JP2003032782A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JP2003032782A
JP2003032782A JP2001217006A JP2001217006A JP2003032782A JP 2003032782 A JP2003032782 A JP 2003032782A JP 2001217006 A JP2001217006 A JP 2001217006A JP 2001217006 A JP2001217006 A JP 2001217006A JP 2003032782 A JP2003032782 A JP 2003032782A
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electroacoustic transducer
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signal
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JP2001217006A
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Daisuke Arai
大輔 新井
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外耳近傍型ヘッドホンによる音響再生におい
て生じる低音域の音圧不足を補正し、音質や音場感の両
面において改善できる音響再生方式を提供する。 【解決手段】 外耳近傍型ヘッドホン3は音響再生装置
に遅延時間調整手段41等を介して接続されている。ウ
ーファ42は音響再生装置に周波数調整手段44等を介
して接続されている。遅延時間調整手段41は、外耳近
傍型ヘッドホン3からの音波よりウーファ42からの音
波の到達が遅れることを前提として、両音波の到達が同
時になるように、外耳近傍型ヘッドホン3への入力信号
に遅延をかける手段である。周波数調整手段44は、外
耳近傍型ヘッドホン3からの音波のうち音圧レベルの不
足する低音域に合わせてウーファ42からの音波の周波
数を調整する手段である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、聴取者の外耳殻
から一定の間隔を保って配置される外耳近傍型のヘッド
ホンで代表される電気音響変換器を利用した音響再生装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘッドホン等の電気音響変換器は、例え
ばCD(コンパクトディスク)プレーヤーやMD(ミニ
ディスク)プレーヤー等のデジタル音響再生装置または
レコードプレーヤー等のアナログ音響再生装置からの電
気信号を音響信号に変換することで音響を再生するもの
である。このような電気音響変換器としては、従来、聴
取者の外耳に密着させて使用する耳密着型のヘッドホン
や、聴取者の外耳殻から離して使用する外耳近傍型のヘ
ッドホン等が種々提案されている。
【0003】図19は耳密着型ヘッドホンを装着した聴
取者を上方から見た平面図である。図において1は両耳
に密着し、小口径のスピーカ(図示せず)を内部に配設
した一対の放声部1aとこれらを例えば聴取者2の頭部
上で連結するアーチ状の連結部(図示せず)を含む耳密
着型ヘッドホンである。このような耳密着型ヘッドホン
1を利用することで、聴取者2は、低音域から高音域ま
での広い音域を聴取することが可能である。しかし、耳
密着型ヘッドホン1では、耳に直接装着する構造である
ため、聴取者2が煩わしさや圧迫感を感じることがある
との指摘がある。
【0004】これに対し、外耳近傍型ヘッドホンは、耳
に直接装着しない構造であるため、煩わしさや圧迫感を
感じることもなく、周囲の音を遮らないという特長を有
している。図20(a)は外耳近傍型ヘッドホンを使用
している聴取者を上方から見た平面図であり、図20
(b)は図20(a)における矢印A方向から見た概略
斜視図である。図において3は聴取者2の外耳2aから
離間した位置に配置され、小口径のスピーカ3aを内蔵
した左右一対の放声部3bとこれらを例えば聴取者2の
頭部上で連結するアーチ状の連結部3cを含む外耳近傍
型ヘッドホンである。
【0005】ところが、外耳近傍型ヘッドホン3では、
小口径のスピーカ3aを耳に密着させずに使用するた
め、聴取者に対して低音域の音が伝わりににくく、主と
して500Hz以下の低音域の音圧が中高音域の音圧に
比べて著しく不足し、十分な低音感が得られにくい。例
えば、外耳近傍型ヘッドホンにおける口径23mmのス
ピーカの軸上でかつ当該スピーカから2cm離れた位置
で音圧を測定したところ、最も音圧レベルの高い5kH
zに対して、500Hzでは−23dB、200Hzで
は−27dB、100Hzでは−34dBものレベル低
下が生じており、更に低い周波数帯域では音圧のレベル
低下が一層大きくなっていた。図21は外耳近傍型ヘッ
ドホンを使用した場合における低音域の音圧レベルの低
下を示すグラフ図である。図における破線Bは聴取者に
本来伝わるべき低音域の音圧レベルを示しており、外耳
近傍型ヘッドホン3を使用すると、実線Cに示すように
低音域ほど音圧レベルが下がってしまう。このように低
音感が得られなくなると、音質的な劣化が生じる他、音
の距離感や方向感といった音場感も劣化してしまう。
【0006】このような音質や音場感の劣化を解消する
ためには、外耳近傍型ヘッドホン3のスピーカ3aに入
力される低域信号をブーストして不足する帯域を補い音
圧特性を平坦にする補正法が知られている。図22は低
音域の音圧レベルの低下をブーストにより補正する様子
を示すグラフ図である。図において実線Dはブーストさ
れた低音域の音圧レベルを示している。
【0007】ここで、低下した低音域の音圧レベルを上
げて可聴帯域全体で平坦な特性となるように補正するた
めには、低音域で音圧レベルが低下した分だけの入力信
号レベルのブーストが必要となる。前述した直径23m
mのスピーカの場合、100Hzでは34dB、更に低
い周波数帯域ではそれ以上のブーストをしなくてはなら
ない。
【0008】一般的なヘッドホンに使用される直径20
mm〜30mmの小口径スピーカの許容入力は定格0.
