JP2008058859A - 視認性向上装置、表示装置、電子機器、視認性向上画面生成方法、視認性向上画面表示方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

視認性向上装置、表示装置、電子機器、視認性向上画面生成方法、視認性向上画面表示方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来手法の場合、視認性の向上と消費電力の増大とが不可分の関係にある。
【解決手段】視認性向上装置として、(a)事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する再配分画素検出部と、(b)再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する階調値再配分部とを有するものを提案する。この視認性向上装置は、原画像の階調値を画素間で再配分する。このため、画面内のコントラスト差が拡大しても消費電力はほとんど変化しない。
【選択図】図1

Description

この明細書で説明する発明は、表示画面の視認性向上技術に関する。
なお、発明者らが提案する発明は、視認性向上装置、表示装置、電子機器、視認性向上画面生成方法、視認性向上画面表示方法及びコンピュータプログラムとしての側面を有する。
今日、フラットパネルディスプレイは、様々な電子機器に搭載されている。これに伴い、フラットパネルディスプレイの使用環境も多様化してきている。例えば非常に明るい環境下でフラットパネルディスプレイの画面を見る機会も増えている。
ところで、環境輝度が明るいと、画面の視認性が極端に低下する。このような場合に視認性を高めるには、画面輝度を上げる必要がある。
特開2004−109170号公報 この特許文献には、外光の明るさに応じてピーク輝度を可変制御する手法が開示されている。すなわち、明るい環境下ではピーク輝度を上げ、暗い環境下ではピーク輝度を下げる手法が開示されている。
しかし、画面輝度を上げると、一般に消費電力が高くなる。特に自発光型のフラットパネルディスプレイの場合、画面輝度の上昇は消費電力の増加に直結する問題がある。
そこで発明者らは、事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する再配分画素検出部と、再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する階調値再配分部とを有する視認性向上装置を提案する。
発明者らの提案する技術手法の採用により、画面内のコントラスト差を拡大することができる。ただし、コントラスト差の拡大は階調値の再配分により実現されるので、消費電力はほとんど変化しない。このため、消費電力の増加を伴わずに、画面の視認性を高めることができる。
以下、発明に係る視認性向上技術を説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(A)形態例
(A−1)視認性向上装置の機能構成
図1に、視認性向上装置1の機能構成例を示す。
視認性向上装置1は、フレームメモリ3、視認性向上部5及びフレームメモリ7で構成される。
フレームメモリ3は、実時間で入力される映像信号を一時的に保存する記憶領域である。このフレームメモリ3には、垂直同期タイミング毎に入力される1フレーム分の映像信号が記憶される。
一方、フレームメモリ7は、視認性向上部5で処理された映像信号を保存する記憶領域である。フレームメモリ3とは別にフレームメモリ7を設けることで、視認性向上部5の処理負荷を小さくできる。すなわち、視認性向上部5に処理速度の低いデバイスを用いることができる。
視認性向上部5は、フレームメモリ3に保存された映像信号のうち特定条件を満たす画素部分の階調値の一部を周辺画素に再配分する処理を実行する処理デバイスである。階調値の一部を他の画素に再配分することで、画面全体での階調値の総和を変更することなく、より高輝度の画素を増やすことができる。
図2に、視認性向上部5の内部構成例を示す。視認性向上部5は、再配分画素検出部51と階調値再配分部53で構成する。
再配分画素検出部51は、特定条件を満たす画素を検出する処理デバイスである。この形態例の場合、再配分画素検出部51は、水平方向についての検出処理と垂直方向についての検出処理を順番に実行する。
