JP2008061325A - ワイヤハーネスの保持構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤハーネスを保持部材で摺動自在に支持しつつ配索した構造において、保持部材におけるワイヤハーネスのバタツキや異音や引っ掛かり等を防止する。
【解決手段】枠体27内に少なくとも一対の対向するローラ20を有するハーネス保持部材11を用い、ハーネス保持部材を取付側部材1に固定し、取付側部材に沿って配索するワイヤハーネス5を一対のローラの間に摺動自在に挿通させた。ワイヤハーネス長手方向に各一対のローラ20,20’を配置した。各一対のローラ20,20’の間に、一対のローラ間の隙間S1より大きな内径のハーネスバタツキ抑止部40を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば回動式のリンクといった取付側部材に沿ってワイヤハーネスを配索する際に、取付側部材にワイヤハーネスをクランプで摺動自在に保持させるワイヤハーネスの保持構造に関するものである。
図9(a)(b)は、ワイヤハーネスの保持構造を適用可能なリンク機構を用いた自動車用ルーフの収納構造の一形態を示すものである(特許文献1参照)。
このルーフの収納構造は、車両ボディ51に回動自在に連結された前後一対の回動リンク52,53と、前側の回動リンク52に連結された中間上部固定リンク55と、後側の回動リンク53に連結された前側上部固定リンク54と、前側上部固定リンク54に固定されたソフトトップのルーフ56とを備えるものである。
ルーフ56の完全閉止状態(図示せず)で、前側上部固定リンク54と中間上部固定リンク55とは水平な一直線上に整合し、前後一対の回動リンク52,53はほぼ直立して位置する。この状態から図9(a)のルーフ開き途中のように、回動リンク52,53が後方に回動しつつ、各固定リンク54,55が段違いに重なり、図9(b)のルーフ56の収納状態(開き状態)で、各回動リンク52,53がほぼ水平に倒れつつ、回動リンク52,53の上側に各固定リンク54,55が折り畳まれて位置する。
上記のリンク機構には駆動手段が記載されていないが、リンクをモータとピニオンで駆動する構造(図示せず)は例えば特許文献2に記載されている。
また、自動車のルーフではなくドアをリンク機構で開閉させる構造は、例えば特許文献3に記載されている。この構造(図示せず)は、ドアを屈曲式のリンクアームで車両ボディにスイング自在に連結すると共に、前後一対の水平な平行リンクをドアと車両ボディとの間に設置したものである。
一方のリンクにはワイヤハーネスが配索固定され、ワイヤハーネスの一方はドア側の屈曲自在なキャタピラ状の外装部材に沿って配索され、ワイヤハーネスの他方は車両ボディ側(電源側)に配索されている。ワイヤハーネスによってドア側の補機に常時給電が行われる。
特開2000−108674号公報(図1〜図5) 特開2003−252061号公報(図1) 特開平10−175483号公報(図5,図9)
上記特許文献1,2のルーフの収納構造においては、ルーフ側に常時給電を行うためのハーネス配索構造が記載されていないが、一般に車両のルーフにはルームランプ等の補機が装着されており、収納自在なルーフにおいても補機への常時給電が必要で、そのためのハーネス配索構造が不可欠である。
ハーネス配索構造の一例として、例えば図9(a)のリンク53,55に沿ってワイヤハーネスを配索した場合、リンクの回動に伴ってワイヤハーネスが屈曲しつつ長手方向に移動するために、ワイヤハーネスをリンクにスライド自在に保持させる必要があり、そのための保持部材として、例えば筒状の部品(図示せず)を用い、筒状の部品の内側にワイヤハーネスをスライド自在に挿通させ、筒状の部品を一体の係止クリップ(図示せず)でリンクに固定した場合、車両走行中の振動や停止時におけるエンジンの振動等で、筒状の部品の内面とワイヤハーネスの外面との間の隙間の範囲でワイヤハーネスがバタ付いて異音を生じたり摩耗したりするという懸念があった。また、リンクの回動中にワイヤハーネスが曲げ力の影響で筒状の部品の端部開口縁に引っ掛かったり大きな摩擦を生じたりして、ワイヤハーネスの摺動がスムーズに行われないことがあるという懸念もあった。
