JP2008064507A - 可撓性線状体に作用する力の計測装置および方法 - Google Patents

可撓性線状体に作用する力の計測装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】管の中へ挿入される線状体を操作するときに、管内部における障害物の存在を管外部において検知できる、かつ種々の形状や材質を有する線状体に適用できる、装置および方法を提供する。
【解決手段】この計測装置では、管の中へ挿入される線状体1を操作し、線状体1が管内部における障害物に接触し線状体1に長手軸方向の力P1が作用するとき、線状体1が貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部位を押圧する作用力F1をセンサ7で検出できる。そして、検出される作用力F1を、予め決定された作用力F1と線状体1に作用する力P1との相関関係に基づき、線状体1に作用する長手軸方向の力P1に変換する。これにより、線状体1に作用する力P1の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。さらに、同一の計測装置を種々の形状や材質を有する線状体1に適用できるので、経済的である。
【選択図】図3

Description

この発明は、力の計測装置および方法に関し、特に、可撓性を有する線状体に作用する力の計測装置および方法に関する。
可撓性を有する線状体は、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具として実用化されている。たとえば、血管、尿管、気管支、消化管もしくはリンパ管などの体内にある管に挿入されるガイドワイヤやカテーテル、または、動脈瘤を塞栓するための塞栓用コイルが先端に付いたワイヤなどが知られている。これらの線状体を体内の管の中へ挿入し、体外からの操作によって目的部位まで誘導する。
線状体が挿入される管は必ずしも直線状ではなく、部分的に屈曲や分岐をしている場合が多い。また、管の径は必ずしも一定ではなく、管自体が細くなっていたり、血管内に生じる血栓などによって管の径が細くなっていたりする場合がある。しかし、従来の線状体では、管内部における障害物の存在を検知する手段がなく、線状体の操作を操作者の勘に頼らざるを得ず、体外からの誘導操作には熟練が必要であった。そこで、線状体の進行方向前方における障害物の存在を検知する装置として、線状体の先端に圧力センサを設ける装置が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開平10−263089号公報
しかしながら、線状体の先端に圧力センサを設ける装置は、特に極細の線状体については実現性に困難を伴う。たとえば脳血管に挿入するガイドワイヤの場合、その直径は0.35mm程度であり、このような極細の線状体の先端に小型の圧力センサを設けることは困難である。また、圧力センサの信号を外部に取り出すために、線状体の中に配線を挿通するのは、さらなる困難を要する。
また、線状体が挿入される管が屈曲している場合や、管の径が細くなっている場合には、線状体を操作するときの抵抗は、管との摩擦の影響を受ける。よって、線状体の先端に設ける圧力センサの出力と、操作者の挿入時の力覚とが必ずしも一致しない場合がある。したがって、線状体の先端に圧力センサを設ける装置を用いる場合においても、操作者が外部において指先で把持した線状体に作用する抵抗の力覚情報に基づいて、すなわち操作者の勘に頼って、線状体の操作を実施することになる。その上、操作者の力覚は操作者しか知ることができないため、熟練操作者の手技を定量化し経験の少ない操作者へ伝授するのは困難である。
さらに、異なる用途に適応するための種々の形状や材質を有する線状体を用意し、それぞれに圧力センサを設けることは、不経済であり、製造コストの増大を招く。
それゆえに、この発明の主たる目的は、管の中へ挿入される線状体を操作するときに、管内部における障害物の存在を管外部において検知できる、かつ種々の形状や材質を有する線状体に適用できる、装置および方法を提供することである。
この発明に係る計測装置は、可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測装置であって、線状体が貫通する貫通孔が形成される本体を備える。貫通孔は、本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含む。また、線状体に力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の所定部位を押圧する作用力を検出するセンサを備える。また、検出される作用力を、線状体に作用する力へ変換する、変換回路を備える。
この場合は、管の中へ挿入される線状体を操作し、線状体が管内部における障害物に接触し線状体に長手軸方向の力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の所定部位を押圧する作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の力に変換する。これにより、線状体に作用する力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。このとき、線状体が挿入される管の外部における線状体の操作を行なう位置に計測装置を設け、線状体に作用する長手軸方向の力を計測するので、先端に圧力センサを設けることが困難な極細の線状体についても、線状体に作用する力を定量的に計測することができる。さらに、同一の計測装置を種々の形状や材質を有する線状体に適用できるので、これまで使用してきた線状体をそのまま使用することができ、経済的である。
好ましくは、上記力は、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力である。そして、線状体に圧縮力が作用するとき、センサは、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側(湾曲形状に形成された部分の外周側、または、貫通孔の延在方向を含む本体の断面において貫通孔の湾曲形状に形成された部分の内壁が、貫通孔から本体外側に向かう方向に凸形状となっている側)を押圧する、作用力を検出する。この場合は、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が湾曲しようとする力が、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側(つまり所定部位)を押圧する作用力となる。この作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する圧縮力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力に変換する。これにより、線状体に作用する圧縮力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。