なお、再配分画素検出部51は、水平方向についての検出処理をフレームメモリ3の映像信号に対して実行する。すなわち、水平方向についての検出処理の際、再配分画素検出部51は、オリジナルの映像信号を検出対象とする。
一方、再配分画素検出部51は、垂直方向についての検出処理をフレームメモリ7の映像信号に対して実行する。すなわち、垂直方向についての検出処理の際、再配分画素検出部51は、水平方向についての再配分処理が実行された後の映像信号を検出対象とする。
この形態例の場合、水平方向についての検出処理は、1ライン単位(行単位)で読み出される映像信号について実行する。具体的には、隣接画素が特定条件を満たすか否かを検出することにより実行する。なお、特定条件は、隣接する2つの画素が共に閾値以上の階調値を有することである。
閾値以上の階調値を有することを条件とするのは、再配分の目的が高輝度画素を増やして視認性を高めるためだからであり、他の画素から階調値の一部が分配される側の画素の階調値が小さいと(暗いと)、階調値の分配処理を実行しても高輝度を実現できないためである。
この形態例の場合、検出用の閾値は、最大階調値の10%程度に設定する。映像信号が8ビットで与えられる場合(最大階調値が“255”の場合)、閾値は“25”に設定する。
また、この形態例の場合、垂直方向についての検出処理は、1ライン単位(列単位)で読み出される映像信号について実行する。具体的には、1画素挟んで隣接する2つの画素が特定条件を満たすか否かを検出することにより実行する。なお、特定条件は、1画素挟んで隣接する2つの画素が共に閾値以上の階調値を有することである。
この形態例の場合、垂直方向についての閾値は、水平方向についての検出処理と同じ値を使用する。すなわち、最大階調値の10%程度に設定する。
なお、特定条件は、水平方向についての検出処理と垂直方向についての検出処理とで別の条件を使用することもできる。
階調値再配分部53は、水平方向について検出された特定条件を満たす2つの画素のうち先頭側(左側)の画素の階調値の一部を後方側(右側)の画素の階調値に再配分する処理を実行する。この形態例の場合、左側の画素の階調値の半分を右側の画素に移動する。すなわち、左側の画素の階調値の半分を右側の画素の階調値に加算する。
なお、再配分の目的は、高輝度画素を増やして視認性を高めるためであるので、再配分後の階調値がある程度以上大きくなれば目的を達成する。また、再配分後の階調値が最大階調値を超えても、表示デバイス9はその階調情報を再現することができない。
そこで、階調値再配分部53は、再配分後の階調値と閾値とを比較し、閾値を超える場合には、超える分の階調値を元の画素に戻す処理を実行する。この形態例の場合、戻し用の閾値は、最大階調値の90%程度に設定する。映像信号が8ビットで与えられる場合(最大階調値が“255”の場合)、閾値は“230”に設定する。
また、階調値再配分部53は、垂直方向について検出された特定条件を満たす2つの画素のうち最上方に位置する画素の階調値の一部を下方に連続する2つの画素の階調値に再配分する処理を実行する。この形態例の場合、最上方に位置する画素の階調値の3分の1を後続する2つの画素にそれぞれ移動する。すなわち、最上方に位置する画素の階調値の3分の1を下方に連続する2つの画素にそれぞれ加算する。
この垂直方向についての再配分処理の場合も、階調値再配分部53は、再配分後の階調値と閾値とを比較し、閾値を超える場合には、超える分の階調値を元に戻す処理を実行する。
この形態例の場合、垂直方向についての戻し用の閾値は、水平方向についての戻し用の閾値と同じものを使用する。
もっとも、戻し用の閾値は、水平方向についての再配分処理と垂直方向についての再配分処理とで別の条件を使用することもできる。
(A−2)再配分処理
続いて、再配分処理の実行例を説明する。
(a)水平方向に対する再配分処理
図3に、水平方向に対する階調値の再配分処理手順例を示す。図3では、各水平ラインの左端からn番目に位置する画素をKn で示す。
なお、パラメータnは、0から水平ドット数−1の範囲で可変される。また、検出用閾値(下限設定階調値)をAとし、再配分用閾値(上限設定階調値)をBで表す。
