られない。
前述したサブウーハの用途で用いる場合であれば、裸のスピーカユニットに供給する音声信号は、図22で、出力音圧特性が平坦である周波数範囲に限定すべく、低域通過フィルタを用いるようにすればよい。
しかしながら、上述した全帯域用のスピーカユニットを裸のスピーカユニットの状態で用いる場合には、スピーカボックスに収容されたときにその使用周波数帯域における出力音圧特性が平坦なものとなるように設計されたスピーカユニットでは、平坦な周波数特性は得られない。
そこで、通常は、裸のスピーカユニットの再生音響空間における伝達関数を求め、その伝達関数に対応する周波数−出力音圧特性の逆特性フィルタを、スピーカユニットに音声信号を供給する音声信号出力装置の音声信号処理回路中に設けて、補正することで、平坦な周波数特性(周波数−出力音圧特性;以下同じ)を得るようにすることが行われる。
この場合の逆特性フィルタは、FIR(Finite Impulse Response)が用いられ、これは、一般的には、メモリと、DSP(Digital Signal Processor)と、A/D変換器、D/A変換器とを用いて構成する必要があり、大きなコストアップとなる。
この発明は、以上の問題点にかんがみ、スピーカボックスに収容されたときにその使用周波数帯域における出力音圧特性が平坦なものとなるように設計されたスピーカユニットを、コストアップを最小限に抑えて、裸のスピーカユニットとしても用いることができるようにすることを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明によるスピーカユニットは、
スピーカユニット本体に設けられているボイスコイルと、
周波数特性補正回路と、
入力音声信号が前記スピーカユニット本体の対の音声入力端にそのまま供給されるように前記スピーカユニット本体の前記対の音声入力端に接続されている第1および第2のスピーカユニット端子と、
前記入力音声信号が、前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体の前記対の音声入力端に供給されるように前記周波数特性補正回路および前記スピーカユニット本体に対して接続されている第3および第4のスピーカユニット端子と、
を備え、
前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられてスピーカボックス内に収納された状態で、前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給される態様での使用において、リスナの再生音聴取位置では、平坦な周波数特性となるようにされていると共に、
前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置された状態で、前記第3および第4のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給される態様では、リスナの再生音聴取位置で、前記周波数特定補正回路により平坦な周波数特性となるようにされている
ことを特徴とする。
この請求項1の発明によるスピーカユニットは、スピーカボックスに収容されて使用されるときには、第1および第2のスピーカユニット端子が音声信号入力端子として用いられる。このときには、これらの第1および第2のスピーカユニット端子の間に供給された音声信号は、そのまま直接的にスピーカユニット本体に供給される。
スピーカユニット本体自身の周波数特性は、スピーカボックスに収容されたときに平坦となるようにされているので、この使用態様におけるスピーカの周波数特性は平坦なものとなり、良好な状態で使用できる。
一方、請求項1の発明によるスピーカユニットが、裸のスピーカユニットとして使用されるときには、第3および第4のスピーカユニット端子が音声信号入力端子として用いられる。すると、このときには、これらの第3および第4のスピーカユニット端子の間に供給された音声信号は、周波数特性補正回路を通じてスピーカユニット本体に供給される。
周波数特性補正回路は、スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置された状態で、前記第3および第4のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給される態様では、リスナの再生音聴取位置で、前記周波数特定補正回路により平坦な周波数特性となるようにされているので、この使用状態におけるスピーカも平坦な周波数特性となる。
したがって、この請求項1の発明によれば、単に、スピーカユニットのスピーカユニット端子を、スピーカボックスに収容して使用する場合と、裸のスピーカユニットとして使用する場合とで、異ならせることにより、常に、周波数特性を平坦なものとすることができ、裸のスピーカユニットとして用いる場合に、DSPなどを用いた逆特性フィルタにより補正した音声信号をスピーカユニットに供給する必要はない。
また、請求項3の発明は、
スピーカユニット本体と、
第1のスピーカユニット端子と、
第2のスピーカユニット端子と、
周波数特性補正回路と、
前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に供給される入力音声信号が前記スピーカユニット本体の対の音声信号入力端にそのまま供給される接続状態と、前記入力音声信号が前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体の前記対の音声信号入力端に供給される接続状態とを切り換える切換回路と、
を備え、
前記切換回路が、前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に供給される入力音声信号が前記スピーカユニット本体にそのまま供給される接続状態に切り換えられるときには、前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられてスピーカボックス内に収納された状態におけるリスナの再生音聴取位置で平坦な周波数特性となるようにされていると共に、
前記切換回路が、前記入力音声信号が前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体に供給される接続状態に切り換えられるときには、前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置された状態におけるリスナの再生音聴取位置で平坦な周波数特性となるようにされている
ことを特徴とする。
この請求項3の発明によるスピーカユニットにおいては、スピーカユニット本体がスピーカボックスに収容されて使用されるときには、切換回路により、入力音声信号がスピーカユニット本体の対の音声信号入力端にそのまま供給される接続状態とされ、また、裸のスピーカユニットとして使用されるときには、切換回路により、入力音声信号が前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体に供給される接続状態とされる。
この切換回路による切り換えにより、請求項3の発明のスピーカユニットは、スピーカボックスに収容して使用するときでも、また、裸のスピーカユニットとして使用するときでも、リスナの再生音の聴取位置においては、周波数特性が平坦な状態となるようにされる。したがって、裸のスピーカユニットとして用いる場合に、DSPなどを用いた逆特性フィルタにより補正した音声信号をスピーカユニットに供給する必要はない。
この発明によれば、スピーカボックスに収容したときに周波数−出力音圧特性が平坦となるようなスピーカユニット本体に対して、周波数補正回路を設けるだけの簡単な構成により、裸のスピーカユニットとして用いる場合にも、リスナの再生音の聴取位置においては、周波数特性が平坦な状態となるようにできる。したがって、DSPなどを用いた逆特性フィルタにより補正した音声信号をスピーカユニットに供給する必要はなく、コスト増を低く抑えることができる。
この発明によるスピーカユニットの実施形態を説明する前に、この発明の背景について説明する。
前述した図22の周波数特性(周波数−出力音圧特性)は、主として、使用周波数帯域を低域に絞って求めた場合のものであったので、発明者は、さらに、全帯域用のスピーカユニットを用いて、スピーカユニットの周波数特性の観察を行った。
その結果、発明者は、スピーカボックスに収容したときに周波数特性が平坦となるように設計されているスピーカユニット本体を、裸のスピーカユニットとして用いた場合に、特定の周波数範囲近傍において、出力音圧のピークが生じることを発見した。
すなわち、発明者は、全帯域用の口径が20cmのコーン型スピーカユニットを用いて、その周波数特性を測定した。図4は、当該スピーカユニットをスピーカボックスに収容し、その振動板から距離d=20cmだけ、離れたところに設置したマイクロホンにより収音したときの周波数特性である。また、図5は、同様にして、スピーカボックスに収容したスピーカユニットについて、前記距離dを、d=40cmとしたときの周波数特性である。