線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、線状体が直線状態であれば、線状体は座屈するまで長手軸方向以外へ変形することはない。この発明の計測装置では、貫通孔が本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含み、線状体が貫通孔を貫通すると湾曲形状となる。そのために、線状体に長手軸方向の微小な圧縮力が作用する場合においても、線状体は、貫通孔の内部において湾曲しようとする力によって、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する。したがって、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側にセンサを配置することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力を確実に検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力を確実に計測することができる。
また好ましくは、上記力は、線状体に作用する長手軸方向の引張力である。そして、線状体に引張力が作用するとき、センサは、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側(湾曲形状に形成された部分の内周側、または、貫通孔の延在方向を含む本体の断面において貫通孔の湾曲形状に形成された部分の内壁が、本体外側から貫通孔に向かう方向に凸形状となっている側)を押圧する、作用力を検出する。この場合は、線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が直線状に変形しようとする力が、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側(つまり所定部位)を押圧する作用力となる。したがって、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側にセンサを配置することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力を確実に検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の引張力を確実に計測することができる。
また好ましくは、上記センサは、歪センサを含む。この場合は、歪センサの歪量を検知することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力を検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の力を確実に計測することができる。
この発明に係る計測装置は、可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測装置であって、線状体が貫通する貫通孔が形成される本体を備え、貫通孔は、本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含む。また、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する、作用力を検出するセンサを備える。また、線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する、他の作用力を検出する他のセンサを備える。また、センサにより検出される作用力を圧縮力へ変換し、他のセンサにより検出される他の作用力を引張力へ変換する、変換回路を備える。
この場合は、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が湾曲しようとする力が、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する作用力となる。よって、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側にセンサを配置することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力を確実に検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力を確実に計測することができる。また、線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が直線状に変形しようとする力が、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する他の作用力となる。よって、貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に他のセンサを配置することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する他の作用力を確実に検出できる。検出される他の作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の引張力を確実に計測することができる。したがって、センサと他のセンサとを備えることにより、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力と引張力とのいずれをも計測できる、計測装置を提供することができる。
好ましくは、上記センサと、上記他のセンサとの少なくともいずれか一方は、歪センサを含む。この場合は、歪センサの歪量を検知することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力を検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の力を確実に計測することができる。
また好ましくは、歪センサは、弾性体によって保持される。この場合は、弾性体によって歪センサを保持することにより、線状体が貫通孔の内壁を押圧する作用力に対する歪センサの変形量を大きくして、歪センサの感度を向上させている。そして、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧するとき、弾性体の弾性変形によって生じる歪量を歪センサで検知することにより、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力を検出することができる。また、線状体に作用する長手軸方向の力が除かれると、弾性体が元の形状に戻ることにより、歪センサで検知する歪量も元へ戻る。したがって、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を繰返し押圧する場合においても、作用力に応じた歪量を、歪センサで精度よく検知することができる。