水平方向に対する階調値の再配分処理を開始した視認性向上部5は、第n番目の画素の階調値Kn が下限設定階調値Aより大きいか否かを判定する(S1)。
判定処理S1で否定結果が得られた場合、視認性向上部5は、再配分対象画素でないと判定し、第n番目の画素と第n+1番目の画素をそれぞれ元の階調値に設定する(S2)。
この後、視認性向上部5は、設定された各画素の階調値をフレームメモリ7に保存する(S3)。
次に、視認性向上部5は、パラメータnが水平ドット数−1以下か否かを判定する(S4)。
判定処理S4で否定結果が得られた場合、視認性向上部5は、現在のパラメータnに2を加算して再び判定処理S1に戻る(S5)。一方、判定処理S4で肯定結果が得られた場合、視認性向上部5は、水平方向に対する再配分処理を終了する。
一方、判定処理S1で肯定結果が得られた場合、視認性向上部5は、再配分対象画素であると判定する。
この際、視認性向上部5は、第n番目の画素の階調値Kn に第n+1番目の画素の階調値Kn+1 の半分を加算すると共に、その加算結果が上限設定階調値Bを越えないか否かを判定する(S6)。
加算結果が上限設定階調値Bを越えていない場合(肯定結果の場合)、視認性向上部5は、第n番目の画素の階調値Kn を、元の階調値Kn に第n+1番目の画素の階調値Kn+1の半分を加算した値に設定する(S7)。また、視認性向上部5は、第n+1番目の画素の階調値Kn+1
を、元の階調値Kn+1 の半分に設定する(S7)。
この後は、前述の場合と同様、フレームメモリ7に設定された階調値を保存すると共に、現在の画素位置が水平ドット数−1以下か否かを判定する(S3、S4)。
ところで、判定処理S6で否定結果が得られた場合(すなわち、加算結果が上限設定階調値Bを越えた場合)、視認性向上部5は、第n番目の画素の再配分後の階調値Kn を上限設定階調値Bに設定する(S8)。
また、視認性向上部5は、第n+1番目の画素の階調値Kn+1 を、元の階調値Kn+1 の半分に第n番目の画素の階調値を設定する際に上限設定階調値Bを越えた分の階調値を加算した値に設定する(S8)。
この後は、前述の場合と同様、フレームメモリ7に設定された階調値を保存すると共に、現在の画素位置が水平ドット数−1以下か否かを判定する(S3、S4)。
(b)垂直方向に対する再配分処理
図4及び図5に、垂直方向に対する階調値の再配分処理手順例を示す。図4及び図5の場合、第j番目の水平ラインの左端からn番目に位置する画素をKn,j で示す。
なお、パラメータnは、0から水平ドット数−1の範囲で可変され、パラメータjは、垂直ライン数−3の範囲で可変される。また、検出用閾値(下限設定階調値)をAとし、再配分用閾値(上限設定階調値)をBで表す。なお、以下では、第j番目の水平ラインの左端からn番目に位置する画素を第(n,j)番目の画素と表記する。
垂直方向に対する階調値の再配分処理を開始した視認性向上部5は、第(n,j)番目の画素の階調値Kn,j と第(n,j+2)番目の画素の階調値Kn,j+2 が共に下限設定階調値Aより大きいか否かを判定する(S11)。
判定処理S11で否定結果が得られた場合、視認性向上部5は、再配分対象画素でないと判定し、第(n,j)番目、第(n,j+1)番目及び第(n,j+2)番目の画素をそれぞれ元の階調値に設定する(S12)。
この後、視認性向上部5は、設定された各画素の階調値をフレームメモリ7に保存する(S13)。
次に、視認性向上部5は、パラメータjが垂直ドット数−3か否かを判定する(S14)。
判定処理S14で否定結果が得られた場合、視認性向上部5は、現在のパラメータjに1を加算して再び判定処理S11に戻る(S15)。なお、判定処理S14で肯定結果が得られた場合、視認性向上部5は、パラメータjを0にリセットすると共に(S16)、現在のパラメータnが水平ドット数−1以下か否かを判定する(S17)。
判定処理S16で否定結果が得られた場合、視認性向上部5は、現在のパラメータnに1を加算して再び判定処理S11に戻る(S18)。一方、判定処理S17で肯定結果が得られた場合、視認性向上部5は、垂直方向に対する再配分処理を終了する。
ところで、判定処理S11で肯定結果が得られた場合、視認性向上部5は、再配分対象画素であると判定する。
