JP2008058929A - 光拡散性シート、その製造方法およびその用途 - Google Patents

光拡散性シート、その製造方法およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートを提供する。
【解決手段】透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、ヘイズHが30〜90%であり、前記透明性微粒子の屈折率Ndと前記透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が0.01〜0.035であり、前記透明性微粒子の体積平均粒径が6〜11μmである。
【選択図】図3

Description

本発明は、光拡散性シートに関するものである。また、本発明は、この光拡散性シートの好適な製造方法、さらにはその好適な用途にも関係している。
背面投射型プロジェクションテレビの表示部材として、フレネルレンズとレンチキュラーレンズとを備えた光拡散性スクリーンが使用されており、これら光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシートには、光拡散性シートが原板として用いられている。
光拡散性シートとしては、一般に、シート中に光拡散性効果のある透明性微粒子を含有させたものや、シート表面に微細な凹凸形状を付けたものが知られているが、背面投射型プロジェクションテレビの光拡散性スクリーンとしたとき、出射光の輝度むら、いわゆるシンチレーションが発生しやすいという問題があった。このような問題を解決するため、前者として、基材との屈折率差および平均粒径が特定範囲にある透明性微粒子をシート中に含有させたものや、そうした透明性微粒子を含有させた光拡散層をシート表面に設けたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、後者として、シート表面にロールの微細な凹凸形状を転写することや、シート基材と同一屈折率の透明性微粒子を含有させることにより、シート表面に微細な凹凸形状を付けたものが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかし、これらの光拡散性シートではシンチレーションを満足しうるレベルにまで低減するのは難しかった。
特開2000−221601号公報 特開2000−180968号公報
そこで、本発明の目的は、光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、透明性微粒子を含有させた光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、所定範囲のヘイズを示し、かつ、光拡散層における透明性微粒子と透明性基材の屈折率差、及び透明性微粒子の平均粒径が特定範囲にあるものが、上記目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、ヘイズHが30〜90%であり、前記透明性微粒子の屈折率Ndと前記透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が0.01〜0.035であり、前記透明性微粒子の体積平均粒径が6〜11μmであることを特徴とする光拡散性シートを提供するものである。
また、本発明によれば、透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却して、上記の光拡散性シートを製造する方法であって、押出された直後の積層シートは、第一冷却ロールと該第一冷却ロールに隣接する第二冷却ロールとの間を光拡散層側が第二冷却ロールに接する状態で通過させた後、同状態のまま第二冷却ロール上で冷却し、次いで、第二冷却ロールと該第二冷却ロールに隣接する第三冷却ロールとの間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロールに送るようにすることを特徴とする光拡散性シートの製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、レンチキュラーレンズシートと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズシートであって、上記の光拡散性シートを用いてなることを特徴とするフレネルレンズシートも提供される。
本発明によれば、光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができる光拡散性シートを容易に得ることができる。
