JP2008062469A - Hddサスペンション用積層体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波に伴うデータロスおよびクロストークを回避し、HDDの小型化・高容量化に対応可能で、且つ絶縁樹脂層の熱的寸法安定性にも優れ、導体層との間の接着性に優れているHDDサスペンション用積層体の製造方法を提供。
【解決手段】HDDサスペンション用積層体の製造方法は、ステンレス層に導体層aが積層してなる積層部材を選択する第一の工程と、該積層部材の導体層に、ガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)と、該樹脂層(A1)面に低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)と、更にその表面層としてガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)との少なくとも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体を形成する第二の工程と、厚さ5〜50μmの導体層bをポリイミド樹脂層(A2)に、樹脂層(A2)のガラス転移温度以上で加熱して、圧着する第三の工程と、を備えている。
【選択図】なし
【解決手段】HDDサスペンション用積層体の製造方法は、ステンレス層に導体層aが積層してなる積層部材を選択する第一の工程と、該積層部材の導体層に、ガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)と、該樹脂層(A1)面に低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)と、更にその表面層としてガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)との少なくとも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体を形成する第二の工程と、厚さ5〜50μmの導体層bをポリイミド樹脂層(A2)に、樹脂層(A2)のガラス転移温度以上で加熱して、圧着する第三の工程と、を備えている。
【選択図】なし
Description
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)サスペンション用積層体の製造方法に関するものである。
ハードディスクドライブ(以下、HDD)は、近年のパーソナルコンピュータの需要増加や家電、カーナビ等の各種アプリケーションへの新規搭載などに伴い、その生産量が軒並み増加している。またHDDは今後大容量化や小型化が進むと予想され、HDDにおいて磁気を読み取るフレクシャーブランクを構成するサスペンション(以下、HDDサスペンション)部分は、小型化及び配線の多線化、細線化が進んでいる。高容量化が進むに従い従来使用されてきたワイヤタイプのサスペンションから、記憶媒体であるディスクに対し浮力と位置精度が安定した配線一体型のサスペンションへと大半が置き換わっている。配線一体型サスペンションの中で、TSA(トレース サスペンション アッセンブリ)法と呼ばれるステンレス箔−ポリイミド樹脂−銅箔の積層体をエッチング加工により所定の形状に加工するタイプがある。
TSA方式サスペンションは高強度を有する合金銅箔を積層することによって、容易にフライングリードを形成させる。これは、形状加工での自由度が高いことや比較的安価で寸法精度が良いことから幅広く使用されている。例えば、ステンレス基体上にポリイミド系樹脂層及び導体層を逐次形成したHDDサスペンション用積層体が開示されている(特許文献1を参照)。しかしながら、このような単純な積層体構造では、高容量化にしたがってデータを高密度化するために高周波化が進み、高周波信号のロスが大きくなるという問題が生じる。また、小型化による微細配線化に伴う配線間の狭幅化によってクロストークと呼ばれる配線間のレスポンスエラーを引き起こすおそれがある。
また、マイクロストリップ構造での隣接パターンのクロストークノイズによる誤作動を回避するための多層プリント配線板の構造及び製造方法が開示されている(特許文献2を参照)。また、ステンレス層−銅層−液晶ポリマー層−銅層の積層体が開示されている(特許文献3を参照)。しかしながら、液晶ポリマー層は絶縁樹脂層として耐熱性が低く、熱的寸法安定性が十分ではないとされる。
また、マイクロストリップ構造での隣接パターンのクロストークノイズによる誤作動を回避するための多層プリント配線板の構造及び製造方法が開示されている(特許文献2を参照)。また、ステンレス層−銅層−液晶ポリマー層−銅層の積層体が開示されている(特許文献3を参照)。しかしながら、液晶ポリマー層は絶縁樹脂層として耐熱性が低く、熱的寸法安定性が十分ではないとされる。
本発明の目的は、上記の問題点を鑑みて、高周波に伴うデータロスおよびクロストークを回避し、HDDの小型化・高容量化に対応可能で、且つ絶縁樹脂層の熱的寸法安定性にも優れ、導体層との間の接着性に優れているHDDサスペンション用積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、絶縁樹脂層を3層以上の異なるポリイミド樹脂層とすること、そして、その絶縁樹脂層の両面に導体層を積層することで、高周波に伴うデータロスおよびクロストークを回避し、更に絶縁樹脂層の層構成を制御することで、熱的寸法安定性と導体層との密着性を向上させることが出来ることを見出し、上記課題を解決したものである。
即ち、本発明は以下の構成又は構造を特徴とするものである。
即ち、本発明は以下の構成又は構造を特徴とするものである。
第1の発明は、ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材であって、ステンレス層が10〜50μmの厚みであり、導体層aが0.1〜10μmである積層部材を選択する第一の工程と、該積層部材の導体層aに、ポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)となる層を形成し、該樹脂層(A1)となる層面にポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)となる層を形成し、表面層としてポリイミド又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)となる層を形成した後、硬化又はイミド化を行い、少なくも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体とする第二の工程と、厚さ5〜50μmの導体層bを前記ポリイミド樹脂層(A2)に重ね合わせ、ポリイミド樹脂層(A2)のガラス転移温度以上で加熱して、加圧下で熱圧着する第三の工程と、を備えたHDDサスペンション用積層体の製造方法を特徴とする。
