JP2008063353A - クレヨンとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベンジリデンソルビトール系のゲル化剤を用いると共に、着色剤としてカーボンブラックを用いてクレヨンを製造する際に、原料溶液のゲル化不良なしに、所要の硬度を有するクレヨンを安定して製造することができる方法を提供する。
【解決手段】有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させて、クレヨンを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、クレヨンとその製造方法に関する。詳しくは、本発明は、ベンジリデンソルビトール系のゲル化剤と共に着色剤としてカーボンブラックを用いてクレヨンを製造する際に、ゲル化不良を抑えて、所要の硬度を有するクレヨンを安定して製造することができるクレヨンの製造方法と、そのような製造方法によって得られるクレヨンに関する。
従来、クレヨンとして、着色剤、有機溶剤、樹脂成分及びゲル化剤を主成分としてなるものがよく知られており、なかでも、ベンジリデンソルビトール系のゲル化剤を用いてなるクレヨンが実用的にすぐれるとして広く用いられている。このようにベンジリデンソルビトール系のゲル化剤を用いてなるクレヨンは、例えば、適宜の有機溶剤に樹脂成分と着色剤を加えて溶解又は分散させて溶液とした後、この溶液に加熱下にゲル化剤を加え、溶解させて原料溶液とし、これを、例えば、円筒形の成形容器内に注入した後、冷却し、ゲル化(固化)させることによって製造されている(特許文献1参照)。
このようなクレヨンの製造方法において、これまで、カーボンブラックを着色剤とするとき、最終のゲル化工程において、原料溶液が往々にしてゲル化不良を起こして、安定してクレヨンを製造することができないことがあった。即ち、例えば、カーボンブラックと樹脂成分を有機溶剤中に溶解、分散させ、これに加熱下にベンジリデンソルビトール系のゲル化剤を溶解させて、原料溶液を調製し、場合によっては、ゲル化剤の溶解を維持するために、引き続き、上記原料溶液を加熱しながら、これを成形容器に注入し、冷却、ゲル化させるときに、ゲル化剤が機能せず、ゲル化不良が生じることが往々にしてあった。特に、上記原料溶液を長時間、加熱した場合に、ゲル化不良が生じることが多かった。
このように、原料溶液のゲル化に際して、ゲル化不良が起こったとき、得られるクレヨンは、所要の硬度をもたず、筆記したときに崩れやすいので、筆記し辛い問題がある。場合によっては、原料溶液がゲル化せず、クレヨンを得ることさえできない。他方、ゲル化剤を溶解させるための加熱時間が短いときは、有機溶剤中にゲル化剤を均一に溶解させることが困難であり、均質なクレヨンを得ることができない。
特公昭54−23619号公報
本発明は、ベンジリデンソルビトール系のゲル化剤を用いると共に、着色剤としてカーボンブラックを用いてクレヨンを製造する際の上述した問題を解決するためになされたものであって、原料溶液のゲル化不良なしに、所要の硬度を有するクレヨンを安定して製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させることからなるクレヨンの製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させて得られるクレヨンが提供される。
本発明によれば、5.0以上のpHを有するカーボンブラックを樹脂成分と共に有機溶剤に溶解、分散させた後、これに加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、これを成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させることによって、原料溶液のゲル化不良なしに、所要の硬度を有するクレヨンを安定して製造することができる。
本発明によるクレヨンの製造方法は、有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させることからなる。
本発明によるクレヨンの製造方法において、有機溶剤は、特に限定されるものではないが、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類及びグリコールエーテルエステル類よりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。このような好ましい有機溶剤の具体例としては、アルコール類として、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール等を挙げることができ、グリコール類として、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等を挙げることができ、グリコールエーテル類として、例えば、上記グリコール類のメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、フェニルエーテル等を挙げることができ、グリコールエーテルエステル類として、例えば、上記グリコールエーテル類のアセテート等を挙げることができる。
