JP2008062024A - 加熱除湿装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音が少なく、効率のよい加熱除湿装置を提供する。
【解決手段】加熱除湿装置400は、温風経路部241と、湿風経路部242と、温風経路部241を流通する気体を加熱するための高温側熱交換部420と、湿風経路部242を流通する気体を冷却するための冷温側熱交換部430と、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを含むスターリングエンジン410とを備え、高温側熱交換部420は、スターリングエンジン410の発熱ヘッド411で気体を加熱するように熱交換を行ない、低温側熱交換部430は、スターリングエンジン410の吸熱ヘッド412で気体を冷却するように熱交換を行なう。
【選択図】図5
【解決手段】加熱除湿装置400は、温風経路部241と、湿風経路部242と、温風経路部241を流通する気体を加熱するための高温側熱交換部420と、湿風経路部242を流通する気体を冷却するための冷温側熱交換部430と、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを含むスターリングエンジン410とを備え、高温側熱交換部420は、スターリングエンジン410の発熱ヘッド411で気体を加熱するように熱交換を行ない、低温側熱交換部430は、スターリングエンジン410の吸熱ヘッド412で気体を冷却するように熱交換を行なう。
【選択図】図5
Description
この発明は、加熱除湿装置に関する。
近年、衣類などを洗濯から乾燥まで行う洗濯乾燥機の需要が伸びている。特に、少量の洗濯物をすぐ乾燥させたかったり、屋外や室内で干す時間を短縮したり、日中に洗濯ができない場合には、夜間、衣類を洗濯し、脱水後、そのまま乾燥ができたりするので、使用者の生活スタイルに合わせた利便性が評価されている。
このような洗濯乾燥機などの加熱除湿装置において、従来用いられている洗濯物の乾燥方式としては、一般に水分を含んだ洗濯物を収容した回転槽を回転しながら、電気ヒータやガス等の加熱手段で加熱された温風を供給して乾燥を行っている。例えば、特開昭63−122500号公報(特許文献1)に記載されている水冷除湿式乾燥機においては、乾燥中および/または乾燥後の高温多湿の空気は機外にそのまま排出されるか、あるいは、機外の空気や水道水などの冷却除湿手段で、空冷されるか、水冷されて熱交換除湿された後に、再び加熱手段に戻されるといった還流循環が行われる。
一般に、洗濯物の乾燥時間を短縮するには、例えば、ヒータなどの加熱手段の熱容量を大きくすることが考えられるが、比例して消費電力量も増大する。
また、冷却水による熱交換除湿をすると水を多量に使うことになり乾燥時間に比例して水の消費量も増大する。
そこで、例えば特開昭60−220097号公報(特許文献2)には、消費電力と水の使用量を軽減するために、洗濯物の乾燥に用いる空気の循環経路に、ヒートポンプ装置の凝縮器(上述した加熱手段に対応)と蒸発器(上述した冷却除湿手段に対応)を設け、熱および冷熱を有効活用する乾燥方式も提案されている。このヒートポンプを用いた乾燥方式によれば、ヒータや水を使わずに空気の加熱および冷却除湿を行なえるため、消費電力量の削減と節水が可能となる。
特開2004−215943号公報(特許文献3)と特開2005−40316号公報(特許文献4)には、衣類を乾燥させるために用いられる空気循環路内の循環空気を排気することによって、循環空気の熱量が高くなることを防いで安全な状態に安定させる、ヒートポンプを用いた衣類乾燥機及び洗濯機能付き乾燥機が記載されている。
特開2006−212117号公報(特許文献5)には、ヒートポンプを用いた衣類乾燥機において、乾燥運転を中断した場合に、圧縮機の動作を継続させる衣類乾燥装置が記載されている。また、特開2006−61353号公報(特許文献6)には、乾燥運転が中断された場合には、その後、所定の時間は圧縮機の運転を停止する、ヒートポンプを用いた衣類乾燥装置が記載されている。このようにすることにより、短時間に乾燥運転と乾燥運転の中断が繰り返されるような場合に圧縮機にかかる負担を軽減し、ヒートポンプ装置による温風温度の復帰を早くしている。
特開2006−272024号公報(特許文献7)と特開2005−261703号公報(特許文献8)には、乾燥工程に入る前に、圧縮機の運転を予め開始しておいて乾燥工程にかかる時間を短縮する、ヒートポンプを用いた洗濯乾燥機が記載されている。
特開昭63−122500号公報
特開昭60−220097号公報
特開2004−215943号公報
特開2005−40316号公報
特開2006−212117号公報
特開2006−61353号公報
特開2006−272024号公報
特開2005−261703号公報
しかしながら、ヒートポンプを用いた乾燥方式でも、冷媒を圧縮するためにコンプレッサなどの圧縮手段を新たに用いるため、動作時には音や振動が発生し、乾燥時における騒音が増大するといった問題が生じる。また、コンプレッサに用いる冷媒の種類によっては、廃棄後の処理にコストがかかるといった問題が生じる。加えて、地球温暖化防止の観点から電気製品の電力消費量の削減が今後益々必要となっており、乾燥機や洗濯乾燥機においても、乾燥機能の向上と消費電力の低減がより一層求められる。
また、乾燥機にヒートポンプを用いると、ヒートポンプの駆動によって循環空気の熱量が上昇し、ヒートポンプの冷媒自体の温度が上昇して冷媒が高温化、高圧化する。インバータ制御等によりヒートポンプの出力を制御することは可能であるが、出力を大幅に下げることは極めて困難であり、循環空気の熱量が過大である場合でも、加える熱量を小さくすることが難しい。また、高温化、高圧化した冷媒を圧縮して液化するためには、ヒートポンプにかかる負担が大きくなる。そこで、特開2004−215943号公報(特許文献3)と特開2005−40316号公報(特許文献4)に記載の乾燥機は、熱量が高くなった循環空気を外部に排気しているが、ヒートポンプによって発生した不要な熱量や循環空気に含まれる蒸気が乾燥機の設置されている室内に排出されて、室内全体の熱量が上昇したり、排出された蒸気による結露が発生してしまうおそれがある。
ヒートポンプを用いる衣類乾燥機では、乾燥運転を中断したときに配管内の冷媒の圧力状態が平衡状態に落ち着くまでと、乾燥運転を再開したときに冷媒が気化、液化するまでにある程度の時間を要する。そのため、乾燥運転の中断後、短時間で乾燥運転を再開させる場合には、特開2006−212117号公報(特許文献5)に記載の衣類乾燥機のように、乾燥運転を中断しているにもかかわらず、圧縮機の駆動を継続する必要があり、無駄な電力を消費するうえ、圧縮機にかかる負担が大きい。一方、特開2006−61353号公報(特許文献6)に記載の衣類乾燥機のように、乾燥運転を中断した場合には、その後、圧縮機の運転を一定時間行なわないこととすると、乾燥運転の中断後に短時間で乾燥運転の再開を行なうことができない。
また、特開2006−272024号公報(特許文献7)と特開2005−261703号公報(特許文献8)に記載の洗濯乾燥機のように、乾燥工程に入る前に予め圧縮機を運転させておくことによって、不要な熱や騒音が発生し、電力の消費量も大きくなってしまう。
そこで、この発明の目的は、騒音が少なく、効率のよい加熱除湿装置を提供することである。
この発明に従った加熱除湿装置は、気体を流通させるための第一の風路と第二の風路と、第一の風路を流通する気体を加熱するための第一の熱交換部と、第二の風路を流通する気体を冷却するための第二の熱交換部と、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとを含むスターリングエンジンとを備え、第一の熱交換部は、スターリングエンジンの発熱ヘッドで気体を加熱するように熱交換を行ない、第二の熱交換部は、スターリングエンジンの吸熱ヘッドで気体を冷却するように熱交換を行なう。
従来、加熱除湿装置に用いられているヒートポンプにおいては、コンプレッサで冷媒を圧縮して気体から液体に変化させる凝縮部と、冷媒を膨張させて液体から気体に変化させる蒸発部とで熱交換を行なっている。すなわち、ヒートポンプにおいては、冷媒は、凝縮部から管などを通って蒸発部へ移動して、液体から気体に変化し、蒸発部から管などを通って凝縮部へ移動して、気体から液体へと変化することを繰り返す必要がある。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体の移動距離が短く、また、冷媒を気体と液体の間で状態変化させる必要もないために、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが所定の温度になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから蒸発部と凝縮部とが所定の温度になるまでに必要な時間よりも短い。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減して省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
また、従来の加熱除湿装置に用いられているヒートポンプの振動系は、冷媒の圧縮と膨張にコンプレッサを使用するため、回転の振動を含む複雑な振動系である。一方、スターリングエンジンは、ヒートポンプに比べて振動系が単純である。すなわち、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサの往復という直線的な運動しか行なわれない。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このようにすることにより、振動、騒音を少なくすることができ、また、乾燥機が設置されている室内環境を悪化させることのない、使用性、すなわち、使用しやすく、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減することができ、省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置を提供することができる。
この発明に従った加熱除湿装置は、気体を第二の風路から第一の風路に流入させるための循環路を備え、第二の風路内の気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されることが好ましい。
このように、第二の風路内に流出した気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されるので、効率よく除湿することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成することが好ましい。
このようにすることにより、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間の経路において熱が無駄に消費されることを防止することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第一の熱交換部は、発熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことが好ましい。
このようにすることにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第一の熱交換部は、気体を加熱するための加熱部と、発熱ヘッドの熱を加熱部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第一の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成することが好ましい。
このようにすることにより、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間で冷気の伝達を行なう経路が不要となり、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間の経路において冷気が無駄に消費されることを防止することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第二の熱交換部は、吸熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことが好ましい。
このようにすることにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第二の熱交換部は、気体を冷却するための冷却部と、冷却ヘッドの熱を冷却部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第二の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明に従った加熱除湿装置は、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとの間に配置される接続管を備え、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成し、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成し、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとの間には接続管が設けられ、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管は同軸状に配置されており、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管を循環路内に配することが好ましい。
このようにすることにより、循環路を短くして圧力欠損を抑えることができるとともに、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが相互に与える熱影響を、接続管の周囲の空気層によって低減させることができる。
以上のように、この発明によれば、騒音が少なく、効率のよい加熱除湿装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1−1)
図1は、この発明の実施形態1−1として、本発明の加熱除湿装置を備えた洗濯乾燥機の全体の外観を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の洗濯乾燥機をII−II線の方向から見た断面を概略的に示す側断面図である。
図1は、この発明の実施形態1−1として、本発明の加熱除湿装置を備えた洗濯乾燥機の全体の外観を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の洗濯乾燥機をII−II線の方向から見た断面を概略的に示す側断面図である。
図1と図2に示すように、洗濯乾燥機200は、本体210と、本体210の内部に取り付けられた水槽220と、被乾燥対象物として洗濯物を収容するための容器として、水槽220の内部で回転可能に支持された回転ドラム230とを備える。
本体210の前面には外扉201が取り付けられている。外扉201の内側には、内扉203が取り付けられている。外扉201を開き、内扉203を開くことによって本体210の前面に設けられた洗濯物投入口202を通じて洗濯物を回転ドラム230に投入、または回転ドラム230から取り出すことができ、内扉203を閉じ、外扉201を閉じることによって洗濯物投入口202を塞ぐことができる。なお、内扉203は回転ドラム230内が視認可能なように中央部が透明ガラスで作られているとともに、凹んだ器形状、いわゆる洗面器形状を有している。洗濯物投入口202側の水槽220の周壁にはゴム等の弾性体からなるドアパッキン204が嵌め込まれて固着されている。内扉203を閉じたときにドアパッキン204が内扉203の周縁に密着して水槽220が密閉されるようになっている。
回転ドラム230は、水槽220の内部で軸部231を中心に回転するように支持されている。このようにしてドラム式洗濯乾燥機200は、水槽220と回転ドラム230とから構成された二重構造を有する。回転ドラム230は、回転軸線方向の中央に内周壁面を形成するドラム胴232と、一方端に開口部を形成するドラム蓋233と、他方端に内底壁面を形成するドラム底234とから構成され、一般的にステンレス鋼板から作られている。ドラム底234には、軸部231等の構造部品を取り付けかつ所望の荷重を支持するためにリブ等の凹凸面がプレス加工によって形成され、底壁面の強度の向上が図られている。回転ドラム230の周壁と底部には給水、排水および通気のための多数の小孔235が設けられている。ドラム蓋233の外周縁部には回転時の振動防止のために流体バランサ205が固着されている。軸部231は、回転ドラム230を回転させるためのドラム回転駆動モータ236のシャフトを備えている。ドラム回転駆動モータ236は、インバータ回路により回転が制御される。水槽220は上部からコイルばね(図示せず)で、下部から防振ダンパー(図示せず)で弾性的に支持されている。水槽220の上方には水道水に接続される給水経路205が配されており、洗剤投入部207を介して水槽220に接続されている。給水経路205の経路途中には給水弁208が設けられており、水道水から水槽220への供給が給水弁208の開閉によって制御される。水槽220の底部には排水弁206が設けられ、排水弁206の開閉によって洗濯液等が水槽220から本体210の外に排水できるようになっている。
図3は、スターリングエンジンの全体の断面を示す断面図である。
図3に示すように、スターリングエンジン100の組立の中心となるのはシリンダ110、111である。シリンダ110、111の軸線は同一線上に並ぶ。シリンダ110にはピストン112が挿入され、シリンダ111にはディスプレーサ113が挿入される。ピストン112及びディスプレーサ113は、スターリングエンジン100の運転中、ガスベアリング機構によりシリンダ110、111の内面に接触することなく往復運動する。ピストン112とディスプレーサ113は所定の位相差を備えて動く。
ピストン112の一方の端にはカップ状のマグネットホルダ114が設けられる。ディスプレーサ113の一方の端からはディスプレーサロッド115が突出する。ディスプレーサロッド115はピストン112及びマグネットホルダ114を軸線方向に自由にスライドできるように貫通する。
シリンダ110はピストン112の動作領域にあたる部分の外側にリニアモータ120を保持する。リニアモータ120は、コイル121を備えた外側ヨーク122と、シリンダ110の外周面に接するように設けられた内側ヨーク123と、外側ヨーク122と内側ヨーク123の間の環状空間に挿入されたリング状のマグネット124と、外側ヨーク122及び内側ヨーク123を所定の位置関係に保持する合成樹脂製エンドブラケット125、126を備える。マグネット124はマグネットホルダ114に固定されている。
マグネットホルダ114のハブの部分にはスプリング130の中心部が固定される。ディスプレーサロッド115にはスプリング131の中心部が固定される。スプリング130、131の外周部はエンドブラケット126に固定される。スプリング130、131の外周部同士の間にはスペーサ132が配置されており、これによりスプリング130、131は一定の距離を保つ。スプリング130、131は円板形の素材にスパイラル状の切り込みを入れたものであり、ディスプレーサ113をピストン112に対し所定の位相差(理想的には約90°の位相差)をもたせて共振させる役割を果たす。
シリンダ111のうち、ディスプレーサ113の動作領域にあたる部分の外側には発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141が配置される。発熱ヘッド140はリング状、吸熱ヘッド141はキャップ状であって、いずれも銅や銅合金など熱伝導のよい金属からなる。発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141は、各々リング状の内部熱交換器142、143を介在させた形でシリンダ111の外側に支持される。内部熱交換器142、143はそれぞれ通気性を有し、内部を通り抜ける作動ガスの熱を発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141に伝える。
発熱ヘッド140、シリンダ110、111、ピストン112、ディスプレーサ113、及び内部熱交換器142で囲まれる空間は圧縮空間145となる。吸熱ヘッド141、シリンダ111、ディスプレーサ113、及び内部熱交換機143で囲まれる空間は膨張空間146となる。
内部熱交換器142、143の間には再生器147が配置される。再生器147は樹脂フィルムを円筒形に巻回したものであり、フィルムの片面に微少な突起を多数点在させてフィルム間に突起の高さ分の間隙を形成し、これを作動ガスの通り道としている。再生器147の外側を再生器チューブ148が包み、発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141の間に気密通路を構成する。発熱ヘッド140と再生器チューブ148と吸熱ヘッド141は同軸状に配置される。なお、再生器チューブ148は接続管の一例である。
リニアモータ120、シリンダ110、及びピストン112を筒状の圧力容器150が包む。圧力容器150の内部は背圧空間151となる。圧力容器150の周面には、リニアモータ120に電力を供給するための端子部152と、内部に作動ガスを封入するためのパイプ153が配置される。
圧力容器150の外面には動吸振器160が取り付けられる。動吸振器160は、胴体部150の端面中央から突き出す軸161と、軸161に中心を固定された板状のスプリング162と、スプリング162の周縁に配置されたマス(質量)163とからなる。スプリング162は薄板状のスプリングを複数枚重ねたものである。
スターリングエンジン100は次のように動作する。リニアモータ120のコイル121に交流電流を供給する外側ヨーク122と内側ヨーク123の間にマグネット124を貫通する磁界が発生し、マグネット124は軸方向に往復運動する。ピストン系(ピストン112、マグネットホルダ114、マグネット124、及びスプリング130)の総質量と、スプリング130のバネ定数とにより定まる共振周波数に一致する周波数の電力を供給することにより、ピストン系は滑らかな正弦波状の往復運動を開始する。
ディスプレーサ系(ディスプレーサ113、ディスプレーサロッド115、及びスプリング131)にあっては、その総質量と、スプリング131のバネ定数とにより定まる共振周波数とピストン112の駆動周波数とが一致するように設定する。
ピストン112の往復運動により、圧縮空間145では圧縮、膨張が繰り返される。この圧力の変化に伴って、ディスプレーサ113も往復運動を行なう。このとき、圧縮空間145と膨張空間146との間の流動抵抗等により、ディスプレーサ113とピストン112との間には位相差が生じる。このようにしてフリーピストン構造のディスプレーサ113はピストン112と所定の位相差で同期して往復運動する。
上記の動作により、圧縮空間145と膨張空間146との間にスターリングサイクルが形成される。圧縮空間145では等温圧縮変化に基づいて作動ガスの温度が上昇し、膨張空間146では等温膨張変化に基づいて作動ガスの温度が低下する。このため、圧縮空間145の温度は上昇し、膨張空間146の温度は下降する。
運転中に圧縮空間145と膨張空間146の間を行き来する作動ガスは、内部熱交換器142、143を通過する際に、その有する熱を発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141に伝える。圧縮空間145から再生器147へ流れ込む作動ガスは高温であるため発熱ヘッド140は加熱される。膨張空間146から再生器147へ流れ込む作動ガスは低温であるため吸熱ヘッド141は冷却される。
再生器147は、圧縮空間145と膨張空間146の熱を相手側の空間には伝えず、作動ガスだけを通す働きをする。圧縮空間145から内部熱交換器142を経て再生器147に入った高温の作動ガスは、再生器147を通過するときにその熱を再生器147に与え、温度が下がった状態で膨張空間146に流入する。膨張空間146から内部熱交換器143を経て再生器147に入った低温の作動ガスは、再生器147を通過するときに再生器147から熱を回収し、温度が上がった状態で圧縮空間145に流入する。すなわち再生器147は蓄熱手段としての役割を果たす。
ピストン112とディスプレーサ113が往復運動すると、スターリングエンジン100に振動が生じ、動吸振器160がこの振動を抑える。
図4は、加熱除湿装置の本体の全体を示す斜視図である。
図4に示すように、加熱除湿装置400の本体は、スターリングエンジン410と、第一の熱交換部として高温側熱交換部420と、第二の熱交換部として低温側熱交換部430とを備える。スターリングエンジン410は、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを有する。スターリングエンジン410の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。高温側熱交換部420は、フィンとして発熱ヘッド411に接続された加熱フィン421を有し、低温側熱交換部430は、フィンとして吸熱ヘッド412に接続された冷却フィン431を有する。加熱フィン421と冷却フィン431は、円盤状であり、中心部分がそれぞれ発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412に直接接続されている。冷却フィン431と、加熱フィン421と、スターリングエンジン410は、ほぼ一直線上に並ぶように配置され、一体化されて加熱除湿装置400の本体を構成している。加熱除湿装置400は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置400においては、高温側熱交換部420は、発熱ヘッド411に接触されるように配置される加熱フィン421を含み、低温側熱交換部430は、吸熱ヘッド412に接触されるように配置される冷却フィン431を含む。
このようにすることにより、加熱フィン421と冷却フィン431において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置400を小型化することができる。
図5は、洗濯乾燥機を図2のV−V線の方向から見たときの概略を示す断面図である。
図2と図5に示すように、洗濯乾燥機200の本体210の内部においては、回転ドラム230の背面側に、温風経路部241と湿風経路部242が配置されている。温風経路部241と湿風経路部242は、それぞれ、吸気口245と排気口246で水槽220の内部と連通している。温風経路部241と湿風経路部242は、水槽220の下方においてほぼ直線状に延びている循環経路部243を介して接続されている。循環経路部243には、加熱除湿装置400の本体が、冷却フィン431が湿風経路部242側に、加熱フィン421が温風経路部241側となるように、設けられている。水槽220の下方において、湿風経路部242の内部には、送風機構部244が配置されている。
図2に示すように、水槽220の内周壁面と回転ドラム230のドラム胴232の外周壁面との間には水槽内温風経路部247が設けられている。また、水槽220の内周壁面と回転ドラム230のドラム胴232及びドラム底234は、水槽内湿風経路部248を形成している。水槽220の下部には吸気口と排気口が設けられている。なお、排気口と吸気口は、前面部や側面、または上部に設けられてもよい。図5に示すように、排気口は水槽220の背面外部に設けられる湿風経路部242を介して循環経路部243に接続されている。湿風経路部242内には、送風機構部が配置されている。ほぼ直線状に延びている循環経路部243内には、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置400の本体が配置されている。より特定的には、加熱除湿装置400の本体の発熱ヘッド411と冷却ヘッド412と再生器チューブ148が循環経路部243内に配置されている。循環経路部243は水槽220の背面外部に設けられる温風経路部241を介して吸気口に接続されている。図2中の二点鎖線の矢印は、風の流れる方向を示す。なお、水槽内温風経路部247、温風経路部241、循環経路部243の高温側熱交換部420までの経路は第一の風路の一例、水槽内湿風経路部248、湿風経路部242、循環経路部243の低温側熱交換部430までの経路は第二の風路の一例、循環経路部243の高温側熱交換部420までの経路と低温側熱交換部430までの経路との間の経路が循環路の一例である。
以上のように構成された洗濯乾燥機200を用いて行なわれる洗い工程、すすぎ工程、脱水工程および乾燥工程について、以下、工程順に説明する。
まず、外扉201および内扉203を開き、洗濯物投入口202から洗濯物を投入した後、内扉203および外扉201を閉じる。洗剤ケースに洗剤を入れて操作パネルを操作する。これにより、外扉201および内扉203がロックされるとともに、給水弁208が開かれ、水が給水経路205および洗剤ケース207を経て水槽220に供給される。図示しない水位センサによって水槽220内の水位が所定値になったことが検知されると、給水弁208が閉じられて、回転ドラム230がドラム回転駆動モータ236にて洗い工程用の回転チャートに従って回転される。このようにして洗い工程が開始される。
なお、回転ドラム230の回転チャートに関しては、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の工程別に、あるいは、洗濯物の種類やコースに応じて、回転速度、回転周期、反転周期等が異なる複数の回転チャートが予め設定されている。回転チャートは、使用者によって選択され、または自動的に選択されるようにプログラムされている。