第2の発明は、厚さ5〜50μmの導体層bを選択する第一の工程と、該導体層bに、ポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)となる層を形成し、該樹脂層(A2)となる層面にポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)となる層を形成し、表面層としてポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)となる層を形成した後、硬化又はイミド化を行い、少なくも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体とする第二の工程と、ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材であって、ステンレス層が10〜50μmの厚みであり、導体層aが0.1〜10μmの厚みである積層部材を用意し、該積層部材の導体層aと前記積層体のポリイミド樹脂層(A1)とを重ね合わせ、ポリイミド樹脂層(A1)のガラス転移温度以上に加熱して、加圧下で熱圧着する第三の工程と、を備えたHDDサスペンション用積層体の製造方法を特徴とする。
第3の発明は、ステンレス層、導体層a、絶縁樹脂層、及び導体層bがこの順序で重ね合わさって形成されているHDDサスペンション用積層体であって、ステンレス層が厚み10〜50μmであり、導体層aが導電率10〜100%IACSの範囲の厚み0.1〜10μmであり、導体層bが厚み5〜10μmの電解銅箔であり、絶縁樹脂層が厚み5〜50μmの少なくとも3層のポリイミド樹脂層からなり、且つ少なくとも1層のポリイミド樹脂層が線熱膨張係数1×10-6〜30×10-6(1/K)のポリイミド樹脂層(B)であって、少なくとも2層のポリイミド樹脂層がガラス転移温度350℃以下のポリイミド樹脂層(A)であり、且つポリイミド樹脂層(A)は導体層a及び導体層bと接するポリイミド樹脂層(A1)又は(A2)であるHDDサスペンション用積層体を特徴とする。
また、第1〜第3の発明において、以下の構成又は構造を特徴とすることが好ましい。
また、第1〜第3の発明において、以下の構成又は構造を特徴とすることが好ましい。
導体層aとポリイミド樹脂層(A1)との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ導体層bとポリイミド樹脂層(A2)との接着強度が0.5kN/m以上であることが好ましい。
導体層aが銅又は銅合金であることが好ましい。
導体層aのポリイミド樹脂層側の表面が、表面粗さRa0.1〜1.0μmであることが好ましい。
ポリイミド樹脂層の全体の厚みが、5〜50μmであることが好ましい。
導体層bが厚さ5〜10μmの電解銅箔であることが好ましい。
導体層bにおける熱圧着後の引張強度が350MPa以上となる電解銅箔であることが好ましい。
導体層aが銅又は銅合金であることが好ましい。
導体層aのポリイミド樹脂層側の表面が、表面粗さRa0.1〜1.0μmであることが好ましい。
ポリイミド樹脂層の全体の厚みが、5〜50μmであることが好ましい。
導体層bが厚さ5〜10μmの電解銅箔であることが好ましい。
導体層bにおける熱圧着後の引張強度が350MPa以上となる電解銅箔であることが好ましい。
本発明のHDDサスペンション用積層体の製造方法及びその積層体によれば、バネ材として作用するステンレス層にアース層として均一に導体層aを敷設するため、高周波に伴うデータロス及びクロストークを回避し、HDDの小型化・高容量化に対応可能なHDDサスペンション用積層体とすることができる。また、導体層との間で生じる課題である熱的寸法安定性と導体層との接着性の両面においても優れ、品質的に安定したHDDサスペンション用積層体とすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の製造方法では、ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材を使用する。ステンレス層は、特に制約はないが、ばね特性や寸法安定性の観点から、ステンレス箔、具体的にはSUS304が好ましく、300℃以上の温度でアニール処理されたSUS304が特に好ましい。用いられるステンレス層の厚さは10μm〜50μmの範囲であるが、好ましくは18μm〜30μmの範囲である。ステンレス層の厚みが10μmに満たないと、スライダの浮上量を十分に抑えるバネ性を確保できない。一方、50μmを越えると剛性が大きくなりすぎ、搭載されるスライダの低浮上化が困難とない。
本発明の製造方法では、ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材を使用する。ステンレス層は、特に制約はないが、ばね特性や寸法安定性の観点から、ステンレス箔、具体的にはSUS304が好ましく、300℃以上の温度でアニール処理されたSUS304が特に好ましい。用いられるステンレス層の厚さは10μm〜50μmの範囲であるが、好ましくは18μm〜30μmの範囲である。ステンレス層の厚みが10μmに満たないと、スライダの浮上量を十分に抑えるバネ性を確保できない。一方、50μmを越えると剛性が大きくなりすぎ、搭載されるスライダの低浮上化が困難とない。
導体層aは、10〜100%IACSの範囲の導電率を有する金属層であり、このような金属層としては、銅又は銅合金であることが好ましい。導電率が10%IACS未満であるとクロストークを抑えきることができなくなり、誤作動の原因となる。なお、導電率(%IACS)は、万国標準軟銅(International Annnealed Copper Standard)を4探針法によって測定したときの導電率を100%としたときの各素材の導電率を%で表したものである。100%IACSは1.7241×10-8Ω・mに相当する。また、導体層aの厚さは0.1〜10μmである。0.1μmより小さいとノイズ低減効果が発現しにくくなり、また10μmを超えると均一な厚さの層が得られにくくなり、品質のばらつきが発生する。
また、導体層aと絶縁層と接する面の表面粗さRaは0.1μm〜1.0μmにすることが望ましい。この範囲未満であると絶縁層との接着力が低下してくる。またこの範囲を超えてくると均一なノイズ低減効果が得られ難くなってくる。尚、上記Raは、表面粗さにおける算術平均粗さ(JIS B 0601−1994)を示す。
また、導体層aと絶縁層と接する面の表面粗さRaは0.1μm〜1.0μmにすることが望ましい。この範囲未満であると絶縁層との接着力が低下してくる。またこの範囲を超えてくると均一なノイズ低減効果が得られ難くなってくる。尚、上記Raは、表面粗さにおける算術平均粗さ(JIS B 0601−1994)を示す。
本発明で使用する積層部材は、ステンレス層面に導体層aが積層するものであるが、ステンレス層と導体層aの間に中間層を有してもよい。中間層を有する場合は、ステンレス層と導体層aの密着性及び熱的寸法安定性を確保できる層であることが好ましく、このような中間層としては、クロム、モリブデン、ニッケル、ケイ素及びその混合物からなる無機系の層又はポリイミド樹脂等の有機系の層が挙げられる。ステンレス層の上に導体層aが積層する積層部材として、特に好ましいものは、ステンレス層にめっき処理を施す等の方法で導体層aを形成したもの、又はステンレス層に導体層aを圧接することで接合したものである。これらは、簡便でコスト面からも有利である。ステンレス層にめっき処理を施すことによって導体層aを形成する場合、めっき処理前のステンレス層の表面処理として、クロム、モリブデン、ニッケル、ケイ素及びその混合物からなる層を電解めっき又は蒸着等の手段で設けることができる。
本発明では、多層のポリイミド樹脂層の形成を、ポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を、導体層a(又は導体層b)の上に塗布・乾燥する操作を繰り返す方法によって行う。本発明で製造できるHDDサスペンション用積層体の層構造の代表例を示せば、(1)〜(4)のようなものが挙げられるがこれに限定されない。