1W程度が標準的であり、高いものでも1W程度であ
る。定格0.1Wのスピーカで入力信号の低減を30d
Bブーストするということは、凡そ100W近い入力信
号がスピーカに入ることになる。この場合、スピーカの
許容入力を超え、スピーカに大きな歪が生じ、最悪の場
合、スピーカユニットが破壊されてしまう。このため、
外耳近傍型ヘッドホンを使用する場合において、低音域
の音圧レベルを上げて再生音圧周波数特性を平坦にする
ための手法として上述のブーストを用いることには現実
的に無理がある。
【0009】ここで、外耳近傍型ヘッドホンによる音響
再生の利点と欠点について、据置型スピーカによる音響
再生と比較して考察する。図23は一般的な据置型スピ
ーカを用いたマルチチャンネル(5.1ch)再生装置
におけるスピーカの配置例を示す平面図である。図にお
いて4は一般的な部屋である。この部屋4内には、聴取
者2を取り囲むように6つの据置型スピーカFL,C,
FR,RR,RLおよびSWが配置されている。しか
し、このような聴取方法では、各スピーカからの音響信
号を最もバランスよく聴取できるエリアX1が極めて狭
く、聴取者2がその聴取エリアX1から他の聴取エリア
X2へ移動または位置ずれすると、各スピーカからの音
波の到達時間や音圧レベルが変化してしまう。特に、波
長の短い高音域においては、聴取位置の僅かなずれでも
位相の回転が大きく生じるため、波長の長い低音域に比
べて問題が大きい。従って、聴取位置のずれが生じても
サラウンド音場感(音場効果)が損なわれないようにす
るには、特に高音域成分の変化が少なくなるような工夫
が必要である。この点、上述の据置型スピーカに代えて
外耳近傍型ヘッドホン3を使用した場合には、当該ヘッ
ドホンの小口径スピーカと聴取者2の外耳との距離が常
に一定しているため、聴取者2の頭部が移動しても高音
域成分が変化することがなく、聴取位置の変化による音
場効果の低下という不都合が生じないという利点があ
る。
【0010】図24はマルチチャンネル再生装置に対応
させた外耳近傍型ヘッドホンを装着した聴取者を上方か
ら見た平面図である。この外耳近傍型ヘッドホン3に
は、左右一対の放声部3bの両側に、サラウンド感を高
めるために左右一対の前側放声部3dおよび後側放声部
3eが設けられている。しかし、このようにマルチチャ
ンネル再生装置に対応させた外耳近傍型ヘッドホン3で
も、上述したように低音域の音圧が不足する欠点を有し
ていることには変わりない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
音響再生装置では、外耳近傍型ヘッドホン3が上述のよ
うに構成されているので、本質的に低音域の音圧レベル
が不足してしまい、聴取者にとって満足のゆく音質や音
場感が得られないという課題があった。
【0012】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、外耳近傍型ヘッドホンによる音響
再生において生じる低音域の音圧不足を補正し、音質や
音場感の両面において改善できる音響再生装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る音響再生
装置は、聴取者の両外耳殻の近傍にそれぞれ配置された
第1の電気音響変換器と、前記聴取者から離れた位置に
配置されかつ前記第1の電気音響変換器により再生され
る音に低音域の音を補う第2の電気音響変換器と、該第
2の電気音響変換器への入力信号を処理する信号処理手
段とを備えたことを特徴とするものである。
【0014】この発明に係る音響再生装置は、信号処理
手段を、第2の電気音響変換器により再生される音の周
波数を調整する周波数調整手段としたことを特徴とする
ものである。
【0015】この発明に係る音響再生装置は、第2の電
気音響変換器により再生される音の聴取者への到達時に
合わせて第1の電気音響変換器への信号の入力を遅延す
る遅延時間調整手段をさらに備えたことを特徴とするも
のである。
【0016】この発明に係る音響再生装置は、第2の電
気音響変換器に、聴取者から同一の方向に配置された第
1の電気音響変換器への入力信号と同一の信号を加える
ことを特徴とするものである。
【0017】この発明に係る音響再生装置は、第1の電
気音響変換器の総数より少ない数の第2の電気音響変換
器を備え、かつ前記第1の電気音響変換器に加えられる
信号から複数の信号を選択し、該選択された信号を混合
して生成した信号を前記第2の電気音響変換器に加える
信号混合手段をさらに備えたことを特徴とするものであ
る。
【0018】この発明に係る音響再生装置は、信号混合
手段を、前方向成分をもつ信号同士、後方向成分をもつ
信号同士、左方向成分をもつ信号同士または右方向成分
をもつ信号同士を選択し、該選択された複数の信号を混
合して生成した信号を第2の電気音響変換器に加える手
段としたことを特徴とするものである。
【0019】この発明に係る音響再生装置は、第1の電
気音響変換器の近傍に該第1の電気音響変換器に付属す
る第3の電気音響変換器をさらに備えたことを特徴とす
るものである。
【0020】この発明に係る音響再生装置は、第2の電
気音響変換器に、聴取者から同一の方向に配置された第
1の電気音響変換器または第3の電気音響変換器への入
力信号と同一の信号に加えることを特徴とするものであ
る。
【0021】この発明に係る音響再生装置は、第1の電
気音響変換器および第3の電気音響変換器の総数より少
ない数の第2の電気音響変換器を備え、かつ前記第1の
電気音響変換器または前記第3の電気音響変換器に加え
られる信号から複数の信号を選択し、該選択された信号
を混合して生成した信号を前記第2の電気音響変換器に
加える信号混合手段をさらに備えたことを特徴とするも
のである。
【0022】この発明に係る音響再生装置は、信号混合
手段を、前方向成分をもつ信号同士、後方向成分をもつ
信号同士、左方向成分をもつ信号同士または右方向成分
をもつ信号同士を選択し、該選択された複数の信号を混
合して生成した信号を第2の電気音響変換器に加える手
段としたことを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による音
響再生装置の構成を示す模式図であり、図2は図1に示
した音響再生装置における遅延時間調整手段による入力
信号の遅延を示すグラフ図であり、図3は図1に示した
音響再生装置における周波数調整手段による周波数の調
