JP2008056517A - エピタキシャル基板及び気相成長方法 - Google Patents

エピタキシャル基板及び気相成長方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶中の転位の挙動に違いが出ることにより、転位の屈曲が起こらずGaN層の表面まで貫通してしまうこと、及び、ピットが閉塞しないなど、GaN層表面の平坦化に影響が出ることに対し、AlGaN中間層なしで凹凸を形成すること。
【解決手段】半導体成長用基板と、該半導体成長用基板の主面上に形成された第1の窒化ガリウム層と、該第1の窒化ガリウム層上に形成された第2の窒化ガリウム層とを有するエピタキシャル基板において、上記第1の窒化ガリウム層のa面またはm面が上記半導体成長用基板の主面に平行であって、上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層との界面は上記半導体成長用基板の主面に対して非平行であること。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードやレーザダイオードなどの発光装置、電界効果トランジスタなどの電子走行装置に利用されるエピタキシャル基板及び気相成長方法に関するものである。
窒化アルミニウム(以下、AlNという。)、窒化ガリウム(以下、GaNという。)、窒化インジウム、あるいは、それらの混晶である窒化アルミニウムガリウムインジウム(以下、AlGa1−x−yInN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)という。)などの窒化物系半導体は受発光素子や電子走行素子に用いることができるため、近年、その結晶成長や半導体装置への応用について、幅広く研究がなされており、発光ダイオード、レーザダイオードに関しては、既に実用化されている。窒化物系半導体は大型のバルク単結晶が成長できないため、一般的には、(0001)サファイア(以下c面サファイアという)、(11−20)サファイア、もしくは、(0001)4H−SiC、(0001)6H−SiCなどの基板を用いてヘテロエピタキシャル成長させている。エピタキシャル成長の方法としては、有機金属気相成長(MOVPE) 法、分子線エピタキシー(MBE)法、ハライド気相成長(HVPE)法などがあるが、実用化の面で最も一般的なのはMOVPE法である。上記のように、既に実用化されている半導体装置に用いられている窒化物系半導体は、結晶構造が反転対象性を持たない六方晶系のウルツ鉱構造であることに起因し、c軸方向に分極を生じている。このため、同じc軸方向であっても、<0001>と<000−1>は等価ではない。一方、<11−20>や<1−100>などのc軸に垂直な方向には、分極を生じないため無極性である。
従来では、図6は異なる材料からなる2層(第1層61、及び、第2層62)が積層された窒化物系半導体のヘテロ接合を示しているが、結晶成長方位は全てへテロ接合界面61aがc軸63と直交している。このように、格子定数の異なる2層を積層してなるヘテロ接合を作製した場合、結晶内に歪によって大きなピエゾ電界を生じる。このピエゾ電界は半導体装置の特性に大きな影響を与えており、電界効果トランジスタなどの電子走行装置おいて問題となっている。このピエゾ電界による問題を解消する結晶成長方法として、<11−20>または<1−100>のような無極性面が主面となるように配向させる(以下、それぞれ、a軸配向、m軸配向という。)ことでピエゾ電界が生じず、半導体装置の特性を改善できると期待されている。なお、r面サファイア基板を用いてa軸配向した窒化物形半導体を成長させることについては、従来より既に公知の技術である。しかし、無極性面に垂直な方向への窒化物系半導体の気相成長において、窒化物系半導体層に発生する転位や積層欠陥などの結晶欠陥は、<0001>配向(以下、c軸配向という。)させた場合に比べて高密度に存在し、それ故、本来無極性面で成長させた場合に期待される半導体装置の特性が得られていない。
これを改善するために、いくつかの取り組みが既に成されており、図7に示すように、一度サファイア基板上にGaNを成長させ(図中100)、その上にマスク材を堆積し(図中102)、その後、マスクのパターニングを行い(図中104)、溶剤を使って洗浄し(図中106)、GaNの再成長を行い(図中108)、横方向過剰成長を利用して、転位がエピタキシャル基板の表面に貫通することを防止したエピタキシャル基板を得ている。