これらの懸念は、ルーフに限らず、ドアやその他の可動構造体をリンクで車両ボディ等の固定構造体に連結したものにおいて、共通に発生し兼ねないことである。また、リンクを用いずに、ワイヤハーネスを筒状の部品等といった保持部材で空中に配索する場合においても、ワイヤハーネスが保持部材に沿って摺動しつつ屈曲等する場合に、発生し兼ねないことである。
本発明は、上記した点に鑑み、ワイヤハーネスを保持部材で摺動自在に支持しつつ配索した構造において、保持部材におけるワイヤハーネスのバタツキや異音や引っ掛かり等を防止して、ワイヤハーネスをスムーズに摺動させて、常時給電の信頼性を高めることのできるワイヤハーネスの保持構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るワイヤハーネスの保持構造は、枠体内に少なくとも一対の対向するローラを有するハーネス保持部材を用い、該ハーネス保持部材を取付側部材に固定し、該取付側部材に沿って配索するワイヤハーネスを該一対のローラの間に摺動自在に挿通させたことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスに長手方向の引き力や押し力が作用した際に、ワイヤハーネスは少なくとも一対のローラに挟まれるように配索されているから、ローラが回転しつつワイヤハーネスが低摩擦でスムーズに長手方向に移動する。
請求項2に係るワイヤハーネスの保持構造は、請求項1記載のワイヤハーネスの保持構造において、ワイヤハーネス長手方向に各一対の前記ローラを配置したことを特徴とする。
上記構成により、一対のローラを用いた場合よりも前後各一対のローラを用いることで、ローラを支点としたワイヤハーネスの振れが抑止される。前後各一対のローラは同方向に並列に配置してもよく、直交する方向に配置してもよい。
請求項3に係るワイヤハーネスの保持構造は、請求項2記載のワイヤハーネスの保持構造において、前記各一対のローラの間に、一対のローラ間の隙間より大きな内径のハーネスバタツキ抑止部を設けたことを特徴とする。
上記構成により、前後一対のローラの間でたとえワイヤハーネスが振れたりバタ付こうとしても、ワイヤハーネスが径方向にバタツキ抑止部の内径面に当接して、これら振れやバタツキが防止される。
請求項4に係るワイヤハーネスの保持構造は、請求項1〜3の何れかに記載のワイヤハーネスの保持構造において、前記ハーネス保持部材を回動式の前記取付側部材に複数配置し、前記ワイヤハーネスを固定構造体から該取付側部材を経て可動構造体に配索し、該取付側部材の回動に伴って一端のハーネス保持部材側のハーネス余長が前記ローラに沿って他端のハーネス保持部材側に移動することを特徴とする。
上記構成により、取付側部材の回動前にワイヤハーネスが一端のハーネス保持部材側で屈曲して余長を有している場合に、取付側部材の回動に伴ってワイヤハーネスが各ハーネス保持部材のローラに沿って摺動しつつ、一端のハーネス保持部材側のハーネス余長が他端のハーネス保持部材側にスムーズに移動する。取付側部材を逆方向に回動させた際は、上記とは逆の動作でハーネス余長がスムーズに移動する。
請求項1記載の発明によれば、ワイヤハーネスをハーネス保持部材で摺動自在に支持しつつ配索した構造において、ハーネス保持部材の少なくとも一対のローラでワイヤハーネスが挟まれるように支持されることで、ワイヤハーネスの摺動時や静止時のバタツキやそれに伴う異音や、摺動時の引っ掛かり等が防止されて、ワイヤハーネスの配索品質が向上すると共に、ワイヤハーネスによる常時給電の信頼性が向上する。
請求項2記載の発明によれば、ワイヤハーネスの振れやバタツキが抑止されて、異音やワイヤハーネスの摩耗等が一層確実に防止され、ワイヤハーネスの配索品質や常時給電の信頼性が一層向上する。
請求項3記載の発明によれば、ワイヤハーネスの振れやバタツキがさらに一層確実に抑止されて、異音やワイヤハーネスの摩耗等がさらに一層確実に防止され、ワイヤハーネスの配索品質や常時給電の信頼性がさらに一層向上する。
請求項4記載の発明によれば、取付側部材の回動に伴ってワイヤハーネスの余長がスムーズに移動することで、余長に起因するハーネス屈曲部の曲げ疲労が軽減されて、ワイヤハーネスによる常時給電の信頼性が向上する。