また、図6は、同じスピーカユニットを裸のスピーカユニットとして、その振動板から距離d=20cmだけ離れたところに設置したマイクロホンにより収音したときの周波数特性である。また、図7は、同様にして、裸のスピーカユニットについて、前記距離dを、d=40cmとしたときの周波数特性である。
そして、図8は、距離d=20cmとしたときの、図4の周波数特性と図6の周波数特性とを、一つの図として表したもので、点線で示したものが裸のスピーカユニットの周波数特性である。同様に、図9は、距離d=40cmとしたときの、図5の周波数特性と図7の周波数特性とを、一つの図として表したもので、点線で示したものが裸のスピーカユニットの周波数特性である。
なお、図4〜図9において、一番上の特性曲線が周波数特性を示すものである。他は、同じ状態におけるインピーダンス特性など、他の特性を示すものであり、ここでは、測定結果として得られたものを示しているので示したものであり、これらは、この発明の特性としては、あまり関係が無いので、その詳細な説明は省略する。
図8および図9から、次のことが分かる。
(1)周波数が2kHz以上では、スピーカユニットがスピーカボックスに収容された場合と、裸のスピーカユニットの場合とを比較しても、スピーカユニットの振動板からの前記距離dに関係なく、周波数特性はほぼ同じになる。
(2)500〜600Hz以下の低域周波数においては、スピーカユニットがスピーカボックスに収容された場合と、裸のスピーカユニットの場合とで、前述した周波数特性の違いが見られる。すなわち、スピーカユニットがスピーカボックスに収容された場合には、前記距離dに応じて出力音圧が下がるだけで、前記距離dに関係なく周波数特性は変化しないが、裸のスピーカユニットの場合には、周波数特性が距離dに応じて変化し、前記距離dの大きさに応じて、低域側ほど低減量が多くなる特性となる。
(3)そして、周波数が600Hzから1.8kHzの範囲においては、裸のスピーカユニットの場合の出力音圧が、スピーカボックスにスピーカユニットを収容した場合よりも高くなっている現象を示していることが分かった。
上記(3)の現象は、今回の研究の結果として発見されたものである。裸のスピーカユニットの場合には、バッフル板が存在しないので、スピーカユニットの振動板の裏側から発する音波が、振動板の表側の音波と合成されて、その合成波は距離に応じて、より減衰することが予想される(低域側は、まさにそうなっている)が、この周波数が600Hzから1.8kHzの範囲においては、スピーカユニットの後ろ側から回り込む音波が同位相で強め合っていると考えられる。
そして、図8および図9の前記周波数範囲の出力音圧を見ると、距離に応じて減衰してはいるが、その周波数特性は、殆ど変化していないことが分かる。図示は省略したが、発明者は、d=10cm、d=30cm、d=80cmなどの距離においても測定を行っており、その測定結果からも、上述の(1)〜(3)の現象が裏付けられた。
以上のような現象の研究、発見に基づき、発明者は、スピーカボックスに収容したときに周波数特性が平坦となるように設計されているスピーカユニット本体を、裸のスピーカユニットとして用いる場合においては、発明が解決しようとする課題の欄で説明したDSPによる逆特性フィルタを用いた大掛かりな周波数特性補正を音声信号に対して施さなくても、簡単な共振回路を用いた周波数特性補正を、スピーカユニット本体に対して行うだけで、ほぼ周波数特性を平坦化することができることを見出した。
すなわち、前記(1)から、周波数が2kHz以上では、周波数特性の不要である。また、前記(2)から、スピーカユニットの配置位置を、リスナの耳との距離dswが、低域の音がリスナの耳にそれほど減衰されることなく伝達される距離に選定することにより、500〜600Hz以下の低域周波数においては、周波数特性を平坦化することができる。
以上のことから、前記(3)の現象に着目すると、出力音圧のピークが生じる周波数範囲、すなわち、600Hzから1.8kHzの範囲を平坦にするように、周波数特性を補正することができれば、おおよその周波数特性の平坦化ができることが分かる。この周波数特性補正は、例えば、インダクタンス素子と、容量素子と、抵抗素子からなる並列共振回路のような簡単な周波数特性補正回路を、スピーカユニット本体に設けることで実現することができ、DSPによる逆特性フィルタを用いて音声信号を処理するなどという大掛かりな周波数特性補正をしなくてもよい。
[この発明によるスピーカユニットの第1の実施形態]
以上のような研究の結果から提供する、この発明によるスピーカユニットの第1の実施形態を、図1に示す。
この実施形態のスピーカユニット10は、そのスピーカユニット本体1が、ダイナミック型スピーカの構成とされる場合であり、ボイスコイル3を備え、このボイスコイル3に供給される音声信号に応じて振動板2が振動して音波を放射するものである。
この実施形態のスピーカユニット10は、この例では、6インチ×9インチの楕円のコーン型のものが用いられている。このスピーカユニット10は、バッフル板に取り付けられてスピーカボックスに収容される状態で使用されたときに、その周波数特性(周波数−出力音圧特性)が周波数に関係なくほぼ平坦になるようなものとされている。
この第1の実施形態のスピーカユニット10は、音声信号入力端子となるスピーカユニット端子は1対ではなく、2対とされる。すなわち、第1の対のスピーカユニット端子は、端子4aと端子4bであり、第2の対のスピーカユニット端子は、端子4aと端子4cとされる。
なお、ユーザの接続間違いを防止するためには、図1において破線で示すように、端子4aと並列に別の端子4dを設け、その端子4dと端子4cとを第2の対のスピーカユニット端子とするようにしても良いが、コストを削減するためには、端子数は、少ない方がよい。第1の実施形態では、このため、端子4aを第1の対のスピーカユニット端子と、第2の対のスピーカユニット端子とで共用することにより、3端子のスピーカユニット端子の構成としている。
そして、この第1の実施形態においては、第1の対のスピーカユニット端子4aおよび4bは、スピーカユニット本体1のボイスコイル3の一端3aおよび他端3bに、直接に接続されている。
一方、第2の対のスピーカユニット端子の一方の端子4cと、スピーカユニット本体1のボイスコイル3の他端3bとの間には、周波数特性補正回路を構成する共振回路5が接続される。
この共振回路5は、インダクタンス素子としてのコイル51と、容量素子としてのコンデンサ52と、抵抗53とが、互いに並列に接続された並列共振回路の構成とされている。そして、この実施形態においては、コイル51には、位置を移動できるコア51cが設けられ、このコア51cのコイル51における位置を調整することで、コイル51のインダクタンス値が可変できるように構成されている。
この共振回路5の共振周波数は、裸のスピーカユニットとして用いられたスピーカユニット本体1において、出力音圧のピークが生じる周波数範囲内の所定周波数となるように構成されている。そして、コイル51のコア51cの位置が調整されて、共振周波数が出力音圧のピークが生じる周波数に合致するように微調整される。この微調整により、スピーカユニット個々でばらつく出力音圧のピークの周波数に合わせることできるようにされている。
そして、この共振回路5による周波数特性補正により、スピーカユニット本体1が裸のスピーカユニットの状態で使用されたときの周波数特性が、周波数に関わらず、ほぼ平坦となるようにされる。
この実施形態のスピーカユニット本体1を、周波数特性補正回路としての共振回路5無しの状態において、裸のスピーカユニットとして、リスナの耳から20cm離れたところにその振動板2が来るように配置したときの周波数特性を図10に示す。
また、この実施形態のスピーカユニット本体1に対して、周波数特性補正回路としての共振回路5を挿入して、音声信号を供給したときであって、裸のスピーカユニットとして、リスナの耳から20cm離れたところにその振動板2が来るように配置したときの周波数特性を図11に示す。
図10、図11から明らかなように、周波数特性補正回路としての共振回路5を挿入することで、裸のスピーカユニットとして使用する場合に、ほぼ平坦な周波数特性が得られるものである。
なお、図10および図11においても、図4〜図9と同様に、一番上の特性曲線が周波数特性を示すものであり、他は、同じ状態におけるインピーダンス特性など、他の特性を示すものである。
[この発明によるスピーカユニットの第1の実施形態の使用態様]
図2に、上述した第1の実施形態のスピーカユニット10を、スピーカボックスに収容して使用する場合の構成例を示す。
