JP2008056734A - 生分解性粘着シート - Google Patents

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正 内藤
Yoshiko Kitamura
佳子 北村
Shigeru Aoki
茂 青木
Shuji Koda
修二 甲田
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Abstract

【課題】易接着処理を要することなく、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力に優れた生分解性粘着シートを提供する。
【解決手段】ポリ乳酸基材上に粘着層を有する生分解性粘着シートにおいて、前記粘着層は、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物から形成され、かつ前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに前記基材上に形成されてなるように構成する。好ましくは、前記イソシアネート系化合物が、前記粘着層の全固形分中1.5〜15重量%含まれるように構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は生分解性を有する粘着シートに関する。
プラスチック製品の多くは使用後すぐに破棄されることが多い。そして、廃棄手段として埋め立て処理されることが多いが、ほとんど分解せず残留し、埋立地の寿命を短くするなどの問題を起こしている。したがって、土壌中で分解し、かつ安全である生分解性を有するプラスチックが望まれている。
その一例としてポリ乳酸がある。ポリ乳酸は、土中・水中で自然に加水分解が進行し、次いで微生物により無害な分解物となるものである。
ポリ乳酸に代表される生分解性プラスチックは様々な用途で使用されている。例えば、生分解性プラスチックフィルムからなる基材に粘着層を設け、生分解性を有する粘着シートとして用いられている(特許文献1)。
特開平8−272295号公報(特許請求の範囲)
しかし、ポリ乳酸基材に粘着層を形成した場合、被着体から粘着シートを剥がす際に粘着層が被着体に残存してしまうという問題があった。この現象は、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力が弱いためと考えられる。
この問題を解決するため、ポリ乳酸基材に易接着処理を施すことが考えられる。易接着処理としては易接着層の形成があげられるが、粘着シート全体に生分解性を付与するためには易接着層にも生分解性を持たせる必要があるという問題があり、さらに易接着処理という工程が一つ増えるため作業上好ましくない。
そこで、本発明は、易接着処理を要することなく、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力に優れた生分解性粘着シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の生分解性粘着シートは、ポリ乳酸基材上に粘着層を有する生分解性粘着シートにおいて、前記粘着層は、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物から形成され、かつ前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに前記基材上に積層されてなることを特徴とするものである。
また、本発明の生分解性粘着シートは、前記イソシアネート系化合物は、前記粘着層の全固形分中1.5〜15重量%含まれることを特徴とするものである。
また、本発明の生分解性粘着シートは、前記イソシアネート系化合物が、トリマー型トリレンジイソシアネートであることを特徴とするものである。
本発明の生分解性粘着シートは、ポリ乳酸基材上に、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物からなる粘着層を、イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに積層していることから、ポリ乳酸基材の水酸基とイソシアネート系化合物のイソシアネート基との間で反応を起こし、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力を強くすることができる。これにより、被着体から粘着シートを剥がす際に粘着層が被着体に残存することを防止することができる。
