JP2008062128A - 水素貯蔵材料の製造方法及び水素貯蔵材料の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】テトラヒドロフランなどの溶媒に溶出させることなくアンモニウムボロハイドライドを得る。
【解決手段】アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物を得る工程(S101)と、原料組成物に機械的なエネルギを付与してアンモニウム塩と四水素化ホウ素塩とが反応した生成物を得る工程(S103)と、を含むことを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。アンモニウム塩としては、NHCl、NHNO及び (NH)SOの1種または2種以上を用いることができ、四水素化ホウ素塩としては、LiBH、NaBH及びKBHの1種又は2種以上を用いることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軽量で、常温、常圧下で多量の水素を貯蔵することができる新規な水素貯蔵材料の製造方法に関するものである。
地球環境保全や化石燃料の枯渇の問題から、化石燃料に代わる代替エネルギとして燃料電池が電力の供給源として考えられている。燃料電池は原料に水素と酸素を用い、その排ガスもクリーンであることから注目されている。ところが、燃料を水素とする場合、メタノールや天然ガスの改質を利用する方法では起動時に時間がかかることや急激な負荷変動に対応しにくいという欠点がある。そこで、水素を貯蔵する必要があるが、従来の方法では、自動車への搭載を想定すると1回の水素充填で400〜500km走行するためには水素5kg程度が必要となり、この水素量を圧縮した高圧ボンベや低温にした液体水素にしなければならない。しかし、圧縮水素を使用する場合、35〜70MPaに圧縮された水素を高圧ボンベに貯蔵しても水素の圧縮率低下のためそれほど体積が小さくならず、それを充填する高圧ボンベが重くなるという欠点がある。また、液体水素の場合、水素を常時−252℃に冷却して貯蔵しなければならず、冷却機構を含む貯蔵容器が大きくなる欠点がある。
したがって、これらの問題を解決できる貯蔵容積が小さくて軽量な水素貯蔵材料が求められている。現在、最も実用化に近いものは水素吸蔵合金であり、これは水素を金属水素化物として貯蔵するものである。しかし、水素吸蔵合金の単位重量当たりの水素吸着量が小さいために、多量の水素を必要とする車載用には合金重量が400kgを超えるという問題があり、未だ実用化に至っていない。また、水素吸蔵合金の場合、水素の吸着及び放出時には、合金を高圧、高温条件に曝す必要があるために、その繰り返しによる水素吸蔵合金の劣化及び性能低下、また構成元素が希少金属の場合には、資源枯渇等の問題がある。
このような状況において、低温で水素を放出及び貯蔵し、かつ水素貯蔵量が多い無機化合物からなる水素吸蔵材料の検討が進められている。例えば、四水素化ホウ素リチウム(LiBH)は水素貯蔵量の多いものの、通常、水素放出開始温度が高く、不可逆であることが知られている(非特許文献1)。また、アンモニウムボロハイドライド(NHBH)やアンモニアボラン(NHBH)は低温で多量の水素を放出することが知られている。これらのアンモニウムボロハイドライド及びアンモニアボランの製造方法と簡単な水素放出特性について、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4で言及されている。具体的には、塩化アンモニウム(NHCl)と四水素化ホウ素リチウム(LiBH)の混合物をテトラヒドロフランのような無極性溶媒中に溶かし、Pdなどの触媒の存在下で、アンモニウムボロハイドライドを生成する。その後、溶媒及び精製したLiClと分離することによりアンモニウムボロハイドライドを得ることができる。この溶媒の除去に際して、熱処理を行うため、水素の一部が解離してしまうことや、残った触媒や溶媒が完全には除去できないまま、アンモニウムボロハイドライドはアンモニアボランに変化する。したがって、従来は、最終的な生成物がアンモニアボランである。
アンモニウムボロハイドライドを出発物質とする場合、理論的には低温気相中で次の反応を起こすことが検討されており、例えば図10に示すデータが知られている。以下の反応を通じて100〜150℃の比較的低温で水素を放出すると考えられているが、前述したように未だ、従来技術では反応が不可逆である。
NHBH→NHBH+H
NHBH→NHBH+H (6wt% at 100℃)
NHBH→NHBH+H (7wt% at 150℃)
(→NB+H
