JP2008057899A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】強度を維持しつつ奥行き感ある表面処理が得られる意匠性が良好なハンドル構造を備えた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】手掛け部310と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部320から構成されたハンドル300を鋼板製ドア板材400の一辺を切り欠いて形成した切取部441に取り付けると共に、その切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設け、この絞り部の傾斜面421途中に上記ハンドルの手掛け凹部320を構成する凹部飾り部を位置させ、且つ上記傾斜面内で凹部飾り部の引掛け部552と手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532とを係止させたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】手掛け部310と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部320から構成されたハンドル300を鋼板製ドア板材400の一辺を切り欠いて形成した切取部441に取り付けると共に、その切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設け、この絞り部の傾斜面421途中に上記ハンドルの手掛け凹部320を構成する凹部飾り部を位置させ、且つ上記傾斜面内で凹部飾り部の引掛け部552と手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532とを係止させたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、手掛部と隣接して配置される手掛凹部とから構成されハンドルを備えた冷蔵庫や洗濯機あるいは食器洗機などの電化製品に関する。
従来の冷蔵庫は、前面が開放した本体の内部を仕切板を介して複数の貯蔵室に分割し、この貯蔵室に合わせて開閉ドアまたは引出ドアを設けることで、密閉された貯蔵室を構成している。これら従来例のドア構造は、ドアの前面と一方の側面を構成するドア板材と、他方の側面を構成するサイド部材と、上下面を構成する上カバーと下カバーと、内装の壁面を構成する内装カバーとで密閉された函体を構成し、この函体の内部に発泡剤を充填することにより、これら部材を接着して強固なドア構造を形成している。
これら従来例のハンドルは、前記サイド部材に前方に張り出したハンドル手掛部を形成したものや、前記サイド部材に設けたハンドル手掛部に隣接するドア板材を凹状に形成し、この凹状の手掛凹部を介して前記ハンドル手掛部に指を挿入可能とすることで前記ハンドル手掛部の前方への張り出しを少なくした構造が一般的である。
また、前記手掛凹部を備えた従来例にあっては、手掛凹部をドア板材で形成したものや、サイド部材の樹脂材料を手掛凹部まで拡張して手掛凹部を樹脂材料で覆ったものがある。
近年の冷蔵庫においては、清潔感や高級感、高品質感など、高機能だけでなく外観的にも付加価値のある冷蔵庫のニーズが高まっている。例えば、従来の冷蔵庫は、鋼板の表面を樹脂シートで覆ったペット鋼板と呼ばれる材料をドア板材に使用するのが一般的であったが、最近の冷蔵庫ではステンレス材料をドア板材に用いることで、清潔感や高級感を与えるものが脚光を浴びている。
一方、従来の冷蔵庫では、樹脂材料で形成されるサイド部材に装飾的な造形や模様、色彩を附すことにより高級感を与えるように工夫したものが一般的であったが、これらの工夫はサイド部材の大きさが小さく、かつ、古くから取り組まれた工夫だけに、ユーザに訴求ポイントには成り難い課題がある。
そこで、サイド部材だけでなく、手掛凹部を覆う樹脂材料などを含めたハンドル周辺部に新たな工夫を施すことにより、ユーザーのニーズに一層答えることができる。
その解決手段の1つとして、厚みのある透明樹脂材料を表面に設けることにより奥行き感のある質感を出して、前記ユーザーのニーズに答えることができる。
しかし、冷蔵庫の場合、強度面からドア板材やサイド部材との連結が必要であったり、あるいは、ドアの筐体内部に発泡剤を充填する必要があることから、裏面に取付リブを設ける必要がある。このような構造を取ると、表面から取付リブが透けて見えたり、取付リブの部分に凹凸模様などを施せない、あるいは、取付リブ周辺にヒケなどが現れて、ユーザーが求める清潔感や高級感、高品質感を与えることができ難い課題がある。
前記課題は、冷蔵庫だけでなく、裏面に塗装や凹凸模様を施した透明材料を筐体表面に設けた家電電化機器や電子機器でも同様な課題となっている。この透明材料は接着剤粘着テープなどでも固定することができるが、外観から接着面や接着テープが見えてしまうという課題がある。
そこで、この発明の目的とするところは、強度を維持しつつ奥行き感ある表面処理が得られる意匠性が良好な電化製品を提供することにある。
本発明に係る電化製品では、前記目的を達成するために、手掛け部と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部から構成されたハンドルを鋼板製ドア板材の一辺を切り欠いて形成した切取部441に取り付けると共に、その切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設け、この絞り部の傾斜面途中に上記ハンドルの手掛け凹部を構成する凹部飾り部を位置させ、且つ上記傾斜面内で凹部飾り部の引掛け部と手掛け凹部ベース部側の引掛け受部とを係止させたものである。
本発明によれば、手掛け凹部ベース部と凹部飾り部との結合部がドア板材の傾斜面の途中にあることにより、製作時のバラツキで多少前後しても、凹部飾り部がドア板材表面より突出し見栄を損ねることがないことは勿論、凹部飾り部と手掛け凹部ベース部との結合を発泡剤の接着力でより強固なものとすることが出来るものである。