この際、視認性向上部5は、第(n,j)番目の画素の階調値Kn,j に第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1 の3分の1を加算すると共に、その加算結果が上限設定階調値Bを越えないか否かを判定する(S19)。
加算結果が上限設定階調値Bを越えていない場合(肯定結果の場合)、視認性向上部5は、第(n,j)番目の画素の階調値Kn,j を、元の階調値Kn,j に第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1 の3分の1を加算した値に設定する(S20)。
一方、加算結果が上限設定階調値Bを越える場合(否定結果の場合)、視認性向上部5は、第(n,j)番目の画素の階調値Kn,j を上限設定階調値Bに設定する(S21)。
この後、視認性向上部5は、第(n,j+2)番目の画素の階調値Kn,j+2 に第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1 の3分の1を加算すると共に、その加算結果が上限設定階調値Bを越えないか否かを判定する(S22)。
加算結果が上限設定階調値Bを越えていない場合(肯定結果の場合)、視認性向上部5は、第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1 を、元の階調値の3分の1に設定すると共に、第(n,j+2)番目の画素の階調値Kn,j+2 を、元の階調値に第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1
の3分の1を加算した値に設定する(S23)。
この後は、前述の場合と同様、フレームメモリ7に設定された階調値を保存すると共に、現在の画素位置が処理範囲内か否かを判定する(S13〜S18)。
ところで、判定処理S22で否定結果が得られた場合(すなわち、加算結果が上限設定階調値Bを越えた場合)、視認性向上部5は、第(n,j+2)番目の画素の階調値Kn,j+2 を上限設定階調値Bに設定する(S24)。
また、視認性向上部5は、第(n,j+1)番目の画素の階調値Kn,j+1 を、元の階調値の3分の1に第(n,j+2)番目の画素の階調値を設定する際に上限設定階調値Bを越えた分の階調値を加算した値に設定する(S24)。
この後は、前述の場合と同様、フレームメモリ7に設定された階調値を保存すると共に、現在の画素位置が処理範囲内か否かを判定する(S13〜S18)。
これら全ての処理の終了後、フレームメモリ7から読み出された映像信号が表示デバイス9に表示される。
(A−3)再配分処理の効果
この形態例で説明した視認性向上装置1に映像信号を入力することにより、コントラスト差の小さい画像をコントラスト差の大きい画像に変換することができ、画像の視認性を向上させることができる。
以下、具体例を用いて再配分処理を説明する。
図6に、入力画像例を示す。図6は、説明の都合上、水平ドット数及び垂直ドット数がいずれも5画素の場合を示す。入力画像は、パターン部分の15画素が全て同じ中間階調値(グレー)であり、その他の10画素が黒画素の場合である。
図7に、水平方向の再配分処理が終了した時点でのパターン変化を示す。図7に示すように、再配分の結果、入力画像よりも高輝度に変化する画素と低輝度に変化する画素が4画素ずつ出現し、コントラスト差が拡大していることが分かる。
図8に、左から3列目の画素列について垂直方向の再配分処理が実行された時点のパターン変化を示す。上から4番目の画素の階調値が上から3番目と5番目の各画素に階調値が配分される様子を示す。
図9に、左から5列目の画素列について垂直方向の再配分処理が実行された時点のパターン変化を示す。上から2番目の画素の階調値が上から1番目と3番目の各画素に階調値が配分される様子を示す。
図10に、全ての再配分処理が終了した後の画像を示す。図10に示すように、階調値の再配分処理により6つの高輝度画素が出現する。また、この他にも入力時よりも高い輝度に変換された画素が現れる。このように、均一輝度パターンが高輝度画素と低輝度画素の混在したパターンに変換される。
結果として、表示デバイス9の周辺輝度が高い場合でも、高輝度画素が画面内に増えることで表示画面の視認性が向上されることになる。