図2に示すように、この場合には、スピーカユニット10は、バッフル板に取り付けられてスピーカボックス20内に収容される。バッフル板は、図示は省略したが、スピーカボックス20とは別に設けてもよいし、スピーカボックス20の一部の壁板であってもよい。
そして、スピーカボックス20には、音声信号入力用の対のスピーカ端子20aおよび20bが設けられるが、この対のスピーカ端子20aおよび20bは、スピーカユニット10のスピーカユニット端子4aおよび4bと接続される。そして、音声信号出力装置30の音声信号出力端子の一方および他方が、スピーカ端子20aおよび20bに接続される。
したがって、音声信号出力装置30からの音声信号は、共振回路5を介することなく、直接的にスピーカユニット本体1のボイスコイル3に供給されて、音響再生される。前述したように、このスピーカユニット本体1は、スピーカボックスに収容されて使用される態様に合わせて周波数特性が平坦になるように設計されているので、この使用態様での再生音声の周波数特性は平坦なものとなる。
次に、上述した第1の実施形態のスピーカユニット10を、裸のスピーカユニットとして使用する場合の構成例を、図3に示す。
図3に示すように、この使用態様においては、スピーカユニット10のスピーカユニット本体1の振動板2とリスナ40との距離dswを、例えばdsw=20cmとすると共に、音声信号出力装置30の音声信号出力端子の一方および他方が、スピーカユニット端子4aおよび4cに接続される。
したがって、音声信号出力装置30からの音声信号は、共振回路5を介してスピーカユニット本体1のボイスコイル3に供給されて、音響再生される。前述の図11に示したように、このスピーカユニット本体1は、裸のスピーカユニットとして使用されるときには、共振回路5が挿入されることで、周波数特性が平坦になるように設計されているので、この使用態様での再生音声の周波数特性も平坦なものとなる。
上述したスピーカユニット10によれば、周波数特性補正回路が備えられていて、当該スピーカユニット10を裸のスピーカユニットとして使用する時に、端子4aと4bの対の代わりに、端子4aと4cの対のスピーカユニット端子を使用することをユーザが選定するだけで、入力音声信号に対しては、何等の音響処理をしなくても、所望する平坦な周波数特性を得ることができる。
[音響再生システムの実施形態]
次に、上述した第1の実施形態のスピーカユニット10を、裸のスピーカユニットとして使用する場合の、より具体的な構成例について、以下に説明する。上述のように、裸のスピーカユニットとして用いる場合には、スピーカユニット10は、リスナの耳の近傍に配置される。
スピーカユニット10を、例えばマルチチャンネルサラウンドのLFE(Low Frequency Effect)チャンネルの音声信号再生用として用いる場合であれば、それほど、その音像の定位位置については問題とはならないが、スピーカユニット10により、フロント左右チャンネルの音声信号や、リア左右チャンネルの音声信号を音響再生するときには、その音像の定位位置が問題となる。
そこで、フロント左右チャンネルの音声信号や、リア左右チャンネルの音声信号を音響再生するときには、仮想音源処理を導入することにより、リスナ40の耳の近傍にスピーカユニットを配置しても、音像の定位位置について違和感が生じないようにすることができる。
仮想音源処理をして、リスナの耳の近傍にスピーカユニットを配して、音響再生するシステムの構成例を、図12以下を参照しながら、以下に説明する。
この音響再生システムの実施形態は、DVDプレーヤで再生された映像信号および音声信号を用いて、また、テレビ受像機で受信したデジタル放送信号を用いて、映像監視および5.1チャンネルのサラウンド音声聴取を行う場合の例である。
図12は、この実施形態による音響再生システムの概要を示す図である。この図12に示すように、この実施形態の音響再生システムは、2個のスピーカ51FLおよび51FRを具備する映像モニター装置としてのテレビ受像機50と、DVDプレーヤ60と、音声信号出力装置30と、ユーザ40の両耳の近傍に設けられる2個のスピーカユニット10Lおよび10Rと、を備えて構成されている。スピーカユニット10Lおよび10Rは、上述した実施形態のスピーカユニット10が、裸のスピーカユニットとして用いられるものである。
この実施形態の音響再生システムでは、5.1チャンネルサラウンド音声のうちのフロント左右2チャンネルの音声再生用として、テレビ受像機50の2個のスピーカ51FLおよび51FRを用いる。この2個のスピーカ51FLおよび51FRは、テレビ受像機50に内蔵されていてもよいし、また、テレビ受像機50とは分離独立して設けられていても良い。
また、この実施形態では、ユーザ40の両耳の近傍に設けられる2個のスピーカユニット10Lおよび10Rは、5.1チャンネルサラウンド音声のうちの低域専用チャンネル(LFEチャンネル)と、リア左右2チャンネルの再生用とされる。
そして、この実施形態では、この2個のスピーカユニット10Lおよび10Rに、後述するように、5.1チャンネルサラウンド音声のうちのリア左右2チャンネル音声の音声信号が、音声信号出力装置30において仮想音源処理されて供給される。
テレビ受像機50は、デジタル放送信号を受信することができる機能を備え、受信したデジタル放送信号から、デジタル放送番組の映像信号および音声信号を再生し、テレビ受像機50の表示画面50Dに、デジタル放送番組の再生映像を表示すると共に、スピーカ51FLおよび51FRによりデジタル放送番組の再生音声を音響再生する。
この場合、デジタル放送番組の音声がマルチチャンネルサラウンド音声であるときには、スピーカ51FLおよび51FRから放音されるデジタル放送番組の再生音声は、フロント左右2チャンネルの音声に、センターチャンネル、リア左右2チャンネルなどの音声が含まれている。
そして、この実施の形態では、テレビ受像機50で受信されて再生された音声信号Au1は、音声信号出力装置30に供給される。
DVDプレーヤ60は、DVDに記録されている映像信号および音声信号を再生して出力する。この例では、DVDプレーヤ60で再生された映像信号Viは、テレビ受像機50に供給されて、表示画面50Dに、前記再生映像信号Viによる再生映像が表示される。また、DVDプレーヤ60で再生された音声信号Au2は、この例では、音声信号出力装置30に供給される。
音声信号出力装置30は、この実施の形態では、5.1チャンネルのマルチチャンネルサラウンド音声方式に対応するデコード機能を備え、テレビ受像機50で受信したデジタル放送番組の音声を5.1チャンネルサラウンド音声で再生する際には、ユーザ40の両耳の近傍に設けられる第1および第2のスピーカユニット10Lおよび10Rに供給する音声信号を生成して、それぞれ対応する各スピーカに供給するようにする。
また、音声信号出力装置30、DVDプレーヤ60で再生した映像および音声の再生時には、ユーザ40の両耳の近傍に設けられる第1および第2のスピーカユニット10Lおよび10Rに供給する音声信号のみではなく、テレビ受像機50の左右2チャンネル用の2個のスピーカ51FLおよび51FRに供給する音声信号を生成し、それぞれ対応する各スピーカに供給するようにする。
この実施形態では、音声信号出力装置30は、テレビ受像機50の左右2チャンネル用の2個のスピーカ51FLおよび51FRに対しては、フロント左チャンネルの音声信号Lとセンターチャンネルの音声信号Cとの和信号およびフロント右チャンネルの音声信号Rとセンターチャンネルの音声信号Cとの和信号を供給する。
また、音声信号出力装置30は、リスナ40の両耳の近傍の2個のスピーカユニット10Lおよび10Rに対しては、後述するいわゆる仮想音源処理されたリア左チャンネルの音声信号RL*と低域音声信号LFEとの和信号および仮想音源処理されたリア右チャンネルの音声信号RR*と低域音声信号LFEとの和信号を供給する。
[実施形態の音響再生システムにおけるスピーカ配置例]
次に、図13に、以上説明したこの実施形態における音響再生システムにおけるスピーカ配置例を説明する。
図13に示すように、この実施形態においては、リスナ40の前方の、左側にフロント左チャンネル用スピーカ51FLが、右側にフロント右チャンネル用スピーカ51FRが、それぞれ配置される。
これらのスピーカ51FL,51FRは、この例では、テレビ受像機50に内蔵されているので、例えば小型のスピーカボックス52FL,52FRの前面側(例えばテレビ受像機の前面パネル)をバッフル板として、それぞれ用のスピーカユニット53FL,53FRが取り付けられたもので構成されている。これらのスピーカ51FL,51FRは、どのチャンネルかを区別する必要がないときには、以下、フロントスピーカと称する。
そして、この実施形態では、リスナ40の左右の耳の近傍において、2個のスピーカユニット10Lおよび10Rが、その振動板がリスナ40の左右の耳にそれぞれ対向するように、リスナ40の頭部を挟んで配置される。そして、これら2個のスピーカユニット10Lおよび10Rは、そのスピーカユニット10Lおよび10Rの振動板2の前後から放射される音が混合可能となるように、当該スピーカユニット10Lおよび10Rはスピーカボックスには収納されてはおらず、かつ、バッフル板に取り付けられてもいない。
