JP2008063999A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸気路8における混合距離を延長可能な混合距離延長手段11と、吸気流動を増強可能な吸気流動増強手段15とを備え、吸気流動増強手段15を作動させずに混合距離延長手段11を作動させて混合距離を延長し燃焼室1で混合気Mを均質燃焼させる長混合均質燃焼運転と、混合距離延長手段11を作動させずに吸気流動増強手段15を作動させて吸気流動を増強し燃焼室1で混合気Mを均質燃焼させる短混合均質燃焼運転との切換制御を実行する制御手段30を備えた。
【選択図】図3
Description
そして、このような不均質燃焼運転は、低エンジン負荷域において低当量比の混合気を燃焼させる場合に有効な運転であり、濃混合気により安定した燃焼状態を維持して、一酸化炭素及び未燃炭化水素の排出を抑制することができる。
そこで、燃焼室における混合気の濃淡分布を解消する方法としては、混合部の燃焼室に対する相対距離、即ち混合気が形成されてから燃焼室に到達するまでの混合距離を、上記燃料ガスの空気に対する混合が促進し得る程度に延長することで、吸気路において燃料ガスの空気に対する混合が充分に促進されて濃淡分布が解消された混合気を燃焼室に吸気する方法が知られている。
前記燃焼室において前記吸気された混合気の流動である吸気流動を増強可能な吸気流動増強手段とを備え、
前記吸気流動増強手段を作動させずに前記混合距離延長手段を作動させて前記混合距離を延長し前記燃焼室で前記混合気を均質燃焼させる長混合均質燃焼運転と、前記混合距離延長手段を作動させずに前記吸気流動増強手段を作動させて前記吸気流動を増強し前記燃焼室で前記混合気を均質燃焼させる短混合均質燃焼運転との切換制御を実行する制御手段を備えた点にある。
即ち、上記制御手段により上記長混合均質燃焼運転を実行すれば、上記吸気流動増強手段を作動させないことで、吸気行程におけるポンピングロスの増加を抑制しながら、上記混合距離延長手段により上記混合距離を延長することで、その長い混合距離において燃料ガスの空気に対する混合が充分に促進した混合気が燃焼室に到達するので、燃焼室に吸気された混合気における濃淡分布は解消され、その均質な混合気を燃焼室において均質燃焼させることができる。即ち、この長混合均質燃焼運転は、高効率化を重視した均質燃焼運転として適切に実行することができる。
一方、上記制御手段により上記短混合均質燃焼運転を実行すれば、上記混合距離延長手段を作動させないことで、当量比制御の応答性の低下を抑制しながら、上記吸気流動増強手段により上記吸気流動を増強することで、その強い吸気流動により燃料ガスの空気に対する混合が充分に促進されながら混合気が燃焼室に吸気されるので、燃焼室に吸気された混合気における濃淡分布は解消され、その均質な混合気を燃焼室において均質燃焼させることができる。即ち、この短混合均質燃焼運転は、当量比制御の応答性を重視した均質燃焼運転として適切に実行することができる。
即ち、上記制御手段により上記不均質燃焼運転を実行すれば、上記混合距離延長手段及び上記吸気流動増強手段を作動させないことで、ポンピングロスの増加及び当量比制御の応答性の低下を抑制しながら、濃淡分布が維持されたまま混合気が燃焼室に吸気され、燃焼室に偏在する濃混合気を容易に火花点火して燃焼させて、その安定した燃焼により濃混合気の周辺に存在する淡混合気を燃焼させる所謂不均質燃焼を行い、安定した燃焼状態を維持すると共に、一酸化炭素及び未燃炭化水素の排出を抑制することができる。即ち、この不均質燃焼運転は、高効率且つ安定燃焼を重視した運転として適切に実行することができる。
エンジンには、図1等に示すように、シリンダ3の内面とシリンダヘッド4の下面とピストン5の頂面とで規定され、上部に点火プラグ2を有する燃焼室1と、吸気弁6を介して接続され、燃焼室1に吸気される混合気Mが流通する吸気路8と、燃焼室1に排気弁7を介して接続され、燃焼室1から排出された排ガスEが流通する排気路9とが設けられている。
そして、燃焼室1に吸気された混合気Mは、ピストン5の上昇により圧縮された後に、点火プラグ2により火花点火されて燃焼する。