本発明の光拡散性シートは、図1に示すように、光拡散層1が主層2の上に積層されてなるシートである。そして、光拡散層1は、透明性基材および透明性微粒子を含有する層である。
光拡散層1を構成する透明性基材としては、光学用途に一般に用いられる透明性の高い熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。具体的には、メタクリル酸メチル重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン−ブタジエン共重合体のようなアクリル系樹脂や、ポリカーボネート樹脂、透明ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、ゴム強化されたものであってもよいし、また、目的に応じて、酸化防止剤、可塑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等の各種添加剤が1種または2種以上添加されたものであってもよい。
光拡散層1に含有される透明性微粒子としては、例えば、メタクリル酸メチル重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、スチレン重合体などの熱可塑性樹脂からなる架橋粒子のほか、タルク、ガラスビーズ、シリコーン粒子等が用いられる。
一方、主層2を構成する材料は、特に制限されるものではなく、例えば、光拡散層1を構成する透明性基材として前述した樹脂と同様のものを用いることができる。また、主層2は、図1(a)に示すように、透明性微粒子を全く含有していなくてもよいし、図1(b)に示すように、透明性微粒子を含有していてもよい。ただし、主層2が透明性微粒子を含有する場合には、その含有量は、光拡散層1における透明性微粒子濃度の20%以下の濃度となるようにすることが好ましい。主層2に含有させる透明性微粒子としては、特に制限はなく、例えば、光拡散層1における透明性基材として前述したものと同様のものを用いることができる。
本発明の光拡散性シートは、ヘイズHが30〜90%であり、この範囲内で、適用するプロジェクションテレビの光源の強さや画面のサイズ、組み合わせるレンチキュラーレンズの映像光の透過度合い等に応じて、適宜最適な値に設定すればよい。ここで、ヘイズHは、JIS−K7136に準拠して測定される。ヘイズHがあまり小さいと、所望の透過拡散性能が得られず、映像が見にくくなりる上にシンチレーション低減効果が得られない。ヘイズHがあまり大きいと、シンチレーションは低減するものの画像が暗くコントラストも悪くなる。
また、本発明の光拡散性シートは、光拡散層1を構成する透明性微粒子の屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が0.01〜0.035であることが重要である。より好ましくは0.015〜0.03であるのがよい。これに加えてヘイズHが前記範囲であり、透明性微粒子の体積平均粒径が後記のとおり6〜11μmであることにより、シンチレーションを効果的に抑制できる。透明性微粒子と透明性基材との屈折率差|Nd−Nb|があまり小さいと、所望の透過拡散性能(ヘイズH)を得るのに大量の透明性微粒子が必要となるので経済的に不利となり、光拡散層表面の状態を制御することが容易でなくなるおそれがある。一方、透明性微粒子と透明性基材との屈折率差|Nd−Nb|があまり大きいと、少量の透明性微粒子で所望の透過拡散性能(ヘイズH)となり、光が微細に拡散されずシンチレーションが増えることとなる。
さらに、本発明の光拡散性シートは、光拡散層1に含有される透明性微粒子の大きさが、体積平均粒径で6〜11μmである。透明性微粒子は体積平均粒径が小さいほど粒子一個あたりの光を拡散させる能力が増すので、所望のヘイズHとするのに必要な添加量が減少する。透明性微粒子の添加量が減少すれば、光が透過する面あたりの透明性微粒子の投影面積も比例して減少するので、拡散されずに直進する光、いわゆる素抜けた光が増える。そして、素抜けた光が増えると輝度ムラが観察されやすくなり、ヘイズHの割にシンチレーションが十分に低減されないこととなる。一方で、シンチレーションを低減するには光を微細に拡散する必要があり、透明性微粒子の体積平均粒径が極端に大きいと、光が微細に拡散されずシンチレーションが増加する。また、体積平均粒径が大きいほど光拡散層表面に透明性微粒子が突出しやすくなり、後述する光拡散層表面の状態を制御することが容易でなくなる。光拡散性スクリーンに適したヘイズHを有しつつ、シンチレーションを低減するには透明性微粒子の体積平均粒径が6〜11μmの範囲であることが重要である。
