JP2008057016A - 鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】流電陽極ユニットの取り付けが容易に行えるほか、流電陽極どうしや鉄筋との結線作業や配線作業の手間が省け、作業効率を大幅に改善することができる、鉄筋コンクリート構造物の防食構造を提供すること。
【解決手段】本発明の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造1は、流電陽極21及びバックフィル22を備えた複数の流電陽極ユニット2が鉄筋コンクリート構造物10のコンクリート11の表面にバックフィル22を接触させた状態で固定され、流電陽極2と鉄筋コンクリート構造物10内の鉄筋とが導通可能に接続される。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造に関する。
鉄筋コンクリート構造物においては、セメントのpHが12〜13と高く、鉄筋表面には不動態皮膜が形成されるために腐食は生じないと考えられていた。しかしながら、近年は大気汚染や海砂の使用によるコンクリートの中性化、あるいは飛来海塩粒子による鉄筋の腐食等が原因による鉄筋コンクリート構造物の劣化が大きな社会問題となっている。その対策として、電気防食、セメント・コンクリート材料の改良、鉄筋の防錆処理やコーティング等が行われてきたが、これまでの実績から電気防食が最も効果的な防食対策の一つとして挙げられる。
電気防食は、電流の供給方法により下記の二種類の方法に分類される。
(1)鉄筋に対して電気化学的に卑な電位を有する亜鉛、アルミニウムのような金属を流電陽極としてコンクリート面あるいは内部に取り付け、該金属と鉄筋との電位差を利用して鉄筋に防食電流を供給する流電陽極法。(2)直流電源装置を用いて、陰極側とした鉄筋にコンクリート面あるいは内部に取り付けた難溶性陽極から防食電流を供給する外部電源法。
これまで、鉄筋コンクリート構造物に対する流電陽極法としては、下記特許文献1に記載されているように、保護板、流電陽極板及びバックフィルから成る流電陽極ユニットを、鉄筋コンクリート構造物にアンカーボルトを用いて取り付ける工法が主として行われているが、外部電源法に比べると圧倒的に施工実績が少ない。それは主に次の二つの理由によると考えられている。
(1)アンカーボルトによる取付け
アンカーボルトを用いて流電陽極ユニットを鉄筋コンクリート構造物に取り付ける場合には、予めアンカーボルトに対応した下穴を設けなければならない。例えば、M8のアンカーボルトを用いる場合には、φ8.5×35mmの下穴を設ける必要がある。しかし、例えば、コンクリート橋桁の下側面に流電陽極ユニットを取付けるといった場合には、上を向きながらの削孔作業となるため、作業員にかかる疲労度は大きく、1日の作業時間に限界があった。
(2)流電陽極板同士及び鉄筋と短絡するためのリード線の配線処理
流電陽極板には鉄筋と短絡するためのリード線が取付けられている。各流電陽極板から出るリード線は流電陽極板同士の間を這わせながらジョイントボックスに集められ、鉄筋から出たリード線と結線される。これらのリード線の本数は非常に多くあるため、コンクリート面への固定作業や、電線被覆の劣化を防止するためのコーキング剤の充填作業などの配線処理に時間を要した。
特開平2−209494号公報
本発明は、流電陽極ユニットの取り付けが容易に行えるほか、流電陽極どうしや鉄筋との結線作業や配線作業の手間が省け、作業効率を大幅に改善することができる、鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造を提供することを目的とする。
本発明は、流電陽極及びバックフィルを備えた複数の流電陽極ユニットが鉄筋コンクリート構造物のコンクリートの表面に該バックフィルを接触させた状態で固定され、前記流電陽極と前記鉄筋コンクリート構造物内の鉄筋とが導通可能に接続される鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造であって、導電性を備えた複数の固定用基材が前記コンクリートの表面に所定間隔をおいて配されており、複数の前記流電陽極ユニットが、前記固定用基材どうしを跨ぐように配されて該固定用基材を介して前記コンクリートに固定されているとともに、前記流電陽極と前記鉄筋とが、前記固定用基材を介して導通可能に接続される鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造によれば、流電陽極ユニットの取り付けが容易に行えるほか、流電陽極どうしや鉄筋との結線作業や配線作業の手間が省け、作業効率を大幅に改善することができる。