図1〜図3は、本発明に係るワイヤハーネスの保持構造の一実施形態を示すものである。
このワイヤハーネスの保持構造は、上下各一対のローラ20,20’でワイヤハーネス5をクランプ(ハーネス保持部材)11内に摺動自在に保持したものであり、クランプ11は係止クリップ23で図示しないリンク等(取付側部材)の壁部に固定される。図では前側のローラを符号20、後側のローラを符号20’(図3)で示している。
クランプ11は、矩形筒状の枠体27と、枠体内に回転自在に支持された上下各一対のローラ20,20’と、枠体27の底側の壁部32に突設された係止クリップ23とで構成される。各部材20,23,27は合成樹脂で形成されることが好ましく、ローラ20,20’のみを金属で形成することも可能である。
各ローラ20,20’は鼓状に形成され、図2(a)の正面視で円弧状の外周面20aを有し、ローラ20,20’の外径は幅方向中央が最小で、左右外側端が最大で且つ同一となっている。上下のローラ20,20’の間に断面略凸レンズ状のワイヤハーネス挿通空間39が構成される。
上下のローラ20,20’の中央の隙間S1が最大で、ワイヤハーネス5の外径にほぼ等しく、上下のローラ20,20’の幅方向中央部分でワイヤハーネス5を隙間なく保持することが好ましい(異音を生じない範囲で若干の隙間があってもよく、また逆に、ワイヤハーネス5は圧縮性であるから、ワイヤハーネス5を径方向に若干圧縮しつつ保持してもよい)。
上下のローラ20,20’の左右外側端の隙間S2(図2)はワイヤハーネス5の外径よりも小さく、ワイヤハーネス5は上下の鼓状のローラ20,20’で常に求心されてローラ20,20’の幅方向中央部分に位置する。
ワイヤハーネス5は、複数本の絶縁被覆電線を合成樹脂製の柔軟な網状の保護チューブで覆って構成されたり、あるいは複数本の絶縁被覆電線をビニルテープで粗巻きして構成されることが、ばらけ防止や保護の観点から好ましい。ワイヤハーネス5として一本のキャブタイヤケーブルを用いることも可能である。
ローラ20,20’の軸部29,29’はローラ20,20’と一体に形成されていることが好ましい。軸部29,29’の中間外周に溝30が形成され、枠体27の左右の側壁34に各軸部29,29’の溝30を進入係合させる略L字状の切欠孔35が設けられている。
切欠孔35は、開口35aに続く水平部35bと、水平部35bに続く垂直部35c(図1)とで構成され、水平部35bとの交差部分の近傍で垂直部35cに軸部29,29’の溝30の外周面を係止するための前後一対の突起(図示せず)が設けられ、軸部29,29’は突起を撓ませつつ垂直部35cに進入して垂直部35cの終端部分で回転自在に支持される。ローラ20,20’は切欠孔35にワンタッチで簡単に装着される。
図2(b)の断面図の如く、軸部29,29’の外面と枠体27の切欠孔35の内面との隙間は極めて小さく設定され、ローラ20,20’は枠体27にガタ付きなく支持される。この隙間はワイヤハーネス5の外周面と上下のローラ20,20’の外周面との間の隙間に較べて無視できるほど小さい。
枠体27は上下左右の壁部32〜34で囲まれて矩形筒状に構成されているから、両側壁34に拡がり方向や狭まり方向の力が作用せず、従って各ローラ20,20’の軸部29,29’に軸方向の引張力や圧縮力が作用せず、ローラ20,20’は常に小さな力でスムーズに回転自在である。枠体27の底壁32に対して両側壁34の剛性が高い場合には、上壁33を省略した枠体(図示せず)を用いることも可能である。
枠体27へのローラ20,20’の取付構造として、手間はかかるが、枠体27の側壁34とローラ20,20’の軸中心とに円孔(図示せず)を設け、各円孔を貫通して別体の軸部(図示せず)を回動自在に挿入し、軸部をねじ締め等で枠体27に固定することも可能である。また、コストはかかるが、ローラ20,20’の軸部29,29’をベアリング(図示せず)を介して枠体27に回転自在に支持することも可能である。
また、枠体27の両側壁34の内面に左右の短い軸部(図示せず)を突設し、ローラ20,20’に軸部を挿入する切欠溝(図示せず)を設け、切欠溝内に軸部を係止する突起を設けておくことも可能である。
