JP2008060235A - 電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在させて巻回すると共に陽極箔および陰極箔からそれぞれ陽極リード4および陰極リード5を導出させたコンデンサ素子6と、電解液を含浸させたコンデンサ素子6を収納する有底筒状のケース8と、ケース8の開口部を封止する封口体7とからなる電解コンデンサ10であって、ケース8の内径とコンデンサ素子6の外径との差が0.6mm以下となっていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
すなわち、ケース8の内径は、容量が異なる数種のコンデンサ素子6に対応できるように、余裕をもって大きく設定されているのが一般的であり、コンデンサ素子6の外径とケース8の内径との差は約0.7mm以上と比較的大きくなっている。
その結果、リードの丸棒部4a,5a付近は、振動方向や伸縮方向に強い力を受け、その最も弱い箇所にストレスが集中することで断線する不具合が生じていた。
ここで、「電解紙が追加巻きされている」とは、電解紙の通常の役割である、陽極箔と陰極箔の隔離および電解液の保持を果たすのに足りる長さ以上に、コンデンサ素子の外周に電解紙が巻かれていることを意味する。
ここで、「素子止めテープが追加巻きされている」とは、素子止めテープの通常の役割である、コンデンサ素子の巻回状態の維持を果たすのに足りる長さ以上に、素子止めテープが巻かれていることを意味する。
したがって、リードに加わる振動方向または伸縮方向のストレスを低減させ、リードの断線を防止することができる。
また、コンデンサ素子を、ケースへの収納方向に向かって先細形状とすれば、ケースへの挿入がし易くなり、かつ、挿入時のストレスが軽減される。
また、上記構成において、コンデンサ素子の陽極箔および陰極箔それぞれに接続されるリードのタブ部を厚くして、すなわちタブ部の厚さを丸棒部の厚さの30%以上にして、丸棒部の厚さとの差を小さくするか、タブ部と丸棒部との境界部分を傾斜角度45°以下の緩やかな傾斜部とすることで、振動環境下における上記境界部分にかかるストレスがより緩和される。
図1は本実施形態にかかるコンデンサ素子を示す概略斜視図、図2は本実施形態にかかる電解コンデンサを示す概略断面図である。
なお、陰極箔には、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化タンタル、窒化ニオブから選ばれる金属窒化物、またはチタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブから選ばれる金属を、蒸着法、メッキ法、塗布法等従来より知られている方法により被覆したものや、銅を含有したアルミニウム合金箔を用いてもよい。
低インピーダンス特性を満足させるには、ショート不良を起こさない範囲において、低密度、薄厚であることが好ましい。
また、ポリプロピレン、ポリエチレン、テフロン(登録商標)等の高分子多孔質フィルムを用いることもできる。
また、リードの丸棒部4a,5aおよび/またはリード線部4b,5bの表面には、陽極酸化による酸化皮膜形成処理を施したものや、Al2O3、SiO2、ZrO2等からなるセラミックコーティングによる絶縁層を形成したものを用いてもよい。
まず、アルミニウム箔の表面をエッチングにより粗面化した後、化成処理によって酸化皮膜(不図示)を形成し、陽極箔1とする。同様に、アルミニウム箔の表面をエッチングにより粗面化し、陰極箔2とする。
次いで、所定幅に裁断した陽極箔1および陰極箔2に、それぞれ陽極リード4および陰極リード5を接続する。
次いで、陽極箔1および陰極箔2を、これらの間に電解紙3a,3bを介在させつつ、所定の静電容量が得られるように巻回し、コンデンサ素子6を一旦形成する。
そして、コンデンサ素子6の外径を測定し、その外径と、後の工程においてコンデンサ素子6を収容するケース8の内径との差が、0.6mm以下になっているかを判別する。
ここで、前記の差が0.6mm以下であれば巻回を終了するが、そうでない場合は、外側の電解紙3bを追加で余分に巻き、当該差が0.6mm以下になるように調整する。
そして、ケース8の開口部に弾性封口体7を装着すると共に、陽極箔1および陰極箔2から伸延する陽極リード4、陰極リード5を弾性封口体7に形成した貫通孔から引き出す。
さらに、ケース8外周部の開口部付近を締め付け、封止して密閉構造とし、電解コンデンサ10を作製する。
したがって、コンデンサ素子6の外径とケース8の内径との差を確実に0.6mm以下にすることができる。
また、ケース8に収容する際、コンデンサ素子6の外周がケース8の内周壁と接触して傷がついたとしても、外側の電解紙3bは余分に巻いた分であるので、コンデンサの性能に影響はない。
したがって、リードタブ部に加わる振動方向または伸縮方向のストレスを低減させ、リードの断線を防止することができる。