以下、図1から図15を参照して、この発明に係る冷蔵庫を詳細に説明する。なお、同一の部位や矢印などは同一符号を持って示し、重複した説明を省略する。なお、図1から図14が第1の実施の形態であり、図15が第2の実施の形態を示している。
(第1の実施の形態)
先ず、図1を参照して、本実施の形態に係る冷蔵庫の概略構造を説明する。図1は、この実施の形態に係る冷蔵庫の概略構造図である。
(第1の実施の形態)
先ず、図1を参照して、本実施の形態に係る冷蔵庫の概略構造を説明する。図1は、この実施の形態に係る冷蔵庫の概略構造図である。
図1において、この実施の形態に係る冷蔵庫1は、最上部に配置した貯蔵室10の前面に観音開きの開閉ドア100を備え、その下方に配置した複数の貯蔵室20、30、40、50、60の前面に引出ドア200を備えた標準的な冷蔵庫での適用例を示している。
この冷蔵庫1の外観は、前面が開放した縦長の本体2と、この本体2の前面に取り付けられる一対の観音開きの開閉ドア100a、100bと、図示しない引出ケースを備えた複数の引出ドア200とから構成される。
前記一対の開閉ドア100のそれぞれの開閉ドア100a、100bは、両側にヒンジ機構601、611を有し、中央側に縦ハンドル300を備えることで、一対の開閉ドア100を観音開きに開放することができる。また、前記引出ドア200は、その前面の下端または上端に横ハンドル250を備えることで、この横ハンドル250を介してこの引出ドア200を前方に引き出すことができる。
そして、この実施の形態に係る冷蔵庫1の大きな特徴は、前記縦ハンドル300を手掛部310とこの手掛部310に隣接して設けられる手掛凹部320とで構成し、この手掛凹部320の表面を透明な樹脂材料で形成することで、強度を維持しつつ奥行き感のある表面処理を施した点にある。
また、この実施の形態に係る冷蔵庫1の他の大きな特徴の1つは、前記透明な樹脂材料の裏面に凹凸模様を形成したり、あるいは裏面印刷を施した点にある。これにより、ユーザーは、透明でかつ厚みのある樹脂材料を通して前記凹凸模様や裏面印刷を見ることとなるので、深みのある装飾模様が得られるから、清潔感や高級感、高品質感を得ることができる。
また、実施の形態に係る冷蔵庫1の他の大きな特徴の1つは、一対の開閉ドア100にそれぞれ設けられる縦ハンドルを、この一対の開閉ドア100が隣接する分割部Pに隣接して設けることで一塊の縦ハンドル300を構成し、この一塊の縦ハンドル300の上下にドア面330の残余部410を残しつつ上下方向に長く形成した点にある。これにより、前記縦ハンドル300が周囲をドア面330で囲われる形態になるので、縦ハンドル300を設置される背景環境と隔離され、かつ、大きく設けられるから、前記装飾効果を一層高めることができる。
この実施の形態では、前記特徴を実現するために、前記開閉ドア100を、この開閉ドア100の前面と一方の側面を構成する鋼板製ドア板材400と、他方の側面を構成するハンドル構造体500と上下面を構成する上カバー600と下カバー610と、内装の壁面を構成する内装カバー620とで密閉された函体を構成し、この函体の内部に発泡剤を充填することにより、これら部材を接着して強固なドア構造を形成している。
そして、前記ハンドル構造体500を、前記他方の側面の骨格を形成するサイドベース部510と、手掛凹部320の骨格を形成する手掛凹部ベース部530と、この手掛凹部ベース部530の表面を覆うように形成される凹部飾り部550と、前記手掛凹部ベース部530の裏面に取り付けられるドア板材カバー570と、前記サイドベース部510の前面に取り付けられる手掛カバー580とで構成する。また、前記ドア板材400は、前記ハンドル構造体500側となる他方の側面の上下にドア面330を僅かに残して、その残余部410の間に切欠部420を形成し、この切欠部420に前記手掛凹部ベース部530と嵌合する凹状の嵌合部430を備えている。
また、前記凹部飾り部550は透明な樹脂材料で形成され、その裏面側に凹凸模様が施されている。更に、この凹部飾り部550は、前記サイドベース部510側に位置する一端側に前記手掛凹部ベース部530に取り付けるための取付リブ551を形成し、前記サイドベース部510側と対向する他端となるこの凹部飾り部550の周縁部の裏面側に取付用内傾斜突起部552を形成している。この構造によれば、前記取付リブ551の近傍はヒケやウエルドなどの成型時の課題は避けられないとしても、前記取付用内傾斜突起部552の近傍や他の部分でのヒケやウエルドなどの発生を軽減することができる。
そして、前記凹部飾り部550と前記手掛凹部ベース部530は、前記取付用内傾斜突起部552を前記手掛凹部ベース部530の一端側に引っ掛け、前記手掛凹部ベース部530の他端側とは前記取付リブ551を介して取り付けるようにしている。そして、更に、前記手掛凹部ベース部530と前記凹部飾り部550とで構成される手掛凹部組体340は、前記取付リブ551が配置される一端側を前記サイドベース部510に挿入されることにより、この前記サイドベース部510と連結される。これにより、前記ヒケやウエルドなどが生じやすい前記取付リブ551の近傍を前記サイドベース部510を介して隠蔽することができるので、意匠性を向上することができる。
また、この実施の形態では、前記手掛凹部組体340と前記ドア板材カバー570との間に前記凹状の嵌合部430を挟んで確り嵌合し、この前記手掛凹部組体340と前記ドア板材カバー570と前記ドア板材400との組み体を前記サイドベース部510に挿入して取り付けるようにする。そして、他の上カバー600と下カバー610及び内装カバー620とで密閉された函体を構成し、この函体の内部に発泡剤を充填することにより、発泡剤の発泡力により、これら部材が更に強固に連結され、強固なドア構造を形成することができる。そして最後に、前記手掛カバー580を前記サイドベース部510に取り付けることにより、意匠的にも強度的にも良好なドア構造を持った冷蔵庫を提供することができる。
以下、この図1及び図2から図14を参照して、この実施の形態に係る冷蔵庫を更に詳細に説明する。