また好ましくは、歪センサは、金属、半導体および光ファイバグレーティングのいずれかを利用して歪量を検知する歪ゲージである。この場合は、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力によって、金属もしくは半導体である歪ゲージが変形し電気抵抗が変化する。または、光ファイバグレーティングにおいて歪によりブラッグ反射波長が変化する。これを利用して歪量を検知し、作用力を検出できる。検出される作用力を変換することにより、線状体に作用する長手軸方向の力を確実に計測することができる。
好ましくは、上記線状体は、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具である。この場合は、線状体に作用する長手軸方向の力の増加を計測することによって、線状体が管の内壁に接触することを検知することができる。したがって、体内の管に過大な荷重が作用することを防止することができる。
また好ましくは、上記計測装置は、変換回路の出力を表示する視覚化器具と、変換回路の出力の変化を音声に変換する聴覚化器具との、少なくともいずれか一方を備える。この場合は、操作者の力覚を定量化して表示でき、さらに記録することができるので、熟練操作者の手技を定量的に経験の少ない操作者へ伝授することができる。また、線状体に作用する力が予め定められたしきい値以上となるときに、操作者が確実に認識することができる。
また好ましくは、上記計測装置は、医療機器に組み込まれて使用される。たとえばYコネクタに組み込まれて使用される場合は、Yコネクタの入力ポートから線状体を操作し、また他の入力ポートから薬剤を注入することができる。
また好ましくは、上記計測装置は、人体を模擬する訓練用シミュレータに取付けられて使用される。この場合は、熟練操作者の手技を定量化し、経験の少ない操作者へ定量的な手技の伝授をすることができる。したがって、経験の少ない操作者の手技を早期に向上させることができる。
この発明に係る計測方法は、可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測方法である。本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含むように形成される貫通孔を貫通する線状体に、長手軸方向の力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力をセンサによって検出する工程を備える。また、検出する工程において検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の力へ変換する工程を備える。
この場合は、管の中へ挿入される線状体を操作し、線状体が管内部における障害物に接触し線状体に長手軸方向の力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の所定部位を押圧する作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の力に変換する。これにより、線状体に作用する力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。
好ましくは、検出する工程において、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する作用力をセンサによって検出する。また、変換する工程において、作用力を、予め決定された作用力と圧縮力との相関関係に基づき、線状体に作用する圧縮力へ変換する。この場合は、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が湾曲しようとする力が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する作用力となる。この作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する圧縮力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の圧縮力に変換する。これにより、線状体に作用する圧縮力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。
また好ましくは、検出する工程において、線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する作用力をセンサによって検出する。また、変換する工程において、作用力を、予め決定された作用力と引張力との相関関係に基づき、線状体に作用する引張力へ変換する。この場合は、線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、貫通孔の内部において線状体が直線状に変形しようとする力が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する作用力となる。この作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する引張力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の引張力に変換する。これにより、線状体に作用する引張力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。
以上のように、この発明に係る計測装置では、管の中へ挿入される線状体を操作し、線状体が管内部における障害物に接触し線状体に長手軸方向の力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の湾曲形状に形成された部分の所定部位を押圧する作用力をセンサで検出できる。そして、検出される作用力を、予め決定された作用力と線状体に作用する力との相関関係に基づき、線状体に作用する長手軸方向の力に変換する。これにより、線状体に作用する力の増加から管内部における障害物の存在を検知することができる。さらに、同一の計測装置を種々の形状や材質を有する線状体に適用できるので、これまで使用してきた線状体をそのまま使用することができ、経済的である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1の計測装置本体の外観を示す模式図である。図1において、可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測するこの計測装置は、計測装置本体2を備え、計測装置本体2には可撓性を有する線状体1が貫通する貫通孔3が形成される。計測装置本体2は、湾曲部4において湾曲している。