非特許文献2等で行われている実際の実験では、溶媒中で製造したアンモニウムボロハイドライドは溶媒除去時の精製によりアンモニアボランに変化する。ところが、アンモニアボランが熱分解すると、図11に示すように、水素を放出する他に、アンモニア(NH)、ジボラン(Diborane,B)及びボラジン(Borazine,B)の発生が認められる。これらの生成物、特に環状構造を有するボラジンは水素を結合することができず、熱分解前のアンモニアボラン又はアンモニウムボロハイドライドを生成することができない。このようにアンモニア、ジボランあるいはボラジンの発生が不可逆性の一要因である。さらに、アンモニア、ジボラン、ボラジンは有毒であり、放出ガスを水素として使用できないばかりでなく、材料自体の系外への散逸につながるという問題がある。また、従来技術においては、残った溶媒やその残渣は、アンモニアボランからの水素放出を妨害するだけではなく、脱水素後の生成物にも悪影響を与える。
特許文献1では、アンモニアボランに機械的な粉砕処理を施すことにより水素を放出させることが記載されている。つまり、機械的手段により分解処理することによって水素を発生させ、水素貯蔵容器に貯蔵するものである。しかし、非特許文献4にあるように、アンモニアボランは低温で容易に水素を放出することが知られており、水素を放出させるためのみに機械的な粉砕処理を行う必要はない。
一方、非特許文献2によれば、アンモニアボランからの水素放出時のボラジンの発生を抑制するためにメソポーラスなシリカを使用しているが、完全な抑制には至っておらず、可逆性についても実現できていない。また、シリカの細孔部分にアミノボランを入れるために、水素の体積密度及び重量密度が低下するという欠点がある。
さらに、アンモニアボランなどの無機系の水素貯蔵材料は、熱伝導度が約0.1〜1W/mk程度であり、水素吸蔵合金の一般的な値1〜10W/mKと比較してかなり小さい。これは水素放出のための温度制御に対する応答性あるいは制御性が水素吸蔵合金と比較して不利であることを示している。
特開2005−67922号公報 Zuttel et al., Journal of Alloys and compounds 356-357, 2003,515-520 A. Gutowska, et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2005, 44, 3578-3582 DOE 2002年 Progress Report DOE 2005年 Annual Review Report
本発明は、このような従来技術の有する問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、テトラヒドロフランなどの溶媒にアンモニウム塩、四水素化ホウ素塩を溶解させることなく最終生成物としてアンモニウムボロハイドライドを得ることである。
また本発明は、アンモニウムボロハイドライドを含む水素貯蔵材料に水素放出及び再吸着を繰り返す可逆性を持たせることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の水素貯蔵材料の製造方法は、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物を得る工程と、原料組成物に機械的なエネルギを付与してアンモニウム塩と四水素化ホウ素塩とが反応した生成物を得る工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の水素貯蔵材料の製造方法によれば、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物に機械的なエネルギを付与することにより、生成物としてアンモニウムボロハイドライド(NHBH)を得ることができる。このアンモニウムボロハイドライドは、後述する実施例にて示すように、ほぼ70℃程度で水素の放出を開始することに加えて、アンモニアボランに比べて水素放出量が多いことが確認された。また、このアンモニウムボロハイドライドは、水素放出過程において、ジボラン(B)やボラジン(B)の生成が少ないという利点が見出された。なお、本発明の機械的なエネルギの付与は所謂乾式で行うことができるものであって、従来のように溶媒に原料組成物を溶解させる必要がない。機械的なエネルギの付与の典型例として、粉砕処理が掲げられる。
本発明において、アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム(NHCl)、硝酸アンモニウム(NHNO)及び硫酸アンモニウム((NH)SO)の1種又は2種以上を用いることができる。一方、四水素化ホウ素塩としては、四水素化ホウ素リチウム(LiBH)、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及び四水素化ホウ素カリウム(KBH)の1種又は2種以上を用いることができる。