光拡散層1における透明性微粒子の含有量(濃度)は、通常1〜40質量%であり、好ましくは3〜30質量%である。光拡散層1における透明性微粒子濃度があまり低いと、ヘイズが30%以上にならないおそれがあり、一方、あまり高いと、ヘイズが90%以下とならないおそれがある。なお、本発明における透明性微粒子の濃度は、透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合(質量比)を百分率で示したものである。
光拡散層1の層厚は、10〜150μmであるのがよい。光拡散性シート全体の厚みが同じであれば、光拡散層1の層厚が薄いほど、フレネルレンズシートとしてレンチキュラーレンズシートと組み合わせて光拡散性スクリーンとしたときに、拡散層同士の距離が適度に離れるためシンチレーションが少ない優れたスクリーンとなるが、あまり薄いと、ヘイズHを30%以上とするためには透明性微粒子の含有量が過大となるおそれがある。また、光拡散層表面に透明性微粒子が突出しやすくなるので、後述する光拡散層表面の状態を制御することが容易でなくなるおそれがある。
また、主層2の層厚は、0.5〜5mmであるのがよい。主層2の層厚があまり薄いと、光拡散性シートの強度が不足するおそれがあり、一方、あまり厚いと、これをフレネルレンズシートとしてレンチキュラーレンズシートと組合わせて光拡散性スクリーンとしたときに、フレネルレンズシートの光拡散層とレンチキュラーレンズシートの光拡散層との距離が遠くなり過ぎ、解像度が低下するおそれがある。
光拡散層1は、その表面において、凹凸の平均間隔Smに対する十点平均粗さRzの比率Rz/Smが、前記ヘイズHとの関係で、式:Rz(μm)/Sm(μm)<H(%)×6×10-4を満たすのが望ましく、式:Rz(μm)/Sm(μm)<H(%)×5×10-4を満たすのがより望ましい。ここで、十点平均粗さRzは実表面の垂直方向の粗さパラメータであるのに対し、凹凸の平均間隔Smは実表面の水平方向の粗さパラメータであり、いずれもJIS−B0601:1994に準拠して測定される。そして、Smに対するRzの比率Rz/Smは、表面の凹凸形状、平均的な山の角度を表すのに有効である。透明性微粒子の屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が前記範囲であり、透明性微粒子の体積平均粒径が前記範囲においては、光拡散層の表面の凹凸と空気との界面での拡散はシンチレーション低減の観点からはなるべく少ない方が(できれば全くない方が)好ましいのであるが、所望する拡散特性によっては多くの透明性微粒子が必要となり、ヘイズHが高いほどRz/Smがやむを得ず大きくなる。Rz/Smがあまり大きいと、表面の凹凸と空気との界面での光の拡散が強く作用することになり、シンチレーションが増しやすくなる。Rz/Smが前記範囲であり、透明性微粒子の屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が前記範囲であり、透明性微粒子の体積平均粒径が前記範囲であれば、光拡散層内部の透明性微粒子と透明性基材との界面での拡散が充分に作用することとなる。
また、光拡散層1は、その表面において、60度鏡面光沢度Gsが、前記ヘイズHとの関係で、式:Gs(%)>100−H(%)を満たすのが望ましい。ここで、60度鏡面光沢度Gsは、JIS−K7105に準拠して測定される。光拡散層の表面の凹凸と空気との界面での拡散が強いほど、Gsが小さくなる傾向がある。Gsが前記範囲より小さいと表面の凹凸と空気との界面での光の拡散が強く作用することになり、シンチレーションが増しやすくなる。Gsが前記範囲であり、透明性微粒子の屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が前記範囲であり、透明性微粒子の体積平均粒径が前記範囲であれば、光拡散層内部の透明性微粒子と透明性基材との界面での拡散が充分に作用することとなる。