本発明においては、特に、これらのなかでも、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテール及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。
本発明において、上記有機溶剤は、着色剤等の成分との関係において適宜に定められるが、通常、20〜80重量%、好ましくは、30〜65重量%の範囲で用いられる。有機溶剤を過多に用いるときは、所要の各成分をまとめてゲル化することが困難となるおそれがある。他方、有機溶剤が少なすぎるときは、所要の各成分をこれに溶解させることが困難となり、均一なゲルを形成しないおそれがある。
本発明によるクレヨンの製造方法において、樹脂成分は、一般的には、その製造に際して、各成分をまとめる役割を果たすと共に、得られるクレヨンにおいて、筆記面上に筆記したとき、形成された筆跡の定着剤としての役割を果たす。本発明によるクレヨンの製造方法においては、このような樹脂成分として、好ましくは、フィルム形成性樹脂と接着性樹脂が併用される。
フィルム形成性樹脂は、詳しくは、得られるクレヨンの硬度を高めると共に、筆記面に形成された筆跡を強固にするためのものであって、そのような性質を有するものであれば、特に限定されるものではないが、なかでも、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合樹脂等のビニル樹脂等が好ましく用いられる。これらフィルム形成性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一方、接着性樹脂は、詳しくは、得られるクレヨンによる筆跡の筆記面への付着性を高めるためのものであって、そのような性質を有する限り、特に限定されるものではないが、通常、例えば、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、マレイン樹脂、テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂等が用いられる。更に、ロジンエステルや水添ロジンエステルも接着性樹脂と同等に用いられる。ケトン樹脂としては、例えば、シクロヘキサンとホルムアルデヒドとの縮合物を例示することができる。キシレン樹脂としては、例えば、メタキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物を例示することができる。ポリアミド樹脂としては、例えば、ダイマー酸とジ−又はポリアミンの縮重合によって得られる熱可塑性樹脂であって、分子量4000〜9000程度のものを例示することができる。アクリル樹脂としては、例えば、熱可塑性のポリアクリル酸エステルを例示することができる。これらの接着性樹脂も、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、上記フィルム形成性樹脂と接着性樹脂との割合は、他の成分との関係によって適宜に定められるが、通常、フィルム形成性樹脂:接着性樹脂フィルム形成用樹脂の重量比は1:0.1〜5程度、好ましくは、1:0.2〜3程度である。また、本発明において、上記フィルム形成性樹脂と接着性樹脂は、両者の合計量にて、クレヨンの重量に基づいて、通常、3〜40重量%の範囲、好ましくは、6〜35重量%の範囲で用いられる。本発明の方法において、樹脂成分の使用量が多すぎるときは、得られるクレヨンの硬度が高すぎて、着色性とレベリング性が悪く、他方、樹脂成分の使用量が少なすぎるときは、クレヨンの製造において、各成分を一体にまとめてゲル化することが困難となり、また、得られるクレヨンが十分な定着性や強度を有しない。
本発明において、ゲル化剤は、各成分を一体に固体にまとめるための成分であり、そのようなゲル化剤としては、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。
ジベンジリデンソルビトールの誘導体としては、例えば、ジベンジリデンソルビトールのベンジリデン基中のベンゼン核が任意の位置にて炭素数1〜3のアルキル基又はハロゲン原子で置換された化合物を例示することができ、具体例としては、〔ジ(p−メチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔ジ(m−エチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔ジ(p−クロルベンジリデン)〕ソルビトール等を挙げることができる。
