JP2008056307A - キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】スコアを破断するのに指かけ部に付与する力を低減させてその開栓性を向上させる。
【解決手段】生分解性を有する合成樹脂製のキャップ10であって、キャップ本体15のうち少なくとも天板部13は、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を15〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜15wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマスプラが主成分になる完全生分解性樹脂製のキャップに関するものである。
従来から、ボトルの口部に取り付けられるキャップとして、スコアで区画された切り取り可能領域を有する天板部と、この天板部をその径方向外方から囲うように設けられるとともに、容器の口部に嵌合される周壁部とを備えるキャップ本体を有し、前記切り取り可能領域に指かけ部が設けられた構成が知られている。なお、このボトルには、例えば調味料等の液体が充填される。
そして近年では、環境保護の要請から、このキャップを、下記特許文献1に示されるような、例えばポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性樹脂で形成することが検討されている。
特開2006−124023号公報
しかしながら、従来の生分解性樹脂で形成したキャップでは、開封に際し前記指かけ部に大きな力をかけなければ、前記スコアを破断して切り取り可能領域を天板部から分離することができないという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、生分解性樹脂製のキャップに良好な開栓性を具備させることができるキャップを提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のキャップは、スコアで区画された切り取り可能領域を有する天板部と、この天板部をその径方向外方から囲うように設けられるとともに、容器の口部に嵌合される周壁部とを備えるキャップ本体を有し、前記切り取り可能領域に指かけ部が設けられた生分解性を有する合成樹脂製のキャップであって、前記キャップ本体のうち少なくとも前記天板部は、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を15〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜15wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されていることを特徴とする。
この発明では、天板部が前記混合樹脂材料で形成されているので、この天板部の柔軟性を、従来の生分解性樹脂で形成された天板部よりも高めることが可能になり、前記スコアを破断するのに前記指かけ部に付与する力を低減することができ、このキャップの開栓性を向上させることができる。
ここで、前記キャップ本体に、前記天板部の外面を開閉可能な蓋体がヒンジを介して連結され、このヒンジは、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜45wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されてもよい。
この場合、ヒンジが前記混合樹脂材料で形成されているので、このヒンジの柔軟性を、従来の生分解性樹脂で形成されたヒンジよりも高めることが可能になり、蓋体を繰り返し開閉しても、このヒンジが千切れるのを抑制することができる。
また、前記キャップ本体、ヒンジおよび蓋体は、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で一体に形成されてもよい。
この場合、キャップ本体、ヒンジおよび蓋体が、前記混合樹脂材料で一体に形成されているので、例えば一度の射出成形工程を経れば、前記の作用効果を有するキャップを形成することが可能になり、高効率な生産を実現することができる。
この発明に係るキャップによれば、スコアを破断するのに指かけ部に付与する力を低減させてその開栓性を向上させることができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。この実施形態に係る生分解性を有する合成樹脂製のキャップ10は、スコア11で区画された切り取り可能領域12を有する天板部13と、この天板部13をその径方向外方から囲うように設けられるとともに、図示されない容器の口部に嵌合される周壁部14とを備えるキャップ本体15を有し、切り取り可能領域12には指かけ部16が設けられている。また、本実施形態では、キャップ本体15に、天板部13の外面を開閉可能な蓋体18がヒンジ17を介して連結されている。
スコア11は天板部13の内面に形成され、切り取り可能領域12は平面視菱形状をなしている。また、指かけ部16は、天板部13の外面に立設された支柱部16aと、この支柱部16aの上端に連結され、天板部13の外面に沿って延びるリング部16bとを備えた、いわゆるプルリングを構成している。支柱部16aは、天板部13の外面において、前記菱形状を構成する4つの頂部のうちの1つと対応する位置に設けられ、リング部16bは、天板部13の中心軸線と同軸上に設けられている。なお、本実施形態では、天板部13はその外面が凹曲面状をなすように湾曲している。
ここで、周壁部14は、天板部13の外周縁部に垂設された内側筒部14aと、この内側筒部14aを径方向外方から囲うように設けられた外側筒部14bとを備え、これら14a、14bの各上端は環状板14cで連結されている。また、天板部13の外面における外周縁には注出筒部19が立設され、その上端開口部は、曲面をなすように径方向外方に折り曲げられている。さらに、環状板14cの外面には、蓋体18が係合可能な係合部14dを有する係合筒部14eが立設されている。
ここで、注出筒部19の上端は、係合筒部14eの上端よりも上方に位置している。また、指かけ部16は注出筒部19の上端よりも下側に配置されている。
また、内側筒部14aの外周面と、外側筒部14bの内周面との間には隙間が設けられている。この隙間に容器の口部を挿入したときに、外側筒部14bの内周面における下端開口部に形成された係合部14fが、この容器の口部に設けられた図示されない係合部と係合することによって、キャップ10が容器の口部に装着されるようになっている。
そして、本実施形態では、キャップ10の全体が、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε-カプロラクトン-ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で一体に形成されている。なお、このキャップ10は、例えば射出成形で形成することができる。ここで、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体とは、琥珀酸、アジペートおよび乳酸の少なくとも1つと、1、4−ブタンジオールとの共重合体をいう。
以上説明したように本実施形態に係るキャップ10によれば、天板部13が前記混合樹脂材料で形成されているので、この天板部13の柔軟性を、従来の生分解性樹脂で形成された天板部よりも高めることが可能になり、スコア11を破断するのに指かけ部16に付与する力を低減することができ、このキャップ10の開栓性を向上させることができる。
また、本実施形態では、ヒンジ17も前記混合樹脂材料で形成されているので、このヒンジ17の柔軟性を、従来の生分解性樹脂で形成されたヒンジよりも高めることが可能になり、蓋体18を繰り返し開閉しても、このヒンジ17が千切れるのを抑制することができる。
さらに、キャップ10の全体が、前記混合樹脂材料で一体に形成されているので、一度の射出成形工程を経れば、前記の作用効果を有するキャップ10を形成することが可能になり、高効率な生産を実現することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、キャップ10の全体が、前記混合樹脂材料で一体に形成された構成を示したが、これに代えて、例えば、キャップ本体15の天板部13は、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を15〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜15wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成する一方、ヒンジ17は、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜45wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成してもよい。
また、ヒンジ17は、この混合樹脂材料以外の他の生分解性樹脂で形成してもよい。さらに、前述したキャップ10に、ヒンジ17および蓋体18を設けなくてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、指かけ部16として前記プルリングを示したが、前述した形態に限られるものではない。
また、前記実施形態では、キャップ10として、キャップ本体15と蓋体18とがヒンジ17を介して連結された構成を示したが、これに代えて、例えば、キャップ本体と蓋体とを別体にして、キャップ本体に蓋体を着脱可能にアンダーカット嵌合できるキャップを採用してもよいし、あるいはキャップ本体と蓋体とを別体にして、キャップ本体および蓋体にそれぞれ、互いに螺合可能なねじ部が形成されたキャップを採用してもよい。
次に、以上説明した作用効果についての検証試験を実施した。
ここで、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を以下、A材料といい、グリセリン脂肪酸エステル、およびポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を以下、B材料という。
試験に供するキャップとして、A材料の種類、B材料の種類、ポリ乳酸の含有量、A材料の含有量、およびB材料の含有量のうち、少なくとも1つを異ならせた複数種の混合樹脂材料を用意し、各混合樹脂材料で全体を一体に形成したキャップを採用した。また、比較例としてポリエチレンで全体を一体に形成したキャップも用意した。なお、これら全てのキャップについて寸法は統一した。
そして、各キャップにおいて、前記プルリングのリング部を垂直方向、および45°傾けた方向に各別に引き上げて、スコアを破断させ切り取り可能領域を天板部から分離するのに要した引き上げ力を測定するとともに、ヒンジが千切れるまで蓋体の開閉を繰り返し行ったときの開閉回数を求めた。
その結果、天板部が、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を15〜40wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜15wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されていれば、前記引き上げ力は、ポリエチレンで形成したキャップと略同等であり、実使用に耐え得る大きさ(80N以下)に抑えられることが確認された。
例えば、天板部が、ポリ乳酸を54wt%、ポリブチレンアジペート・テレフタレートを35wt%、グリセリン脂肪酸エステルを11wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成され、かつ切り取り可能領域の肉厚が約0.20mmとされていれば、前記引き上げ力は70N以下であり、また、天板部が、ポリ乳酸を63.5wt%、ポリブチレンアジペート・テレフタレートを25wt%、グリセリン脂肪酸エステルを11.5wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成され、かつ切り取り可能領域の肉厚が約0.20mmとされていれば、前記引き上げ力は80N以下であることが確認された。
また、ヒンジが、ポリ乳酸を50〜75wt%、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜45wt%、グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されていれば、前記開閉回数は240回以上であり実使用上問題ないことが確認された。
スコアを破断するのに指かけ部に付与する力を低減させてその開栓性を向上させることができる。
本発明に係る一実施形態として示したキャップを開いたときの縦断面図である。 図1に示すキャップの上面図である。
符号の説明
10 キャップ
11 スコア
12 切り取り可能領域
13 天板部
14 周壁部
15 キャップ本体
16 指かけ部
17 ヒンジ
18 蓋体