上述したように、本発明は、粉砕処理することによりアンモニウムボロハイドライドを生成できるが、原料組成物に金属元素を供給することにより、金属元素とアンモニウムボロハイドライドからなる金属錯体を生成することができる。この金属錯体からなる水素貯蔵材料は、水素放出過程においてジボラン、ボラジンの生成をさらに抑制することができる。また、水素を放出後、水素を再度吸着することができる。なお、金属錯体とは、金属原子を中心として、周囲に配位子が結合した構造を持つ化合物をいい、本発明の場合アンモニウムボロハイドライドが配位子となる。
金属元素を供給するには、原料組成物に対して、純金属粒子及び金属水素化物粒子の1種又は2種を添加すればよい。金属元素としては、Mg、K、Na、Ca、Ni及びZnの1種又は2種以上が好ましい。
また、本発明の水素貯蔵材料の製造方法において、水素放出・吸着の触媒として、酸化チタン(TiO)及び塩化チタン(TiCl)の1種又は2種を含むことが好ましい。
以上のように本発明による水素貯蔵材料は、加熱することにより水素を放出することができる。すなわち本発明は、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物に機械的なエネルギを付与することによりアンモニウム塩と四水素化ホウ素塩とが反応した生成物を加熱して生成物から水素を放出させることを特徴とする水素貯蔵材料の処理方法を提供する。また、前記原料組成物に金属元素を添加することにより、水素放出後、水素を再度吸着させることができる。したがって本発明は、アンモニウム塩、四水素化ホウ素塩及び金属元素を含む原料組成物に機械的なエネルギを付与することにより金属元素とアンモニウムボロハイドライド(NHBH)からなる金属錯体を作製するステップと、金属錯体を加熱して金属錯体から水素を放出させるステップと、水素が放出された金属錯体を加圧水素雰囲気下に晒すことにより水素を吸着させるステップと、を備えることを特徴とする水素貯蔵材料の処理方法をも提供する。
ここで、水素の放出及び/又は水素の吸着が、フィン構造を有する熱交換器を具備した容器内において、生成物をフィン構造に接触させた状態で行われることが好ましい。アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩とが反応した生成物は、熱伝導度は約0.1〜1W/mk程度と小さいからである。
以上説明したように、本発明によれば、原料組成物を溶媒に溶解するという工程を経ることなく、最終生成物としてアンモニウムボロハイドライドを得ることができる。このアンモニウムボロハイドライドは、ほぼ70℃という低温で水素の放出を開始するとともに、アンモニアボランに比べて水素放出量が多い。また、このアンモニウムボロハイドライドは、水素放出過程において、アンモニアボランに比べてジボランやボラジンの生成が少ない。
また、本発明において、原料組成物に金属元素を添加した場合には、金属元素とアンモニウムボロハイドライドからなる金属錯体を生成することができる。この金属錯体は、水素放出過程でジボランやボラジンの生成が少ない。また、この金属錯体は、水素の再吸着が可能である。
以上のようにして、水素放出時にジボランやボラジンの生成を抑制しつつ多量の水素を低温領域で放出可能な性能を有する安価な水素貯蔵材料の製造方法を提供することができる。さらに、ボラジン等の生成が抑制されているために容易に水素の再吸着化ができる高性能の水素貯蔵材料の製造方法を提供するものである。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の水素貯蔵材料の製造方法は、図1に示すように、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を用意し、所定量を秤量し、混合することにより原料組成物を得る(S101)。触媒を添加する場合は、この段階で秤量、配合すればよい。次いで、この原料組成物に対して機械的な粉砕処理を行う(S103)。この機械的な粉砕処理により、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩とが反応してアンモニウムボロハイドライド(NHBH)を生成する。
アンモニウム塩及び四水素化ホウ素塩を含む原料組成物を得る際には、アンモニウム塩:四水素化ホウ素塩=0.5〜1.5:1の重量比となるように秤量することが好ましい。0.5:1未満ではアンモニウムボロハイドライドの精製効率が低下し、1.5:1を超えるとアンモニアの放出が顕著になるからである。
アンモニウム塩及び四水素化ホウ素塩はともに粒子状のものを用いればよいが、その粒径は10〜1000μm程度とすればよい。
アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム(NHCl)、硝酸アンモニウム(NHNO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、炭酸アンモニウム((NHCO)、過塩素酸アンモニウム(NHClO)等があるが、本発明ではNHCl、NHNO及び(NHSOを用いることが好ましい。アンモニアボランの生成時にCOの発生や別の化合物が生成するのを避けるためである。これらアンモニウム塩は、単独で用いることができるが、2種以上を混合して用いることもできる。
また、四水素化ホウ素塩としては、四水素化ホウ素リチウム(LiBH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及び水素化ホウ素カリウム(KBH)を用いることが好ましい。これらのアルカリ金属は塩化物を形成する方が安定であるためである。四水素化ホウ素塩も、単独で用いることができるし、2種以上を混合して用いることもできる。
次に、図1に示すように、得られた原料組成物に対して機械的なエネルギを付与する(S103)。エネルギを付与の典型例として、以下では機械的な粉砕処理について説明する。
機械的な粉砕処理により、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩は、互いに衝突を繰り返す。この過程でアンモニウム塩と四水素化ホウ素塩には、圧縮、摩擦、衝撃などの機械的なエネルギが付与されることにより、活性化して各粒子は反応性が増大する。この反応性の増大によって、アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩からアンモニウムボロハイドライドが生成される。この反応式のいくつかを以下に列挙する。
NHCl+LiBH→NHBH+LiCl
NHCl+NaBH→NHBH+NaCl
NHCl+KBH→NHBH+KCl
NHNO+LiBH→NHBH+LiNO
NHNO+NaBH→NHBH+NaNO
NHNO+KBH→NHBH+KNO
(NHSO+2LiBH→2NHBH+LiSO
(NHSO+2NaBH→2NHBH+NaSO
(NHSO+2KBH→2NHBH+KSO
粉砕機は、物質を粉砕することを目的としているが、本発明では粉砕自体を目的とするものではなく、あくまで原料組成物に圧縮、摩擦、衝撃などの機械的なエネルギを均一に付与することを目的とするものである。もっとも、この目的を達成する過程で、原料組成物が粉砕される。粉砕が行われる程度の機械的エネルギを付与することは、上記反応を確実に行うために好ましいものだからである。
機械的な粉砕処理は、常温で行うことができる。また、機械的な粉砕処理は、非酸化性雰囲気で行うことが好ましい。例えば粉砕処理を行う場合、0.01〜2時間程度の処理時間で上記反応を実行することができる。
本発明の機械的な粉砕処理には、ロッキングミルを用いることができる。ロッキングミルは、ミル容器を平面内で振動しつつ上下方向に振動させることのできる粉砕機であり、条件によっては遊星ボールミルの数十倍の機械的なエネルギを被処理物に付与することができる。
図3にロッキングミル11の外観の正面図を示す。図3において、ミル容器12はロッキングミル11の上面に備え付けられた振動テーブル13に固定される。ミル容器12には内部を真空排気及び水素、アンモニア等のガスが充填できるように枝管を取り付け、圧力センサー(図示せず)でガスの圧力を常時計測できるようにしてある。ロッキングミル11は振動テーブル13の中心を振動中心として粉砕処理を行う。後述する実施例では機械的な粉砕にロッキングミル11を使用した。
図4にミル容器12の内部構造の断面図を示す。図4に示すように、ミル容器12の内部に処理対象物(原料組成物、触媒粒子)14を充填する。粉砕処理のために鋼鉄製のボール15をミル容器12の内部に入れ、ロッキングミル11の運動(矢印で示す)によって粉砕処理する。
以上のようにして得られたアンモニウムボロハイドライドは、加熱により以下のように反応して水素を放出する。ここで反応1は70℃近傍で生じる。また反応2は100℃近傍、反応3は150℃近傍で生じる。
反応1:NHBH→NHBH+H
反応2:NHBH→NHBH+H
反応3:NHBH→NHBH+H
(→NB+H
この水素の放出の過程において、本発明による水素貯蔵材料はジボラン(B)、ボラジン(B)の生成が微量である。したがって、本発明によれば材料の散逸がなく、有害性が低い。