しかし、この方法では、無極性GaNの成長を一度行い、基板を反応炉から取り出した後に、フォトリソグラフィー技術と蒸着などの成膜技術を用いてストライプ状のマスクの作製をし、さらに、ドライエッチング技術によって段差加工を行った後にGaN層の成長を行っており、工程が複雑であると共に、エピタキシャル基板作製時間が著しく延びてしまう問題があった。
そこで、図8のように、MOVPE法を用いてr面サファイア基板11上にAlN下地層82、AlGaN中間層83、GaN層84を順次積層して、エピタキシャル基板8を得ることが採用されている。成長中に転位をAlGaN中間層83とGaN層84との界面の凹凸形状で屈曲させ、GaN層84の表面まで貫通する前に転位を消滅させることにより、転位密度の低減が可能であると述べている。特にAlGaN中間層83は表面が凹凸形状となりやすいので、この効果を得るのに好都合である。この方法により、フォトリソグラフィー技術や成膜技術、ドライエッチング技術を必要としない方法であり、簡易に転位密度を低減できる(非特許文献1参照)。
Japanese Journal of Applied Physics,Vol.44,No.10,2005,pp.7418−7420
しかしながら、非特許文献1のAlGaN中間層83はGaNとAlNとの間の混晶であり、AlNモル分率(固相中のAlGa1−xNにおけるx)は、反応炉の状況によって容易に変化するため、AlGaN層を再現性良く作り出すのは困難であった。AlGaN中間層83のAlNモル分率の違いは、その上に形成するGaN層84に与える歪みの量が異なるため、結晶中の転位の挙動に違いが出ることにより、転位の屈曲が起こらずGaN層84の表面まで貫通してしまうこととなる。
また、AlNモル分率が異なる場合には、成長レートや凹凸形状の高さ、幅が異なることによりピットが閉塞しないなど、GaN層84表面の平坦化に影響が出ることとなる。
これらは、凹凸形状を有する層を混晶で形成していることに起因しており、AlGaN中間層83なしで凹凸を形成することが望まれていた。
上記に鑑みて本発明は、半導体成長用基板と、該半導体成長用基板の主面上に形成された第1の窒化ガリウム層と、該第1の窒化ガリウム層上に形成された第2の窒化ガリウム層とを有するエピタキシャル基板において、上記第1の窒化ガリウム層のa面またはm面が上記半導体成長用基板の主面に平行であって、上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層との界面は上記半導体成長用基板の主面に対して非平行であることを特徴とする。
さらに、上記半導体成長用基板がサファイア基板であって、該サファイア基板の主面がr面であることを特徴とする。
さらに、上記半導体成長用基板が炭化珪素、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化亜鉛、珪素、ゲルマニウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムのいずれかであることを特徴とする。
さらに、上記界面がc面または{10−11}面からなることを特徴とする。
さらに上記界面の高低差が10nm〜200nmであることを特徴とする。
さらに上記エピタキシャル基板であって、上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層が交互に積層されたことを特徴とする。
上記エピタキシャル基板への気相成長方法であって、上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層とをそれぞれ異なる圧力と温度で気相成長させて積層することを特徴とする。
上記第1の窒化ガリウム層を40kPa以上105kPa以下の圧力で成長させる第一気相成長工程と、上記第2の窒化ガリウム層を1kPa以上11kPa以下の圧力で成長させる第二気相成長工程とを有することを特徴とする。
上記第1気相成長工程における窒化ガリウム層の成長温度を900℃以上1000℃以下とすることを特徴とする。
本発明のエピタキシャル基板及びエピタキシャル基板への気相成長方法を用いることにより、複雑な工程を行うことなく、表面平坦性に優れた転位密度の少ない窒化ガリウム層を再現性良く得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明を用いて作製したエピタキシャル基板1の構造を示す一例である。GaN層はa軸配向しており、図1(a)中の矢印11b、11cは、それぞれ、r面サファイア基板11のr軸、c軸を表し、矢印13a、13bは、それぞれGaN層のa軸、c軸に対応する。