整を示すグラフ図であり、図4(a)は図3に示した周
波数調整手段による周波数の調整前の外耳近傍型ヘッド
ホンの再生帯域を示すグラフ図であり、図4(b)は図
1に示した音響再生装置におけるウーファの再生帯域を
示すグラフ図であり、図4(c)は周波数調整手段によ
る周波数の調整後のウーファの再生帯域を示すグラフ図
であり、図4(d)は図1に示した音響再生装置による
平坦な再生音圧周波数特性を示すグラフ図である。な
お、この実施の形態1の構成要素のうち、図19から図
24に示した従来の音響再生装置の構成要素と共通する
ものについては同一符号を付し、その部分の説明を省略
する。
【0024】図1に示すように、聴取者2の両外耳2a
の近傍にはそれぞれ外耳近傍型ヘッドホン3が一定の間
隔を保って配設されている。これら外耳近傍型ヘッドホ
ン3はMDプレーヤー等の音響再生装置(図示せず)に
対してヘッドホン用増幅器及び音量調整器40と遅延時
間調整手段41を介して個別に接続されている。また、
聴取者2の後方には左右対称となる位置に第2の電気音
響変換器としての一対のウーファ(低音再生用電気音響
変換器)42が配設されている。これらウーファ42は
上述の音響再生装置(図示せず)に対してウーファ用増
幅器および音量調整器43と周波数調整手段(信号処理
手段)44を介して個別に接続されている。なお、この
実施の形態1では、外耳近傍型ヘッドホン3とウーファ
42とを同数配置し、音響再生装置(図示せず)からの
信号Lchが入力される聴取者2にとって左側の外耳近
傍型ヘッドホン3およびウーファ42の系と、信号Rc
hが入力される右側の外耳近傍型ヘッドホン3およびウ
ーファ42の系とに分けている。
【0025】遅延時間調整手段41は、外耳近傍型ヘッ
ドホン3からの聴取者2への音波よりウーファ42から
の聴取者2への音波の到達が遅れることを前提として、
両音波の到達が同時になるように、外耳近傍型ヘッドホ
ン3への入力信号に遅延をかける手段であって、例え
ば、図2に示す信号の波形のうち、実線Eに遅延をかけ
て破線Fとなるように調整することにより、両音波の同
時到達を実施するものである。
【0026】周波数調整手段44は、外耳近傍型ヘッド
ホン3からの音波のうち音圧レベルの不足する低音域に
合わせてウーファ42からの音波の周波数を調整する手
段である。例えば、図3において破線G1は周波数調整
前のウーファ42の音圧周波数特性を示し、実線G2は
周波数調整後のウーファ42の音圧周波数特性を示し、
実線G3は周波数調整における他の選択枝としてのウー
ファ42の音圧周波数特性を示している。この周波数調
整手段44による周波数調整は、例えば図4(a)から
図4(d)までに示すように行われる。即ち、外耳近傍
型ヘッドホン3の音響再生帯域は、聴取者2から一定の
距離だけ離れていることから、図4(a)の実線Hで示
されるように低音域の音圧レベルが不足している。これ
に対し、ウーファ42の音響再生帯域は、図4(b)の
実線Iaで示されるように低音域のみである。
【0027】仮に、ウーファ42の音響再生帯域が外耳
近傍型ヘッドホン3の音響再生帯域を補完する関係であ
れば、上記周波数調整手段44は不要である。しかし、
通常は外耳近傍型ヘッドホン3による低音域を補填する
ように、ウーファ42の音響再生帯域は、図4(c)の
実線Ibで示されるように周波数調整手段44により調
整される必要がある。このように周波数調整されたウー
ファ42の音響再生帯域は外耳近傍型ヘッドホン3の音
響再生帯域の音圧レベルの不足する低音域を補填するか
ら、例えば図4(d)の実線HおよびIbに示されるよ
うに平坦な音圧周波数特性を実現することができる。
【0028】次に動作について説明する。まず、音響再
生装置(図示せず)からの信号LchおよびRchは外
耳近傍型ヘッドホン3の左右の小口径スピーカおよび左
右のウーファ42への入力信号である。これら入力信号
LchおよびRchは外耳近傍型ヘッドホン3側の遅延
時間調整手段41とウーファ42側の周波数調整手段4
4とにそれぞれ分配される。
【0029】外耳近傍型ヘッドホン3からの聴取者2へ
の音波よりウーファ42からの聴取者2への音波の到達
が遅れるので、両者の到達が同時になるように、遅延時
間調整手段41により、例えば図2に示す実線Eが破線
Fとなるように外耳近傍型ヘッドホン3への入力信号に
遅延をかける。この入力信号は、ヘッドホン用増幅器及
び音量調整器40を介して、左右別に外耳近傍型ヘッド
ホン3に送られて音響信号に変換される。
【0030】一方、周波数調整手段44へ分配された信
号は、外耳近傍型ヘッドホン3において音圧レベルの不
足する低音域を補うようにカットオフ周波数が調整さ
れ、ウーファ用増幅器および音量調整器43を介して左
右別にウーファ42に送られて音響信号に変換される。
【0031】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、外耳近傍型ヘッドホン3にウーファ42を組み合わ
せたことにより、外耳近傍型ヘッドホン3による音響再
生帯域の音圧レベルの不足する低音域をウーファ42に
よる音響再生帯域でカバーすることができるので、外耳
近傍型ヘッドホン3自体に負担をかけることなく、可聴
域の広い範囲において平坦な音圧周波数特性を得ること
ができ、これにより音質や音場感の両面において改善す
ることができる。
【0032】この実施の形態1によれば、周波数調整手
段44を設けたことにより、ウーファ42による音響再
生帯域を外耳近傍型ヘッドホン3による音響再生帯域に
合わせて調整することができるので、可聴域の広い範囲
において平坦な音圧周波数特性を確実に得ることができ
る。
【0033】この実施の形態1によれば、遅延時間調整
手段41を設けたことにより、外耳近傍型ヘッドホン3
からの聴取者2への音波よりウーファ42からの聴取者
2への音波の到達が遅れるのを防止することができるの
で、音質や音場感に優れた音響を再生することが可能で
ある。
【0034】実施の形態2.図5はこの発明の実施の形
態2による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
り、図6は図5の構成に必要な信号混合手段を説明する
ためのブロック図である。なお、この実施の形態2の構
成要素のうち、実施の形態1の構成要素と共通するもの
については同一符号を付し、その部分の説明を省略す