Claims (3)

  1. スコアで区画された切り取り可能領域を有する天板部と、この天板部をその径方向外方から囲うように設けられるとともに、容器の口部に嵌合される周壁部とを備えるキャップ本体を有し、前記切り取り可能領域に指かけ部が設けられた生分解性を有する合成樹脂製のキャップであって、
    前記キャップ本体のうち少なくとも前記天板部は、
    ポリ乳酸を50〜75wt%、
    ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を15〜40wt%、
    グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜15wt%、
    それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されていることを特徴とするキャップ。
  2. 請求項1記載のキャップであって、
    前記キャップ本体に、前記天板部の外面を開閉可能な蓋体がヒンジを介して連結され、このヒンジは、
    ポリ乳酸を50〜75wt%、
    ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜45wt%、
    グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、
    それぞれ含有する混合樹脂材料で形成されていることを特徴とするキャップ。
  3. 請求項2記載のキャップであって、
    前記キャップ本体、ヒンジおよび蓋体は、
    ポリ乳酸を50〜75wt%、
    ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートアジペート共重合体、ポリ(ε−カプロラクトン−ブチレンサクシネート)、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、(1、4−ブタンジオール、琥珀酸、アジペート、乳酸)系共重合体を20〜40wt%、
    グリセリン脂肪酸エステル、若しくはポリ乳酸/ジオール・ジカルボン酸共重合体を5〜10wt%、
    それぞれ含有する混合樹脂材料で一体に形成されていることを特徴とするキャップ。

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