図2は、図1に示す計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。図3は、線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するときの、計測装置内部における線状体の状態を示す断面模式図である。図2において、貫通孔3は、線状体1が貫通する出入口を大きくして挿入性を向上させるために、出入口にテーパ状の入出力ポート5を形成する。計測装置本体2の内部において、貫通孔3の直径は線状体1の直径よりもわずかに大きい(たとえば線状体1の直径の105%〜120%)。よって線状体1は、計測装置本体2の内部において、長手軸方向以外への動作を拘束される。なお、入出力ポート5において、貫通孔3の紙面と垂直方向の高さは線状体1の直径よりもわずかに大きく(たとえば線状体1の直径の105%〜120%)、線状体1に対して紙面と垂直方向の動作を拘束している。すなわち、入出力ポート5において、線状体1の長手軸方向に垂直な断面における貫通孔3の断面形状は、長方形状である。
計測装置本体2は、線状体1に長手軸方向の圧縮力が作用するときに、貫通孔3の内壁において線状体1が押圧する部位を規定する。すなわち、貫通孔3は計測装置本体2の内部において、計測装置本体2の湾曲部4を頂点とした湾曲形状に形成された部分を含む。線状体1は貫通孔3の湾曲形状に形成された部分を曲がりながら貫通している。歪センサ7は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側(湾曲形状に形成された部分の外周側)に、2つの弾性体8の間に配置される。歪センサ7は弾性体8によって、挟まれるように保持される。歪センサ7が弾性体8によって保持されるため、線状体1に長手軸方向の圧縮力が作用し、その後圧縮力が除かれると、弾性体8が元の形状に戻ることにより、歪センサ7で検知する歪量も元へ戻る。よって、線状体1が貫通孔3の内壁を繰返し押圧する場合においても、作用力に応じた歪量を、歪センサで精度よく検知することができる。なお、歪センサ7には、金属により作製され、電気抵抗の変化により歪量を検知できる歪ゲージを用いることができる。
そして、図3に示すように、線状体1に長手軸方向の圧縮力P1が作用するとき、貫通孔3の直径は線状体1の直径よりもわずかに大きく、また線状体1は貫通孔3を曲がりながら貫通しているために、線状体1に長手軸方向の微小な圧縮力が作用する場合においても、線状体1は、貫通孔3の内部において湾曲しようとする。線状体1は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に接触した後に、当該内壁を押圧する。すなわち、線状体1に長手軸方向の圧縮力P1が作用するとき、貫通孔3の内部において線状体1が湾曲しようとする力が作用力F1となり、線状体1は貫通孔3と歪センサ7との間の弾性体8を押圧し、当該弾性体8に弾性変形を生じさせる。当該弾性体8の弾性変形によって歪が発生し、発生した歪量を歪センサ7が検知する。歪量を検知することにより、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を線状体1が押圧する作用力F1を、確実に検出できる。検出される作用力F1を、予め決定された作用力F1と線状体1に作用する圧縮力P1との相関関係に基づき、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力P1に変換する。これにより、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力P1を確実に計測することができ、線状体1に作用する圧縮力P1の増加から、管内部における障害物の存在を検知することができる。なお、貫通孔が湾曲形状に形成された部分を含まず直線形状であると、線状体1が貫通孔を貫通するとき直線形状となり、線状体1は湾曲形状とならない。そして、線状体1に長手軸方向の圧縮力が作用しても、線状体1は座屈するまで長手軸方向以外へ変形することはない。そのため、座屈荷重未満の圧縮力を計測することができない。したがって、貫通孔3は湾曲形状に形成された部分を含む必要がある。
このとき、線状体1が挿入される管の外部にある線状体1の操作を行なう位置に計測装置本体2を設け、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力を計測するので、先端に圧力センサを設けることが困難な極細の線状体1についても、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力を定量的に計測することができる。なお、図3においては、貫通孔3と歪センサ7との間に弾性体8が配置され、線状体1に長手軸方向の圧縮力P1が作用するとき線状体1は弾性体8を押圧しているが、貫通孔3の内壁の線状体1が押圧する部位には、たとえば金属などの、作用力F1によってほとんど変形を生じない材料(たとえば弾性体8よりも硬質の材料)を配してもよい。また、貫通孔3の内壁に歪センサ7が直接露出し歪センサ7と線状体1とが接触する構成としてもよい。また貫通孔3から向かってその歪センサ7の後方側のみに弾性体を配置してもよい。
次に、計測装置の具体的な動作を示す。図4は、計測装置の全体構成を示す模式図である。図4において、この計測装置は、計測装置本体2のほかに、歪センサ7の出力を増幅する増幅回路11を備える。また、歪センサ7が検知する歪量によって検出される、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を線状体1が押圧する作用力を、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力へ変換する、変換回路12を備える。
図5は、線状体に作用する圧縮力の計測方法を示す流れ図である。図5を参照しながら、線状体1を管の中に挿入し管外部から操作するとき、線状体1が管の内壁に接触することによって、線状体1に作用する圧縮力を計測する方法について説明する。まず工程(S11)において、管の中に挿入される線状体1を、管へ挿入する方向に、管外部から操作する。次に工程(S12)において、線状体1(たとえば線状体1の先端)が、管の内壁に接触する。次に工程(S13)において、線状体1を管の中にさらに挿入するために管外部から線状体1を操作するとき、線状体1は管の内壁に接触しているので、線状体1の動作が拘束される。そのため線状体1の長手軸方向に圧縮力P1が作用する。次に工程(S14)において、圧縮力P1の作用によって、湾曲形状に形成された部分を含む貫通孔3の内部において、線状体1が湾曲しようとする力が生じる。その力が貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する作用力F1となり、線状体1は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する。次に工程(S15)において、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を線状体1が押圧する作用力F1を、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に配置された歪センサ7が検知する歪量によって、検出する。次に工程(S16)において、予め決定された作用力F1と線状体1に作用する圧縮力P1との相関関係に基づき、作用力F1を線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力P1へ変換する。次に工程(S17)において、作用力F1からの変換によって得られる圧縮力P1を出力する。