る。
【0035】この実施の形態2の特徴は、外耳近傍型ヘ
ッドホン3の総数(2つ)よりも少ない数(1つ)のウ
ーファF+を聴取者2の前方正面に配置し、かつ図1に
おけるウーファ用増幅器および音量調整器43と周波数
調整手段44との間に信号混合手段45を配置した点に
ある。この信号混合手段45は2つの入力端子と1つの
出力端子とを備えた信号加算器45aを有するものであ
る。
【0036】次に動作について説明する。まず、音響再
生装置(図示せず)からの信号LchおよびRchは外
耳近傍型ヘッドホン3側の遅延時間調整手段41とウー
ファ42側の周波数調整手段44とにそれぞれ分配され
る。周波数調整手段44を経由した信号LchおよびR
chは信号混合手段45の別々の入力端子から入り、信
号加算器45aで加算される。1つに加算された信号は
ウーファ用増幅器および音量調整器43を経てウーファ
42に送られる。このウーファ42への入力信号は信号
混合器45によって2チャンネル分の信号の低音域成分
が混合され、方向情報をもたない信号L+Rである。波
長の長い低音は音源がどの方向でも音波が両耳に到達し
たときの位相差は少なく、方向感を感じにくい。従っ
て、方向情報をもたない信号であれば、ウーファ42を
聴取者2から見てどの方向に設置しても、違和感を少な
くすることができる。
【0037】一方、信号LchおよびRchは、遅延時
間調整手段41により、実施の形態1と同様に外耳近傍
型ヘッドホン3からの音波とウーファ42からの音波と
を聴取者2に対して同時に到達させるために遅延がかけ
られ、別々にヘッドホン用増幅器および音量調整器40
を経て一対の外耳近傍型ヘッドホン3に送られる。
【0038】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、ウーファ用増幅器および音量調整器43と周波数調
整手段44との間に信号混合手段45を配置したことに
より、実施の形態1よりもウーファ42の個数を減らし
ても、必要な信号をウーファ42に供給することができ
るので、外耳近傍型ヘッドホン3自体に負担をかけるこ
となく、可聴域の広い範囲において平坦な音圧周波数特
性を得ることができる。
【0039】この実施の形態2によれば、ウーファ42
の個数を減らしたことにより、音響システム全体の規模
の縮小およびコストダウンを図ることができ、音響シス
テム設計の自由度を向上させることができる。
【0040】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形
態3による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。なお、この実施の形態3の構成要素のうち、実施の
形態1等の構成要素と共通するものについては同一符号
を付し、その部分の説明を省略する。
【0041】この実施の形態3の特徴は、聴取者2の前
方の左右対称位置に2つのウーファ42を配置した点に
ある。この場合、外耳近傍型ヘッドホン3と同数のウー
ファ42が配置されているので、実施の形態2における
信号混合手段45の設置は不要である。
【0042】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、外耳近傍型ヘッドホン3による音響再生で生じる頭
内定位感を緩和し、前方定位感を向上させることができ
る。
【0043】実施の形態4.図8はこの発明の実施の形
態4による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。なお、この実施の形態4の構成要素のうち、実施の
形態1等の構成要素と共通するものについては同一符号
を付し、その部分の説明を省略する。
【0044】この実施の形態4の特徴は、聴取者2にと
って左右の外耳近傍型ヘッドホン3と同一方向にウーフ
ァ42を配置した点にある。例えば、聴取者2にとって
左側の外耳近傍型ヘッドホン3と左側のウーファ42と
は1つの対応関係にあり、また右側の外耳近傍型ヘッド
ホン3と右側のウーファ42とは別の1つの対応関係に
あり、対応関係同士には同一の信号が入力される。即
ち、外耳近傍型ヘッドホン3による音響再生帯域のうち
低音域の音圧レベルは図4(a)に示したように著しく
低いため、この低音域を対応するウーファ42による音
響再生帯域で補うように構成されている。なお、この場
合も、外耳近傍型ヘッドホン3と同数のウーファ42が
配置されているので、実施の形態2における信号混合手
段45の設置は不要である。
【0045】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、相互に対応関係にある第1の電気音響変換器と第2
の電気音響変換器とを同一方向に配置したことにより、
外耳近傍型ヘッドホン3からの音にウーファ42からの
音が確実に重畳され、音質や左右の音場感に優れたステ
レオ音響を再生することができる。
【0046】実施の形態5.図9(a)はこの発明の実
施の形態5による音響再生装置の構成の一部を示す平面
図であり、図9(b)は図9(a)のJ方向矢視図であ
る。なお、この実施の形態5の構成要素のうち、実施の
形態1等の構成要素と共通するものについては同一符号
を付し、その部分の説明を省略する。
【0047】図においてA1およびA2は第1の電気音
響変換器としての外耳近傍型ヘッドホンであり、B1は
聴取者2の前方の比較的近い位置に配置された第3の電
気音響変換器としてのヘッドホンスピーカである。この
ヘッドホンスピーカB1は外耳近傍型ヘッドホンA1お
よびA2に付属する形で構成されており、両電気音響変
換器には相互に関係した信号が入力されるようになって
いる。なお、この実施の形態5では、聴取者2から離れ
た位置にウーファ(図示せず)を配置しており、その配
置例としては実施の形態3および実施の形態4を挙げる
ことができるが、これらに限定されるものではない。
【0048】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、外耳近傍型ヘッドホンA1およびA2による音響再
生時における低音域の音圧レベルの不足をウーファ(図
示せず)の音響再生帯域により補うことができることは
勿論のこと、第3の電気音響変換器としてのヘッドホン
スピーカB1を前方近傍に設けたことにより、これに特
定の信号を入力することで、通常のステレオ再生に加
え、前方向感をより強調することも可能である。