洗い工程が終了すると、排水弁206が開放されて洗濯液が本体の外に排出される。排水が終了すると、回転ドラム230は中間脱水工程用の回転チャートで高速回転される中間脱水工程が行なわれる。中間脱水工程では回転ドラム230の高速回転による遠心力によって洗濯物に含まれた洗濯液は回転ドラム230の周壁に設けられた小孔235を通じて水槽220の内壁面へ吐出される。洗濯液は水槽220の内壁面を伝って下方に流下し、排水弁206を介して本体の外に排出される。
中間脱水工程が終了すると、プログラムはすすぎ工程に移行する。排水弁206が閉じられた後、給水弁208が開放されて、水が洗剤ケースを経て水槽220に供給される。図示しない水位センサによって水槽220内の水位が所定の値になったことが検知されると、給水弁208が閉じられて、回転ドラム230がドラム回転駆動モータ236によってすすぎ工程用の回転チャートに従って回転される。中間脱水工程およびすすぎ工程は複数回繰り返された後、最終のすすぎ工程へと移行する。最終のすすぎ工程では給水弁208が開放されて、柔軟仕上剤を含んだ水が水槽220に供給される。
最終のすすぎ工程が終了すると、排水弁206が開放されてすすぎ液が本体210の外に排出される。排水が終了すると、回転ドラム230が最終脱水工程用の回転チャートに従って高速回転される、最終脱水工程が行なわれる。最終脱水工程では、中間脱水工程と同様に回転ドラム230の高速回転による遠心力によって洗濯物に含まれたすすぎ液が回転ドラム230の周壁に設けられた小孔235を通じて水槽220の内壁面に吐出される。
最終脱水工程が終了すると、乾燥工程に移行する。乾燥工程においては、回転ドラム230を回転させるとともに、加熱除湿装置400と送風機構部244とを駆動させる。
加熱除湿装置400のスターリングエンジン410を駆動させると、加熱フィン421において気体が加熱されるように熱交換され、冷却フィン431において気体が冷却されるように熱交換される。
加熱除湿装置400と送風機構部244とを駆動させることによって、加熱フィン421で加熱された気体は、温風経路部241を図5中の二点鎖線の矢印で示すように流れて、吸気口245から水槽内温風経路部247を通じて水槽220の内部に流入し、水槽220の内部に配置されている回転ドラム230(図2)内に吹き込む。気体は、回転ドラム230(図2)内の洗濯物に接触した後、小孔235を通って、回転ドラム230の外部に流出し、水槽220の下部に形成されている排気口246を通って湿風経路部242に排気される。湿風経路部242に排気された気体は、回転ドラム230内の洗濯物に含まれていた水分によって、湿度が高くなっている。湿気を含んだ気体は、図5中の一点鎖線の矢印で示すように流れて、冷却フィン431に戻り、冷却フィン431で冷却されて、除湿される。気体から取り除かれた水分は、冷却フィン431の下方から排水管(図示しない)を通って本体210から排出される。除湿された気体は、循環経路部243を通って、加熱フィン421に戻る。このサイクルを繰り返すことによって乾燥工程が行なわれる。
このように、洗濯乾燥機200は、洗濯物を収容するための回転ドラム230と、回転ドラム230の内部に気体を流入させるための温風経路部241と、回転ドラム230の内部から気体を流出させるための湿風経路部242と、温風経路部241を流通する気体を加熱するための高温側熱交換部420と、湿風経路部242を流通する気体を冷却するための低温側熱交換部430と、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを含むスターリングエンジン410とを備え、高温側熱交換部420は、スターリングエンジン410の発熱ヘッド411で気体を加熱するように熱交換を行ない、低温側熱交換部430は、スターリングエンジン410の吸熱ヘッド412で気体を冷却するように熱交換を行なう。
従来、乾燥機に用いられているヒートポンプにおいては、コンプレッサで冷媒を圧縮して気体から液体に変化させる凝縮部と、冷媒を膨張させて液体から気体に変化させる蒸発部とで熱交換を行なっている。すなわち、ヒートポンプにおいては、冷媒は、凝縮部から管などを通って蒸発部へ移動して、液体から気体に変化し、蒸発部から管などを通って凝縮部へ移動して、気体から液体へと変化することを繰り返す必要がある。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
このように、スターリングエンジンにおいては、冷媒を気体と液体の間で状態変化させる必要がないために、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが所定の温度になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから蒸発部と凝縮部とが所定の温度になるまでに必要な時間よりも短い。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを削減しやすく、省エネルギーを図りやすい乾燥機が得られる。このように、スターリングエンジンを備える乾燥機は、乾燥機の起動に要する時間を短くすることができるとともに、ヒートポンプのように冷媒が気体と液体の混合から均一な気体となるまでの時間を待つ必要がないため、乾燥機の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
また、従来の加熱除湿装置に用いられているヒートポンプの振動系は、冷媒の圧縮と膨張にコンプレッサを使用するため、回転の振動を含む複雑な振動系である。一方、スターリングエンジンは、ヒートポンプに比べて振動系が単純である。すなわち、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサの往復という直線的な運動しか行なわれない。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このようにすることにより、振動、騒音を少なくすることができ、使用性、すなわち、使用しやすく、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減することができ、省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置400を提供することができる。
加熱除湿装置400は、気体を湿風経路部242から温風経路部241に流入させるための循環経路部243を備え、気体は、低温側熱交換部430において冷却され、循環経路部243を通って温風経路部241に流入し、高温側熱交換部421において加熱される。
このように、湿風経路部242に流出した気体は、低温側熱交換部430において冷却され、循環経路部243を通って温風経路部241に流入し、高温側熱交換部421において加熱されるので、効率よく除湿することができる。
洗濯乾燥機200は、回転ドラム230を覆うように配置されて、水を収容するための水槽220を備え、回転ドラム230は、水槽220内において回転可能に支持され、回転ドラム230の内部に収容される洗濯物が回転ドラム230内において洗濯されることが可能であるように構成されている。
このようにすることにより、洗濯終了後、速やかに乾燥を行なうことができる。また、スターリングエンジン400においては、高温部と低温部は、スターリングエンジン本体から配管で接続されるなどして別に形成されず、ヒートポンプに必要なコンプレッサと膨張弁や高温部(凝縮部)、低温部(蒸発部)とを結ぶ冷媒を循環させる配管が必要なく、単純な構造であるので、洗濯中、特に脱水中に複雑で大きな振動の発生しやすい洗濯乾燥機200が振動しても配管の破断や故障をしにくい、信頼性の高い洗濯乾燥機200を提供することができる。
洗濯乾燥機200においては、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412との間に再生器チューブ148が設けられ、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412と再生器チューブ148は同軸状に配されており、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412と再生器チューブ148が循環路内に配されるように構成されている。
このようにすることにより、循環路を短くして圧力欠損を抑えることができるとともに、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とが相互に与える熱影響を、再生器チューブ148の周囲の空気層によって低減させることができる。
この実施形態においては、加熱除湿装置を洗濯乾燥機に用いたが、この発明の加熱除湿装置は、食器乾燥機や食器洗浄乾燥機、除湿機、浴室乾燥機などに用いられてもよい。
(実施形態1−2)
図6は、この発明の実施形態1−2として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図6は、この発明の実施形態1−2として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図6に示すように、加熱除湿装置500は、スターリングエンジン510と、第一の熱交換部として高温側熱交換部520と、第二の熱交換部として低温側熱交換部530とを備える。スターリングエンジン510は、発熱ヘッド511と吸熱ヘッド512とを有する。スターリングエンジン510の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。高温側熱交換部520は、気体を加熱するための加熱部522と、発熱ヘッド511の熱を加熱部522に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路523とを有する。低温側熱交換部530は、気体を冷却するための冷却部532と、冷却ヘッド512の熱を冷却部532に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路533を有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。加熱部522と冷却部532は、この実施形態においては、どちらも板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路523と熱伝導媒体流路533は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。加熱除湿装置500は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置500においては、高温側熱交換部520は、気体を加熱するための加熱部522と、発熱ヘッド511の熱を加熱部522に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路523とを有する。また、低温側熱交換部530は、気体を冷却するための冷却部532と、吸熱ヘッド512の熱を冷却部532に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路533とを有する。
このようにすることにより、高温側熱交換部520と低温側熱交換部530の位置や形状を、温風経路部241(図5)と湿風経路部242(図5)の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−2の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−3)
図7は、この発明の実施形態1−3として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図7は、この発明の実施形態1−3として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図7に示すように、加熱除湿装置600は、スターリングエンジン610と、第一の熱交換部として高温側熱交換部620と、第二の熱交換部として低温側熱交換部630とを備える。スターリングエンジン610は、発熱ヘッド611と吸熱ヘッド612とを有する。スターリングエンジン610の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。
高温側熱交換部620は、フィンとして発熱ヘッド611に接続された加熱フィン621を有する。加熱フィン621は円盤状であり、中心部分が発熱ヘッド611に、直接、接続されている。
低温側熱交換部630は、気体を冷却するための冷却部632と、冷却ヘッド612の熱を冷却部632に伝導するための熱伝導媒体が流通するための熱伝導媒体流路633を有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。冷却部632は、この実施形態においては板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路633は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。
加熱除湿装置600は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置600においては、発熱ヘッド611を温風経路部内に配するように構成している。
このようにすることにより、発熱ヘッド611と高温側熱交換部620との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、発熱ヘッド611と高温側熱交換部620との間の経路において熱が無駄に消費されることを防ぐことができる。
加熱除湿装置600においては、高温側熱交換部620は、発熱ヘッド611に接触されるように配置される加熱フィン621を含む。
このようにすることにより、加熱フィン621において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置600を小型化することができる。
また、加熱除湿装置600においては、低温側熱交換部630は、気体を冷却するための冷却部632と、吸熱ヘッド612の熱を冷却部632に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路633とを有する。
このようにすることにより、例えば、発熱ヘッド611および加熱フィン621と冷却部632との風路上の距離を離して相互に与える熱影響を小さくすることが容易になる。また、冷却部632の余剰スペースへの配置等、冷却部632の位置や形状を、湿風経路部242(図5)の形状や洗濯乾燥機200の全体の部品配置などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−3の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−4)
図8は、この発明の実施形態1−4として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図8は、この発明の実施形態1−4として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図8に示すように、加熱除湿装置700は、スターリングエンジン710と、第一の熱交換部として高温側熱交換部720と、第二の熱交換部として低温側熱交換部730とを備える。スターリングエンジン710は、発熱ヘッド711と吸熱ヘッド712とを有する。スターリングエンジン710の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。
高温側熱交換部720は、気体を加熱するための加熱部722と、発熱ヘッド711の熱を加熱部722に伝導するための熱伝導媒体が流通するための熱伝導媒体流路723とを有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。加熱部722は、この実施形態においては板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路723は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。
低温側熱交換部730は、フィンとして吸熱ヘッド712に接続された冷却フィン731を有する。冷却フィン731は円盤状であり、中心部分が吸熱ヘッド712に、直接、接続されている。
加熱除湿装置700は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置700においては、吸熱ヘッド712を湿風経路部内に配するように構成している。
このようにすることにより、吸熱ヘッド712と低温側熱交換部730との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、吸熱ヘッド712と低温側熱交換部730との間の経路で熱が無駄に消費されることを防止することができる。
また、このように、加熱除湿装置700においては、低温側熱交換部730は、吸熱ヘッド712に接触されるように配置される冷却フィン731を含む。
このようにすることにより、冷却フィン731において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置700を小型化することができる。
加熱除湿装置700においては、高温側熱交換部720は、気体を加熱するための加熱部722と、発熱ヘッド711の熱を加熱部722に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路723とを有する。
このようにすることにより、例えば、加熱部722と吸熱ヘッド712および冷却フィン731との風路上の距離を離して相互に与える熱影響を小さくすることが容易になる。また、加熱部722の余剰スペースへの配置等といった、加熱部722の位置や形状を、温風経路部241(図5)の形状や、洗濯乾燥機200の全体の部品配置などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−4の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−5)
図9は、この発明の実施形態1−5として、本発明の加熱除湿装置を備える洗濯乾燥機の側断面を概略的に示す側断面図であり、図10は、洗濯乾燥機を背面から見た断面を概略的に示す断面図である。
図9は、この発明の実施形態1−5として、本発明の加熱除湿装置を備える洗濯乾燥機の側断面を概略的に示す側断面図であり、図10は、洗濯乾燥機を背面から見た断面を概略的に示す断面図である。
図9と図10に示すように、洗濯乾燥機300は、本体310と、本体310の内部に取り付けられた水槽320と、被乾燥対象物として洗濯物を収容するための容器として、水槽320の内部で回転可能に支持された回転ドラム330とを備える。
本体310の上面には外扉301が取り付けられている。外扉301を開くことによって本体310の上面に設けられた洗濯物投入口302から水槽320、回転ドラム330に設けられた投入口(図示せず)を通じて洗濯物を回転ドラム330に投入、または回転ドラム330から取り出すことができ、外扉301を閉じることによって洗濯物投入口302を塞ぐことができる。
回転ドラム330は、水槽320の内部で、ほぼ水平に伸びる軸部331を中心に回転するように支持されている。このようにしてドラム式洗濯乾燥機300は、水槽320と回転ドラム330とから構成された二重構造を有する。軸部331は、回転ドラム330の左右両側に一つずつ配置され、回転ドラム330を回転させるためのドラム回転駆動モータ336のシャフトをそれぞれ備えている。なお、ドラム回転駆動モータは所望の駆動力が得られれば、片側のみでもよい。
水槽320の内周壁面と回転ドラム330の外周壁面とは、第一の風路として温風経路部341と、第二の風路として湿風経路部342とを形成している。水槽320の下部には吸気口345と排気口346が設けられている。なお、吸気口345、排気口346は上部や側面部に設けられてもよい。排気口346と吸気口345は、水槽320の外部において循環路として循環経路部343を介して接続されている。循環経路部343内には、送風機構部344と、スターリングエンジン410を備える加熱除湿装置400が配置されている。
洗濯乾燥機300の本体310の内部においては、回転ドラム330の側面側に、温風経路部341と湿風経路部342が配置されている。温風経路部341と湿風経路部342は、それぞれ、吸気口345と排気口346で水槽320の内部と連通している。温風経路部341と湿風経路部342は、水槽320の下方において循環経路部343を介して接続されている。ほぼ直線状に延びている循環経路部343には、加熱除湿装置400の本体が、冷却フィン431が湿風経路部342側に、加熱フィン421が温風経路部341側に配置されるように、設けられている。水槽320の下方において、湿風経路部342の内部には、送風機構部344が配置されている。
加熱除湿装置400のスターリングエンジン410を駆動させると、加熱フィン421において気体が加熱されるように熱交換され、冷却フィン431において気体が冷却されるように熱交換される。
加熱除湿装置400と送風機構部344とを駆動させることによって、加熱フィン421で加熱された気体は、温風経路部341を図中の二点鎖線の矢印で示すように流れて、吸気口345から水槽320の内部に流入し、水槽320の内部に配置されている回転ドラム330内に吹き込む。気体は、回転ドラム330内の洗濯物に接触した後、小孔を通って、回転ドラム330の外部に流出し、水槽320の下部に形成されている排気口346を通って湿風経路部342に排気される。湿風経路部342に排気された気体は、回転ドラム330内の洗濯物に含まれていた水分によって、湿度が高くなっている。湿気を含む気体は、図中の一点鎖線の矢印で示すように流れて、冷却フィン431に戻り、冷却フィン431で冷却されて、除湿される。気体から取り除かれた水分は、冷却フィン431の下方から排水管(図示しない)を通って本体310から排水される。除湿された気体は、循環経路部343を通って、加熱フィン421に戻る。このサイクルを繰り返すことによって乾燥工程が行なわれる。
実施形態1−5の洗濯乾燥機300のその他の構成と効果は、実施形態1−1の洗濯乾燥機200と同様である。
(実施形態2−1)
以下、本発明の実施形態2−1を図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態2−1に係る加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の給排水経路の構成を示す断面図、図12は、本発明の実施形態2−1に係るドラム式洗濯乾燥機の乾燥通風経路の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態2−1を図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態2−1に係る加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の給排水経路の構成を示す断面図、図12は、本発明の実施形態2−1に係るドラム式洗濯乾燥機の乾燥通風経路の構成を示す断面図である。
図11に示すように、略直方体の本体1の前面には洗濯物を出し入れするための投入口1aが形成されるとともに、投入口1aを開閉するためのドア2がヒンジ機構にて回動可能に設けられている。本体1内には、一端に投入口1aと対向する開口3aを有する有底筒形状の水槽3が、その背面に対して開口3a側の方が高くなるように傾斜して内装されており、この水槽3の開口3aと本体1の投入口1aとはパッキン4で水密に接続されている。なお、水槽3は、図示しないダンパーなどの支持装置により支持されることで、揺動自在に配置されている。
水槽3内には、洗濯物を収容する回転槽5が回転自在に内装されている。回転槽5はその回転軸方向の一端に開口3aに対向する開口5aを有した有底筒形状をなし、その底面(背面)に対して開口5a側の方が高くなるように傾斜させて配置している。回転槽5の開口周縁には流体バランサー6が設けられ、回転槽5の周壁には複数の孔が設けられている。ドア2を回動させて投入口1aを開放した状態において、回転槽5内への洗濯物の投入および回転槽5内からの洗濯物の取出は投入口1a、開口3a、開口5aを介して行なわれる。
回転槽5の底面(背面)には、回転軸5bが固定されており、水槽3に軸受5cを介してその回転軸が斜めとなるように回転自在に支持されている。また、回転軸5bの回転槽が取り付けられている側とは反対側の端部には、ドラムプーリ5dが取り付けられている。
本体1の背面上部には、本体1の天面を一部低くした段部が設けられ、その段部には水道からの水を本体1内に導入する給水口7が配されている。給水口7の下流側には図示しない給水弁が配されており、洗濯機の各部の動作を制御する図示しない制御装置からの指示にしたがって給水弁が開閉されて、本体1内への給水が制御される。制御装置からの指示により給水弁が開放されると、給水口7から本体1内に水道からの水が導入される。給水口7を通過した水は、給水路8を介して洗剤ケース9内に供給されて洗剤と混合された後、給水管10を通って水槽3内に供給される。
また、水槽3の背面側下方には、水槽3内に供給された水を本体1外への排出経路を構成する排水管11が接続されている。水槽3より排水管11へと排出された水は、フィルタ装置12に配される排水フィルタ12aよって糸屑等の異物が除去される。フィルタ装置12には、エアトラップ12bが設けられており、エアトラップ12b内と連通する導圧管13の一端が接続されている。導圧管13の他端には、水位センサ14が接続されており、洗いやすすぎ時には、エアトラップ12b内の空気の圧力を水位センサ14にて計測することにより水槽3内の水位が検出される。フィルタ装置12で異物が除去された水は排水路15へと流れ込む。排水路15の下流側には排水弁16が配されており、洗濯機の各部の動作を制御する図示しない制御装置からの指示にしたがって排水弁16が開閉されて、本体1内からの排水が制御される。制御装置からの指示により排水弁16が開放されると、排水路15の水が排水ホース17を介して本体1外へ排出される。なお、排水路15と排水ホース17とが、排水経路の一部である。
水槽の下部には、図12に示すように、設置台18が設けられており、その設置台18には、回転槽5を回転駆動させる回転速度を制御可能なモータ19が配されている。モータ19には、モータ軸19aが取り付けられており、モータ軸19aのモータ19が取り付けられている方とは反対側にモータプーリ20が設けられている。このモータプーリ20と回転槽プーリ5dはベルト21を介してモータプーリ20の動力を回転槽プーリ5dへと伝達可能なように掛け巻きされている。
モータ軸19aには、クラッチ機構22が挿通されており、モータ軸19aの回転駆動力をその下方に設けられた伝達機構部23へと伝達する状態または伝達しない状態へと切換可能に構成されている。この伝達機構部23へと伝達された回転駆動力は、熱交換部24へと供給されて熱交換部24の動力として使用される。クラッチ機構22、伝達機構部23、熱交換部24についてのより詳細な構成や動作については後述する。
水槽の背面後方から下部、および前面前方にかけては回転槽5内に投入された洗濯物を乾燥させるための空気が循環する循環ダクトの一例である通風経路(循環ダクト)25が設けられている。通風経路25には、その経路中に通風経路25の気流源である送風機26および熱交換部24が配されている。乾燥運転中において、水槽3内の空気は、排気口25aを介して通風経路25へと排出される。通風経路25へと流れ込んだ空気は、ファンの一例である送風機26によって熱交換部24へと送られ、後述する吸熱ヘッド38aで冷却除湿された後、発熱ヘッド38bで加熱されて、給気口25bから再び水槽3へと送られる。なお、通風経路25の一部を水槽3の背面の周縁部に沿って設けても良い。
次に、クラッチ機構22、伝達機構部23および熱交換部24の構成について図13から図15を用いて説明する。図13は、図12の要部を拡大した図、図14は、クラッチ機構22の分解斜視図、図15は、図13をAより見た図である。
クラッチ機構22は、図13に示すように、連動軸27、クラッチ片28、コイルバネ29およびソレノイド30により構成される。連動軸27は、モータ軸19aに対して回転可能に挿通されており、モータ19に近い方が小径、遠い方が大径となるように構成されている。連動軸27の小径な部分である小径部27aは、図14に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。連動軸27の大径な部分である大径部27bは、周囲が歯車状に形成されており、後述する第一の連動歯車31へと動力伝達可能に連結している。連動軸27の小径部27aに隣接するとともに連動軸27の小径部27aよりもモータ19に近いところには、モータ軸19aに一体に形成される連結部19bが形成されている。連結部19bは、図14に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されており、連動軸27の小径部27aと同じ形状を有している。クラッチ片28は磁性体で構成されており、図14に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸27の小径部27aおよび連結部19bの外周が嵌合するように構成されている。連動軸27の大径部27bとクラッチ片28との間にはコイルバネ29が圧縮配置されており、クラッチ片28を連結部19bのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片28の外周側には、図13に示すように、磁力を発生してクラッチ片28に斥力を発生させるソレノイド30が配されている。ソレノイド30は、その駆動によりクラッチ片28をコイルバネ29の付勢力に抗して移動させ、後述する図16に示すように、クラッチ片28を連結部19bおよび小径部27aと嵌合させて、モータ19の回転駆動力を伝達機構部23へと伝達するようにその付勢力が調整されている。