まず、MOVPE法により半導体成長用基板11上にGaN層を成長させる。例えば、r面を主面とするサファイア基板11(以下、r面サファイア基板11という。)の主面11a上に、第1のGaN層12を成長させる。第1のGaN層12は、40kPa以上105kPa以下の圧力で結晶成長させることにより、表面は凹凸形状とすることが出来る。凹凸形状は、c面や{10−11}など、半導体成長用基板の主面に非平行な面(その結晶構造に特有な安定面であるファセット面)であり、その発現のしやすさについては成長条件に依存する。
図1(b)に、無極性面を主面とする窒化物系半導体(ウルツ鉱構造)の結晶面の配置を図示した。ここで主面となる無極性面14はa面であり、c軸13bは主面と平行であり、c面15は主面に対して垂直である。
また、凹凸形状を構成する{10−11}のうち、(01−11)16を図示したが、(10−11)など他の面も同様に凹凸形状を形成しうる。本発明によれば凹凸形状の断面形状において、凹部と凸部との高低差が10nmから200nmとなる。第1のGaN層12上には、第2のGaN層13が積層されている。第2のGaN層13は1kPa以上11kPa以下の圧力で成長させる。
第1のGaN層12が凹凸形状を有することから、図2に示すように、第1のGaN層中の転位が界面12aで屈曲し、第2のGaN層13を貫通することなく、ぶつかり合って消滅する。図2では、第1のGaN層12中の転位21が、界面12aによって屈曲し、第2のGaN層13中では転位22のように斜めに進み、同様に屈曲してきた他の転位22と会合することで消滅する。この結果、第2のGaN層13の表面では、転位密度が低減され、高品質なGaN層を得ることができ、a軸配向した窒化物系半導体層を積層したエピタキシャル基板1が得られる。
上記の非特許文献1の方法では、AlGaN層によって凹凸形状を形成しているが、混晶のAlGaNを用いることでAlNモル分率や成長レートにバラツキを生じ易く、再現性が悪く、その結果、転位密度の低減を困難にする。つまり、凹凸形状の形成のため、混晶を積層することによって生じる歪みを用いている。本発明によると、混晶ではないGaNからなる第1のGaN層を用いれば、ほぼ一定の凹凸形状とすることができる。この結果、転位密度の低減の再現性を向上できる点で本発明は優れている。同一の材料で凹凸形状を形成するために、本発明では第1のGaN層12と第2のGaN層13の成長圧力を大きく変化させていることが重要である。これは、半導体成長用基板の主面に対して平行な無極性面を有するGaNのファセット面の形成が成長圧力に大きく依存していることに着目したものであり、第1のGaN層を高い圧力で成長させることで凹凸形状を形成し、その後、第2のGaN層を低い圧力で成長させて、表面の平坦化を行うことが有効な手段である。成長温度は、第1のGaN層12成長時に、900℃以上、1000℃以下とすればよい。第1のGaN層は1000℃以下では表面の凹凸形状において(11−20)のファセット面が形成されにくくなり、その代わりにc面や{10−11}などのファセット面が形成されるため、その上に成長させる第2のGaN層中の転位が表面まで貫通するのを低減できる。
図3は、無極性面であるa面31を主面とする場合の、各面の位置関係を説明するためにエピタキシャル基板を上から見たものであり、c面32、及び、{10−11}のファセット面33によって囲まれた形状を一つ描いてある。a面からなる主面31に対してc面32は垂直に位置している。(10−11)のファセット面33、または、それと等価な面である(01−11)のファセット面34は無極性面であるa面31に対して斜めに位置している。 実際には、このような形状を有するGaNのドメインが高密度に集まり、隣り合わせることで第1のGaN層12となり、第1のGaN層12の成長後の主面にはa面は存在せず、エピタキシャル基板の表面全般に渡って凹凸形状を形成する。この凹凸形状を埋め込むように第2のGaN層13を形成させる。
このようなファセット面の形成は、エピタキシャル基板の断面を、蛍光顕微鏡を用いて観察することで確認できる。蛍光顕微鏡は紫外線を用いて観察するが、ファセット面の形成が異なることによって取り込まれる不純物濃度が変化することから、界面12aを明瞭に観察することが可能である。本発明において界面12aがc面または{10−11}面からなることは。蛍光顕微鏡で界面12aの角度を特定することで確認可能である。