(1)〜(4)において、ガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(A)であり、線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱膨張性ポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(B)である。そして、下記層構造において、M1は導体層a(又は導体層b)であり、M2は導体層b(又は導体層a)であり、(A1)はガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A)であってM1と接する層であり、(A2)はポリイミド樹脂層(A)であってM2と接する層であることを意味する。
(1)〜(4)において、ガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(A)であり、線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱膨張性ポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(B)である。そして、下記層構造において、M1は導体層a(又は導体層b)であり、M2は導体層b(又は導体層a)であり、(A1)はガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A)であってM1と接する層であり、(A2)はポリイミド樹脂層(A)であってM2と接する層であることを意味する。
(1)M1/(A1)/(B)/(A2)/M2
(2)M1/(A1)/(B1)/(B2)/(A2)/M2
(3)M1/(A1)/(B1)/(A3)/(B2)/(A2)/M2
(4)M1/(A1)/(B1)/(C)/(B2)/(A2)/M2
(2)M1/(A1)/(B1)/(B2)/(A2)/M2
(3)M1/(A1)/(B1)/(A3)/(B2)/(A2)/M2
(4)M1/(A1)/(B1)/(C)/(B2)/(A2)/M2
ガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A)は、少なくとも2層有する。M1に接するポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(A1)とし、M2に接するポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(A2)とする。中間層に存在する場合は、M1に近い層から順にポリイミド樹脂層をポリイミド樹脂層(A3)、(A4)等とする。低熱膨張性ポリイミド樹脂層(B)は、ポリイミド樹脂層(A1)とポリイミド樹脂層(A2)の中間に存在し、(3)及び(4)の構造のように2層以上存在してもよい。2層以上存在する場合、M1に近い層から順に(B1)、(B2)等とする。これらのポリイミド樹脂層(A)である(A1)、(A2)及び(A3)、並びにポリイミド樹脂層(B)である(B1)及び(B2)は、それぞれ材質、厚みが同一の材料であってもよく、一方のみが異なる材料であってもよく、両者が異なる材料であってもよい。また、ポリイミド樹脂層(A)及びポリイミド樹脂層(B)のいずれにも該当しないその他のポリイミド樹脂層(C)も使用できる。
本発明の製造方法では、ポリイミド溶液又は前駆体溶液の塗布によってポリイミド樹脂層を形成することを特徴とする。このため、形成ポリイミド樹脂層の厚みの制御が容易である。また、本発明で製造できるHDDサスペンション用積層体におけるポリイミド樹脂層の総厚みは5〜50μmの範囲が好ましい。より好ましくは5〜20μmである。ポリイミド樹脂層の全体の厚みが、5μm未満では電気的な絶縁の信頼性が低下する傾向にあり、一方、50μmを越えるとポリイミド樹脂層を形成させる際に乾燥効率が低下する傾向にある。
本発明のポリイミド樹脂は、ポリイミド樹脂層(A)及び(B)を構成するポリイミド樹脂を含めて、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂を挙げることができる。ポリイミド樹脂はジアミンと酸無水物を使用して、有機溶媒中で反応させることにより合成する方法が適する。この場合、ジアミンと酸無水物を説明することによって、ポリイミド樹脂が理解される。
本発明で使用するガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂は、公知のポリイミド樹脂を使用することができる。ポリイミド樹脂層(A)のガラス転移温度は350℃以下である必要があるが、好ましくは200〜320℃である。
このポリイミド樹脂層(A)を構成するポリイミド樹脂を合成するために使用される好ましいジアミンとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン(DANPG)、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)、パラフェニレンジアミン(p−PDA)、3,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(
DAPE44)から選ばれる1種以上のジアミンがある。また、好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物(DSDA)から選ばれる1種以上の酸無水物がある。上記ジアミン及び酸無水物については、それぞれその1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することで、極薄銅箔との接着性が向上する。
ジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(
DAPE44)から選ばれる1種以上のジアミンがある。また、好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテ
トラカルボン酸二無水物(DSDA)から選ばれる1種以上の酸無水物がある。上記ジアミン及び酸無水物については、それぞれその1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することで、極薄銅箔との接着性が向上する。
本発明で使用する線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱膨張性ポリイミド樹脂層(B)を構成するポリイミド樹脂は、公知の低熱膨張性ポリイミド樹脂を使用することができる。ポリイミド樹脂層(B)の線熱膨張係数は1×10-6 〜30×10-6(1/K)である必要があるが、好ましくは1×10-6〜25×10-6(1/K)であり、更に好ましくは1×10-6〜20×10-6(1/K)である。
このポリイミド樹脂層(B)を構成するポリイミド樹脂の合成に使用される好ましいジアミンとしては、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル(m
−TB)、4,4’−ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド(MABA)、3