伝達機構部23は、図13に示すように、第一の伝達歯車31および第二の伝達歯車32により構成される。第一の伝達歯車31は、図15に示すように、連動軸27の大径部27bの下方に設けられるとともに、その外周の歯車と連動軸27の大径部27bの歯車とが嵌合しており、連動軸27の回転駆動力をその下方に配された第二の伝達歯車32へと伝達させる。第二の伝達歯車32は、図14に示すように、その回転軸方向の一方側が小径の歯車である小径部32a、他方側が大径の歯車である大径部32bとなるように形成されている。第二の伝達歯車32は、小径部32aは第一の伝達歯車31、大径部32bは後述するシャフト歯車33と嵌合しており、第一の伝達歯車31の回転駆動力をシャフト歯車33へと伝達させる。なお、クラッチ機構22と伝達機構部23とが、伝達部の一例である。
加熱除湿装置として熱交換部24は、本実施の形態では、並列型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。図13に示すように、シャフト歯車33、クランクシャフト34、吸熱側クランク35a、発熱側クランク35b、吸熱側ピストン36a、発熱側ピストン36b、低温室37a、高温室37b、吸熱ヘッド38a、発熱ヘッド38bおよび再生器39より構成される。シャフト歯車33は、第二の伝達歯車32の大径部32bの下方に配され、第二の伝達歯車32の大径部32bの歯車と嵌合している。また、シャフト歯車33は、製品の前方側に向かって伸長するクランクシャフト34が一体に取付られている。クランクシャフト34は、その2箇所を設置台18に回転可能に軸支され、この軸支された部分の間には吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bが設けられる。図13において、吸熱側クランク接続部34aは上方に向けて凸、発熱側クランク接続部34bは手前側に向けて凸となるように折り曲げられており、シャフト歯車33が図15に示すように本体1の後方より見て左回り(反時計回り)方向に回動することにより、吸熱側クランク接続部34aに対して発熱側クランク接続部34bが90°進んだ位相で回動し、後述する吸熱ヘッド38aが送風経路25の空気の冷却、発熱ヘッド38bが送風経路25の空気の加熱を行なうように作動する。
吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bの一端と接続されている。吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bは、それぞれの他端に吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bが接続されている。吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bの下方には、それぞれ設置台18を外郭とする水素やヘリウム等の気体が密封された低温室37aおよび高温室37bが設けられており、吸熱側ピストン36aと低温室37a内面および発熱側ピストン36bと高温室37b内面とは気密かつスライド可能に構成されている。低温室37aおよび高温室37bの下方の通風経路25に突出した先端部は、通風経路25の空気を冷却する吸熱ヘッド38aおよび通風経路25の空気を加熱する発熱ヘッド38bとして機能する。吸熱ヘッド38aおよび発熱ヘッド38bは必ずしも通風経路25内に突出させる必要はないが、熱交換効率を向上させるために通風経路25内に突出させるほうが好ましい。この冷却および加熱機能については後述する。また、低温室37aと高温室37bとはそれぞれの部屋を連通させる経路を有し、その経路には再生器39が配されている。再生器39は、この周辺を通過する高温気体からの熱を蓄熱し、または蓄熱した熱を低温気体に供給する作用を奏する。吸熱ヘッド38aおよび発熱ヘッド38bは、その配置方向が回転槽5の回動軸の水平面への投影軸と一致するように配されており、運転時に本体1内で水槽3と一体に振動する振動体の重心を下方に押し下げて、より振動を低減させやすい構成としている。これにより、回転槽5を高い位置に配した場合でも静音化に貢献しつつ、洗濯物の取り出しをも容易に出来る。なお、設置台18がハウジングの一例である。
次に、この洗濯乾燥機における動作について説明する。構成を備えた洗濯乾燥機において、使用者が電源を入れ、投入口から回転槽5内へ洗濯物を投入し、洗剤ケース9に洗剤を投入した後、図示しない操作パネルのスタートスイッチの押圧により運転をスタートすると、制御部は、給水口7、給水路8、洗剤ケース9および給水管10を介して水槽3へと給水を行なう。水槽3内の水位が所定の水位まで達したことを水位センサ14が検知すると、制御部は、水槽3内への給水を停止させて、モータ19を駆動させて回転槽5を低速回転させて洗い工程を行う。
洗い工程が終了すると、水槽3内の水を排水路11、フィルタ装置12、排水管15、排水弁16および排水ホース17を介して機外へ排出させた後、回転槽5を高速で回転させて洗濯物に含まれる洗濯水の脱水を行なう。脱水工程が終了すると、再度、水槽3内への所定水位までの給水の後、回転槽5を低速回転させる濯ぎ工程が開始される。濯ぎ工程が完了すると、水槽3内の洗濯水の排水後、脱水工程が行なわれる。この濯ぎ工程と脱水工程が複数回繰り返された後、乾燥工程へと移行する。
次に、本発明の実施形態2−1の乾燥工程の要部の動作について図16から図19を用いて説明する。図16は、熱交換部24へ回転駆動力を伝達するようにクラッチ機構22を切り換えた状態の要部拡大図、図17は、図16の状態からクランクシャフト34を90°回転させた状態の要部拡大図、図18は、図16の状態からクランクシャフト34を180°回転させた状態の要部拡大図、図19は、図16の状態からクランクシャフト34を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機26が駆動して通風経路25内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド30が駆動されてクラッチ片28が連結部19bおよび連動軸27に嵌合して、モータ19の回転駆動力が連動軸27に伝達可能となる。この状態でモータ19を図15に示すように右回りである矢印a方向に回動させると、回転槽5が後方から見て右回りに回動し、また、連動軸27も同じ矢印a方向に回動して、第一の伝達歯車31を左回りである矢印b方向に回動させる。第一の伝達歯車31に伝達された回転駆動力は、これに嵌合する第二の回転歯車32へと伝達されて、第二の伝達歯車32を矢印c方向に回動させる。矢印c方向に回動する第二の伝達歯車32は、シャフト歯車33を矢印d方向に回動させて熱交換部24が駆動される。
図16の状態において、シャフト歯車33が矢印d方向に駆動されて図17の状態になる間に、吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、90度の位相差がつけられた吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bにより低温室37a内および高温室37b内の気体を圧縮させる。このとき高温室37bの気体の圧縮率は低温室37aに比べ非常に大きく、高温室37bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド38bの温度は上昇するとともに、この高温室37bの高圧で温度の上昇した気体が再生器39を介して低温室37aに吹き込まれる。この高温室37bの高圧で温度が上昇した気体が再生器39を通過するに際して、この気体の熱量は再生器39に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室37aへと吹き込まれて、低温室37aの温度を下降させる。
シャフト歯車33の回動が進んで、図17の状態から図18の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aは吸熱側クランク35aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クランク接続部34bは発熱側クランク35bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aにより低温室37a内の気体を圧縮、発熱側ピストン36bにより高温室37b内の気体を膨張させるため、低温室37aの気体は再生器39を通って急速に高温室37bへと移動する。このとき、高温室37bへと移動する気体は再生器39に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室37b内の温度を上昇させる。
さらにシャフト歯車33が回動して、図18の状態から図19の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35a(図8に引き出し線を書いてください)および発熱側クランク35bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bにより低温室37a内および高温室37b内の気体を膨張させる。このとき低温室37aの気体の膨張率は高温室37bに比べ非常に大きく、低温室37aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド38aの温度は下降する。
さらにシャフト歯車33が回動して、図19の状態から図16の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aは吸熱側クランク35aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク接続部34bは発熱側クランク35bを下方へ押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aにより低温室37a内の気体を膨張、発熱側ピストン36bにより高温室37b内の気体を圧縮させるため、高温室37bの気体は再生器39を通って急速に低温室37aへと移動する。このとき、低温室37aへと移動する気体の熱量は再生器39に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室37aへと吹き込まれる。このようにシャフト歯車33が回動することにより吸熱ヘッド38aは冷却、発熱ヘッド38bは発熱し、それぞれシャフト歯車33の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口25aを介して通風経路25内に排出された空気は、送風機26を経て、吸熱ヘッド38aへと送られる。吸熱ヘッド38aへ送られた空気は、吸熱ヘッド38aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド38bへと送られる。発熱ヘッド38bへ送られた空気は、発熱ヘッド38bにて加熱され、水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド38a下方の通風経路25底部には、図示しない排水孔が設けられており、底部吸熱ヘッド38aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から通風経路25と排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−1によれば、回転槽5を回転させるモータ19のモータ軸19aにクラッチ機構22を設けることにより、モータ19の回転駆動力を熱交換部24に伝達して熱交換部24を作動させることができるので、逆スターリングサイクルを作動させる電動機を別途設ける必要がなく、省エネ性の高い洗濯機を提供することができる。また、通風経路25を外箱1内下方に設けているので、外箱1天面と水槽3上端に大きな空間を設ける必要がなく、水槽3の配置高さを高くでき、洗濯物の取り出しやすい洗濯機とすることができる。さらに、水槽3の下方にその中心線に沿って重心が配置されているので、振動防止の錘としても作用させることができ、静音性を高めることができる。また、通風経路25の一部を熱交換部24の下方、かつ排水路15または排水ホース17の上方、すなわち両者の間に配置しているので、熱交換部により冷却除湿されたドレイン水の排水経路を短くでき、速やかに排水することができる。
(実施形態2−2)
以下、本発明の実施形態2−2を図20から図23を用いて説明する。図20は、本発明の実施形態2−2に係る本発明の加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の断面図、図21は図20の要部拡大図、図22は図21におけるB−B断面図、図23はモータ軸40b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−2では、実施形態2−1と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2−2を図20から図23を用いて説明する。図20は、本発明の実施形態2−2に係る本発明の加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の断面図、図21は図20の要部拡大図、図22は図21におけるB−B断面図、図23はモータ軸40b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−2では、実施形態2−1と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
実施形態2−2において、水槽3の背面には、モータの一例である駆動部40および通風経路41が設けられている。駆動部40は、図21に示すように、外郭をモータカバー40aにて覆われており、その内部に、一端が回転槽5の背面中央部に連結されたモータ軸40bがベアリング40cによって回転自在に支持されている。このモータ軸40bの他端には、ロータ40dが取り付けられており、その外周側に設けられたステータ40eによって回転駆動力を与えるインナーロータタイプのダイレクトドライブ方式の構成を有してようになっている。また、モータ軸40bには、そのモータ軸40bの一部が大径となる連結部40fが設けられている。連結部40fは、図23に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。
また、水槽3の背面から周面にかけて、通風経路41が設けられている。背面側に設けられた通風経路41は、水槽3の背面の周縁部に略沿うように、駆動部40を上方から右回り方向にその外周を取り囲むように配されており、背面上端から水槽3周面を前方に向かって伸長するように設けられている。通風経路41は、図22に示すように、水槽3内との連通口である排気口41aと、通風経路41の外郭であるケーシング41bと、水槽3背面とケーシング41bとの間で形成される水槽背面経路41cと、通風経路41の気流源である送風機41dと、水槽3周面とケーシング41bとの間で形成される水槽周面経路41eとで構成されている。水槽背面経路41cには後述する熱交換部48の吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bが突出して設けられており、吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bにより水槽背面経路41cの空気が冷却除湿および加熱されて乾燥に供される。また、図示しないが水槽周面経路41eの水槽3内への給気口は、通風経路41を通過した空気が回転槽5の開口部5aから回転槽5内へと吹き込まれるように配されている。なお、送風機41dが上記ファンの一例、水槽背面経路41cと水槽周面経路41eとが上記循環ダクトの一例である。
モータ軸40bの外周には、図21に示すように、連結部40fに隣接して連動軸42が回動可能に配されている。連動軸42は、図23に示すように、連結部40fに隣接する部分が小径、離れた部分が大径となるように構成されている。連動軸42の小径な部分である小径部42aは、図23に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成され、連結軸40fと同形状に形成されている。対して、連動軸42の大径な部分である大径部42bは、歯車状に形成されており、この歯車が後述する伝達歯車46と連結して、回転駆動力を伝達するようになっている。
連結軸40fの外周には、図21に示すように、クラッチ片43が設けられている。クラッチ片43は磁性体で構成されており、図23に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸42の小径部42aおよび連結部40fの外周が嵌合するように構成されている。連動軸42の大径部42bとクラッチ片43との間にはコイルバネ44が圧縮配置されており、クラッチ片43を連結部40fのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片43の外周側には、図21に示すように、磁力を発生してクラッチ片43に斥力を発生させるソレノイド45が配されている。ソレノイド45は、その駆動によりクラッチ片43をコイルバネ44の付勢力に抗して移動させ、クラッチ片43を連結部40fおよび連動軸42双方と嵌合させて、モータ軸40bの回転駆動力を後述する伝達歯車46へと伝達するようにその付勢力が調整されている。
連動軸42の大径部42bの下方には、図21に示すように、伝達歯車46が配されている。伝達歯車46は、その上方で連動軸42の大径部42bの歯車と連結し、また、その下方に設けられたクランク歯車47の歯車部とも連結している。クランク歯車47は、小径の歯車部47a(図23の破線部)と、円盤状の大径部47bと、大径部47bの歯車部47aが設けられた面とは反対側の面から垂直方向に突出する円柱状のクランクピン47cより構成されている。クランク歯車47の下方には、図21に示すように、熱交換部48が設けられている。なお、連動軸42、クラッチ片43、コイルバネ44、ソレノイド45、伝達歯車46およびクランク歯車47が上記伝達部の一例である。
ここで、熱交換部48について、図24を用いて説明を行なう。図24は、図21のC−C断面図である。
加熱除湿装置として熱交換部48は、本実施の形態では、V型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。図24に示すように、その外郭をモータカバー40aと一体に構成されるともに、吸熱側クランク49a、発熱側クランク49b、吸熱側クロスヘッド50a、発熱側クロスヘッド50b、吸熱側ピストンピン51a、発熱側ピストンピン51b、吸熱側ピストン52a、発熱側ピストン52b、低温室53a、高温室53b、吸熱ヘッド54a、発熱ヘッド54b、低温室空気出入口55a、高温室空気出入口55b、低温空気通路56a、高温空気通路56b、再生器57を備えている。
吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、その一端がクランクピン47cに回動可能に連結している。一方、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bの他端は、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに回動可能に連結し、クランクピン47cより伝達さえるモータ40の回転駆動力を伝達する。吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bは、円筒状に形成されたモータカバー40aの内周面と揺動可能に内嵌されており、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bより伝達される駆動力を、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに接続された吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bへと、それぞれのピストンピンの軸方向に伝達する。吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bは、その軸方向が水槽3背面方向より見て略直角となるように配されている。
また、吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bは、その一端が吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに接続され、他端が吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bに接続されている。吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bは、円筒状に形成されたモータカバー40aの内周面と摺動可能に、かつ吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bとモータカバー40aの内周面の間のそれぞれの摺動面が気密に封止されるように内嵌している。吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bの、吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bとが取り付けられた面とは反対側の面の側には、低温室53aおよび高温室53bが設けられており、その先端側が吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bにより閉塞されている。
低温室53aおよび高温室53bは、本体後方側に向かって開口する低温室空気出入口55aおよび高温室空気出入口55bを有しており、それぞれ低温室空気出入口55aおよび高温室空気出入口55bを介して低温空気通路56aおよび高温空気経路56bに連通している。低温空気通路56aおよび高温空気経路56bの間の経路には、再生器57が接続されている。低温室53a内の空気は、吸熱側ピストン52aの動作により低温室空気出入口55a、低温空気通路56a、再生器57、高温空気経路56b、高温室空気出入口55bを介して高温室53bへ送られ、逆に、高温室53b内の空気は、発熱側ピストン52bの動作により高温室空気出入口55b、高温空気通路56b、再生器57、低温空気経路56a、低温室空気出入口55aを介して低温室53aへ送られる。この際、再生器57は、高温空気経路56bから流れ込む空気の熱を吸収し、低温空気経路56aから流れ込む空気に熱を排出して、低温室53a内の空気が低温、高温室53bの空気が高温を維持するように作用する。
次に、本発明の実施形態2−2の乾燥工程の要部の動作について図22、図24から図27を用いて説明する。図25は、図24の状態からクランク歯車47を90°回転させた状態の要部拡大図、図26は、図24の状態からクランク歯車47を180°回転させた状態の要部拡大図、図27は、図24の状態からクランク歯車47を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機41dが駆動して通風経路41内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド45が駆動されてクラッチ片43が連結部40fおよび連動軸42に嵌合して、駆動部40の回転駆動力が連動軸42に伝達可能となる。この状態で駆動部40を図22に示すように右回りである矢印e方向に回動させると、回転槽5が後方から見てモータ軸40bを中心に右回りに回動し、また、連動軸42も同じ矢印e方向に回動して、伝達歯車46を左回りである矢印f方向に回動させる。伝達歯車46に伝達された回転駆動力は、これに嵌合するクランク歯車47を矢印g方向に回動させて熱交換部48が駆動される。
図24の状態において、クランク歯車47が図22における矢印g方向(図14に記す)に駆動されて図25の状態になる間に、吸熱側クランク49aは、吸熱側クロスヘッド50aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク49bは、発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を膨張、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を圧縮させるため、高温室52bの気体は再生器57を通って急速に低温室53aへと移動する。このとき、低温室52aへと移動する気体の熱量は再生器57に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室52aへと吹き込まれる。
クランク歯車47の回動が進んで、図25の状態から図26の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を膨張させる。このとき低温室53aの気体の膨張率は高温室53bに比べ非常に大きく、低温室53aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド54aの温度は下降する。
クランク歯車47の回動が進んで、図26の状態から図27の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aは吸熱側クロスヘッド50aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クロスヘッド49bは発熱側クランク50bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を圧縮、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を膨張させるため、低温室53aの気体は再生器57を通って急速に高温室53bへと移動する。このとき、高温室53bへと移動する気体は再生器57に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室53b内の温度を上昇させる。
クランク歯車47の回動が進んで、図27の状態から図24の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し下げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を圧縮させる。このとき高温室53bの気体の圧縮率は低温室53aに比べ非常に大きく、高温室53bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド54bの温度は上昇するとともに、この高温室53bの高圧で温度の上昇した気体が再生器57を介して低温室53aに吹き込まれる。この高温室53bの高圧で温度が上昇した気体が再生器57を通過するに際して、この気体の熱量は再生器57に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室53aへと吹き込まれて、低温室53aの温度を下降させる。このようにクランク歯車47が回動することにより吸熱ヘッド54aは冷却、発熱ヘッド54bは発熱し、それぞれクランク歯車47の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口41aを介して通風経路41内に排出された空気は、送風機41cを経て、吸熱ヘッド54aへと送られる。吸熱ヘッド54aへ送られた空気は、吸熱ヘッド54aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド54bへと送られる。発熱ヘッド54bへ送られた空気は、発熱ヘッド54bにて加熱され、上述した給気口を介して水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド54a下方の水槽背面経路41C底部には、図示しない排水孔が設けられており、吸熱ヘッド54aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から水槽背面経路41Cと排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−2によれば、上述した実施形態2−2による作用効果に加えて、水槽3背面に設けられたダイレクトドライブ型の駆動部40の下方の空きスペースにクラッチ機構を介して熱交換部48を、逆スターリングサイクルが略逆V字状またはハの字となるように配することができるので、省スペースの洗濯機を提供することができる。
また、洗濯物の取り出しを容易にするために、水槽3と回転槽5の開口部が斜め上方に向けて配置したドラム式洗濯機の構成に適用した場合には、水槽3と本体1の下方スペースを有効利用できるとともに、駆動部40の下方に熱交換部40が配置されるので重心位置が低くなる。加えて、重量物となる駆動部40のモータ軸58bを通る垂直な中心線を挟んで、熱交換部48の吸熱ヘッド54a側と発熱ヘッド54b側が略逆V次状に配置されるので、振動防止の錘としても作用させることができ、静音性を高めることができる。
(実施形態2−3)
以下、本発明の実施形態2−3を図28から図31を用いて説明する。図28は、本発明の実施形態2−3に係る本発明の加熱除湿装置を備えたドラム式洗濯乾燥機の断面図、図29は図28の要部拡大図、図30は図29におけるD−D断面図、図31はモータ軸58b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−3では、第一、実施形態2−2と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2−3を図28から図31を用いて説明する。図28は、本発明の実施形態2−3に係る本発明の加熱除湿装置を備えたドラム式洗濯乾燥機の断面図、図29は図28の要部拡大図、図30は図29におけるD−D断面図、図31はモータ軸58b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−3では、第一、実施形態2−2と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