なお、振動試験の条件は、下記のとおりとした。
[振動試験の条件1]
正弦波振動:f=50〜2000Hz、最大振幅:0.42mm、最大加速度:20G、掃引速度:1oct/分(対数掃引)、振動方向:X、Y、Zの3軸 各24時間[振動試験の条件2]
正弦波振動:f=50〜2000Hz、最大振幅:0.42mm、最大加速度:30G、掃引速度:1oct/分(対数掃引)、振動方向:X、Y、Zの3軸 各50時間
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、コンデンサ素子6の外径調整時に追加で巻く外側の電解紙3bの幅を漸減させることにより、コンデンサ素子6を、図3に示す如く、ケース収納方向に向かって先細形状になるように形成してもよい。
この場合、先端が先細になっているため、ケース8に収納する際、コンデンサ素子6がケース8へ挿入され易くなり、挿入時のストレスが軽減される。
このとき、素子止めテープの幅を漸減させることにより、コンデンサ素子をケース収納方向に向かって先細形状になるように形成しておけば、ケースにコンデンサ素子を挿入し易くなり、挿入時のストレスが軽減される。
すなわち、封口体7の外端面に陽極端子13および陰極端子14が構成され、これらの端子13、14の下端部は、陽極内部端子15および陰極内部端子16として、コンデンサ素子6から引き出された陽極タブ端子11および陰極タブ端子12と電気的に接続された構造であってもよい。
すなわち、図2に示す電解コンデンサと同様に電解コンデンサを構成し、リード端子18を引き出した端面に当接するように配設し、かつリード端子18が貫通する貫通孔を備えた絶縁板19を装着して、基板装着上の安定性を持たせるように構成されたものであってもよい。
2 陰極箔
3 電解紙
4、4’、4’’ 陽極リード
4a 陽極リードの丸棒部
4b 陽極リードのリード線部
4c、4c’ 陽極リードのタブ部
5、5’、5’’ 陰極リード
5a 陰極リードの丸棒部
5b 陰極リードのリード線部
5c、5c’ 陰極リードのタブ部
6 コンデンサ素子
7 弾性封口体
8 ケース
10、10’、10’’ 電解コンデンサ
11 陽極タブ端子
12 陰極タブ端子
13 陽極端子
14 陰極端子
15 陽極内部端子
16 陰極内部端子
18 リード
19 絶縁板
Claims (7)
- 陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在させて巻回すると共に前記陽極箔および前記陰極箔からそれぞれ陽極リードおよび陰極リードを導出させたコンデンサ素子と、電解液を含浸させた前記コンデンサ素子を収納する有底筒状のケースと、当該ケースの開口部を封止する封口体とからなる電解コンデンサであって、
前記ケースの内径と前記コンデンサ素子の外径との差が0.6mm以下となっていることを特徴とする電解コンデンサ。 - 前記コンデンサ素子は、電解紙が追加巻きされていることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子は、前記陽極箔、陰極箔の何れか一方、および/または素子止めテープが追加巻きされていることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子は、前記ケースへの収納方向に向かって先細形状となっていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の電解コンデンサ。
- 前記陽極リードおよび陰極リードはそれぞれ、前記陽極箔または陰極箔に接続された平板状のタブ部と、当該タブ部から伸延すると共に前記封口体に支持される丸棒部とを備えており、さらに、前記タブ部の厚さが前記丸棒部の厚さの30%以上になっていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電解コンデンサ。
- 前記陽極リードおよび陰極リードはそれぞれ、前記陽極箔または陰極箔に接続された平板状のタブ部と、当該タブ部から伸延すると共に前記封口体に支持される丸棒部とを備えており、さらに、前記タブ部と前記丸棒部との境界部分が、傾斜角度45°以下の緩やかな傾斜部となっていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電解コンデンサ。
- 前記コンデンサ素子を収納する有底筒状のケースの外径が16mm以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電解コンデンサ。
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2006
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