【0049】実施の形態6.図10(a)はこの発明の
実施の形態6による音響再生装置の構成の一部を示す平
面図であり、図10(b)は図10(a)のK方向矢視
図である。なお、この実施の形態6の構成要素のうち、
実施の形態1等の構成要素と共通するものについては同
一符号を付し、その部分の説明を省略する。
【0050】この実施の形態6の特徴は、第1の電気音
響変換器としての外耳近傍型ヘッドホンA1の両側に実
質的に一体化した第3の電気音響変換器としてのヘッド
ホンスピーカC1およびC2を、また第1の電気音響変
換器としての外耳近傍型ヘッドホンA2の両側に実質的
に一体化した第3の電気音響変換器としてのヘッドホン
スピーカC3およびC4を付属的に配置した点にある。
これら6つのスピーカは左右それぞれ一体となって構成
され、相互に関係した信号が入力されるようになってい
る。なお、この実施の形態6では、聴取者2から離れた
位置にウーファ(図示せず)を配置しており、その配置
例としては実施の形態3および実施の形態4を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0051】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、外耳近傍型ヘッドホンA1およびA2、ヘッドホン
スピーカC1,C2,C3およびC4による音響再生時
における低音域の音圧レベルの不足をウーファ(図示せ
ず)の音響再生帯域により補うことができることは勿論
のこと、6つの各ヘッドホンをマルチチャンネル再生に
対応させることにより、音質や前後左右の音場感に優れ
たステレオ音響を再生することができる。
【0052】この実施の形態6によれば、6つのスピー
カを左右それぞれ一体に構成し、相互に関係した信号を
入力するようにしたので、例えば聴取者2を基準とした
ときの各スピーカの方向に対応する信号を別々に録音
し、再生時にその信号を対応する各スピーカに入力する
ようにすることができ、より前後左右の音場感に優れた
ステレオ音響を再生することができる。
【0053】実施の形態7.図11はこの発明の実施の
形態7による音響再生装置の構成を示す模式図である。
なお、この実施の形態7の構成要素のうち、実施の形態
1等の構成要素と共通するものについては同一符号を付
し、その部分の説明を省略する。
【0054】この実施の形態7の特徴は、実施の形態6
における外耳近傍型ヘッドホンA1,A2、ヘッドホン
スピーカC1,C2,C3およびC4に対し、聴取者2
を基準としたときに同一の方向に第2の電気音響変換器
としてのウーファSR,FR,RR,SL,FLおよび
RLを配置した点にある。例えば、外耳近傍型ヘッドホ
ンA1とウーファSRとは1つの対応関係にあり、両者
には同一の信号が入力される。即ち、外耳近傍型ヘッド
ホンA1による音響再生帯域のうち低音域の音圧レベル
は図4(a)に示したように著しく低いため、この低音
域をウーファSRによる音響再生帯域で補うように構成
されている。他の対応関係においても同様である。
【0055】次に動作について説明する。まず、音響再
生装置(図示せず)からの6chの信号は外耳近傍型ヘ
ッドホンA1,A2、ヘッドホンスピーカC1,C2,
C3およびC4、ウーファSR,FR,RR,SL,F
LおよびRLへの入力信号である。これら入力信号は遅
延時間調整手段41と周波数調整手段44とにそれぞれ
分配される。
【0056】外耳近傍型ヘッドホンA1,A2、ヘッド
ホンスピーカC1,C2,C3およびC4からの聴取者
2への音波よりウーファSR,FR,RR,SL,FL
およびRLからの聴取者2への音波の到達が遅れるの
で、両者の到達が同時になるように、遅延時間調整手段
41により、例えば図2に示す実線Eが破線Fとなるよ
うに外耳近傍型ヘッドホンA1,A2、ヘッドホンスピ
ーカC1,C2,C3およびC4への入力信号に遅延を
かける。この入力信号は、ヘッドホン用増幅器及び音量
調整器40を介して、外耳近傍型ヘッドホンA1,A
2、ヘッドホンスピーカC1,2,C3およびC4に送
られて音響信号に変換される。
【0057】一方、周波数調整手段44へ分配された6
chの信号は、外耳近傍型ヘッドホンA1,A2、ヘッ
ドホンスピーカC1,C2,C3およびC4において音
圧レベルの不足する低音域を補うようにカットオフ周波
数が調整され、ウーファ用増幅器および音量調整器43
を介して左右別にウーファSR,FR,RR,SL,F
LおよびRLに送られて音響信号に変換される。
【0058】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、相互に対応関係にある第1の電気音響変換器と第2
の電気音響変換器とを同一方向に配置したことにより、
例えば外耳近傍型ヘッドホンA1からの音にウーファS
Rからの音が確実に重畳され、このような音を6方向か
ら集めることで音質や前後左右の音場感に優れたステレ
オ音響を再生することができる。
【0059】実施の形態8.図12はこの発明の実施の
形態8による音響再生装置の構成に必要な信号混合手段
を説明するためのブロック図である。
【0060】この実施の形態8の特徴は、実施の形態7
における外耳近傍型ヘッドホン(図示せず)、ヘッドホ
ンスピーカ(図示せず)に対し、これらよりも少ない数
の複数のウーファ(図示せず)を配置し、かつ図11に
おけるウーファ用増幅器および音量調整器43と周波数
調整手段44との間に多チャンネル用信号混合手段50
を配置した点にある。この多チャンネル用信号混合手段
50は、上述の外耳近傍型ヘッドホン(図示せず)およ
びヘッドホンスピーカ(図示せず)の総数と同数の入力
端子51a〜51f...と、入力信号選択部52a〜
52f...と、信号加算部53a〜53f...と、
上記入力端子と同数の複数の出力端子54a〜54
f...とから概略構成されている。
【0061】次に動作について説明する。まず、音響再
生装置(図示せず)からの6chの信号は、図11に示
す遅延時間調整手段41と周波数調整手段44とにそれ
ぞれ分配される。周波数調整手段44を経由した6ch
の信号は多チャンネル用信号混合手段50の別々の入力
端子51a〜51f...から入り、入力信号選択部5
2a〜52f...にはすべてのチャンネルの入力信号
が配分され、その中の任意の信号を選んで信号加算部5
3a〜53f...に送られる。信号加算部53a〜5