本発明の生分解性粘着シートは、ポリ乳酸基材上に粘着層を有する生分解性粘着シートにおいて、前記粘着層は、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物から形成され、かつ前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに前記基材上に積層されてなることを特徴とするものである。以下、本発明の生分解性粘着シートの実施の形態について説明する。
ポリ乳酸基材は、主としてポリ乳酸系重合体から構成される。ポリ乳酸系重合体は、乳酸を主成分とするモノマーを縮重合してなる重合体である。乳酸には、2種類の光学異性体のL−乳酸およびD−乳酸があり、これら2種の構造単位の割合で結晶性が異なる。例えば、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ80:20〜20:80のランダム共重合体では結晶性がなく、ガラス転移点60℃付近で軟化する透明完非結晶性ポリマーとなる。一方、L−乳酸とD−乳酸の割合がおおよそ100:0〜80:20、又は20:80〜0:100のランダム共重合体は、結晶性を有する。その結晶化度は、上記のL−乳酸とD−乳酸の割合によって定まるが、この共重合体のガラス転移点は、上記と同様に60℃程度のポリマーである。このポリマーは、溶融押出した後、ただちに急冷することで透明性の優れた非晶性の材料になり、ゆっくり冷却することにより、結晶性の材料となる。例えば、L−乳酸のみ、また、D−乳酸のみからなる単独重合体は、180℃以上の融点を有する半結晶性ポリマーである。
ポリ乳酸基材は、生分解性粘着シートの支持体となることから、ポリ乳酸系重合体は結晶性を有することが好ましい。
また、ポリ乳酸基材を結晶化度の異なる2以上の層から構成してもよい。具体的には、結晶性を有するポリ乳酸系重合体により第1層を形成し、第1層を構成するポリ乳酸系重合体より結晶性の少ないポリ乳酸系重合体、あるいは結晶性を有さないポリ乳酸系重合体により第2層を形成する。第2層は最外層に配置し、粘着層と接するように使用することが好ましい。第1層は最外層であってもよいし、第2層に挟まれるように配置されていてもよいし、第2層とその他のポリ乳酸系重合体(第3層)に挟まれていてもよい。
ポリ乳酸基材の結晶性が高くなると、粘着層との接着力が低下する傾向にある。したがって、2層構造とすることにより、第1層は支持体としての役割を果たし、第2層は粘着層との接着力を十分にする役割を果たすことができる。また、結晶性の少ない(あるいは結晶性のない)第2層は印刷適性が良好である。したがって、第1層の両面に第2層を形成することにより、粘着層との接着力を良好にするとともに、粘着層を形成していない面には良好な印刷適性を付与することができる。
第1層を構成する結晶性ポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有割合(以下「Da」と称する。)(%)と、第2層を構成するポリ乳酸系重合体のD−乳酸の含有割合(以下「Db」と称する。)(%)とは、Da≦7 かつ Db−Da>3の関係を有するのが好ましい。
すなわち、第1層は支持層となるので、この第1層を構成する結晶性ポリ乳酸系重合体中のD−乳酸の割合(Da)は、7%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。7%を上回ると支持層としての結晶化度が低く、耐熱性が得られず加熱されると収縮変形しやすい。また、第2層は粘着層が形成されるので、この第2層を構成するポリ乳酸系重合体中のD−乳酸の割合(Db)は、Daよりも3%高いことが好ましい。この差を3%以上とすることにより、粘着層との接着力を十分にすることができる。
なお、第1層を構成する結晶性ポリ乳酸系重合体、及び第2層を構成するポリ乳酸系重合体は、異なる2種類以上のポリ乳酸系重合体の混合体であってもよい。この場合、D−乳酸の割合Da及びDbはそれぞれ2種類以上のポリ乳酸系重合体を構成するD−乳酸の配合割合から算出される平均値となる。
ポリ乳酸系重合体からなる2以上の層の積層方法としては、通常に用いられる方法を採用することができる。例えば複数の押出機からフィードブロック式あるいはマルチマニホールド式にひとつの口金に連結するいわゆる共押出をする方法、巻き出した混合フィルムの表面上に別種のフィルムをロールやプレス板を用いて加熱圧着する方法がある。
ポリ乳酸系重合体は、主としてD−乳酸単位とL−乳酸単位との重合体であるが、共重合成分として他のヒドロキシカルボン酸単位を少量含んでもよく、また少量の鎖延長剤残基を含んでもよい。
重合法としては、縮重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮重合法では、L−乳酸又はD−乳酸あるいはこれらの混合物を直接脱水縮重合して、任意の組成を持ったポリ乳酸を得ることができる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、選ばれた触媒を使用してポリ乳酸を得ることができる。