枠体27の底部に突設された係止クリップ23は既存のもので、台座36(図2)と、台座36から垂下された支柱部37と、支柱部37の先端から上向き傾斜状に突出した左右一対の可撓性の爪片38とで構成されている。
一対の爪片38がリンク等(取付側部材)の壁部の孔部に内向きに撓んで挿入され、孔部を貫通した時点で外向きに弾性復帰し、リンク等の壁部が台座36と爪片38の先端段部38aとの間に挟持される。台座36を省略して枠体27の下側の壁部32で代用してもよい。
なお、明細書中の上下前後左右の方向はあくまでも図1に対応したものであり、必ずしもクランプ11の取付方向と一致するものではない。例えば、図1の垂直な(縦置きの)クランプ11を90゜反転させて水平として、係止クリップ23を取付側部材の垂直な壁部の孔(図示せず)に挿入係止させることも可能である。あるいは、図1のクランプ11を上下反転して用いることも可能である。
また、係止クリップ23の位置は枠体27のローラ径方向の壁部(底壁32や上壁33)に限らず、ローラ軸方向の壁部(左右何れかの側壁34)に設けることも可能である。側壁34に係止クリップ23を設ける場合は、前後各一対のローラ20,20’の軸部29,29’の先端の間に係止クリップ23の台座36又は支柱部37を配置する。
また、係止クリップ23に代えて枠体27の何れかの壁部32〜34にブラケット(図示せず)を設け、ブラケットの孔にボルト(図示せず)を挿通して取付側部材の壁部にナットで締付固定させることも可能である。
図3の長手方向の断面図の如く、上下各一対のローラ20,20’はクランプ11の前後で同じ高さ(ピッチ)で配置され、この前後各一対のローラ20,20’でワイヤハーネス5が長手方向に移動自在に支持される。
ワイヤハーネス5が矢印Aの如く長手方向に移動すると同時に各ローラ20,20’が矢印方向に回転し、ワイヤハーネス5とローラ20,20’との間に滑りすなわち摩擦抵抗は殆ど発生せず、ワイヤハーネス5は極めて小さな力(引き力又は押し力)で低摩擦でスムーズに移動する。図3でワイヤハーネス5は矢印Aとは反対方向にも移動自在で、その際、ローラ20,20’は矢印Bとは逆に回転する。
図4(a)の如く、前後各一対のローラ20,20’でワイヤハーネス5が支持されることで、ワイヤハーネス5の摺動時の横方向の振れが防止され、ワイヤハーネス5がリンク等の取付側部材に沿って矢印Aの如く真っ直ぐに移動可能となる。
図4(b)のように、上下一対のみのローラ20でワイヤハーネス5を支持した場合は、ワイヤハーネス5がローラ20に沿って摺動しながら(ローラ20は回転するのでワイヤハーネス5との間の摩擦は極めて小さく抑えられる)矢印Cの如く左右に振れる懸念がある。
勿論、上下一対のみのローラ20を用いたクランプ(図示せず)であっても、ワイヤハーネス5の振れは各クランプの間隔を小さくすれば抑えられる。上下一対のみのローラ20を用いたクランプは、図1のクランプの半分の長さで済み、コンパクトである。
図5は、前後一対のローラ20,20’を異なる軸方向に配置した形態例を示すものである。
前側の一対のローラ20は垂直方向の軸部29を有して垂直に配置され、後側の一対のローラ20’は水平方向の軸部29’を有して水平に配置されている。すなわち、前後各一対のローラ20,20’は直交方向に配置されている。
各軸部29,29’を回動自在に支持する枠体(図示せず)は図1の枠体27よりも上下の壁部が幅広に形成され(枠体としては断面略正方形に形成され)、枠体の上下の壁部に前側の左右一対のローラ20の上下の各軸部29が支持され、枠体の左右の壁部に後側の上下一対のローラ20’の左右の各軸部29’が支持される。枠体の何れかの壁部に係止クリップ23(図1)が設けられる。前側に上下一対のローラ20’を配置し、後側に左右一対のローラ20を配置してもよいことは言うまでもない。
前側の左右一対のローラ20の断面円弧状の外周面でワイヤハーネス5が左右方向に挟まれるように支持され、且つ後側の上下一対のローラ20’の断面円弧状の外周面でワイヤハーネス5が上下方向に挟まれるように支持される。このようにワイヤハーネス5が各ローラ20,20’で直交方向に支持されることで、ワイヤハーネス5の求心性が高まり、ワイヤハーネス5の振れやバタツキやよれ等が一層確実に防止される。