以下、本発明を、その好ましい実施の形態に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造(以下単に電気防食構造ともいう。)の一実施形態を模式的に示したものである。これらの図において、符号1は電気防食構造を示している。
図1に示したように、本実施形態の電気防食構造1は、8個(4個×2段)の流電陽極ユニット2が後述する3本の固定用基材3を介して鉄筋コンクリート構造物10のコンクリート11の表面に並べて固定されており、流電陽極ユニット2の流電陽極21(図2参照)と鉄筋コンクリート構造物10内の鉄筋(図示せず)とが導通可能に接続される。
図2に示したように、流電陽極ユニット2は、板状の流電陽極21と、バックフィル22と、保護カバー23とを備えている。バックフィル22は流電陽極21の内面側に配されており、保護カバー23は流電陽極21の外面側に配されている。また、流電陽極21の内側には、バックフィル22の周りを囲むようにバックフィルの流出防止材24が配されている。流電陽極21、保護カバー23の四隅には後述する固定用具(第1の固定用具)4に対応した挿通孔がそれぞれ設けられている。
流電陽極21には、アルミニウム系、亜鉛系、マグネシウム系等の鉄筋よりも低電位を示し、犠牲陽極として作用する電極を採用することができるが、質量、強度、価格の点からアルミニウム系の電極が好ましい。流電陽極の厚みは、1〜10mmが好ましく、この範囲内において、防食期間に応じて設定される。腐食環境が厳しく、より耐食性が求められる場合には、流電陽極の外表面に塗装、メッキ、アルマイト化等の耐食処理を施したり、防水シートを貼り合わせることが好ましい。
バックフィル22には、従来からこの種の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造に利用されているベントナイト系等のバックフィルを用いることができるが、後述する金属塩化物塩及び水溶性高分子を含んでいるバックフィルを用いることがより好ましい。
保護カバー23は、流電陽極21の強度補強、雨水などによる腐食防止、バックフィル22をコンクリート11の表面に一様に接触させる目的で用いられる。保護カバー23には、質量、耐食性、耐衝撃性、経済性の点からプラスチックス、特に、ガラス繊維等で補強した繊維強化プラスチックス(FRP)が好ましい。
バックフィルの流出防止材24は、流電陽極ユニット2の内側にバックフィル22の周りを囲むように設けているため、流電陽極ユニット2の取り付け時、取り付け後において、バックフィル22が流電陽極21とコンクリート11の間に保持され外部への流出を防止できる。流出防止材24には、柔軟性、止水性及び耐久性の点からポリウレタン系、ポリエチレン系の発泡体あるいはゴム系の材料からなるものが好ましい。
本実施形態の電気防食構造1では、導電性を備えた3本の固定用基材3が、所定間隔をおいて水平にコンクリート11の表面に固定用具(第2の固定用具)5で固定されている。本実施形態では、固定用基材3は、コンクリート11との間に空間を形成する凹部30を有する鋼材が用いられている。各固定用基材3には、固定用具5が挿通される挿通孔(図示せず)が設けられている。
本実施形態の電気防食構造1では、流電陽極ユニット2が3本の固定用基材3の列どうしを跨ぐように並べて配され、2本の固定用基材3どうしを跨ぐように流電陽極ユニット2が並べて配され、それぞれの四隅において固定用具4で固定用基材3に固定されている。これにより、各流電陽極ユニット2は、固定用基材3を介してコンクリート11に固定される。このとき、バックフィル22は、コンクリート11の表面に接触した状態となる。また、各流電陽極22は、固定用基材3との間で導通が確保される。
固定用具4、5には、リベット、ネジ等を用いることができるが、施工のしやすさ等を考慮すると、リベットが好ましい。リベットの材質としては、炭素鋼やステンレス鋼の鋼系、アルミニウム系、チタン系のものが挙げられるが、耐食性や強度の点からチタン系のリベットが好ましい。固定用基材3の固定用具5としてリベット又はネジを用いる場合には、コンクリート11に、当該リベットに対応した下穴を設けたり、当該ネジに対応したネジ穴を有するプラグをはめ込んでおくことが好ましい。
各固定用基材3には、リード線6が結線されており、これらのリード線6はジョイントボックス7に結線され、ジョイントボックス7からのリード線8が前記鉄筋に取り付けられたリード線(図示せず)に結線される。これにより、各流電陽極ユニット2の流電陽極21と前記鉄筋とが各固定用基材3を介して接続され、電気防食回路が形成される。
次に、本発明の電気防食構造に好ましく用いられるバックフィルについて説明する。本発明の電気防食構造に用いられるバックフィルは、金属塩化物塩及び水溶性高分子を含んでいる。