さらに、光拡散層1は、拡散層表面に水の層を介して透明フィルムを貼り付けた状態で測定したヘイズH’が、前記のもとのヘイズHとの関係で、式:H’(%)≧H(%)×0.8を満たすのが望ましく、式:H’(%)≧H(%)×0.9を満たすのがより望ましい。透明フィルムの材質は、特に制限されるものではなく、例えば、アクリル系樹脂や、ポリエチレンテレフタレートなどで無色透明なものを用いることができる。透明フィルムは実質的にヘイズがないもの、具体的にはヘイズが3%未満のものを用いる。また、透明フィルムの表面は凹凸がないもの、具体的には十点平均粗さが0.1μm未満のものを用いる。また、透明性フィルムは実質的に無色であるものを用いる。水の張力を利用して透明フィルムを拡散層表面に貼り付けた状態でヘイズを測定する方法は、光拡散層外部の光拡散の影響をできるだけなくし、光拡散層内部の光拡散を評価するのに簡便で有効である。当該方法で測定したヘイズH’がもとのヘイズHに近いほど、光拡散層外部の光拡散が少なく、光拡散層内部の透明性微粒子と透明性基材との界面での拡散が充分に作用し、シンチレーションを効果的に抑制できる。当該方法で測定したヘイズH’がもとのヘイズHに比べてあまり小さいと、表面の凹凸と空気との界面での光の拡散が強く作用することになり、シンチレーションが増しやすくなる。
以上のように、本発明の光拡散性シートは、ヘイズHが30〜90%であり、透明性微粒子と透明性基材の屈折率差|Nd−Nb|が0.01〜0.035であり、透明性微粒子の体積平均粒径が6〜11μmであり、これらの要件を満たすことにより、輝度性能を維持しつつシンチレーションが少ない優れたスクリーンを提供しうるシートとなる。
そして、かかる光拡散性シートは、透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却することにより、好適に製造することができる。
光拡散層形成材料としては、前述した透明性微粒子と透明性基材とを、前述した屈折率差|Nd−Nb|等を満足するよう組み合わせて適宜選択し、混合、分散させたものを用いればよい。一方、主層形成材料としては、例えば、前述した透明性基材と同様の材料を用いることができるが、これに制限されるものではない。
共押出成形を行う際の方法については、特に制限はなく、通常の共押出成形方法に準じて行えばよい。例えば、2〜3基の一軸または二軸の押出機を用いて、光拡散層形成材料と主層形成材料をそれぞれ溶融混練した後、フィードブロックダイやマルチマニホールドダイを介して共押出し、光拡散層と主層とを積層シートとして一体化することにより行うことができる。
前記共押出成形により押出された積層シートは、複数の冷却ロールを有するロールユニットにて冷却固化する。ここで用いるロールユニットは、図2に示すように、ダイ7から押出された直後の積層シート3を、まず、第一冷却ロール4と該第一冷却ロール4に隣接する第二冷却ロール5との間に挟み込み、第二冷却ロール5に密着させて巻きつけながら第二冷却ロール5上で冷却し、次いで、第二冷却ロール5と該第二冷却ロール5に近接して配設された第三冷却ロール6に巻きつけて第三冷却ロール6上で冷却するものである。該ロールユニットは、必要に応じて、第三冷却ロール6に次いで、同様に順次隣接するよう配設された第四以降の冷却ロール(不図示)を備えていてもよい。
前記ロールユニットで積層シート3を冷却するにあたり、押出された直後の積層シート3を第一冷却ロール4と第二冷却ロール5との間に挟み込み第二冷却ロール5上で冷却する際に、図2に示すように、光拡散層3a側が第二冷却ロール5に接する状態として第一および第二冷却ロール間を通過させ、同状態のまま第二冷却ロール5上で冷却することが有効である。つまり、透明性微粒子を含む光拡散層3aは、第一冷却ロール4と第ニ冷却ロール5との間では第二冷却ロール5と接する側にあり、第二冷却ロール5上で冷却される際には内側にて冷却されることになる。さらに、その後、第二冷却ロール5と該第二冷却ロール5に隣接する第三冷却ロール6との間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロール6に送るようにすることが重要である。このように、第二冷却ロール5の内側にて光拡散層1を冷却して透明性微粒子の表面への突出がなるべく少なくなるようにし、かつ、第ニ冷却ロール5と第三冷却ロール6との間で積層シート3に線圧がかかるよう圧着して突出した粒子を押し戻すことによって、光拡散層1の表面の凹凸を押さえ込み、前記式:Rz(μm)/Sm(μm)<H(%)×6×10-4を満たす表面状態とすることができる。
こうして得られる本発明の光拡散性シートは、光拡散性が求められる各種用途に使用することができるが、光拡散性スクリーンとしたときに充分満足しうるレベルにまでシンチレーションを低減することができるため、光拡散性スクリーンを構成するレンズシートの原板として好適に用いることができ、特に、レンチキュラーレンズシートと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズシートの原板として好適に用いることができる。本発明の光拡散性シートをフレネルレンズシートとするには、通常、該光拡散性シートの主層面側にフレネルレンズ形状を設ければよく、該形状は、例えば、プレス成形により賦型することにより転写してもよいし、紫外線硬化型樹脂を硬化させることにより形成してもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例における各物性の測定方法およびシンチレーションの評価方法については、下記の通りである。
