JP2008057367A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

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Hisanori Itou
寿記 伊藤
Yasuo Sato
康夫 佐藤
Osamu Horikoshi
修 堀越
Tomoyuki Takada
倫行 高田
Hirokazu Ito
弘和 伊藤
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Abstract

【課題】サック室に複数形成された噴孔から燃料を噴射する燃料噴射ノズルにおいて、より均等な燃料の噴射を可能とする技術を提供する。
【解決手段】ノズルボディ12のガイド孔の先端に円錐状の着座部17が設けられる。着座部17の頂部にはサック室18が設けられ、さらにサック室18は円柱部18a及び円錐部18bからなる。円錐部18bの錐面と着座部17との間の角度θを10度以上とし、円柱部18aの高さHは円柱部18aの径Dの値の1/3〜2/3の間とした。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射ノズルの構造に関する。
近時、内燃機関の燃焼室内への燃料の均等噴射を図るために、燃料噴射ノズルの先端に噴孔を多数形成する技術が提案されている。これに関連する技術の例としては、ノズルボディの下端部に上下2段に噴口列を形成し、下段の噴口の径に対する噴口長さの割合を、上段の噴口の径に対する噴口長さの割合以下になるように設定することによって、上段の噴口からの噴射の貫徹力を維持しつつ下段の噴口からの噴射の貫徹力を緩和し、カーボンの堆積を防止すると共に、アイドリング時及び低負荷時の白煙及び黒煙の発生を防止する技術などがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、ノズルボディのサック室の内周面に第1と第2の微小噴孔を有する群噴孔を開口させた燃料噴射ノズルにおいて、ノズルボディのシート面とニードルの第1の円錐面との角度差を大きく設定し、キャビテーションの発生を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、ノズルボディの先端のサック室の内壁の先端形状は、通常、略半球状に形成されることが多く、前述の複数の噴孔もサック室先端の半球状部分に形成される場合が多かった。この場合、ニードルを後退させて燃料噴射ノズルを開弁した際に、前記半球状のサック室において、中央部への燃料の流れが周辺部への燃料の流れより強くなる傾向が強かった。そうすると、サック室に設けられた複数の噴孔のうち、中央部の噴孔からの燃料噴射が強くなるとともに周辺になるにつれて噴孔からの燃料噴射が弱まり、燃焼室において均等に燃料を分布させることが困難となる場合があった。
特開2004−204808号公報 特開2004−27955号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、サック室に複数形成された噴孔より燃料を燃焼室に噴射する燃料噴射ノズルにおいて、より均等な燃料の噴射を可能とする技術を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、ノズルボディのガイド孔の内部をニードルが進退運動して開閉弁する燃料噴射ノズルに関する。なかでも、ノズルボディのガイド孔の先端に円錐状の着座部が設けられ、着座部の頂部にはサック室が設けられ、さらにサック室の内壁に複数の噴孔が該サック室の中心側から周辺側の領域に分布して開口している燃料噴射ノズルについてのものである。そして、サック室の内壁において噴孔が開口する領域のノズルボディ中心軸に対する角度を、着座部のノズルボディ中心軸に対する角度より、所定の角度以上大きくすることを最大の特徴とする。
より詳しくは、軸方向に設けられたガイド孔の先端に、略円錐状に孔径が細くなる着座部を有し、該着座部の頂部付近にサック室が設けられ、該サック室の内壁に、複数の噴孔が該サック室の中心側から周辺側の領域に分布して開口するノズルボディと、
前記ガイド孔に往復動可能に挿入され、前記ガイド孔内を前進することによって略円錐状の先端部を前記着座部に当接させて前記噴孔に通じる燃料経路を遮断するとともに前記