前記金属塩化物塩は、抵抗率を減少させ、陽極の表面を活性な状態にして低電位を維持させる効果があるだけでなく、吸湿性も有している。このような作用のある金属塩化物塩としては、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウムなどが挙げられる。金属塩化物塩は、これらの中から1種又は2種以上を選択して使用することができるが、その中でも低電位化の効果が高い点から塩化マグネシウムが好ましい。金属塩化物塩以外にも硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ナトリウムなどの金属硫酸塩、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸リチウムなどの金属硝酸塩も単独又は混合(金属塩化物塩への添加も含む)したものでも同様の作用が得られるが、陽極電位の長期安定性やコストの面から金属塩化物塩の使用が最も適している。
前記バックフィルにおいて、前記金属塩化物塩の電解液の濃度は、陽極電位が低電位となるように設定される。金属塩化物塩は、水溶液濃度で0.1〜36質量%添加することが好ましい。金属塩化物塩の添加量が多いと陽極電位は低電位となり、少ないと高電位となる。
前記水溶性高分子は、電解質水溶液をゲル化させる作用があり、前記金属塩化物塩の電解質水溶液を陽極の表面に固定化し、周囲の環境(土壌やコンクリートなど)へ逸脱させないようにするのに用いられる。斯かる水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール(以下、PVAと記す。)、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、ゼラチン、ポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアミン、ポリビニルピロリドンがある。これらの中から1種又は2種以上を選択して使用することができるが、ゲル化作業が容易である点やコストの点からPVAが最も適している。
前記バックフィルにおいては、前記金属塩化物塩100質量部に対し、前記水溶性高分子を2.8〜17000質量部含んでいることが好ましい。水溶性高分子の添加量が多いとゲルが硬くなりすぎ流動性が低下する、少ないとゲル化しないため、水分が陽極周辺に容易に散逸してしまう。金属塩化物塩として塩化マグネシウム、水溶性高分子としてPVAを選択した場合には、塩化マグネシウム100質量部に対し、PVAを5.6〜13000質量部含んでいることが好ましい。
前記バックフィルには、多価アルコールを含ませることが好ましい。陽極電位を長期的に安定させ、低接地抵抗を維持するためには、バックフィル外への水分の逸脱を抑制する必要がある。多価アルコールは、水分を保持する作用に加え、バックフィルに弾力性も付与するので好ましい。多価アルコールを含ませたときのバックフィルの抵抗率は、電気防食システムの耐用年数や設置場所の気温変化に応じて設定されるが、長期の陽極電位の安定性を考慮すると、40〜560Ω・cmが好ましく、40〜350Ω・cmがより好ましい。
前記バックフィルに用いられる多価アルコールとしては、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレンアルコール等が挙げられる。多価アルコールは、これらの中から1種又は2種以上を選択して使用することができるが、長期保水性の面でグリセリンが最も適している。バックフィルの弾力性をさらに上げる必要がある場合には、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の公知の充填剤を添加すると効果が得られる。
前記バックフィルにおいては、前記金属塩化物塩及び前記水溶性高分子の合計100質量部に対し、前記多価アルコールを4〜590質量部含んでいることが好ましい。多価アルコールの含有量が多いとバックフィルの弾力性が増加する反面で抵抗率は増加し、少ないと抵抗率は減少するがやわらかくなる。金属塩化物塩として塩化マグネシウム、水溶性高分子にとしてPVA、多価アルコールとしてグリセリンを選択した場合には、塩化マグネシウム及びPVAの合計100質量部に対し、グリセリンを11〜490質量部含んでいることが好ましい。
前記バックフィルには、架橋化剤を含ませることが好ましい。架橋化剤を含むバックフィルをゲル化させることによって、その強度を高めることができる。よって、バックフィルを土壌に埋設したときや、コンクリート面に設置したときに、周囲の土壌やコンクリート構造物の伸縮によって外力を受けた場合でも一定の保形性が維持される。架橋化剤を含ませてゲル化したときのバックフィルの強度は、気温、設置対象部位(壁面、天井面、土壌内など)や設置面の凹凸状況に応じて設定されるが、取り付けの作業性やコスト等を考慮すると、3.4×10-6〜4.5×10-6Paが好ましく、3.9×10-6〜4.3×10-6Paがより好ましい。ここで、バックフィルの強度は、架橋化剤を含ませてゲル化したバックフィルをダンベルカッター(JIS K6251−1)を用いて切り出し、試験片とし、0.7mm/minの速度で一軸延伸したときに得られる応力-ひずみ曲線の初期勾配より求められるヤング率で評価される。