図6(a)(b)は、前後各一対のローラ20,20’の間にハーネス貫通孔(ハーネスバタツキ抑止部)40を有する壁部41を設けてワイヤハーネス5の上下左右のバタツキを抑えたクランプ11’の一例を示すものである。
貫通孔40は円形であり、貫通孔40の内径は、ワイヤハーネス5の外径や上下一対のローラ間の隙間S1(図2)よりも少し大径に形成され、貫通孔40の内面とワイヤハーネス5の外周面との間に少しの隙間42を存してワイヤハーネス5の擦れを防いでいる。図6(a)の如く、貫通孔40の開口端40aは円弧状に面取りされていることが好ましい。図6(b)で符号20’は後側のローラを示す。壁部41は枠壁27の内面に直交して垂直に位置している。
貫通孔40に代えて、例えば枠壁27の内面に上下左右の突出壁(図示しないハーネスバタツキ抑止部)を設け、突出壁の内径側の面でワイヤハーネス5のバタツキを抑えることも可能である。上下方向(ローラ径方向)のバタツキが少ない場合は、突出壁を左右のみ(ローラ軸方向)に設けることも可能である。
図7〜図8は、上記クランプ11を用いたワイヤハーネスの配索(保持)構造の一形態を示すものである。クランプとして、図4(b)の上下一対のローラ20を有するクランプや、図5の前後一対の異なる軸方向のローラ20,20’を有するクランプや、図6の前後のローラ間にバタツキ抑止部40を有するクランプ11’を用いることも無論可能である。
この構造は、自動車のルーフ(図示せず)を開閉するリンク1にワイヤハーネス5を配索するものにおいて、ワイヤハーネス5を複数のクランプ11(111〜114)でリンク1に摺動自在に保持したものである。ルーフ(図示せず)は車両後部のラゲージスペース(図示せず)に折り畳み式に収納される。
図7は、上下二本のリンク1,2が車両前方に回動して斜め上向きに位置して、ルーフを閉じた状態、図8は、同じくリンク1,2が車両後方に回動して水平よりもやや下向きに位置して、ルーフをラゲージスペースに収納した状態(ルーフ開き状態)をそれぞれ示している。
図7の如く、ルーフの閉じ時に上側となる幅広の主リンク(回動リンクないし回動式の取付側部材)1にワイヤハーネス(複数本の絶縁被覆電線)5が配索され、主リンク1の上端はルーフ側のほぼ水平な固定リンク(固定側の取付側部材)3に軸部6で回動自在に連結され、主リンク1の下端は車両ボディ側のリンクブラケット4に軸部7で回動自在に連結されている。
主リンク1の片面に複数のクランプ11が係止クリップ23(図1)で固定され、ワイヤハーネス5は各クランプ11内を摺動自在に挿通し、リンク上端側のクランプ111から導出されたワイヤハーネス部分12は固定リンク3を経てルーフ側に配索され、リンク下端側のクランプ114から導出されたワイヤハーネス部分13は下向きに屈曲しつつ車両ボディ側のリンクブラケット4を経て車両ボディ側(電源側)に配索されている。本例の係止クリップ23は図1の係止クリップ23とは90゜反転した位置(軸部29,29’を支持した枠体27の一側壁34)に設けられている。
主リンク1とほぼ平行に下側の幅狭の副リンク(回動リンク)2が配置され、副リンク2の下端部(一端部)14は鉤状に屈曲し、主リンク1の軸部7の前側の位置でリンクブラケット4に軸部9で回動自在に連結され、副リンク2の上端部(他端部)15(図7)も同様に屈曲して、主リンク1の軸部6の前側の位置でルーフ側の固定リンク3に軸部8で回動自在に連結されている。固定リンク3とはルーフ(可動構造体)に固定されたリンクの意味である。
主リンク1は前半と中間側とで板厚方向に突出(膨出)した部位16を有し、この突出部16を避けてワイヤハーネス5が略クランク状に屈曲して主リンク1の平坦な面17に配索されている。ワイヤハーネス5の中間の屈曲部を符号21,22で示す。主リンク1は突出部16によって強度が高められている。
本例でワイヤハーネス5の上側配索部分18は前端側と後端側との二箇所でクランプ111,112で主リンク1に固定され、下側配索部分19は前端側と後端側との二箇所でクランプ113,114で主リンク1に固定されている。
上側配索部分18に続いてリンク上端のクランプ111から導出されたワイヤハーネス部分12は、固定リンク3に係止クリップ23で固定された同様のクランプ115にかけて大きな屈曲半径で配索され、クランプ115の前方の固定具24で固定リンク3に固定されている。