実施形態2−3において、水槽3の背面には、モータの一例である駆動部58が設けられている。駆動部58は、図29に示すように、外郭をモータカバー58aにて覆われており、その内部に、一端が回転槽5の背面中央部に連結されたモータ軸58bがベアリング58cによって回転自在に支持されている。このモータ軸58bの他端には、ロータ58eが取り付けられており、その外周側に設けられたステータ58dによって回転駆動力を与えるアウターロータタイプのダイレクトドライブ方式の構成を有してようになっている。また、モータ軸58bには、そのモータ軸58bの一部が大径となる連結部58fが設けられている。連結部58fは、図31に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。
モータ軸58bの外周には、図29に示すように、連結部58fに隣接して連動軸59が回動可能に配されている。連動軸59は、連結部58fに隣接する部分が小径、離れた部分が大径となるように構成されている。連動軸59の小径な部分である小径部59aは、図31に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成され、連結軸58fと同形状に形成されている。対して、連動軸59の大径な部分である大径部59bは、歯車状に形成されており、この歯車が後述する連結歯車63と連結して、回転駆動力を伝達するようになっている。
連結軸58fの外周には、図29に示すように、クラッチ片60が設けられている。クラッチ片60は磁性体で構成されており、図31に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸59の小径部59aおよび連結部58fの外周が嵌合するように構成されている。連動軸59の大径部59bとクラッチ片60との間にはコイルバネ61が圧縮配置されており、クラッチ片60を連結部58fのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片60の外周側には、図29に示すように、磁力を発生してクラッチ片60に斥力を発生させるソレノイド62が配されている。ソレノイド62は、その駆動によりクラッチ片60をコイルバネ61の付勢力に抗して移動させ、クラッチ片60を連結部58fおよび連動軸59双方と嵌合させて、モータ軸58bの回転駆動力を後述する連結歯車63へと伝達する。
連動軸59の大径部59bの下方には、図29に示すように、連結歯車63が配されている。連結歯車63は、その上方で連動軸59の大径部59bの歯車と連結し、また、その歯車軸方向に配されたスライド歯車64とも連結している。スライド歯車64は、その下方で第1の小伝達歯車65または伝達歯車67と連結し、この第1の小伝達歯車65はその下方で第2の小伝達歯車66と連結している。また、第2の小伝達歯車66および伝達歯車67はその下方でクランク歯車68と連結している。クランク歯車68は、小径の歯車部68a(図31の破線部)と、円盤状の大径部68bと、大径部の歯車部が設けられた面とは反対側の面から垂直方向に突出する円柱状のクランクピン68cより構成されている。クランク歯車68の下方には、図29に示すように、熱交換部48が設けられている。本実施の形態では、熱交換部48は、第二の実施形態と同様にV型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。なお、連動軸59、クラッチ片60、コイルバネ61、ソレノイド62、連結歯車63、スライド歯車64、第1の小伝達歯車65、第2の小伝達歯車66、伝達歯車67およびクランク歯車68が上記伝達部の一例である。
ここで、連結歯車63とスライド歯車64について、図32を用いて説明を行なう。図32の(a)はスライド歯車64の上面図、(b)は(a)のF矢視図、(c)は(a)のG矢視図、(d)は連結歯車63の上面図、(e)は(d)のH矢視図、(f)は(e)のI−I断面図、(g)は(e)のJ−J断面図、(h)は(e)のK−K断面図、(i)は(e)のL−L断面図である。
スライド歯車64は、図32(a)〜(c)に示すように、歯車部64bとその歯車部64bの一方の側面より歯車軸方向に伸長する円柱部64aと、円柱部64aの先端からその円柱軸と垂直をなす方向に伸長する円柱状のピン部64cとピン部64cと反対方向に向かって伸長する円柱状のピン部64dより構成される。連結歯車63は、図32(d)〜(i)に示すように、歯車部63bとその歯車部63bの一方の側面より歯車軸方向に伸長する円柱部63aと、円柱部63aの円柱軸方向に向けて設けられるとともに円柱部64aが挿入される穴部63cと、穴部63cの周面に垂直に螺旋状に穿たれてスライド歯車64のピン部64dが挿入されるとともにピン部64dが円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライド移動可能に形成されるスライド穴63dと、穴部63cの周面に垂直に螺旋状に穿たれてスライド歯車64のピン部64cが挿入されるとともにピン部64cが円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライド移動可能に形成されるスライド穴63eより構成される。
次に、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられた場合の動作について説明する。まず、連結歯車63が第1の小伝達歯車65と連結している場合において、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられて、図32(e)における右周り(時計回り)方向に回動すると、ピン部64cはスライド穴63e、ピン部64dはスライド穴63dを円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライドして、円柱部64aは穴部63cより抜ける方向にスライド移動する。すなわち、歯車部64bは、図31における手前側へとスライド移動して第1の小伝達歯車65との連結が解除されるとともに伝達歯車67と連結するようになる。逆に、連結歯車63が伝達歯車67と連結している場合において、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられて、図32(e)における左周り(反時計回り)方向に回動すると、ピン部64cはスライド穴63e、ピン部64dはスライド穴63dを円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライドして、円柱部64aは穴部63cへと入る方向にスライド移動する。すなわち、歯車部64bは、図31における奥側へとスライド移動して伝達歯車67との連結が解除されるとともに第1の小伝達歯車65と連結するようになる。このようにして、駆動部58の回動方向が正逆回転いずれの方向であっても、スライド歯車64との連結を第1の小伝達歯車65または伝達歯車67に切り換えることによりクランク歯車68の回転方向を一定方向とすることができる。
次に、本発明の実施形態2−3の乾燥工程の要部の動作について図33から図36を用いて説明する。図33は、図29におけるE−E断面図、図34は、図33の状態からクランク歯車68を90°回転させた状態の要部拡大図、図35は、図33の状態からクランク歯車68を180°回転させた状態の要部拡大図、図36は、図33の状態からクランク歯車68を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機41dが駆動して通風経路41内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド62が駆動されてクラッチ片60が連結部58fおよび連動軸59に嵌合して、駆動部58の回転駆動力が連動軸59に伝達可能となる。この状態で駆動部58の回転駆動力が連動軸59→連結歯車63→スライド歯車64→伝達歯車67(または第1の小伝達歯車65→第2の小伝達歯車66)→クランク歯車68へと伝達される。これにより、クランク歯車68は、図33における左回り(反時計回り)方向へと回動して熱交換部48が駆動される。
図33の状態において、クランク歯車68が左回り(反時計回り)方向に駆動されて図34の状態になる間に、吸熱側クランク49aは、吸熱側クロスヘッド50aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク49bは、発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を膨張、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を圧縮させるため、高温室52bの気体は再生器57を通って急速に低温室53aへと移動する。このとき、低温室52aへと移動する気体の熱量は再生器57に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室52aへと吹き込まれる。
クランク歯車68の回動が進んで、図34の状態から図35の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を膨張させる。このとき低温室53aの気体の膨張率は高温室53bに比べ非常に大きく、低温室53aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド54aの温度は下降する。
クランク歯車68の回動が進んで、図35の状態から図36の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aは吸熱側クロスヘッド50aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クロスヘッド49bは発熱側クランク50bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を圧縮、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を膨張させるため、低温室53aの気体は再生器57を通って急速に高温室53bへと移動する。このとき、高温室53bへと移動する気体は再生器57に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室53b内の温度を上昇させる。
クランク歯車68の回動が進んで、図36の状態から図33の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し下げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を圧縮させる。このとき高温室53bの気体の圧縮率は低温室53aに比べ非常に大きく、高温室53bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド54bの温度は上昇するとともに、この高温室53bの高圧で温度の上昇した気体が再生器57を介して低温室53aに吹き込まれる。この高温室53bの高圧で温度が上昇した気体が再生器57を通過するに際して、この気体の熱量は再生器57に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室53aへと吹き込まれて、低温室53aの温度を下降させる。このようにクランク歯車68が回動することにより吸熱ヘッド54aは冷却、発熱ヘッド54bは発熱し、それぞれクランク歯車68の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口41aを介して通風経路41内に排出された空気は、送風機41cを経て、吸熱ヘッド54aへと送られる。吸熱ヘッド54aへ送られた空気は、吸熱ヘッド54aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド54bへと送られる。発熱ヘッド54bへ送られた空気は、発熱ヘッド54bにて加熱され、水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド54a下方の水槽背面経路41C底部には、図示しない排水孔が設けられており、吸熱ヘッド54aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から水槽背面経路41Cと排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−3によれば、上述した実施形態2−1と2−2による作用効果に加えて、駆動部58を正逆回転させても、熱交換部48を駆動させるクランク歯車68の回転方向を一定方向とすることができる。これにより、例えば、乾燥工程において、衣類などの絡まりを解くために回転槽5を正逆回転させても、熱交換部48は逆スターリングサイクルを継続できるので、衣類などの乾燥むらを少なくし、乾燥時間を短縮することができる。
また、本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、例えば、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱に電気ヒータを用い、循環風の冷却除湿に水道水を用いる従来技術に比較して、使用する電力は、モータの駆動電力のみとなり消費電力のより一層の低減を実現することができる。また、水道水の使用量を削減することができる。
また、本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、例えば、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱と、循環風の冷却除湿にヒートポンプを用いる従来技術に比較して、使用する電力は、モータの駆動電力のみとなり、消費電力のより一層の低減を実現することができる。
本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、回転槽を回転させるモータの駆動電力で、洗濯物の乾燥または、洗濯物の洗濯・脱水・乾燥が行えるので、従来の乾燥機または洗濯乾燥機に比べて節水と消費電力のさらなる低減を実現することができる。
特に、熱交換部として、スターリング冷凍機を用いた場合には、モータの回転力をスターリング冷凍機に伝達する連動手段により逆スターリングサイクルを行い、スターリング冷凍機の低温室と高温室を用いて、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱と、洗濯物から蒸発した水分を含んだ高温多湿の循環風を冷却除湿し、洗濯物の乾燥を実現できる。
よって、水を使わず、消費電力をさらに低減することができる乾燥機または洗濯乾燥機を提供することができる。
なお、上述した構成と制御は、洗濯乾燥機に限らず、乾燥機に適用してもよく、回転槽は横置き式に限らず、縦置き式であってもよく、さらにドラム式に限らない。
なお、この発明の実施形態2−1〜2−3に基づいた乾燥機の技術的思想を要約すると、以下のとおりである。
(1)この発明に従った乾燥機は、水槽と、水槽内に回転可能に設けられた回転槽と、回転槽を回転させるモータと、水槽内を連通する循環ダクトと、水槽内の気体を循環ダクトを介して循環させるファンと、循環ダクト内の空気を吸熱ヘッドで冷却し、発熱ヘッドで加熱するように熱交換を行う熱交換部と、モータの回転力を、熱交換部を動作させるための動力として伝達する伝達部とを備える。
(2)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽に設けられていることを特徴とする。
(3)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽の下方に設けられていることを特徴とする。
(4)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽の背面に設けられていることを特徴とする。
(5)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、モータの下方に設けられていることを特徴とする。
(6)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の下方に配置されていることを特徴とする。
(7)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の背面に配置されていることを特徴とする。
(8)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の背面の周縁部に沿って配置されていることを特徴とする。
(9)この発明に従った乾燥機は、循環ダクトの一部を、熱交換部と水槽内の液体を排水する排水経路の一部との間に配したことを特徴とする。
(10)この発明に従った乾燥機においては、吸熱ヘッドおよび発熱ヘッドは、循環ダクト内に突出していることを特徴とする。
(11)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、スターリング冷凍機であることを特徴とする。
(12)この発明に従った乾燥機においては、スターリング冷凍機は、半密閉型のハウジングと、ハウジング内に配設されたクランク軸と、クランク軸に連結する吸熱側クランクと発熱側クランクと、各クランクに連結する吸熱側ピストンと発熱側ピストンと、内部に作動ガスを密封し、クランク軸の回転に連動して各ピストンが往復運動する低温室と高温室とを備え、クランク軸は、伝達部により回転することを特徴とする。
(13)この発明に従った乾燥機においては、吸熱ヘッドと発熱ヘッドは、循環ダクトに出没した低温室と高温室の一部であることを特徴とする。
(14)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転軸にクラッチを介して係合する連動軸と、連動軸に連結し、クランク軸を回転させる歯車とを有することを特徴とする。
(15)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転が正回転または逆回転しても、クランク軸を一方向に回転させることを特徴とする。
(16)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転力を、クランク軸に伝達し、スターリング冷凍機を逆スターリングサイクルで動作させることを特徴とする。
(17)この発明に従った乾燥機においては、各ピストンは、90度の位相差がつけられて往復運動することを特徴とする。
(18)この発明に従った乾燥機においては、クラッチは、モータの回転軸に設けた第1の嵌合部と、連動軸に設けた第2の嵌合部との間に配されており、クラッチを、第1の嵌合部側に付勢する付勢手段を、クラッチと連動軸の間に配したことを特徴とする。
(19)この発明に従った乾燥機は、クラッチの周囲に磁界を発生する電磁コイルを設け、電磁コイルに通電することで、クラッチを第1の嵌合部と第2の嵌合部の両方に嵌合する位置へ移動させることを特徴とする。
(20)この発明に従った乾燥機においては、歯車は、連動軸に噛合する第1の伝達歯車と、第1の伝達歯車とクランク軸に設けたクランク歯車とに噛合し、モータの回転軸と反対方向に回転する第2の伝達歯車で構成されることを特徴とする。
(21)この発明に従った乾燥機においては、クランク軸は、各クランクが接続する接続部が90度の位相差をつけて設けられたクランクシャフトと、クランクシャフトの一方に設けられたクランク歯車から構成され、第2の伝達歯車は、小径歯車と大径歯車が重ねて構成されており、第1の伝達歯車と小径歯車が噛合し、クランク歯車と大径歯車が噛合するように配されていることを特徴とする。
(22)この発明に従った乾燥機においては、クランク軸は、各クランクが接続するピンがその一方に、歯車に噛合するクランク歯車が他方に設けられていることを特徴とする。
(23)この発明に従った乾燥機においては、第1の伝達歯車は、連動軸に常に連結する連動歯車と、連動歯車の回転中心と位置を同じく重ねて設けられたスライド歯車から構成され、スライド歯車は、連動歯車の回転方向に応じて、連動歯車との距離を可変可能に設けられ、第2の伝達歯車は、クランク歯車に常に噛合し、回転位置が各々異なる奇数の伝達歯車と、偶数の小伝達歯車との2列から構成され、連動歯車が一方向に回転する場合には、スライド歯車は伝達歯車と連結し、連動歯車が他方向に回転する場合には、スライド歯車は小伝達歯車と連結することを特徴とする。
(24)この発明に従った乾燥機においては、低温室と高温室は、モータの回転軸中心からみて、ハの字状または逆V字状に配置されていることを特徴とする。
(25)この発明に従った洗濯乾燥機は、上記のいずれかの乾燥機であって、被洗濯物を回転槽に収容し、洗濯、脱水、乾燥のいずれかを実行することを特徴とする。
(26)この発明に従った洗濯乾燥機においては、回転槽の回転軸は、設置面に対して略垂直であることを特徴とする。
(27)この発明に従った洗濯乾燥機においては、回転槽の回転軸は、設置面に対して略水平または斜めであることを特徴とする。
本発明の一つの実施の形態としての加熱除湿装置で用いられるスターリングエンジンの一例を用いて得られた制御性の高さについて説明する。
スターリングエンジンとヒートポンプを大気圧下で駆動させて、高温側、低温側を大気中に開放状態にして、スターリングエンジンとヒートポンプの特性確認を行なった。スターリングエンジンの高温側の温度を発熱ヘッドにおいて測定し、低温側の温度を吸熱ヘッドにおいて測定した。ヒートポンプの高温側の温度を凝縮器において測定し、低温側の温度を蒸発器において測定した。測定された温度を10秒毎に記録した。室温は、約27℃であった。なお、一例として用いたスターリングエンジンの仕様は、出力約250W、冷媒はヘリウムである。また、一例として用いたヒートポンプの仕様は、出力約370W、冷媒はHCF・R134aである。
図37は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から測定した、高温側の温度の時間変化を示す図である。
図37に示すように、スターリングエンジンの高温部においては、スターリングエンジンの駆動開始直後から温度が上昇している。一方、ヒートポンプの高温部の温度は、ヒートポンプの駆動開始直後にはほとんど変化せず、約10秒経過後にゆるやかに上昇し始める。
図38は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始から所定の温度に到達するまでの、高温側の温度の時間変化を示す図である。所定の温度は60℃とした。
図38に示すように、スターリングエンジンの高温側は、駆動開始から50秒で60℃に達した。一方、ヒートポンプの高温側は、駆動開始から230秒で60℃に達した。このように、スターリングエンジンの高温側は、ヒートポンプの高温側よりも速く所定の温度に到達するため、スターリングエンジンを乾燥機に用いることによって、乾燥工程の初期段階において高温の気体を洗濯物に接触させることができ、乾燥時間を短縮することができる。
図39は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から測定した高温側の温度について、10秒間に変化する温度の時間変化を示す図である。
図39に示すように、スターリングエンジンは、駆動開始直後から温度変化量が大きく、応答性がよいことが分かった。一方、ヒートポンプは、駆動開始直後には温度変化がほとんど測定されなかった。これは、ヒートポンプの冷媒が気液相間で状態変化をするためにある程度の時間を要する一方、スターリングエンジンは、作動気体が状態変化する必要がないので、このような高い応答性が得られたと考えられる。
図40は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から2分経過するまでに10秒間隔で測定した、スターリングエンジンの高温側と低温側、ヒートポンプの高温側と低温側の温度の時間変化を示す図である。
図40に示すように、スターリングエンジンの駆動開始直後から、スターリングエンジンの高温側の温度は速やかに上昇し、スターリングエンジンの低温側の温度は速やかに下降して、駆動開始から50秒後には、高温側が60℃、低温側が−20℃に達した。その後も温度変化の速度がほとんど低下することなく、駆動開始から2分後には、高温側が80℃、低温側が−60℃に達した。一方、ヒートポンプは、駆動開始直後には高温側も低温側もほとんど温度変化がなく、駆動開始から約10秒後から30秒後までの間に高温側が約35℃、低温側が約10℃に達したが、その後は温度変化量が減少し、ゆるやかな温度変化を示した。駆動開始から2分経過まで、高温側の温度はゆるやかに上昇を続けて約48℃に達したが、低温側は約8℃からほとんど下がらなかった。
このように、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。また、スターリングエンジンは、ヒートポンプと比較して、制御可能な温度範囲が広い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから高温側が60℃になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから高温側が60℃になるまでに必要な時間の四分の一以下であった。したがって、スターリングエンジンを用いることによって、ヒートポンプよりも制御性が高い乾燥機が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
24,48:熱交換部、25,41:通風経路、38a,54a:吸熱ヘッド、38b,54b:発熱ヘッド、100:スターリングエンジン、148:再生器チューブ、241:温風経路部、242:湿風経路部、243:循環経路部、247:水槽内温風経路部、248:水槽内湿風経路部、400,500,600,700:加熱除湿装置、410,510,610,710:スターリングエンジン、411,511,611,711:発熱ヘッド、412,512,612,712:吸熱ヘッド、420,520,620,720:高温側熱交換部、421,621:加熱フィン、522,722:加熱部、430,530,630,730:低温側熱交換部、532,632:冷却部、431,731:冷却フィン、523,533,633,723:熱伝導媒体流路。
この発明は、加熱除湿装置に関する。
近年、衣類などを洗濯から乾燥まで行う洗濯乾燥機の需要が伸びている。特に、少量の洗濯物をすぐ乾燥させたかったり、屋外や室内で干す時間を短縮したり、日中に洗濯ができない場合には、夜間、衣類を洗濯し、脱水後、そのまま乾燥ができたりするので、使用者の生活スタイルに合わせた利便性が評価されている。
このような洗濯乾燥機などの加熱除湿装置において、従来用いられている洗濯物の乾燥方式としては、一般に水分を含んだ洗濯物を収容した回転槽を回転しながら、電気ヒータやガス等の加熱手段で加熱された温風を供給して乾燥を行っている。例えば、特開昭63−122500号公報(特許文献1)に記載されている水冷除湿式乾燥機においては、乾燥中および/または乾燥後の高温多湿の空気は機外にそのまま排出されるか、あるいは、機外の空気や水道水などの冷却除湿手段で、空冷されるか、水冷されて熱交換除湿された後に、再び加熱手段に戻されるといった還流循環が行われる。
一般に、洗濯物の乾燥時間を短縮するには、例えば、ヒータなどの加熱手段の熱容量を大きくすることが考えられるが、比例して消費電力量も増大する。
また、冷却水による熱交換除湿をすると水を多量に使うことになり乾燥時間に比例して水の消費量も増大する。
そこで、例えば特開昭60−220097号公報(特許文献2)には、消費電力と水の使用量を軽減するために、洗濯物の乾燥に用いる空気の循環経路に、ヒートポンプ装置の凝縮器(上述した加熱手段に対応)と蒸発器(上述した冷却除湿手段に対応)を設け、熱および冷熱を有効活用する乾燥方式も提案されている。このヒートポンプを用いた乾燥方式によれば、ヒータや水を使わずに空気の加熱および冷却除湿を行なえるため、消費電力量の削減と節水が可能となる。
特開2004−215943号公報(特許文献3)と特開2005−40316号公報(特許文献4)には、衣類を乾燥させるために用いられる空気循環路内の循環空気を排気することによって、循環空気の熱量が高くなることを防いで安全な状態に安定させる、ヒートポンプを用いた衣類乾燥機及び洗濯機能付き乾燥機が記載されている。
特開2006−212117号公報(特許文献5)には、ヒートポンプを用いた衣類乾燥機において、乾燥運転を中断した場合に、圧縮機の動作を継続させる衣類乾燥装置が記載されている。また、特開2006−61353号公報(特許文献6)には、乾燥運転が中断された場合には、その後、所定の時間は圧縮機の運転を停止する、ヒートポンプを用いた衣類乾燥装置が記載されている。このようにすることにより、短時間に乾燥運転と乾燥運転の中断が繰り返されるような場合に圧縮機にかかる負担を軽減し、ヒートポンプ装置による温風温度の復帰を早くしている。
特開2006−272024号公報(特許文献7)と特開2005−261703号公報(特許文献8)には、乾燥工程に入る前に、圧縮機の運転を予め開始しておいて乾燥工程にかかる時間を短縮する、ヒートポンプを用いた洗濯乾燥機が記載されている。
特開昭63−122500号公報
特開昭60−220097号公報
特開2004−215943号公報
特開2005−40316号公報
特開2006−212117号公報
特開2006−61353号公報
特開2006−272024号公報
特開2005−261703号公報
しかしながら、ヒートポンプを用いた乾燥方式でも、冷媒を圧縮するためにコンプレッサなどの圧縮手段を新たに用いるため、動作時には音や振動が発生し、乾燥時における騒音が増大するといった問題が生じる。また、コンプレッサに用いる冷媒の種類によっては、廃棄後の処理にコストがかかるといった問題が生じる。加えて、地球温暖化防止の観点から電気製品の電力消費量の削減が今後益々必要となっており、乾燥機や洗濯乾燥機においても、乾燥機能の向上と消費電力の低減がより一層求められる。