ガイド孔内を後退することによって前記先端部の前記着座部への当接を解除して前記噴孔に通じる燃料経路を開放するニードルと、を備え、前記ニードルを前進または後退させることによって開閉する燃料噴射ノズルであって、
前記ノズルボディを、該ノズルボディの中心軸を含む平面で切った場合の断面において、前記複数の噴孔が開口する領域の前記中心軸に対する角度は、前記着座部の前記中心軸に対する角度より大きく、前記複数の噴孔が開口する領域と前記着座部との間の角度は、前記着座部に沿って前記サック室に流入した燃料が円滑に前記噴孔に流入可能となる所定の円滑噴射可能角度以上であることを特徴とする。
ここで、上記の構成においてニードルが後退して燃料噴射ノズルが開弁した際の作用について説明する。この時、燃料はニードルの先端部と着座部との間を着座部に沿って流れ、着座部の頂部付近のサック室に流入する。従って、サック室に流入した燃料は着座部に略平行な流れ方向を有し、サック室内で流れ方向を変える。その後、噴孔の開口に流入して噴射される。
この際、サック室の内壁における前記噴孔が開口する領域と、着座部との間の角度が90度に近い方がより円滑に燃料が噴孔に流入され、より円滑に噴射される。逆にサック室の内壁における前記噴孔が開口する領域と、着座部との角度が0度に近づくと燃料はサック室内においてより大きく方向転換する必要が生じ、円滑に噴射されることが困難になる。また、本発明においては、前記複数の噴孔は、サック室の中心側から周辺側の領域に分布して開口していることを前提としているので、サック室の内壁における前記噴孔が開口する領域と着座部との角度が0度に近づくと、サック室の内壁に開口している複数の噴孔同士で、噴孔に流入するために必要な燃料の流れ方向の変更し易さが大きく異なるようになる。そうすると、サック室における各噴孔からの燃料噴射の勢いや量が異なってしまう場合がある。
そこで、本発明においては、前記サック室の内壁における前記噴孔が開口する領域と、前記着座部との間の角度が所定の円滑噴射可能角度以上であるようにした。ここで、円滑噴射可能角度とは、前記サック室の内壁における前記噴孔が開口する領域と、前記着座部との間の角度がこの角度以上であれば、サック室に流入した燃料が前記複数の噴孔に円滑に流入することができると考えられる角度であり、予め実験的に求められる。
これによれば、サック室に流入した燃料が前記複数の噴孔へ円滑に流入することができる。そうすると、前記複数の噴孔のなかで、円滑に燃料を噴射されない噴孔が発生することを抑制でき、燃料噴射ノズルから、より均等に燃焼室に燃料を噴射することができる。
ここで、前記サック室の内壁における前記噴孔が開口する領域の全域において、該領域と着座部との間の角度が円滑噴射可能角度以上であることが望ましい。そうすれば、より確実に、前記複数の噴孔のなかで、円滑に燃料を噴射されない噴孔が発生することを抑制できる。
ここで、円滑噴射可能角度は例えば10度としてもよい。その場合、複数の噴孔が開口する領域と前記着座部との間の角度は10度〜20度の範囲に設定してもよい。そうすれば、サック室に流入した燃料が複数の噴孔の全てに円滑に流入することができる。また、複数の噴孔が開口する領域と前記着座部との間の角度が大きすぎ、燃料噴射の方向が限られてしまうことを回避できる。これにより、円滑に燃料を噴射されない噴孔が発生せず、燃料噴射ノズルから、より均等に燃焼室に燃料を噴射することができる。
また、本発明において、前記サック室は、該サック室の先端が略円錐状に前方に突出して形成された円錐部を有し、前記複数の噴孔が開口する領域は該円錐部の錐面に形成され
るようにしてもよい。
すなわち、サック室の先端部を円錐状に形成し、その錐面に複数の噴孔が開口するようにしてもよい。そうすれば、複数の噴孔が開口する領域の全域において、該領域と着座部との間の角度を一定にすることができ、燃料噴射ノズルからより確実に均等に燃料を噴射することができる。
また、本発明においては、サック室は、円錐部と、該円錐部のニードル側に円柱状に設けられた円柱部とからなり、円柱部の高さは、複数の噴孔に流入する燃料の流れ方向が安定する所定の燃料流安定高さ以上であるようにしてもよい。
このように、サック室の先端を円錐状に形成した場合であって、該円錐部のニードル側に円柱状の円柱部を形成した場合について考える。この場合には、円柱部の高さが高いほど、サック室に流入した燃料が、より長い距離を使って流れ方向を、複数の噴孔に円滑に流入可能な方向に変更できる。よって、円柱部の高さがより高ければ、サック室に流入した燃料が、より円滑に噴孔に流入することが可能となる。