前記バックフィルに用いられる架橋化剤としては、ホウ砂、ホウ酸、テトラエチルオルトチタネート、オルトリン酸、硫酸カリウムアルミニウム等が挙げられる。これらの中でも安価で入手可能であるホウ砂が好ましい。なお、ホウ砂が強度を上昇させるメカニズムとしては、電離して生じる正四面体構造のB(OH)4 -がPVAの水酸基と水素結合して3次元構造をとるためと考えられている。
前記バックフィルにおいては、前記金属塩化物塩及び前記水溶性高分子の合計100質量部に対し、架橋化剤を0.07〜19.6質量部含んでいることが好ましい。架橋化剤の含有量が多すぎると、バックフィルは短時間で強度が増加するものの硬くなり過ぎ、少なすぎると架橋が生じず、強度の増加は見られない。金属塩化物塩として塩化マグネシウム、水溶性高分子としてPVA、架橋化剤としてホウ砂を選択した場合には、塩化マグネシウム及びPVAの合計100質量部に対し、ホウ砂を0.11〜19.6質量部含んでいることが好ましい。また、金属塩化物塩として塩化マグネシウム、水溶性高分子としてPVA、多価アルコールとしてグリセリン、架橋化剤としてホウ砂を選択した場合には、塩化マグネシウム、PVA及びグリセリンの合計100質量部に対し、ホウ砂を0.07〜14.1質量部含んでいることが好ましい。
前記バックフィルは、前述の電解液の濃度に応じて、含水率が設定される。好ましい含水率は、28〜95質量%であり、より好ましくは35〜81質量%である。
次に、前記バックフィルの製造方法について説明する。
先ず、前記金属塩化物塩の電解液を調製する。電解液の溶媒には水が用いられる。
電解液を調製する際には、溶媒を加熱して金属塩化物塩を完全に溶解させることが好ましい。金属塩化物塩として塩化マグネシウム、溶媒に水を選択する場合には、水を80〜95℃に加熱した状態で塩化マグネシウムを溶解させることが好ましい。
次に、調製した前記金属塩化物塩の電解液に前記水溶性高分子を添加する。水溶性高分子を電解液に添加する際には、溶解時間の短縮と水溶性高分子の溶け残りを防止する点から、電解液を加熱した状態を維持して添加すること好ましい。
前記多価アルコール又は/及び前記架橋化剤を含ませる場合には、前記水溶性高分子が完全に溶解した後に含ませることが好ましい。
次に、前記多価アルコール又は/及び前記架橋化剤が溶解した後、温度を下げてゲル化させて所望の強度を有するバックフィルを得る。
このようにして得られたバックフィルは、水溶性高分子によって所望の抵抗率を有し、水分が長期に亘って保持され且つ流動性にも優れているため、高抵抗環境下においても長期間に亘って電気防食が行える。また、軽量であり、所望の流動性に加え、多価アルコールや架橋化剤の添加によって所望の弾力性や強度を付与できるので、施工性にも優れている。
本実施形態の電気防食構造1は、コンクリート11の表面に固定用基材3をリベット等の固定用具5で固定し、各固定用基材3どうしを跨ぐように流電陽極ユニット2をリベット等の固定用具4で並べて固定すれば良く、流電陽極ユニット2の取り付けが容易に行える。また、固定用基材3に各流電陽極ユニットを固定するだけで、各流電陽極ユニット2の流電陽極21間の導通が確保されるため、従来のような多くのリード線の結線や配線作業が不要であり、作業効率を大幅に改善することができる。また、流電陽極ユニット2を予め組み立てておけるので、現場での作業効率をさらに高めることができる。
図3は、本発明の電気防食構造の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の電気防食構造1’は、流電陽極ユニットの固定方法が第1実施形態と異なる以外は、第1実施形態の電気防食構造と同様の構成であるので、以下ではそれらの異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については、同一の符号を付してその説明は省略する。よって。特に説明のない点は第1実施形態における説明が適宜適用される。
第2実施形態の電気防食構造1’は、各流電陽極ユニット2が固定用基材3とともにコンクリート11に固定用具4で固定されている。すなわち、固定用基材3も固定用具4で固定されている。本実施形態では、固定用基材3の固定と流電陽極ユニット2の固定を同時に行えるので、第1実施形態の電気防食構造1よりコンクリート11の表面に更に強く固定することができる。