ポリ乳酸に共重合される上記の他のヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
また、必要に応じ、少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールや、乳酸及び/又は乳酸以外のヒドロキシカルボン酸を用いてもよい。
ポリ乳酸系重合体の重量平均分子量の好ましい範囲としては6万〜70万であり、より好ましくは8万〜40万、特に好ましくは10万〜30万である。分子量が小さすぎると機械物性や耐熱性等の実用物性がほとんど発現されず、大きすぎると溶融粘度が高すぎ成形加工性に劣る。
また、ポリ乳酸基材は二軸延伸処理されていることが好ましい。2軸延伸の方法としては、Tダイ、Iダイ、丸ダイ等から押し出ししたシート状物又は円筒状物を冷却キャストロールや水、圧空等により急冷し非結晶に近い状態で固化させた後、ロール法、テンター法、チューブラー法等により2軸に延伸する方法が挙げられる。
ポリ乳酸基材の厚みは、10〜100μmであることが好ましく、15〜80μmであることがより好ましい。その中でも第2層の厚みは、2μm以上とすることが好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。
粘着層は、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物から形成され、かつイソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちにポリ乳酸基材上に積層される。このように形成された粘着層は、形成過程においてポリ乳酸基材の水酸基とイソシアネート系化合物のイソシアネート基との間で反応が起こり、ポリ乳酸基材との接着力を強くできる。これにより、被着体から粘着シートを剥がす際に粘着層が被着体に残存することを防止することができる。
ポリエステル系粘着剤はゴム系粘着剤などの他の粘着剤に比べてポリ乳酸基材に対する接着力が良好である。また、ポリエステル系粘着剤は、ゴム系粘着剤などに比べて経時的(特に紫外線照射後)に接着力の上昇を起こしにくい。ポリエステル系粘着剤は公知の粘着剤を用いることができる。これらポリエステル系粘着剤の中でも、生分解性ポリエステル系粘着剤を用いることが好ましい。生分解性ポリエステル系粘着剤としては、特開平11−21533号のような下記式(1)で示される繰り返し単位を有するものがあげられる。
Figure 2008056734
(式中、aおよびbは、それぞれ0〜6の整数であり、a+bは1〜12の整数であり、cは4〜12の整数であり、mは数平均分子量2,000〜50,000に相当する重合度を表す)
ポリエステル系粘着剤は、適度な接着力を得るため、粘着層の全固形分中の65〜98.5重量%含まれることが好ましい。
イソシアネート系化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートなどのトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの1種又は2種以上のイソシアネートモノマーを使用することが可能である。これらモノマーの中でも、経時的に接着力の上昇を起こしにくく、貼り合わせ直後のみならず経時的にも被着体へののり残りを起こしにくくできるトリレンジイソシアネートが好ましい。
また、これらのイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマータイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を用いてもよい。本発明では、経時的に接着力の上昇を起こしにくく、貼り合わせ直後のみならず経時的にも被着体へののり残りを起こしにくくできるトリマータイプを用いることが好ましい。
イソシアネート系化合物は、粘着層の全固形分中1.5〜15重量%含まれることが好ましく、3〜10重量%含まれることがさらに好ましい。イソシアネート系化合物はポリ乳酸基材の水酸基より先にポリエステル系粘着剤の水酸基と反応を起こすが、当該割合を1.5重量%以上とすることにより、ポリ乳酸基材とイソシアネート系化合物とを十分に反応させることができる。これにより、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力を良好にし、のり残りを防止することができる。また、当該割合を15重量%以下とすることにより、接着力の低下を防止できる。
粘着層には、ポリエステル系粘着剤、イソシアネート系化合物の他、他の樹脂成分や、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、安定剤、防カビ剤、着色剤、消泡剤、接着性改良剤などの添加剤を含んでいてもよい。