本発明においては、このような、サック室に流入した燃料が、より円滑に噴孔に流入することが可能となる閾値としての円柱部の高さを予め実験的に求め、燃料流安定高さとした。そして、円柱部の高さを燃料流安定高さ以上となるように設定することとした。そうすれば、さらに確実に、複数の噴孔への燃料の流入し易さを均等化でき、より均等に燃料を噴射することができる。例えば、燃料流安定高さは、円柱部の高さの値の略1/3の値として定義してもよい。
また、本発明においては、円柱部の高さは、ノズル閉弁後にサック室から漏れ出る燃料量を所定量以下にできる漏洩燃料抑制高さ以下であるようにしてもよい。
ここで円柱部の高さが高くなるほど、サック室の容積は増加する。そうすると、ニードルが前進して先端部が着座部に当接し、燃料噴射ノズルが閉弁した際にサック室内に残留する燃料量が多くなる。この場合、燃料噴射ノズルの閉弁後に噴孔から漏れ出る燃料量が増加し、漏れ出た燃料が排気ガスとして車外に放散され、エミッションが悪化するおそれがある。
このように、燃料噴射ノズル閉弁後の燃料の漏れ出しという意味では円柱部の高さは低いことが望ましい。そこで、本発明においては、サック室における円柱部の高さは、所定の漏洩抑制高さ以下となるようにしてもよい。ここで、漏洩抑制高さは、ノズル閉弁後にサック室から漏れ出る燃料量を所定量以下にできる円柱部の高さであり、予め実験的に求めても良い。またここで、所定量の燃料とは、この量の燃料が燃料噴射ノズル閉弁後にサック室から漏れ出したとしても、エミッションの悪化が許容範囲内となる閾値としての燃料量である。
このように、円柱部の高さを漏洩燃料抑制高さ以下にすれば、燃量噴射ノズルの閉弁後に噴孔から漏れ出す燃料量を抑制することができ、エミッションの悪化を抑制することができる。なお、この漏洩燃料抑制高さは、円柱部の径の略2/3と定義してもよい。
また、本発明においては、円柱部の高さは、円柱部の径の略1/2であるようにしてもよい。
そうすれば、前述のように燃料流安定高さを円柱部の径の1/3、漏洩燃料抑制高さを円柱部の高さの2/3と定義した場合に、円柱部の高さを、燃料流安定高さ以上、且つ漏
洩燃料抑制高さ以下とすることができ、燃焼室への均等な燃料噴射を維持しつつ、エミッションの悪化を抑制することができる。
なお、上記した本発明の課題を解決する手段については、可能な限り組み合わせて用いることができる。
本発明にあっては、サック室に複数形成された噴孔より燃料を燃焼室に噴射する燃料噴射ノズルにおいて、より均等な燃料の噴射が可能となる。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。
図1は燃料噴射ノズル1の先端部の拡大断面図、図2は燃料噴射ノズル1の全体断面図である。本実施例の燃料噴射ノズル1(以下ノズル1と言う)は、図2に示す様に、ノズルボディ2と、このノズルボディ2に内蔵されるニードル3とで構成され、内燃機関の各気筒毎に取り付けられるインジェクタ(図示せず)に組み込まれている。
ノズルボディ2には、ニードル3を嵌挿するガイド孔4、燃料通路5、及び噴孔6が設けられている。ガイド孔4の下端部には、円錐状にガイド孔4の径が小さくなるように着座部7が形成され、更に着座部7の頂点に相当する部分にサック室8が形成されている。燃料通路5は、ガイド孔4の途中に内径を拡大して形成される燃料溜室9に連通して設けられ、その燃料溜室9に高圧燃料を導入する。
ニードル3は、ノズルボディ2のガイド孔4に挿入されて、軸方向に進退運動可能に設けられている。ニードル3の先端部には、図1に示す様に、ニードル3の閉弁時に着座部7に着座する先端部としての当接部10が設けられている。
ここで、ノズル1に供給された燃料は、ノズルボディ2の燃料通路5から燃料溜室9を経てガイド孔4(ニードル3の周囲に形成される環状の空間)を通り、着座部7に着座している当接部10まで充填されている。この状態から、ニードル3を開弁方向(図1及び図2の上方向)に付勢する力がニードル3の開弁圧まで上昇すると、ニードル3がガイド孔4をリフトして噴孔6に通じる燃料経路を開く。このことにより、着座部7と当接部10との間を通ってサック室8に燃料が流れ込み、噴孔6を介して燃料が燃焼室に噴射される。