ここで、第1のGaN層を900℃よりも低い温度で成長させると、転位自体が多くなり好ましくない。第2のGaN層は圧力依存が強く、1kPa以上11kPa以下の圧力で成長を行えば、成長温度に依存せずに表面平坦性の効果を得ることができる。
気相成長における圧力を1kPa以下とすると結晶成長自体が進まず、11kPa以上とするとエピタキシャル基板の表面平坦性が劣化する。
第1、及び、第2のGaN層の成長レートは、成長条件によって異なり、また、成長装置の反応炉構造やサイズにも依存するため、それに応じて成長時間を調整する必要があるが、転位密度の低減と表面平坦性の向上の効果を十分に得られる範囲において、例えば、第1、及び、第2のGaN層でそれぞれ2.0μm/h、及び、1.0μm/hとすれば良い。
また、第1のGaN層によって形成する凹凸形状の高さが200nm以上の場合、第2のGaN層の成長により凹凸形状を埋め込むことが困難となり、これを埋め込んで平坦性を高めるために多大な時間を要する事となるため、第2のGaN層の成長による凹凸形状の埋め込みが容易な高さは200nmでとどめておくことが好ましい。凹凸形状の埋め込みが十分でない場合は、第1、及び、2のGaN層の積層を交互に繰り返すことで、転位密度の低減を行いつつ、平坦性の向上を行うことができる。必要に応じて、繰り返しの回数を定めれば良く、例えば、2〜5回繰り返せば良い。
図4に積層を2回繰り返してGaNを形成したエピタキシャル基板2の断面構造を示す。
r面サファイア基板11上に、第1のGaN層42を、40kPa以上105kPa以下の成長圧力で成長させ、高さ200nm以下の凹凸形状を形成する。その後、第2のGaN層43を1kPa以上、11kPa以下の成長圧力で成長させ、凹凸形状を埋め込みを行う。
しかしながら、表面の平坦化が不十分な場合があるので、上記第1のGaN層42の成長条件と同じ条件によって第3のGaN層44を積層する。その後、上記第2のGaN層43の成長条件と同じ条件によって第4のGaN層45を積層する。交互に積層することにより、転位密度の低減効果を損なうことなく、表面の平坦化を行うことができる。図4では2回繰り返す場合を例に説明したが、さらに回数を増しても良く、繰り返すことで表面平坦性の向上を図ることが好ましい。
半導体成長用基板としては、炭化珪素、GaN、AlN、窒化硼素、酸化亜鉛、珪素、ゲルマニウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムのいずれかの単結晶を用いることができ、それぞれ適切な条件を用いて、窒化物系半導体の成長を行うことができる。
第1、及び、第2のGaN層の面方位は、半導体成長用基板の面方位によって一意的に決まり、例えば、サファイア基板のr面を用いて、その上に成長させる窒化物系半導体層12はa軸配向するようにすることが好ましい。
また、SiC基板のa面を用いると、a面の窒化物系半導体層12が得られ、m面を用いると、m面の窒化物系半導体層が得られる。このように、上記半導体成長用基板も適宜面方位を選べば、それぞれに対応した面方位の窒化物系半導体層12を得ることができる。
本発明の結晶成長の方法としては、MOVPE法を用いたが、本発明はこの方法に限られるものではなく、MBE法、HVPE法など、その他の気相成長法であっても構わない。
本発明の気相成長方法を用いて製造した窒化物系半導体のエピタキシャル基板は、表面平坦性に優れ、原子間力顕微鏡(AFM)で測定したRMS表面粗さは、10nm以下とすることができる。この値は、半導体装置を製造するにあたって十分なRMS表面粗さである。従って、このエピタキシャル基板1を用いた場合、ピエゾ電界に起因する悪影響を受けない、優れた特性を有する半導体装置を製造することができる。
また、図5における1はサファイアの単位格子を示している。サファイアのr面は、製造上の誤差によって、若干のオフアングルを有していることがある。図5に示すようなサファイア基板11のr面52のオフアングルについては、c軸53をr軸54に近づける方向に0.5°程度傾けたものを用いると結晶成長が容易になるので好ましいが、あらゆる方向のオフアングルが5度以下であれば、成長条件を調節することで、本発明の効果を発揮させることが可能であるため、本発明におけるr面を主面とするサファイア基板は、5度以内のオフアングルを許容するものとする。
以下、本発明の実施例について、結果を表1に示して説明する。
Figure 2008056517