3f...では、2つ以上の信号の混合から最大ですべ
ての入力信号を混合することが可能である。加算された
信号はウーファ用増幅器および音量調整器43を経てウ
ーファ(図示せず)に送られる。このウーファ(図示せ
ず)への入力信号は多チャンネル用信号混合器50によ
って多チャンネル分の信号の低音域成分が混合される。
【0062】一方、6chの信号は、遅延時間調整手段
41により、外耳近傍型ヘッドホン(図示せず)または
ヘッドホンスピーカ(図示せず)からの音波とウーファ
(図示せず)からの音波とを聴取者に対して同時に到達
させるために遅延がかけられ、別々にヘッドホン用増幅
器および音量調整器40を経て外耳近傍型ヘッドホン
(図示せず)またはヘッドホンスピーカ(図示せず)に
送られる。
【0063】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、多チャンネル用信号混合手段50を配置したことに
より、ウーファ(図示せず)の個数を減らしても、外耳
近傍型ヘッドホン(図示せず)自体に負担をかけること
なく、可聴域の広い範囲において平坦な音圧周波数特性
を得ることができる。
【0064】この実施の形態8によれば、ウーファ(図
示せず)の個数を減らしたことにより、音響システム全
体の規模の縮小およびコストダウンを図ることができ、
音響システム設計の自由度を向上させることができる。
【0065】次に、外耳近傍型ヘッドホンやヘッドホン
スピーカの総数よりも少ない数のウーファを配置した変
形例1〜6を説明する。図13はこの発明の実施の形態
8の変形例1による音響再生装置の構成の一部を示す平
面図である。この変形例1では、聴取者2の前方にウー
ファF+が配置されている。この場合、ヘッドホンスピ
ーカC1,C3と同じ前方向成分をもつ信号同士が多チ
ャンネル用信号混合手段50により混合され、ウーファ
F+に送られる。これにより、通常のヘッドホンによる
音響再生では得られにくい前方定位感を向上させること
ができる。
【0066】図14はこの発明の実施の形態8の変形例
2による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。この変形例2では、聴取者2の前方に2つのウーフ
ァFL,FRが左右対称に配置されている。この場合、
ウーファFLには左方向成分の信号も送られ、ウーファ
FRには右方向成分の信号も送られる。これにより、通
常のヘッドホンによる音響再生では得られにくい前方定
位感に加え、左右方向のステレオ感の向上をも図ること
ができる。
【0067】図15はこの発明の実施の形態8の変形例
3による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。この変形例3では、聴取者2の前方にウーファF+
が配置され、後方にウーファB+が配置されている。こ
の場合、ヘッドホンスピーカC1,C3と同じ前方向成
分をもつ信号同士が多チャンネル用信号混合手段50に
より混合され、ウーファF+に送られると共に、ヘッド
ホンスピーカC2,C4と同じ後方向成分をもつ信号同
士が多チャンネル用信号混合手段50により混合され、
ウーファB+に送られる。これにより、通常のヘッドホ
ンによる音響再生では得られにくい前方定位感および後
方定位感を向上させることができる。
【0068】図16はこの発明の実施の形態8の変形例
4による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。この変形例4では、聴取者2の左側にウーファL+
が配置され、右側にウーファR+が配置されている。こ
の場合、外耳近傍型ヘッドホンA2、ヘッドホンスピー
カC3,C4と同じ左方向成分をもつ信号同士が多チャ
ンネル用信号混合手段50により混合され、ウーファL
+に送られると共に、外耳近傍型ヘッドホンA1、ヘッ
ドホンスピーカC1,C2と同じ右方向成分をもつ信号
同士が混合され、ウーファR+に送られる。これによ
り、左右のステレオ感を向上させることができる。
【0069】図17はこの発明の実施の形態8の変形例
5による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。この変形例5では、聴取者2の前方にウーファF+
が配置され、後方にウーファB+が配置され、左側にウ
ーファSLが配置され、右側にウーファSRが配置され
ている。この場合、ヘッドホンスピーカC1,C3と同
じ前方向成分をもつ信号同士が多チャンネル用信号混合
手段50により混合され、ウーファF+に送られ、ヘッ
ドホンスピーカC2,C4と同じ後方向成分をもつ信号
同士が多チャンネル用信号混合手段50により混合さ
れ、ウーファB+に送られ、外耳近傍型ヘッドホンA2
と同じ左方向成分をもつ信号同士が多チャンネル用信号
混合手段50により混合され、ウーファSLに送られる
と共に、外耳近傍型ヘッドホンA1と同じ右方向成分を
もつ信号同士が混合され、ウーファSRに送られる。こ
れにより、通常のヘッドホンによる音響再生では得られ
にくい音場の前後感と左右のステレオ感を向上させるこ
とができると共に、図11に示した構成よりもウーファ
の設置数を減らせるので併せてコストダウンを図ること
もできる。
【0070】図18はこの発明の実施の形態8の変形例
6による音響再生装置の構成の一部を示す平面図であ
る。この変形例6では、聴取者2の前方に2つのウーフ
ァFL,FRが左右対称に配置され、後方に2つのウー
ファRL,RRが左右対称に配置されている。この場
合、ヘッドホンスピーカC1と同じ右前方向成分をもつ
信号がウーファFRに送られ、ヘッドホンスピーカC2
と同じ右後方向成分をもつ信号がウーファRRに送ら
れ、ヘッドホンスピーカC3と同じ左前方向成分をもつ
信号がウーファFLに送られ、ヘッドホンスピーカC4
と同じ左後方向成分をもつ信号がウーファRLに送られ
る。これにより、サラウンド感を向上させることができ
ると共に、図11に示した構成よりもウーファの設置数
を減らすことができ、また信号混合手段も省略できるた
め、併せてコストダウンを図ることもできる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、聴取者の両外耳殻の近傍にそれぞれ配置された第1
の電気音響変換器と、前記聴取者から離れた位置に配置
されかつ前記第1の電気音響変換器により再生される音
に低音域の音を補う第2の電気音響変換器と、該第2の