図4は、本発明の電気防食構造の第3実施形態を示したものである。第3実施形態の電気防食構造1”は、流電陽極ユニットの固定用基材が第2実施形態と異なる以外は、第2実施形態の電気防食構造と同様の構成であるので、以下ではそれらの異なる部分についてのみ説明し、共通する部分については、同一の符号を付してその説明は省略する。よって、特に説明のない点は第1、第2実施形態における説明が適宜適用される。
第3実施形態の電気防食構造1”は、固定用基材3’が導電部31と絶縁部32とを有する複合材からなる。導電部31は、導電性が確保できればその材質に特に制限はないが、機械的強度、電気伝導度、耐久性、コスト等の点からアルミニウム、鋼が好ましい。また、絶縁部32は、絶縁性が確保できればその材質に特に制限はないが、高い弾力性を有するものが好ましく、例えば、ポリウレタン系、ポリエチレン系の発泡体からなるものが好ましい。固定用基材3’には、予め固定用具4の挿通孔が設けられていることが好ましい。固定用基材3’としてこのような導電部及び絶縁部を有する複合材を用いることで、鋼材に比べて軽量化を図ることができ、さらに固定用基材の作成は曲げ加工が不要で安価に作製することができる。
本発明は、前記各実施形態に制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
前記実施形態では、板状のコンクリート構造物を適用の対象として説明をしたが、本発明の防食の適用の対象となる鉄筋コンクリート構造物(鉄骨・鉄筋コンクリートを含む)は、その形態に特に制限はなく、建築、土木分野において構築される鉄筋コンクリート構造物に広く適用される。
また、上記実施形態のように、流電陽極ユニットには、保護カバー23や流出防止材24を備えているものを用いることが好ましいが、電気防食の対象となる鉄筋コンクリート構造物の構築されている環境に応じてこれらを省略することもできる。
本発明の電気防食構造の第1実施形態を模式的に示す平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 本発明の電気防食構造の第2実施形態を模式的に示す断面図(図2相当図)である。 本発明の電気防食構造の第3実施形態を模式的に示す断面図(図2相当図)である。
符号の説明
1、1’、1” 電気防食構造
2 流電陽極ユニット
21 流電陽極
22 バックフィル
23 保護カバー
3、3’ 固定用基材
30 凹部
31 導電部
32 絶縁部
4 第1の固定用具
5 第2の固定用具

Claims (7)

  1. 流電陽極及びバックフィルを備えた複数の流電陽極ユニットが鉄筋コンクリート構造物のコンクリートの表面に該バックフィルを接触させた状態で固定され、前記流電陽極と前記鉄筋コンクリート構造物内の鉄筋とが導通可能に接続される鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造であって、
    導電性を備えた複数の固定用基材が前記コンクリートの表面に所定間隔をおいて配されており、
    複数の前記流電陽極ユニットが、前記固定用基材どうしを跨ぐように配されて該固定用基材を介して前記コンクリートに固定されているとともに、前記流電陽極と前記鉄筋とが、前記固定用基材を介して導通可能に接続される鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  2. 前記各流電陽極ユニットが第1の固定用具で前記固定用基材に固定され、該固定用基材が第2の固定用具で前記コンクリートに固定されている請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  3. 前記各流電陽極ユニットが前記固定用基材とともに固定用具で前記コンクリートに固定されている請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  4. 前記固定用具がリベットである請求項2又は3に記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  5. 前記固定用基材が、鋼材からなり前記コンクリートとの間に空間を形成する凹部を有している請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  6. 前記固定用基材が導電部と絶縁部とを有する複合材からなる請求項1〜4の何れかに記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
  7. 前記流電陽極ユニットが前記流電陽極の外側に保護層を備えている請求項1〜6の何れかに記載の鉄筋コンクリート構造物の電気防食構造。
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