(第1の実施例)
成長方法にはMOVPE法を用い、半導体成長用基板11としてr面サファイア基板上に、まず第1のGaN層12を、基板温度を950℃、成長圧力を70kPa、15minで、高さ100nmの凹凸形状が形成し、引き続き、第2のGaN層13を基板温度950℃、成長圧力5kPa、60minで形成することで、本発明の実施例である試料3に示すエピタキシャル基板1を得た。X線回折により第2のGaN層13がa軸配向していることが確認され、断面透過型電子顕微鏡観察により、転位密度が2×10cm−2以下で有良好な結果を得た。エピタキシャル基板11の表面平坦性も3nmと良好であった。N数100で同じ実験を行ったところ、歩留まりは85%以上であり良好な再現性を有していた。
一方、比較例である試料1では、第1のGaN層12と第2のGaN層13の成長圧力がそれぞれ70kPa、100kPaであり、無極性面が十分に現れず、また再現性がなく、半導体装置を作製するに堪えないエピタキシャル基板となってしまった。他の比較例である試料2では、第1のGaN層12と第2のGaN層13の成長圧力がそれぞれ5kPaであり、界面12aが主面に対して平行となっていたため、転位密度の低減効果が得られず、1×1011cm−2の高い転位密度のエピタキシャル基板となってしまった。
次に、本発明の実施例である試料3と同じ条件で半導体成長用基板11の材料のみを変更し、炭化珪素、GaN、AlN、窒化硼素、酸化亜鉛、珪素、ゲルマニウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムを用いた試料4〜12を作製した。それぞれ、無極性面が出現するような面方位を選んで実験した結果、r面サファイア基板を用いた場合と同様、約1×10cm−2であり、良好な転位密度となっていた。また、歩留まりも90%で良好な再現性を有していた。
次に、第1のGaN層12の成長圧力を変化させた試料13〜16を作製した。試料13のように、第1のGaN層12の成長圧力が40kPa以下のときは、第1のGaN層12と第2のGaN層13の界面12aが、局所的に半導体成長用基板11に対して平行となる場合があり、転位密度は、2×1010cm−2となってしまうが使用可能な範囲である。一方、試料16のように成長圧力を110kPaとしたときは、界面12aの高低差が230nmと大きくなり、最終的なエピタキシャル基板表面を平坦化できなかった。
次に、第2のGaN層13の成長圧力を変化させた試料17〜20を作製した。試料17〜20を原子管力顕微鏡(AFM)によって測定すると、エピタキシャル基板11のRMS表面粗さが強く影響を受けていた。試料17と20ではRMS表面粗さが悪化するが使用可能な範囲ではある。
次に、第1のGaN層12の成長温度を変化させた試料21〜24を作製した。900℃以下のときはエピタキシャル基板11の転位密度があまり低減されず、また、1000℃より高い時は、界面12aの高低差が大きくなるため、エピタキシャル基板11の表面平坦性がやや劣化したが、それぞれ使用可能な範囲ではある。
次に、第1のGaN層12、及び、第2のGaN層13の積層回数を増やして実験を行った。この実験手順を下記に示す。
成長方法にはMOVPE法を用い、半導体成長用基板11としてr面サファイア基板を使用した。
まず、第1のGaN層12を基板温度950℃、成長圧力70kPa、45minで、高さ300nmの凹凸形状を形成し、引き続き、第2のGaN層13を基板温度950℃、成長圧力5kPa、180minとしたが、界面12aの凹凸形状を第2のGaN層12の成長によってこれを埋め込むことができず、RMS表面粗さが大きくなった。しかし、第1のGaN層12の成長時間を短くすると、転位密度の低減効果が損なわれてしまうため、第1のGaN層12及び第2のGaN層13の成長時間をそれぞれ5min及び20minと短くする代わりに、第1のGaN層12及び第2のGaN層13の積層を交互に繰り返すことで、凹凸形状を埋め込む表面平坦性の向上と、転位密度の低減を両立させることを試みた。試料25,26に示すように、2回以上積層を交互に繰り返した場合は、いずれも表面平坦性と再現性に優れたエピタキシャル基板1を得ることができた。
なお、試料27は非特許文献1に対応する比較例であるが、材質の異なる層が介在するため再現性が悪いものであった。