粘着層は、ポリエステル系粘着剤、イソシアネート系化合物、希釈溶剤、その他添加剤などからなる粘着層塗布液を、イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに、バーコーティング法などの公知の塗工法によってポリ乳酸基材上に塗布し、乾燥することにより、形成することができる。乾燥条件は50〜100℃で1〜10分程度である。
イソシアネート系化合物のイソシアネート基とポリエステル系粘着剤の水酸基とは、常温でも反応が進行することから、イソシアネート系化合物のイソシアネート基を残存させるため、粘着層塗布液のイソシアネート系化合物は、塗工直前に混合することが好ましい。
粘着層上には取扱性を向上させるためセパレータを設けることが好ましい。セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、フッ素系樹脂などからなる各種の合成樹脂フィルムに離型処理を施したものなどを使用することができる。また、生分解性という観点からは、セパレータも生分解性を有することが好ましい。生分解性を有するセパレータとしては、上述したポリ乳酸基材があげられる。セパレータの厚みは15〜300μm程度である。
また、ポリ乳酸基材は比較的熱に弱い。したがって、本発明の生分解性粘着シートを作製する場合、一旦耐熱性が良好な剥離性を有する基材に粘着層を形成しておき、当該粘着層のイソシアネート基が残存しているうちに当該粘着層にポリ乳酸基材をラミネートする手段を採用してもよい。なお、ポリ乳酸基材は粘着層の形成直後にラミネートすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
1.ポリ乳酸基材の作製
L−乳酸:D−乳酸=80:20の構造単位を持ちガラス転移点(Tg)52℃のポリ乳酸80%と、L−乳酸:D−乳酸=95:5の構造単位を持ちガラス転移点(Tg)56℃のポリ乳酸20%とを混合して合計100部としたポリ乳酸(Db=17%)に、乾燥した平均粒径1.4μmの粒状シリカを0.1部混合して25mmφの同方向二軸押出機にて、220℃でマルチマニホールド式の口金より表裏層(第2層)として押出した。
また、L−乳酸:D−乳酸=99.5:0.5(Da=0.5%)の構造単位を持ちガラス転移点(Tg)58℃のポリ乳酸重合体を40mmφ単軸押出機にて、上記口金より中間層(第1層)として押出した。
表層(第2層)、中間層(第1層)、裏層(第2層)の厚み比が1:10:1になるよう溶融樹脂の吐出量を調整した。この共押出シートを約43℃のキャスティングロールにて急冷し、未延伸シートを得た。続いて長手方向に76℃で2.6倍のロール延伸、次いで、幅方向にテンターで72℃の温度で3.2倍に延伸した。テンターでの熱処理ゾーンの温度は130℃にし、熱処理したポリ乳酸基材aを作製した。フィルム厚みはおおよそ平均で30μmとなるように押出機からの溶融樹脂の吐出量とライン速度を調整した。
2.生分解性粘着シートの作製
[実施例1]
ポリ乳酸基材aの一方の面に、下記の粘着層塗布液を、イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに、塗布し、乾燥して厚み8μmの粘着層を積層した。次いで、粘着層上に、ポリ乳酸系重合体からなる樹脂フィルム(エコロージュSC203:三菱樹脂社)にシリコーン系離型剤で離型処理を施したセパレータを貼り合わせ、実施例1の生分解性粘着シートを得た。
<粘着層塗布液>
・生分解性ポリエステル系粘着剤 60部
(OLY-5221:昭和高分子社)
(固形分25%)
・イソシアネート系化合物 2.5部
(コロネート2030:日本ポリウレタン工業社)
(トリマー型トリレンジイソシアネート)
(固形分50%)
・希釈溶剤 40部
[実施例2]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(コロネート2233:日本ポリウレタン工業社、トリマー型トリレンジイソシアネート、固形分50%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2の生分解性粘着シートを得た。
[実施例3]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物の添加量を、3.5部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3の生分解性粘着シートを得た。
[実施例4]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物の添加量を、1.0部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例4の生分解性粘着シートを得た。