そして、この実施の形態では、リスナ40の両耳の近傍の2個のスピーカユニット10Lおよび10Rには、LFEチャンネルの低域音声信号が共通に供給され、これらスピーカユニット10Lおよび10Rから同相でLFEチャンネルの低域音が放音されるようにされている。したがって、この実施形態では、スピーカユニット10Lおよび10Rの一つの役割は、サブウーハである。
このように構成される結果、LFEチャンネルの低域音は、リスナ40の両耳の近傍で放音されるため、リスナ40には大音量で聴取されるが、リスナ40から離れた位置では、スピーカユニット10Lおよび10Rの振動板2の前と後から出てくる音が、互いに180度位相が異なり、互いに打ち消し合うため、殆ど聴取されないようになる。これにより、従来のように低域の音が隣家にまで伝播して、迷惑をかけてしまうという事態を防止することができる。このことは、前述した図22の周波数特性図に示した通りである。
そして、この実施形態の場合、2個のスピーカユニット10L,10Rと、リスナ40の左耳、右耳との間のそれぞれの距離dswは、低域の音がリスナ40の耳にそれほど減衰されること無く伝達される距離、この例では、dsw=20センチメートル程度とされる。
例えば、サブウーハとリスナ40の耳までの距離を2メートルとした一般的なものに対して、この実施形態では、スピーカユニット10L,10Rとリスナ40の両耳のそれぞれとの距離は、20センチメートルとした場合、この実施形態の場合には、従来のものと比較して距離が1/10になる。
このために、この実施形態において、リスナ40が同じ音圧を感じるために必要なエネルギーは、上述の一般的なものの場合の1/100でよいことになる。つまり、上述の一般的な例で仮に100W(ワット)のアンプを必要としていた場合には、この実施形態の場合には、1Wのアンプでも同じ音圧を感じることになる。
この実施形態では、スピーカに供給する音声信号出力の違いによるだけでも音の拡散が小さい上に、低い音、例えば20Hz,30Hz,40Hz当たりになると、位相の点でキャンセルし、サブウーハのスピーカユニットのごく近傍以外ではほとんど音は聴こえなくなる。その一方で、DVDソフトに含まれる迫力ある音響効果は、この低音の帯域に大きなエネルギーを収録することで得るようにしてあるため、防音の効果はより大きくなる。
以上の構成により、低域音のみに注目して、当該低域音のみを減衰させることを考えた場合には、十分に効果が得られる。なお、同様にして、スピーカユニット10Lおよび10Rから、低域音以外の音を音響再生して放音する場合にも、上述と同様の防音効果を得ることができることは言うまでもない。
5.1チャンネルサラウンド音声の場合、さらにセンターチャンネルの音声およびリア左右2チャンネルの音声がある。従来は、センターチャンネルの音声用スピーカ51Cは、図13で、リスナ40の前方において点線で示すように、スピーカボックス52Cの前面側をバッフル板として、スピーカユニット53Cが取り付けられたものが、図示のように、リスナ40の前面側に配置される。
同様に、従来は、リア左右2チャンネルの音声用スピーカ51RLおよび51RRは、図13で、リスナ40の後方において点線で示すように、小型のスピーカボックス52RLおよび52RRのそれぞれに、当該スピーカボックスの前面側をバッフル板として取り付けられたリア用のスピーカユニット53RLおよび53RRが配置されるものである。
しかし、この実施形態では、センターチャンネルの音声およびリア左右2チャンネルの音声は、それら専用のスピーカ51Cや51RL,51RRを設けずに、前述したようにして、テレビ受像機の2個のスピーカ51FL,51FRおよびリスナ40の両耳近傍の2個のスピーカユニット10Lおよび10Rにより、音響再生するようにする。
すなわち、センターチャンネルの音声信号Cは、フロント左右2チャンネルの音声信号LおよびRにそれぞれ加算して、スピーカ51FL,51FRのそれぞれに供給して、これらスピーカ51FL,51FRにより音響再生するようにする
また、リア左チャンネルの音声信号RLは仮想音源処理した音声信号RL*とし、リスナ40の左耳に対向するスピーカユニット10Lに供給して音響再生する。さらに、リア右チャンネルの音声信号RRは仮想音源処理した音声信号RR*とし、リスナ40の右耳に対向するスピーカユニット10Rに供給して音響再生する。
上述したように、スピーカユニット10Lおよび10Rは、リスナ40の耳までの距離が小さいので、リア左右2チャンネル音声信号RLおよびRRについても、その音域での放射エネルギーを小さくして、防音に寄与させることができる。
そして、リスナ40の耳元近くに配置したスピーカユニット10L,10Rにより、仮想音源処理したリア左右2チャンネルの音声を音響再生することは、元々、リア左右2チャンネル音声は、リスナ40の背面からの残響音等が主な音源であるため、それほど定位位置が重要でないことから、省スピーカ、低騒音を実現しながら、良好なサラウンド音声を得ることができるという効果がある。
また、上述もしたように、スピーカユニット10L,10Rの音圧は、当該スピーカユニット10L,10Rとリスナ40の耳との間の距離dswが、一般的な例の2メートルに比べ20センチメートルになることで20dB下げることができるので、リア左右2チャンネル音声信号RL,RRについても同様とすることができて、省エネルギーを実現することができる。
[スピーカユニットの保持例]
以上のことを考慮した、スピーカユニット10Lおよび10Rの保持の例としては、例えばマッサージチェアのような構造の椅子に、それぞれスピーカユニット10Lおよび10Rを設置する方法が考えられる。
図14は、その場合の一例であり、前述したリスナ40の両耳の近傍に配置されるべき2個のスピーカユニット10L,10Rが、椅子に装着された構造とされたものを示す図である。
すなわち、この例においては、例えば、椅子70は、飛行機のビジネスクラスのシートのような構造で、椅子70の背もたれ部71の頂部71aに、スピーカ保持具72が取り付けられ、このスピーカ保持具72に、スピーカユニット10L,10Rが取り付けられて保持される。
図15(A),(B)は、スピーカ保持具72の一例を示す図である。このスピーカ保持具72は、例えばアルミニュームなどの金属からなるパイプ721により構成されている。図15(B)に示すように、パイプ721は扁平のリング状に構成され、そのリングにより形成される空間に、スピーカユニット10L,10Rと、さらに補助用のスピーカユニット10Ls,10Rsとが固定保持される構造となっている。
補助用のスピーカユニット10Ls,10Rsは、リスナ40の耳の横に配置されているスピーカユニット10L,10Rのみでは、聴感状、低域の音がパワー不足と感じられる場合があるので、当該パワー不足を補充するためのもので、これら補助用のスピーカユニット10Ls,10Rsは必須のものではない。
なお、これらの補助用のスピーカユニット10Ls,10Rsには、この実施の形態では、低域音声信号(LFE信号)のみが供給されるようにされている。これらの補助用スピーカユニット10Ls,10Rsにも、スピーカユニット10L,10Rと同様にして、仮想音源処理した音声信号を供給するようにしてもよい。
パイプ721は、扁平なリング状形状に構成されており、かつ、そのリング状部分が、図15(A)に示すように、リスナ40の顔の正面方向を除く頭部の横(左右の耳と対向する側)と頭部の後部とを囲むように、ほぼコ字状に構成されている。
そして、このリング状パイプ721には、椅子70の背もたれ部71に取り付けるための取り付け脚部722a、722bが連結して設けられており、この取り付け脚部722a、722bにより、椅子70の背もたれ部71に、例えば取り外し可能に取り付けられることができるようにされている。すなわち、例えば椅子70の背もたれ部71の頂部71aには、取り付け脚部722a、722bが挿入嵌合する長孔(図示は省略)が設けられており、取り付け脚部722a、722bが、当該背もたれ部71の長孔に挿入嵌合されることにより、取り付け固定されるように構成されている。
そして、このコ字状のリング状パイプ721の、リスナ40が椅子に座ったときに、リスナ40の左右の耳と対向する位置に、それぞれスピーカユニット10L,10Rが、パイプ721に固定されて保持される。また、リスナ40の頭部の後方となるリング状パイプ位置に、補助用のスピーカユニット10Ls,10Rsが、パイプ721に固定されて保持される。
この例の場合、リスナ40が椅子70に座ったとき、スピーカユニット10L,10R,10Ls,10Rsと、リスナ40の頭部(特に耳)との距離は、この例では、20センチメートル程度となるように、構成されている。