線状体1の形状や、材質すなわちヤング率が異なると、同一の圧縮力が作用するときの線状体1の湾曲しようとする力が異なるため、線状体1が貫通孔の内壁を押圧する作用力が異なる。したがって、形状や材質の異なる複数の線状体1を使用する場合においては、使用する線状体1が貫通孔の内壁を押圧する作用力と線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力との相関関係を予め計測し、これらの相関関係を変換回路12に記憶しておく。そして計測装置は、図4に示す選択器13をも備え、選択器13によって、使用する線状体1に合わせてどの相関関係を使用するのか選択する。これにより、同一の計測装置を種々の形状や材質を有する線状体1に適用できるので、これまでに種々の異なる用途に使用していた線状体1をそのまま使用することができ、経済的である。
次に、本発明の計測装置を実用化する例として、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具である線状体に作用する長手軸方向の圧縮力を計測する計測装置が、他の医療機器に組み込まれて使用される例を示す。図6は、計測装置本体2がYコネクタ14に組み込まれて使用される例を示す模式図である。図6において、Yコネクタ14は、入力ポート15と他の入力ポート16と出力ポート17とを備える。計測装置本体2は、Yコネクタ14の内部の、入力ポート15と出力ポート17とを連通する通路に組み込まれている。線状体1は、たとえば、血管や尿管などの体内の管に挿入されるガイドワイヤやカテーテル、動脈瘤を塞栓するための塞栓用コイルが先端に付いたワイヤなどの、線状の医療器具であり、入力ポート15側からの操作によって体内の目的部位まで誘導される。
これにより、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具に作用する長手軸方向の圧縮力の増加を計測することによって、圧縮力の反力として、医療器具が体内の管に作用する荷重を計測することができる。すなわち、医療器具が管の内壁に接触することを検知することができる。したがって、体内の管に過大な荷重が作用することを防止することができる。また、本発明の計測装置がYコネクタ14に組み込まれているので、Yコネクタ14の入力ポート15から線状の医療器具を操作し、また他の入力ポート16から薬剤を注入することができる。たとえば、カテーテルとガイドワイヤとの摩擦を低減するための生理食塩水を他の入力ポート16から注入することができる。またたとえば、血管の中に挿入したカテーテルを人体外部から目的部位まで誘導した後に、他の入力ポート16から血管造影剤を注入して、血管造影剤を体内の目的部位に注入することができる。
次に、本発明の計測装置によって得られる圧縮力を出力する方法について説明する。いくつかの方法があるが、代表的な方法としては、歪センサ7によって検知される歪量から検出した作用力を変換回路で変換した、変換回路の出力である圧縮力を、数値やメータ表示またはグラフ表示する視覚化器具や、圧縮力の変化を音声に変換する聴覚化器具が挙げられる。計測装置は、視覚化器具と聴覚化器具とのいずれか一方を備えることができ、また併用して備えることもできる。
図7は、計測装置の出力方法の例を示す模式図である。図7において、歪センサ7によって検知される歪量から検出した作用力を線状体1に作用する圧縮力に変換した数値を表示する視覚化器具18、時間履歴を伴って圧縮力をグラフ状に表示する視覚化器具19が例示されている。また、図7において、変換回路の出力が予め決定されてある所定のしきい値以上の場合、すなわち線状体1に作用する圧縮力が所定のしきい値以上の場合に、音響効果を変化させる、すなわち警告音を発する、聴覚化器具としての比較器20およびスピーカ21が例示されている。線状体1に作用する圧縮力が所定のしきい値以上となることは、ランプ点灯などの視覚効果の変化によっても示すことができる。また、スピーカとランプを併用してもよい。さらに、複数のしきい値を予め決定しておき、各しきい値に対応して、スピーカの音やランプの色を変更することもできる。しきい値の前後で視覚効果または音響効果を急激に変更すると、操作者の注意を確実に喚起することができるので効果的である。たとえば、しきい値の前後でランプの発光色を変更する、または警告音の音色(断続音と連続音、低音と高音など)を変更する、などの対応が考えられる。図7において、計測装置本体2と、視覚化器具18と視覚化器具19と比較器20とは、ケーブルで接続されているが、赤外線や他の電磁波を用いた無線通信などの他の信号転送手段を使用することもできる。
これにより、操作者が外部において指先で把持した線状体1の挿入抵抗の力覚情報を定量化して表示することができる。さらに、データとして記録、たとえば紙に記されるグラフや数値などの印刷物として、またはハードディスクやメモリなどに電子的データとして記録することができる。したがって熟練操作者の手技を定量的に経験の少ない操作者へ伝授することができる。また、線状体1に作用する圧縮力が予め定められたしきい値以上となるときに、警告音やランプの点灯によって操作者が確実に認識することができる。したがって、管に過大な荷重が作用することを防止することができる。
次に、本発明の計測装置を、治療や検査などの実際の医療行為において使用する例を説明する。図8は、計測装置を人体の管の中へ挿入される線状の医療器具に使用する例を示す模式図である。図8において、計測装置本体2にカテーテル23が接続され、カテーテル23の中には、計測装置本体2の貫通孔3を貫通するガイドワイヤ22がある。またカテーテル23は、人体25の管の中に挿入されている。ガイドワイヤ22を把持する術者24が、ガイドワイヤ22を体内へ進めるためにガイドワイヤ22に長手軸方向に力を加えるとき、人体25の管に挿入抵抗があると、ガイドワイヤ22には長手軸方向に圧縮力が作用する。そしてその圧縮力が、視覚化器具18によって表示される。