先ず、図2と図3を参照して鋼板製ドア板材400を詳細に説明する。図2はドア板材の外観図であり、(a)図が平面図、(b)図が左側面図、(c)図が正面図を示している。図3はドア板材の製造工程図を示している。
図2、図3において、この実施の形態に係るドア板材400は、鋼板の表面を樹脂シートで覆ったペット鋼板と呼ばれる材料またはステンレス材料を採用している。図1に示すように、この実施の形態では、前記手掛部310を取り囲むように前記手掛凹部320を形成し、かつ、前記手掛部310の前方への張り出し量を低く抑えている。しかも、前記手掛凹部320を構成する2つの部品からなる手掛凹部組体340の前端面がドア面330から張り出さないようにするために、前記切欠部420に形成する嵌合部430を大きく凹ませて形成する必要がある。しかしながら、大きく凹ますプレス加工は、凹部の周囲にシワが発生しやすくなる。特に、この実施の形態では、前記手掛凹部320の上下端部に幅の狭い残余部410を形成しているので、プレス加工にともなって、この残余部410が変形しやすくなる。
そこで、この実施の形態では、図3の(a)図に示すように、プレス加工前の工程では、ドア板材400の凹部の見切り線(破線で示す)440の内側の部分に、前記手掛凹部組体340との接触部分となる平面(切欠部420)を残して余計な部分を切り取って切取部441を形成する。特に、シワが発生しやすい切取部441の角部Qについては、前記平面(切欠部420)が狭くなるように大きく切り欠くように形成している。更に、前記見切り線(破線で示す)440の角部Qを大きな円弧で形成することにより、(b)図に示すように、プレス加工後であっても、精度のあるプレス加工を実現している。
図2に戻り、前記ドア板材400は、前記板材をプレス加工することにより、一方の端部に大きな凹みを持った切欠部420が形成される。この切欠部420は要所要所に前記手掛凹部ベース部530と連結するための嵌合部430が形成される。この実施の形態では前記嵌合部430を貫通穴で形成している。また、このドア板材400は前記プレス加工と同じ工程または別工程で、前記切欠部420と対向する端部を折り曲げ、発泡剤90側にくぼむ絞りを設け傾斜面421を作っている。これにより、開閉ドアの正面部と一方の側面を覆うドア面330を構成する。
このように、この実施の形態では、見切り線440の内側に大きく内方に凹んだ切欠部420を精度よく形成することができるので、前記切欠部420に形成した嵌合部430を介して手掛凹部ベース部530と連結しつつ、発泡剤の充填時には、前記切欠部420と手掛凹部ベース部530とが隙間なく重なって発泡漏れを軽減することができる。
尚、上記ドア板材400の一辺を上下に残余部410を残して絞り加工して出来る絞り部422が作る切欠部420に嵌合部430が作られている。
又、絞り部422は切取部441を囲むよう形成されている。後述するドア板材カバー570は、この段落し絞り部422の位置決めを行うものである。
次に、図4、図5を参照して、凹部飾り部550を具体的に説明する。図4は、凹部飾り部の外観図であり、(a)図は正面図、(b)図は左側面図、(c)図は右側面図、(d)図は拡大平面図、(e)図は(a)図のAA断面図、(f)図は(a)図上端部近傍の拡大図、(g)図は(b)図上端部の拡大図を示している。図5は凹部飾り部の成型時の概念図である。なお、凹部飾り部550は透明材料で形成しているために、図4の(a)図の正面図においては、背面に形成した取付リブ551などを図示している。
図4において、この実施の形態の大きな特徴は、前記凹部飾り部550を透明樹脂材料で形成した点にある。透明樹脂材料で成型品を成型する場合、取付リブ551などの厚みの極端に異なる部分は他の部分と光の透過度が異なるために、取付リブ551が外観から見えてしまい意匠性を損なうこととなる。また、この取付リブ551の周辺にはヒケやウエルドなどが発生しやすくなる課題もある。特に、冷蔵庫のドア構造においては、発泡剤を充填して形成するため、発泡時の内部圧力を考慮して、これらハンドル部材を強固に取り付ける必要がある。しかも、この凹部飾り部550は、ユーザーが頻繁に使用する部分であり、かつ、ユーザーの目線に近い目立ちやすい部分だけにその取り付け構造は重要である。
この実施の形態では、前記課題を解決するために、凹部飾り部550の縁体554に取付リブとしての機能を備えさせることに着目した。つまり、この実施の形態では、凹部飾り部550の縁体554を背面側に張り出して、かつ、内方にオーバハング(取付用内傾斜突起部552)させることにより、このオーバハングした部分(取付用内傾斜突起部552)で前記手掛凹部ベース部530の一端側を引っ掛けて、オーバハングした部分(取付用内傾斜突起部552)の対向する端部は、通常の取付リブ551で取り付ける構造とした。ここで、前記取付リブ551が外観から見える課題については、この取付リブ551側を前記サイドベース部510に挿入して取り付ける構造とすることで外部から見えない構造とした。
例えば、この実施の形態では、(a)図では図示を省略しているが、(f)図に示すごとく細かな凹凸模様553と示される部分が、外部に露出される部分である。この凹凸模様553は、右側端部から上下端部にかけて背面側に突出して形成される前記縁体554と、その内側に前記縁体554と対と成るように、背面側に張り出して形成される突起部555との間に形成される。
前記縁体554は取付用内傾斜突起部552となる部分であり、前記突起部555とともに同じ厚みで一様に細く形成されるので、外観からは凹凸模様553の見切り部分と認識させることができ、意匠性を損なうことがない。
一方、取付リブ551は、外観から見えない部分に設けられているので、意匠性を損なうことなく、手掛凹部ベース部530と凹部飾り部550とを強固に連結することができる。ここで、前記取付リブ551は、少なくとも凹部飾り部550の長手方向の中央と両端部に設けるようにしている。また、前記取付リブ551は、背面側に突出させ、その先端部が縁体554側に張り出した構造とし、樹脂の弾性を利用して、前記取付用内傾斜突起部552と取付リブ551とで前記手掛凹部ベース部530を挟みつけるように取り付ける。この実施の形態では、取付リブ551の樹脂の弾性を生かすために、取付リブ551の近傍に貫通穴557を設けている。この貫通穴557は、前記手掛凹部ベース部530と凹部飾り部550との着脱を良好にすることができる。