そして、各スピーカユニット10L,10R,10Ls,10Rsへの対応するチャンネルの音声信号は、この例では、音声信号出力装置30から、それぞれ信号線(スピーカケーブル)を通じて供給されるように構成されている。
[実施形態の音響再生システムにおける音声信号出力装置30の構成例]
図16は、この実施形態の音響再生システムにおける音声信号出力装置30の構成例を示すブロック図である。この実施形態の音響再生システムにおける音声信号出力装置30は、音声信号処理部300と、図示のように、マイクロコンピュータからなる制御部100とを備える。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101に対して、システムバス102を通じて、ソフトウエアプログラムなどが格納されているROM(Read Only Memory)103、ワークエリア用のRAM(Random Access Memory)104、複数個の入出力ポート105〜108、ユーザ操作インターフェース部110、頭部リア伝達関数記憶部111などが接続されて構成されている。なお、ユーザ操作インターフェース部110は、音声信号出力装置30に対して直接的に設けられるキー操作部などの他、リモートコマンダとリモコン受信部とで構成されるものを含むものである。
前述したように、この実施形態では、音声信号出力装置30は、テレビ受像機50からの音声信号Au1と、DVDプレーヤ60からの音声信号Au2とを受信することが可能とされており、これら受信された音声信号Au1およびAu2は、入力選択用スイッチ回路301に供給される。
この入力選択用スイッチ回路301は、ユーザ操作インターフェース部110を通じたユーザの選択操作に応じて、制御部100の入出力ポート105を通じた切り替え信号により切り替えられる。すなわち、ユーザにより、テレビ受像機50からの音声が選択された場合には、スイッチ回路301は、音声信号Au1を選択するように切り替えられ、また、DVDプレーヤ60からの音声が選択された場合には、スイッチ回路301は、音声信号Au2を選択するように切り替えられる。
そして、このスイッチ回路301で選択された音声信号は、5.1チャンネルデコード部302に供給される。5.1チャンネルデコード部302では、スイッチ回路301からの音声信号Au1またはAu2を受けて、チャンネルデコード処理をして、フロント左右チャンネルの音声信号L,Rと、センターチャンネルの音声信号Cと、リア左右チャンネルの音声信号RL,RRと、低域音声信号LFEを出力する。
5.1チャンネルデコード部302からのフロント左チャンネルの音声信号Lと、センターチャンネルの音声信号Cとは、合成部303に供給されて合成され、その合成出力音声信号(L+C)が、アンプ305を通じて音声出力端子307に導出される。この出力端子307に得られる音声信号は、テレビ受像機50の一方のスピーカ51FLに供給される。
また、5.1チャンネルデコード部302からのフロント右チャンネルの音声信号Rと、センターチャンネルの音声信号Cとは、合成部304に供給されて合成され、その合成出力音声信号(R+C)が、アンプ306を通じて音声出力端子308に導出される。この出力端子308に得られる音声信号は、テレビ受像機50の他方のスピーカ51FRに供給される。
アンプ305および306は、音声信号出力を遮断するミューティング機能を備えており、制御部100の入出力ポート107を通じたミューティング信号によりミューティング制御されるように構成されている。
そして、この実施の形態では、テレビ受像機50からの音声信号Au1を受信するときには、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRからは、テレビ受像機50で再生された音声信号が音響再生されるので、アンプ305および306は、ミューティング制御されて、音声信号出力装置30からの音声信号が、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRに供給されないように遮断される。
一方、DVDプレーヤ60からの音声信号Au2を受信するときには、アンプ305および306は、ミューティング制御されず、音声信号出力装置30からの音声信号が、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRに供給される。
なお、アンプ305および306をミューティング制御する構成に代えて、5.1チャンネルデコード部302において、テレビ受像機50からの音声信号のデコード時には、フロント左右チャンネルの音声信号L、Rおよびセンターチャンネルの音声信号Cをデコード出力しないように構成しても良い。その場合には、そのための制御信号は、入出力ポート106を通じて供給するようにすれば良い。
次に、5.1チャンネルデコード部302でデコードされて得られたリア左右2チャンネルの音声信号RL,RRは、仮想音源処理部としてのリア伝達関数畳み込み回路310に供給される。
リア伝達関数畳み込み回路310は、例えばデジタルフィルタを用いて、予め、頭部リア伝達関数記憶部111に用意されている頭部リア伝達関数を、5.1チャンネルデコード部302からのリア左右2チャンネルの音声信号RLとRRに対して、畳み込むようにする。
このため、リア伝達関数畳み込み回路310では、その入力音声信号がデジタル信号ではないときにはデジタル信号に変換され、頭部リア伝達関数が畳み込まれた後、アナログ信号に戻されて出力される。
頭部リア伝達関数は、この例では、次のようにして測定されて求められ、頭部リア伝達関数記憶部111に格納される。図17は、頭部リア伝達関数の測定方法を説明するための図である。
すなわち、図17に示すように、リスナ40の左右両耳の近傍に、左チャンネル測定用マイクロホンMCLおよび右チャンネル測定用マイクロホンMCRを設置する。次に、リスナ40の後方の、通常、リア左チャンネル用スピーカを配置するような場所に、当該リア左チャンネル用スピーカ51RLを配置する。そして、このリア左チャンネル用スピーカ51RLで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホンMCL,MCRで収音し、その収音した音声信号から、リアスピーカ51RLからの左右の耳までの伝達関数(リア左チャンネルについての頭部リア伝達関数)を測定する。
同様にして、リア右チャンネル用スピーカ11RRで、例えばインパルスを音響再生したときの放音音声を、それぞれのマイクロホンMCL,MCRで収音し、その収音した音声信号から、リアスピーカ51RRからの左右の耳までの伝達関数(リア右チャンネルについての頭部リア伝達関数)を測定する。
なお、頭部リア伝達関数は、リアスピーカ51RLおよび51RRを、例えば、リスナ40の後方中央から左右に30度で、2mの位置にスピーカを置いたときに、各スピーカ51RLおよび51RRから耳までの伝達関数を測定し、得た伝達関数とすると良い。
伝達関数について更に補足する。例えば図17の左後方から左耳に来る伝達関数を伝達関数Aとする。次に耳の近傍にあるスピーカユニット10LからマイクMCLまでの伝達関数を測定し得た伝達関数を伝達関数Bとする。そして、伝達関数Bに、ある伝達関数Xを掛けると伝達関数Aになる様な伝達関数Xを求め、近傍のスピーカユニット10Lに送り込まれる信号音に、求めた伝達関数Xを畳み込めば、そのときにスピーカユニット10Lから放音される音は、あたかも左後方2mから来たように感じる訳である。
ただし、必ずしも伝達関数Xを求めればよい訳ではなく、場合により伝達関数Aだけでもよいこともある。なお、以上の説明は、伝達関数の1つを代表して記述したが、図17にも示されるように、伝達関数は、実際には複数あることは言うまでもない。
以上のようにして測定された頭部リア伝達関数が頭部リア伝達関数記憶部111に記憶され、リア伝達関数畳み込み回路310に、入出力ポート108を通じて供給されて、リア伝達関数畳み込み回路310において畳み込まれる。これにより、このリア伝達関数畳み込み回路310からの音声信号RL*およびRR*を、両耳近傍に配置したスピーカユニット10Lおよび10Rに供給して音響再生したときには、リスナ40は、あたかも、後方の左右のリアスピーカ51RLおよび51RRから音声が放音されたように、再生音声を聴取する。
このときの仮想音源処理されたリア左右チャンネルの音声信号RL*およびRR*のレベルは、スピーカ51RLおよび51RRに供給する場合の信号レベルよりも、低いレベルでよい。スピーカユニット10Lおよび10Rは、リスナ40の耳の近傍にあるからである。
この明細書では、上述の頭部伝達関数畳み込みにより、仮想的なスピーカ位置から音声が放音されるように聴取されることから、以上の処理を仮想音源処理と呼ぶものである。