電気音響変換器への入力信号を処理する信号処理手段と
を備えたので、第1の電気音響変換器による音響再生帯
域の音圧レベルの不足する低音域を第2の電気音響変換
器による音響再生帯域でカバーすることができるので、
第1の電気音響変換器自体に負担をかけることなく、可
聴域の広い範囲において平坦な音圧周波数特性を得るこ
とができ、これにより音質や音場感の両面において改善
することができるという効果がある。
【0072】この発明によれば、信号処理手段を、第2
の電気音響変換器により再生される音の周波数を調整す
る周波数調整手段としたので、第2の電気音響変換器に
よる音響再生帯域を第1の電気音響変換器による音響再
生帯域に合わせて調整することができるので、可聴域の
広い範囲において平坦な音圧周波数特性を確実に得るこ
とができるという効果がある。
【0073】この発明によれば、第2の電気音響変換器
により再生される音の聴取者への到達時に合わせて第1
の電気音響変換器への信号の入力を遅延する遅延時間調
整手段をさらに備えたので、第1の電気音響変換器から
の聴取者への音波より第2の電気音響変換器からの聴取
者への音波の到達が遅れるのを防止することができるの
で、音質や音場感に優れた音響を再生することができる
という効果がある。
【0074】この発明によれば、第2の電気音響変換器
に、聴取者から同一の方向に配置された第1の電気音響
変換器への入力信号と同一の信号を加えることにより、
相互に対応関係にある第1の電気音響変換器と第2の電
気音響変換器とを同一方向に配置したので、第1の電気
音響変換器からの音に第2の電気音響変換器からの音が
確実に重畳され、音質や左右の音場感に優れたステレオ
音響を再生することができるという効果がある。
【0075】この発明によれば、第1の電気音響変換器
の総数より少ない数の第2の電気音響変換器を備え、か
つ前記第1の電気音響変換器に加えられる信号から複数
の信号を選択し、該選択された信号を混合して生成した
信号を前記第2の電気音響変換器に加える信号混合手段
をさらに備えたので、必要な信号を第2の電気音響変換
器に供給することができるので、第1の電気音響変換器
自体に負担をかけることなく、可聴域の広い範囲におい
て平坦な音圧周波数特性を得ることができるという効果
がある。また、第2の電気音響変換器の個数を減らすこ
とができるので、音響システム全体の規模の縮小および
コストダウンを図ることができ、音響システム設計の自
由度を向上させることができるという効果がある。
【0076】この発明によれば、信号混合手段を、前方
向成分をもつ信号同士、後方向成分をもつ信号同士、左
方向成分をもつ信号同士または右方向成分をもつ信号同
士を選択し、該選択された複数の信号を混合して生成し
た信号を第2の電気音響変換器に加える手段としたの
で、音場の前後感、左右感またはサラウンド感の向上を
図ることができるという効果がある。
【0077】この発明によれば、第1の電気音響変換器
の近傍に該第1の電気音響変換器に付属する第3の電気
音響変換器をさらに備えたので、第1の電気音響変換器
による音響再生に加え、その設置位置に応じて音場の前
後感、左右感またはステレオ感の向上を図ることができ
るという効果がある。
【0078】この発明によれば、第2の電気音響変換器
に、聴取者から同一の方向に配置された第1の電気音響
変換器または第3の電気音響変換器への入力信号と同一
の信号に加えたので、相互に対応関係にある第1の電気
音響変換器または第3の電気音響変換器と第2の電気音
響変換器とを同一方向に配置したことにより、第1の電
気音響変換器または第3の電気音響変換器からの音に第
2の電気音響変換器からの音が確実に重畳され、音質や
左右の音場感に優れたステレオ音響を再生することがで
きるという効果がある。
【0079】この発明によれば、第1の電気音響変換器
および第3の電気音響変換器の総数より少ない数の第2
の電気音響変換器を備え、かつ前記第1の電気音響変換
器または前記第3の電気音響変換器に加えられる信号か
ら複数の信号を選択し、該選択された信号を混合して生
成した信号を前記第2の電気音響変換器に加える信号混
合手段をさらに備えたので、第1の電気音響変換器また
は第3の電気音響変換器自体に負担をかけることなく、
可聴域の広い範囲において平坦な音圧周波数特性を得る
ことができるという効果がある。また、第2の電気音響
変換器の個数を減らすことができるので、音響システム
全体の規模の縮小およびコストダウンを図ることがで
き、音響システム設計の自由度を向上させることができ
るという効果がある。
【0080】この発明によれば、信号混合手段を、前方
向成分をもつ信号同士、後方向成分をもつ信号同士、左
方向成分をもつ信号同士または右方向成分をもつ信号同
士を選択し、該選択された複数の信号を混合して生成し
た信号を第2の電気音響変換器に加える手段としたの
で、音場の前後感、左右感またはサラウンド感の向上を
図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による音響再生装置
の構成を示す模式図である。
【図2】 図1に示した音響再生装置における遅延時間
調整手段による入力信号の遅延を示すグラフ図である。
【図3】 図1に示した音響再生装置における周波数調
整手段による周波数の調整を示すグラフ図である。
【図4】 (a)は図3に示した周波数調整手段による
周波数の調整前の外耳近傍型ヘッドホンの再生帯域を示
すグラフ図であり、(b)は図1に示した音響再生装置
におけるウーファの再生帯域を示すグラフ図であり、
(c)は周波数調整手段による周波数の調整後のウーフ
ァの再生帯域を示すグラフ図であり、(d)は図1に示
した音響再生装置による平坦な再生音圧周波数特性を示
すグラフ図である。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態2による音響再
生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図6】 図5の構成に必要な信号混合手段を説明する
ためのブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による音響再生装置
の構成の一部を示す平面図である。
【図8】 この発明の実施の形態4による音響再生装置
の構成の一部を示す平面図である。
【図9】 (a)はこの発明の実施の形態5による音響