トリベンジリデンソルビトールの誘導体としては、例えば、トリベンジリデンソルビトールのベンジリデン基中のベンゼン核が任意の位置にて炭素数1〜3のアルキル基又はハロゲン原子で置換された化合物を例示することができ、具体例としては、〔トリ(p−メチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔トリ(m−エチルベンジリデン)〕ソルビトール、〔トリ(p−クロルベンジリデン)〕ソルビトール等を挙げることができる。上記例示したゲル化剤は、単独で用いてもよく、また、2種以上を併用してもよい。
本発明によるクレヨンの製造方法において、ゲル化剤は、クレヨンの重量に基づいて、通常、2〜20重量%の範囲、好ましくは、3〜10重量%の範囲で用いられる。ゲル化剤の使用量が多すぎるときは、得られるクレヨンの硬度が高すぎて、筆記に際して、その着色性等が低下するので、好ましくなく、他方、ゲル化剤の使用量が少なすぎるときは、クレヨンの製造において、各成分を一体にまとめてゲル化することが困難となる。
本発明によるクレヨンの製造方法において用いるカーボンブラックは、pHが5.0以上であるものである。但し、本発明において用いるカーボンブラックは、単独にてpHが5.0以上であってもよく、また、2種類以上の混合物としてpHが5.0以上であってもよい。従って、例えば、本発明においては、5.0よりも小さいpHを有する第1のカーボンブラックと5.0以上のpHを有する第2のカーボンブラックを組み合わせてなり、全体として、pHが5.0以上であるカーボンブラックを用いることができる。特に、本発明において用いるカーボンブラックは、好ましくは、単独にてpHが6.0以上であるか、又は2種類以上の混合物としてpHが6.0以上のものである。
pHが5.0よりも小さいカーボンブラックを用いて原料溶液を調製するときは、そのような原料溶液は冷却時、ゲル化不良を起こしやすい。このように、本発明によれば、着色剤として、pHが5.0以上であるカーボンブラックを用いて原料溶液を調製し、そのような原料溶液をゲル化させることによって、ゲル化不良なしに、原料溶液をゲル化させることができ、かくして、所要の硬度を有するクレヨンを安定して製造することができる。
更に、本発明によれば、カーボンブラックと共に、実質的に中性である第3の着色剤を併用してもよい。そのような第3の着色剤としては、例えば、銅フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、スレン系、アゾ系、キナクリドン系、アンスラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリノン系、ペリレン系、インドレノン系、アゾ−アゾメチン系等のほか、酸化チタンやカーボンブラックや、更には、必要に応じて、酸化鉄、弁柄、酸化クロム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク等のような無機顔料、蛍光顔料、着色した樹脂粒子、アルミニウム粉のような金属粉顔料、所謂パール顔料等も用いられる。また、必要に応じて、種々の体質顔料も用いられる。しかし、本発明において、用い得る第3の着色剤は、これらに限定されるものではない。
本発明によれば、カーボンブラックは、クレヨンの重量に基づいて、2〜50重量%の範囲で用いられる。クレヨンにおけるカーボンブラックの量が2重量%よりも少ないときは、得られるクレヨンが十分な発色性をもたないこともある。しかし、カーボンブラックの量が50重量%を超えるときは、得られるクレヨンにおいて、カーボンブラック以外のその他の成分の相対的な割合が低すぎて、それぞれの果たすべき役割が十分に発揮されないので、性能にすぐれるクレヨンを得ることができない。また、クレヨンの製造に際しては、前述した原料溶液の粘度が高すぎて、成形容器への注入が困難となる。
本発明において、クレヨンにおけるカーボンブラックの好ましい配合量は、その種類によって幾分異なるが、通常、3〜40重量%の範囲であり、最も好ましくは、4〜10重量%の範囲である。
本発明によるクレヨンは、上述した成分に加えて、必要に応じて、その他の成分として、例えば、界面活性剤、可塑剤、防錆剤、充填剤、レベリング剤、粘度調整剤、構造粘性付与剤、乾燥性付与剤等、従来、クレヨンにおける添加剤として知られているものを適宜に用いてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸2−エチルヘキシル、セバシン酸2−エチルヘキシル、トリクレジルホスフェート等が好ましく用いられる。このような可塑剤は、クレヨンによる筆跡(塗膜)に柔軟性を与えるために用いられる。
本発明によるクレヨンは、上述した各成分を用いて、好ましくは、次のようにして製造される。即ち、必要に応じて加熱下に有機溶剤にpHが5.0以上であるカーボンブラックと、必要に応じて、第3の着色剤を加えて、攪拌、分散させた後、樹脂成分と、必要に応じて、その他の成分を加えて、溶解させ、このようにして得られた溶液を加熱しながら、これにゲル化剤を加え、溶解させて、原料溶液を得る。必要に応じて、引き続き、この原料溶液を加熱して、ゲル化剤の原料溶液への溶解を維持しつつ、この原料溶液を所望の形状を有する成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させれば、ゲル化不良なしに、そのような形状を有し、所要の硬度を有するクレヨンを安定して得ることができる。