〔層の厚み〕
得られた積層シート(光拡散性シート)の端面を光学顕微鏡で観察することにより、シート全体の厚み〔全厚(mm)〕および光拡散層の厚み〔表層厚(μm)〕を測定した。
〔ヘイズH〕
得られた積層シート(光拡散性シート)を4cm×6cmに切り出し、JIS−K7136準拠し、ヘイズメーター(村上色彩科学研究所株式会社製「HM−150」)を用いて、光拡散層(表層)側が入光側となるよう試料をセットしてヘイズH(%)を測定した。
〔ヘイズH’〕
上記ヘイズHを測定した同じ試料を使用し、拡散層表面を水で濡らした上で透明なアクリルフィルムを空気が入らないようにして貼り付けた。アクリルフィルムを貼り付けた光拡散層(表層)側が入光側となるよう試料をセットして、ヘイズH測定と同様にヘイズH’(%)を測定した。
〔十点平均粗さRz、凹凸の平均間隔Sm〕
得られた積層シート(光拡散性シート)を4cm×6cmに切り出し、その光拡散層(表層)側について、表面粗さ測定機(株式会社ミツトヨ製「SJ−201P」)を用いて、十点平均粗さRz(μm)および凹凸の平均間隔Sm(μm)を測定した。測定に際しては、JIS−B0601:1994に基づき、カットオフ値は0.8mm、評価長さは4mmとし、その他の測定条件はデフォルト値として行った。
〔60度鏡面光沢度Gs〕
得られた積層シート(光拡散性シート)を10cm×10cmに切り出し、その光拡散層(表層)側について、光沢計(BYK Gardner製「micro−TRI−gloss」)を用いて、60度鏡面光沢度Gs(%)を測定した。測定に際しては、JIS−K7105に基づき行った。
〔シンチレーション評価〕
得られた積層シート(光拡散性シート)を10cm×10cmに切り出し、ピッチ0.25mmのブラックストライプを有するレンチキュラーレンズシートと、図3のように貼り合わせてスクリーンセットとした。市販されているDLP光源を有する62インチサイズのリアプロジェクションテレビのスクリーンを透明アクリル板に置き換えたものを用意し、白画面を出力したうえで、画面中央部にスクリーンセットを光拡散性シートの光拡散層1側が光源側となるよう貼り付けた。そして、画面とレンズ間の距離が0.43mとなる位置にφ25mm径のレンズを備えたCCDカメラを設置し、アイ・システム社製画像処理ソフトEye scale−3Wを使用して、画面上で59×43mmの範囲の輝度を画素単位で取り込んだ。画素単位の輝度を統計処理することにより、輝度値の平均値および標準偏差を求め、標準偏差/平均値をシンチレーション値とした。同じ拡散剤を使って拡散剤の濃度を変えた以外は同じ条件で共押出成形して得られた積層シート(光拡散性シート)を一つの系列と見なして、それらのシンチレーション測定を行い、輝度値を横軸に、シンチレーション値を縦軸にプロットしたグラフを作成した。同一輝度値での比較で、シンチレーション値が低い系列ほど(プロットを繋ぐラインが右下にある系列ほど)、シンチレーションが少なく優れた光拡散性シートであると評価した。
以下の実施例および比較例において用いた透明性基材および透明性微粒子は、下記の通りである。
・透明性基材:低吸湿アクリル樹脂(住友化学株式会社製「スミペックス HS」;Nb=1.533)。
・透明性微粒子:メタクリル酸メチル−スチレン共重合体からなる架橋粒子(積水化成品工業株式会社製)。各々のグレードと屈折率Nd、体積平均粒径を表1に示す。
Figure 2008058929
実施例1、2、比較例1〜4
第1押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径40mm、一軸、ベント付き)に、透明性基材を投入した。他方、第2押出機(田辺プラスチック株式会社製;スクリュー径20mm、一軸、ベント付き)には、透明性基材に表2に示す透明性微粒子を混合し、表2に示す微粒子濃度(透明性基材および透明性微粒子の合計量に対する透明性微粒子の割合)になるよう希釈したものを投入した。次いで、第1押出機および第2押出機から共押出成形した後、図2に示す3本の冷却ロール(ポリシングロール、縦型)にて冷却し、シート全体の厚み(全厚)が1.8mmの積層シート(光拡散性シート)を得た。このとき、マルチマニホールドダイ(田辺プラスチック株式会社製;2種3層分配)の上側を閉じ下側を開いて共押出しすることで、積層シートのうち第2押出機から押出された層の面が第二冷却ロールに接するようにし、かつ、第二冷却ロールと第三冷却ロールとの間は積層シートに線圧がかかるよう圧着した状態で通過させた。得られた光拡散性シートの物性の測定結果を表2に示した。