なお、表示デバイス9は、自発光型の表示デバイスは勿論、非自発光型の表示デバイスにも応用することができる。
例えば有機ELディスプレイ装置、無機ELディスプレイ装置、FEDディスプレイ装置、PDPディスプレイ装置その他の自発光表示デバイスの他、液晶ディスプレイ装置、DLP(Digital Light Processing)装置その他の非自発光表示デバイスにも適用できる。なお、ディスプレイ装置には、プロジェクタ装置も含まれる。
いずれの場合も、使用環境の照度が高いほど効果的である。特に、自発光型の表示デバイスと組み合わせて使用する場合には、消費電力をほとんど変化させずに視認性を向上できるという効果を最大限享受できる。
なお、非自発光表示デバイスの場合も、バックライトその他の光源輝度を上げずに済む。従って、非自発光表示デバイスの場合にも、視認性の向上に際して消費される電力を抑制する効果を実現できる。
なお、形態例で説明した視認性の向上技術を適用すると原画像の情報が損なわれ、画質が低下することになるので視認性の向上機能は使用者が選択的に実行できることが望ましい。また、この視認性の向上技術は、メニュー画面やテキスト系の情報を表示する場合に特に効果的である。
(B)実装例
ここでは、前述した視認性向上装置の電子機器への実装例を説明する。
(a)自発光表示装置への実装
前述した視認性向上装置1は、図11に示すように、表示装置111内に実装することができる。図11に示す表示装置111は、表示デバイス113と視認性向上装置115を搭載する。
なお、視認性向上装置115は小規模回路にて実現できる。このため、視認性向上装置115は、表示デバイス113に実装されるIC(integrated circuit)等の一部に格納することもできる。
例えば図12に示すデバイス構造の表示デバイス113の場合、視認性向上装置115は、タイミングジェネレータ121の一部分に実装することができる。
このように、既存の処理回路の一部に実装すれば、レイアウト変更や実装空間の変更を必要としない。従って、製造コストの面でも有利である。
なお、図12に示す表示デバイス113は、タイミングジェネレータ121、データドライバ123、スキャンドライバ125及び表示パネル127で構成される。
タイミングジェネレータ121は、映像信号に含まれるタイミング信号に基づいて画面表示に必要な各種のタイミング信号を発生する処理デバイスである。例えば書き込みパルス等を発生する。
データドライバ123は、表示パネル57のデータ線を駆動する回路デバイスである。データドライバ123は、各画素の発光輝度を指定する階調値をアナログ電圧値に変換し、データ線に供給する動作を実行する。ここでの階調値が視認性向上装置115で処理された後の階調値である。
スキャンドライバ125は、階調値を書き込む水平ラインを線順次に選択する回路デバイスである。スキャンドライバ125は、タイミングジェネレータ121から与えられるタイミング信号に従って選択信号を生成し、表示パネル127に出力する。
表示パネル127は、マトリクス画素構造を有する周知の表示デバイスである。
(b)画像処理装置
前述した視認性向上装置は、図13に示すように、表示装置131に映像信号を供給する外部装置としての画像処理装置141に実装することもできる。
図13に示す画像処理装置141は、画像処理部143と視認性向上装置145で構成される。なお、画像処理部143の処理内容は、搭載されるアプリケーションに依存する。
(c)その他の実装例
視認性向上装置は、前述した装置以外にも各種の電子機器に搭載することができる。なお、ここでの電子機器は、可搬型であるか据え置き型かを問わない。また、表示デバイスは必ずしも電子機器に搭載しなくても良い。
(c1)放送波受信装置
消費電力削減装置は、放送波受信装置に搭載することができる。
図14に、放送波受信装置の機能構成例を示す。放送波受信装置151は、表示パネル153、システム制御部155、操作部157、記憶媒体159、電源161及びチューナー163を主要な構成デバイスとする。
なお、システム制御部155は、例えばマイクロプロセッサで構成される。システム制御部155は、システム全体の動作を制御する。操作部157は、機械式の操作子の他、グラフィックユーザーインターフェースも含む。