また、乾燥機にヒートポンプを用いると、ヒートポンプの駆動によって循環空気の熱量が上昇し、ヒートポンプの冷媒自体の温度が上昇して冷媒が高温化、高圧化する。インバータ制御等によりヒートポンプの出力を制御することは可能であるが、出力を大幅に下げることは極めて困難であり、循環空気の熱量が過大である場合でも、加える熱量を小さくすることが難しい。また、高温化、高圧化した冷媒を圧縮して液化するためには、ヒートポンプにかかる負担が大きくなる。そこで、特開2004−215943号公報(特許文献3)と特開2005−40316号公報(特許文献4)に記載の乾燥機は、熱量が高くなった循環空気を外部に排気しているが、ヒートポンプによって発生した不要な熱量や循環空気に含まれる蒸気が乾燥機の設置されている室内に排出されて、室内全体の熱量が上昇したり、排出された蒸気による結露が発生してしまうおそれがある。
ヒートポンプを用いる衣類乾燥機では、乾燥運転を中断したときに配管内の冷媒の圧力状態が平衡状態に落ち着くまでと、乾燥運転を再開したときに冷媒が気化、液化するまでにある程度の時間を要する。そのため、乾燥運転の中断後、短時間で乾燥運転を再開させる場合には、特開2006−212117号公報(特許文献5)に記載の衣類乾燥機のように、乾燥運転を中断しているにもかかわらず、圧縮機の駆動を継続する必要があり、無駄な電力を消費するうえ、圧縮機にかかる負担が大きい。一方、特開2006−61353号公報(特許文献6)に記載の衣類乾燥機のように、乾燥運転を中断した場合には、その後、圧縮機の運転を一定時間行なわないこととすると、乾燥運転の中断後に短時間で乾燥運転の再開を行なうことができない。
また、特開2006−272024号公報(特許文献7)と特開2005−261703号公報(特許文献8)に記載の洗濯乾燥機のように、乾燥工程に入る前に予め圧縮機を運転させておくことによって、不要な熱や騒音が発生し、電力の消費量も大きくなってしまう。
そこで、この発明の目的は、騒音が少なく、効率のよい加熱除湿装置を提供することである。
この発明に従った加熱除湿装置は、気体を流通させるための第一の風路と第二の風路と、第一の風路を流通する気体を加熱するための第一の熱交換部と、第二の風路を流通する気体を冷却するための第二の熱交換部と、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとを含むスターリングエンジンとを備え、第一の熱交換部は、スターリングエンジンの発熱ヘッドで気体を加熱するように熱交換を行ない、第二の熱交換部は、スターリングエンジンの吸熱ヘッドで気体を冷却するように熱交換を行なう。
従来、加熱除湿装置に用いられているヒートポンプにおいては、コンプレッサで冷媒を圧縮して気体から液体に変化させる凝縮部と、冷媒を膨張させて液体から気体に変化させる蒸発部とで熱交換を行なっている。すなわち、ヒートポンプにおいては、冷媒は、凝縮部から管などを通って蒸発部へ移動して、液体から気体に変化し、蒸発部から管などを通って凝縮部へ移動して、気体から液体へと変化することを繰り返す必要がある。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体の移動距離が短く、また、冷媒を気体と液体の間で状態変化させる必要もないために、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが所定の温度になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから蒸発部と凝縮部とが所定の温度になるまでに必要な時間よりも短い。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減して省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
また、従来の加熱除湿装置に用いられているヒートポンプの振動系は、冷媒の圧縮と膨張にコンプレッサを使用するため、回転の振動を含む複雑な振動系である。一方、スターリングエンジンは、ヒートポンプに比べて振動系が単純である。すなわち、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサの往復という直線的な運動しか行なわれない。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このようにすることにより、振動、騒音を少なくすることができ、また、乾燥機が設置されている室内環境を悪化させることのない、使用性、すなわち、使用しやすく、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減することができ、省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置を提供することができる。
この発明に従った加熱除湿装置は、気体を第二の風路から第一の風路に流入させるための循環路を備え、第二の風路内の気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されることが好ましい。
このように、第二の風路内に流出した気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されるので、効率よく除湿することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成することが好ましい。
このようにすることにより、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間の経路において熱が無駄に消費されることを防止することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第一の熱交換部は、発熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことが好ましい。
このようにすることにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第一の熱交換部は、気体を加熱するための加熱部と、発熱ヘッドの熱を加熱部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第一の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成することが好ましい。
このようにすることにより、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間で冷気の伝達を行なう経路が不要となり、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間の経路において冷気が無駄に消費されることを防止することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第二の熱交換部は、吸熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことが好ましい。
このようにすることにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明に従った加熱除湿装置においては、第二の熱交換部は、気体を冷却するための冷却部と、吸熱ヘッドの熱を冷却部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第二の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明に従った加熱除湿装置は、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとの間に配置される接続管を備え、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成し、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成し、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとの間には接続管が設けられ、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管は同軸状に配置されており、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管を循環路内に配することが好ましい。
このようにすることにより、循環路を短くして圧力欠損を抑えることができるとともに、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが相互に与える熱影響を、接続管の周囲の空気層によって低減させることができる。
以上のように、この発明によれば、騒音が少なく、効率のよい加熱除湿装置を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1−1)
図1は、この発明の実施形態1−1として、本発明の加熱除湿装置を備えた洗濯乾燥機の全体の外観を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の洗濯乾燥機をII−II線の方向から見た断面を概略的に示す側断面図である。
図1は、この発明の実施形態1−1として、本発明の加熱除湿装置を備えた洗濯乾燥機の全体の外観を概略的に示す斜視図であり、図2は、図1の洗濯乾燥機をII−II線の方向から見た断面を概略的に示す側断面図である。
図1と図2に示すように、洗濯乾燥機200は、本体210と、本体210の内部に取り付けられた水槽220と、被乾燥対象物として洗濯物を収容するための容器として、水槽220の内部で回転可能に支持された回転ドラム230とを備える。
本体210の前面には外扉201が取り付けられている。外扉201の内側には、内扉203が取り付けられている。外扉201を開き、内扉203を開くことによって本体210の前面に設けられた洗濯物投入口202を通じて洗濯物を回転ドラム230に投入、または回転ドラム230から取り出すことができ、内扉203を閉じ、外扉201を閉じることによって洗濯物投入口202を塞ぐことができる。なお、内扉203は回転ドラム230内が視認可能なように中央部が透明ガラスで作られているとともに、凹んだ器形状、いわゆる洗面器形状を有している。洗濯物投入口202側の水槽220の周壁にはゴム等の弾性体からなるドアパッキン204が嵌め込まれて固着されている。内扉203を閉じたときにドアパッキン204が内扉203の周縁に密着して水槽220が密閉されるようになっている。
回転ドラム230は、水槽220の内部で軸部231を中心に回転するように支持されている。このようにしてドラム式洗濯乾燥機200は、水槽220と回転ドラム230とから構成された二重構造を有する。回転ドラム230は、回転軸線方向の中央に内周壁面を形成するドラム胴232と、一方端に開口部を形成するドラム蓋233と、他方端に内底壁面を形成するドラム底234とから構成され、一般的にステンレス鋼板から作られている。ドラム底234には、軸部231等の構造部品を取り付けかつ所望の荷重を支持するためにリブ等の凹凸面がプレス加工によって形成され、底壁面の強度の向上が図られている。回転ドラム230の周壁と底部には給水、排水および通気のための多数の小孔235が設けられている。ドラム蓋233の外周縁部には回転時の振動防止のために流体バランサ205が固着されている。軸部231は、回転ドラム230を回転させるためのドラム回転駆動モータ236のシャフトを備えている。ドラム回転駆動モータ236は、インバータ回路により回転が制御される。水槽220は上部からコイルばね(図示せず)で、下部から防振ダンパー(図示せず)で弾性的に支持されている。水槽220の上方には水道水に接続される給水経路209が配されており、洗剤ケース207を介して水槽220に接続されている。給水経路209の経路途中には給水弁208が設けられており、水道水から水槽220への供給が給水弁208の開閉によって制御される。水槽220の底部には排水弁206が設けられ、排水弁206の開閉によって洗濯液等が水槽220から本体210の外に排水できるようになっている。
図3は、スターリングエンジンの全体の断面を示す断面図である。
図3に示すように、スターリングエンジン100の組立の中心となるのはシリンダ110、111である。シリンダ110、111の軸線は同一線上に並ぶ。シリンダ110にはピストン112が挿入され、シリンダ111にはディスプレーサ113が挿入される。ピストン112及びディスプレーサ113は、スターリングエンジン100の運転中、ガスベアリング機構によりシリンダ110、111の内面に接触することなく往復運動する。ピストン112とディスプレーサ113は所定の位相差を備えて動く。
ピストン112の一方の端にはカップ状のマグネットホルダ114が設けられる。ディスプレーサ113の一方の端からはディスプレーサロッド115が突出する。ディスプレーサロッド115はピストン112及びマグネットホルダ114を軸線方向に自由にスライドできるように貫通する。
シリンダ110はピストン112の動作領域にあたる部分の外側にリニアモータ120を保持する。リニアモータ120は、コイル121を備えた外側ヨーク122と、シリンダ110の外周面に接するように設けられた内側ヨーク123と、外側ヨーク122と内側ヨーク123の間の環状空間に挿入されたリング状のマグネット124と、外側ヨーク122及び内側ヨーク123を所定の位置関係に保持する合成樹脂製エンドブラケット125、126を備える。マグネット124はマグネットホルダ114に固定されている。
マグネットホルダ114のハブの部分にはスプリング130の中心部が固定される。ディスプレーサロッド115にはスプリング131の中心部が固定される。スプリング130、131の外周部はエンドブラケット126に固定される。スプリング130、131の外周部同士の間にはスペーサ132が配置されており、これによりスプリング130、131は一定の距離を保つ。スプリング130、131は円板形の素材にスパイラル状の切り込みを入れたものであり、ディスプレーサ113をピストン112に対し所定の位相差(理想的には約90°の位相差)をもたせて共振させる役割を果たす。
シリンダ111のうち、ディスプレーサ113の動作領域にあたる部分の外側には発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141が配置される。発熱ヘッド140はリング状、吸熱ヘッド141はキャップ状であって、いずれも銅や銅合金など熱伝導のよい金属からなる。発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141は、各々リング状の内部熱交換器142、143を介在させた形でシリンダ111の外側に支持される。内部熱交換器142、143はそれぞれ通気性を有し、内部を通り抜ける作動ガスの熱を発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141に伝える。
発熱ヘッド140、シリンダ110、111、ピストン112、ディスプレーサ113、及び内部熱交換器142で囲まれる空間は圧縮空間145となる。吸熱ヘッド141、シリンダ111、ディスプレーサ113、及び内部熱交換機143で囲まれる空間は膨張空間146となる。
内部熱交換器142、143の間には再生器147が配置される。再生器147は樹脂フィルムを円筒形に巻回したものであり、フィルムの片面に微少な突起を多数点在させてフィルム間に突起の高さ分の間隙を形成し、これを作動ガスの通り道としている。再生器147の外側を再生器チューブ148が包み、発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141の間に気密通路を構成する。発熱ヘッド140と再生器チューブ148と吸熱ヘッド141は同軸状に配置される。なお、再生器チューブ148は接続管の一例である。
リニアモータ120、シリンダ110、及びピストン112を筒状の圧力容器150が包む。圧力容器150の内部は背圧空間151となる。圧力容器150の周面には、リニアモータ120に電力を供給するための端子部152と、内部に作動ガスを封入するためのパイプ153が配置される。
圧力容器150の外面には動吸振器160が取り付けられる。動吸振器160は、圧力容器150の端面中央から突き出す軸161と、軸161に中心を固定された板状のスプリング162と、スプリング162の周縁に配置されたマス(質量)163とからなる。スプリング162は薄板状のスプリングを複数枚重ねたものである。
スターリングエンジン100は次のように動作する。リニアモータ120のコイル121に交流電流を供給する外側ヨーク122と内側ヨーク123の間にマグネット124を貫通する磁界が発生し、マグネット124は軸方向に往復運動する。ピストン系(ピストン112、マグネットホルダ114、マグネット124、及びスプリング130)の総質量と、スプリング130のバネ定数とにより定まる共振周波数に一致する周波数の電力を供給することにより、ピストン系は滑らかな正弦波状の往復運動を開始する。
ディスプレーサ系(ディスプレーサ113、ディスプレーサロッド115、及びスプリング131)にあっては、その総質量と、スプリング131のバネ定数とにより定まる共振周波数とピストン112の駆動周波数とが一致するように設定する。
ピストン112の往復運動により、圧縮空間145では圧縮、膨張が繰り返される。この圧力の変化に伴って、ディスプレーサ113も往復運動を行なう。このとき、圧縮空間145と膨張空間146との間の流動抵抗等により、ディスプレーサ113とピストン112との間には位相差が生じる。このようにしてフリーピストン構造のディスプレーサ113はピストン112と所定の位相差で同期して往復運動する。
上記の動作により、圧縮空間145と膨張空間146との間にスターリングサイクルが形成される。圧縮空間145では等温圧縮変化に基づいて作動ガスの温度が上昇し、膨張空間146では等温膨張変化に基づいて作動ガスの温度が低下する。このため、圧縮空間145の温度は上昇し、膨張空間146の温度は下降する。
運転中に圧縮空間145と膨張空間146の間を行き来する作動ガスは、内部熱交換器142、143を通過する際に、その有する熱を発熱ヘッド140と吸熱ヘッド141に伝える。圧縮空間145から再生器147へ流れ込む作動ガスは高温であるため発熱ヘッド140は加熱される。膨張空間146から再生器147へ流れ込む作動ガスは低温であるため吸熱ヘッド141は冷却される。
再生器147は、圧縮空間145と膨張空間146の熱を相手側の空間には伝えず、作動ガスだけを通す働きをする。圧縮空間145から内部熱交換器142を経て再生器147に入った高温の作動ガスは、再生器147を通過するときにその熱を再生器147に与え、温度が下がった状態で膨張空間146に流入する。膨張空間146から内部熱交換器143を経て再生器147に入った低温の作動ガスは、再生器147を通過するときに再生器147から熱を回収し、温度が上がった状態で圧縮空間145に流入する。すなわち再生器147は蓄熱手段としての役割を果たす。
ピストン112とディスプレーサ113が往復運動すると、スターリングエンジン100に振動が生じ、動吸振器160がこの振動を抑える。
図4は、加熱除湿装置の本体の全体を示す斜視図である。
図4に示すように、加熱除湿装置400の本体は、スターリングエンジン410と、第一の熱交換部として高温側熱交換部420と、第二の熱交換部として低温側熱交換部430とを備える。スターリングエンジン410は、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを有する。スターリングエンジン410の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。高温側熱交換部420は、フィンとして発熱ヘッド411に接続された加熱フィン421を有し、低温側熱交換部430は、フィンとして吸熱ヘッド412に接続された冷却フィン431を有する。加熱フィン421と冷却フィン431は、円盤状であり、中心部分がそれぞれ発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412に直接接続されている。冷却フィン431と、加熱フィン421と、スターリングエンジン410は、ほぼ一直線上に並ぶように配置され、一体化されて加熱除湿装置400の本体を構成している。加熱除湿装置400は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置400においては、高温側熱交換部420は、発熱ヘッド411に接触されるように配置される加熱フィン421を含み、低温側熱交換部430は、吸熱ヘッド412に接触されるように配置される冷却フィン431を含む。
このようにすることにより、加熱フィン421と冷却フィン431において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置400を小型化することができる。
図5は、洗濯乾燥機を図2のV−V線の方向から見たときの概略を示す断面図である。
図2と図5に示すように、洗濯乾燥機200の本体210の内部においては、回転ドラム230の背面側に、温風経路部241と湿風経路部242が配置されている。温風経路部241と湿風経路部242は、それぞれ、吸気口245と排気口246で水槽220の内部と連通している。温風経路部241と湿風経路部242は、水槽220の下方においてほぼ直線状に延びている循環経路部243を介して接続されている。循環経路部243には、加熱除湿装置400の本体が、冷却フィン431が湿風経路部242側に、加熱フィン421が温風経路部241側となるように、設けられている。水槽220の下方において、湿風経路部242の内部には、送風機構部244が配置されている。
図2に示すように、水槽220の内周壁面と回転ドラム230のドラム胴232の外周壁面との間には水槽内温風経路部247が設けられている。また、水槽220の内周壁面と回転ドラム230のドラム胴232及びドラム底234は、水槽内湿風経路部248を形成している。水槽220の下部には吸気口と排気口が設けられている。なお、排気口と吸気口は、前面部や側面、または上部に設けられてもよい。図5に示すように、排気口は水槽220の背面外部に設けられる湿風経路部242を介して循環経路部243に接続されている。湿風経路部242内には、送風機構部が配置されている。ほぼ直線状に延びている循環経路部243内には、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置400の本体が配置されている。より特定的には、加熱除湿装置400の本体の発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412と再生器チューブ148が循環経路部243内に配置されている。循環経路部243は水槽220の背面外部に設けられる温風経路部241を介して吸気口に接続されている。図2中の二点鎖線の矢印は、風の流れる方向を示す。なお、水槽内温風経路部247、温風経路部241、循環経路部243の高温側熱交換部420までの経路は第一の風路の一例、水槽内湿風経路部248、湿風経路部242、循環経路部243の低温側熱交換部430までの経路は第二の風路の一例、循環経路部243の高温側熱交換部420までの経路と低温側熱交換部430までの経路との間の経路が循環路の一例である。
以上のように構成された洗濯乾燥機200を用いて行なわれる洗い工程、すすぎ工程、脱水工程および乾燥工程について、以下、工程順に説明する。
まず、外扉201および内扉203を開き、洗濯物投入口202から洗濯物を投入した後、内扉203および外扉201を閉じる。洗剤ケースに洗剤を入れて操作パネルを操作する。これにより、外扉201および内扉203がロックされるとともに、給水弁208が開かれ、水が給水経路209および洗剤ケース207を経て水槽220に供給される。図示しない水位センサによって水槽220内の水位が所定値になったことが検知されると、給水弁208が閉じられて、回転ドラム230がドラム回転駆動モータ236にて洗い工程用の回転チャートに従って回転される。このようにして洗い工程が開始される。
なお、回転ドラム230の回転チャートに関しては、洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程の工程別に、あるいは、洗濯物の種類やコースに応じて、回転速度、回転周期、反転周期等が異なる複数の回転チャートが予め設定されている。回転チャートは、使用者によって選択され、または自動的に選択されるようにプログラムされている。
洗い工程が終了すると、排水弁206が開放されて洗濯液が本体の外に排出される。排水が終了すると、回転ドラム230は中間脱水工程用の回転チャートで高速回転される中間脱水工程が行なわれる。中間脱水工程では回転ドラム230の高速回転による遠心力によって洗濯物に含まれた洗濯液は回転ドラム230の周壁に設けられた小孔235を通じて水槽220の内壁面へ吐出される。洗濯液は水槽220の内壁面を伝って下方に流下し、排水弁206を介して本体の外に排出される。
中間脱水工程が終了すると、プログラムはすすぎ工程に移行する。排水弁206が閉じられた後、給水弁208が開放されて、水が洗剤ケースを経て水槽220に供給される。図示しない水位センサによって水槽220内の水位が所定の値になったことが検知されると、給水弁208が閉じられて、回転ドラム230がドラム回転駆動モータ236によってすすぎ工程用の回転チャートに従って回転される。中間脱水工程およびすすぎ工程は複数回繰り返された後、最終のすすぎ工程へと移行する。最終のすすぎ工程では給水弁208が開放されて、柔軟仕上剤を含んだ水が水槽220に供給される。
最終のすすぎ工程が終了すると、排水弁206が開放されてすすぎ液が本体210の外に排出される。排水が終了すると、回転ドラム230が最終脱水工程用の回転チャートに従って高速回転される、最終脱水工程が行なわれる。最終脱水工程では、中間脱水工程と同様に回転ドラム230の高速回転による遠心力によって洗濯物に含まれたすすぎ液が回転ドラム230の周壁に設けられた小孔235を通じて水槽220の内壁面に吐出される。
最終脱水工程が終了すると、乾燥工程に移行する。乾燥工程においては、回転ドラム230を回転させるとともに、加熱除湿装置400と送風機構部244とを駆動させる。
加熱除湿装置400のスターリングエンジン410を駆動させると、加熱フィン421において気体が加熱されるように熱交換され、冷却フィン431において気体が冷却されるように熱交換される。
加熱除湿装置400と送風機構部244とを駆動させることによって、加熱フィン421で加熱された気体は、温風経路部241を図5中の二点鎖線の矢印で示すように流れて、吸気口245から水槽内温風経路部247を通じて水槽220の内部に流入し、水槽220の内部に配置されている回転ドラム230(図2)内に吹き込む。気体は、回転ドラム230(図2)内の洗濯物に接触した後、小孔235を通って、回転ドラム230の外部に流出し、水槽220の下部に形成されている排気口246を通って湿風経路部242に排気される。湿風経路部242に排気された気体は、回転ドラム230内の洗濯物に含まれていた水分によって、湿度が高くなっている。湿気を含んだ気体は、図5中の一点鎖線の矢印で示すように流れて、冷却フィン431に戻り、冷却フィン431で冷却されて、除湿される。気体から取り除かれた水分は、冷却フィン431の下方から排水管(図示しない)を通って本体210から排出される。除湿された気体は、循環経路部243を通って、加熱フィン421に戻る。このサイクルを繰り返すことによって乾燥工程が行なわれる。
このように、洗濯乾燥機200は、洗濯物を収容するための回転ドラム230と、回転ドラム230の内部に気体を流入させるための温風経路部241と、回転ドラム230の内部から気体を流出させるための湿風経路部242と、温風経路部241を流通する気体を加熱するための高温側熱交換部420と、湿風経路部242を流通する気体を冷却するための低温側熱交換部430と、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とを含むスターリングエンジン410とを備え、高温側熱交換部420は、スターリングエンジン410の発熱ヘッド411で気体を加熱するように熱交換を行ない、低温側熱交換部430は、スターリングエンジン410の吸熱ヘッド412で気体を冷却するように熱交換を行なう。
従来、乾燥機に用いられているヒートポンプにおいては、コンプレッサで冷媒を圧縮して気体から液体に変化させる凝縮部と、冷媒を膨張させて液体から気体に変化させる蒸発部とで熱交換を行なっている。すなわち、ヒートポンプにおいては、冷媒は、凝縮部から管などを通って蒸発部へ移動して、液体から気体に変化し、蒸発部から管などを通って凝縮部へ移動して、気体から液体へと変化することを繰り返す必要がある。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
このように、スターリングエンジンにおいては、冷媒を気体と液体の間で状態変化させる必要がないために、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが所定の温度になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから蒸発部と凝縮部とが所定の温度になるまでに必要な時間よりも短い。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを削減しやすく、省エネルギーを図りやすい乾燥機が得られる。このように、スターリングエンジンを備える乾燥機は、乾燥機の起動に要する時間を短くすることができるとともに、ヒートポンプのように冷媒が気体と液体の混合から均一な気体となるまでの時間を待つ必要がないため、乾燥機の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