以上のようにして、リア伝達関数畳み込み回路310からの仮想音源処理がなされた音声信号RL*およびRR*は、合成部311および312に供給される。合成部311および312には、5.1チャンネルデコード部302からの低域音声信号LFEが供給される。そして、この合成部311および312の出力音声信号が、アンプ313および314を通じて、音声出力端子315および316に導出される。
これら音声出力端子315および316は、リスナ40の耳の近傍に配置されているスピーカユニット10Lおよび10Rのスピーカユニット端子4aおよび4cに接続されている。したがって、スピーカユニット10Lおよび10Rでは、低域音声信号LFEが音響再生されると共に、仮想音源処理されたリア左右チャンネルの音声信号RL*およびRR*が、共振回路5により、平坦な周波数特性に補正されて音響再生される。
この場合に、テレビ受像機50からの音声信号Au1を5.1チャンネルデコード部302でデコードして、上述のような音響再生をする場合、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRからの放音音声には、リア左右チャンネルの音声が含まれていることを考慮する必要がある。
すなわち、リスナ40の両耳の近傍に配置されているスピーカユニット10Lおよび10Rから放音されるリア左右チャンネルの音声が、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRからの放音音声に含まれるリア左右チャンネルの音声により、音源定位が狂ってしまうのではないかという問題である。
しかしながら、この実施の形態においては、スピーカユニット10Lおよび10Rは、リスナ40の耳の近傍に設けられているため、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRの位置よりも十分にリスナ40に近く、このため、スピーカユニット10Lおよび10Rからの放音音声の方が、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRからの放音音声よりも、はるかに早くリスナ40に到達する。
したがって、ハース(Haas)効果によって、リスナ40は、リア音声としては、スピーカユニット10Lおよび10Rからの放音音声のみを聴取する状態となり、テレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRに供給する音声信号から、リア左右チャンネルの音声信号を予め除去するなどの処理は不要である。
なお、補助用のスピーカユニット10Lsおよび10Rsに供給する音声信号系については、図16では、省略したが、前述もしたように、これらの補助用のスピーカユニット10Lsおよび10Rsには、低域音声信号LFEのみを供給するようにしてもよいし、また、仮想音源処理されたリア左右チャンネルの音声信号RLおよびRRを、低域音声信号LFEに加えて供給するようにしてもよい。
以上のようにして、図14に示した椅子70にマルチチャンネル用スピーカを取り付けた、実施形態の音響再生システムによれば、椅子70に座ったリスナ40は、チャンネル数よりも数のスピーカを用いて、大音量で、臨場感のあるマルチチャンネル音声を楽しむことができると共に、周囲への音の漏れを大幅に減少させることができる。
特に、この実施形態では、スピーカユニット10Lおよび10Rをボックスに収納せずにリスナ4の耳の近傍に配置するようにしたことにより、重低音が隣接した部屋に漏れるのを大幅に減衰させることができる。また、前述したように、サブウーハ用のチャンネル(LFEチャンネル)以外のリア左右チャンネルの音声も、このスピーカユニット10Lおよび10Rにより仮想音源処理して放音するようにしたので、その音声信号レベルを低くすることができるようにしたことにより、低音のみでなく、周囲への音の漏れのレベルをさらに低くすることができる。このため、例えば深夜のDVD鑑賞でも他者を気にせずに、十分な音量で楽しむことができる。
また、スピーカユニット10Lおよび10Rは、リスナの耳の近傍に配置したので、音声信号出力パワーは極端な場合、従来の場合の1/100程度にすることができ、省エネルギー化ができ、また、ハードウエア(出力アンプ)のコストを大幅に引き下げることができる。さらに、音声出力パワーは、小さなパワーで済むことで、スピーカユニット本体1は大きなストロークを必要としない、薄く、軽い、安価なスピーカユニットを用いることができるという利点もある。また、音声出力パワーが小さくなることにより、発熱が減り、電源などの装置の小型化も出来るため、電池駆動も可能で、椅子等のデザインの中に埋め込むことが出来る。
したがって、トータルで音響再生システムの省エネルギー化が実現でき、かつ、鑑賞する人の満足度を落とさず、周りへの騒音も減らす音響再生システムを提供できるメリットがある。
通常の防音窓においても、5kHzで45dB減衰できる性能があっても、1kHzでは36dB、100Hzでは20dBまで落ちてくる。まして、50Hz以下では、さらに減衰量は少なくなるため、この実施形態によるサブウーハの防音効果は著しく、部屋の防音工事までして、映像音響再生を楽しむことを考えると、その節約できる費用効果は非常に大きなものがある。
なお、上述の実施形態の音響再生システムの説明では、DVDプレーヤ60の再生時には、音声信号Au2は、音声信号出力装置30を介してテレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRに供給するようにしたが、DVDプレーヤ60からの音声信号Au2をテレビ受像機50に供給するようにして、デジタル放送番組の受信時と同様に、スピーカ51FLおよび51FRからは、5.1チャンネルの音声が混合された音声が放音されるようにしても良い。その場合には、音声信号出力装置30からテレビ受像機50のスピーカ51FLおよび51FRに供給される音声信号系路は、不要となる。
なお、音声信号出力装置30は、椅子70の座面の下などの所定の位置に設けるようにすることができる。その場合に、音声信号出力装置30は、マルチチャンネル音声信号の供給源、テレビ受像機50やDVDプレーヤ60からの音声信号Au2を、信号ケーブルを通じて受け取るように構成することもできるが、それでは、テレビ受像機50やDVDプレーヤ60と椅子との間を信号ケーブルで接続しておく必要がある。そこで、DVDプレーヤ60などに、電波や光を用いて、無線でマルチチャンネルの音声信号を送出する手段を設けると共に、音声信号出力装置30に、当該無線送信されてくるマルチチャンネルの音声信号を受信する受信部を設けることで、DVDプレーヤ60などと、椅子70との間の信号ケーブルを不要とすることができる。
このように、DVDプレーヤなどのマルチチャンネル音声信号の供給源からの音声信号出力を、電波や光で伝送するようにした場合には、DVDプレーヤなどと音響再生システムとの間はコードレスとなり、例えば音響再生システムを装備した椅子70は、自由に移動ができるという利点がある。
なお、上述の実施形態では、リスナ40の両耳の近傍に配置するスピーカユニット10L,10Rは、リスナ40の耳に対向する位置に設けたので、リスナ40に到達する低域の音としては高効率となる。しかし、このスピーカユニットの配置位置は、このような位置に限定されるものではなく、例えば、図に示すように、リスナ40の頭部を中心とした、例えば半径が(dsw+リスナ40の頭部の半径)の球面上の位置41であれば、いずれの位置であっても良い。ただし、このスピーカの配置位置としては、リスナ40の顔面よりもリスナ正面側の空間は好ましくなく、図18に示すように、リスナ40の顔面よりも後方側の区間内であることが望ましい。
また、上述の音響再生システムの実施形態では、リア左右2チャンネルの音声信号を仮想音源処理して、リスナ40の両耳の近傍に配置した裸のスピーカユニット10Lおよび10Rに供給するようにしたが、フロント左右2チャンネルの音声信号を、上述と同様にして仮想音源処理して、リスナ40の両耳の近傍に配置した裸のスピーカユニット10Lおよび10Rに供給するようにしても良い。
その場合に、センターチャンネルの音声信号は、上述の実施形態のように、フロント左右2チャンネルの音声信号に加算しておくようにすれば良い。また、リア左右2チャンネルの音声信号は、実スピーカとして、スピーカボックスにスピーカユニットを収容したものを用いるようにしても良いし、リア左右2チャンネルの音声信号を仮想音源処理して、リスナ40の両耳の近傍に配置した裸のスピーカユニット10Lおよび10Rに供給するようにしてもよい。
なお、裸のスピーカユニットの保持例としては、上述した椅子に保持する形態に限られず、例えば、床などに載置するスタンドにより保持する形態や、天井から吊るす形態であっても良い。裸のスピーカユニットの場合には、スピーカボックスが不要な分、小型軽量であるので、種々の保持形態が採用できる。