図9は、人体を模擬する訓練用シミュレータに計測装置を取付けて使用する例を示す模式図である。図9において、シミュレータ26は、線状の医療器具が挿入される人体の管の透視画像と同等の、模擬透視画像27を表示する。訓練している術者24は、模擬透視画像27を見ながらガイドワイヤ22を操作する。シミュレータ26は、挿入されたガイドワイヤ22に対して、挿入抵抗を変化させる。操作時の抵抗力、すなわち計測装置によって計測されるガイドワイヤ22に作用する圧縮力は、視覚化器具18に表示されるとともに、ケーブル28を通してシミュレータ26にも伝えられ、シミュレータ26内部でのガイドワイヤ22の挿入抵抗変更に寄与している。図9において、計測装置本体2とシミュレータ26は分離されているが、計測装置本体2がシミュレータ26と一体に組み込まれてもよい。また、視覚化器具18を備える代わりに、シミュレータ26の模擬透視画像27に、ガイドワイヤ22に作用する圧縮力を表示しても良い。
これにより、熟練操作者の手技を定量化し、経験の少ない操作者へ定量的な手技の伝授をすることができる。したがって、経験の少ない操作者の手技を早期に向上させることができる。
(実施の形態2)
図10は、この発明の実施の形態2の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。図11は、線状体に引張力が作用するときの、計測装置内部における線状体の状態を示す断面模式図である。実施の形態2の計測装置と、上述した実施の形態1の計測装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態2では、歪センサが図10および図11に示すような構成となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図10において、歪センサ29は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に、2つの弾性体30の間に配置される。図11に示すように、線状体1に長手軸方向の引張力P2が作用するとき、貫通孔3の直径は線状体1の直径よりもわずかに大きく、また線状体1は貫通孔3を曲がりながら貫通しているために、線状体1は貫通孔3の内部において直線状に変形しようとする。線状体1は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に接触した後に、当該内壁を押圧する。すなわち、線状体1に長手軸方向の引張力P2が作用するとき、貫通孔3の内部において線状体1が直線状に変形しようとする力が作用力F2となり、線状体1は貫通孔3と歪センサ29との間の弾性体30を押圧し、当該弾性体30に弾性変形を生じさせる。当該弾性体30の弾性変形によって歪が発生し、発生した歪量を歪センサ29が検知する。歪量を検知することにより、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を線状体1が押圧する作用力F2を、確実に検出できる。検出される作用力F2を、予め決定された作用力F2と線状体1に作用する引張力P2との相関関係に基づき、線状体1に作用する長手軸方向の引張力P2に変換する。これにより、線状体1に作用する長手軸方向の引張力P2を確実に計測することができ、線状体1に作用する引張力P2の増加から、管内部における障害物の存在を検知することができる。
次に、実施の形態2の計測装置の動作について説明する。図12は、線状体に作用する引張力の計測方法を示す流れ図である。図12を参照しながら、線状体1を管の中に挿入し管外部から操作するとき、線状体1が管の内壁に接触することによって、線状体1に作用する引張力を計測する方法について説明する。まず工程(S21)において、管の中に挿入されている線状体1を、管から抜出す方向に、管外部から操作する。次に工程(S22)において、線状体1が、たとえば管の径が細くなっている箇所において、管の内壁に接触する。次に工程(S23)において、線状体1をさらに管から抜出すために管外部から線状体1を操作するとき、線状体1は管の内壁に接触しているので、線状体1の動作が拘束される。そのため線状体1の長手軸方向に引張力P2が作用する。次に工程(S24)において、引張力P2の作用によって、湾曲形状に形成された部分を含む貫通孔3の内部において、線状体1が直線状に変形しようとする力が生じる。その力が貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する作用力F2となり、線状体1は、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する。次に工程(S25)において、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を線状体1が押圧する作用力F2を、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に配置された歪センサ29が検知する歪量によって、検出する。次に工程(S26)において、予め決定された作用力F2と線状体1に作用する引張力P2との相関関係に基づき、作用力F2を線状体1に作用する長手軸方向の引張力P2へ変換する。次に工程(S27)において、作用力F2からの変換によって得られる引張力P2を出力する。
貫通孔3が計測装置本体2の内部において、計測装置本体2の湾曲部4を頂点とした湾曲形状に形成された部分を含むことにより、線状体1は貫通孔3の湾曲形状に形成された部分を曲がりながら貫通する。そして、線状体1に長手軸方向の引張力P2が作用するとき、貫通孔3の内部において線状体1が直線状に変形しようとする力が、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する作用力F2となる。貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に歪センサ29を配置することにより、線状体1が貫通孔3の内壁を押圧する作用力F2を確実に検出することができる。したがって、引張力P2を計測する計測装置は、計測装置本体2の内部において湾曲形状に形成された部分を含む貫通孔3が形成される計測装置本体2を備える必要がある。貫通孔3が直線状に形成されていれば、線状体1に長手軸方向の引張力P2が作用しても、線状体1が直線状に変形しようとする力が貫通孔3の内壁を押圧することがなく、上記作用力F2を検出できないためである。なお、歪センサ29が配置される部分には、実施の形態1と同様に、より硬質の材料を配してもよく、歪センサ29と線状体1とが接触する構成としてもよい。
(実施の形態3)
図13は、この発明の実施の形態3の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。実施の形態3の計測装置と、上述した実施の形態1の計測装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態3では、歪センサが図13に示すような構成となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図13において、歪センサ7が、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に、2つの弾性体8の間に配置される。また歪センサ29が、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に、2つの弾性体30の間に配置される。すなわち、歪センサ7と歪センサ29とは、貫通孔3において湾曲形状に形成された部分に、貫通孔3を介して対向するように配置される。