ここで、(a)図の左側の上部の切欠部556は、サイドベース部510に設けられる基板収納部512(図8参照)を避けるためのものである。一方、(a)図の左側の下部は切欠部を形成することなく一様に形成している。これは、サイドベース部510に形成した手掛部310と対と成る手掛凹部320となる部分であり、この手掛凹部320を介して指を挿入して前記手掛部310を手前に引くことができる。
このように、この実施の形態では、(a)図に示す凹部飾り部550の表面を平坦な凹曲面として形成し、その裏面側に凹凸模様553を施すことにより、表面が凹凸がない清掃性や指の挿入がしやすい外観構造でありながら、透明樹脂材料を通して裏面側の凹凸模様553が透けて見えるので、従来にない奥行き感のある表面処理を提供することができる。
なお、上記説明では、裏面側に設けた模様を凹凸模様の例で示したが、これに限定されるものでは、この裏面側に模様または色彩を施したシートを装着したり、あるいは裏面印刷を施すようにしてもよい。また、凹部飾り部550自身の樹脂材料に色彩を施して前記裏面側の模様などと組み合わせることも可能である。これにより、この凹部飾り部550の部材または、凹部飾り部550の裏面の処理を変更するだけで多様な意匠を創出することができるので、大きな型変更をすることなく多様な外観意匠を備えた製品のシリーズ展開が可能となる。
さて、前記説明では、オーバハングした前記取付用内傾斜突起部552を採用することで前記課題を解決したと説明した。しかし、このオーバハングする構造は、樹脂成型で形成する場合、成型するための型が複雑になる課題がある。そこで、この発明者らは、簡単な型構造で、前記構造を備えた凹部飾り部550の成型方法を考案した。この考案を図5を参照して説明する。
図5において、この発明者らは、前記オーバーハングした取付用内傾斜突起部552を得るために、成型型70の引き抜き方向X1に対して凹部飾り部550を斜めに配置することを発想した。つまり、凹部飾り部550のオーバーハング面558を前記成型型70の引き抜き方向X1とほぼ一致させるように、この凹部飾り部550の姿勢を斜めとするように、成型型70を形成する。このような成型型70であれば、雄型70aと雌型70bの2つの型を一方向に引き抜くことで凹部飾り部550を成型することができる。
このようなオーバーハング構造であれば、凹部飾り部550は取付用内傾斜突起部552と取付リブ551との嵌合によりX2方向に力が加えられて、両部材の嵌合を強固にすることができる。一方、凹部飾り部550が外方X3方向に引っ張られても取付用内傾斜突起部552のオーバーハング面558が手掛凹部ベース部530を確り加え込んでいるので、外方X3の力に対向して堅固に手掛凹部ベース部530と凹部飾り部550とを連結することができる。しかも、オーバーハング面558を縁体554全体に設けることにより、オーバーハング面558の大きさを小さくすることができる。
次に、図6を参照して、手掛凹部ベース部530を詳細に説明する。図6は手掛凹部ベース部の外観図であり、(a)図が正面図、(b)図が左側面図、(c)図が右側面図、(d)図が拡大平面図、(e)図が(a)図に示すAA断面図である。
前記手掛凹部ベース部530は、その前面が水平面530aと傾斜面530bとから成り凹状に形成され、この凹状部531の前面に、やはり凹状の断面を備えた前記凹部飾り部550を取り付けて手掛凹部320を形成するものである。(a)(e)図に示すように、前記手掛凹部ベース部530の一端側から上下端部にかけたは、その先端部が尖って形成され、この尖った部分532に前記凹部飾り部550の前記取付用内傾斜突起部552のオーバーハング部分が引っかかるようになっている。
また、上記手掛け凹部ベース部530の水平面530aは発泡圧を大きく受け、傾斜面530bより大きな面積を有している。そして発泡圧を受けた時には手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532を凹部飾り部550の取付用内傾斜突起部552側に張り出し係合を確実にする方向に働く形状に形成されている。
一方、前記尖った部分532と対向する端部側((e)図の左側)には、前記凹部飾り部550の前記取付リブ551が勘合する取付受部533が形成される。この実施の形態では、前記取付受部533は、前記取付リブ551に対応する位置に3個設けられている。
また、手掛凹部ベース部530の前記尖った部分532の裏面側の端部には前記ドア板材カバー570とともにドア板材400を保持するドア板保持面534と、前記ドア板材カバー570が取り付けられる第1取付受部536と第2取付受部537とを形成されている。前記ドア板保持面534には前記ドア板材400の嵌合部430と嵌合するように突出して形成されるドア取付部535が適宜設けられている。また、前記第1取付受部536と第2取付受部537は背面側に段違いに張り出した第1突起面538と第2突起面539が形成され、この2つの段違いの突起面にそれぞれ貫通穴の形状を備えた第1取付受部536と第2取付受部537が分けて設けられている。
次に、図7を参照してドア板材カバー570を詳細に説明する。図7はドア板材カバーの外観図であり、(a)図が正面図、(b)図が左側面図、(c)図が右側面図、(d)図が拡大平面図、(e)図が(a)図のAA拡大断面図を示している。
図において、このドア板材カバー570は前記手掛凹部ベース部530の前記ドア板保持面534を内側から覆うように、上下端部が前記ドア板保持面534の外形に合わせて曲がって形成される細い成型部材である。(a)(e)図に示す凹曲面部571が前記ドア板保持面534(絞り部422)と合わさって前記ドア板材400の嵌合部430を保持する部分である。