リンク下端側のクランプ114から導出されたワイヤハーネス部分13は主リンク1の平坦面17に沿って軸部7のやや上側を通りつつ大きな半径で下向きに屈曲し、リンクブラケット4に沿って固定具24で下向き(垂直)に固定されている。
各固定具24は金属製の既存のものであり、前後一対の円筒状の電線圧着部25と中間のねじ止め部(雄ねじ部)26とを有し、ねじ止め部26が固定リンク3やリンクブラケット4の孔部を貫通してナットで締付固定されている。固定具24の種類はこれに限らず、バンドクリップ等を用いることも可能である。各クランプ11や固定具24はワイヤハーネス製造過程でワイヤハーネス5に組み付けておくことが好ましい。
ワイヤハーネス5の屈曲形状に対応して、各クランプ11の上下各一対のローラ20,20’の径方向はワイヤハーネス5の屈曲方向に一致している。すなわち、図7において、ワイヤハーネス5の中間の屈曲部21,22に対応して、前後のクランプ112,113のローラ20,20’の軸部29,29’をリンク1の面に直交して配置し、上下のローラ20,20’でワイヤハーネス5を保持しつつローラ径方向にワイヤハーネス5をスムーズに屈曲させている。
これは、リンク1の上下端側のクランプ111,114についても同様であり、図8のリンク1の前後端側でのワイヤハーネス5の屈曲方向(屈曲部を符号28,31で示す)に対応して、前後端側の各クランプ114,111のローラ20,20’の軸部29,29’をリンク1の面に直交して配置し、上下のローラ20,20’でワイヤハーネス5を保持しつつローラ径方向にワイヤハーネス5をスムーズに屈曲させている。
図8は、図7のルーフ閉じ状態から電動式に主リンク1がモータとピニオン等の駆動手段で副リンク2と共に後方に回動されつつ、ルーフ側の固定リンク3がルーフと一体に後方にほぼ平行移動して主リンク1の上に折り畳まれて位置した状態である。副リンク2は固定リンク1の上側に位置する。各リンク1〜3は水平よりも少し下側に回動した位置で停止する。各リンク1〜3は板厚方向にずれている。
このリンク1〜3の回動に伴って、ワイヤハーネス5が各クランプ11内のローラ20,20’に沿って移動して余長吸収される。ローラ20,20’はワイヤハーネス5の移動に伴って回転してワイヤハーネス5の摺動抵抗を極めて低減させることは言うまでもない。
図7の主リンク1の下側の軸部7に沿う屈曲部分28が、図8の如く後方へ反転して屈曲しつつ、図8で前端側のクランプ114から後端側のクランプ111に向けて後方へ送り出されて、後端側のクランプ111から円弧状の屈曲部31として導出され、ルーフ側の固定リンク3のクランプ115に向けて前方に略U字ないしJ字状にスムーズに折り返される。
このように、リンク1,2の回動に伴って、ワイヤハーネス5が各クランプ11のローラ20,20’に沿って底摩擦でスムーズに摺動し、ワイヤハーネス5の余長部位(図7の符号28の部分)がリンク1の一端側から他端側にスムーズに移動して、余長が速やかに且つ確実に吸収される。
図8のルーフ収納(開き)状態からリンク1を前方に回動させて図7のルーフ閉じ状態を得る場合には、上記とは逆の動作で、リンク1の回動に伴って、図7のワイヤハーネス5の後側の屈曲部(余長部)31が各クランプ11のローラ20,20’に沿ってスムーズに送り出されて、図7のワイヤハーネス5の後側の屈曲部(余長部)28となる。
なお、上記図7〜図8の実施形態は、自動車のルーフの開閉機構であるリンク1にワイヤハーネス5を配索したものであるが、ルーフ以外に例えばリンク式のドア(図示せず)に上記ワイヤハーネスの配索(保持)構造を適用することも可能である。
この場合、リンク1,2やワイヤハーネス5は水平に配置され、ワイヤハーネス5は車両ボディからリンク1を経てドアに配索される。固定リンク3はドア側の水平な固定リンクとなり、リンクブラケット4は車両ボディ側の水平なリンクブラケットとなる。
リンク1の回動に伴ってワイヤハーネス5が各クランプ11内のローラ20,20’を摺動して余長部28,31が移動する作用は上記ルーフにおけるものと同様である。ルーフやドアは可動構造体、車両ボディは固定構造体と総称される。