そして、裸のスピーカユニットを、耳の近傍にリスナとは非接触の状態で配置するものであるので、ヘッドホンのような頭部に装着するものとは異なり、体への圧迫感の無い音を楽しめる。また、非接触であるので衛生的であり、不特定多数のユーザで使うこともできる。
[スピーカユニットの第2の実施形態]
上述の第1の実施形態のスピーカユニット10は、対のスピーカユニット端子を、端子4a、4bとする場合と、端子4a,4cとする場合の2通りを備える構成として、いずれの対のスピーカユニット端子を用いるかにより、周波数特性補正回路としての共振回路5を、入力音声信号に対して挿入するか否かを制御するようにした。
これに対して、第2の実施形態のスピーカユニット10Aにおいては、スピーカユニット端子は一対のみの構成とする。そして、切換スイッチを設けて、この切換スイッチにより、周波数特性補正回路としての共振回路5を、入力音声信号に対して挿入するか否かを切換選択制御するようにする。
図19に、この第2の実施形態のスピーカユニット10Aの構成例を示す。この図19の例において、上述した第1の実施形態のスピーカユニット10と同一部分には、同一番号を付してある。
この第2の実施形態においても、スピーカユニット10Aは、前述の第1の実施形態のスピーカユニット10のスピーカユニット本体1を備える。すなわち、スピーカユニット本体1は、ボイスコイル3を備え、このボイスコイル3に供給される音声信号に応じて振動板2が振動して音波を放射するものである。
そして、この第2の実施形態では、スピーカユニット端子は、端子4aと、端子4bとの一対のみとする。そして、一方のスピーカユニット端子4aは、ボイスコイル3の一端3aに接続される。
また、他方のスピーカユニット端子4bとボイスコイル3の他端3bとの間には、切換スイッチ81が設けられる。そして、この切換スイッチ81の一方の接点81Bは、ボイスコイル3の他端3aに接続され、切換スイッチ81の他方の接点81Nは、周波数特性補正回路としての共振回路5を介してボイスコイル3の他端3bに接続される。共振回路5は、第1の実施形態で説明したように、コイル51と、コンデンサ52と、抵抗53との並列共振回路の構成とされており、コイル51は、移動可能なコア51cの位置を調整することにより、インダクタンス値を可変とされている。
この第2の実施形態のスピーカユニット10Aを、スピーカボックスに収容して使用する場合には、ユーザは、切換スイッチ81を一方の接点81B側に切り換える。すると、他方のスピーカユニット端子4bは、ボイスコイル3の他端に直接に接続される状態になり、スピーカユニット端子4a,4b間に供給される音声信号は、ボイスコイル3に直接に供給される。
前述の第1の実施形態で説明したように、スピーカユニット本体1は、スピーカボックスに収容されて使用される状態では、周波数特性が平坦になるように設計されているので、スピーカユニット10Aをバッフル板に取り付けて、スピーカボックスに収容したときに、切換スイッチ81を接点81Bに切り換えるようにすれば、その周波数特性は、平坦になり、良好な再生音響出力が得られる。
また、第2の実施形態のスピーカユニット10Aを、裸のスピーカユニットとして使用する場合には、ユーザは、切換スイッチ81を他方の接点81N側に切り換える。すると、他方のスピーカユニット端子4bは、共振回路5を介してボイスコイル3の他端3bに接続される状態になり、スピーカユニット端子4a,4b間に供給される音声信号は、共振回路5を通じて周波数特性が補正されてボイスコイル3に供給される。
したがって、このように、スピーカユニット10Aを、裸のスピーカユニットとして使用し、かつ、切換スイッチ81を他方の接点81N側に切り換えるようにすることにより、その周波数特性は、平坦になり、このときにも、良好な再生音響出力が得られる。
[スピーカユニットの第2の実施形態の変形例]
図19は、1対のスピーカユニット端子4a、4bと、ボイスコイル3との間に、並列共振回路を挿入するか否かを切換スイッチ81により切換選択するように構成した場合であるが、スイッチにより、共振回路を、1対のスピーカユニット端子4a、4bと、ボイスコイル3との間に挿入するか否かを切り換える構成としては、図19の例に限られない。
図20に示す例のスピーカユニット10Bは、1対のスピーカユニット端子4a、4bと、ボイスコイル3との間に直列共振回路9を挿入するか否かを、スイッチ82により切換選択することができるように構成したものである。
すなわち、この変形例においては、スピーカユニット本体1のボイスコイル3の一端3aおよび他端3bは、対のスピーカユニット端子4aおよび4bに、それぞれ直接的に接続される。そして、対のスピーカユニット端子4aおよび4bの間に、開閉スイッチ82と、共振回路9とが、直列に接続される。
共振回路9は、インダクタンス素子としてのコイル91と、容量素子としてのコンデンサ92と、抵抗93との直列回路により構成されている。この共振回路9においても、コイル91は、位置を移動できるコア91cを有し、このコア91cのコイル91における位置を調整することで、コイル91のインダクタンス値が可変できるように構成されている。
この共振回路5の共振周波数は、裸のスピーカユニットとして用いられたスピーカユニット本体1において、出力音圧のピークが生じる周波数範囲内の所定周波数となるように構成されている。そして、コイル91のコア91cの位置が調整されて、共振周波数が出力音圧のピークが生じる周波数に合致するように微調整される。この微調整により、スピーカユニット個々でばらつく出力音圧のピークの周波数に合わせることできるようにされている。
そして、この共振回路5による周波数特性補正により、スピーカユニット本体1が裸のスピーカユニットの状態で使用されたときの周波数特性が、周波数に関わらず、ほぼ平坦となるようにされる。
この図20に示した変形例のスピーカユニット10Bにおいては、当該スピーカユニット10Bをスピーカボックスに収容して使用するときには、開閉スイッチ82は、オフ(開)とされ、対のスピーカユニット端子4a,4b間に供給される音声信号は、直接的にスピーカユニット本体1のボイスコイル3に供給される。
また、当該スピーカユニット10Bを、裸のスピーカユニットとして使用するときには、開閉スイッチ82は、オン(閉)とされ、対のスピーカユニット端子4a,4b間に供給される音声信号は、共振回路9を通じて周波数特性が補正されて、スピーカユニット本体1のボイスコイル3に供給される。
したがって、この変形例のスピーカユニット10Bの場合においても、上述した第2の実施形態と同様にして、スピーカボックスに収容した状態と、裸のスピーカユニットとして使用する状態とで、開閉スイッチ82のオン・オフにより、常に周波数特性が平坦となる状態とすることができる。
なお、前述の第2の実施形態のスピーカユニット10Aおよびこの第2の実施形態の変形例のスピーカユニット10Bも、上述した音響再生システムで用いる裸のスピーカユニット10Lおよび10Rとして用いることができることは言うまでもない。
[その他の実施形態および変形例]
上述の実施形態では、共振回路5や共振回路9は、1個としたが、スピーカユニットの裸の周波数特性において、出力音圧がピークとなる複数の周波数のそれぞれに対応して、それぞれのピークの周波数を共振周波数とする複数の共振回路を設けるようにしても良い。その場合に、第1の実施形態および第2の実施形態の共振回路5に対しては、それらの複数の共振回路(並列共振回路)を、並列または直列に設けるようにする。また、第2の実施形態の変形例の共振回路9(直列共振回路)に対しても、それらの複数の共振回路(並列共振回路)を、並列または直列に設けるようにする。
スピーカユニットの振動板は、上述したように、円形でも良いし、楕円でも良い。そして、円形のスピーカユニットの大きさは、上述の説明では、20cmとしたが、これに限られるものではなく、例えば10cm〜40cmの口径のものであってもよい。また、振動板が楕円のスピーカユニットの大きさも、上述の一例であり、前記円形の口径のサイズ例に対応する大きさであってもよい。
また、この発明のスピーカユニットの裸のスピーカユニットとしての使用例は、上述の音響再生システムにのみ限定されるのではなく、種々の使用例が可能である。また、モノーラル再生の場合であれば、上述の音響再生システムにおける場合のような2個の裸のスピーカユニットは、必要ではなく、1個の裸のスピーカユニットを用いる使用例も可能である。
また、上述の実施形態は、スピーカユニット本体が、ボイスコイルを用いて振動板を駆動するタイプのものとしたが、スピーカユニット本体の振動板を駆動する方式は、これに限られるものではなく、例えば圧電式や、静電誘導式のものであっても良いことは言うまでもない。