また、従来の加熱除湿装置に用いられているヒートポンプの振動系は、冷媒の圧縮と膨張にコンプレッサを使用するため、回転の振動を含む複雑な振動系である。一方、スターリングエンジンは、ヒートポンプに比べて振動系が単純である。すなわち、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサの往復という直線的な運動しか行なわれない。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このようにすることにより、振動、騒音を少なくすることができ、使用性、すなわち、使用しやすく、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減することができ、省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置400を提供することができる。
加熱除湿装置400は、気体を湿風経路部242から温風経路部241に流入させるための循環経路部243を備え、気体は、低温側熱交換部430において冷却され、循環経路部243を通って温風経路部241に流入し、高温側熱交換部420において加熱される。
このように、湿風経路部242に流出した気体は、低温側熱交換部430において冷却され、循環経路部243を通って温風経路部241に流入し、高温側熱交換部420において加熱されるので、効率よく除湿することができる。
洗濯乾燥機200は、回転ドラム230を覆うように配置されて、水を収容するための水槽220を備え、回転ドラム230は、水槽220内において回転可能に支持され、回転ドラム230の内部に収容される洗濯物が回転ドラム230内において洗濯されることが可能であるように構成されている。
このようにすることにより、洗濯終了後、速やかに乾燥を行なうことができる。また、スターリングエンジン410においては、高温部と低温部は、スターリングエンジン本体から配管で接続されるなどして別に形成されず、ヒートポンプに必要なコンプレッサと膨張弁や高温部(凝縮部)、低温部(蒸発部)とを結ぶ冷媒を循環させる配管が必要なく、単純な構造であるので、洗濯中、特に脱水中に複雑で大きな振動の発生しやすい洗濯乾燥機200が振動しても配管の破断や故障をしにくい、信頼性の高い洗濯乾燥機200を提供することができる。
洗濯乾燥機200においては、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412との間に再生器チューブ148が設けられ、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412と再生器チューブ148は同軸状に配されており、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412と再生器チューブ148が循環路内に配されるように構成されている。
このようにすることにより、循環路を短くして圧力欠損を抑えることができるとともに、発熱ヘッド411と吸熱ヘッド412とが相互に与える熱影響を、再生器チューブ148の周囲の空気層によって低減させることができる。
この実施形態においては、加熱除湿装置を洗濯乾燥機に用いたが、この発明の加熱除湿装置は、食器乾燥機や食器洗浄乾燥機、除湿機、浴室乾燥機などに用いられてもよい。
(実施形態1−2)
図6は、この発明の実施形態1−2として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図6は、この発明の実施形態1−2として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図6に示すように、加熱除湿装置500は、スターリングエンジン510と、第一の熱交換部として高温側熱交換部520と、第二の熱交換部として低温側熱交換部530とを備える。スターリングエンジン510は、発熱ヘッド511と吸熱ヘッド512とを有する。スターリングエンジン510の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。高温側熱交換部520は、気体を加熱するための加熱部522と、発熱ヘッド511の熱を加熱部522に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路523とを有する。低温側熱交換部530は、気体を冷却するための冷却部532と、吸熱ヘッド512の熱を冷却部532に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路533を有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。加熱部522と冷却部532は、この実施形態においては、どちらも板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路523と熱伝導媒体流路533は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。加熱除湿装置500は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置500においては、高温側熱交換部520は、気体を加熱するための加熱部522と、発熱ヘッド511の熱を加熱部522に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路523とを有する。また、低温側熱交換部530は、気体を冷却するための冷却部532と、吸熱ヘッド512の熱を冷却部532に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路533とを有する。
このようにすることにより、高温側熱交換部520と低温側熱交換部530の位置や形状を、温風経路部241(図5)と湿風経路部242(図5)の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−2の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−3)
図7は、この発明の実施形態1−3として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図7は、この発明の実施形態1−3として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図7に示すように、加熱除湿装置600は、スターリングエンジン610と、第一の熱交換部として高温側熱交換部620と、第二の熱交換部として低温側熱交換部630とを備える。スターリングエンジン610は、発熱ヘッド611と吸熱ヘッド612とを有する。スターリングエンジン610の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。
高温側熱交換部620は、フィンとして発熱ヘッド611に接続された加熱フィン621を有する。加熱フィン621は円盤状であり、中心部分が発熱ヘッド611に、直接、接続されている。
低温側熱交換部630は、気体を冷却するための冷却部632と、吸熱ヘッド612の熱を冷却部632に伝導するための熱伝導媒体が流通するための熱伝導媒体流路633を有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。冷却部632は、この実施形態においては板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路633は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。
加熱除湿装置600は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置600においては、発熱ヘッド611を温風経路部内に配するように構成している。
このようにすることにより、発熱ヘッド611と高温側熱交換部620との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、発熱ヘッド611と高温側熱交換部620との間の経路において熱が無駄に消費されることを防ぐことができる。
加熱除湿装置600においては、高温側熱交換部620は、発熱ヘッド611に接触されるように配置される加熱フィン621を含む。
このようにすることにより、加熱フィン621において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置600を小型化することができる。
また、加熱除湿装置600においては、低温側熱交換部630は、気体を冷却するための冷却部632と、吸熱ヘッド612の熱を冷却部632に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路633とを有する。
このようにすることにより、例えば、発熱ヘッド611および加熱フィン621と冷却部632との風路上の距離を離して相互に与える熱影響を小さくすることが容易になる。また、冷却部632の余剰スペースへの配置等、冷却部632の位置や形状を、湿風経路部242(図5)の形状や洗濯乾燥機200の全体の部品配置などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−3の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−4)
図8は、この発明の実施形態1−4として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図8は、この発明の実施形態1−4として、洗濯乾燥機が備える加熱除湿装置の本体の別の形態を示す斜視図である。
図8に示すように、加熱除湿装置700は、スターリングエンジン710と、第一の熱交換部として高温側熱交換部720と、第二の熱交換部として低温側熱交換部730とを備える。スターリングエンジン710は、発熱ヘッド711と吸熱ヘッド712とを有する。スターリングエンジン710の構成と作用は、図3に示すスターリングエンジン100と同様である。
高温側熱交換部720は、気体を加熱するための加熱部722と、発熱ヘッド711の熱を加熱部722に伝導するための熱伝導媒体が流通するための熱伝導媒体流路723とを有する。熱伝導媒体としては、例えば、水が用いられる。加熱部722は、この実施形態においては板状としているが、他の形態であってもよい。また、熱伝導媒体流路723は、この実施形態においては管状としているが、他の形態であってもよい。
低温側熱交換部730は、フィンとして吸熱ヘッド712に接続された冷却フィン731を有する。冷却フィン731は円盤状であり、中心部分が吸熱ヘッド712に、直接、接続されている。
加熱除湿装置700は、この本体と、図5に示す温風側経路部と湿風側経路部とから構成されている。
このように、加熱除湿装置700においては、吸熱ヘッド712を湿風経路部内に配するように構成している。
このようにすることにより、吸熱ヘッド712と低温側熱交換部730との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、吸熱ヘッド712と低温側熱交換部730との間の経路で熱が無駄に消費されることを防止することができる。
また、このように、加熱除湿装置700においては、低温側熱交換部730は、吸熱ヘッド712に接触されるように配置される冷却フィン731を含む。
このようにすることにより、冷却フィン731において気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置700を小型化することができる。
加熱除湿装置700においては、高温側熱交換部720は、気体を加熱するための加熱部722と、発熱ヘッド711の熱を加熱部722に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路723とを有する。
このようにすることにより、例えば、加熱部722と吸熱ヘッド712および冷却フィン731との風路上の距離を離して相互に与える熱影響を小さくすることが容易になる。また、加熱部722の余剰スペースへの配置等といった、加熱部722の位置や形状を、温風経路部241(図5)の形状や、洗濯乾燥機200の全体の部品配置などに合わせて最適化することが容易になる。
実施形態1−4の洗濯乾燥機200のその他の構成と効果は、実施形態1−1と同様である。
(実施形態1−5)
図9は、この発明の実施形態1−5として、本発明の加熱除湿装置を備える洗濯乾燥機の側断面を概略的に示す側断面図であり、図10は、洗濯乾燥機を背面から見た断面を概略的に示す断面図である。
図9は、この発明の実施形態1−5として、本発明の加熱除湿装置を備える洗濯乾燥機の側断面を概略的に示す側断面図であり、図10は、洗濯乾燥機を背面から見た断面を概略的に示す断面図である。
図9と図10に示すように、洗濯乾燥機300は、本体310と、本体310の内部に取り付けられた水槽320と、被乾燥対象物として洗濯物を収容するための容器として、水槽320の内部で回転可能に支持された回転ドラム330とを備える。
本体310の上面には外扉301が取り付けられている。外扉301を開くことによって本体310の上面に設けられた洗濯物投入口302から水槽320、回転ドラム330に設けられた投入口(図示せず)を通じて洗濯物を回転ドラム330に投入、または回転ドラム330から取り出すことができ、外扉301を閉じることによって洗濯物投入口302を塞ぐことができる。
回転ドラム330は、水槽320の内部で、ほぼ水平に伸びる軸部331を中心に回転するように支持されている。このようにしてドラム式洗濯乾燥機300は、水槽320と回転ドラム330とから構成された二重構造を有する。軸部331は、回転ドラム330の左右両側に一つずつ配置され、回転ドラム330を回転させるためのドラム回転駆動モータ336のシャフトをそれぞれ備えている。なお、ドラム回転駆動モータは所望の駆動力が得られれば、片側のみでもよい。
水槽320の内周壁面と回転ドラム330の外周壁面とは、第一の風路として温風経路部341と、第二の風路として湿風経路部342とを形成している。水槽320の下部には吸気口345と排気口346が設けられている。なお、吸気口345、排気口346は上部や側面部に設けられてもよい。排気口346と吸気口345は、水槽320の外部において循環路として循環経路部343を介して接続されている。循環経路部343内には、送風機構部344と、スターリングエンジン410を備える加熱除湿装置400が配置されている。
洗濯乾燥機300の本体310の内部においては、回転ドラム330の側面側に、温風経路部341と湿風経路部342が配置されている。温風経路部341と湿風経路部342は、それぞれ、吸気口345と排気口346で水槽320の内部と連通している。温風経路部341と湿風経路部342は、水槽320の下方において循環経路部343を介して接続されている。ほぼ直線状に延びている循環経路部343には、加熱除湿装置400の本体が、冷却フィン431が湿風経路部342側に、加熱フィン421が温風経路部341側に配置されるように、設けられている。水槽320の下方において、湿風経路部342の内部には、送風機構部344が配置されている。
加熱除湿装置400のスターリングエンジン410を駆動させると、加熱フィン421において気体が加熱されるように熱交換され、冷却フィン431において気体が冷却されるように熱交換される。
加熱除湿装置400と送風機構部344とを駆動させることによって、加熱フィン421で加熱された気体は、温風経路部341を図中の二点鎖線の矢印で示すように流れて、吸気口345から水槽320の内部に流入し、水槽320の内部に配置されている回転ドラム330内に吹き込む。気体は、回転ドラム330内の洗濯物に接触した後、小孔を通って、回転ドラム330の外部に流出し、水槽320の下部に形成されている排気口346を通って湿風経路部342に排気される。湿風経路部342に排気された気体は、回転ドラム330内の洗濯物に含まれていた水分によって、湿度が高くなっている。湿気を含む気体は、図中の一点鎖線の矢印で示すように流れて、冷却フィン431に戻り、冷却フィン431で冷却されて、除湿される。気体から取り除かれた水分は、冷却フィン431の下方から排水管(図示しない)を通って本体310から排水される。除湿された気体は、循環経路部343を通って、加熱フィン421に戻る。このサイクルを繰り返すことによって乾燥工程が行なわれる。
実施形態1−5の洗濯乾燥機300のその他の構成と効果は、実施形態1−1の洗濯乾燥機200と同様である。
(実施形態2−1)
以下、本発明の実施形態2−1を図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態2−1に係る加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の給排水経路の構成を示す断面図、図12は、本発明の実施形態2−1に係るドラム式洗濯乾燥機の乾燥通風経路の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態2−1を図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施形態2−1に係る加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の給排水経路の構成を示す断面図、図12は、本発明の実施形態2−1に係るドラム式洗濯乾燥機の乾燥通風経路の構成を示す断面図である。
図11に示すように、略直方体の本体1の前面には洗濯物を出し入れするための投入口1aが形成されるとともに、投入口1aを開閉するためのドア2がヒンジ機構にて回動可能に設けられている。本体1内には、一端に投入口1aと対向する開口3aを有する有底筒形状の水槽3が、その背面に対して開口3a側の方が高くなるように傾斜して内装されており、この水槽3の開口3aと本体1の投入口1aとはパッキン4で水密に接続されている。なお、水槽3は、図示しないダンパーなどの支持装置により支持されることで、揺動自在に配置されている。
水槽3内には、洗濯物を収容する回転槽5が回転自在に内装されている。回転槽5はその回転軸方向の一端に開口3aに対向する開口5aを有した有底筒形状をなし、その底面(背面)に対して開口5a側の方が高くなるように傾斜させて配置している。回転槽5の開口周縁には流体バランサー6が設けられ、回転槽5の周壁には複数の孔が設けられている。ドア2を回動させて投入口1aを開放した状態において、回転槽5内への洗濯物の投入および回転槽5内からの洗濯物の取出は投入口1a、開口3a、開口5aを介して行なわれる。
回転槽5の底面(背面)には、回転軸5bが固定されており、水槽3に軸受5cを介してその回転軸が斜めとなるように回転自在に支持されている。また、回転軸5bの回転槽が取り付けられている側とは反対側の端部には、ドラムプーリ5dが取り付けられている。
本体1の背面上部には、本体1の天面を一部低くした段部が設けられ、その段部には水道からの水を本体1内に導入する給水口7が配されている。給水口7の下流側には図示しない給水弁が配されており、洗濯機の各部の動作を制御する図示しない制御装置からの指示にしたがって給水弁が開閉されて、本体1内への給水が制御される。制御装置からの指示により給水弁が開放されると、給水口7から本体1内に水道からの水が導入される。給水口7を通過した水は、給水路8を介して洗剤ケース9内に供給されて洗剤と混合された後、給水管10を通って水槽3内に供給される。
また、水槽3の背面側下方には、水槽3内に供給された水を本体1外への排出経路を構成する排水管11が接続されている。水槽3より排水管11へと排出された水は、フィルタ装置12に配される排水フィルタ12aよって糸屑等の異物が除去される。フィルタ装置12には、エアトラップ12bが設けられており、エアトラップ12b内と連通する導圧管13の一端が接続されている。導圧管13の他端には、水位センサ14が接続されており、洗いやすすぎ時には、エアトラップ12b内の空気の圧力を水位センサ14にて計測することにより水槽3内の水位が検出される。フィルタ装置12で異物が除去された水は排水路15へと流れ込む。排水路15の下流側には排水弁16が配されており、洗濯機の各部の動作を制御する図示しない制御装置からの指示にしたがって排水弁16が開閉されて、本体1内からの排水が制御される。制御装置からの指示により排水弁16が開放されると、排水路15の水が排水ホース17を介して本体1外へ排出される。なお、排水路15と排水ホース17とが、排水経路の一部である。
水槽の下部には、図12に示すように、設置台18が設けられており、その設置台18には、回転槽5を回転駆動させる回転速度を制御可能なモータ19が配されている。モータ19には、モータ軸19aが取り付けられており、モータ軸19aのモータ19が取り付けられている方とは反対側にモータプーリ20が設けられている。このモータプーリ20と回転槽プーリ5dはベルト21を介してモータプーリ20の動力を回転槽プーリ5dへと伝達可能なように掛け巻きされている。
モータ軸19aには、クラッチ機構22が挿通されており、モータ軸19aの回転駆動力をその下方に設けられた伝達機構部23へと伝達する状態または伝達しない状態へと切換可能に構成されている。この伝達機構部23へと伝達された回転駆動力は、熱交換部24へと供給されて熱交換部24の動力として使用される。クラッチ機構22、伝達機構部23、熱交換部24についてのより詳細な構成や動作については後述する。
水槽の背面後方から下部、および前面前方にかけては回転槽5内に投入された洗濯物を乾燥させるための空気が循環する循環ダクトの一例である通風経路(循環ダクト)25が設けられている。通風経路25には、その経路中に通風経路25の気流源である送風機26および熱交換部24が配されている。乾燥運転中において、水槽3内の空気は、排気口25aを介して通風経路25へと排出される。通風経路25へと流れ込んだ空気は、ファンの一例である送風機26によって熱交換部24へと送られ、後述する吸熱ヘッド38aで冷却除湿された後、発熱ヘッド38bで加熱されて、給気口25bから再び水槽3へと送られる。なお、通風経路25の一部を水槽3の背面の周縁部に沿って設けても良い。
次に、クラッチ機構22、伝達機構部23および熱交換部24の構成について図13から図15を用いて説明する。図13は、図12の要部を拡大した図、図14は、クラッチ機構22の分解斜視図、図15は、図13をAより見た図である。
クラッチ機構22は、図13に示すように、連動軸27、クラッチ片28、コイルバネ29およびソレノイド30により構成される。連動軸27は、モータ軸19aに対して回転可能に挿通されており、モータ19に近い方が小径、遠い方が大径となるように構成されている。連動軸27の小径な部分である小径部27aは、図14に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。連動軸27の大径な部分である大径部27bは、周囲が歯車状に形成されており、後述する第一の伝達歯車31へと動力伝達可能に連結している。連動軸27の小径部27aに隣接するとともに連動軸27の小径部27aよりもモータ19に近いところには、モータ軸19aに一体に形成される連結部19bが形成されている。連結部19bは、図14に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されており、連動軸27の小径部27aと同じ形状を有している。クラッチ片28は磁性体で構成されており、図14に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸27の小径部27aおよび連結部19bの外周が嵌合するように構成されている。連動軸27の大径部27bとクラッチ片28との間にはコイルバネ29が圧縮配置されており、クラッチ片28を連結部19bのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片28の外周側には、図13に示すように、磁力を発生してクラッチ片28に斥力を発生させるソレノイド30が配されている。ソレノイド30は、その駆動によりクラッチ片28をコイルバネ29の付勢力に抗して移動させ、後述する図16に示すように、クラッチ片28を連結部19bおよび小径部27aと嵌合させて、モータ19の回転駆動力を伝達機構部23へと伝達するようにその付勢力が調整されている。
伝達機構部23は、図13に示すように、第一の伝達歯車31および第二の伝達歯車32により構成される。第一の伝達歯車31は、図15に示すように、連動軸27の大径部27bの下方に設けられるとともに、その外周の歯車と連動軸27の大径部27bの歯車とが嵌合しており、連動軸27の回転駆動力をその下方に配された第二の伝達歯車32へと伝達させる。第二の伝達歯車32は、図14に示すように、その回転軸方向の一方側が小径の歯車である小径部32a、他方側が大径の歯車である大径部32bとなるように形成されている。第二の伝達歯車32は、小径部32aは第一の伝達歯車31、大径部32bは後述するシャフト歯車33と嵌合しており、第一の伝達歯車31の回転駆動力をシャフト歯車33へと伝達させる。なお、クラッチ機構22と伝達機構部23とが、伝達部の一例である。
加熱除湿装置として熱交換部24は、本実施の形態では、並列型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。図13に示すように、シャフト歯車33、クランクシャフト34、吸熱側クランク35a、発熱側クランク35b、吸熱側ピストン36a、発熱側ピストン36b、低温室37a、高温室37b、吸熱ヘッド38a、発熱ヘッド38bおよび再生器39より構成される。シャフト歯車33は、第二の伝達歯車32の大径部32bの下方に配され、第二の伝達歯車32の大径部32bの歯車と嵌合している。また、シャフト歯車33は、製品の前方側に向かって伸長するクランクシャフト34が一体に取付られている。クランクシャフト34は、その2箇所を設置台18に回転可能に軸支され、この軸支された部分の間には吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bが設けられる。図13において、吸熱側クランク接続部34aは上方に向けて凸、発熱側クランク接続部34bは手前側に向けて凸となるように折り曲げられており、シャフト歯車33が図15に示すように本体1の後方より見て左回り(反時計回り)方向に回動することにより、吸熱側クランク接続部34aに対して発熱側クランク接続部34bが90°進んだ位相で回動し、後述する吸熱ヘッド38aが通風経路25の空気の冷却、発熱ヘッド38bが通風経路25の空気の加熱を行なうように作動する。
吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bの一端と接続されている。吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bは、それぞれの他端に吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bが接続されている。吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bの下方には、それぞれ設置台18を外郭とする水素やヘリウム等の気体が密封された低温室37aおよび高温室37bが設けられており、吸熱側ピストン36aと低温室37a内面および発熱側ピストン36bと高温室37b内面とは気密かつスライド可能に構成されている。低温室37aおよび高温室37bの下方の通風経路25に突出した先端部は、通風経路25の空気を冷却する吸熱ヘッド38aおよび通風経路25の空気を加熱する発熱ヘッド38bとして機能する。吸熱ヘッド38aおよび発熱ヘッド38bは必ずしも通風経路25内に突出させる必要はないが、熱交換効率を向上させるために通風経路25内に突出させるほうが好ましい。この冷却および加熱機能については後述する。また、低温室37aと高温室37bとはそれぞれの部屋を連通させる経路を有し、その経路には再生器39が配されている。再生器39は、この周辺を通過する高温気体からの熱を蓄熱し、または蓄熱した熱を低温気体に供給する作用を奏する。吸熱ヘッド38aおよび発熱ヘッド38bは、その配置方向が回転槽5の回動軸の水平面への投影軸と一致するように配されており、運転時に本体1内で水槽3と一体に振動する振動体の重心を下方に押し下げて、より振動を低減させやすい構成としている。これにより、回転槽5を高い位置に配した場合でも静音化に貢献しつつ、洗濯物の取り出しをも容易に出来る。なお、設置台18がハウジングの一例である。
次に、この洗濯乾燥機における動作について説明する。構成を備えた洗濯乾燥機において、使用者が電源を入れ、投入口から回転槽5内へ洗濯物を投入し、洗剤ケース9に洗剤を投入した後、図示しない操作パネルのスタートスイッチの押圧により運転をスタートすると、制御部は、給水口7、給水路8、洗剤ケース9および給水管10を介して水槽3へと給水を行なう。水槽3内の水位が所定の水位まで達したことを水位センサ14が検知すると、制御部は、水槽3内への給水を停止させて、モータ19を駆動させて回転槽5を低速回転させて洗い工程を行う。
洗い工程が終了すると、水槽3内の水を排水管11、フィルタ装置12、排水路15、排水弁16および排水ホース17を介して機外へ排出させた後、回転槽5を高速で回転させて洗濯物に含まれる洗濯水の脱水を行なう。脱水工程が終了すると、再度、水槽3内への所定水位までの給水の後、回転槽5を低速回転させる濯ぎ工程が開始される。濯ぎ工程が完了すると、水槽3内の洗濯水の排水後、脱水工程が行なわれる。この濯ぎ工程と脱水工程が複数回繰り返された後、乾燥工程へと移行する。
次に、本発明の実施形態2−1の乾燥工程の要部の動作について図16から図19を用いて説明する。図16は、熱交換部24へ回転駆動力を伝達するようにクラッチ機構22を切り換えた状態の要部拡大図、図17は、図16の状態からクランクシャフト34を90°回転させた状態の要部拡大図、図18は、図16の状態からクランクシャフト34を180°回転させた状態の要部拡大図、図19は、図16の状態からクランクシャフト34を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機26が駆動して通風経路25内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド30が駆動されてクラッチ片28が連結部19bおよび連動軸27に嵌合して、モータ19の回転駆動力が連動軸27に伝達可能となる。この状態でモータ19を図15に示すように右回りである矢印a方向に回動させると、回転槽5が後方から見て右回りに回動し、また、連動軸27も同じ矢印a方向に回動して、第一の伝達歯車31を左回りである矢印b方向に回動させる。第一の伝達歯車31に伝達された回転駆動力は、これに嵌合する第二の回転歯車32へと伝達されて、第二の伝達歯車32を矢印c方向に回動させる。矢印c方向に回動する第二の伝達歯車32は、シャフト歯車33を矢印d方向に回動させて熱交換部24が駆動される。