,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル(DAPE44)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル(BAPB)から選ばれる1種以上のジアミンがある。好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から選ばれる1種以上の酸無水物がある。ジアミン及び酸無水物については、それぞれその1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することで、熱的寸法安定性が保てる。
−TB)、4,4’−ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド(MABA)、3
,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DAPE34)、4,4’−ジアミノジフ
ェニルエーテル(DAPE44)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフ
ェニル(BAPB)から選ばれる1種以上のジアミンがある。好ましい酸無水物としては、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)から選ばれる1種以上の酸無水物がある。ジアミン及び酸無水物については、それぞれその1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。上記のジアミン及び酸無水物を使用することで、熱的寸法安定性が保てる。
ポリイミド樹脂又は前駆体樹脂の合成に使用する溶媒については、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、n−メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、これらの1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
合成されたポリイミド樹脂又は前駆体樹脂は溶液とされて使用される。通常、反応溶媒溶液として使用することが有利であるが、必要により濃縮、希釈又は他の有機溶媒に置換することができる。また、ポリイミド前駆体樹脂は一般に溶媒可溶性に優れるので、有利に使用される。これらの樹脂溶液は導体層a(又は導体層b)上に所定の層構造を形成するように順次塗布、乾燥される。層厚みは、ポリイミド樹脂層(B)が全体の50%以上、好ましくは70%以上であることが好ましい。ポリイミド樹脂層(A)は導体層a(又は導体層b)との接着性を確保できる厚みであればよく、全体の0.5〜50%、好ましくは1〜30%の範囲内での厚みを確保することがよい。
導体層a(又は導体層b)上にポリイミド溶液(又は前駆体樹脂溶液)を塗布し、乾燥する操作を繰り返して所定層のポリイミド樹脂層(又は前駆体樹脂層)を形成させたのちは、未硬化のポリイミド樹脂(又は前駆体樹脂)を硬化(又はイミド化)させるため通常、150℃以上の温度に加熱する。硬化(又はイミド化)が終了して得られる積層体は次の工程に付せられる。
積層体の表面にあるポリイミド樹脂層(A2)に接するように導体層b(又は導体層a)を重ね合わせ、積層体と導体層b(又は導体層a)を加圧下で熱圧着して、HDDサスペンション用積層体を得る。
熱圧着の方法は特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。積層体の樹脂層(A2)とステンレス箔を張り合わせる方法としては、通常のハイドロプレス、真空タイプのハイドロプレス、オートクレーブ加圧式真空プレス、連続式熱ラミネータ等を挙げることができる。ステンレス箔を張り合わせる方法の中でも、十分なプレス圧力が得られ、残存揮発分の除去も容易に行え、更に導体の酸化を防止することができるという観点から真空ハイドロプレス、連続式熱ラミネータを用いることが好ましい。また、このようにしてステンレス箔を張り合わせる際には、ポリイミド樹脂層(A2)のガラス転移温度以上に加熱して熱圧着できるが、熱圧着の際の加熱温度は、ポリイミド樹脂層(A2)のガラス転移温度より20℃以上高く、400℃以下とすることが好ましい。ポリイミド樹脂層(A2)のガラス転移温度より20℃以上高くすることで、ポリイミド樹脂皮膜の配向性が向上し、平面性の良いHDDサスペンション用積層体が得られ易い。400℃を超えてくるとポリイミド樹脂の熱分解が徐々に起こり始めるため好ましくない。また、プレス圧力については、使用するプレス機器の種類にもよるが、通常、100〜150kgf/cm2程度が適当である。
本発明によって製造されるHDDサスペンション用積層体は、導体層a(又は導体層b)とポリイミド樹脂層(A1)との接着強度は好ましくは0.5kN/m以上、特に好ましくは0.8kN/m以上である。また、導体層b(又は導体層a)とポリイミド樹脂層(A2)との接着強度は好ましくは0.5kN/m以上、特に好ましくは0.8kN/m以上である。なお、ここで接着強度とは、金属箔1mm幅90°引き剥がし法(JIS C6471)を示す。
本発明における導体層bは、好ましくは導電性の高い銅箔又は一部に他の金属を含有する合金銅箔がよい。このような導体層bは、銅含有率が90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上のものである。銅箔が含有している金属としては、クロム、ジルコニウム、ニッケル、シリコン、亜鉛、ベリリウム等を挙げることができる。また、これらの金属が2種類以上含有される合金箔であっても良い。また、導体層bはその厚みが5〜50μmであり、好ましくは5〜20μm、更に好ましくは5〜10μmである。導体層bの厚みが5〜10μmである場合、導体層bは電解銅箔であることがよい。電解銅箔は高導電性のものが多く、特に、厚みが5〜10μmである場合に生じる傾向にある電気抵抗による熱発散を低く抑えることができ、この結果としてインピータンスを制御しやすい。これらの好ましい範囲は、いずれも、本発明によって製造されるHDDサスペンション用積層体の導体層の厚みを、一般的なHDDサスペンションの厚みの範囲内とするためのものである。
導体層bが厚さ5〜10μmの電解銅箔であるときには、導体層bは第三の工程における熱圧着後の引張強度が350MPa以上であることが好ましく、特に好ましくは380MPa、更に好ましくは400MPaである。熱圧着後の導体層bの引張強度が350MPaに満たないと、フライングリードを形成した場合に十分な銅箔強度が得られにくく断線等の問題が発生しやすい。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施例において特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
[厚みの測定]
積層体を幅10mm×長さ305mmの短冊試験片に切り出し、ダイヤルゲージ(Mitutoyo製)を用いて、長さ方向に10mm間隔で30点厚みを測定した。
積層体を幅10mm×長さ305mmの短冊試験片に切り出し、ダイヤルゲージ(Mitutoyo製)を用いて、長さ方向に10mm間隔で30点厚みを測定した。
[線熱膨張係数の測定]
線熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱線膨張係数)を算出した。
線熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(熱線膨張係数)を算出した。
[接着強度の測定方法]
導体層aと絶縁層と間の接着力については、HDDサスペンション用積層体のステンレス層および導体層aに幅3.2mmの直線状のパターンニングを施し、導体層bはそのままにして測定用試験片を作成し、これを固定板に貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、上記直線状パターンの90°引き剥がし強さを測定した。また、導体層bと絶縁層と間の接着力については、導体層bを幅3.2mmの直線状にパターンニングし、ステンレス層と導体層aはそのままにして測定用試験片を作成し、上記と同様にして導体層bと絶縁層との90°引き剥がし強さを測定した。
導体層aと絶縁層と間の接着力については、HDDサスペンション用積層体のステンレス層および導体層aに幅3.2mmの直線状のパターンニングを施し、導体層bはそのままにして測定用試験片を作成し、これを固定板に貼り付け、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、上記直線状パターンの90°引き剥がし強さを測定した。また、導体層bと絶縁層と間の接着力については、導体層bを幅3.2mmの直線状にパターンニングし、ステンレス層と導体層aはそのままにして測定用試験片を作成し、上記と同様にして導体層bと絶縁層との90°引き剥がし強さを測定した。
[引張強度の測定]
幅12.7mm×長さ254mmの短冊形状に試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−R1)を用いて、クロスヘッドスピード50mm/分、チャック間距離50.8mmにて測定を行う。引張試験中の変位(伸び)を求め、SS曲線から0.2%耐力を算出した。
幅12.7mm×長さ254mmの短冊形状に試験片を切り出し、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−R1)を用いて、クロスヘッドスピード50mm/分、チャック間距離50.8mmにて測定を行う。引張試験中の変位(伸び)を求め、SS曲線から0.2%耐力を算出した。
[ガラス転移温度の測定]
粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)
を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
粘弾性アナライザ(レオメトリックサイエンスエフィー株式会社製RSA−II)
を使って、10mm幅のサンプルを用いて、1Hzの振動を与えながら、室温から400℃まで10℃/分の速度で昇温した際の、損失正接(Tanδ)の極大から求めた。
[クロストーク評価方法]
先ず、導体層bに写真蝕刻技術を用いて線幅、線間ともに25μm幅のリード線を作成し、HDD用基板の情報を読み書きする為の磁気書き込み用装置、磁気読み取り用装置を装着したHDD用フレクシャーを作成する。次に、上記磁気書き込み用回路に周波数を自由に変更できる発信機(東陽テクニカ製:周波数応答アナライザ1260型、エヌエフ回路設計ブロック:周波数特性分析器 FRA5096)を接続し、一方の端から1Hzから15MHzまで周波数を変えながら交流電圧を印加し、他方から出力される電圧を測定し、出力電圧印加電圧の比率を算出し、印加電圧の減衰が認められなかった場合をクロストーク無しとし、減衰が認められた場合をクロストーク有りとした。
先ず、導体層bに写真蝕刻技術を用いて線幅、線間ともに25μm幅のリード線を作成し、HDD用基板の情報を読み書きする為の磁気書き込み用装置、磁気読み取り用装置を装着したHDD用フレクシャーを作成する。次に、上記磁気書き込み用回路に周波数を自由に変更できる発信機(東陽テクニカ製:周波数応答アナライザ1260型、エヌエフ回路設計ブロック:周波数特性分析器 FRA5096)を接続し、一方の端から1Hzから15MHzまで周波数を変えながら交流電圧を印加し、他方から出力される電圧を測定し、出力電圧印加電圧の比率を算出し、印加電圧の減衰が認められなかった場合をクロストーク無しとし、減衰が認められた場合をクロストーク有りとした。
次に、以下の実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。本発明はこれに限定されないことは勿論である。なお、本実施例に用いた略号は上記されているとおりである。
(合成例1)
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら29.5gのAPB(0.1モル)を367gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で9.1gのPMDA(0.04モル)及び20.2gのBTDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Aを得た。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら29.5gのAPB(0.1モル)を367gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で9.1gのPMDA(0.04モル)及び20.2gのBTDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Aを得た。
(合成例2)
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら20.7gのMABA(0.08モル)を343gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で28.5gのPMDA(0.13モル)及び10.3gのDAPE44(0.05モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Bを得た。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら20.7gのMABA(0.08モル)を343gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で28.5gのPMDA(0.13モル)及び10.3gのDAPE44(0.05モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Bを得た。
(合成例3)
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら30.3gのDANPG(0.1モル)を352gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で9.3gのPMDA(0.04モル)及び20.5gのBTDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Cを得た。
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら30.3gのDANPG(0.1モル)を352gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液を窒素気流中で9.3gのPMDA(0.04モル)及び20.5gのBTDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂液Cを得た。