[実施例5]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物の添加量を、5.4部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例5の生分解性粘着シートを得た。
[実施例6]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物の添加量を、0.3部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例6の生分解性粘着シートを得た。
[実施例7]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(コロネートL:日本ポリウレタン工業社、アダクト型トリレンジイソシアネート、固形分75%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例7の生分解性粘着シートを得た。
[実施例8]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(コロネートHL:日本ポリウレタン工業社、アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分75%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例8の生分解性粘着シートを得た。
[実施例9]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(タケネートD165N:三井化学ポリウレタン社、ビューレット型ヘキサメチレンジイソシアネート、固形分100%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例9の生分解性粘着シートを得た。
[実施例10]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(タケネートD110N:三井化学ポリウレタン社、アダクト型キシレンジイソシアネート、固形分75%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例10の生分解性粘着シートを得た。
[実施例11]
実施例1の粘着層塗布液のイソシアネート系化合物を、イソシアネート系化合物(タケネートD251N:三井化学ポリウレタン社、トリマー型トリレンジイソシアネートとトリマー型ヘキサメチレンジイソシアネートとの混合、固形分60%)に変更した以外は実施例1と同様にして実施例11の生分解性粘着シートを得た。
[比較例1]
実施例1の粘着層塗布液からイソシアネート系化合物を除いた以外は実施例1と同様にして比較例1の生分解性粘着シートを得た。
[比較例2]
ポリ乳酸基材上に天然ゴム系粘着剤からなる粘着層を有する生分解性粘着シート(市販品)を、比較例2の生分解性粘着シートとした。
なお、粘着層塗布液にイソシアネート系化合物を含む実施例1〜11については、塗工直前に粘着層塗布液にイソシアネート系化合物を添加した。
実施例1〜11および比較例1〜2で得た生分解性粘着シートについて以下の項目の評価を行った。結果を表1に示す。
3.評価
(1)のり残り
実施例1〜11および比較例1〜2で得た生分解性粘着シートをガラスに貼り合わせ、剥がす際ののり残りを目視で評価した。その結果、のり残りが認められず粘着層表面も荒れていないものを「○」、のり残りが認められないが粘着層表面がわずかに荒れているものを「△」、のり残りが認められたものを「×」とした。なお、粘着シートを剥がすまでの時間は、「貼り合わせ直後」、「室温1週間経過後」、「60℃、90%RHで250時間経過後」および「紫外線照射後(照射量:1440J/cm2)」の4つの時点で行った。
(2)接着力
実施例1〜11および比較例1〜2で得た生分解性粘着シートをガラスに貼り合わせ、直後に剥離する際の接着力を測定した(単位はN/25mm)。また、貼り合わせてから、「室温1週間経過後」、「60℃、90%RHで250時間経過後」および「紫外線照射後(照射量:1440J/cm2)」に剥がした際の接着力を測定し、接着力の上昇が2倍未満であったものを「◎」、2倍以上5倍未満であったものを「○」、5倍以上であったものを「△」とした。なお、剥離する際に粘着層が凝集破壊してしまい接着力の測定が不可能なものについては「−」とした。
Figure 2008056734
実施例1〜11の生分解性粘着シートは、イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに、粘着層をポリ乳酸基材上に積層したものである。したがって、比較例の生分解性粘着シートに比べ、のり残りと接着力の評価が良好であった。