(a)は本発明のエピタキシャル基板の実施形態を説明する断面図であり、(b)は無極性面を主面とする窒化物系半導体(ウルツ鉱構造)の結晶面の模式図である。 本発明のエピタキシャル基板における転位の挙動を説明する模式図である。 本発明のエピタキシャル基板における凹凸形状を説明する模式図である。 本発明のエピタキシャル基板の他の実施形態を説明する断面図である。 本発明で用いるr面サファイア基板を説明する模式図である。 通常のc軸配向した窒化物系半導体のヘテロ接合を説明する模式図である。 従来のa面を主面とするGaNの転位密度の低減方法のフローチャートである。 従来のエピタキシャル基板を示す断面図である。
符号の説明
1 エピタキシャル基板(本発明)
4 本発明のエピタキシャル基板
8 エピタキシャル基板(従来例)
11 半導体成長用基板
11b 半導体成長用基板のr軸
11c 半導体成長用基板のc軸
12 第1のGaN層
12a 界面
13 第2のGaN層
13a 窒化物系半導体層のa軸
13b 窒化物系半導体層のc軸
14 無極性面
15 GaN層のc面
16 GaN層の(01−11)面
21 垂直に延びる転位
22 屈曲した転位
31 GaN層のa面
32 GaN層のc面
33 GaN層の(10−11)面
34 GaN層の(01−11)面
42 第1のGaN層
43 第2のGaN層
44 第3のGaN層
45 第4のGaN層
51 サファイアの単位胞
52 サファイア基板のr面
53 サファイア基板のc軸
54 サファイア基板のr軸
61 層
61a ヘテロ接合界面
62 層
63 サファイア基板のc軸
82 AlN下地層
83 AlGaN中間層
84 GaN層

Claims (9)

  1. 半導体成長用基板と、
    該半導体成長用基板の主面上に形成された第1の窒化ガリウム層と、
    該第1の窒化ガリウム層上に形成された第2の窒化ガリウム層とを有するエピタキシャル基板において、
    上記第1の窒化ガリウム層のa面またはm面が上記半導体成長用基板の主面に平行であって、
    上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層との界面は上記半導体成長用基板の主面に対して非平行である
    ことを特徴とするエピタキシャル基板。
  2. 上記半導体成長用基板がサファイア基板であって、該サファイア基板の主面がr面であることを特徴とする請求項1記載のエピタキシャル基板。
  3. 上記半導体成長用基板が炭化珪素、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化亜鉛、珪素、ゲルマニウム、アルミン酸リチウム、ニオブ酸リチウムのいずれかである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエピタキシャル基板。
  4. 上記界面がc面または{10−11}面からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエピタキシャル基板。
  5. 上記界面の高低差が10nm〜200nmである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエピタキシャル基板。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエピタキシャル基板であって、
    上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層が交互に積層された
    ことを特徴とするエピタキシャル基板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のエピタキシャル基板への気相成長方法であって、
    上記第1の窒化ガリウム層と第2の窒化ガリウム層とをそれぞれ異なる圧力と温度で気相成長させて積層する
    ことを特徴とする気相成長方法。
  8. 上記第1の窒化ガリウム層を40kPa以上105kPa以下の圧力で成長させる第一気相成長工程と、
    上記第2の窒化ガリウム層を1kPa以上11kPa以下の圧力で成長させる第二気相成長工程とを有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の気相成長方法。
  9. 上記第1気相成長工程における窒化ガリウム層の成長温度を900℃以上1000℃以下とする
    ことを特徴とする請求項7または8に記載の気相成長方法。





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