また本発明は、原料組成物に金属元素の1種又は2種以上を含むことが好ましい。この金属元素は、本発明による水素貯蔵材料に対して水素放出・吸着の可逆性を与える上で有効である。すなわち、もともと水素化しやすく、アンモニウムイオンと結合しやすいMgなどの金属元素を添加して機械的な粉砕処理を実施すれば、アンモニウムボロハイドライドあるいはアンモニアボランとMgとからなる金属錯体を形成させることができ、水素放出に伴うアンモニアボランが鎖状化した(−BN−NH−)やポリボラジレンなどの高分子化及びボラジン形成などの環状化を防止できる。金属粒子としてMg粒子を例にすると、上記機械的な粉砕処理において以下の反応が進行し、Mg及びNHBHからなる金属錯体を形成する。
Mg+NHCl+LiBH→(Mg)NHBH+LiCl
この金属錯体を加熱することにより、以下の式(1)に示される水素放出反応が開始する。そしてさらに温度を上げると以下の式(2)となる。
Figure 2008062128
Figure 2008062128
以上の反応から理解できるように、金属錯体を形成することにより、水素放出・吸着の不可逆性の一因であるジボラン(B)、ボラジン(B)の生成をより一層抑制することができる。したがって、金属錯体を形成する本発明によれば、水素の再吸着が容易となる。また、後述する実施例に示されるように、金属錯体を形成することにより、水素放出の温度範囲が広がる。
添加される金属元素(粒子)のモル比は、0.2〜0.9=Mg/(NHBH)の範囲とすることが好ましい。0.2未満ではアンモニアの生成量が多くなる傾向にあり、また、0.9を超えると材料重量が増加するために水素貯蔵密度が低下するからである。
本発明では、原料組成物に触媒粒子を含むことが好ましい。触媒粒子は、水素貯蔵材料の水素吸・脱着反応を促進することのできる物質から構成される。具体的には、酸化チタン(TiO)及び塩化チタン(TiCl)の1種又は2種を用いるのが好ましい。触媒粒子は水素貯蔵材料に対して0.1〜10mol%の範囲で含まれることが好ましい。0.1mo%未満では、触媒粒子としての機能を十分に発揮することができない。また、10mol%を超えても触媒としての機能は向上しないとともに、水素貯蔵材料の単位重量あたりの水素貯蔵量、水素放出量を低下させるからである。
前述したように、本発明に係るアンモニウムボロハイドライドは、熱伝導度は約0.1〜1W/mk程度と小さい。したがって、加熱による水素放出及び水素吸着を実施する上で、水素貯蔵材料の熱伝導度が律速とならないよう、熱交換器を用いて加熱を行うことが好ましい。これを実現する水素放出・吸着装置10の1例を図2に示している。
図2に示すように、水素放出・吸着装置10は、中空円筒状の容器1を備え、この中空部分に熱媒が流通される熱媒配管4が収容されている。熱媒配管4は、容器1の内部においてU字状に屈曲されている。熱媒配管4の直線部分の周囲には複数の円盤状のフィン5が配設されている。熱媒配管4は熱媒流入端41及び熱媒流出端42を備えており、この熱媒流入端41及び熱媒流出端42は、容器1の外部に突出している。熱媒流入端41及び熱媒流出端42は、図示しない熱媒供給・回収機に接続されている。
容器1の内部には、水素貯蔵材料から放出される水素を外部に供給し、又は水素放出後の水素貯蔵材料に水素を再度吸着させるための水素を供給するための水素配管6が配設されている。水素配管6は容器1の内部に位置する一端が開口している。水素配管6の他方端は、容器1の外部に突出しており、図示しない水素供給・回収機に接続されている。
容器1の開口端外周にはフランジ2が取付けられ、このフランジ2と蓋3とがシール部材7を介して圧着されており、容器1と外部との機密性を保っている。蓋3には、熱媒配管4、水素配管6が貫通する貫通孔が形成されている。
以上の水素放出・吸着装置10は、水素貯蔵材料Mをフィン5同士の間隙であってかつ熱媒配管4の外周に配設する。つまり、熱媒配管4及びフィン5を水素貯蔵材料Mで包むようにする。このようにすることで、熱媒からの熱伝導を水素貯蔵材料Mが効率よく受けることができる。
水素貯蔵材料Mが水素を吸着している状態のときに、熱媒供給・回収機から熱媒配管4に熱媒を供給する。そうすると、水素貯蔵材料Mは、熱媒配管4及びフィン5を介して加熱される。所定の温度に達すると、水素貯蔵材料Mから水素が放出される。この水素は、水素配管6を通って水素放出・吸着装置10外の水素供給・回収機に供給される。
水素貯蔵材料Mが水素を放出した後に再度水素を吸着させる場合、熱媒配管4に熱媒を供給する。そうすると、水素貯蔵材料Mは、熱媒配管4及びフィン5を介して加熱される。同時に、水素供給・回収機から水素を水素配管6に供給し、容器1内部を加圧水素雰囲気とする。そうすると、水素貯蔵材料Mは水素を吸着する。
アンモニウムボロハイドライドの製造実施にあたり、アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NHCl)、四水素化ホウ素塩として四水素化ホウ素リチウム(LiBH)を用意した。