この発明によるスピーカユニットの第1の実施形態の構成例を説明するための図である。 第1の実施形態のスピーカユニットの使用態様の一例を説明するための図である。 第1の実施形態のスピーカユニットの使用態様の他の例を説明するための図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態をスピーカボックスに収容した状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態を裸のスピーカユニットとして使用した状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態をスピーカボックスに収容した状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態を裸のスピーカユニットとして使用した状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態をスピーカボックスに収容した状態と、裸のスピーカユニットとして使用した状態に周波数特性を比較して示すための図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態をスピーカボックスに収容した状態と、裸のスピーカユニットとして使用した状態に周波数特性を比較して示すための図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態を裸のスピーカユニットとして使用し、かつ、周波数特性補正を行わない状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態を裸のスピーカユニットとして使用し、かつ、周波数特性補正を行った状態における周波数特性を示す図である。 この発明によるスピーカユニットの実施形態を用いた音響再生システムの実施形態の概要を示す図である。 図12の音響再生システムにおけるスピーカおよびスピーカユニットの配置例を説明するための図である。 図12の音響再生システムにおけるスピーカユニットの保持例を説明するための図である。 図12の音響再生システムにおけるスピーカユニットの保持例を説明するための図である。 図12の音響再生システムにおける音声信号出力装置30の構成例を示すブロック図である。 図12の音響再生システムにおける仮想音源処理を説明するために用いる図である。 裸のスピーカユニットの配置例を説明するための図である。 この発明によるスピーカユニットの第2の実施形態の構成例を説明するための図である。 この発明によるスピーカユニットの第2の実施形態の変形例を説明するための図である。 裸のスピーカユニットによる周波数特性の測定方法を説明するための図である。 裸のスピーカユニットの振動板からの距離の変化に応じた周波数特性の変化を示す図である。
符号の説明
1…スピーカユニット本体、2…振動板、3…ボイスコイル、4a,4b,4c,4d…スピーカユニット端子、5、9…共振回路、81…切換スイッチ、82…開閉スイッチ

Claims (9)

  1. スピーカユニット本体と、
    周波数特性補正回路と、
    入力音声信号が前記スピーカユニット本体の対の音声入力端にそのまま供給されるように前記スピーカユニット本体の前記対の音声入力端に接続されている第1および第2のスピーカユニット端子と、
    前記入力音声信号が、前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体の前記対の音声入力端に供給されるように前記周波数特性補正回路および前記スピーカユニット本体に対して接続されている第3および第4のスピーカユニット端子と、
    を備え、
    前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられてスピーカボックス内に収納された状態で、前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給される態様での使用において、リスナの再生音聴取位置では、平坦な周波数特性となるようにされていると共に、
    前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置された状態で、前記第3および第4のスピーカユニット端子の間に音声信号が供給される態様では、リスナの再生音聴取位置で、前記周波数特定補正回路により平坦な周波数特性となるようにされている
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  2. 請求項1に記載のスピーカユニットにおいて、
    前記第3および第4のスピーカユニット端子の一方は、前記第1および第2のスピーカユニット端子の一方と兼用されて、3個のスピーカユニット端子の構成とされてなる
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  3. スピーカユニット本体と、
    第1のスピーカユニット端子と、
    第2のスピーカユニット端子と、
    周波数特性補正回路と、
    前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に供給される入力音声信号が前記スピーカユニット本体の対の音声信号入力端にそのまま供給される接続状態と、前記入力音声信号が前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体の前記対の音声信号入力端に供給される接続状態とを切り換える切換回路と、
    を備え、
    前記切換回路が、前記第1および第2のスピーカユニット端子の間に供給される入力音声信号が前記スピーカユニット本体にそのまま供給される接続状態に切り換えられるときには、前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられてスピーカボックス内に収納された状態におけるリスナの再生音聴取位置で平坦な周波数特性となるようにされていると共に、
    前記切換回路が、前記入力音声信号が前記周波数特性補正回路により周波数特性補正されて前記スピーカユニット本体に供給される接続状態に切り換えられるときには、前記スピーカユニット本体がバッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置された状態におけるリスナの再生音聴取位置で平坦な周波数特性となるようにされている
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  4. 請求項1または請求項3に記載のスピーカユニットにおいて、
    前記周波数特性補正回路は、インダクタンス素子と容量素子と抵抗とからなる共振回路で構成されている
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  5. 請求項4に記載のスピーカユニットにおいて、
    前記インダクタンス素子は、物理的に移動することによりインダクタンス値を可変できる磁性体コアを備える
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  6. 請求項4に記載のスピーカユニットにおいて、
    前記周波数特性補正回路は、前記共振回路を複数個備える
    ことを特徴とするスピーカユニット。
  7. スピーカユニットと、
    前記スピーカユニットの振動板の前後から出る音が加算可能なように、前記スピーカユニットを、バッフル板に取り付けることなく、リスナの耳の近傍に配置するようにする保持する保持手段と、
    前記スピーカユニットに入力音声信号を供給する音声信号出力手段と、
    を備える音響再生システムにおいて、
    前記スピーカユニットは、バッフル板に取り付けられることなく、リスナの耳の近傍に配置されたときに、前記リスナの再生音聴取位置で平坦な周波数特性となるようにされている周波数特定補正回路を備える
    ことを特徴とする音響再生システム。
  8. 請求項7に記載の音響再生システムにおいて、
    前記スピーカユニットの前記周波数特性補正回路は、インダクタンス素子と容量素子と抵抗とからなる共振回路で構成されている
    ことを特徴とする音響再生システム。
  9. 請求項7に記載の音響再生システムにおいて、
    前記音声信号出力手段は、
    前記スピーカユニットで音響再生したときに、リスナが他のスピーカ装置から音声が放音されたように聴取するように入力音声信号を仮想音源処理して、前記スピーカユニットに供給する
    ことを特徴とする音響再生システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020178196A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 横田 哲平 ウエアラブル音響装置

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