ところで、通常サック室8の先端は半球状に形成される場合が多い。図3には、従来のサック室8付近の詳細図を示す。図3(a)は、サック室8付近の断面図である。図3(b)はサック室8をノズルボディ2の軸方向下側からみた図である。図3(b)に示すように、この従来例においては、サック室8に同心円状に3列の噴孔列6a、6b、6cを形成し、各噴孔列に噴孔6を複数個形成し、合計40個の噴孔6を有している。これにより、燃料噴射の際に燃焼室に燃料を可及的に均等化して供給するようにしている。
しかし、図3(a)に示すように、ニードル3がガイド孔4内をリフトして噴孔6に通じる燃料経路を開いた際には、燃料が図3(a)に破線で示した矢印より、実線で示した矢印のように流れやすくなる。これは、燃料の流れの慣性によって、破線で示した矢印のように流れ方向が大きく変化する流路はとりづらくなることに起因する。そうすると、サック室8の中央寄りの第1列6aの噴孔6からの噴射燃料が遠くまで噴射され、第2列6
b、第3列6cの噴孔6からの噴射燃料はあまり遠くまで噴射されないこととなり易い。その結果、内燃機関の燃焼室において均等に燃料を分布させることが困難になる場合があった。
そこで、本実施例においては、ノズルボディ2の先端付近の形状を以下に示すように変更することとした。
図4に、本実施例におけるサック室18の形状を示す。図4(a)は、サック室18付近の断面図である。図4(b)はサック室18をノズルボディ12の軸方向下側からみた図である。本実施例においてはサック室18は円柱状の円柱部18aと円錐状の円錐部18bとからなり、その先端形状は半球状でない。そして、サック室18の円錐部18bの内壁とサック室18の外壁とが平行であるように形成した。
ここで、図4(a)においてサック室18の円錐部18bの錐面と着座部17との間の角度θは90度に近い方がより円滑に燃料が噴孔6に流入され、より円滑に燃料が噴射される。逆にθが0度に近づくと燃料はサック室18内においてより大きく方向転換する必要が生じ、円滑に噴射されることが困難になる。また、θが0度に近づくと、サック室18の内壁に開口している複数の噴孔6同士で、噴孔6に流入するために必要な燃料の流れ方向の変更し易さが大きく異なるようになり、各噴孔6から均等に燃料噴射することがより困難となる。
従って、θが大きい程、各噴孔6から円滑且つ均等な燃料噴射が可能となることが分かるが、実験的、経験的にはθの値が10度以上であれば、各噴孔6から実用上問題ない程度に円滑且つ均等な燃料噴射が可能である。従って、本実施例においては、図4(a)においてサック室18の円錐部18bの錐面と着座部17との間の角度θが15度となるようにした。なお、上記より、本実施例における円滑噴射可能角度は10度である。また、本実施例において、サック室18の円錐部18bの錐面と着座部17との間の角度θは、複数の噴孔が開口する領域と着座部との間の角度に相当する。
このように、本実施例のノズルボディ12においては、まず、θが15度となるようにしたので、燃料噴射ノズル11が開弁した際に、着座部17に沿ってサック室18に流入してきた燃料が、特に第2列16b、第3列16cの噴孔列における噴孔16に流入する際に、流れ方向を大きく変化させる必要がなくなる。これにより、ニードル弁3が後退して開弁した際の燃料の流れがサック室18の中央寄りに集中しなくなり、第2列16b、第3列16cにおける噴孔16のように、円錐部18bの周辺側に位置する噴孔16からも良好に燃料を噴射することができる。
また、本実施例においては、サック室18の先端形状を円錐状としているために、第1列16aから第3列16cまでの全ての噴孔列において噴孔16の開口部と着座部17との間の角度を均等にすることができ、各噴孔16への燃料の流入し易さを均等にすることができる。その結果、3列の噴孔列16a、16b、16cから、より均等に燃料を噴射することができる。
次に、本実施例のサック室18における円柱部18aの高さHについて説明する。ここで、燃料噴射ノズル11が開弁した際に、着座部17に沿ってサック室18に流入した燃料は、前述のようにサック室18内において流れの方向を変化させる。そして、この燃料が流れながら、その流れ方向を円滑に変更するためには、ある程度の距離が必要である。
従って、円柱部18aの高さHがあまりに低いと、θを15度に設定しても例えば第3列16cの噴孔16に燃料を円滑に流入させることが困難になるおそれがある。従って、
この観点では円柱部18aの高さHは高いほうがよい。