そして、線状体1に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、線状体1は貫通孔3と歪センサ7との間の弾性体8を押圧し、当該弾性体8に弾性変形を生じさせる。当該弾性体8の弾性変形によって歪が発生し、発生した歪量を歪センサ7が検知することにより、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を線状体1が押圧する作用力を検出できる。また、線状体1に長手軸方向の引張力が作用するとき、線状体1は貫通孔3と歪センサ29との間の弾性体30を押圧し、当該弾性体30に弾性変形を生じさせる。当該弾性体30の弾性変形によって歪が発生し、発生した歪量を歪センサ29が検知することにより、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を線状体1が押圧する作用力を検出できる。
線状体1に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、貫通孔3の内部において線状体1が湾曲しようとする力が、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する作用力となる。よって、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に歪センサ7を配置することにより、線状体1が貫通孔3の内壁を押圧する作用力を確実に検出できる。検出された作用力を変換することにより、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力を確実に計測することができる。また、線状体1に長手軸方向の引張力が作用するとき、貫通孔3の内部において線状体1が直線状に変形しようとする力が、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する作用力となる。よって、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の内側に歪センサ29を配置することにより、線状体1が貫通孔3の内壁を押圧する作用力を確実に検出できる。検出された作用力を変換することにより、線状体1に作用する長手軸方向の引張力を確実に計測することができる。したがって、歪センサ7と歪センサ29とを備えることにより、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力と引張力のいずれをも計測できる、計測装置を提供することができる。なお、歪センサ7、29が配置される部分には、実施の形態1および2と同様に、より硬質の材料を配してもよく、歪センサ7、29と線状体1とが接触する構成としてもよい。
(実施の形態4)
図14は、この発明の実施の形態4の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。実施の形態4の計測装置と、上述した実施の形態1の計測装置とは、基本的に同様の構成を備えている。しかし、実施の形態4では、歪センサが図14に示すような配置となっている点で実施の形態1とは異なっている。
具体的には、図14において、弾性体8は貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に配置される。弾性体8には凹部が形成される。歪センサ7は、凹部の内部において弾性体8に保持され、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側に、貫通孔3と略直交する方向に、歪センサ7の一端が貫通孔3へ連結するように、配置される。そして、線状体1に長手軸方向の圧縮力P1が作用するとき、線状体1は歪センサ7を収縮させる向きに押圧する。これにより歪が発生し、発生した歪量を歪センサ7が検知する。歪量を検知することにより、貫通孔3の内壁の湾曲形状に形成された部分の外側を線状体1が押圧する作用力を検出し、予め決定された作用力と線状体1に作用する圧縮力との相関関係に基づき、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力に変換する。これにより、線状体1に作用する長手軸方向の圧縮力を確実に計測することができ、線状体1に作用する圧縮力の増加から、管内部における障害物の存在を検知することができる。なお、この歪センサの構成を実施の形態2および3に適用してもよい。
これまでの説明においては、線状体に力が作用するとき、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力を歪センサを利用して検出する例を説明したが、歪センサには、半導体により作製され、電気抵抗の変化により歪量を検知できる歪ゲージを用いることもできる。また、光ファイバーグレーティングを利用して歪量を検知する歪ゲージを用いることもでき、この場合は、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力によって発生する歪によりブラッグ反射波長が変化することから、歪量を検知し、作用力を検出することができる。さらに、線状体が貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力を検出できればよいのであるから、歪センサ以外のセンサを用いることもできる。たとえば、バネの伸縮により作用力を検出してもよく、静電容量センサ、感圧導電ゴムまたは音叉式力センサなどを用いて作用力を検出してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の計測装置および方法は、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具などの、可撓性を有する線状体に作用する力の計測装置および方法に、特に有利に適用され得る。