本発明によれば、このようにして得られるクレヨンの硬度は、用いる有機溶剤、ゲル化剤、樹脂等の種類や配合量によって任意に調節することができ、その用途等に応じて適宜に設定されるが、通常、5〜50kg/cm程度、好ましくは、7〜30kg/cmの範囲である。
以下に本発明の実施例と共に比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、カーボンブラックのpHは、JIS K 5101に規定する顔料試験法(pH値)にて測定した。
実施例1
エチレングリコールモノブチルエーテル11.0重量部、プロピレングリコールn−ブチルエーテル19.0重量部及びジプロピレングリコールモノメチルエーテル20.0重量部からなる混合溶剤を30℃に加熱し、これにカーボンブラック(三菱化学(株)製30、pH8.0)5.0重量部を加え、分散させた。
次いで、このようにして得られたカーボンブラック分散液に30℃の温度でポリビニルブチラール樹脂((株)クラレ製MOWITAL B−20H、平均重合度度約300)13.0重量部とポリビニルブチラール樹脂((株)クラレ製MOWITAL B−30H、平均重合度度約500)6.0重量部とケトン樹脂(日立化成(株)製「ハイラック111」)12.0重量部とポリアミド樹脂(ヘンケル白水(株)製バーサミド335)3.0重量部を加え、溶解させた後、ブチルベンジルフタレート5.0重量部を溶解させた。
次いで、このようにして得られた樹脂とカーボンブラックを含有する溶液を130℃に加熱しながら、これにジベンジリデンソルビトール(新日本理化(株)製ゲル化剤「ゲルオールD」)6.0重量部を加えて、完全に溶解させて、原料溶液を得た。このようにして得た原料溶液を円筒状の成形容器に注入し、室温まで放冷し、ゲル化させて、固化物をクレヨンとして上記容器から取り出した。
実施例2
着色剤としてカーボンブラック(デグサ社製プリンテックスG、pH9.0)とその他の成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
実施例3
第1表に示す成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
比較例1
着色剤としてカーボンブラック(デグサ社製スペシャル・ブラック100、pH3.3)とその他の成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
比較例2
着色剤としてカーボンブラック(三菱化学(株)製MA220、pH3.0)とその他の成分を第1表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
比較例3
第1表に示す成分を第2表に示す量にて用いた以外は、実施例1と同様にして、クレヨンを得た。
以上のようにして、それぞれのクレヨンを製造した際に、樹脂成分とカーボンブラックその他の成分を含有する溶液にジベンジリデンソルビトールを加えた後、室温まで冷却したときから1時間又は3時間経過したときの原料溶液のゲル化の状態を目視にて評価し、原料溶液が円滑にゲル化して、所要の硬度を有するクレヨンを与えたときをAとし、原料溶液のゲル化が不十分であって、得られるクレヨンが柔らかすぎるときをBとし、原料溶液がゲル化せず、クレヨンが得られなかったときをCとした。結果を第1表に示す。
Figure 2008063353

Claims (4)

  1. 有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させることからなるクレヨンの製造方法。
  2. pHが5.0以上であるカーボンブラックが5.0よりも小さいpHを有する第1のカーボンブラックと5.0以上のpHを有する第2のカーボンブラックとからなるものである請求項1に記載のクレヨンの製造方法。
  3. 有機溶剤に樹脂成分とpHが5.0以上であるカーボンブラックを溶解、分散させた後、加熱下にジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール及びこれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のゲル化剤を溶解させて原料溶液を調製し、この原料溶液を成形容器に注入し、冷却し、ゲル化させて得られるクレヨン。
  4. pHが5.0以上であるカーボンブラックが5.0よりも小さいpHを有する第1のカーボンブラックと5.0以上のpHを有する第2のカーボンブラックとからなるものである請求項3に記載のクレヨン。

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