一方、吸気路8を流通する空気Aの流通状態は、吸気弁6の開閉動作に伴って、サイクル周期で周期的に変動する。即ち、吸気路8において、吸気弁6が開状態となる吸気行程においては、空気Aが燃焼室1に吸い込まれて圧力が低下し、それ以外の行程においては、空気Aが吸い込まれずに圧力が低下しないという、脈動が発生する。
尚、上記混合部11及び開閉弁13の代わりに、燃焼ガスGを設定時期に吸気路8に噴射可能な燃料噴射弁を設けても構わない。
ECU30は、図4(a)に示すように、スワール調整弁15を、吸気路8から燃焼室1への混合気Mの流入方向を燃焼室1の略中心に向かう方向にする状態(以下、「弱スワール状態」と呼ぶ。)として、燃焼室1に発生するスワールの強度を小さくする(例えば、スワール比を3.0以下にする)のに対して、図4(b)に示すように、吸気路8から燃焼室1への混合気Mの流入方向を燃焼室1の略中心回りの周方向にする状態(以下、「強スワール状態」と呼ぶ。)に切り換えて、燃焼室1に発生するスワールの強度を増強する(例えば、スワール比を4.0程度にする)ことができる。よって、このスワール調整弁15は、燃焼室1に吸気された混合気Mの流動である吸気流動を増強可能な吸気流動増強手段として機能することになる。
尚、この吸気流動増強手段としては、上記スワール調整弁15以外に、上記混合部11Aと燃焼室1との間の吸気路8において混合気Mの燃焼室1への流入状態を変更するなどの形態で燃焼室1における吸気流動を増強可能な構成のものを採用することができる。例えば、複数の吸気ポートの一部をスワールポートとして構成して、そのスワールポートを介して燃焼室に流入する新気の量を増加させることで、吸気流動を増強、即ちスワール流の大きさ(スワール比)を増大させるように構成しても構わない。
尚、上記スワール比は、スワールの強度を示し、公知の羽根車を用いた定常流試験装置により計測することができる。
ECU30は、不均質燃焼運転において、図1(a)〜(c)に示すように、混合距離延長手段及び吸気流動増強手段を作動させない状態、即ち、開閉弁13Aを開状態とすると共に開閉弁13Bを閉状態として混合距離が短い近混合部11Aから吸気路8に燃料ガスGを供給すると共に、スワール調整弁15を弱スワール状態として燃焼室1に発生するスワールの強度を小さくする状態で、混合気Mを燃焼室1に吸気して、当該混合気Mを燃焼室1において不均質燃焼させるように構成されている。
そして、その濃混合気Rは、図1(b)に示すように、空気Aの流れが強くなる吸気行程の中間時期(90°ATDC)においては未だ燃焼室1に吸気されず、図1(c)に示すように、空気Aの流れが弱くなる吸気行程の終了時期(BDC)よりも少し前の時期に燃焼室1に吸気されることになる。
よって、混合気Mは、濃混合気Rの拡散が抑制され濃淡分布が維持されたまま燃焼室1に吸気されることになる。
そして、燃焼室1に偏在する濃混合気Rを点火プラグ2により容易に点火して燃焼させて、その安定した燃焼により濃混合気Rの周辺に存在する淡混合気Lを燃焼させる所謂不均質燃焼を行うことができ、例えば燃焼室1で燃焼される混合気Mの全体的な当量比を低くした場合においても、安定した燃焼状態を実現できる。
ECU30は、長混合均質燃焼運転において、図2(a)〜(c)に示すように、吸気流動増強手段を作動させずに混合距離延長手段を作動させて混合距離を延長する状態、即ち、開閉弁13Aを閉状態とすると共に開閉弁13Bを開状態として混合距離が長い遠混合部11Bから吸気路8に燃料ガスGを供給すると共に、スワール調整弁15を弱スワール状態として燃焼室1に発生するスワールの強度を小さくする状態で、混合気Mを燃焼室1に吸気して、当該混合気Mを燃焼室1において均質燃焼させるように構成されている。
更に、この濃混合気Rは、吸気路8において少なくとも1サイクル分の経路を通過して拡散が促進された後に吸気領域IAに到達することになるので、吸気領域IAには比較的均質な混合気Mが存在することになる。よって、図2(b)及び図2(c)に示すように、その均質な混合気Mが燃焼室1に吸気されることになる。