また、凹曲面部571の背面側には、前記第1取付受部536と第2取付受部537に嵌合する第1取付部572と第2取付部573が形成される。ここで、前記第1取付受部536はドア板材カバー570と手掛凹部ベース部530とを連結する機能を有し、第2取付受部537はドア板材カバー570の取付姿勢を維持するためのものであり、2つの取付部はドア板材カバー570の長手方向に沿って交互に配置することで、ドア板材カバー570を手掛凹部ベース部530に正しい姿勢で取り付けることができる。
ここで、凹曲面部571の上下の曲がった部分は、前記2つの取付部が形成し難い部分である。そこで、この実施の形態では、この曲がった部分に形成される第2取付部573aを他の第2取付部573に比べて長手方向に長く形成することで、第1取付部572の機能を備えるとともに、このドア板材カバー570を手掛凹部ベース部530に取り付ける場合のガイドレールとしての機能も持たせることができる。そして、ドア板材カバー570の長手方向の両端部に設けた第1取付部572aは他の第1取付部572と異なり前記第1突起面538の先端部を挟み込む形状を備えて形成される。
換言すると、ドア板材カバー570は絞り部422を位置決めとし、ドア板材カバー570側の第1取付部572を手掛け凹部のベース部530側に設けた第1取付受部に係合させることにより仮止めしたものである。この仮止めは後述する発泡剤90の持つ接着力により固定されるものである。
こうすることにより、切取部441と手掛け凹部のベース部530との間に出来る隙間より発泡剤90がドア板材400表面側に洩れ出るのを防止すると共にドア板材カバー570が手掛け凹部のベース部530を介してサイドベース部510を絞り部422側に引き込む形になるので発泡剤充填時発泡圧により外側に広がろうとするサイドベース部510の位置決めも出来る。
次に、図8を参照してサイドベース部510を詳細に説明する。図8はサイドベース部の外観図であり、(a)図が正面図、(b)図が左側面図、(c)図が右側面図、(d)図が拡大平面図、(e)図が(a)図に示すAA拡大断面図、(f)図が(c)図上端部の拡大図を示している。
図において、このサードベース部510の左側面はフラットで平板状に形成される側板部515を形成することで、開閉ドア100の一方の側面を構成する。このサイドベース510の前面は、上下端部に残余部分を残して内側(図面上右側)に張り出した張出部511が形成される。この張出部511の前面には前記手掛カバー580が取り付けられ、上下端部の残余部分にはドア板材400の残余部410が嵌まり込むことと成る。
この実施の形態では、手掛部310にスイッチを配置しているので、前記張出部511の上部の約半分を凹状の基板収納部512とし、下部の約半分には、その内側に指を挿入するための指挿入部513を形成する手掛板部514が形成されている。
ここで、(b)(c)図に示すように、前記張出部511は、前記側板部515の前端部及びドア面330より中央部分が前方に張り出して、上下端部(長手方向の両側)が前記側板部515の前端部及びドア面330に馴染むように緩やかに湾曲した側面形状を備えて形成される。そして、この前方に張り出した両側の縁体516に前記手掛カバー580と取り付けるための複数の取付凹部517を備えた取付受部518が形成される。
さて、この実施の形態では、前記張出部511の内側(背面側)に前記手掛凹部組体340取り付けるための組体取付部519を形成している。この組体取付部519は、前記張出部511の裏面側と対となって、この2つの部材の間に形成される組体収納部520に前記手掛凹部組体340の一端を挿入して嵌合する構造としている。この実施の形態では、樹脂の弾性を利用して前記組体収納部520に前記手掛凹部組体340を挿入しやすいようにするために、前記組体取付部519を薄い平板状に形成している。
また、前記張出部511が形成されない上下端部の残余部分には、ドア板材400の端部を挿入するための板材取付部521が形成される。この板材取付部521は、ドア板材400の端部の形状に合わせて側板部515の内側に形成された溝と、この溝の内側に形成される取付用の板状リブとから構成され、ドア板材400の残余部410とサイドベース部510との間から発泡剤漏れが起こり難い構造としている。
なお、前記組体取付部519の後方に形成される取付リブ522は、前記内装カバー620と嵌合するためのものである。
次に、図9を参照して手掛カバー580を詳細に説明する。図9は手掛カバーの外観図であり、(a)図が正面図、(b)図が左側面、(c)図が右側面図、(d)図が拡大平面図、(e)図が(a)図のAA部部分拡大図を示している。
図において、この実施の形態では、手掛部310に操作スイッチを設けているので、この手掛部310の前面を構成する手掛カバー580に前記操作スイッチ穴581が形成される。また、(e)図に示すように、この手掛カバー580の裏面には、基板を取り付けるための取付リブ582や、サイドベース部510の取付受部518に嵌合するための取付リブ583が形成される。そして、この手掛カバー580は、前記サイドベース部510の前面の湾曲に合わせて弓形の外観形状を備えて形成される。
図9では、図示していないが、組み立てにあったては、この手掛カバー580の裏面側からスイッチや基板を事前に取り付けておき、組み立ての最後の工程で、発泡前に前記ヒンジ機構601を介して基板収納部512まで配線されている接続コードと前記基板のコードを接続した後、前記サイドベース部510に樹脂の弾性を利用して嵌合する。
次に、図10から図14を参照して、この実施の形態に係る冷蔵庫の開閉ドアの組立工程を更に詳細に説明する。図10、図14は、開閉ドアの組立工程図を示している。図11は、ドア板材400の裏面側より見たドア板材カバー570を取り付け工程説明図である。図12、図13は手掛凹部組体とサイドベース部との組立工程の説明図である。