また、上記図7〜図8の実施形態においては、リンク1に沿ってワイヤハーネス5をクランク状に屈曲させたが、リンク1に突出部16がない場合は、リンク1にワイヤハーネス5を真直に配索することも可能である。クランプ11の数は二〜三程度としてもよい。クランプ11の数が少ない場合は図6のハーネスバタツキ防止構造を適用する。この場合でも、リンク1の回動に伴ってワイヤハーネス5が各クランプ11内を摺動して余長部28,31が移動する作用は上記同様である。
また、固定リンク3側のクランプ115に代えてバンドクリップやテープ巻き等の他のハーネス固定手段を用いることも可能である。
また、上記図7〜図8の実施形態においては、主リンク1と平行に副リンク2を用いたが、副リンク2を廃除し、主リンク1のみを用いてルーフやドア等の開閉機構を構成することも可能である。また、リンク1を全く用いずに、リンク1に代わる壁部(可動側の壁部と固定側の壁部)にクランプ11を固定してワイヤハーネス5を配索することも可能である。
また、本発明は、ワイヤハーネスの保持構造やワイヤハーネスの配索構造の他に、ローラ20,20’を有するクランプ(ハーネス保持部材)11そのものの発明としても有効なものである。
本発明に係るワイヤハーネスの保持構造の一実施形態を示す斜視図である。 (a)はワイヤハーネスの保持構造を示す正面図、(b)は同じく縦断面図である。 同じくワイヤハーネスの保持構造を示す長手方向の縦断面図である。 (a)は前後各一対のローラでワイヤハーネスを支持した状態の斜視図、(b)は上下一対のローラでワイヤハーネスを支持した状態の斜視図である。 前後一対の異なる軸方向のローラでワイヤハーネスを支持した形態例を示す斜視図である。 (a)はワイヤハーネスのバタツキ防止機能を備えた保持構造例を示す横断面図、(b)は同じく縦断面図である。 ワイヤハーネスの保持構造の一適用例を示すリンク回動前の斜視図である。 同じく適用例を示すリンク回動後の斜視図である。 (a)は従来のリンクを用いたルーフ開閉機構の一形態を示すルーフ開き途中の側面図、(b)は同じくルーフ収納状態の側面図である。
符号の説明
1 リンク(取付側部材)
5 ワイヤハーネス
11 クランプ(ハーネス保持部材)
20,20’ ローラ
27 枠体
28,31 余長部
40 貫通孔(ハーネスバタツキ抑止部)

Claims (4)

  1. 枠体内に少なくとも一対の対向するローラを有するハーネス保持部材を用い、該ハーネス保持部材を取付側部材に固定し、該取付側部材に沿って配索するワイヤハーネスを該一対のローラの間に摺動自在に挿通させたことを特徴とするワイヤハーネスの保持構造。
  2. ワイヤハーネス長手方向に各一対の前記ローラを配置したことを特徴とする請求項1記載のワイヤハーネスの保持構造。
  3. 前記各一対のローラの間に、一対のローラ間の隙間より大きな内径のハーネスバタツキ抑止部を設けたことを特徴とする請求項2記載のワイヤハーネスの保持構造。
  4. 前記ハーネス保持部材を回動式の前記取付側部材に複数配置し、前記ワイヤハーネスを固定構造体から該取付側部材を経て可動構造体に配索し、該取付側部材の回動に伴って一端のハーネス保持部材側のハーネス余長が前記ローラに沿って他端のハーネス保持部材側に移動することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のワイヤハーネスの保持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010063226A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Hitachi Plant Technologies Ltd ケーブルキャリア
US7854413B2 (en) * 2006-08-14 2010-12-21 Yazaki Corporation Installing structure of wire harness
CN104300437B (zh) * 2013-07-16 2017-03-29 大宇造船海洋株式会社 电线敷设用夹钳装置

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