そして、燃焼室1全体に、その均質な混合気Mを点火プラグ2により点火して燃焼させる所謂均質燃焼を行うことができ、例えば燃焼室1で燃焼される混合気Mの全体的な当量比を高くした場合においても、一部の混合気Mの当量比が過剰に高くなることによるNOxの排出を抑制することができる。
ECU30は、短混合均質燃焼運転において、図3(a)〜(c)に示すように、混合距離延長手段を作動させずに吸気流動増強手段を作動させて吸気流動を増強する状態、即ち、開閉弁13Aを開状態とすると共に開閉弁13Bを閉状態として混合距離が短い近混合部11Aから吸気路8に燃料ガスGを供給すると共に、スワール調整弁15を強スワール状態として燃焼室1に発生するスワールの強度を増強する状態で、混合気Mを燃焼室1に吸気して、当該混合気Mを燃焼室1において均質燃焼させるように構成されている。
そして、その濃混合気Rは、不均質燃焼運転と同様に、図3(b)に示すように、吸気行程の中間時期(90°ATDC)においては未だ燃焼室1に吸気されず、図3(c)に示すように、吸気行程の終了時期(BDC)よりも少し前の時期に燃焼室1に吸気されることになるが、スワール調整弁15が強スワール状態となることで燃焼室1には強いスワールが発生しているので、その強いスワールにより、燃焼室1に吸気された濃混合気Rは、その拡散が促進され、燃焼室1には均質な混合気Mが存在することになる。
そして、燃焼室1全体に、その均質な混合気Mを点火プラグ2により点火して燃焼させる所謂均質燃焼を行うことができ、例えば燃焼室1で燃焼される混合気Mの全体的な当量比を高くした場合においても、一部の混合気Mの当量比が過剰に高くなることによるNOxの排出を抑制することができる。
2:点火プラグ
3:シリンダ
4:シリンダヘッド
5:ピストン
6:吸気弁
7:排気弁
8:吸気路
9:排気路
10:ミキサ
11A,11B,11:混合部(混合距離延長手段)
12:燃料ガス供給路
13A,13B,13:開閉弁(混合距離延長手段)
15:スワール調整弁(吸気流動増強手段)
A:空気
E:排ガス
G:燃料ガス
M:混合気
Claims (4)
- 吸気路に設けられた混合部において空気に燃料ガスを所定圧力で供給して混合気を形成し、当該混合気を燃焼室に吸気して燃焼させるエンジンであって、
前記吸気路における前記混合部の前記燃焼室に対する相対距離である混合距離を延長可能な混合距離延長手段と、
前記燃焼室において前記吸気された混合気の流動である吸気流動を増強可能な吸気流動増強手段とを備え、
前記吸気流動増強手段を作動させずに前記混合距離延長手段を作動させて前記混合距離を延長し前記燃焼室で前記混合気を均質燃焼させる長混合均質燃焼運転と、前記混合距離延長手段を作動させずに前記吸気流動増強手段を作動させて前記吸気流動を増強し前記燃焼室で前記混合気を均質燃焼させる短混合均質燃焼運転との切換制御を実行する制御手段を備えたエンジン。 - 前記制御手段が、温間運転時において前記長混合均質燃焼運転を行い、冷間運転時において前記短混合均質燃焼運転を行う請求項1に記載のエンジン。
- 前記制御手段が、前記長混合均質燃焼運転と、前記短混合均質燃焼運転と、前記混合距離延長手段及び前記吸気流動増強手段を作動させずに前記燃焼室において前記混合気を不均質燃焼させる不均質燃焼運転との切換制御を実行するように構成されている請求項1又は2に記載のエンジン。
- 前記制御手段が、温間運転時の高エンジン負荷域において前記長混合均質燃焼運転を行い、温間運転時の低エンジン負荷域において前記不均質燃焼運転を行い、冷間運転時において前記短混合均質燃焼運転を行う請求項3に記載のエンジン。
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JP2000008913A (ja) * | 1998-06-18 | 2000-01-11 | Yanmar Diesel Engine Co Ltd | 火花点火機関の可変混合気濃度分布制御方法 |
JP2006207429A (ja) * | 2005-01-26 | 2006-08-10 | Osaka Gas Co Ltd | エンジン |
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