図10の(a)図において、先ず、この実施の形態では、前記手掛凹部ベース部530と凹部飾り部550とを組み合わせて手掛凹部組体340を組み立てる。組み立てに当たっては、前記手掛凹部ベース部530の尖った部分532に凹部飾り部550の取付用内傾斜突起部552を引っ掛けて、取付受部533に取付リブ551を嵌合することで(b)図に示す手掛凹部組体340を組み立てることができる。この取付リブ551の近傍には貫通穴557が形成されているための、樹脂の弾性を利用して取付リブ551を取付受部533に嵌め込むことができ、また、簡単に着脱することもできる。しかも、手掛凹部ベース部530は、取付用内傾斜突起部552と取付リブ551との間に樹脂の弾性を利用して確り保持されるので、2つの部材の連結をガタツキなく勘合することができる。
次に、図10の(b)図に示すように、前記手掛凹部組体340の裏面側にドア板材400を取り付ける。取り付けに当たっては、ドア板材400の凹状の切欠部420に手掛凹部組体340を嵌め込んで、前記嵌合部430の貫通穴にドア取付部535挿入して嵌合することで、湾曲した切欠部420とドア板保持面534とを接触させて、図11の(a)図に示すように、前記手掛凹部組体340をドア板材400の所定の位置に取り付けることができる。
換言すると手掛け凹部320の取付用内傾斜突起部552は、ドア板材400側の傾斜面421の途中に位置するように取り付けられているものである。即ち、ドア板材400には切取部441を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部422を設け、この絞り部422が作る傾斜面421の途中に上記ハンドルの手掛け凹部320を構成する凹部飾り部550の取付用内傾斜突起部552が位置するように組み付けられている。
次に、図10の(b)図に示すように、ドア板材カバー570を取付用内傾斜突起部552から取付リブ551に向かって挿入することで、ドア板材カバー570を手掛凹部組体340の所定の位置に取り付けることができる。ここで、ドア板材カバー570の取り付けに当たっては、図7に示すように、ドア板材カバー570の曲がった部分に設けた第2取付部573aが手掛凹部ベース部530に設けた第2取付受部537と嵌合してガイドレールの役割をするので、取り付けが容易と成る。図10(b)に戻り、前記挿入の最後には、第1取付受部536と第1取付部572、第2取付受部537と第2取付部573、第1取付部572aと第1突起面538の上端部とが嵌合して、このドア板材カバー570を手掛凹部組体340の所定の位置に正しい姿勢で取り付けることができる。
この取り付け構造によれば、図11の(b)図に示すように、斜線部で示した切欠部420とドア板保持面534との連結部の近傍を図11の(c)図に示すように、ドア板材カバー570の凹曲面部571で覆うことができる。これにより、凹曲面部571とドア板保持面534とで切欠部420を挟んで保持することができる。
次に、図10の(c)図に示すように、手掛凹部組体340とドア板材カバー570とで保持されたドア板材400を、サイドベース部510の組体収納部520に内側(矢印方向)から挿入することで、これら部材を連結することができる。
この実施の形態では、図12に示すように、前記組体取付部519の中央部分、即ち、手掛凹部ベース部530の長手方向の中央に形成される取付受部533に対応する部分に位置決め用切欠部522が形成されている。一方、取付受部533は隆起して形成されているので、この隆起して形成される取付受部533を位置決め用切欠部522に挿入すれば、手掛凹部組体340などをサイドベース部510の所定の位置に取り付けることができる。また、位置決め用切欠部522の先端部分は大きな円弧で開放されているので、この円弧に沿って取付受部533が位置決め用切欠部522に案内されるので、取り付けが容易である。
また、取付受部533が位置決め用切欠部522の所定の位置に挿入されると、手掛凹部ベース部530の裏面側に形成した取付用突起540を組体取付部519に形成した嵌合穴523に嵌合させることができる。しかも、前記嵌合穴523は板状の組体取付部519に設けられているので、取付用突起540を備えた手掛凹部組体540を組体収納部520に挿入する際には樹脂の弾性を利用して行うことができるとともに、装着後は、樹脂の弾性を利用して手掛凹部組体540などをサイドベース部510に確り保持することができる。
一方、図13に示すように、手掛凹部ベース部530の長手方向の両側にも前記取付用突起540が形成される。この前記取付用突起540が取り付けられる前記組体取付部519には、入口部分がくびれた取付用切欠部524が形成される。この取付用切欠部524も前記組体取付部519の樹脂の弾性を利用して前記取付用突起540の挿入がし易く、挿入した後は、確り取付用突起540を保持することができる。
また、図13(b)図に示すように、挿入の際には、前記取付受部533と位置決め用切欠部522との嵌合により、手掛凹部組体340の位置が特定されるので、側板部515の両端部の内側に形成される溝と板状リブとで構成される板材取付部521にドア板材400を挿入することが容易となり、組み立て性を向上することができる。
前記の説明では、手掛凹部ベース部530に凹部飾り部550を取り付けて手掛凹部組体340を組み立て、次にドア板材400、次にドア板材カバー570、次にサイドベース部510を取り付ける手順で説明したが、手掛凹部組体340をサイドベース部510を取り付け、次にドア板材400、最後にドア板材カバー570を取り付ける手順でもよい。
次に、図14の(a)図に示すように、図10(c)で説明した縦ハンドル300とドア板材400とを連結した後に、内装カバー620及び図示しない上カバー600と下カバー610とを取り付けて、開閉ドア100の筐体を構成する。そして、(b)図に示すように、開閉ドア100の筐体の周囲を枠体80で囲った後、前記筐体内に発泡剤90を充填する。発泡剤が充填すると、前記開閉ドア100の筐体は周囲を前記枠体80に囲まれているので、前記枠体80は、サイドベース部510や手掛凹部ベース部530、ドア板材カバー570などを介して、発泡剤の発泡圧力を受け止めることと成る。一方、サイドベース部510や手掛凹部ベース部530などの構成部材は、発泡剤の発泡圧力(矢印で図示)を内面で受けることとなるので、それぞれの部材間の連結を強固にすることができる。