NHClを300mg、LiBHを120mg秤量し、高純度アルゴン雰囲気のグローブボックス内(水分1ppm以下)で前述のミル容器12に充填した。ミル容器12を前述したロッキングミル11に固定し、圧力センサーでガスのリークがないことを確認した後、振動数600rpmで0.5時間機械的な粉砕処理(ミリング)した。次に、粉砕処理した試料(水素貯蔵材料)を段階的に昇温し、それぞれの温度での試料の重量変化を熱重量分析装置で測定した。この熱重量分析装置はTPD(Temperature Programmed Desorption)質量分析器を装備している。
図5に試料の熱重量変化を示す。図5に示されるように、試料重量は約70℃から急激な減少を開始し、約250℃まで減少する。重量の減少の程度は250℃まででほぼ27wt%である。この重量減少量は、図10に示すアンモニアボランの減少量よりも相当大きい。
図6に同時に計測した試料からの放出ガスのTPD質量スペクトルを示す。この図に示されるように、約70℃からの重量減少は大部分が水素放出によるものである。ただし、70℃でも若干のアンモニア(NH)の質量数m/e=17を示す生成物が検出された。また、このアンモニアの発生が200℃近傍で顕著になることが示された。また、200℃近傍において、アンモニアと比較して少ないがジボラン(m/e=28)も検出された。
したがって、図5に示される180℃付近からの重量減少は水素、アンモニア、ジボランの発生によるものである。
70℃付近の水素発生はアンモニウムボロハイドライドがアンモニアボランに化学変化する時のものであり、従来の溶媒法によるアンモニアボランではこの水素発生は観測されない。また、アンモニアボランでは水素放出の開始温度が100℃近傍であるのに対して、アンモニウムボロハイドライドの場合、より低温の70℃近傍から水素を放出するという長所があることがわかった。
なお、本実施例において、約70℃に出現する水素の生成は発熱反応によるものである。本実施例で発生水素量は多いものの、一部発熱反応による水素放出を伴うために、完全な水素の再吸着を得にくい。もっとも、低温で発生水素量が多いから、水素放出が一回のみの水素貯蔵材料としては有効である。
アンモニウム塩、四水素化ホウ素塩として表1に示すものを用いた以外は上記と同様にして250℃まで加熱して重量減少を測定した。その結果を表1に示す。また、各々、TPD質量スペクトルを測定したが、上記と同様にジボランは生成が僅かに検出されたにすぎなかった。
Figure 2008062128
本実施例で示したように、機械的粉砕処理により得られるアンモニウムボロハイドライドは従来のアンモニアボランと比較して水素の発生量が多く、同温度で比較しても、ジボランやボラジンの発生がほとんどない。特に、ボラジンの発生がないことは、大量の原料の散逸や不可逆性の原因となる可能性が少ないことを示すものである。
本実施例では機械的粉砕処理として0.5時間の例を示したが、難粉砕性の添加物がない場合には数分〜2時間で十分であり、量によっては乳鉢で混合するなどして時間をかければ、ほぼ同様の効果が得られる。以下の実施例2、実施例3も同様である。
本実施例が示すように、機械的な粉砕処理を実施すれば、溶媒を用いることなくアンモニウムボロハイドライドを直接製造できる。この製造方法は、溶媒の分離や触媒添加の必要がないために、プロセスが簡素化、不純物の低下、溶媒分離時の水素のロスがないなどの効果もある。
実施例2では金属元素を添加した例を示す。
金属元素として金属Mg粉末、アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NHCl)、四水素化ホウ素塩として四水素化ホウ素リチウム(LiBH)、触媒として酸化チタン(TiO)を用意した。
金属Mg粉末を70mg、NHClを300mg、LiBHを120mg、TiOを50mg秤量し、高純度アルゴン雰囲気のグローブボックス内(水分1ppm以下)で前述のミル容器12に充填した。ミル容器12を実施例1と同様にロッキングミル11に固定し、圧力センサーでガスリークがないことを確認した後、振動数600rpmで0.5時間機械的な粉砕処理(ミリング)した。次に、粉砕処理した試料(水素貯蔵材料)を段階的に昇温し、それぞれの温度での試料の重量変化を実施例1と同様に測定した。
図7に金属Mg粉末を添加して粉砕処理した生成物Mgとアンモニウムボロハイドライドからなる金属錯体の熱重量変化を示す。この図7に示されるように、試料重量は、金属Mg粉末を添加しない実施例1と同様に、ほぼ70℃から減少を開始するが、実施例1で測定された70℃での重量変化よりも小さい。100℃近傍からの重量減少の程度が大きく、約250℃まで連続的に重量は減少する。重量の減少の程度は250℃までで約12wt%である。