Figure 2008058929
また、図4に、平均粒径がほぼ同じで、屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が異なる透明性微粒子(1)、(2)、(3)、(4)を使用した実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のシンチレーション評価結果を比較するためのグラフを示した。実施例1、実施例2のシンチレーションが少なく優れることが分かる。
また、図5に、屈折率Ndと透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が同じで、体積平均粒径が異なる透明性微粒子(1)、(5)、(6)を使用した実施例1、比較例3、比較例4のシンチレーション評価結果を比較するためのグラフを示した。実施例1のシンチレーションが少なく優れることが分かる。
本発明の光拡散性シートの実施形態を示す断面図である。 本発明の光拡散性シートの製造方法に用いられるロールユニットを示す模式図である。 本発明の光拡散性シートをフレネルレンズシートとして用いた場合のスクリーンセットを示す断面図である。 実施例1、実施例2、比較例1、比較例2のシンチレーション評価結果を比較するためのグラフである。 実施例1、比較例3、比較例4のシンチレーション評価結果を比較するためのグラフである。
符号の説明
1……光拡散層、
2……主層、
3……積層シート、
3a……光拡散層、
3b……主層、
4……第一冷却ロール、
5……第二冷却ロール、
6……第三冷却ロール、
7……ダイ、
10……光拡散性シート(フレネルレンズなし)、
11……レンチキュラーレンズシート。

Claims (7)

  1. 透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層が主層の上に積層されてなる光拡散性シートであって、
    ヘイズHが30〜90%であり、
    前記透明性微粒子の屈折率Ndと前記透明性基材の屈折率Nbとの差|Nd−Nb|が0.01〜0.035であり、
    前記透明性微粒子の体積平均粒径が6〜11μmであることを特徴とする光拡散性シート。
  2. 前記光拡散層表面における凹凸の平均間隔Smに対する十点平均粗さRzの比率Rz/Smが、式:Rz(μm)/Sm(μm)<H(%)×6×10-4を満たす請求項1に記載の光拡散性シート。
  3. 前記光拡散層表面における60度鏡面光沢度Gsが、式:Gs(%)>100−H(%)を満たす請求項1または2に記載の光拡散性シート。
  4. 前記光拡散層表面に水の層を介して透明フィルムを貼り付けた状態で測定したヘイズH’が、式:H’(%)≧H(%)×0.8を満たす請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散性シート。
  5. 前記光拡散層の厚みが150μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の光拡散性シート。
  6. 透明性基材および透明性微粒子を含有する光拡散層形成材料と主層形成材料とをダイから共押出しした後、押出された積層シートを複数の冷却ロールにて冷却して、請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性シートを製造する方法であって、
    押出された直後の積層シートは、第一冷却ロールと該第一冷却ロールに隣接する第二冷却ロールとの間を光拡散層側が第二冷却ロールに接する状態で通過させた後、同状態のまま第二冷却ロール上で冷却し、次いで、第二冷却ロールと該第二冷却ロールに隣接する第三冷却ロールとの間を線圧がかかった状態で通過させて第三冷却ロールに送るようにすることを特徴とする光拡散性シートの製造方法。
  7. レンチキュラーレンズシートと組み合わされてプロジェクションテレビ用光拡散性スクリーンを構成するフレネルレンズシートであって、請求項1〜5のいずれかに記載の光拡散性シートを用いてなることを特徴とするフレネルレンズシート。
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