(作製例1)
新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み20μm)の片面にレジストを張り、めっき浴槽中に流し、電圧及び処理時間を調整して銅めっき層を形成し、銅めっき層の表面粗度Raが0.50μmであって、片面に銅めっき層(導体層a:厚み1.0μm、導電率100%IACS)が付いた銅めっき層付ステンレス箔Aを作製した。
新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み20μm)の片面にレジストを張り、めっき浴槽中に流し、電圧及び処理時間を調整して銅めっき層を形成し、銅めっき層の表面粗度Raが0.50μmであって、片面に銅めっき層(導体層a:厚み1.0μm、導電率100%IACS)が付いた銅めっき層付ステンレス箔Aを作製した。
(実施例1)
合成例1の樹脂液Aを作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき層(導体層a)側に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、さらにその層に合成例3の樹脂液Cを塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A2を有した積層体A’を得た。
合成例1の樹脂液Aを作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき層(導体層a)側に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、さらにその層に合成例3の樹脂液Cを塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A2を有した積層体A’を得た。
次に、上記の方法により得られた積層体A’の樹脂層側と、銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、HDDサスペンション用積層体Aを得た。このときのポリイミド樹脂層の総厚みは10μmであり、樹脂層A1、A2のガラス転移温度はそれぞれ218℃、220℃、樹脂層B1の熱線膨張係数は14.6×10-6(1/K)であった。銅めっき層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであり、銅箔とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであった。
HDDサスペンション用積層体Aのクロストークの発生について評価したが、クロストーク無しであった。結果を表1に示す。
HDDサスペンション用積層体Aのクロストークの発生について評価したが、クロストーク無しであった。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において樹脂液Cの代わりに樹脂液Aを用いた以外は実施例1と同様にしてHDDサスペンション用積層体B(ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A1、銅箔)を得た。得られたHDDサスペンション用積層体Bについての接着強度を測定した。
HDDサスペンション用積層体Bのクロストークの発生について評価した。結果を表1に示す。
実施例1において樹脂液Cの代わりに樹脂液Aを用いた以外は実施例1と同様にしてHDDサスペンション用積層体B(ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A1、銅箔)を得た。得られたHDDサスペンション用積層体Bについての接着強度を測定した。
HDDサスペンション用積層体Bのクロストークの発生について評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
合成例3の樹脂液Cを銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、さらにその層に合成例1の樹脂液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、銅箔、樹脂層A2、B1、A1を有した積層体C’を得た。
合成例3の樹脂液Cを銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、さらにその層に合成例1の樹脂液Aを塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、銅箔、樹脂層A2、B1、A1を有した積層体C’を得た。
次に、上記の方法により得られた積層体C’の樹脂層側と、作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき層(導体層a)側とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、HDDサスペンション用積層体Cを得た。このときのポリイミド樹脂層の総厚みは10μmであり、樹脂層A1、A2のガラス転移温度はそれぞれ218℃、220℃、樹脂層B1の熱線膨張係数は14.6×10-6(1/K)であった。銅めっき層とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであり、銅箔とポリイミド樹脂層との接着強度は1.2kN/mであった。
HDDサスペンション用積層体Cのクロストークの発生について評価したが、クロストーク無しであった。結果を表1に示す。
HDDサスペンション用積層体Cのクロストークの発生について評価したが、クロストーク無しであった。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例3において樹脂液Cの代わりに樹脂液Aを用いた以外は実施例3と同様にしてHDDサスペンション用積層体D(ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A1、銅箔)を得た。得られたHDDサスペンション用積層体Dについての接着強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Dのクロストークの発生について評価した。結果を表1に示す。
実施例3において樹脂液Cの代わりに樹脂液Aを用いた以外は実施例3と同様にしてHDDサスペンション用積層体D(ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1、A1、銅箔)を得た。得られたHDDサスペンション用積層体Dについての接着強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Dのクロストークの発生について評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(日本電解株式会社製、USLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例1と同様にしてHDDサスペンション用積層体Eを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Eについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Eのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