一方、円柱部18aの高さHが高い場合には、燃料噴射ノズル11の閉弁後にサック室18に残留する燃料の量が多くなる。そうすると、燃焼室内の圧力の変化などの影響で、サック室18から噴孔6を通じて閉弁後に外部に漏れ出る燃料量が増加する。具体的には、例えば内燃機関の膨張行程において筒内圧が低下した際に燃料が燃料噴射ノズル11から漏れ出し、そのまま排出されてしまう場合がある。その結果、エミッションの悪化を引き起こすおそれがある。従って、燃料漏れ出しの観点では、円柱部18aの高さHは低い方がよい。
ここで、本実施例においては、θを15度に設定した条件で、着座部17に沿ってサック室18に流入した燃料が流れの方向を変化させ、第3列16cの噴孔16に燃料を円滑に流入させるために必要な最低の円柱部18aの高さH1を、円柱部18aの径の値の1/3とした。また、燃料噴射ノズル11の閉弁後にサック室18に残留する燃料の漏れ出しが問題とならない最大の円柱部18aの高さH2を、円柱部18aの径の値の2/3とした。すなわち、本実施例においては、燃料流安定高さを円柱部18aの径の値の1/3の高さ、漏洩燃料抑制高さを円柱部18aの径の値の2/3の高さと定義した。これらの値は予め実験的または経験的に求めたものである。
その上で、本実施例においては、燃料の円滑な噴射の観点と、燃料漏れ出し抑制の観点の両方を勘案して、円柱部18aの高さHは円柱部18aの径の値の1/2に設定した。
これにより、本実施例においては、着座部17に沿ってサック室18に流入した燃料が充分に流れの方向を変化させ、第3列16cの噴孔16に燃料を円滑に流入させることができ、且つ、燃料噴射ノズル11の閉弁後にサック室18に残留する燃料の漏れ出しを問題とならない量に低減することができる。その結果、燃焼室への均等な燃料噴射を可能としつつ、燃料の漏れ出しに起因するエミッションの悪化を抑制することができる。
上記のように、本実施例においては、円滑噴射可能角度を10度、燃料流安定高さを円柱部18aの径の値の1/3の高さ、漏洩燃料抑制高さを円柱部18aの径の値の2/3の高さと定義した。しかし、この値は一般的なノズルボディ及びニードルの構成に対して適当な値として実験的または経験的に求められたものであるので、ノズルボディ及びニードルの構成毎に適宜変更可能である。
次に、本発明における実施例2について説明する。実施例1においては、サック室が円錐状の先端形状を有する例について説明したが、実施例2においては、サック室の先端形状が円錐状とは異なる場合について説明する。
図5には、本実施例に係る燃料噴射ノズルのサック室付近の概略構成を示す。本実施例に係るサック室28には、先端に、ノズルボディ22の中心軸を含む平面で切った断面が楕円状である曲面部28aが設けられる。この曲面部28aには、実施例1と同様3列の同心円状の噴孔列が形成されており、図5には、それぞれの噴孔列26a、26b、26cを構成する噴孔26が表示されている。また、本実施例においても、曲面部28aにおける各噴孔26の開口部と、着座部27との間の角度θが10度以上であれば、各噴孔26a〜26cから実用上問題ない程度に円滑且つ均等な燃料噴射が可能であることが実験的に分かっている。従って、本実施例においても円滑噴射可能角度は10度である。
ここで、本実施例においては、サック室28の曲面部28aにおいて噴孔が開口している各部分と、着座部27との間の角度θがいずれも10度以上となるように曲面部28a
の曲面が設定されている。例えば図5中、第1列26aにおける噴孔26の開口部と着座部27との間の角度θ1が15度、第3列26cにおける噴孔26の開口部と着座部27との間の角度θ2が20度と設定される。そうすると、噴孔が開口する領域の全域において、噴孔の開口部と着座部27との間の角度を10度以上とすることができ、各噴孔26から円滑且つ均等な燃料噴射が可能となる。なお、図5中の曲面部28aにおいて、噴孔26が設けられた範囲は、本実施例における、複数の噴孔が開口する領域に相当する。従って、本実施例において、複数の噴孔が開口する領域と着座部との間の角度は15度〜20度の範囲ということになる。
内燃機関の燃料噴射ノズルの概略構成を示す図である。 内燃機関の燃料噴射ノズルの全体構成を示す図である。 従来の燃料噴射ノズルにおけるサック室付近の概略構成を示す図である。 本発明の実施例1における燃料噴射ノズルにおけるサック室付近の概略構成を示す図である。 本発明の実施例2における燃料噴射ノズルにおけるサック室付近の概略構成を示す図である。
符号の説明
1・・・燃料噴射ノズル
2・・・ノズルボディ
3・・・ニードル
4・・・ガイド孔
5・・・燃料通路
6、16、26・・・噴孔