図8に同時に計測した試料からの放出ガスのTPD質量スペクトルを示す。この図に示されるように、約70℃からの重量減少は大部分が水素放出によるものであることがわかる。ただし、質量数m/e=17であるアンモニアが若干検出された。また、200℃付近では微量であるが、質量数m/e=27のジボランと判断される生成物が検出された。
したがって、図7に示される180℃付近からの重量減少は水素とアンモニアの発生によるものである。本実施例では約70℃付近から250℃まで広範囲に水素発生が観察されたが、Mgを添加しない実施例1で生じた発熱反応による70℃の急激な水素発生による重量減少はみられなかった。この結果は水素の放出が可逆である可能性を示唆するものである。また、本実施例では、水素発生が広い温度に分布している点で、実施例1と相違している。
金属粉末として表2に示すものを用いた以外は上記と同様にして250℃まで加熱して重量減少を測定した。その結果を表2に示す。また、各々、TPD質量スペクトルを測定したが、アンモニアの生成が僅かに検出されたにすぎなかった。
Figure 2008062128
金属としてはMg以外にも、K、Na、Ca、Ni、Znも表2のように同様の作用が認められる。これらの傾向は金属としてアルカリ金属、アルカリ土類、あるいはMgに電気陰性度が近いものを用いれば良いことを示すものである。
Mgなどの金属元素を添加した状態で機械的粉砕処理を実施することによって、従来アミノボランが水素放出すると、ジボラン、ボラジンが相当量生成していたのに対して、金属錯体を形成することによって、ジボラン、ボラジンの生成が制限されて水素の再吸着が容易となる。また、金属錯体を形成することにより水素放出温度がアミノボラン単独のものよりも低温化する。
次に、TiOに代えて触媒としてTiClを50mg添加したもの及び触媒を無添加としたものの熱重量変化を比較した。結果を表3に示す。表3に示すように、触媒を添加しないと温度70℃での発熱反応による重量変化が、残っているが、触媒を添加することによりこの重量変化は消失する。したがって、触媒の存在は本実施例での可逆的な水素放出、脱着に寄与することを明示するものである。
Figure 2008062128
次に、本発明の他の実施例について説明する。
水素化Mg(MgH)粉末、アンモニウム塩として塩化アンモニウム(NHCl)、四水素化ホウ素塩として四水素化ホウ素リチウム(LiBH)、触媒として酸化チタン(TiO)を用意した。
MgH粉末を70mg、NHClを300mg、LiBHを120mg、TiOを50mg秤量し、高純度アルゴン雰囲気のグローブボックス内(水分1ppm以下)で前述のミル容器12に充填した。ミル容器12を前述したロッキングミル11に固定し、圧力センサーでガスのリークがないことを確認した後、振動数600rpmで0.5時間機械的な粉砕処理(ミリング)した。次に、粉砕処理した試料(水素吸蔵材料)を段階的に昇温し、それぞれの温度での試料の重量変化を実施例1と同様に測定した。
本実施例では、150℃まで到達した後に3時間連続で真空排気した後、雰囲気を水素圧力3MPaとして3時間保持した。この水素雰囲気下の保持は、水素を再度吸着させるための処理である。3時間保持した後に試料の熱重量変化を測定した。
図9に水素再吸着前・後の試料の熱重量変化を示す。この図に示されるように、水素を再吸着させた後の試料は若干熱重量変化幅が小さくなるが、Mg添加により水素の放出、吸着に関する可逆性が改善する傾向が見出された。
本実施例により、Mgなどの金属を添加した状態で機械的粉砕処理を実施することによってアンモニウムボロハイドライドからのアミノボランの形成、さらにはジボランあるいはボラジンの形成という反応経路を改善することができ、可逆性を有するMg−アンモニウムボロハイドライドの形成が実現できたことを示すものである。
本発明によるアンモニウムボロハイドライドは無機系材料であるため、熱分解による水素放出及び吸着を実施するためには、試料の熱伝導度が律速とならないような熱交換器との組み合わせが必要である。本実施例で示した試料は熱伝導度が約0.1〜1.0W/mKであることから数分で水素の放出開始及び停止を制御するためには、フィン構造を有する熱交換器が使用可能である。
実施例4として、図2で示した水素貯蔵・放出装置10を用いて行った水素放出特性例を示す。フィン5の間隔は5mm及び10mmの2種類とした。また、熱媒配管4の外周であって、かつフィン5の間隙に実施例3で製造した試料(水素貯蔵材料)を充填した。熱媒にはシリコンオイルを使用し、30℃から150℃まで温度を上昇させ、150℃で維持した。このとき、水素放出量が定常値となるまでの時間(到達時間)を測定した。なお、測定は2回ずつ行った。結果を表4に示す。
Figure 2008062128