記憶媒体159は、表示パネル153に表示する画像や映像に対応するデータの他、ファームウェアやアプリケーションプログラムの格納領域として用いられる。電源161は、放送波受信装置151が可搬型の場合にはバッテリー電源を使用する。勿論、放送波受信装置151が据え置き型の場合には商用電源を使用する。
チューナー163は、到来する放送波の中からユーザーの選局した特定チャネルの放送波を選択的に受信する装置である。
この放送波受信装置の構成は、例えばテレビジョン番組受信機、ラジオ番組受信機、放送波受信機能を搭載する携帯型の電子機器に適用する場合に用いることができる。
(c2)通信装置
図15は、通信装置に適用する場合の機能構成例である。通信装置171は、表示パネル173、システム制御部175、操作部177、記憶媒体179、電源181及び通信部183を主要な構成デバイスとする。
なお、システム制御部175は、例えばマイクロプロセッサで構成される。システム制御部175は、システム全体の動作を制御する。操作部177は、機械式の操作子の他、グラフィックユーザーインターフェースも含む。
記憶媒体179は、表示パネル173に表示する画像や映像に対応するデータファイルの他、ファームウェアやアプリケーションプログラムの格納領域として用いられる。電源181は、通信装置171が可搬型の場合にはバッテリー電源を使用する。勿論、通信装置171が据え置き型の場合には商用電源を使用する。
通信部183は、他機との間でデータを送受信する無線装置である。この通信装置の構成は、例えば据え置き型の電話機、携帯電話機、通信機能を搭載する携帯型の電子機器に適用する場合に用いることができる。
(c3)撮像装置
図16は、撮像装置に適用する場合の機能構成例である。撮像装置191は、表示パネル193、システム制御部195、操作部197、記憶媒体199、電源201及び撮像部203を主要な構成デバイスとする。
なお、システム制御部195は、例えばマイクロプロセッサで構成される。システム制御部195は、システム全体の動作を制御する。操作部197は、機械式の操作子の他、グラフィックユーザーインターフェースも含む。
記憶媒体199は、表示パネル193に表示する画像や映像に対応するデータファイルの他、ファームウェアやアプリケーションプログラムの格納領域として用いられる。電源201は、撮像装置191が可搬型の場合にはバッテリー電源を使用する。勿論、撮像装置191が据え置き型の場合には商用電源を使用する。
撮像部203は、例えばCMOSセンサーとその出力信号を処理する信号処理部で構成する。この撮像装置の構成は、例えばデジタルカメラ、ビデオカメラ、撮像機能を搭載する携帯型の電子機器等に適用する場合に用いることができる。
(c4)情報処理装置
図17は、携帯型の情報処理装置に適用する場合の機能構成例である。情報処理装置211は、表示パネル213、システム制御部215、操作部217、記憶媒体219及び電源221を主要な構成デバイスとする。
なお、システム制御部215は、例えばマイクロプロセッサで構成される。システム制御部215は、システム全体の動作を制御する。操作部217は、機械式の操作子の他、グラフィックユーザーインターフェースも含む。
記憶媒体219は、表示パネル213に表示する画像や映像に対応するデータファイルの他、ファームウェアやアプリケーションプログラムの格納領域として用いられる。電源221は、情報処理装置211が可搬型の場合にはバッテリー電源を使用する。勿論、情報処理装置211が据え置き型の場合には商用電源を使用する。
この情報処理装置の構成は、例えばゲーム機、電子ブック、電子辞書、コンピュータ、測定装置等に適用する場合に用いることができる。なお、測定装置に使用する場合には、センサー(検出デバイス)の検出信号がシステム制御部215に入力される。
(C)その他
(a)前述した形態例では、フレームメモリ3及び7をそれぞれ別々に用意する場合について説明した。しかし、視認性向上部5やデバイス間の通信に利用できる処理能力が十分高い場合には、これら2つのフレームメモリを1つのフレームメモリその他の記憶媒体で代用することもできる。
(b)前述した形態例では、下限設定階調値A及び上限設定階調値Bをそれぞれ最大階調値の10%及び90%に設定する場合について説明した。しかし、各判定用の閾値は、それぞれ他の値を用いることができる。