実施例1において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(日本電解株式会社製、USLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例1と同様にしてHDDサスペンション用積層体Eを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Eについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Eのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
(実施例6)
実施例2において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、NA−VLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例2と同様にしてHDDサスペンション用積層体Fを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Fについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Fのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
実施例2において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、NA−VLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例2と同様にしてHDDサスペンション用積層体Fを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Fについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Fのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
(実施例7)
実施例3において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(日本電解株式会社製、USLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例3と同様にしてHDDサスペンション用積層体Gを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Gについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Gのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
実施例3において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(日本電解株式会社製、USLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例3と同様にしてHDDサスペンション用積層体Gを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Gについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Gのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
(実施例8)
実施例4において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、NA−VLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例4と同様にしてHDDサスペンション用積層体Hを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Hについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Hのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
実施例4において導体層bとして銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)の代わりに電解銅箔(三井金属鉱業株式会社製、NA−VLP、銅箔厚み9μm、導電率95%)を用いた以外は実施例4と同様にしてHDDサスペンション用積層体Hを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Hについての接着強度、導体層bの引張強度を測定した。更に、HDDサスペンション用積層体Hのクロストークの発生について評価した。結果を表2に示す。
(比較例1〜4)
各実施例1、3、5及び7において、銅めっき層付ステンレス箔Aの代わりに新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み20μm)を用いて、各HDDサスペンション用積層体I〜Lを得た(比較例1〜4)。得られたHDDサスペンション用積層体I〜Lについて、実施例と同様にして測定・評価した結果を表3に示す。
各実施例1、3、5及び7において、銅めっき層付ステンレス箔Aの代わりに新日本製鐵株式会社製のステンレス箔(SUS304、テンションアニール処理品、ステンレス厚み20μm)を用いて、各HDDサスペンション用積層体I〜Lを得た(比較例1〜4)。得られたHDDサスペンション用積層体I〜Lについて、実施例と同様にして測定・評価した結果を表3に示す。
(比較例5)
合成例1の樹脂液Aを作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき層(導体層a)側に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成した後、さらにその塗工層上に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1を有した積層体を得た。
合成例1の樹脂液Aを作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき層(導体層a)側に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A1を形成した後、さらにその塗工層上に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、ステンレス箔、銅めっき層、樹脂層A1、B1を有した積層体を得た。
次に、上記の方法により得られた積層体の樹脂層側と、銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、HDDサスペンション用積層体Mを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Mについて、接着強度にして測定・評価した結果を表4に示す。
(比較例6)
合成例3の樹脂液Cを銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、銅箔、樹脂層A2、B1を有した積層体を得た。