再生装置の構成の一部を示す平面図であり、(b)は
(a)のJ方向矢視図である。
【図10】 (a)はこの発明の実施の形態6による音
響再生装置の構成の一部を示す平面図であり、(b)は
(a)のK方向矢視図である。
【図11】 この発明の実施の形態7による音響再生装
置の構成を示す模式図である。
【図12】 この発明の実施の形態8による音響再生装
置の構成に必要な信号混合手段を説明するためのブロッ
ク図である。
【図13】 この発明の実施の形態8の変形例1による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図14】 この発明の実施の形態8の変形例2による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図15】 この発明の実施の形態8の変形例3による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図16】 この発明の実施の形態8の変形例4による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図17】 この発明の実施の形態8の変形例5による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図18】 この発明の実施の形態8の変形例6による
音響再生装置の構成の一部を示す平面図である。
【図19】 耳密着型ヘッドホンを装着した聴取者を上
方から見た平面図である。
【図20】 (a)は外耳近傍型ヘッドホンを使用して
いる聴取者を上方から見た平面図であり、(b)は
(a)におけるA方向矢視図である。
【図21】 外耳近傍型ヘッドホンを使用した場合にお
ける低音域の音圧レベルの低下を示すグラフ図である。
【図22】 低音域の音圧レベルの低下をブーストによ
り補正する様子を示すグラフ図である。
【図23】 一般的な据置型スピーカを用いたマルチチ
ャンネル再生装置におけるスピーカの配置例を示す平面
図である。
【図24】 マルチチャンネル再生装置に対応させた外
耳近傍型ヘッドホンを装着した聴取者を上方から見た平
面図である。
【符号の説明】
1 耳密着型ヘッドホン、2 聴取者、3 外耳近傍型
ヘッドホン(第1の電気音響変換器)、4 部屋、40
ヘッドホン用増幅器及び音量調整器、41遅延時間調
整手段、42,SR,FR,RR,SL,FLおよびR
L ウーファ(第2の電気音響変換器)、43 ウーフ
ァ用増幅器および音量調整器、44周波数調整手段、5
0 多チャンネル用信号混合手段、51a〜51
f...入力端子、52a〜52f... 入力信号選
択部、53a〜53f... 信号加算部、54a〜5
4f... 出力端子、FL,C,FR,RR,RL,
SW据置型スピーカ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 聴取者の両外耳殻の近傍にそれぞれ配置
    された第1の電気音響変換器と、前記聴取者から離れた
    位置に配置されかつ前記第1の電気音響変換器により再
    生される音に低音域の音を補う第2の電気音響変換器
    と、該第2の電気音響変換器への入力信号を処理する信
    号処理手段とを備えた音響再生装置。
  2. 【請求項2】 信号処理手段は、第2の電気音響変換器
    により再生される音の周波数を調整する周波数調整手段
    であることを特徴とする請求項1記載の音響再生装置。
  3. 【請求項3】 第2の電気音響変換器により再生される
    音の聴取者への到達時に合わせて第1の電気音響変換器
    への信号の入力を遅延する遅延時間調整手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項2記載の音響再生装置。
  4. 【請求項4】 第2の電気音響変換器は、聴取者から同
    一の方向に配置された第1の電気音響変換器への入力信
    号と同一の信号が加えられることを特徴とする請求項3
    記載の音響再生装置。
  5. 【請求項5】 第1の電気音響変換器の総数より少ない
    数の第2の電気音響変換器を備え、かつ前記第1の電気
    音響変換器に加えられる信号から複数の信号を選択し、
    該選択された信号を混合して生成した信号を前記第2の
    電気音響変換器に加える信号混合手段をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項3記載の音響再生装置。
  6. 【請求項6】 信号混合手段は、前方向成分をもつ信号
    同士、後方向成分をもつ信号同士、左方向成分をもつ信
    号同士または右方向成分をもつ信号同士を選択し、該選
    択された複数の信号を混合して生成した信号を第2の電
    気音響変換器に加える手段であることを特徴とする請求
    項5記載の音響再生装置。
  7. 【請求項7】 第1の電気音響変換器の近傍に該第1の
    電気音響変換器に付属する第3の電気音響変換器をさら
    に備えたことを特徴とする請求項3記載の音響再生装
    置。
  8. 【請求項8】 第2の電気音響変換器は、聴取者から同
    一の方向に配置された第1の電気音響変換器または第3
    の電気音響変換器への入力信号と同一の信号が加えられ
    ることを特徴とする請求項7記載の音響再生装置。
  9. 【請求項9】 第1の電気音響変換器および第3の電気
    音響変換器の総数より少ない数の第2の電気音響変換器
    を備え、かつ前記第1の電気音響変換器または前記第3
    の電気音響変換器に加えられる信号から複数の信号を選
    択し、該選択された信号を混合して生成した信号を前記
    第2の電気音響変換器に加える信号混合手段をさらに備
    えたことを特徴とする請求項7記載の音響再生装置。
  10. 【請求項10】 信号混合手段は、前方向成分をもつ信
    号同士、後方向成分をもつ信号同士、左方向成分をもつ
    信号同士または右方向成分をもつ信号同士を選択し、該
    選択された複数の信号を混合して生成した信号を第2の
    電気音響変換器に加える手段であることを特徴とする請
    求項9記載の音響再生装置。
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