(c)前述した形態例では、水平方向及び垂直方向の両方向について再配分に適した画素(特定条件を満たす画素)を検出し、検出された画素間で階調値の一部を再配分する場合について説明した。しかし、実際の再配分処理では、水平方向についてのみ又は垂直方向についてのみ検出処理と再配分処理を実行しても良い。
(d)前述した形態例では、水平方向と垂直方向とで再配分に適した画素(特定条件を満たす画素)の検出条件が異なる場合について説明した。すなわち、水平方向については連続する2画素について、垂直方向については1画素を挟んで連続する2画素が下限設定階調値Aを越えることを検出条件とする場合について説明した。しかし、水平方向と垂直方向とで検出条件を全く同じとしても良い。
(e)前述した形態例では、水平方向と垂直方向とで再配分処理が異なる場合について説明した。すなわち、水平方向については連続する2画素間で階調値を再配分する場合について説明し、垂直方向については連続する3画素間で階調値を再配分する場合について説明した。しかし、水平方向と垂直方向とで同じ再配分処理を実行しても良い。
(f)前述した形態例では、水平方向の再配分処理では2画素、垂直方向の再配分処理では3画素間で階調値を再配分する場合について説明した。
しかし、いずれの方向にも4画素以上の範囲で階調値を再配分しても良い。
(g)前述した形態例では、階調値を2画素間で分配する場合には分配元の階調値の半分、階調値を3画素間で分配する場合には分配元の階調値の3分の1ずつを分配先に与える場合について説明した。
しかし、分配する割合はその他の値でも良く、画素毎に異なる大きさの階調値を再分配しても良い。
(h)前述した形態例では、水平方向及び垂直方向のそれぞれについて再配分に適した画素(特定条件を満たす画素)を検出し、検出方向の画素間でのみ階調値を再配分する場合について説明した。すなわち、1次元の範囲で検出処理と再配分処理を実行する場合について説明した。
しかし、再配分に適した画素(特定条件を満たす画素)の検出処理を2次元的に実行し、ある画素の階調値の一部を2次元の範囲で再配分しても良い。例えば水平方向と垂直方向で3画素×3画素の範囲で特定の条件を満たす場合に、その中央に位置する画素が再配分に適した画素であると判定し、事前に定めた再配分規則に従って各画素の階調値を再配分しても良い。
(i)前述した形態例では、再配分処理に際して上限設定階調値Bを越える分の階調値を元の画素に戻す場合について説明した。
しかし、上限設定階調値Bを用いなくても良い。
(j)前述した形態例では、水平方向についての検出動作の際、パラメータnを2画素ずつ更新する場合について説明した。しかし、パラメータnを1画素又はその他の値ずつ更新しても良い。
同様に、前述した形態例では、垂直方向についての検出動作の際、パラメータjを1画素ずつ更新する場合について説明した。しかし、パラメータjを2画素又はその他の値ずつ更新しても良い。
(k)前述の形態例で説明した視認性向上装置は、処理機能の全てをハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、ハードウェアとソフトウェアの機能分担により実現することもできる。
(l)前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
視認性向上装置の機能構成例を示す図である。 視認性向上部の内部構成例を示す図である。 水平方向に対する階調値の再配分処理手順を示す図である。 垂直方向に対する階調値の再配分処理手順を示す図である(その1)。 垂直方向に対する階調値の再配分処理手順を示す図である(その2)。 入力画像例を示す図である。 階調値の水平方向に対する再配分結果を示す図である。 階調値の垂直方向に対する再配分処理の途中経過を示す図である。 階調値の垂直方向に対する再配分処理の途中経過を示す図である。 階調値の再配分処理結果を示す図である。 視認性向上装置の表示装置への実装例を示す図である。 表示デバイスのデバイス構造例を説明する図である。 視認性向上装置の画像処理装置への実装例を説明する図である。 視認性向上装置の電子機器への搭載例を説明する図である。 視認性向上装置の電子機器への搭載例を説明する図である。 視認性向上装置の電子機器への搭載例を説明する図である。 視認性向上装置の電子機器への搭載例を説明する図である。