合成例3の樹脂液Cを銅箔(日鉱金属株式会社製、NK−120、銅箔厚み12μm、強度556MPa、導電率79%)に塗工し、130℃で5分間乾燥して塗工層A2を形成した後、さらにその層に合成例2の樹脂液Bを塗工し、130℃で10分間乾燥して塗工層B1を形成し、15分かけて360℃まで昇温させることによりイミド化反応を行って、銅箔、樹脂層A2、B1を有した積層体を得た。
次に、上記の方法により得られた積層体の樹脂層側と、作製例1の銅めっき層付ステンレス箔Aの銅めっき(導体層a)側とを重ね合わせ、真空プレス機を用いて、面圧150kg/cm2、温度320℃、プレス時間20分の条件で加熱圧着することで、HDDサスペンション用積層体Nを得た。得られたHDDサスペンション用積層体Nについて、接着強度にして測定・評価した結果を表4に示す。
表1において「樹脂−導体a」は絶縁層と導体層aとの間の接着強度を表し、「樹脂−導体b」は絶縁層と導体層bとの間の接着強度を表す(表2−4においても同様)。また、表1において「導体層a側」は導体層aに接する絶縁層のガラス転移温度を表し、「導体層b側」は導体層bに接する絶縁層のガラス転移温度を表す(表2においても同様)。また、表3において「樹脂−SUS」は絶縁層とステンレス層との間の接着強度を表し、「樹脂−導体b」は絶縁層と導体層bとの間の接着強度を表す。「SUS側」はステンレス箔層に接する絶縁層のガラス転移温度を表し、「導体層b側」は導体層bに接する絶縁層のガラス転移温度を表す。
本発明のHDDサスペンション用積層体の製造方法及びその積層体は、高周波に伴うデータロスおよびクロストークを回避し、HDDの小型化・高容量化に対応可能で、且つ絶縁樹脂層の熱的寸法安定性にも優れ、導体層との間の接着性に優れた産業上利用可能性のあるものである。
Claims (13)
- ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材であって、ステンレス層が10〜50μmの厚みであり、導体層aが0.1〜10μmである積層部材を選択する第一の工程と、該積層部材の導体層aに、ポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)となる層を形成し、該樹脂層(A1)となる層面にポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)となる層を形成し、表面層としてポリイミド又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)となる層を形成した後、硬化又はイミド化を行い、少なくも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体とする第二の工程と、厚さ5〜50μmの導体層bを前記ポリイミド樹脂層(A2)に重ね合わせ、ポリイミド樹脂層(A2)のガラス転移温度以上で加熱して、加圧下で熱圧着する第三の工程と、を備えたことを特徴とするHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 厚さ5〜50μmの導体層bを選択する第一の工程と、該導体層bに、ポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A2)となる層を形成し、該樹脂層(A2)となる層面にポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥して線熱膨張係数が1×10-6〜30×10-6(1/K)の低熱線膨張性のポリイミド樹脂層(B)となる層を形成し、表面層としてポリイミド溶液又は前駆体樹脂溶液を塗布・乾燥してガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂層(A1)となる層を形成した後、硬化又はイミド化を行い、少なくも3層のポリイミド樹脂層を有する積層体とする第二の工程と、ステンレス層に10〜100%IACSの導電率を有する導体層aが積層してなる積層部材であって、ステンレス層が10〜50μmの厚みであり、導体層aが0.1〜10μmの厚みである積層部材を用意し、該積層部材の導体層aと前記積層体のポリイミド樹脂層(A1)とを重ね合わせ、ポリイミド樹脂層(A1)のガラス転移温度以上に加熱して、加圧下で熱圧着する第三の工程とを備えたことを特徴とするHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 導体層aとポリイミド樹脂層(A1)との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ導体層bとポリイミド樹脂層(A2)との接着強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 導体層aが銅又は銅合金であることを特徴とする請求項1又は2記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 導体層aのポリイミド樹脂層側の表面が、表面粗さRa0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- ポリイミド樹脂層の全体の厚みが、5〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 導体層bが厚さ5〜10μmの電解銅箔であることを特徴とする請求項1又は2記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- 導体層bにおける熱圧着後の引張強度が350MPa以上となる電解銅箔であることを特徴とする請求項7記載のHDDサスペンション用積層体の製造方法。
- ステンレス層、導体層a、絶縁樹脂層、及び導体層bがこの順序で重ね合わさって形成されているHDDサスペンション用積層体であって、ステンレス層が厚み10〜50μmであり、導体層aが導電率10〜100%IACSの範囲の厚み0.1〜10μmであり、導体層bが厚み5〜10μmの電解銅箔であり、絶縁樹脂層が厚み5〜50μmの少なくとも3層のポリイミド樹脂層からなり、且つ少なくとも1層のポリイミド樹脂層が線熱膨張係数1×10-6〜30×10-6(1/K)のポリイミド樹脂層(B)であって、少なくとも2層のポリイミド樹脂層がガラス転移温度350℃以下のポリイミド樹脂層(A)であり、且つポリイミド樹脂層(A)は導体層a及び導体層bと接するポリイミド樹脂層(A1)又は(A2)であることを特徴とするHDDサスペンション用積層体。
- 導体層aとポリイミド樹脂層(A1)又は(A2)との接着強度が0.5kN/m以上であり、且つ導体層bとポリイミド樹脂層(A1)又は(A2)との接着強度が0.5kN/m以上であることを特徴とする請求項9記載のHDDサスペンション用積層体。
- 導体層aが銅又は銅合金であることを特徴とする請求項9記載のHDDサスペンション用積層体。
- 導体層aのポリイミド樹脂層側の表面が、表面粗さRa0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項9記載のHDDサスペンション用積層体。
- 導体層bが、引張強度350MPa以上であることを特徴とする請求項9記載のHDDサスペンション用積層体。
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