特に、矢印Z1は、組体取付部519を手掛凹部組体340に押し付けるので、この2つの部材間の連結を強固にできる。また、矢印Z2はドア板材カバー570を凹部飾り部550の縁体554に押し付ける働きをするので、ドア板材カバー570の凹曲面部571と縁体554との間にドア板材400を確り挟みつけるので、この部分からの発泡漏れを軽減するとともに、両部材の連結を強固なものとすることができる。
この時、手掛け凹部ベース部530の水平面530aが受ける発泡圧は傾斜面530bより大きいこともあって傾斜面530bを外側に張り出させるよう働く。このことにより凹部飾り部550の引掛け部552と手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532との係止関係は強くなり、この状態で発泡剤の接着力により固着される。
さらに、ドア板材カバー570は絞り部422の始めである見切り線440(図3に図示)で位置決めされていることにより、このドア板材カバー570に連結される手掛け凹部ベース部530、サイドベース部510の位置決めも出来る。
さらに、図に示す如く、ハンドルの手掛け凹部320を構成する凹部飾り部550の取付用内傾斜突起部552の傾斜角度と鋼板製ドア板材400の傾斜面421の傾斜角度を合わせ、且つ取付用内傾斜突起部552の先端が図10(b)の如く傾斜面421の途中に位置するよう組立、或いは発泡冶具となる枠体80を管理することにより組立誤差(発泡を含む)で凹部飾り部550がドア板材400の表面から飛び出すのを防げ且つ両傾斜面間に出来る隙間を目立たなく仕上げることができる。
さらにまた、矢印Z3は、ドア板材カバー570を手掛凹部組体340に押し付け、さらに、これら部材の隙間に発泡剤が侵入するので、これら部材間を強固に連結するように作用する。
そして、発泡剤充填工程が終了した後に、前記枠体80を取りはずし、別途作成してある本体2にヒンジ機構601、611を介して取り付け、最後に、前記手掛カバー580を取り付けることで、冷蔵庫1を組み立てることができる。
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図を示したものである。なお、この説明では、前記第1の実施の形態と同一な部分や説明を省略する。
(第2の実施の形態)
図15は、第2の実施の形態に係る冷蔵庫の正面図を示したものである。なお、この説明では、前記第1の実施の形態と同一な部分や説明を省略する。
図において、この実施の形態に係る冷蔵庫2は、冷蔵庫の最上部に設けた貯蔵室に1枚の開閉ドア100を備えたものである。このような、ドア分割を備えた冷蔵庫であっても、前記第1の実施の形態で説明した縦ハンドル300を備えた構造とすることが可能である。また、この冷蔵庫2では、引出ドアに設けた横ハンドル251にも前記縦ハンドル300と同様なハンドル構造とすることができる。
この横ハンドル251を採用する場合は、引出ドア200を、正面から両側面に回り込んで形成されるドア板材と、上下の上ケースと下ケースと、内装カバーとで引出ドアの函体を構成し、前記上ケースまたは下ケースを前記第1の実施の形態で説明したサイドベース部510と置き換えて同様な構造とすれば可能である。
以上述べた実施の形態では、冷蔵庫を事例にして説明を行ったが、これに限定するものではなく、手掛部と隣接して配置される手掛挿入部とから構成されハンドル部を備えた蓋体を開放可能に取り付けた電化製品、例えば、洗濯機や食器洗い機などの電化製品でも適用可能である。
すなわち、この発明の特徴とする構成は、前記蓋体(開閉蓋100)は、この蓋体の所定の位置に前記ハンドル部(ハンドル300)を取り付けるためのハンドル取付部(切欠部320)を備え、前記ハンドル部は、前記ハンドル取付部に取り付けられるハンドルベース部(サイドベース部510と手掛凹部ベース部530)と、このハンドルベース部の表面の一部を覆うように取り付けられる手掛挿入部(凹部飾り部550)と、前記手掛挿入部の一方の端部側を覆うように取り付けられる前記手掛部(手掛カバー580)とを含んで構成され、前記手掛挿入部は、透明材料の成型品であり、前記手掛挿入部の一方の端部側に設けられる取付リブ551と、他方の端部の周縁部の裏面側に形成される引掛け部(取付用内傾斜突起部552)とを備え、前記ハンドルベース部は、前記取付リブと嵌合する嵌合受部(取付受部533)と、前記引掛け部と噛み合う引掛け受部(尖った部分532)とを備え、前記手掛部は、前記取付リブと嵌合受部との嵌合部の前面を覆う位置に取り付けられるようにする。
この場合、前記ハンドル取付部を備えた蓋体の筐体面は金属材料で形成され、前記ハンドルベース部と前記手掛部は不透明な樹脂材料で形成され、前記手掛挿入部は透明樹脂材料で形成すると更に有効である。
また、前記ハンドル取付部を蓋体の筐体面の内側に前記手掛挿入部を内包する大きさの凹部とすることで、更に有効とすることができる。
上記構成によれば、透明材料で形成した手掛挿入部を、一端側に形成した引掛け部を引掛け受部に引っ掛けて、他端側に形成した取付リブを嵌合受部と嵌合させて取り付け、取付リブと嵌合受部と嵌合部を手掛部で覆うことができるから、強度を維持しつつ奥行き感がある表面処理が得られる意匠性が良好なハンドル構造を備えた電化製品を提供できる。
また、手掛け部310と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部320から構成されたハンドル300を鋼板製ドア板材400の一辺を切り欠いて形成した切取部441に取り付けると共に、その切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設け、この絞り部の傾斜面421途中に上記ハンドルの手掛け凹部320を構成する凹部飾り部を位置させ、且つ上記傾斜面内で凹部飾り部の引掛け部552と手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532とを係止させたものであるから手掛け凹部ベース部と凹部飾り部との結合部がドア板材の傾斜面の途中にあることにより製作時のバラツキで多少前後しても凹部飾り部がドア板材表面より突出し見栄を損ねることがないことは勿論、凹部飾り部を手掛け凹部ベース部との結合を発泡剤の接着力でより強固なものとすることが出来る。