符号の説明
1 視認性向上装置
3 フレームメモリ
5 視認性向上部
7 フレームメモリ
9 表示デバイス
51 再配分画素検出部
53 階調値再配分部

Claims (13)

  1. 事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する再配分画素検出部と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する階調値再配分部と
    を有することを特徴とする視認性向上装置。
  2. 請求項1に記載の視認性向上装置において、
    前記再配分画素検出部は、各画素に対応する階調値を閾値と比較し、前記閾値より階調値が大きい画素を再配分の対象画素として検出する
    ことを特徴とする視認性向上装置。
  3. 請求項1に記載の視認性向上装置において、
    前記階調値再配分部は、再配分対象に検出された画素の階調値の一部を表示画面上の水平方向に隣接する画素に再配分する
    ことを特徴とする視認性向上装置。
  4. 請求項1に記載の視認性向上装置において、
    前記階調値再配分部は、再配分対象に検出された画素の階調値の一部を表示画面上の垂直方向に隣接する画素に再配分する
    ことを特徴とする視認性向上装置。
  5. 請求項1に記載の視認性向上装置において、
    前記階調値再配分部が再配分する階調値は、高輝度画素の階調値のうち一定比率の階調値を周辺画素に再配分する
    ことを特徴とする視認性向上装置。
  6. 請求項5に記載の視認性向上装置において、
    前記階調値再配分部は、再分配後の階調値が最大階調値を超えるとき、超える分の階調値を再配分元の画素に戻す
    ことを特徴とする視認性向上装置。
  7. 各画素の階調値を記憶するフレームメモリと、
    事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する再配分画素検出部と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する階調値再配分部と、
    再配分後の階調値を表示する表示デバイスと
    を有することを特徴とする表示装置。
  8. 請求項7に記載の表示装置において、
    前記表示デバイスは、自発光型の表示デバイスである
    ことを特徴とする表示装置。
  9. 請求項7に記載の表示装置において、
    前記表示デバイスは、有機ELディスプレイである
    ことを特徴とする表示装置。
  10. 各画素の階調値を記憶するフレームメモリと、
    事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する再配分画素検出部と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する階調値再配分部と、
    再配分後の階調値を表示する表示デバイスと
    を有することを特徴とする電子機器。
  11. 事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する処理と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する処理と
    を有することを特徴とする視認性向上画面生成方法。
  12. 事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する処理と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する処理と、
    再配分処理後の映像を画面上に表示する処理と
    を有することを特徴とする視認性向上画面表示方法。
  13. 事前に設定した再配分条件を満たす画素を検出する処理と、
    再配分対象に検出された画素の階調値の一部を周辺画素に再配分する処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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