図16の状態において、シャフト歯車33が矢印d方向に駆動されて図17の状態になる間に、吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、90度の位相差がつけられた吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bにより低温室37a内および高温室37b内の気体を圧縮させる。このとき高温室37bの気体の圧縮率は低温室37aに比べ非常に大きく、高温室37bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド38bの温度は上昇するとともに、この高温室37bの高圧で温度の上昇した気体が再生器39を介して低温室37aに吹き込まれる。この高温室37bの高圧で温度が上昇した気体が再生器39を通過するに際して、この気体の熱量は再生器39に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室37aへと吹き込まれて、低温室37aの温度を下降させる。
シャフト歯車33の回動が進んで、図17の状態から図18の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aは吸熱側クランク35aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クランク接続部34bは発熱側クランク35bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aにより低温室37a内の気体を圧縮、発熱側ピストン36bにより高温室37b内の気体を膨張させるため、低温室37aの気体は再生器39を通って急速に高温室37bへと移動する。このとき、高温室37bへと移動する気体は再生器39に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室37b内の温度を上昇させる。
さらにシャフト歯車33が回動して、図18の状態から図19の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aおよび発熱側クランク接続部34bは、吸熱側クランク35aおよび発熱側クランク35bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aおよび発熱側ピストン36bにより低温室37a内および高温室37b内の気体を膨張させる。このとき低温室37aの気体の膨張率は高温室37bに比べ非常に大きく、低温室37aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド38aの温度は下降する。
さらにシャフト歯車33が回動して、図19の状態から図16の状態へと移行する間には、吸熱側クランク接続部34aは吸熱側クランク35aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク接続部34bは発熱側クランク35bを下方へ押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン36aにより低温室37a内の気体を膨張、発熱側ピストン36bにより高温室37b内の気体を圧縮させるため、高温室37bの気体は再生器39を通って急速に低温室37aへと移動する。このとき、低温室37aへと移動する気体の熱量は再生器39に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室37aへと吹き込まれる。このようにシャフト歯車33が回動することにより吸熱ヘッド38aは冷却、発熱ヘッド38bは発熱し、それぞれシャフト歯車33の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口25aを介して通風経路25内に排出された空気は、送風機26を経て、吸熱ヘッド38aへと送られる。吸熱ヘッド38aへ送られた空気は、吸熱ヘッド38aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド38bへと送られる。発熱ヘッド38bへ送られた空気は、発熱ヘッド38bにて加熱され、水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド38a下方の通風経路25底部には、図示しない排水孔が設けられており、底部吸熱ヘッド38aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から通風経路25と排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−1によれば、回転槽5を回転させるモータ19のモータ軸19aにクラッチ機構22を設けることにより、モータ19の回転駆動力を熱交換部24に伝達して熱交換部24を作動させることができるので、逆スターリングサイクルを作動させる電動機を別途設ける必要がなく、省エネ性の高い洗濯機を提供することができる。また、通風経路25を本体1内下方に設けているので、本体1天面と水槽3上端に大きな空間を設ける必要がなく、水槽3の配置高さを高くでき、洗濯物の取り出しやすい洗濯機とすることができる。さらに、水槽3の下方にその中心線に沿って重心が配置されているので、振動防止の錘としても作用させることができ、静音性を高めることができる。また、通風経路25の一部を熱交換部24の下方、かつ排水路15または排水ホース17の上方、すなわち両者の間に配置しているので、熱交換部により冷却除湿されたドレイン水の排水経路を短くでき、速やかに排水することができる。
(実施形態2−2)
以下、本発明の実施形態2−2を図20から図23を用いて説明する。図20は、本発明の実施形態2−2に係る本発明の加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の断面図、図21は図20の要部拡大図、図22は図21におけるB−B断面図、図23はモータ軸40b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−2では、実施形態2−1と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2−2を図20から図23を用いて説明する。図20は、本発明の実施形態2−2に係る本発明の加熱除湿装置を備えるドラム式洗濯乾燥機の断面図、図21は図20の要部拡大図、図22は図21におけるB−B断面図、図23はモータ軸40b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−2では、実施形態2−1と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
実施形態2−2において、水槽3の背面には、モータの一例である駆動部40および通風経路41が設けられている。駆動部40は、図21に示すように、外郭をモータカバー40aにて覆われており、その内部に、一端が回転槽5の背面中央部に連結されたモータ軸40bがベアリング40cによって回転自在に支持されている。このモータ軸40bの他端には、ロータ40dが取り付けられており、その外周側に設けられたステータ40eによって回転駆動力を与えるインナーロータタイプのダイレクトドライブ方式の構成を有している。また、モータ軸40bには、そのモータ軸40bの一部が大径となる連結部40fが設けられている。連結部40fは、図23に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。
また、水槽3の背面から周面にかけて、通風経路41が設けられている。背面側に設けられた通風経路41は、水槽3の背面の周縁部に略沿うように、駆動部40を上方から右回り方向にその外周を取り囲むように配されており、背面上端から水槽3周面を前方に向かって伸長するように設けられている。通風経路41は、図22に示すように、水槽3内との連通口である排気口41aと、通風経路41の外郭であるケーシング41bと、水槽3背面とケーシング41bとの間で形成される水槽背面経路41cと、通風経路41の気流源である送風機41dと、水槽3周面とケーシング41bとの間で形成される水槽周面経路41eとで構成されている。水槽背面経路41cには後述する熱交換部48の吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bが突出して設けられており、吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bにより水槽背面経路41cの空気が冷却除湿および加熱されて乾燥に供される。また、図示しないが水槽周面経路41eの水槽3内への給気口は、通風経路41を通過した空気が回転槽5の開口部5aから回転槽5内へと吹き込まれるように配されている。なお、送風機41dが上記ファンの一例、水槽背面経路41cと水槽周面経路41eとが上記循環ダクトの一例である。
モータ軸40bの外周には、図21に示すように、連結部40fに隣接して連動軸42が回動可能に配されている。連動軸42は、図23に示すように、連結部40fに隣接する部分が小径、離れた部分が大径となるように構成されている。連動軸42の小径な部分である小径部42aは、図23に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成され、連結部40fと同形状に形成されている。対して、連動軸42の大径な部分である大径部42bは、歯車状に形成されており、この歯車が後述する伝達歯車46と連結して、回転駆動力を伝達するようになっている。
連結部40fの外周には、図21に示すように、クラッチ片43が設けられている。クラッチ片43は磁性体で構成されており、図23に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸42の小径部42aおよび連結部40fの外周が嵌合するように構成されている。連動軸42の大径部42bとクラッチ片43との間にはコイルバネ44が圧縮配置されており、クラッチ片43を連結部40fのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片43の外周側には、図21に示すように、磁力を発生してクラッチ片43に斥力を発生させるソレノイド45が配されている。ソレノイド45は、その駆動によりクラッチ片43をコイルバネ44の付勢力に抗して移動させ、クラッチ片43を連結部40fおよび連動軸42双方と嵌合させて、モータ軸40bの回転駆動力を後述する伝達歯車46へと伝達するようにその付勢力が調整されている。
連動軸42の大径部42bの下方には、図21に示すように、伝達歯車46が配されている。伝達歯車46は、その上方で連動軸42の大径部42bの歯車と連結し、また、その下方に設けられたクランク歯車47の歯車部とも連結している。クランク歯車47は、小径の歯車部47a(図23の破線部)と、円盤状の大径部47bと、大径部47bの歯車部47aが設けられた面とは反対側の面から垂直方向に突出する円柱状のクランクピン47cより構成されている。クランク歯車47の下方には、図21に示すように、熱交換部48が設けられている。なお、連動軸42、クラッチ片43、コイルバネ44、ソレノイド45、伝達歯車46およびクランク歯車47が上記伝達部の一例である。
ここで、熱交換部48について、図24を用いて説明を行なう。図24は、図21のC−C断面図である。
加熱除湿装置として熱交換部48は、本実施の形態では、V型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。図24に示すように、その外郭をモータカバー40aと一体に構成されるともに、吸熱側クランク49a、発熱側クランク49b、吸熱側クロスヘッド50a、発熱側クロスヘッド50b、吸熱側ピストンピン51a、発熱側ピストンピン51b、吸熱側ピストン52a、発熱側ピストン52b、低温室53a、高温室53b、吸熱ヘッド54a、発熱ヘッド54b、低温室空気出入口55a、高温室空気出入口55b、低温空気通路56a、高温空気通路56b、再生器57を備えている。
吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、その一端がクランクピン47cに回動可能に連結している。一方、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bの他端は、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに回動可能に連結し、クランクピン47cより伝達される駆動部40の回転駆動力を伝達する。吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bは、円筒状に形成されたモータカバー40aの内周面と揺動可能に内嵌されており、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bより伝達される駆動力を、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに接続された吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bへと、それぞれのピストンピンの軸方向に伝達する。吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bは、その軸方向が水槽3背面方向より見て略直角となるように配されている。
また、吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bは、その一端が吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bに接続され、他端が吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bに接続されている。吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bは、円筒状に形成されたモータカバー40aの内周面と摺動可能に、かつ吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bとモータカバー40aの内周面の間のそれぞれの摺動面が気密に封止されるように内嵌している。吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bの、吸熱側ピストンピン51aおよび発熱側ピストンピン51bとが取り付けられた面とは反対側の面の側には、低温室53aおよび高温室53bが設けられており、その先端側が吸熱ヘッド54aおよび発熱ヘッド54bにより閉塞されている。
低温室53aおよび高温室53bは、本体後方側に向かって開口する低温室空気出入口55aおよび高温室空気出入口55bを有しており、それぞれ低温室空気出入口55aおよび高温室空気出入口55bを介して低温空気通路56aおよび高温空気通路56bに連通している。低温空気通路56aおよび高温空気通路56bの間の経路には、再生器57が接続されている。低温室53a内の空気は、吸熱側ピストン52aの動作により低温室空気出入口55a、低温空気通路56a、再生器57、高温空気通路56b、高温室空気出入口55bを介して高温室53bへ送られ、逆に、高温室53b内の空気は、発熱側ピストン52bの動作により高温室空気出入口55b、高温空気通路56b、再生器57、低温空気通路56a、低温室空気出入口55aを介して低温室53aへ送られる。この際、再生器57は、高温空気通路56bから流れ込む空気の熱を吸収し、低温空気通路56aから流れ込む空気に熱を排出して、低温室53a内の空気が低温、高温室53bの空気が高温を維持するように作用する。
次に、本発明の実施形態2−2の乾燥工程の要部の動作について図22、図24から図27を用いて説明する。図25は、図24の状態からクランク歯車47を90°回転させた状態の要部拡大図、図26は、図24の状態からクランク歯車47を180°回転させた状態の要部拡大図、図27は、図24の状態からクランク歯車47を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機41dが駆動して通風経路41内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド45が駆動されてクラッチ片43が連結部40fおよび連動軸42に嵌合して、駆動部40の回転駆動力が連動軸42に伝達可能となる。この状態で駆動部40を図22に示すように右回りである矢印e方向に回動させると、回転槽5が後方から見てモータ軸40bを中心に右回りに回動し、また、連動軸42も同じ矢印e方向に回動して、伝達歯車46を左回りである矢印f方向に回動させる。伝達歯車46に伝達された回転駆動力は、これに嵌合するクランク歯車47を矢印g方向に回動させて熱交換部48が駆動される。
図24の状態において、クランク歯車47が図22における矢印g方向に駆動されて図25の状態になる間に、吸熱側クランク49aは、吸熱側クロスヘッド50aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク49bは、発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を膨張、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を圧縮させるため、高温室53bの気体は再生器57を通って急速に低温室53aへと移動する。このとき、低温室53aへと移動する気体の熱量は再生器57に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室53aへと吹き込まれる。
クランク歯車47の回動が進んで、図25の状態から図26の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を膨張させる。このとき低温室53aの気体の膨張率は高温室53bに比べ非常に大きく、低温室53aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド54aの温度は下降する。
クランク歯車47の回動が進んで、図26の状態から図27の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aは吸熱側クロスヘッド50aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クランク49bは発熱側クロスヘッド50bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を圧縮、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を膨張させるため、低温室53aの気体は再生器57を通って急速に高温室53bへと移動する。このとき、高温室53bへと移動する気体は再生器57に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室53b内の温度を上昇させる。
クランク歯車47の回動が進んで、図27の状態から図24の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し下げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を圧縮させる。このとき高温室53bの気体の圧縮率は低温室53aに比べ非常に大きく、高温室53bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド54bの温度は上昇するとともに、この高温室53bの高圧で温度の上昇した気体が再生器57を介して低温室53aに吹き込まれる。この高温室53bの高圧で温度が上昇した気体が再生器57を通過するに際して、この気体の熱量は再生器57に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室53aへと吹き込まれて、低温室53aの温度を下降させる。このようにクランク歯車47が回動することにより吸熱ヘッド54aは冷却、発熱ヘッド54bは発熱し、それぞれクランク歯車47の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口41aを介して通風経路41内に排出された空気は、送風機41dを経て、吸熱ヘッド54aへと送られる。吸熱ヘッド54aへ送られた空気は、吸熱ヘッド54aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド54bへと送られる。発熱ヘッド54bへ送られた空気は、発熱ヘッド54bにて加熱され、上述した給気口を介して水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド54a下方の水槽背面経路41c底部には、図示しない排水孔が設けられており、吸熱ヘッド54aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から水槽背面経路41cと排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−2によれば、上述した実施形態2−2による作用効果に加えて、水槽3背面に設けられたダイレクトドライブ型の駆動部40の下方の空きスペースにクラッチ機構を介して熱交換部48を、逆スターリングサイクルが略逆V字状またはハの字となるように配することができるので、省スペースの洗濯機を提供することができる。
また、洗濯物の取り出しを容易にするために、水槽3と回転槽5の開口部が斜め上方に向けて配置したドラム式洗濯機の構成に適用した場合には、水槽3と本体1の下方スペースを有効利用できるとともに、駆動部40の下方に熱交換部48が配置されるので重心位置が低くなる。加えて、重量物となる駆動部40のモータ軸58bを通る垂直な中心線を挟んで、熱交換部48の吸熱ヘッド54a側と発熱ヘッド54b側が略逆V次状に配置されるので、振動防止の錘としても作用させることができ、静音性を高めることができる。
(実施形態2−3)
以下、本発明の実施形態2−3を図28から図31を用いて説明する。図28は、本発明の実施形態2−3に係る本発明の加熱除湿装置を備えたドラム式洗濯乾燥機の断面図、図29は図28の要部拡大図、図30は図29におけるD−D断面図、図31はモータ軸58b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−3では、実施形態2−2と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
以下、本発明の実施形態2−3を図28から図31を用いて説明する。図28は、本発明の実施形態2−3に係る本発明の加熱除湿装置を備えたドラム式洗濯乾燥機の断面図、図29は図28の要部拡大図、図30は図29におけるD−D断面図、図31はモータ軸58b周りの構成の分解斜視図である。なお、この実施形態2−3では、実施形態2−2と同じ構成については同じ符号を付すとともに説明を省略する。
実施形態2−3において、水槽3の背面には、モータの一例である駆動部58が設けられている。駆動部58は、図29に示すように、外郭をモータカバー58aにて覆われており、その内部に、一端が回転槽5の背面中央部に連結されたモータ軸58bがベアリング58cによって回転自在に支持されている。このモータ軸58bの他端には、ロータ58eが取り付けられており、その外周側に設けられたステータ58dによって回転駆動力を与えるアウターロータタイプのダイレクトドライブ方式の構成を有してようになっている。また、モータ軸58bには、そのモータ軸58bの一部が大径となる連結部58fが設けられている。連結部58fは、図31に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成されている。
モータ軸58bの外周には、図29に示すように、連結部58fに隣接して連動軸59が回動可能に配されている。連動軸59は、連結部58fに隣接する部分が小径、離れた部分が大径となるように構成されている。連動軸59の小径な部分である小径部59aは、図31に示すように、90°毎に一部が径方向に突出するように断面十字形状に形成され、連結部58fと同形状に形成されている。対して、連動軸59の大径な部分である大径部59bは、歯車状に形成されており、この歯車が後述する連結歯車63と連結して、回転駆動力を伝達するようになっている。
連結部58fの外周には、図29に示すように、クラッチ片60が設けられている。クラッチ片60は磁性体で構成されており、図31に示すように、その外周側は円周状に形成されるとともに、内周側は90°毎に一部が径方向に窪むように形成され、この内周側に連動軸59の小径部59aおよび連結部58fの外周が嵌合するように構成されている。連動軸59の大径部59bとクラッチ片60との間にはコイルバネ61が圧縮配置されており、クラッチ片60を連結部58fのみと嵌合させるように付勢している。クラッチ片60の外周側には、図29に示すように、磁力を発生してクラッチ片60に斥力を発生させるソレノイド62が配されている。ソレノイド62は、その駆動によりクラッチ片60をコイルバネ61の付勢力に抗して移動させ、クラッチ片60を連結部58fおよび連動軸59双方と嵌合させて、モータ軸58bの回転駆動力を後述する連結歯車63へと伝達する。
連動軸59の大径部59bの下方には、図29に示すように、連結歯車63が配されている。連結歯車63は、その上方で連動軸59の大径部59bの歯車と連結し、また、その歯車軸方向に配されたスライド歯車64とも連結している。スライド歯車64は、その下方で第1の小伝達歯車65または伝達歯車67と連結し、この第1の小伝達歯車65はその下方で第2の小伝達歯車66と連結している。また、第2の小伝達歯車66および伝達歯車67はその下方でクランク歯車68と連結している。クランク歯車68は、小径の歯車部68a(図31の破線部)と、円盤状の大径部68bと、大径部の歯車部が設けられた面とは反対側の面から垂直方向に突出する円柱状のクランクピン68cより構成されている。クランク歯車68の下方には、図29に示すように、熱交換部48が設けられている。本実施の形態では、熱交換部48は、実施形態2−2と同様にV型2ピストンのスターリング冷凍機を用いる。なお、連動軸59、クラッチ片60、コイルバネ61、ソレノイド62、連結歯車63、スライド歯車64、第1の小伝達歯車65、第2の小伝達歯車66、伝達歯車67およびクランク歯車68が上記伝達部の一例である。
ここで、連結歯車63とスライド歯車64について、図32を用いて説明を行なう。図32の(a)はスライド歯車64の上面図、(b)は(a)のF矢視図、(c)は(a)のG矢視図、(d)は連結歯車63の上面図、(e)は(d)のH矢視図、(f)は(e)のI−I断面図、(g)は(e)のJ−J断面図、(h)は(e)のK−K断面図、(i)は(e)のL−L断面図である。
スライド歯車64は、図32(a)〜(c)に示すように、歯車部64bとその歯車部64bの一方の側面より歯車軸方向に伸長する円柱部64aと、円柱部64aの先端からその円柱軸と垂直をなす方向に伸長する円柱状のピン部64cとピン部64cと反対方向に向かって伸長する円柱状のピン部64dより構成される。連結歯車63は、図32(d)〜(i)に示すように、歯車部63bとその歯車部63bの一方の側面より歯車軸方向に伸長する円柱部63aと、円柱部63aの円柱軸方向に向けて設けられるとともに円柱部64aが挿入される穴部63cと、穴部63cの周面に垂直に螺旋状に穿たれてスライド歯車64のピン部64dが挿入されるとともにピン部64dが円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライド移動可能に形成されるスライド穴63dと、穴部63cの周面に垂直に螺旋状に穿たれてスライド歯車64のピン部64cが挿入されるとともにピン部64cが円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライド移動可能に形成されるスライド穴63eより構成される。
次に、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられた場合の動作について説明する。まず、連結歯車63が第1の小伝達歯車65と連結している場合において、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられて、図32(e)における右周り(時計回り)方向に回動すると、ピン部64cはスライド穴63e、ピン部64dはスライド穴63dを円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライドして、円柱部64aは穴部63cより抜ける方向にスライド移動する。すなわち、歯車部64bは、図31における手前側へとスライド移動して第1の小伝達歯車65との連結が解除されるとともに伝達歯車67と連結するようになる。逆に、連結歯車63が伝達歯車67と連結している場合において、連結歯車63が連動軸59より回転駆動力を与えられて、図32(e)における左周り(反時計回り)方向に回動すると、ピン部64cはスライド穴63e、ピン部64dはスライド穴63dを円柱部64aの円柱軸周りに略180度スライドして、円柱部64aは穴部63cへと入る方向にスライド移動する。すなわち、歯車部64bは、図31における奥側へとスライド移動して伝達歯車67との連結が解除されるとともに第1の小伝達歯車65と連結するようになる。このようにして、駆動部58の回動方向が正逆回転いずれの方向であっても、スライド歯車64との連結を第1の小伝達歯車65または伝達歯車67に切り換えることによりクランク歯車68の回転方向を一定方向とすることができる。