また、凹部飾り部が形成する引掛け部552は上下抜きの金型で成形可能な形状としたものである。したがって、凹部飾り部を形成するのに複雑な型構造を必要としないものである。
また、手掛け凹部ベース部530は水平面と傾斜面とから成り、発泡圧を大きく受ける水平面530aが傾斜面530bより大きな面積を有する構成とし、発泡圧を受けた時には手掛け凹部ベース部530側の引掛け受部532を凹部飾り部550の取付用内傾斜突起部552側に張り出す形状としたものである。従って、手掛け凹部ベース部530と凹部飾り部550との組み合せが、仮止め段階より発泡段階でより確実となりハンドル操作に異常を来たさない。
さらに、手掛け部310と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部320から構成されたハンドル300を備え、鋼板製ドア板材400の一辺を切り欠いて形成した切取部441に上記ハンドルを取り付けると共に発泡剤90の接着力を利用して該ハンドルをドア板材に固定するようにした冷蔵庫に於いて、上記切取部441と手掛け凹部ベース部530との間に出来る隙間より発泡剤90がドア板材400表面側に洩れ出るのを防止するドア板材カバー570を設けると共に、前期手掛け挿入部表面の凹部飾り部550は透明材の成形品とした。
したがって、仮止めされたハンドルを発泡剤で固定する際、発泡剤がドア板材表面側に洩れ出ることがないので表面に透明材の使用を可能とすることは勿論、ドア板材に対するハンドルの位置出しが確実になるので見栄えのする冷蔵庫が得られる。
また、ドア板材400の一辺を切り欠いて形成した切取部441を囲むように発泡剤側にくぼむ段落し部を設けると共に、この段落し部を位置決めとしてドア板材カバー570の一端を手掛け凹部ベース部530に固定した。このことにより、ドア板材カバー570が手掛け凹部ベース部530を介してサイドベース部510を段落し部側に引き込む形になるので発泡剤充填時発泡圧により外側に広がろうとするサイドベース部510の位置決めも可能である。
1…冷蔵庫、2…本体、10、20、30、40、50、60…貯蔵室、70…成型型、70a…雄型、70b…雌型、80…枠体、90…発泡剤、100、100a、100b…開閉ドア、200…引出ドア、250…横ハンドル、300…縦ハンドル、310…手掛部、320…手掛凹部、330…ドア面、340…手掛凹部組体、400…ドア板材、410…残余部、420、556…切欠部、421、530b…傾斜面、422…絞り部、430…嵌合部、440…見切り線、441…切取部、500…ハンドル構造体、510…サイドベース部、511…張出部、512…基板収納部、513…指挿入部、514…手掛板部、515…側板部、516…縁体、517…取付凹部、518、533…取付受部、519…組体取付部、520…組体収納部、521…板材取付部、522…位置決め用切欠部、523…嵌合穴、524…取付用切欠部、530…手掛凹部ベース部、530a…水平面、531…凹状部、532…尖った部分、534…ドア板保持面、535…ドア取付部、536…第1取付受部、537…第2取付受部、538…第1突起面、539…第2突起面、540…取付用突起、550…凹部飾り部、551…取付リブ、552…取付用内傾斜突起部、553…凹凸模様、554…縁体、555…突起部、557…貫通穴、558…オーバーハング面、570…ドア板材カバー、571…凹曲面部、572…第1取付部、572a…第1取付部、573…第2取付部、573a…第2取付部、580…手掛カバー、581…操作スイッチ穴、582…取付リブ、583…取付リブ、600…上カバー、601…ヒンジ機構、610…下カバー、611…ヒンジ機構、620…内装カバー、P…分割部、Q…角部、X1…成型型の引き抜き方向。
Claims (5)
- 手掛け部と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部から構成されたハンドルを鋼板製ドア板材の一辺を切り欠いて形成した切取部に取り付けると共に、その切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設け、この絞り部の傾斜面途中に上記ハンドルの手掛け凹部を構成する凹部飾り部を位置させ、且つ上記傾斜面内で凹部飾り部の引掛け部と手掛け凹部ベース部側の引掛け受部とを係止させたことを特徴とする冷蔵庫。
- 凹部飾り部が形成する引掛け部は上下抜きの金型で成形可能な形状としたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 手掛け凹部ベース部は水平面と傾斜面とから成り、発泡圧を大きく受ける水平面が傾斜面より大きな面積を有する構成とし、発泡圧を受けた時には手掛け凹部ベース部側の引掛け受部を凹部飾り部の取付用内傾斜突起部側に張り出す形状としたことを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
- 手掛け部と隣接して配置される手掛け挿入部となる手掛け凹部から構成されたハンドルを備え、鋼板製ドア板材の一辺を切り欠いて形成した切取部に上記ハンドルを取り付けると共に、発泡剤の接着力を利用して該ハンドルをドア板材に固定するようにした冷蔵庫に於いて、上記切取部と手掛け凹部のベース部との間に出来る隙間より発泡剤がドア板材表面側に洩れ出るのを防止するドア板材カバーを設けると共に、前記手掛け挿入部表面の凹部飾り部は透明材の成形品としたことを特徴とする冷蔵庫。
- ドア板材の一辺を切り欠いて形成した切取部を囲むように発泡剤側にくぼむ絞り部を設けると共に、この絞り部を位置決めとしてドア板材カバーの一端を手掛け凹部のベース部に固定したことを特徴とする請求項4記載の冷蔵庫。
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