この発明の実施の形態1の計測装置本体の外観を示す模式図である。 図1に示す計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。 線状体に圧縮力が作用するときの、計測装置内部における線状体の状態を示す断面模式図である。 計測装置の全体構成を示す模式図である。 線状体に作用する圧縮力の計測方法を示す流れ図である。 計測装置本体がYコネクタに組み込まれて使用される例を示す模式図である。 計測装置の出力方法の例を示す模式図である。 計測装置を人体の管の中へ挿入される線状の医療器具に使用する例を示す模式図である。 人体を模擬する訓練用シミュレータに計測装置を取付けて使用する例を示す模式図である。 この発明の実施の形態2の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。 線状体に引張力が作用するときの、計測装置内部における線状体の状態を示す断面模式図である。 線状体に作用する引張力の計測方法を示す流れ図である。 この発明の実施の形態3の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態4の計測装置本体の内部の構造を示す断面模式図である。
符号の説明
1 線状体、2 計測装置本体、3 貫通孔、4 湾曲部、5 入出力ポート、7 歪センサ、8 弾性体、11 増幅回路、12 変換回路、13 選択器、14 Yコネクタ、15 入力ポート、16 他の入力ポート、17 出力ポート、18 視覚化器具、19 視覚化器具、20 比較器、21 スピーカ、22 ガイドワイヤ、23 カテーテル、24 術者、25 人体、26 シミュレータ、27 模擬透視画像、28 ケーブル、29 歪センサ、30 弾性体。

Claims (15)

  1. 可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測装置であって、
    前記線状体が貫通する貫通孔が形成される本体と、
    前記線状体に前記力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力を検出するセンサと、
    検出される前記作用力を、前記線状体に作用する前記力へ変換する、変換回路とを備え、
    前記貫通孔は、前記本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含む、計測装置。
  2. 前記力は、前記線状体に作用する長手軸方向の圧縮力であって、
    前記線状体に前記圧縮力が作用するとき、前記センサは、前記線状体が前記貫通孔の前記内壁の前記湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する、前記作用力を検出する、請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記力は、前記線状体に作用する長手軸方向の引張力であって、
    前記線状体に前記引張力が作用するとき、前記センサは、前記線状体が前記貫通孔の前記内壁の前記湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する、前記作用力を検出する、請求項1に記載の計測装置。
  4. 可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測装置であって、
    前記線状体が貫通する貫通孔が形成される本体を備え、
    前記貫通孔は、前記本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含み、さらに、
    前記線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の内壁の前記湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する、作用力を検出するセンサと、
    前記線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の前記内壁の前記湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する、他の作用力を検出する他のセンサと、
    前記センサにより検出される前記作用力を前記圧縮力へ変換し、前記他のセンサにより検出される前記他の作用力を前記引張力へ変換する、変換回路とを備えることを特徴とする、計測装置。
  5. 前記センサは、歪センサを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の計測装置。
  6. 前記センサと、前記他のセンサとの少なくともいずれか一方は、歪センサを含む、請求項4に記載の計測装置。
  7. 前記歪センサは、弾性体によって保持される、請求項5または請求項6に記載の計測装置。
  8. 前記歪センサは、金属、半導体および光ファイバグレーティングのいずれかを利用して歪量を検知する歪ゲージである、請求項5から請求項7のいずれかに記載の計測装置。
  9. 前記線状体は、体内の管の中へ挿入される線状の医療器具である、請求項1から請求項8のいずれかに記載の計測装置。
  10. 前記変換回路の出力を表示する視覚化器具と、
    前記出力の変化を音声に変換する聴覚化器具との、少なくともいずれか一方を備える、請求項1から請求項9のいずれかに記載の計測装置。
  11. 医療機器に組み込まれて使用される、請求項1から請求項10のいずれかに記載の計測装置。
  12. 人体を模擬する訓練用シミュレータに取付けられて使用される、請求項1から請求項11のいずれかに記載の計測装置。
  13. 可撓性を有する線状体に作用する長手軸方向の力を計測する計測方法であって、
    本体の内部において湾曲形状に形成された部分を含むように形成される貫通孔を貫通する前記線状体に、前記力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の内壁の所定部位を押圧する作用力をセンサによって検出する工程と、
    前記検出する工程において検出される前記作用力を、予め決定された前記作用力と前記力との相関関係に基づき、前記線状体に作用する前記力へ変換する工程とを備えることを特徴とする、計測方法。
  14. 前記検出する工程において、前記線状体に長手軸方向の圧縮力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の前記内壁の前記湾曲形状に形成された部分の外側を押圧する前記作用力を前記センサによって検出し、
    前記変換する工程において、前記作用力を、予め決定された前記作用力と前記圧縮力との相関関係に基づき、前記線状体に作用する前記圧縮力へ変換する、請求項13に記載の計測方法。
  15. 前記検出する工程において、前記線状体に長手軸方向の引張力が作用するとき、前記線状体が前記貫通孔の前記内壁の前記湾曲形状に形成された部分の内側を押圧する前記作用力を前記センサによって検出し、
    前記変換する工程において、前記作用力を、予め決定された前記作用力と前記引張力との相関関係に基づき、前記線状体に作用する前記引張力へ変換する、請求項13に記載の計測方法。
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