6a、16a、26a・・・第1列
6b、16b、26b・・・第2列
6c、16c、26c・・・第3列
7、17、27・・・着座部
8、18、28・・・サック室
9・・・燃料溜室
10・・・当接部
18a・・・円柱部
18b・・・円錐部
28a・・・曲面部

Claims (9)

  1. 軸方向に設けられたガイド孔の先端に、略円錐状に孔径が細くなる着座部を有し、該着座部の頂部付近にサック室が設けられ、該サック室の内壁に、複数の噴孔が該サック室の中心側から周辺側の領域に分布して開口するノズルボディと、
    前記ガイド孔に往復動可能に挿入され、前記ガイド孔内を前進することによって略円錐状の先端部を前記着座部に当接させて前記噴孔に通じる燃料経路を遮断するとともに前記ガイド孔内を後退することによって前記先端部の前記着座部への当接を解除して前記噴孔に通じる燃料経路を開放するニードルと、を備え、前記ニードルを前進または後退させることによって開閉する燃料噴射ノズルであって、
    前記ノズルボディを、該ノズルボディの中心軸を含む平面で切った場合の断面において、前記複数の噴孔が開口する領域の前記中心軸に対する角度は、前記着座部の前記中心軸に対する角度より大きく、前記複数の噴孔が開口する領域と前記着座部との間の角度は、前記着座部に沿って前記サック室に流入した燃料が円滑に前記噴孔に流入可能となる所定の円滑噴射可能角度以上であることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 前記円滑噴射可能角度は略10度であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ノズル。
  3. 前記複数の噴孔が開口する領域と前記着座部との間の角度は10度〜20度の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射ノズル。
  4. 前記サック室は、該サック室の先端が略円錐状に前方に突出して形成された円錐部を有し、前記複数の噴孔が開口する領域は該円錐部の錐面に形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料噴射ノズル。
  5. 前記サック室は、前記円錐部と、該円錐部の前記ニードル側に円柱状に設けられた円柱部とからなり、前記円柱部の高さは、前記複数の噴孔に流入する燃料の流れ方向が安定する所定の燃料流安定高さ以上であることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射ノズル。
  6. 前記燃料流安定高さは、前記円柱部の径の値の略1/3の値であることを特徴とする請求項5に記載の燃料噴射ノズル。
  7. 前記サック室は、前記円錐部と、該円錐部の前記ニードル側に円柱状に設けられた円柱部とからなり、前記円柱部の高さは、ノズル閉弁後に前記サック室から漏れ出る燃料量を所定量以下にできる漏洩燃料抑制高さ以下であることを特徴とする請求項4に記載する燃料噴射ノズル。
  8. 前記漏洩燃料抑制高さは、前記円柱部の径の値の略2/3の値であることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射ノズル。
  9. 前記サック室は、前記円錐部と、該円錐部の前記ニードル側に円柱状に設けられた円柱部とからなり、前記円柱部の高さは、前記円柱部の径の値の略1/2の値であることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射ノズル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101380929B1 (ko) * 2012-06-13 2014-04-08 주식회사 삼양사 2층 구조의 멀티 홀 액적 토출 분사판을 포함하는 균일계 모노머 액적의 형성 장치
JP2016169739A (ja) * 2016-05-23 2016-09-23 株式会社デンソー 燃料噴射装置
CN107152362A (zh) * 2017-07-03 2017-09-12 浙江凯利智控科技有限公司 新式结构喷油器
WO2019171747A1 (ja) * 2018-03-08 2019-09-12 株式会社デンソー 燃料噴射弁および燃料噴射システム

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