実施例1〜4の生分解性粘着シートは、イソシアネート系化合物としてトリマー型トリレンジイソシアネートを適量用いているものである。したがって、高温高湿(60℃、90%RHで250時間)の過酷な環境に置いた後であってものり残りを起こさず、経時的な接着力の上昇も抑えられるものであった。
実施例5の生分解性粘着シートは、イソシアネート系化合物としてトリマー型トリレンジイソシアネートを用いているが、イソシアネート系化合物の量が多いものである。実施例1〜4に比べて接着力が若干低くなるが、その他の結果は良好であった。
実施例6の生分解性粘着シートは、イソシアネート系化合物としてトリマー型トリレンジイソシアネートを用いているが、イソシアネート系化合物の量が少ないものである。実施例1〜4に比べてポリ乳酸基材と粘着層との接着力が低くなるため、実施例1〜4よりのり残りの評価が劣るものであった。
実施例7、10の生分解性粘着シートは、トリマー型トリレンジイソシアネート以外のイソシアネート系化合物を適量用いているものである。実施例1〜4に比べて経時的にのり残りの評価が悪くなる傾向があるが、実際にのり残りが目視で観察されるのは高温高湿(60℃、90%RHで250時間)の過酷な環境に置いた場合のみであり、通常使用するには問題ないレベルであった。
実施例8、9の生分解性粘着シートは、トリマー型トリレンジイソシアネート以外のイソシアネート系化合物を適量用いているものである。実施例1〜4に比べて経時的にのり残りの評価が悪くなる傾向があるが、粘着面が荒れる程度であり問題ないレベルであった。
実施例11の生分解性粘着シートは、イソシアネート系化合物としてトリマー型トリレンジイソシアネートとトリマー型ヘキサメチレンジイソシアネートを混合したものを用いたものである。トリマー型トリレンジイソシアネートのみを用いた実施例1〜4に比べ、経時的なのり残りの評価が劣るものであった。
比較例1の生分解性粘着シートは、粘着層にイソシアネート系化合物を含まないものである。したがって、ポリ乳酸基材と粘着層との接着力に劣り、のり残りを起こしてしまうものであった。
比較例2の生分解性粘着シートは、ゴム系粘着剤からなる粘着層のため、実施例のものに比べポリ乳酸基材と粘着層との接着力に劣り、のり残りの評価は作成直後においても特別良好なものではなかった。また、比較例2のものは、紫外線照射後にのり残りを起こしてしまうため、屋外での使用ができず用途が限られるものであった。
[実施例12]
一方の面が離型処理されてなる厚み100μmの透明ポリエステルフィルム(ダイアホイルMRF:三菱化学ポリエステルフィルム社)の離型処理面上に、実施例1と同様にして粘着層を形成した。粘着層を形成した直後、粘着層のイソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに、ポリ乳酸基材aをラミネートし、実施例12の生分解性粘着シートを得た。
[比較例3]
一方の面が離型処理されてなる厚み100μmの透明ポリエステルフィルム(ダイアホイルMRF:三菱化学ポリエステルフィルム社)の離型処理面上に、実施例1と同様にして粘着層を形成した。次いで、60℃48時間熱処理を行い粘着層のイソシアネート系化合物のイソシアネート基を完全に反応させた。次いで、粘着層上にポリ乳酸基材aをラミネートし、比較例3の生分解性粘着シートを得た。
実施例12および比較例3の生分解性粘着シートの透明ポリエステルフィルムを剥がし、ガラスに貼り合わせた。貼り合わせ直後に粘着シートを剥離したところ、実施例12のものはのり残りが観察されず粘着層の表面も荒れていなかったが、比較例3のものはのり残りが観察された。
なお、実施例1〜12の生分解性粘着シート(実施例12については透明ポリエステルフィルムを剥離したもの)をコンポスト中に半年保管して生分解性を評価した。その結果、何れのものも加水分解を起こして消失し、良好な生分解性を有することが確認された。

Claims (3)

  1. ポリ乳酸基材上に粘着層を有する生分解性粘着シートにおいて、前記粘着層は、ポリエステル系粘着剤とイソシアネート系化合物から形成され、かつ前記イソシアネート系化合物のイソシアネート基が残存しているうちに前記基材上に積層されてなることを特徴とする生分解性粘着シート。
  2. 前記イソシアネート系化合物は、前記粘着層の全固形分中1.5〜15重量%含まれることを特徴とする請求項1記載の生分解性粘着シート。
  3. 前記イソシアネート系化合物が、トリマー型トリレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1又は2記載の生分解性粘着シート。
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