表4に示すように、フィン間隔5mmでは、水素放出量が定常値となるまでの到達時間が10分以内と実用的な範囲内である。本実施例は水素貯蔵についても同様の効果が得られ、150℃に保持した状態で水素圧力3MPa、3時間後、同様の水素放出試験を実施し、積算値で約90%の水素放出を確認した。
本発明の水素貯蔵材料の製造手順を示すフローチャートである。 本発明による水素放出・吸着装置を示す断面図である。 ロッキングミルの構成を示す図である。 ロッキングミルによる粉砕を模式的に示した図である。 実施例1における試料の熱重量変化を示すグラフである。 実施例1における放出ガスのTPD(Temperature Programmed Desorption)質量スペクトルを示すグラフである。 実施例2における試料の熱重量変化を示すグラフである。 実施例2における放出ガスのTPD質量スペクトルを示すグラフである。 実施例3における試料の熱重量変化を示すグラフである。 実施例3における放出ガスのTPD質量スペクトルを示すグラフである。 従来技術で作製されたアンモニアボランの熱重量変化を示すグラフである。
符号の説明
1…容器、2…フランジ、3…蓋、4…熱媒配管、5…フィン、6…水素配管、7…シール部材、10…水素放出・吸着装置、11…ロッキングミル、12…ミル容器、13…振動テーブル、14…処理対象物、15…ボール、M…水素貯蔵材料

Claims (11)

  1. アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物を得る工程と、
    前記原料組成物に機械的なエネルギを付与して前記アンモニウム塩と前記四水素化ホウ素塩とが反応した生成物を得る工程と、
    を含むことを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
  2. 前記アンモニウム塩が、塩化アンモニウム(NHCl)、硝酸アンモニウム(NHNO)及び硫酸アンモニウム((NH)SO)の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  3. 前記四水素化ホウ素塩が、四水素化ホウ素リチウム(LiBH)、四水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及び四水素化ホウ素カリウム(KBH)の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  4. 前記生成物が、アンモニウムボロハイドライド(NHBH)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  5. 前記原料組成物が、金属元素の1種又は2種をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  6. 前記金属元素が、Mg、K、Na、Ca、Ni及びZnの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  7. 前記生成物が、前記金属元素とアンモニウムボロハイドライド(NHBH)からなる金属錯体であることを特徴とする請求項5又は6に記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  8. 前記原料組成物が、触媒として、酸化チタン(TiO)及び塩化チタン(TiCl)の1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水素貯蔵材料の製造方法。
  9. アンモニウム塩と四水素化ホウ素塩を含む原料組成物に機械的なエネルギを付与することにより前記アンモニウム塩と前記四水素化ホウ素塩とが反応した生成物を作製するステップと、
    前記生成物を加熱して前記生成物から水素を放出させるステップと、
    を備えることを特徴とする水素貯蔵材料の処理方法。
  10. アンモニウム塩、四水素化ホウ素塩及び金属元素を含む原料組成物に機械的なエネルギを付与することにより前記金属元素とアンモニウムボロハイドライド(NHBH)からなる金属錯体を作製するステップと、
    前記金属錯体を加熱して前記金属錯体から水素を放出させるステップと、
    水素が放出された前記金属錯体を加圧水素雰囲気下に晒すことにより水素を吸着させるステップと、
    を備えることを特徴とする水素貯蔵材料の処理方法。
  11. 前記水素の放出及び/又は前記水素の吸着が、フィン構造を有する熱交換器を具備した容器内において、前記生成物を前記フィン構造に接触させた状態で行われることを特徴とする請求項9又は10に記載の水素貯蔵材料の処理方法。
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