次に、本発明の実施形態2−3の乾燥工程の要部の動作について図33から図36を用いて説明する。図33は、図29におけるE−E断面図、図34は、図33の状態からクランク歯車68を90°回転させた状態の要部拡大図、図35は、図33の状態からクランク歯車68を180°回転させた状態の要部拡大図、図36は、図33の状態からクランク歯車68を270°回転させた状態の要部拡大図である。
乾燥工程が開始されると、送風機41dが駆動して通風経路41内の送風が行なわれるとともに、ソレノイド62が駆動されてクラッチ片60が連結部58fおよび連動軸59に嵌合して、駆動部58の回転駆動力が連動軸59に伝達可能となる。この状態で駆動部58の回転駆動力が連動軸59→連結歯車63→スライド歯車64→伝達歯車67(または第1の小伝達歯車65→第2の小伝達歯車66)→クランク歯車68へと伝達される。これにより、クランク歯車68は、図33における左回り(反時計回り)方向へと回動して熱交換部48が駆動される。
図33の状態において、クランク歯車68が左回り(反時計回り)方向に駆動されて図34の状態になる間に、吸熱側クランク49aは、吸熱側クロスヘッド50aを上方へ持ち上げる方向へ、発熱側クランク49bは、発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し込む方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を膨張、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を圧縮させるため、高温室53bの気体は再生器57を通って急速に低温室53aへと移動する。このとき、低温室53aへと移動する気体の熱量は再生器57に蓄熱され、温度が低下した気体が低温室53aへと吹き込まれる。
クランク歯車68の回動が進んで、図34の状態から図35の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを上方へと持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を膨張させる。このとき低温室53aの気体の膨張率は高温室53bに比べ非常に大きく、低温室53aの気体の圧力および温度は下降するため、吸熱ヘッド54aの温度は下降する。
クランク歯車68の回動が進んで、図35の状態から図36の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aは吸熱側クロスヘッド50aを下方へ押し込む方向へ、発熱側クランク49bは発熱側クロスヘッド50bを上方へ持ち上げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aにより低温室53a内の気体を圧縮、発熱側ピストン52bにより高温室53b内の気体を膨張させるため、低温室53aの気体は再生器57を通って急速に高温室53bへと移動する。このとき、高温室53bへと移動する気体は再生器57に蓄熱された熱量によって加熱されて温度が上昇し、高温室53b内の温度を上昇させる。
クランク歯車68の回動が進んで、図36の状態から図33の状態へと移行する間には、吸熱側クランク49aおよび発熱側クランク49bは、吸熱側クロスヘッド50aおよび発熱側クロスヘッド50bを下方へと押し下げる方向へ駆動させ、吸熱側ピストン52aおよび発熱側ピストン52bにより低温室53a内および高温室53b内の気体を圧縮させる。このとき高温室53bの気体の圧縮率は低温室53aに比べ非常に大きく、高温室53bの気体の圧力および温度は上昇するため、発熱ヘッド54bの温度は上昇するとともに、この高温室53bの高圧で温度の上昇した気体が再生器57を介して低温室53aに吹き込まれる。この高温室53bの高圧で温度が上昇した気体が再生器57を通過するに際して、この気体の熱量は再生器57に蓄熱され、熱量が奪われて冷却した気体が低温室53aへと吹き込まれて、低温室53aの温度を下降させる。このようにクランク歯車68が回動することにより吸熱ヘッド54aは冷却、発熱ヘッド54bは発熱し、それぞれクランク歯車68の回転数に応じて温度が低下、上昇する。
乾燥工程において、水槽3内から排気口41aを介して通風経路41内に排出された空気は、送風機41dを経て、吸熱ヘッド54aへと送られる。吸熱ヘッド54aへ送られた空気は、吸熱ヘッド54aにて冷却除湿された後、発熱ヘッド54bへと送られる。発熱ヘッド54bへ送られた空気は、発熱ヘッド54bにて加熱され、水槽3内へと吹き込まれて、回転槽内の洗濯物の水分を蒸発させて乾燥を進行させる。この後、図示しない湿度センサや温度センサ等の検知により乾燥終了を検知して運転を終了させる。吸熱ヘッド54a下方の水槽背面経路41c底部には、図示しない排水孔が設けられており、吸熱ヘッド54aに結露した水(ドレイン水)が滴下すると、この排水孔から水槽背面経路41cと排水ホース17を結ぶドレイン用ホースにより排水される。
以上のように、本発明の実施形態2−3によれば、上述した実施形態2−1と2−2による作用効果に加えて、駆動部58を正逆回転させても、熱交換部48を駆動させるクランク歯車68の回転方向を一定方向とすることができる。これにより、例えば、乾燥工程において、衣類などの絡まりを解くために回転槽5を正逆回転させても、熱交換部48は逆スターリングサイクルを継続できるので、衣類などの乾燥むらを少なくし、乾燥時間を短縮することができる。
また、本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、例えば、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱に電気ヒータを用い、循環風の冷却除湿に水道水を用いる従来技術に比較して、使用する電力は、モータの駆動電力のみとなり消費電力のより一層の低減を実現することができる。また、水道水の使用量を削減することができる。
また、本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、例えば、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱と、循環風の冷却除湿にヒートポンプを用いる従来技術に比較して、使用する電力は、モータの駆動電力のみとなり、消費電力のより一層の低減を実現することができる。
本発明の実施形態2−1〜2−3によれば、回転槽を回転させるモータの駆動電力で、洗濯物の乾燥または、洗濯物の洗濯・脱水・乾燥が行えるので、従来の乾燥機または洗濯乾燥機に比べて節水と消費電力のさらなる低減を実現することができる。
特に、熱交換部として、スターリング冷凍機を用いた場合には、モータの回転力をスターリング冷凍機に伝達する連動手段により逆スターリングサイクルを行い、スターリング冷凍機の低温室と高温室を用いて、洗濯物を乾燥させるための循環風の加熱と、洗濯物から蒸発した水分を含んだ高温多湿の循環風を冷却除湿し、洗濯物の乾燥を実現できる。
よって、水を使わず、消費電力をさらに低減することができる乾燥機または洗濯乾燥機を提供することができる。
なお、上述した構成と制御は、洗濯乾燥機に限らず、乾燥機に適用してもよく、回転槽は横置き式に限らず、縦置き式であってもよく、さらにドラム式に限らない。
なお、この発明の実施形態2−1〜2−3に基づいた乾燥機の技術的思想を要約すると、以下のとおりである。
(1)この発明に従った乾燥機は、水槽と、水槽内に回転可能に設けられた回転槽と、回転槽を回転させるモータと、水槽内を連通する循環ダクトと、水槽内の気体を循環ダクトを介して循環させるファンと、循環ダクト内の空気を吸熱ヘッドで冷却し、発熱ヘッドで加熱するように熱交換を行う熱交換部と、モータの回転力を、熱交換部を動作させるための動力として伝達する伝達部とを備える。
(2)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽に設けられていることを特徴とする。
(3)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽の下方に設けられていることを特徴とする。
(4)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、水槽の背面に設けられていることを特徴とする。
(5)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、モータの下方に設けられていることを特徴とする。
(6)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の下方に配置されていることを特徴とする。
(7)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の背面に配置されていることを特徴とする。
(8)この発明に従った乾燥機においては、循環ダクトの少なくとも一部は、水槽の背面の周縁部に沿って配置されていることを特徴とする。
(9)この発明に従った乾燥機は、循環ダクトの一部を、熱交換部と水槽内の液体を排水する排水経路の一部との間に配したことを特徴とする。
(10)この発明に従った乾燥機においては、吸熱ヘッドおよび発熱ヘッドは、循環ダクト内に突出していることを特徴とする。
(11)この発明に従った乾燥機においては、熱交換部は、スターリング冷凍機であることを特徴とする。
(12)この発明に従った乾燥機においては、スターリング冷凍機は、半密閉型のハウジングと、ハウジング内に配設されたクランク軸と、クランク軸に連結する吸熱側クランクと発熱側クランクと、各クランクに連結する吸熱側ピストンと発熱側ピストンと、内部に作動ガスを密封し、クランク軸の回転に連動して各ピストンが往復運動する低温室と高温室とを備え、クランク軸は、伝達部により回転することを特徴とする。
(13)この発明に従った乾燥機においては、吸熱ヘッドと発熱ヘッドは、循環ダクトに出没した低温室と高温室の一部であることを特徴とする。
(14)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転軸にクラッチを介して係合する連動軸と、連動軸に連結し、クランク軸を回転させる歯車とを有することを特徴とする。
(15)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転が正回転または逆回転しても、クランク軸を一方向に回転させることを特徴とする。
(16)この発明に従った乾燥機においては、伝達部は、モータの回転力を、クランク軸に伝達し、スターリング冷凍機を逆スターリングサイクルで動作させることを特徴とする。
(17)この発明に従った乾燥機においては、各ピストンは、90度の位相差がつけられて往復運動することを特徴とする。
(18)この発明に従った乾燥機においては、クラッチは、モータの回転軸に設けた第1の嵌合部と、連動軸に設けた第2の嵌合部との間に配されており、クラッチを、第1の嵌合部側に付勢する付勢手段を、クラッチと連動軸の間に配したことを特徴とする。
(19)この発明に従った乾燥機は、クラッチの周囲に磁界を発生する電磁コイルを設け、電磁コイルに通電することで、クラッチを第1の嵌合部と第2の嵌合部の両方に嵌合する位置へ移動させることを特徴とする。
(20)この発明に従った乾燥機においては、歯車は、連動軸に噛合する第1の伝達歯車と、第1の伝達歯車とクランク軸に設けたクランク歯車とに噛合し、モータの回転軸と反対方向に回転する第2の伝達歯車で構成されることを特徴とする。
(21)この発明に従った乾燥機においては、クランク軸は、各クランクが接続する接続部が90度の位相差をつけて設けられたクランクシャフトと、クランクシャフトの一方に設けられたクランク歯車から構成され、第2の伝達歯車は、小径歯車と大径歯車が重ねて構成されており、第1の伝達歯車と小径歯車が噛合し、クランク歯車と大径歯車が噛合するように配されていることを特徴とする。
(22)この発明に従った乾燥機においては、クランク軸は、各クランクが接続するピンがその一方に、歯車に噛合するクランク歯車が他方に設けられていることを特徴とする。
(23)この発明に従った乾燥機においては、第1の伝達歯車は、連動軸に常に連結する連動歯車と、連動歯車の回転中心と位置を同じく重ねて設けられたスライド歯車から構成され、スライド歯車は、連動歯車の回転方向に応じて、連動歯車との距離を可変可能に設けられ、第2の伝達歯車は、クランク歯車に常に噛合し、回転位置が各々異なる奇数の伝達歯車と、偶数の小伝達歯車との2列から構成され、連動歯車が一方向に回転する場合には、スライド歯車は伝達歯車と連結し、連動歯車が他方向に回転する場合には、スライド歯車は小伝達歯車と連結することを特徴とする。
(24)この発明に従った乾燥機においては、低温室と高温室は、モータの回転軸中心からみて、ハの字状または逆V字状に配置されていることを特徴とする。
(25)この発明に従った洗濯乾燥機は、上記のいずれかの乾燥機であって、被洗濯物を回転槽に収容し、洗濯、脱水、乾燥のいずれかを実行することを特徴とする。
(26)この発明に従った洗濯乾燥機においては、回転槽の回転軸は、設置面に対して略垂直であることを特徴とする。
(27)この発明に従った洗濯乾燥機においては、回転槽の回転軸は、設置面に対して略水平または斜めであることを特徴とする。
本発明の一つの実施の形態としての加熱除湿装置で用いられるスターリングエンジンの一例を用いて得られた制御性の高さについて説明する。
スターリングエンジンとヒートポンプを大気圧下で駆動させて、高温側、低温側を大気中に開放状態にして、スターリングエンジンとヒートポンプの特性確認を行なった。スターリングエンジンの高温側の温度を発熱ヘッドにおいて測定し、低温側の温度を吸熱ヘッドにおいて測定した。ヒートポンプの高温側の温度を凝縮器において測定し、低温側の温度を蒸発器において測定した。測定された温度を10秒毎に記録した。室温は、約27℃であった。なお、一例として用いたスターリングエンジンの仕様は、出力約250W、冷媒はヘリウムである。また、一例として用いたヒートポンプの仕様は、出力約370W、冷媒はHCF・R134aである。
図37は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から測定した、高温側の温度の時間変化を示す図である。
図37に示すように、スターリングエンジンの高温部においては、スターリングエンジンの駆動開始直後から温度が上昇している。一方、ヒートポンプの高温部の温度は、ヒートポンプの駆動開始直後にはほとんど変化せず、約10秒経過後にゆるやかに上昇し始める。
図38は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始から所定の温度に到達するまでの、高温側の温度の時間変化を示す図である。所定の温度は60℃とした。
図38に示すように、スターリングエンジンの高温側は、駆動開始から50秒で60℃に達した。一方、ヒートポンプの高温側は、駆動開始から230秒で60℃に達した。このように、スターリングエンジンの高温側は、ヒートポンプの高温側よりも速く所定の温度に到達するため、スターリングエンジンを乾燥機に用いることによって、乾燥工程の初期段階において高温の気体を洗濯物に接触させることができ、乾燥時間を短縮することができる。
図39は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から測定した高温側の温度について、10秒間に変化する温度の時間変化を示す図である。
図39に示すように、スターリングエンジンは、駆動開始直後から温度変化量が大きく、応答性がよいことが分かった。一方、ヒートポンプは、駆動開始直後には温度変化がほとんど測定されなかった。これは、ヒートポンプの冷媒が気液相間で状態変化をするためにある程度の時間を要する一方、スターリングエンジンは、作動気体が状態変化する必要がないので、このような高い応答性が得られたと考えられる。
図40は、スターリングエンジンとヒートポンプの駆動開始直後から2分経過するまでに10秒間隔で測定した、スターリングエンジンの高温側と低温側、ヒートポンプの高温側と低温側の温度の時間変化を示す図である。
図40に示すように、スターリングエンジンの駆動開始直後から、スターリングエンジンの高温側の温度は速やかに上昇し、スターリングエンジンの低温側の温度は速やかに下降して、駆動開始から50秒後には、高温側が60℃、低温側が−20℃に達した。その後も温度変化の速度がほとんど低下することなく、駆動開始から2分後には、高温側が80℃、低温側が−60℃に達した。一方、ヒートポンプは、駆動開始直後には高温側も低温側もほとんど温度変化がなく、駆動開始から約10秒後から30秒後までの間に高温側が約35℃、低温側が約10℃に達したが、その後は温度変化量が減少し、ゆるやかな温度変化を示した。駆動開始から2分経過まで、高温側の温度はゆるやかに上昇を続けて約48℃に達したが、低温側は約8℃からほとんど下がらなかった。
このように、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。また、スターリングエンジンは、ヒートポンプと比較して、制御可能な温度範囲が広い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから高温側が60℃になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから高温側が60℃になるまでに必要な時間の四分の一以下であった。したがって、スターリングエンジンを用いることによって、ヒートポンプよりも制御性が高い乾燥機が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
24,48:熱交換部、25,41:通風経路、38a,54a:吸熱ヘッド、38b,54b:発熱ヘッド、100:スターリングエンジン、148:再生器チューブ、241:温風経路部、242:湿風経路部、243:循環経路部、247:水槽内温風経路部、248:水槽内湿風経路部、400,500,600,700:加熱除湿装置、410,510,610,710:スターリングエンジン、411,511,611,711:発熱ヘッド、412,512,612,712:吸熱ヘッド、420,520,620,720:高温側熱交換部、421,621:加熱フィン、522,722:加熱部、430,530,630,730:低温側熱交換部、532,632:冷却部、431,731:冷却フィン、523,533,633,723:熱伝導媒体流路。
この発明の一つの局面に従った加熱除湿装置は、気体を流通させるための第一の風路と第二の風路と、第一の風路を流通する気体を加熱するための第一の熱交換部と、第二の風路を流通する気体を冷却するための第二の熱交換部と、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとを含むスターリングエンジンとを備え、第一の熱交換部は、スターリングエンジンの発熱ヘッドで気体を加熱するように熱交換を行ない、第二の熱交換部は、スターリングエンジンの吸熱ヘッドで気体を冷却するように熱交換を行ない、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成し、第一の熱交換部は、発熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含む。
この発明の一つの局面に従った加熱除湿装置においては、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成することにより、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間で熱の伝達を行なう経路が不要となり、発熱ヘッドと第一の熱交換部との間の経路において熱が無駄に消費されることを防止することができる。また、第一の熱交換部は、発熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明のもう一つの局面に従った加熱除湿装置は、気体を流通させるための第一の風路と第二の風路と、第一の風路を流通する気体を加熱するための第一の熱交換部と、第二の風路を流通する気体を冷却するための第二の熱交換部と、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとを含むスターリングエンジンとを備え、第一の熱交換部は、スターリングエンジンの発熱ヘッドで気体を加熱するように熱交換を行ない、第二の熱交換部は、スターリングエンジンの吸熱ヘッドで気体を冷却するように熱交換を行ない、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成し、第二の熱交換部は、吸熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含む。
従来、加熱除湿装置に用いられているヒートポンプにおいては、コンプレッサで冷媒を圧縮して気体から液体に変化させる凝縮部と、冷媒を膨張させて液体から気体に変化させる蒸発部とで熱交換を行なっている。すなわち、ヒートポンプにおいては、冷媒は、凝縮部から管などを通って蒸発部へ移動して、液体から気体に変化し、蒸発部から管などを通って凝縮部へ移動して、気体から液体へと変化することを繰り返す必要がある。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
一方、スターリングエンジンは、シリンダ内でディスプレーサを往復運動させることによって、ヘリウムなどの作動気体を圧縮空間内で圧縮して発熱ヘッドを加熱し、膨張空間内で膨張させて吸熱ヘッドを冷却する。このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体は、気体状態のままで、圧縮空間と膨張空間の間のみを移動する。圧縮空間と膨張空間は、例えば、一つのシリンダの両端に配置されるので、この場合には、作動気体は気体状態のままでシリンダの一方の端部から他方の端部までの間を往復する。
このように、スターリングエンジンにおいては、作動気体の移動距離が短く、また、冷媒を気体と液体の間で状態変化させる必要もないために、スターリングエンジンの応答性はヒートポンプよりも高い。例えば、スターリングエンジンの駆動を開始してから、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとが所定の温度になるまでに必要な時間は、ヒートポンプの駆動を開始してから蒸発部と凝縮部とが所定の温度になるまでに必要な時間よりも短い。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減して省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
したがって、スターリングエンジンを用いることによって、乾燥運転開始前または乾燥運転開始時に長時間の立ち上げ運転が不要であるので、ヒートポンプよりも制御性が高く、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減して省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置が得られる。このように、スターリングエンジンを備える加熱除湿装置は、加熱除湿装置の起動に要する時間を短くすることができるとともに、加熱除湿装置の運転中に一旦、運転を中断した後、再び起動する場合に要する時間も短くすることができる。
また、従来の加熱除湿装置に用いられているヒートポンプの振動系は、冷媒の圧縮と膨張にコンプレッサを使用するため、回転の振動を含む複雑な振動系である。一方、スターリングエンジンは、ヒートポンプに比べて振動系が単純である。すなわち、スターリングエンジンにおいては、ディスプレーサの往復という直線的な運動しか行なわれない。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このように、スターリングエンジンは、振動系が単純であるので、振動を吸収することが容易である。例えば、ディスプレーサの振動の振動数の共振動数を固有振動数として持つバネなどの吸振部材を備えることによって、簡単に振動を抑えることができる。スターリングエンジンにおいては振動を簡単に抑えることができるので、振動による騒音が発生しにくい。
このようにすることにより、振動、騒音を少なくすることができ、また、乾燥機が設置されている室内環境を悪化させることのない、使用性、すなわち、使用しやすく、省エネルギー性、すなわち、消費エネルギーを効果的に削減することができ、省エネルギーを図りやすい加熱除湿装置を提供することができる。
この発明のもう一つの局面に従った加熱除湿装置においては、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成することにより、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間で冷気の伝達を行なう経路が不要となり、吸熱ヘッドと第二の熱交換部との間の経路において冷気が無駄に消費されることを防止することができる。また、第二の熱交換部は、吸熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含むことにより、フィンにおいて気体を効率よく熱交換することができる。また、加熱除湿装置を小型化することができる。
この発明の一つの局面、または、もう一つの局面に従った加熱除湿装置は、被乾燥対象物を収容するための被乾燥対象物収容容器と、被乾燥対象物収容容器を回転させるための被乾燥対象物収容容器駆動モータとを備えることが好ましい。
この発明の一つの局面に従った加熱除湿装置においては、第二の熱交換部は、気体を冷却するための冷却部と、吸熱ヘッドの熱を冷却部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第二の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明のもう一つの局面に従った加熱除湿装置においては、第一の熱交換部は、気体を加熱するための加熱部と、発熱ヘッドの熱を加熱部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有することが好ましい。
このようにすることにより、第一の熱交換部の位置や形状を、風路の形状などに合わせて最適化することが容易になる。
この発明の一つの局面、または、もう一つの局面に従った加熱除湿装置は、気体を第二の風路から第一の風路に流入させるための循環路を備え、第二の風路内の気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されることが好ましい。
このように、第二の風路内に流出した気体は、第二の熱交換部において冷却され、循環路を通って第一の風路に流入し、第一の熱交換部において加熱されるので、効率よく除湿することができる。
この発明の一つの局面、または、もう一つの局面に従った加熱除湿装置は、発熱ヘッドと吸熱ヘッドとの間に配置される接続管を備え、発熱ヘッドは、第一の風路内に配置されて、第一の熱交換部を構成し、吸熱ヘッドは、第二の風路内に配置されて、第二の熱交換部を構成し、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管は同軸状に配置され、発熱ヘッドと吸熱ヘッドと接続管は、循環路内に配置されていることが好ましい。
Claims (9)
- 気体を流通させるための第一の風路と第二の風路と、
前記第一の風路を流通する気体を加熱するための第一の熱交換部と、
前記第二の風路を流通する気体を冷却するための第二の熱交換部と、
発熱ヘッドと吸熱ヘッドとを含むスターリングエンジンとを備え、
前記第一の熱交換部は、前記スターリングエンジンの発熱ヘッドで気体を加熱するように熱交換を行ない、
前記第二の熱交換部は、前記スターリングエンジンの吸熱ヘッドで気体を冷却するように熱交換を行なう、加熱除湿装置。 - 気体を前記第二の風路から前記第一の風路に流入させるための循環路を備え、
前記第二の風路内の気体は、前記第二の熱交換部において冷却され、前記循環路を通って前記第一の風路に流入し、前記第一の熱交換部において加熱される、請求項1に記載の加熱除湿装置。 - 前記発熱ヘッドは、前記第一の風路内に配置されて、前記第一の熱交換部を構成する、請求項1または請求項2に記載の加熱除湿装置。
- 前記第一の熱交換部は、前記発熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含む、請求項3に記載の加熱除湿装置。
- 前記第一の熱交換部は、気体を加熱するための加熱部と、前記発熱ヘッドの熱を前記加熱部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有する、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の加熱除湿装置。
- 前記吸熱ヘッドは、前記第二の風路内に配置されて、前記第二の熱交換部を構成する、請求項1または請求項2に記載の加熱除湿装置。
- 前記第二の熱交換部は、前記吸熱ヘッドに接触するように配置されるフィンを含む、請求項6に記載の加熱除湿装置。
- 前記第二の熱交換部は、気体を冷却するための冷却部と、前記冷却ヘッドの熱を前記冷却部に伝導するための熱伝導媒体が流通する熱伝導媒体流路とを有する、請求項1、請求項2、請求項6、および、請求項7のいずれか1項に記載の加熱除湿装置。
- 前記発熱ヘッドと前記吸熱ヘッドとの間に配置される接続管を備え、
前記発熱ヘッドは、前記第一の風路内に配置されて、前記第一の熱交換部を構成し、
前記吸熱ヘッドは、前記第二の風路内に配置されて、前記第二の熱交換部を構成し、
前記発熱ヘッドと前記吸熱ヘッドと前記接続管は同軸状に配置され、
前記発熱ヘッドと前記吸熱ヘッドと前記接続管は、前記循環路内に配置されている、請求項2に記載の加熱除湿装置。
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